JP3061588B2 - 生体波動治療器 - Google Patents

生体波動治療器

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JP3061588B2
JP3061588B2 JP9048920A JP4892097A JP3061588B2 JP 3061588 B2 JP3061588 B2 JP 3061588B2 JP 9048920 A JP9048920 A JP 9048920A JP 4892097 A JP4892097 A JP 4892097A JP 3061588 B2 JP3061588 B2 JP 3061588B2
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安興 後藤
伸一 西村
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伸一 西村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気圧による加圧
治療などを生体に施すことにより、生体の患部を治療す
るための生体波動治療器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、こり、筋肉痛、神経痛、ま
ひ、疲れ目などの治療を低周波を用いて行うようにした
治療器が知られている。この種の治療器には、図19
(a) 〜(c)に示すように、約1〜100(Hz)の交流低周
波パルス信号を発振させ、この発振された交流低周波パ
ルス信号に対応する微小電流を2個の電極を用いて人体
の患部に流し、この流れる電流によって人体に波動を起
こし、この波動による血流促進などの波動効果を期待し
たものがある(たとえば、オムロン株式会社製 低周波
治療器「エレパルス」 取扱説明書参照。)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな治療器では、人体に2個の電極を吸着させることで
人体を閉回路の一部とし、微量ではあるけれども人体に
電流を流しているために、ひりひり、ちくちくする電撃
刺激を感じ、気持ちがいいというよりは痛みすら感じる
者もいた。また、人によっては流れる電流に拒絶反応を
示す者もいた。さらに、交流電流を人体に流すために、
たとえば次に代表例を示すように、使用条件が厳しく制
限されていた。 心臓部および頭部には使用できない。 感電のおそれがあるから、入浴、発汗など体が濡れて
いるとき、湿気の多い場所では使用できない。 さらに悪化させるおそれがあるから、皮膚病の部位に
は使用できない。 湿気が多いために、口中や陰部には使用できない。 衣服などの絶縁体の上からは使用できない。 通電しないから、他人と同時に使用することができな
い。 微量ではあっても長時間にわたって電流を人体に流す
のは好ましくないから、長時間の使用はできない。
【0004】さらにまた、2個の電極を用いて閉回路を
形成するから、電極を1個にすることもできず、また電
極を3個以上にすることもできなかった。そこで、本発
明は、前述の技術的課題を解決し、電撃刺激などの不快
感を与えず、かつ使用条件を大幅に緩和することができ
る生体波動治療器を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の請求項1記載の生体波動治療器は、生体に波動を与え
ることによって生体を治療するための生体波動治療器で
あって、所定位置に開口が形成され、内部空間を有する
ヘッドケースと、このヘッドケース内に振動可能に設け
られ、空気振動を発生させるための振動板と、この振動
板に取り付けられ、ボイスコイルを有するコイル部と、
前記ボイスコイルを貫くように磁界を形成するための磁
石と、前記ボイスコイルに対して双方向にパルス電流を
供給するための電流供給手段と、前記電流供給手段から
ボイスコイルに供給される直流双方向パルス電流のパル
スレートまたはパルス幅を、所定の生体波動を発生させ
るように調整するための駆動制御手段とを有し、前記振
動板で発生された空気振動を前記開口を介して前記ヘッ
ドケースの外部に放射するようにしたことを特徴とす
る。
【0006】本発明では、ボイスコイルを貫くように磁
界が形成されているから、ボイスコイルに対して双方向
電流が供給されると、コイル部が往復移動する。これに
伴って、振動板が振動する。その結果、空気振動が発生
し、この発生された空気振動は開口を介してヘッドピー
スの外部に放射される。したがって、当該開口を生体に
近づければ、生体に空気圧が周期的に伝わる。そのた
