JP3063347U - 廃棄用書籍の背中部の切断機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】廃棄用書籍の背中部分を分離切断してステープ
ラ−等の異物が混入していない良質の再生紙原料をリサ
イクルシステムに供給する。 【解決手段】切断機の下部に全体装置を固定支持する基
台と、基台に内蔵される動力部と、動力部の出力側に連
結されかつカムを備えている駆動軸と、廃棄用書籍の両
面を圧縮し固定するために基台上に配設される圧縮部
と、前記カムと摺接して回転運動を直線往復運動に変化
するための一対のローラを一端に有し、かつ中間部が鉛
直に形成された駆動レバーと、基台の上部一側に配設さ
れ、廃棄用書籍を所定の切断セッテイング位置まで移送
する移送棒及び無限軌道のチェーンを備えた移送部と、
圧縮部で圧縮された廃棄用書籍を切断するための切断刃
とこの切断刃の下部で廃棄用書籍の背中部を支えるとと
もに背中部の厚さに応じ高さを選択的に調節する調節孔
を有する支え部材を備えた切断部と、を具えた廃棄用書
籍の背中部の切断機。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は廃棄用書籍の背中部の切断機に関し、特に収集した廃棄用書籍を再活 用するためにステープラの綴り針や接着済などのような異物のある背中部を紙材 より容易に切断し分離して純粋の紙材のみを再活用システムに供給する廃棄用書 籍の背中部の切断機に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、書物等は各種の接着済、または糸や鉄紐などを用いて印刷された複数 紙の一方端面をホットメルト(hotme1t) を施すか綴じるなどの製本工程を経るこ ととなる。このような製本工程は、再活用の面から見ると紙以外の異物が混入さ れることは本の構造上避け難い。このように綴じる部分を背中部(Paper Back Bi niding) といい、この本の背中部は、紙と紙とを綴じる役割をなすが、リサイク ルに供するためには前記異物などを本より取り去らなければならない。何となれ ばこのような異物は用紙の品質を低下させる原因となるためである。

【０００３】 したがって、高品質の再生紙を製造するためには、廃棄用書籍の背中部を切断 するのが望ましい。 従来、書籍類の背中部の除去は手作業で行われた。即ち異物のある背中部は切 断して廃棄し、印刷された紙部分のみをリサイクルのための再生システムに投入 された。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来、廃棄用書籍の背中部の切断は、上述のように手作業によ ってなされていたので、人力の浪費を招きかつ作業時間がかかり、しかも処理効 率もよくないという不都合があった。

【０００５】 本願考案は、前記のような従来の問題点等を解消するためになされたもので、 収集した廃棄用書籍を再活用するためにステープラの綴り針や接着済などのよう な異物の混在する背中部を他の紙材部分から容易に切断し分離して純粋の紙材の みをリサイクルシステムに供給する廃棄用書籍の背中部の切断機を提供すること をその目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本願考案は、廃棄用書籍の背中部の切断機を 切断機の下部に全体装置を固定支持する基台と、この基台に内蔵される動力部と 、前記動力部の出力側に連結されかつカムを備えている駆動軸と、廃棄用書籍の 両面を圧縮して固定するために前記基台上に配設される圧縮部と、前記カムと摺 接して回転運動を直線往復運動に変化するための一対のローラを一端に有し、か つ中間部が曲がれ鉛直に設けられる駆動レバーと、前記基台の上部一側に配設さ れ、廃棄用書籍を所定の切断セッテイング位置まで移送する移送棒及び無限軌道 のチェーンを備えている移送部と、で構成し、さらに、 前記圧縮部は、廃棄用書籍の移送用ガイドレール、ガイド棒及び圧縮スプリン グを用いて基台に弾持されている圧縮板を備え、前記ガイド棒はガイドブッシュ に貫通挿入され、該ガイド棒の端部に摩擦竿が横設され、前記圧縮に圧縮された 廃棄用書籍を切断するための切断刃を有し、この切断刃の下部において廃棄用書 籍の背中部を支え、背中部の厚さに応じて高さを選択的に調節する調節孔を有す る支え部材を備えた切断部と、を具えて構成されている。

【０００７】 このような構成に加えて、前記切断部の支え部材は前記支え部材の位置調節時 には、上面が切断刃の下方に位置するように、その上端面が廃棄用書籍の背中部 を支える面を備え、下端面は切断刃のボディーに固定する締結要素が挿入される 長方形の通孔を備えたことと、前記基台には廃棄用書籍に対して圧縮部が進行す るとき、前記移送部及び切断部の駆動力を制御する第1 位置センサSW1 を備え、 かつ前記圧縮部及び切断部の駆動力を制御する第2 位置センサSW2 を備えること が望ましい。

