JP3063367B2 - スクリーンレス印刷用刷版作成法及びそれを用いたスクリーンレス印刷物 - Google Patents

スクリーンレス印刷用刷版作成法及びそれを用いたスクリーンレス印刷物

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JP3063367B2
JP3063367B2 JP4065059A JP6505992A JP3063367B2 JP 3063367 B2 JP3063367 B2 JP 3063367B2 JP 4065059 A JP4065059 A JP 4065059A JP 6505992 A JP6505992 A JP 6505992A JP 3063367 B2 JP3063367 B2 JP 3063367B2
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輝男 鈴木
博美 大洞
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  • Printing Methods (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】絵画等の複製印刷技術に使用する
リトグラフ、スクリーンレス(網点なし)印刷物を作成
する刷版の作成法及びそれを用いて印刷した印刷物に関
する。
【0002】
【従来の技術】水彩画等の絵画を印刷技法で複製する方
法として、実物を撮影して得られたカラーフィルム原稿
をカラースキャナーでイエロー、マゼンタ、シアン、ブ
ラックの4色に色分解、又は4色だけで色調階調を再現
できない場合は、特色インキで補色版で補うこともある
が、オフセット印刷、原色刷印刷(凸版印刷)では網
点、グラビア印刷(凹版印刷)ではセルと呼ばれるが、
いずれにしても規則的に並んだ小さな点の集合で階調、
色調の再現を計っている。
【0003】このため、原稿の持っている微妙なタッ
チ、質感、階調を複製するには限界があり、又印刷物を
ルーペ等の拡大鏡で見れば網点が見え、印刷物であるこ
とが一目瞭然であり、複製画としての価値がいちじるし
く低下する。
【0004】網点なしの印刷方法としてリトグラフ技法
があるが、リトグラフ用の版を作成するには、石版に直
接絵師と呼ばれる技能者が、原稿と対比しながら必要色
を抽出しながら画いて版を作成する。
【0005】この為非常に熟練を必要とし、又作成する
版の数も数十版と多くなり、多くの時間を要する。
【0006】平版印刷用版材に連続調フィルムを密着露
光することにより、PS版の持っている砂目形状を利用
して、網点のないリトグラフ印刷物と同様な印刷物が得
られる。しかしながら、平版印刷用版材の階調再現でき
る連続調フィルムの濃度範囲は非常に狭く、0.5〜
0.6ぐらいしかない。
【0007】そこで、特開平3−207687号公報で
は、連続調の色分解フィルムを平版印刷用の版材に焼付
ける工程において、原稿の有するハイライトトーン,ミ
ドルトーン,シャドウトーンの各階調を再現するため
に、露光量を変化させることによりハイライト,ミド
ル,シャドウ部だけの階調を再現する分版を作製し、平
版用インキとメジウムを混合希釈して調肉した各トーン
に対応する印刷インキで重刷りするスクリーンレス印刷
物の製造方法が開示されている。
【0008】しかし、上記した公報の方法は、通常の連
続調の色分解フィルムを用いて、露光量を変化させて各
階調の分版を作製するので、安定して精度よく作製する
のが難しいという問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、平版印刷用
版材の階調再現できる連続調フィルムの濃度範囲を広
げ、分版の数を減らし、より簡単で効率よいスクリーン
レス印刷用の刷版作成法及びそれを用いたスクリーンレ
ス印刷物を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、連続調色分解フィルムを平版印刷用の版
材に、密着露光、現像し、前記版材を用いてスクリーン
レス印刷物を製造する方法において、前記連続調色分解
フィルムを平版印刷用の版材に露光する工程で、任意の
順序で、平版印刷用の版材に黒化面積90〜97%、ス
クリーン線数300線/インチ相当以上の砂目コンタク
トスクリーンと、ハイライト〜ミドルトーンを受け持つ
連続調分解フィルムと、ミドルトーン〜シャドウトーン
を受け持つ連続調分解フィルムの2版を別々に、密着露
光し、現像するスクリーンレス印刷用刷版作成方法及
び、前記作製したスクリーンレス印刷用刷版を用いて印
刷されたスクリーンレス印刷物である。
【0011】
【作用】本発明により作成されたスクリーンレス印刷用
刷版は、黒化面積90〜97%、スクリーン線数300
線/インチ相当以上の砂目コンタクトスクリーンと連続
調分解フィルムを別々に密着露光することにより、連続
調フィルムの濃度範囲を0.9〜1.0に広げることを
可能にする。
【0012】
【実施例】以下図面を用いて詳細に説明する。PS版に
直接、密着、露光、現像して得られた刷版にベタ濃度
1.50で印刷した場合の階調再現性を表したものが図
4である。これから判る様に、連続調フィルムの濃度範
囲は約0.5〜0.6であり、この図4の場合0.7以
上の濃度範囲はほぼ平坦になってしまい、階調を再現し
ていない。
【0013】そこで、本発明は階調再現濃度を拡げるた
め、網点線数が300線/インチ相当以上で、黒化面積
が90〜97%のコンタクトスクリーンを平版印刷用版
材にまず初めに露光した後、連続調フィルムを密着露光
し(順序は逆でもよい)、現像して平版印刷用刷版を作
成する。
【0014】図2は上記工程を示す模式断面図である。
図2(a)は感光層5を有する平版印刷用版材6に、網
点線数が300線/インチ相当以上で、黒化面積が90