め、生体に電流を流さなくても、空気振動による波動治
療を行うことができる。
【0007】また、ボイスコイルに対して双方向電流を
供給することによってボイスコイルではジュール熱が発
生するから、このジュール熱を利用した温熱治療を行う
こともできる。さらに、磁石からヘッドケース部の外部
に漏洩する磁界によって磁気治療を行うこともできる。
ボイスコイルには、パルスレートまたはパルス幅が調整
された直流双方向パルス電流が供給される。パルスレー
トが変われば、ボイスコイルに作用する力の方向の切換
わり速度が変化する。したがって、振動板の振動速度が
変化したりヘッドピースの往復移動速度が変化したりす
る。そのため、生体に加えられる空気圧の周期やヘッド
ピースが生体に当たる周期を変えることができる。
た、パルス幅が変われば、ボイスコイルに作用する力の
方向が切り換わるまでの時間が変化するから、たとえば
ヘッドピースを生体に当てている時間を長くしたり短く
したりすることができる。請求項2記載の発明は、前記
振動板の振動とともに振動し、かつ前記開口を介して前
記ヘッドケースの外部に突出できるように、前記ヘッド
ケース内に設けられたヘッドピースをさらに含むことを
特徴とする請求項1記載の生体波動治療器に係るもの
ある。
【0008】本発明によれば、振動板の振動とともにヘ
ッドケースの外部に突出するヘッドピースが設けられて
いるから、開口を生体に近づければ、ヘッドピースを生
体に直接当てることができる。したがって、空気振動に
よる波動治療に加えて、ヘッドピースが生体に直接当た
ることによる振動整体治療を行うことができる。請求項
3記載の生体波動治療器は、生体に波動を与えることに
よって生体を治療するための生体波動治療器であって、
所定位置に開口が形成され、内部空間を有するヘッドケ
ースと、このヘッドケース内に固定され、ボイスコイル
を有する固定コイル部と、前記ヘッドケース内に移動可
能に設けられ、前記ボイスコイルを貫くように磁界を形
成するための磁石と、前記開口を介して前記ヘッドケー
スの外部に突出するように、前記磁石に取り付けられた
ヘッドピースと、前記ボイスコイルに対して双方向に
ルス電流を供給するための電流供給手段と、前記電流供
給手段からボイスコイルに供給される直流双方向パルス
電流のパルスレートまたはパルス幅を、所定の生体波動
を発生させるように調整するための駆動制御手段とを有
し、前記ヘッドピースから生体に対して振動を伝えるよ
うにしたことを特徴とする。
【0009】本発明では、ボイスコイルを貫くように磁
界が形成されるから、ボイスコイルに対して双方向電流
が供給されると、ボイスコイルに互いに逆方向に向く力
が作用する。一方、ボイスコイルは固定されているか
ら、結局、前記磁界を形成する磁石が往復移動する。こ
れに伴って、ヘッドピースが往復移動するから、ヘッド
ピースがヘッドケースの外部に周期的に突出する。した
がって、前記開口を生体に近づければ、生体に振動を伝
えることができる。そのため、振動整体治療を行うこと
ができる。また、ボイスコイルで電流が消費されること
によって発生するジュール熱を利用した温熱治療、およ
び磁石からヘッドケースの外部に漏洩する磁界を利用し
た磁気治療を行うこともできる。
【0010】
【0011】本発明では、ボイスコイルには、パルスレ
ート、パルス幅および/または振幅が調整された直流双
方向パルス電流が供給される。パルスレートが変われ
ば、ボイスコイルに作用する力の方向の切換わり速度が
変化する。したがって、振動板の振動速度が変化したり
ヘッドピースの往復移動速度が変化したりする。そのた
め、生体に加えられる空気圧の周期やヘッドピースが生
体に当たる周期を変えることができる。
【0012】また、パルス幅が変われば、ボイスコイル
に作用する力の方向が切り換わるまでの時間が変化する
から、たとえばヘッドピースを生体に当てている時間を
長くしたり短くしたりすることができる
【0013】
【発明の実施の形態】以下では、この発明の実施の形態
を、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、この
発明の第1実施形態の治療器の外観構成を簡略化して示
す図である。この治療器は、空気振動、熱および磁気を
人体に作用させることによって人体に波動を誘発させて
血流の促進を図り、これにより人体の患部を治療するた
めのもので、コントローラ1およびヘッド部2を含む。
【0014】コントローラ1は、この治療器を使用する
ユーザが操作するもので、ほぼ直方体状に形成されてい
る。コントローラ1の正面には、コントロールパネル3
