JP3062275B2 - 高強度軸部品用鋼材 - Google Patents
高強度軸部品用鋼材Info
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Description
加工性及び高周波焼入性に優れた機械構造用炭素鋼に関
し、特に自動車用ドライブシャフトに適用して好適な鋼
に関する。
部品に対しては、0.4wt%Cの合金鋼が用いられ、
熱間圧延棒材に焼鈍を施し強度を低下させ、転造及び切
削等の冷間加工を施した後、高周波焼入及び焼戻を行
い、軸部品として重要なねじり強度を確保するという加
工方法が一般的であった。
と、及び焼鈍を施すと焼入性を低下させる場合があり合
金元素を有効に活用し得ない等、コスト、生産性の面で
問題を残していた。このような問題を解決するために、
合金元素量を低減して焼鈍を施すことなく転造・切削を
行った後、高周波焼入・焼戻を実施し、軸部品として必
要な特性を確保する方法に変化しつつある。
の要求から、自動車部品に対して部品の軽量化の要求が
強い。軸部品の場合、最も重要な製品特性であるねじり
強度の向上が軽量化の点より要求されている。一般にね
じり強度を上昇させるためには高周波焼入れによる焼入
硬化深さを増加させる手法がとられている。
入条件の変更、特に高周波誘導加熱装置の周波数の低
減、あるいは鋼材の合金元素量を増加させることが考え
られるが、高周波誘導加熱装置の周波数を下げるために
は新しく高価な高周波発振機の購入が必要であり、経済
的ではない。一方、合金元素量を増加した場合には素材
である熱間圧延棒鋼の強度が上昇し、そのままでは切削
及び転造に問題を生じるために焼鈍が必要となるが、焼
鈍は先述した焼入性、経済性、生産性の問題がある。
の厚さ,r:軸材の半径)の増加のみで高強度を達成す
るのは効率的でなく、x/rが0.5を超えて焼入れ深
さを増加しても強度の増加は著しくなく、しかも図1に
示すように焼割れ発生率が高くなり、安定生産、品質保
証上問題となる。
度を有し、冷間加工時工具寿命の長い、加工前の焼鈍が
必要ない軸部材、すなわち高周波焼入性と冷間加工性の
優れた高強度軸部品用鋼材を提供し、従来技術におけ
る、コスト、生産性の面での問題点を解決しようとする
ものである。
式を同時に満足することを特徴とする高強度軸部品用鋼
材、 記 IH=161.4×C2−145.6×C3−27.6×
C +0.01×Si+4.10×Mn+2.75×Cr ≧10.0 IT=78.7×C+17.7×Si+24.9×Mn
+22.5×Cr +4.19 ≦70.2 C :C含有量(wt%) Si:Si含有量(wt%) Mn:Mn含有量(wt%)Cr:Cr含有量 (wt%) である。本発明の第2の発明は、 C :0.35〜0.60wt% Si:0.05wt%以下 Mn:0.65超〜1.70wt% P :0.020wt%以下 S :0.005〜0.035wt% Cr:0.50wt%以下Mo:0.05〜0.50wt% Ti:0.01〜0.05wt% B :0.0003〜0.0050wt% N :0.005wt%以下 O :0.002wt%以下 Fe及び不可避的不純物:残部 を含有し、かつC,Si,Mn,Cr,Moの含有量が
下記の式を同時に満足することを特徴とする高強度軸部
品用鋼材を提供するものである。
抑えながら、ねじり強度の増加と冷間加工時の工具寿命
の低減の少ない鋼材の化学組成を鋭意検討し、本発明を
達成したものである。以下、本発明について詳しく述べ
る。まず組成の限定理由について説明する。 C: ねじり強度を向上させる上で、必須の成分であり積極的
に活用するが、0.35wt%に満たないと必要とされ
るねじり強度を確保するためには焼入硬化深さを飛躍的
に高めねばならず、その際、焼割れの発生が顕著となる
ので0.35wt%以上とする。また、上限を0.60
wt%とするのは0.60wt%を超えて含有すると中
心部の靭性を劣化させるので0.60wt%以下とす
る。 Si: 鋼材の焼入性に効果がなく、一方で転造時の工具寿命を
低減させる働きがあるので極力低減することが望ましい
が、0.05wt%まで許容される。 Mn: 鋼材の焼入性を向上させる元素であり、同時に鋼中のS
を固定して熱間脆性を防止する元素である。0.65w
t%以下では焼入性向上効果が小さく、また1.70w
t%を超えて含有すると転造時の工具寿命を低下させる
ので0.65超〜1.70wt%の範囲に限定する。 P: 焼入時の焼割れを助長する元素であるので極力低減する
ことが望ましいが、0.020wt%まで許容される。 S: 冷間加工性を低下させる元素であるが、一方で被削性に
有用な元素であり、両特性を満足する0.005〜0.
