JP3065009U - 簡易暗視野観察器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造でかつ簡便な操作と低コストによ
り皮膚角質層の観察を行なうことができる簡易暗視野観
察器を提供する。 【解決手段】 一端を開口したケース１０と、ケース１
０の開口に設けられた凸レンズ２２と、ケース１０に形
成され透明の粘着テープ３０をケース１０内に挿通する
ための挿通口１１とを備え、ケース１０における挿通口
１１の近傍を透明体１３で形成するとともに、それ以外
の部分を黒色体１２で形成してなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、簡易な構造で皮膚角質層を採取して肌の状態などを観察する簡易 暗視野観察器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、皮膚角質層を検査する方法として、粘着テープを用いて顔面などに貼り 付け、この粘着テープに貼り付けた皮膚角質層を着色板に固定し、これを顕微鏡 で観察するものが、たとえば特開平７−２０９２９２号公報に開示されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上記従来の方法では、皮膚角質層を着色板に固定し、さらにこれを 顕微鏡で観察しているので、非常に手間が掛かり面倒であるとともに、設備が必 要となり、コストが掛かるいう問題点がある。

【０００４】 この考案は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであって、その目的と するところは、簡単な構造でかつ簡便な操作と低コストにより皮膚角質層の観察 を行なうことができる簡易暗視野観察器を提供することにある。 この考案の上記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および 添付図面から明らかになるであろう。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成すべく、この考案に係る簡易暗視野観察器は、一端を開口した ケースと、ケースの開口に設けられた凸レンズと、ケースに形成され透明の粘着 テープをケース内に挿通するための挿通口とを備え、ケースにおける挿通口の近 傍を透明体で形成するとともに、それ以外の部分を黒色体で形成したことを特徴 としている。 また、上記透明体に光拡散層を形成したことを特徴としている。 また、上記透明体を球面形状に形成し、上記粘着テープに投光される外光の集 光効果を高めたことを特徴としている。 また、上記凸レンズと上記粘着テープとの距離を可変できるように上記凸レン ズを往復動可能に上記ケースに装着したことを特徴としている。 さらに、上記凸レンズを上記ケースに着脱自在に装着したことを特徴としてい る。 さらにまた、上記凸レンズを複数個配設したことを特徴としている。

【０００６】

【考案の実施の形態】

以下、この考案の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。実施の形態を 説明するに当たって、同一機能を奏するものは同じ符号を付して説明する。 図１はこの考案の一実施の形態に係る簡易暗視野観察器の正面図、図２は簡易 暗視野観察器の側面図、図３は簡易暗視野観察器の断面図、図４は簡易暗視野観 察器の粘着テープ挿入時の側面図、図５（ａ）は暗視野における図４のＡ部観察 図、図５（ｂ）は図５（ａ）の比較例として暗視野でない場合での図４のＡ部観 察図である。また、図６はこの考案の他の実施の形態に係る簡易暗視野観察器の 断面図である。

【０００７】 図１〜３に示す簡易暗視野観察器は、一端を開口した略有底筒形状を呈するプ ラスチック製、金属製、ゴム製など適宜の材料が適用でき、たとえばＡＢＳ樹脂 から形成したケース１０を有している。このケース１０は黒色体１２、開口を有 する透明体１３に区分されており、透明体１３の開口には、保持筒２０がケース １０の軸線方向に沿って往復動可能に挿入されている。

【０００８】 透明体１３には、図４に示すような透明の粘着テープ３０を挿通するためのス リット状の挿通口１１がケース１０の軸線方向に直交するように形成され、透明 体１３内には、粘着テープ３０の挿通を案内し、かつ粘着テープ３０を位置決め するための中間筒１４が設けられている。

【０００９】 保持筒２０は、ケース１０の内面を摺動する円筒体２１を有し、この円筒体２ １は、一対の凸レンズ２２を所定間隔おいて対向するように保持している。 簡易暗視野観察器は、以上のように構成されているので、肌の状態を観察する 場合は、まず、粘着テープ３０を肌に押し当てて、粘着テープ３０に皮膚角質層 ９を貼り付け採取する。

【００１０】 その後、図４に示すように、粘着テープ３０をケース１０の挿通口１１に挿通 して、凸レンズ２２を通して拡大された観察視野Ａ内の皮膚角質層９の均一性を 観察する。

【００１１】 これにより肌の状態を知ることができ、新陳代謝の状況などが分かる。

【００１２】 ところで、プラスチック製の透明体１３はレンズ効果を有し、外光を集光する ので、粘着テープ３０の皮膚角質層９には、充分な外光が投光され、粘着テープ ３０の皮膚角質層９以外の部分に投光された光は、黒色体１２に吸収され反射さ れないため、暗視野状態での観察が可能となる。

【００１３】 このため、図５（ａ）に示すように、暗視野状態でない図５（ｂ）と比べて、 皮膚角質層９とそれ以外の部分とのコントラストの大きさに明確な差が生じる。 つまり、暗視野状態の場合では、背景が暗いため皮膚角質層９が明るく浮き上が って見えるので、半透明の皮膚角質層９でも確実に観察することができるように なる。