【０００８】 従って、本願考案の廃棄用書籍の背中部の切断機は収集した廃棄用書籍を再活 用するために、前記ガイドレールの移送路に沿って移送する移送棒によって数個 の廃棄用書籍が一列に進行する。圧縮部及び切断部で核廃棄用書籍の背中部を切 断する。このセット状態を解除しながらステップ移動して次の廃棄用書籍を切断 可能にセットする動作を繰り返す。

【０００９】 本願考案によれば、ステープラの綴り針や接着済などのような異物がいる背中 部を紙材より容易に切断し分離して純粋の紙材のみを再活用システムに供給する ことができるから、高品質の再生紙の原材効率良く製造できる。

【００１０】

【考案の実施の形態】

本願考案の目的、構成、作用を添付図面と関連する次の詳細な説明を通じてよ り明らかにする。 以下、本願考案の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。 図１は本考案の廃棄用書籍の背中部の切断機を示す平面図、図２は本考案の廃 棄用書籍の背中部の切断機を示す正面図、図３は本考案の廃棄用書籍の背中部の 切断機を示す側面図、図４乃至図６は本考案の廃棄用書籍の背中部の切断機の圧 縮部材及び切断部材の動作状態を順次に示す説明図である。

【００１１】 これらの図面においで、符号100 は切断機を示す。この切断機100 の下部には 全体装置を固定支持する基台101 設けられ、この基台101 には動力源としての動 力部102 が内蔵されており、前記動力部102 の出力側には駆動軸103 が連結され 、該駆動軸103 はカム104 を備えている。 該カム104 は切断時に廃棄用書籍の両面を圧縮して固定する圧縮部200 を構成 する部品のひとつとして下のローラ203 と摺接し・回転運動を直線往復運動に変 換する。

【００１２】 前記動力部102 のカム104 と摺接するローラ203 は鉛直に設けられた駆動レバ ー201 に設けられ、該駆動レバー201 の他側にも同様のローラ204 が備えられて いる。 移送部110 は前記基台101 の上部一側、即ち圧縮部200 の一側に配設され、無 限軌道のチェーン111 と、前記チェーン111 の動作時前記廃棄用書籍を所定の切 断セッテイング位置まで移送する移送棒112 と、を備えている。 前記駆動レバー201 は中問部分が屈曲され前記ローラ204 は廃棄用書籍の前面 を圧縮する圧縮部200 に動力を水平的に伝えるために駆動レバー201 の前記屈 曲された部分に固定軸202 を設けこの固定軸202 の両端をブッシュに固定して 回転性を維持するようにしている。

【００１３】 前記圧縮部200 は、廃棄用書籍が移送するガイドレール114 を中心として、一 側には前記基台101 に固定される支え板205 を設けこれに相当する他側には圧縮 版206 を設けている。 該圧縮板206 はガイド棒208 双び圧縮スプリング209 を 用いて基台101 に弾性的に支持されている。 前記ガイド棒208 はガイドブッシュ207 に貫通挿入されており該ガイド棒208 の端部には摩擦竿210 が横設されている。 従って前記動力部102 の動力はロー ラ204 を介して摩擦竿210 に伝達される。

【００１４】 次に図２を参照しつつ説明する。前記圧縮部200 の下方に配設される切断部30 0 は、廃棄用書籍の移送路を階段状に構成している。前記切断部300 は切断刃30 4 を有し、この切断刃304 の設置高さは廃棄用書籍の投入方向である矢符Ａ側の ガイドレール114 の底より低く支え部材306 の高さは切断刃304 より低く、廃棄 用書籍の排出方向である矢符Ｂ側のガイドレール114 の底の高さは前記支え部材 306 より低く設置することにより階段状となっている。

【００１５】 前記切断刃304 はガイドレール114 の側面からガイドレール114 の移送路を横 断する往復運動のために切断刃304 のボディー(body)部分にクランク軸302 の一 端を設け、該クランク軸302 の他端は動力部102 の動力を伝える駆動ホィール30 1 に連結されている。 前記ガイドレール114 の底より低く設置される支え部材306 は、切断刃304 の ボディー全面にわたって設けられる。廃棄用書籍の背中部の切断高さを調節する ための手段として、支え部材306 が上下方向に移動可能に長方形の調節孔を形 成している。この調節孔には所定の調節部材307 を切断刃304 のボディーに固定 して前記調節孔の長方形の余裕空間に支え部材306 の設置高さを調節する。