〜97%のコンタクトスクリーン4を密着して露光して
いる工程を示す模式断面図である。図2(b)は前記コ
ンタクトスクリーンを露光された平版印刷用版材6に、
連続調色分解フィルム7を密着して露光している工程を
示す断面図である。図2(c)は前記コンタクトスクリ
ーン4と連続調色分解フィルム7を露光した平版印刷用
版材6を現像処理して平版印刷用刷版8とした状態を示
す模式断面図である。
【0015】図1は上記の様にして平版印刷用刷版8を
作成し、インキのベタ濃度1.50にした時の階調特性
である。この様にして作成すれば、階調再現範囲は0.
5〜0.6から0.9〜1.0になり、階調再現範囲を
拡げることが可能となる。
【0016】階調再現濃度範囲が拡がれば、連続調色分
解フィルム作成時に濃度再現範囲に合致する様にすれば
よい。この場合は、連続調フィルム濃度レンジを1.0
に合わせ、ハイライトトーン〜ミドルトーン範囲をうけ
もつグラデーションカーブと、ミドルトーンからシャド
ウトーンをうけもつグラデーションカーブ2組で、原稿
の有するフルトーンを表現することができる。すなわ
ち、ハイライトトーン〜ミドルトーンを0〜1.0の範
囲で、ミドルトーン〜シャドウトーンを1.0〜2.0
の範囲で連続調色分解フィルムを作製すればよい。
【0017】印刷インキのベタ濃度は、ハイライトトー
ンからミドルトーンを受けもつグラデーションで作成さ
れた連続調分解フィルムを用いて作製された刷版では
0.8〜0.9にし、ミドルトーンからシャドウトーン
を受けもつグラデーションで作成された連続調分解フィ
ルムを用いて作成された刷版では1.30〜1.50に
して重刷りすればよい。
【0018】図3は、上記のようにして印刷された印刷
物の調子再現を示す原稿濃度−印刷物反射濃度のグラフ
である。ハイライト〜ミドルトーン用グラデーションカ
ーブより得られた印刷物反射濃度は曲線(1)のように
なり、ミドルトーン〜シャドウトーン用グラデーション
カーブより得られた印刷物反射濃度は曲線(2)のよう
であり、これら曲線(1)、(2)を重刷したところは
曲線(3)のようになり、原稿濃度全体を再現すること
ができる。
【0019】以上は、1色を重ね刷り、例えばマゼンタ
色について述べたが、他のイエロー,シアン,ブラック
色についても同様であり、普通この4色を印刷すること
により通常の印刷と同様に色再現、階調再現が計れる。
【0020】上記実施例に、使用した主な装置及び材料
は以下のものである。 カラースキャナ:DC−300(ドイツ ヘル社製) 感光材料 :SC−21(富士写真フィルム(株)
製) 平版印刷用版材:PS版(フォトケミカル(株)製) 印刷機 :平台校正機(大日本スクリーン製造
(株)製) インキ :耐光性マークV(東洋インキ製造
(株)製) メジウム :TK校OP(東洋インキ製造(株)
製) その他、通常の写真製版、平版用印刷で使用される物及
び方法で行った。
【0021】
【発明の効果】写真に近い網点のないスクリーンレス印
刷物を容易に作成することができる。写真製版技法を応
用しているため、作業工程の標準化ができ、刷版までの
作業時間が大幅に短縮、コスト低減が可能である。ま
た、平版印刷用版材の濃度再現範囲が広くなるため、作
成すべき連続調フィルムの枚数を減らすことができ、し
たがって、平版印刷用刷版の数を減らすことができ、印
刷回数(またはユニット数)を減らせるので効率が上が
る。
【0022】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスクリーンレス印刷用刷版を用いて印
刷したときの調子再現カーブである。
【図2】本発明のスクリーンレス印刷用刷り版の製造工
程を示す模式断面説明図である。
【図3】本発明の一実施例を示す、ハイライト〜ミドル
トーン用とミドル〜シャドウトーン用の2版を用いて印
刷したときの調子再現カーブである。
【図4】従来の平版印刷用材料に連続調フィルムを露光
現像し、印刷したときの調子再現カーブである。
【符号の説明】
(1)…ハイライト〜ミドルトーン用グラデーションカ
ーブより得られた印刷反射濃度 (2)…ミドルトーン
〜シャドウトーン用グラデーションカーブより得られた
印刷反射濃度 (3)…(1)と(2)を重刷りした時
の印刷反射濃度 4…砂目コンタクトスクリーン 5…感光層 6…平版
印刷用材料 7…連続調分解フィルム 8…平版印刷用
刷版

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】連続調色分解フィルムを平版印刷用の版材
    に、密着露光、現像し、前記版材を用いてスクリーンレ
    ス印刷物を製造する方法において、前記連続調色分解フ
    ィルムを平版印刷用の版材に露光する工程で、任意の順
    序で、平版印刷用の版材に黒化面積90〜97%、スク
    リーン線数300線/インチ相当以上の砂目コンタクト
    スクリーンと、ハイライト〜ミドルトーンを受け持つ連
    続調分解フィルムと、ミドルトーン〜シャドウトーンを
    受け持つ連続調分解フィルムの2版を別々に、密着露光
    し、現像することを特徴とするスクリーンレス印刷用刷
    版作成方法。
  2. 【請求項2】前記請求項1で作製したスクリーンレス印
    刷用刷版を用いて印刷されたスクリーンレス印刷物。
JP4065059A 1992-03-23 1992-03-23 スクリーンレス印刷用刷版作成法及びそれを用いたスクリーンレス印刷物 Expired - Lifetime JP3063367B2 (ja)

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JPH05262026A JPH05262026A (ja) 1993-10-12
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