035wt%の範囲に限定する。 Cr: 焼入性に有用な元素であり、本用途には好ましいが、高
価な元素であるので、Mnのみでは焼入性に不足する場
合に用いるが、0.50wt%を超えて含有するとコス
ト的に不利となるので上限を0.50wt%とする。 Ti: Nと結合してTiNとなることにより、Bの焼入性向上
の効果を十分に発揮させる元素であるので積極的に添加
するが、0.01wt%未満ではその効果が小さく、一
方、0.05wt%を超えて含有するとTiNが多量に
形成され疲労特性に有害であるので、0.01〜0.0
5wt%の範囲に限定する。 Mo: 焼入性に有用な元素であり、本用途には好ましいが高価
な元素であるので、Mnを添加しても焼入性に不足する
場合に用いるが、0.05wt%未満ではその効果が小
さく、0.50wt%を超えて添加してもその効果が飽
和するので0.05〜0.50wt%とする。 B: 微量の添加により焼入性を向上させる元素であるので積
極的に添加するが、0.0003wt%未満ではその効
果が小さく、また0.0050wt%を超えて含有する
と逆にB添加の効果が低下するので0.0003〜0.
0050wt%の範囲に限定する。 N: Bと結合し、BNを形成することによりBの焼入性向上
効果を低減するので極力低減することが望ましいが、
0.0050wt%まで許容される。 O: 酸化物系非金属介在物として存在し、疲労特性に有害で
あるので極力低減することが望ましいが、0.002w
t%まで許容される。
C+0.01×Si +4.10×Mn+2.75×Cr ≧10.0 IT=78.7×C+17.7×Si+24.9×Mn
+22.5×Cr +4.19 ≦70.2 なるIT及びIHを同時に、Moを含有させる場合に
は、 IH=161.4×C2−145.6×C3−27.6×
C+0.01×Si +4.10×Mn+2.75×Cr+3.75×Mo ≧10.0 IT=78.7×C+17.7×Si+24.9×Mn
+22.5×Cr +19.14×Mo+4.19 ≦70.2 なるIH及びITを同時に満足せねばならない。〔C:
C含有量(wt%),Si:Si含有量(wt%),M
n:Mn含有量(wt%),Cr:Cr含有量(wt
%),Mo:Mo含有量(wt%)〕図2に示すように
IHとねじり強度の関係から、IHが10.0を下回る
場合には目標とする140kg/mm2以上のねじり強
度を得られないため、少なくともIHは10.0以上が
必要である。
鋼材について、転造時の工具寿命とITとの関係を図3
に示す。ITの増加に伴って工具寿命は漸減するが、I
Tが70.2を超えると急激に工具寿命が低下し、IT
が55の時の工具寿命の10〜20%程度の値となり、
転造時の工具寿命が極めて低下するため、ITを70.