が備えられている。コントロールパネル3には、電源を
オン/オフさせる電源スイッチ4、および複数(図では
8個)の雌型ジャック5が配設されている。コントロー
ラ1の内部の所定箇所には、充電用ニッケル水素電池ま
たは充電用リチウム電池を装着するための電池ケース
(図示せず。)が備えられている。また、コントローラ
1の側部には、電池の代わりに商用電源を利用する際
に、ACアダプタ(図示せず。)を接続するためのAC
アダプタコネクタ6が備えられている。
【0015】ヘッド部2は、患部に空気振動、熱および
磁気による刺激を与えるためのもので、第1面部7およ
び第1面部7に対向する面部である第2面部8を有する
円筒状のヘッドケース9、およびヘッドケース9内に設
けられ、コントローラ1から直流双方向パルス電流が供
給されることによって空気振動を発生する振動発生部
(図示せず)を含む。ヘッドケース9の第2面部8には
開口(図示せず。)が形成されており、この開口を介し
て振動発生部で発生した空気振動が外部に放射される。
ヘッド部2には、コード11が接続され、その先端には
雄型プラグ12が取り付けられている。
【0016】ヘッド部2には、当該ヘッド部2を肩や腰
に装着するためのマジックテープ付のバンド13を取り
付ける取付機構が備えられている。取付機構は、第1面
部7に一体形成された円柱状の取付部材14、および取
付部材14に着脱自在な円板状の固定部材15を含む。
取付部材14には雄ねじが切られており、また固定部材
15には雌ねじが切られたタップ穴16が形成されてい
る。これら雄ねじと雌ねじとを噛合させたり噛合状態を
解除したりすることで、固定部材15を取付部材14に
装着したり取付部材14から外したりすることができ
る。また、固定部材15には、固定部材15を回転させ
るときに手が滑らないようにするための周囲ローレット
17が設けられている。
【0017】バンド13のヘッド部2への取付けは次の
とおりである。固定部材15を取付部材14から外して
いる状態において、バンド13に複数形成された取付穴
13aのうちいずれかを取付部材14に通してバンド1
3を仮取付けする。その後、固定部材15のタップ穴1
6を取付部材14にあわせて固定部材15を回転方向R
に沿って回転させ、固定部材15を取付部材14にねじ
こんでいく。このようにして、バンド13をヘッド部2
に固定することができる。そして、このバンド13をた
すき掛けにしてマジックテープ同士をくっつけること
で、ヘッド部2を肩や腰に装着できる。
【0018】この治療器を使用する場合には、雄型プラ
グ12をコントローラ1に備えられている雌型ジャック
5に装着した後、ヘッドケース9の第2面部8を患部に
近づけ、電源スイッチ4をオンにする。これに応答し
て、コントローラ1からコード11を介して直流双方向
パルス電流がヘッド部2内の振動発生部に供給される。
その結果、振動発生部において空気振動が発生し、この
発生された空気振動が開口を介して外部に放射される。
これにより、患部に空気圧が加えられる。
【0019】図2は、ヘッド部2の内部構成を示す断面
図である。ヘッド部2の外観を形成するヘッドケース9
は、ケース本体部20、およびケース本体部20に着脱
自在の蓋部21を含む。ケース本体部20は、黄銅やプ
ラスティックなどの非磁性材料で構成され、中央部に開
口22が形成された第2面部8、および第2面部8の周
縁部に一体形成された側部23を有し、第2面部8に対
向する側は開口している。蓋部21は、非磁性材料で構
成され、第1面部7、および第1面部7の周縁部に一体
形成された側部24を有し、第1面部7に対向する側は
開口している。ケース本体部20の側部23の内壁の上
端付近には雄ねじが切ってあり、蓋部21の側部24の
内壁の下端付近には雌ねじが切ってある。これら雄ねじ
および雌ねじを噛合させたり噛合状態を解除したりする
ことで、蓋部21をケース本体部20に装着したりケー
ス本体部20から外したりすることができる。なお、参
照符号25は、蓋部21をケース本体部20に装着する
際に手が滑らないようにするための周囲ローレットであ
る。
【0020】ケース本体部20の内部には、第2面部8
の開口22全体を内側から塞ぐように、周縁がシリコン
ゴムなどの材料で構成されたパッキン30によって第2
面部8の内側に固定されたほぼ円板状のパンチング板3
1が設けられている。パンチング板31は、黄銅板など
の非磁性材料で構成され、複数の空気孔31aが形成さ
れている。パンチング板31は、ヘッド部2の内部に設
けられる振動発生部40に含まれるコーン(振動板)4
1を保護するとともに、振動発生部40で発生した空気