【００１６】 前記基台101 には、廃棄用書籍に対して圧縮部200 が進行するとき、前記移送 部110 の駆動力を制御して停止させ圧縮部200 ならびに切断部300 に駆動力を供 給させて廃棄用書籍の背中部を切断するためのセット位置を決める第1 位置セン サSW1 が設けられている。 そしてさらに、前記圧縮部200 双び切断部300 が前記廃棄用書籍の背中部を切 断し、元の位置に復帰するとき移送部110 に駆動力を伝達するための第2 位置セ ンサSW2 が設けられている。 113 はスプロケット、303 は前記切断刃304 を固定する本体、305 は本体303 の切断動作のときその運動をガイドするガイド片である。

【００１７】 このように構成された本考案の廃棄用書籍の背中部の切断機は、収集した廃棄 用書籍を再活用するために前記ガイドレール114 側に廃棄用書籍を投入する。こ の時廃棄用書籍の背中部をガイドレール114 の底に向こうように挿入する。 移送部110 は、図２のように動力部102 の動力を伝達受けて矢符ＡからＢ方向 に無限軌道のチェーン111 によって移送される。この移送部110 の移送力はチェ ーン111 の移送棒112 を介して矢符Ａ方向に挿入された廃棄用書籍に伝達されて ガイドレール114 に沿ってＢ方向に移送される。 この時、前記廃棄用書籍が圧縮部200 の位置に到達すると、第1 位置センサSW 1 の検出動作によって移送部110 の移送動作は停止し、圧縮部200 の駆動レバー 201 はその先端のローラ203 によって摩擦竿210 を作動する。

【００１８】 すなわち，、前記ローラ203 が駆動軸103 のカム104 曲線に沿って滑り運動を すれば、図３のように駆動レバー201 の下方は上下運動し上方は前後運動して前 記摩擦竿210 を前後に動作させることになる。 したがって、前記摩擦竿210 に連結されたガイド棒208 は圧縮されるとともに 、圧縮スプリング209 が収縮されて、前記圧縮板206 はガイドレール114 に位置 した廃棄用書籍の面部位を圧縮スプリング209 の弾発力により押さえ、前記支え 板205 の上において廃棄用書籍を切断位置に固定する。 前記圧縮部200 が駆動を開始する時、前記切断部300 も微小時間差をおいて駆 動する。即ち前記動力部102 の動力は駆動ホィール301 に伝達されるとこれに設 けられたクランク軸302 がカム駆動してクランク軸302 の先端は切断刃304 のボ ディーを引いて切断刃304 および支え部材306 がセッティングされた廃棄用書籍 側に移動してガイドレール114 を横断して背中部を切断する。

【００１９】 このように切断機100 の切断刃304 によって切断された背中部は、基台101 の 一側に配設された排出路310 を介して外部へ排出され、切断された廃棄用書籍 は、未だ圧縮部200 に固定された状態にある。 以降、カム104 によるカム曲線が変形されてこれに摺接された駆動レバー201 がガイド棒208 に駆動力を伝達して圧縮スプリング209 が圧縮された状態で圧縮 板206 を図４ないし６の位置に移動させる。 この時、第2 位置センサSW2 が動作して停止された移送部110 に動力を伝達し て移送棒112 によって前記背中部と分離された廃棄用書籍は移送される。 次いで、この廃棄用書籍は切断刃304 より高さが低い前記支え部材306 の上に 載置され、そして低いガイドレール114 に移送されて基台101 の外部へ排出され る。

【００２０】 このように本願考案は、ガイドレール114 の移送路に沿って移送する移送棒1 12によって数個の廃棄用書籍が一列に進行し、圧縮部200 双び切断部300 の位置 に到達した廃棄用書籍が微動しないように固定した状態において廃棄用書籍の背 中部を切断し、次いでこの固定状態( セット状態) を解除しながら、移送部110 によりステップ移動して次の廃棄用書籍を切断可能に切断機100 にセットする動 作を繰り返す。