2以下とする。
得ない化学組成の場合には、高周波焼入性及び転造時の
工具寿命の両特性を満足できないこととなり、本発明の
効果を十分に発揮し得ない。
t電気炉により表1〜表6に示す化学組成の鋼を溶製
し、連続鋳造、ビレット圧延を経て圧延により直径32
mmの直棒とした。この棒鋼を素材として転造によるセ
レーション加工、高周波焼入及び焼き戻しを実施した
後、鋼材の焼入深さ、ねじり強度及び転造時の工具寿命
を調査した結果を表2、表4及び表6に併記した。な
お、工具寿命比は従来鋼(No.28)を1として示し
た。
IH及びITを満足し、その結果、ねじり強度は目標と
する140kgf/mm2以上となると、同時に、工具
寿命も比較的良好である。No.18〜22はITを満
足しない場合であって、ねじり強度は目標とする140
kgf/mm2以上となっているが、工具寿命比は極端
に低下している。
れかが本発明範囲外の場合であり、IH及びITは満足
しているものの、Bが焼入時に有効に作用せず、この結
果、焼入深さが低いためにねじり強度が近い。No.2
7は現在常用されているドライブシャフト用鋼材である
が、ITが高く工具寿命が極めて低い。この結果、転造
前に焼鈍を施されて用いられるのが通例である。No.
27に焼鈍を施した際の工具寿命及びねじり強度をN
o.28に示すが、工具寿命は高い値となるが、ねじり
強度は低下している。
略した材料であるが、ねじり強度は低い。
を、生産性及びコストを害することなく生産することが
可能であり、産業上の利用価値は大である。なお、本発
明鋼は軸部品のみでなく、種々の機械部品にも使用可能
である。
ある。
Claims (2)
- 【請求項1】 C :0.35〜0.60wt% Si:0.05wt%以下 Mn:0.65超〜1.70wt% P :0.020wt%以下 S :0.005〜0.035wt%Cr:0.50wt%以下 Ti:0.01〜0.05wt% B :0.0003〜0.0050wt% N :0.005wt%以下 O :0.002wt%以下 Fe及び不可避的不純物:残部 を含有し、かつC,Si,Mn,Crの含有量が下記の
式を同時に満足することを特徴とする高強度軸部品用鋼
材。 記 IH=161.4×C2−145.6×C3−27.6×
C +0.01×Si+4.10×Mn+2.75×Cr ≧10.0 IT=78.7×C+17.7×Si+24.9×Mn
+22.5×Cr +4.19 ≦70.2 C :C含有量(wt%) Si:Si含有量(wt%) Mn:Mn含有量(wt%)Cr:Cr含有量(wt%) - 【請求項2】C :0.35〜0.60wt% Si:0.05wt%以下 Mn:0.65超〜1.70wt% P :0.020wt%以下 S :0.005〜0.035wt% Cr:0.50wt%以下Mo:0.05〜0.50wt% Ti:0.01〜0.05wt% B :0.0003〜0.0050wt% N :0.005wt%以下 O :0.002wt%以下 Fe及び不可避的不純物:残部 を含有し、かつC,Si,Mn,Cr,Moの含有量が
下記の式を同時に満足することを特徴とする高強度軸部
品用鋼材。 記 IH=161.4×C2−145.6×C3−27.6×
C+0.01×Si +4.10×Mn+2.75×Cr+3.75×Mo ≧10.0 IT=78.7×C+17.7×Si+24.9×Mn
+22.5×Cr+19.14×Mo +4.19 ≦70.2 C :C含有量(wt%) Si:Si含有量(wt%) Mn:Mn含有量(wt%) Cr:Cr含有量(wt%)Mo:Mo含有量(wt%)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3090708A JP3062275B2 (ja) | 1990-05-02 | 1991-04-22 | 高強度軸部品用鋼材 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2-115104 | 1990-05-02 | ||
JP11510490 | 1990-05-02 | ||
JP3090708A JP3062275B2 (ja) | 1990-05-02 | 1991-04-22 | 高強度軸部品用鋼材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04218641A JPH04218641A (ja) | 1992-08-10 |
JP3062275B2 true JP3062275B2 (ja) | 2000-07-10 |
Family
ID=26432158
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3090708A Expired - Lifetime JP3062275B2 (ja) | 1990-05-02 | 1991-04-22 | 高強度軸部品用鋼材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3062275B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1307319C (zh) * | 2002-10-18 | 2007-03-28 | 杰富意钢铁株式会社 | 滚轧成形性、耐淬裂性及扭转特性优异的机械结构用钢材以及传动轴 |
-
1991
- 1991-04-22 JP JP3090708A patent/JP3062275B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04218641A (ja) | 1992-08-10 |
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