振動を空気孔31aを介して外部に伝えるためのもので
ある。
【0021】振動発生部40は、軟鋼などで構成され、
ほぼ中央部に蓋部21側に突出した凸部42aを有し、
パンチング板31側がほぼ円形に開口しているヨーク4
2と、凸部42a内に固定されたヘッド43と、ヨーク
42に取り付けられたコーン41と、コーン41に対し
てヨーク42の内部側に固定されたコイル部44とを含
む。
【0022】コーン41は、ポリプロピレンなどのプラ
スティック材料で構成されたほぼ円板状のもので、ヨー
ク42の開口を塞ぐように、かつヘッド部2の軸方向X
に沿って振動できるように、当該コーン41の周縁部が
ヨーク42に取り付けられている。ヨーク42は、ヘッ
ド43とともに磁気回路を構成する機能と、振動発生部
40全体のベースとなるフレームとしての機能とを兼用
する。
【0023】振動発生部40は、蓋部21と、当該振動
発生部40のパンチング板31側の周縁部が当接するパ
ッキン30とに挟まれた状態でヘッド部2の内部に固定
されている。さらに具体的には、蓋部21の内側のほぼ
中央部には、振動発生部40のヨーク42に形成された
凸部42aを嵌合するための嵌合部21aが形成されて
おり、蓋部21がケース本体部20に装着されている状
態では、嵌合部21aに凸部42aが嵌合している。こ
れにより、振動発生部40の蓋部21側は蓋部21によ
って押さえつけられる一方、振動発生部40のパンチン
グ板31側の周縁部がパッキン30に当接する。
【0024】図3は、振動発生部40のヘッド43およ
びコイル部44が設けられている付近の拡大断面図であ
る。コイル部44は、ヘッド部2の軸方向Xに沿う方向
に中心軸Oを有する円筒状のボビン44aと、ボビン4
4aの外周面に巻き回されたボイスコイル44bとを有
する。ヘッド43は、ほぼ円柱状の磁石43aと、軟鋼
などで構成され、磁石43aのコーン41側に取り付け
られたボールピース43bとを含む。ヘッド43は、磁
石43aの一部およびボールピース43bがボビン44
aの内部空間に収まるように、ヨーク42の凸部42a
に取り付けられている。ヨーク42の凸部42aの一部
である側面部42bは、ボイスコイル44bを間に挟む
ように、ヘッド43と対向している。この構成により、
たとえば磁石43aのN極側からヨークの凸部42aお
よび側面部42bに至り、 さらに、この側面部42bか
ら参照符号50のようにボイスコイル44bを貫いてヘ
ッドピース43bおよび磁石43aに至る磁気回路が形
成される。
【0025】このように、本実施形態では、ヨーク42
の凸部42aおよびヘッド43が請求項1で言うところ
の磁石に相当する。図2に戻って、ボイスコイル44b
(図3参照)の両端には、ヘッド部2をコントローラ1
に電気的に接続するためのコード11に内設されている
2本の信号線55a,55bがそれぞれ接続されてお
り、この信号線55a,55bによってボイスコイル4
4bに直流双方向パルス電流が供給されるようになって
いる。
【0026】コード11は、ケース本体部20の側部2
3の所定位置に形成されたコード挿入口26内に、シリ
コンゴムなどで構成された取付部材27とともに挿入さ
れることによって、ヘッド部2の内部まで延びた状態で
ヘッド部2に取り付けられている。コード11から露出
している2本の信号線55a,55bは、その途中部が
ヨーク42の蓋部21側の所定位置に取り付けられてい
る基板45にはんだなどで取り付けられており、これに
より各信号線55a,55bがヘッド部2内で固定され
る。
【0027】ヨーク42の所定位置には、コーン41の
振動によって発生した空気振動のうち蓋部21側に戻っ
てくる空気振動を逃がすための通気孔42cが形成され
ている。さらに、蓋部21の第1面部7およびケース本
体部20の側部23には、ヨーク42の通気孔42cを
介して漏れてきた空気振動をさらにヘッド部2の外部に
逃がすための通気孔7a,23aがそれぞれ形成されて
いる。
【0028】次に、このヘッド部2の動作について図3
を参照しながら説明する。前述のように、ヨーク42の
側面部42bとヘッド43との間には、ボイスコイル4
4bを貫くように、磁気回路が形成されている。この状
態において、ボイスコイル44bに直流双方向パルス電
流が供給されると、ボイスコイル44bには第1軸方向
X1および第2軸方向X2に向く力が交互に作用する。
【0029】たとえば直流双方向パルス電流の符号が正
の場合、ボイスコイル44bに図示のような方向に直流
双方向パルス電流が流れるとすると、ボイスコイル44
bには第2軸方向X2に向く力が作用する。その結果、
