JP3063868U - マフラ―カッタ― - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】車両の排気マフラーに装着する筒体状のマ
フラーカッターにおいて、マフラーカッターの側壁を二
重構造に形成して排気ガスが通過する流通路Ｐの周囲に
外側壁１と内側壁２とを設ける。これら外側壁１と内側
壁２との間に流通路Ｐの周囲に沿った補助流通路３を設
ける。流通路Ｐの排気ガス入口側から補助流通路３に通
じる吸入孔４を内側壁２に開穿する。内側壁２の排気口
Ｐ１側に補助流通路３から流通路Ｐに通じる排出孔５を
開穿する。 【効果】排気マフラーの内側壁から排気口に沿って排出
される排気ガスを整流して、マフラーカッターの排気口
周囲や、排気口近傍の車体の汚れを防止する。排気口部
分の排気効率を良好にする。優れた消音効果も発揮す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、車両用の排気マフラーに装着して、排気マフラーの排気流を整える ために使用するマフラーカッターに関する。

【０００２】

【従来の技術】

排気マフラーの端部に装着して使用するマフラーカッターは、主に、車両の見 栄えを良好にするために使用されている。また、排気音を制御するために使用さ れるマフラーカッターの構成が特開平8-175198号公報の騒音制御装置のアクチュ エータに記載されている。このマフラーカッターによると、排気管の出口及び導 派管の出口付近に反射壁を設け、排気管出口からの騒音と導派管出口からのキャ ンセル音とを効率よく干渉させることで騒音制御効果を上げるものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、従来の排気音を制御するために使用されるマフラーカッターは、騒 音制御装置のアクチュエータの構成の一部として設けられるので、マフラーカッ ター自体が特殊な形状を成しており、所謂、車両をドレスアップするものとして は不適当な形状である。

【０００４】 一方、車両の見栄えを良好にしてドレスアップするために用いる一般的なマフ ラーカッターは、排気マフラーの端部デザインを変更すること自体が目的であり 、外観の印象を変えることは可能でも、車両の排気効率を上げたり、消音性能を 高めるものではない。車両の排気効率を上げるには、例えば、通称タコ足と称す るエキゾーストマニホールド以降の部品を交換するなどの作業が必要になる。し かも、ドレスアップに用いる一部のマフラーカッターには、消音性能が劣り排気 音を徒に高めてしまうものや、排気マフラーの排気口部に装着することが原因で 、排気効率が落ちるもの、あるいは排気ガスを排気口部分で巻き上げてしまい、 マフラーカッターや車体を汚すものなどが多かった。

【０００５】 そこで、本考案は上述の課題を解消すべく創出されたもので、車両の見栄えを 良好にすると共に、排気マフラーから排出される排気ガスを整流してマフラーカ ッターの排気口部分や周囲の車体の汚れを防止し、排気口部分の排気効率を良好 にすると共に、優れた消音効果を発揮するマフラーカッターの提供を目的とする ものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上述の目的を達成すべく創出された本考案の第１の手段は、車両の排気マフラ ーに装着する筒体状のマフラーカッターにおいて、マフラーカッターの側壁を二 重構造に形成して排気ガスが通過する流通路Ｐの周囲に外側壁１と内側壁２とを 設け、これら外側壁１と内側壁２との間に補助流通路３を設け、流通路Ｐの排気 ガス入口側から補助流通路３に通じる吸入孔４を内側壁２に開穿すると共に、補 助流通路３から流通路Ｐに通じる排出孔５を内側壁２の排気口Ｐ１側に開穿し、 吸入孔４の開口部総面積を、排出孔５の開口部総面積より広く形成したことにあ る。

【０００７】 第２の手段は、内側壁１に沿って排気口Ｐ１から排出される排気ガスの排出方 向を、排出孔５から排出される排気ガスが規制する位置に排出孔５を設けたもの である。

【０００８】 第３の手段は、流通路Ｐの排気口Ｐ１より内側の内側壁２に排出孔５を開穿し たことにある。

【０００９】 第４の手段は、マフラーカッターの長手方向に沿った長円形状を成し、内側壁 ２の内周面に沿って連続形成したことを課題解消のための手段とする。

【００１０】 本考案によると、流通路Ｐの内側壁２に沿って排出される排気ガスは、吸入孔 ４から補助流通路３を通過して排出孔５から排出される。このとき、吸入孔４の 開口部総面積が排出孔５の開口部総面積より広く形成されているので、排出孔５ から排出される排気ガスの速度が、流通路Ｐから排出される排気ガスよりも速く なり、排気口における排気ガスの排気方向が規制される。また、内側壁２に沿っ て通過する排気ガスが吸入孔４に導入されることで、吸入孔４から排出孔５まで の内側壁に沿って発生する排気ガスの渦流を抑制するものである。

【００１１】

【考案の実施の形態】

以下、図面を参照して本考案の実施の形態を詳細に説明する。本考案マフラー カッターは、排気ガスが通過する流通路Ｐの側壁が外側壁１と内側壁２とからな る二重構造を成し、この外側壁１と内側壁２との間に補助流通路３を設けている 。図示例では、一枚のステンレス板を折り曲げて外側壁１と内側壁２とを形成し ている。実施例では、内径85mm長さ150mm の流通路Ｐに、4mm 間隔の補助流通路 ３を図示しているが、この寸法は適宜変更できるものである。尚、一般にマフラ ーカッターと称する場合は、マフラーの排気口端部にビス等で後付けするタイプ を指すが、本考案でのマフラーカッターとは、この後付けするタイプの他に、マ フラーの排気口端部に予め溶接してマフラーの本体ごと交換するタイプを含むも のである。