【００１４】 このように、本実施の形態の簡易暗視野観察器は、透明体１３および黒色体１ ２からなるケース１０に粘着テープ３０を挿通する挿通口１１を形成した簡単で コンパクトな構造となり、粘着テープ３０を挿通するという簡便な操作により、 皮膚角質層９を暗視野状態で観察することができ、たとえばファンデーションな どを肌に付けた状態で粘着テープを肌に付着させることにより、剥がした粘着テ ープを観察すると、粘着したファンデーションの分布状況から、図５（ｃ）に示 すように、肌のキメの状態も観察できる。

【００１５】 さらに、ＣＣＤカメラなどを使用せず、皮膚角質層９を肉眼で簡単に観察する ことができ、ＬＥＤなどを使用せずに室内の照明でも充分に観察することができ る。 また、ケース１０に凸レンズ２２を往復動可能に装着したことにより、凸レン ズ２２と粘着テープ３０との距離が容易に可変され、焦点を簡単に合わせること ができる。

【００１６】 以上、この考案の実施の形態の簡易暗視野観察器について詳述したが、この考 案は、上記実施の形態記載の簡易暗視野観察器に限定されるものではなく、本考 案の特許請求の範囲に記載されている考案の精神を逸脱しない範囲で、設計にお いて種々の変更ができるものである。

【００１７】 たとえば、図６に示す簡易暗視野観察器では、略有底筒形状を呈しＡＢＳ樹脂 からなるケース４０が黒色体４２、開口を有する透明体４３に区分され、透明体 ４３の開口には、保持筒２０がケース４０の軸線方向に沿って往復動可能に挿入 されている。 透明体４３には、粘着テープ３０を挿通するためのスリット状の挿通口４１が ケース４０の軸線方向に直交するように形成され、透明体４３内には、粘着テー プ３０の挿通を案内し、かつ粘着テープ３０を位置決めするための中間筒４４が 設けられている。

【００１８】 透明体４３の外面には、球面部４３ａが形成され、内面には光拡散層４３ｂが 形成され、保持筒２０は、ケース４０の内面を摺動する円筒体２１を有し、この 円筒体２１は、１対の凸レンズ２２を所定間隔おいて対向するように保持してい る。

【００１９】 このような簡易暗視野観察器では、球面部４３ａを形成したことにより外光の 集光効果が向上すると共に、光拡散層４３ｂを形成したことにより光が乱反射し て良好な暗視野状態が創出されるので、皮膚角質層９をより確実に観察すること ができる。 また、本実施の形態では、皮膚角質層９の観察を例にとって説明したが、半透 明の試料、たとえば宝石、コンタクトレンズの傷なども観察することができる。 また、凸レンズ２２をケース１０に着脱自在に装着することにより、試料に適 合する倍率のレンズに交換することができ、効果的な観察が可能となる。

【００２０】

【考案の効果】

以上の説明から理解されるように、この考案の簡易暗視野観察器によれば、透 明体および黒色体からなるケースに粘着テープを挿通する挿通口を形成した簡単 でコンパクトな構造となり、粘着テープを挿通するという簡便な操作により、皮 膚角質層を暗視野状態で確実に低コストで観察することができる。また、ファン デーションなどを肌に付けた状態で粘着テープを肌に付着させることにより、剥 がした粘着テープを観察すると、ファンデーションの分布状況が分かり、これに より肌のキメの状態などを観察することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施の形態を示す簡易暗視野観察
器の正面図である。

【図２】この考案の一実施の形態を示す簡易暗視野観察
器の側面図である。

【図３】この考案の一実施の形態を示す簡易暗視野観察
器の断面図である。

【図４】この考案の一実施の形態を示す簡易暗視野観察
器の粘着テープ挿入時の側面図である。

【図５】（ａ）は、暗視野における図４のＡ部観察図、
（ｂ）は、（ａ）の比較例として暗視野でない場合での
図４のＡ部観察図である。

【図６】この考案の他の実施の形態を示す簡易暗視野観
察器の断面図である。

【符号の説明】

９ 皮膚角質層 １０，４０ ケース １１，４１ 挿通口 １２，４２ 黒色体 １３，４３ 透明体 １４，４４ 中間筒 ２０ 保持筒 ２１ 円筒体 ２２ 凸レンズ ３０ 粘着テープ ４３ａ 球面部 ４３ｂ 光拡散層 Ａ 観察視野

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一端を開口したケースと、上記ケースの
   開口に設けられた凸レンズと、上記ケースに形成され透
   明の粘着テープを上記ケース内に挿通するための挿通口
   とを備え、上記ケースにおける上記挿通口の近傍を透明
   体で形成するとともに、それ以外の部分を黒色体で形成
   したことを特徴とする簡易暗視野観察器。
2. 【請求項２】 前記透明体に光拡散層を形成したことを
   特徴とする、請求項１記載の簡易暗視野観察器。
3. 【請求項３】 前記透明体を球面形状に形成し、前記粘
   着テープに投光される外光の集光効果を高めたことを特
   徴とする、請求項１または２記載の簡易暗視野観察器。
4. 【請求項４】 前記凸レンズと前記粘着テープとの距離
   を可変できるように前記凸レンズを往復動可能に前記ケ
   ースに装着したことを特徴とする、請求項３記載の簡易
   暗視野観察器。
5. 【請求項５】 前記凸レンズを前記ケースに着脱自在に
   装着したことを特徴とする、請求項４記載の簡易暗視野
   観察器。
6. 【請求項６】 前記凸レンズを複数個配設したことを特
   徴とする、請求項５記載の簡易暗視野観察器。