ボイスコイル44bは第2軸方向X2に向かって移動す
る。この移動に伴って、コーン41も第2軸方向X2に
向かって移動する。
【0030】その後、直流双方向パルス電流の符号が反
転して負となると、ボイスコイル44bには図示とは逆
方向に直流双方向パルス電流が流れるから、ボイスコイ
ル44bには第1軸方向X1に向く力が作用する。その
結果、ボイスコイル44bおよびコーン41は第1軸方
向X1に向かって移動する。以上のような動作が繰り返
されることによって、コーン41は軸方向Xに沿って振
動する。その結果、空気振動が生じ、この空気振動がパ
ンチング板31(図2参照)の通気穴31aを介して外
部に放射される。したがって、ヘッド部2の第2面部8
を患部に近づければ、患部に空気圧が周期的に加わる。
これにより、患部に波動治療を施すことができる。
【0031】また、ボイスコイル44bに直流双方向パ
ルス電流が供給されれば、ボイスコイル44bにおいて
ジュール熱が発生する。このジュール熱の影響は、ヘッ
ドケース9を介して外部にまで及ぶ。したがって、ヘッ
ド部2を人体に当てていれば、温熱刺激を人体に与える
ことができる。これにより、温熱治療を行うことができ
る。
【0032】さらに、ヨーク42とヘッド43との間で
形成されている磁気回路からはヘッドケース9の外部に
まで磁束が漏洩するから、ヘッド部2を人体に当ててい
れば、人体を磁気誘導することができる。すなわち、血
液中のヘモグロビンを活性化し、血流促進を図ることが
できる。前記実施形態では、空気振動を患部に伝え、患
部を波動治療する場合を例にとっているが、たとえばこ
の波動治療に加えて、患部を直接たたくことで患部を振
動整体治療するようにしてもよい。すなわち、図4に示
すように、コーン41の中央部にパンチング板31側に
突出した凸部58aを有するヘッドピース58を取り付
け、ヘッドピース58に対応する開口31bをパンチン
グ板31に形成する。
【0033】ヘッドピース58は、黄銅などの非磁性材
料で構成されている。これは、ヨーク42とヘッド43
との間から漏洩する磁束をシールドしないようにするた
めである。なお、ABS樹脂に銅下地メッキ(無電解)
し、その上にニッケルメッキを施し、さらにクロムメッ
キ仕上げしたものでヘッドピース58を構成した場合に
は、ヘッドピース58の軽量化を図れるので好ましい。
【0034】さらに、ヘッドピース58の凸部58aの
形状としては、たとえば図5(a) に示すように球状であ
ってもよく、また図5(b) に示すように三角柱状であっ
てもよい。図5(b) のように、突出部の先が尖っている
ほど刺激が強くなる。前記構成では、コーン41の振動
に伴ってヘッドピース58も軸方向Xに沿って振動す
る。その結果、ヘッドピース58の凸部58aはパンチ
ング板31の開口31bを介して外部に周期的に露出す
る。また、コーン41の振動による空気振動は、パンチ
ング板31の通気穴31aを介して外部に漏れる。した
がって、ヘッド部2のパンチング板31側を患部に近づ
ければ、ヘッドピース58が患部に直接当たるととも
に、患部に空気圧が周期的に加えられる。これにより、
患部に2種類の刺激を与えることができるから、患部を
良好に治療できる。
【0035】なお、前記構成では、ヘッドピース58を
コーン41に取り付ける場合を例にとっているが、たと
えば図6に示すように、コーン41に取り付けられてい
るコイル部44のボビン44aに取り付けるようにして
もよいのはもちろんである。図7は、コントロールパネ
ル3を示す正面図である。コントロールパネル3は、印
刷あるいはホットスタンプによって形成された仕切り線
100,101によって、左端部102、中央部103
および右端部104に分けられている。
【0036】左端部102には、電源スイッチ4が配設
されている。図7では、電源スイッチ4はシーメンス型
で表しているが、シーソ型でもよいのはもちろんであ
る。電源スイッチ4がオンされている場合には、LED
などで構成された電源ランプ105が点灯する。電源ス
イッチ4の上方には、治療器の動作時間を設定するため
のタイマボリューム106が配設されている。この実施
形態では、設定可能な動作時間は、10分〜12時間であ
る。タイマボリューム106で動作時間が設定されてい
るときには、LEDなどで構成されたタイマランプ10
7が点灯する。タイムアップ時には、タイマランプ10
7は消灯し、LEDなどで構成されたタイムアップラン
プ108が点灯する。
【0037】中央部103および右端部104には、い
ずれも同じ操作部材が配設されている。したがって、以
下では、中央部103に配設されている操作部材を代表