【００１２】 補助流通路３は、外部から独立した状態で設けてあり、補助流通路３に通じる 吸入孔４と排出孔５とを内側壁２に開穿する。そして、本考案マフラーカッター の内側壁２に沿って排出される排気ガスの一部は、この吸入孔４から補助流通路 ３を通り、排出孔５から排出される（図１参照）。

【００１３】 吸入孔４は、内側壁２の排気マフラー側に開穿するもので、内側壁２の内周面 に沿って連続形成している（図２参照）。図示の吸入孔４は、マフラーカッター の長手方向に沿った長円形状を成し、内側壁２の内周面に沿って並設している。 内側壁２に沿った流通路Ｐの排気ガスがこの吸入孔４から補助流通路３に流入す ることで、内側壁２に沿って生じる排気ガスの小渦を抑制する。実施例の吸入孔 ４は、幅約5mm 長さ約15mm に形成している。更に、吸入孔４の開口部総面積を 、後述の排出孔５の開口部総面積より広く形成する。

【００１４】 排出孔５は、内側壁２の排気口側に開穿するもので、吸入孔４と同様に内側壁 ２の内周面に沿って連続形成し、長円形状を成している（図２参照）。この排出 孔５から排出される排気ガスによって、流通路Ｐの内側壁１から排気口Ｐ１に沿 って拡散する排気ガスの排出方向を規制している。図示例では、流通路Ｐの排気 口Ｐ１より5mm 〜10mm程度内側の内側壁２に排出孔５を開穿している。

【００１５】

【考案の効果】

本考案は上述の如く構成したことにより当初の目的を達成する。

【００１６】 すなわち、吸入孔４から補助流通路３を通って排出孔５から排出される排気ガ スによって、内側壁２に沿って排気口Ｐ１から排出される排出ガスの排出方向を 規制することにより、排気ガスがマフラーカッターの排気口Ｐ１に巻き付いたり 、車両に付着するなどの汚れを防止することができる。

【００１７】 また、マフラーカッターの側壁を二重構造に形成して流通路Ｐの周囲に外側壁 １と内側壁２とを設けてあり、この外側壁１の内部に、補助流通路３、吸入孔４ 、排出孔５を設けているので、外観を損ねるような構成は全くなく、車両をドレ スアップするマフラーカッターとしての使用も可能である。

【００１８】 しかも、吸入孔４の開口部総面積を、排出孔５の開口部総面積より広く形成し たことで、排出孔５から排出される排気ガスの速度を上げるから、流通路Ｐから 排出される排気ガスを効果的に規制し、この排気ガスの排気方向を直線状に誘導 することが可能になった。しかも、音波を伴った排気ガスが、吸入孔４から補助 流通路３を通過して排出孔５から排出されることで、音のインピーダンスを減衰 させ、且つ効率よく干渉させることができるので、優れた消音効果も発揮する。

【００１９】 更に、吸入孔４をマフラーカッターの長手方向に沿った長円形状を成し、内側 壁２の内周面に沿って連続形成したことによって、内側壁２の内面に接して生じ る排気ガスの渦流を抑制する。特に、吸入孔４から排出孔５までの内側壁に沿っ て発生する排気ガスの渦を抑制することで、前記排出孔５からの排気ガスとの相 乗効果により、マフラーカッターの内側壁２や排気口にまとわり付く排気ガスを 極力抑制し、排気口Ｐ１部分の排気効率を良好にすることができる。

【００２０】 このように、本考案によると、車両の見栄えを良好にすると共に、排気マフラ ーの内側壁から排気口に沿って排出される排気ガスを整流することが可能になり 、マフラーカッターの排気口部分や周囲の車体の汚れを防止し、排気口部分の排 気効率を良好にすると共に消音効果も発揮するなどといった実用上有益な種々の 効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す断面図である。

【図２】図１に示す矢視Ａ−Ａ線断面図である。

【符号の説明】

Ｐ 流通路 Ｐ１ 排気口 １ 外側壁 ２ 内側壁 ３ 補助流通路 ４ 吸入孔 ５ 排出孔

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両の排気マフラーに装着する筒体状の
   マフラーカッターにおいて、マフラーカッターの側壁を
   二重構造に形成して排気ガスが通過する流通路の周囲に
   外側壁と内側壁とを設け、これら外側壁と内側壁との間
   に補助流通路を設け、流通路の排気ガス入口側から補助
   流通路に通じる吸入孔を内側壁に開穿すると共に、補助
   流通路から流通路に通じる排出孔を内側壁の排気口側に
   開穿し、吸入孔の開口部総面積を、排出孔の開口部総面
   積より広く形成したことを特徴とするマフラーカッタ
   ー。
2. 【請求項２】 前記排出孔は、内側壁に沿って排気口か
   ら排出される排気ガスの排出方向を、排出孔から排出さ
   れる排気ガスが規制する位置に設けられた請求項１記載
   のマフラーカッター。
3. 【請求項３】 前記排出孔は、流通路の排気口より内側
   の内側壁に開穿した請求項１又は２記載のマフラーカッ
   ター。
4. 【請求項４】 前記マフラーカッターの長手方向に沿っ
   た長円形状を成して連続形成した請求項１乃至請求項３
   いずれか記載のマフラーカッター。