【００２１】

【考案の効果】

本願考案に係る廃棄用書籍の背中部の切断機によれば、ガイドレールの移送路 に沿って移送する移送棒によって数個の廃棄用書籍が一列に進行し、圧縮部及び 切断部において、廃棄用書籍の背中部を切断し、セット状態を解除しながらステ ップ移動して次の廃棄用書籍を切断可能にセットする動作を繰り返す構成となっ ているから、収集した廃棄用書籍を再活用するために、ステープラの綴り針や接 着剤などのような異物が混在する背中部を、その他の紙材部分より容易に切断分 離して純粋の紙材のみをリサイクルシステムに供給することができる。 さらに、背中部の厚さに応じて支え部材の高さを調節することができるので廃 棄用書籍の処理範囲が広いという効果もある。 かくして、本願考案によれば、異物のの混在しない高品質の再生紙用材料を安 価に効率良く製造できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願考案の廃棄用書籍の背中部の切断機を示す
平面図である。

【図２】本願考案の廃棄用書籍の背中部の切断機を示す
正面図である。

【図３】本願考案の廃棄用書籍の背中部の切断機を示す
側面図である。

【図４】本願考案の廃棄用書籍の背中部の切断機の圧縮
部材及び切断部材の順次動作状態を示す説明図である。

【図５】本願考案の廃棄用書籍の背中部の切断機の圧縮
部材及び切断部材の順次動作状態を示す説明図である。

【図６】本願考案の廃棄用書籍の背中部の切断機の圧縮
部材及び切断部材の順次動作状態を示す説明図である。

【符号の説明】

１００．．．． 切断機 １０１．．．．．．基台 １０２．．．．．．動力部 １０３．．．．．．駆動軸 １０４．．．．．．カム １１０．．．．．．移送部 １１１．．．．．．チェーン １１２．．．．．．移送棒 １１３．．．．．．スプロケット １１４．．．．．．ガイドレール ２００．．．．．．圧縮部 ２０１．．．．．．駆動レバ− ２０２．．．．．．固定軸 ２０３，２０４．．ローラ ２０５．．．．．．支え板 ２０６．．．．．．圧縮板 ２０７．．．．．．ガイドブッシュ ２０８．．．．．．ガイド棒 ２０９．．．．．．圧縮スプリング ３００．．．．．．切断部 ３０１．．．．．．駆動ホィール ３０２．．．．．．クランクク軸 ３０３．．．．．．本体 ３０４．．．．．．切断刃 ３０５．．．．．．ガイド片 ３０７．．．．．．調節部材 ３１０．．．．．．排出路

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 切断機の下部に全体装置を固定支持する
   基台と、 この基台に内蔵される動力部と、前記動力部の出力側に
   連結されかつカムを備えている駆動軸と、廃棄用書籍の
   両面を圧縮して固定するために前記基台上に配設される
   圧縮部と、前記カムと摺接して回転運動を直線往復運動
   に変化するための一対のローラを一端に有し、かつ中間
   部が鉛直に形成された駆動レバーと、 前記基台の上部一側に配設され、廃棄用書籍を所定の切
   断セッテイング位置まで移送する移送棒及び無限軌道の
   チェーンを備えている移送部と、 前記圧縮部において圧縮された廃棄用書籍を切断するた
   めの切断刃およびこの切断刃の下部において廃棄用書籍
   の背中部を支えるとともに背中部の厚さに応じて高さを
   選択的に調節する調節孔を有する支え部材を備えた切断
   部と、を具え、 前記圧縮部は、廃棄用書籍の移送用ガイドレール、ガイ
   ド棒及び圧縮スプリングを用いて基台に弾持されている
   圧縮板を有し、 前記ガイド棒はガイドブッシュに貫通挿入され、該ガイ
   ド棒の端部には摩擦竿が設けられていることを特徴とす
   る廃棄用書籍の背中部の切断機。
2. 【請求項２】 切断部の支え部材は、前記支え部材の位
   置調節時に、上面が切断刃の下方に移動するように、そ
   の上端面が廃棄用書籍の背中部を支える面を備え、下端
   面は切断刃のボディーに固定する締結要素が挿入される
   長方形の通孔を備えたことを特徴とする請求項１記載の
   廃棄用書籍の背中部の切断機。
3. 【請求項３】 基台には、廃棄用書籍に対して圧縮部が
   進行するとき、前記移送部及び切断部の駆動力を制御す
   る第1 位置センサSW1 を備え、かつ前記圧縮部及び切断
   部の駆動力を制御する第2 位置センサSW2 を備えること
   を特徴とする請求項２記載の廃棄用書籍の背中部の切断
   機。