して説明する。中央部103の上端付近には、4個の雌
型ジャック5が備えられている。したがって、右端部の
雌型ジャック5も併せると、この治療器には合計8個の
雌型ジャック5が備えられていることになる。そのた
め、1つのコントローラ1に対して、8個のヘッド部2
(図2参照)を同時に接続することができる。
【0038】雌型ジャック4の下方には、患部に加わる
空気圧の強さ、および温熱刺激における温度を調節する
ための調節ダイヤル110およびスライドボリューム1
11が配列されている。調節ダイヤル110は、空気圧
力および温度を段階的に設定できるもので、具体的に
は、実際には熱が発生しているけれどもほとんど感じな
い程度の段階である「温熱切り」から「弱」を経て
「強」まで5段階に設定できる。6段階目の「連続」
は、スライドボリューム111を用いる際に設定するた
めのものである。スライドボリューム111は、調節ダ
イヤル110が「連続」に設定されている状態で設定操
作ができるもので、空気圧力および温度を連続的に設定
できる。
【0039】調節ダイヤル110の上方には、設定段階
に応じて点灯するLEDなどで構成された段階的調節ラ
ンプ112が配設されている。また、スライドボリュー
ム111の上方には、設定量に応じて点灯するLEDな
どで構成された無段階調節ランプ113が配設されてい
る。スライドボリューム111の下方には、空気圧が生
体に加わる時間を設定するための治療時間設定ボリュー
ム114が配設されている。空気圧が生体に加わる時間
が変われば、人体に加えられる刺激が変わる。具体的に
は、空気圧が生体に加わる時間が短ければ、刺激力は強
く、また瞬間的な加圧力も相対的に強くなる。その結
果、ユーザは、いわば肩をトントンとたたかれているよ
うな感覚になる。逆に、空気圧が生体に加わる時間が長
ければ刺激力は弱く、また瞬間的な加圧力は相対的に弱
くなる。その結果、ユーザは、いわば指圧されているよ
うな感覚になる。
【0040】調節ダイヤル110の下方には、空気振動
のスピードを設定するための回転式の速度ボリューム1
17が配設されている。速度ボリューム117では、空
気振動の往復移動のスピードを最低3(sec) から最高10
(msec)まで連続的に設定することができる。速度ボリュ
ーム117の上方近傍には、LEDなどで構成され、速
度ボリューム117で設定された空気振動の往復移動の
スピードに応じて交互に点滅する速度ランプ118が配
設されている。
【0041】速度ボリューム117の左側には、倍速ス
イッチ119が配設されている。倍速スイッチ119
は、速度ボリューム117で設定された空気振動の往復
移動のスピードを一気に倍にするためのものである。倍
速スイッチ119の上方には、LEDなどで構成された
倍速ランプ120が配設されている。倍速ランプ120
は、倍速スイッチ119がオンされている場合に点灯す
る。
【0042】図8は、コントローラ1の電気的構成を示
すブロック図である。コントローラ1の中央部103お
よび右端部104には、図7でも説明したように、同じ
操作部材が配設されている。したがって、コントローラ
1には、中央部103および右端部104に関連する電
気的構成がそれぞれ1つずつ備えられている。図8で
は、そのうちの1つを示している。ただし、タイマ回路
133までは共通である。なお、図9および図10は、
この図8で示されている電気的構成をさらに詳細にした
回路図である。
【0043】コントローラ1は、充電電池などの直流電
源130を含む。直流電源130は、商用電源131に
接続されたACアダプタ132が当該コントローラ1の
ACアダプタ用コネクタ6(図1参照)に接続されてい
ない場合に当該コントローラ1の電源となるものであ
る。電源スイッチ4がオンされると、電力の供給が開始
される。このとき、ACアダプタ132がACアダプタ
用コネクタ6に接続されていれば、商用電源131から
電力が供給され、ACアダプタ132がACアダプタ用
コネクタ6に接続されていなければ、直流電源130か
ら電力が供給される。なお、これら各電力供給回路に代
えてたとえば直流安定化電源を用いるようにしてもよ
い。
【0044】電力は、タイマ回路133を介して、パル
ス発生器134に供給される。タイマ回路133は、単
安定マルチバイブレータなどで構成されたもので、タイ
マボリューム106に接続されている。タイマ回路13
3は、タイマボリューム106によって設定された動作
時間にわたって電力をパルス発生回路134への供給を
許容する。すなわち、電源投入時から設定時間が経過す
ると回路を遮断する。
【0045】パルス発生器134は、無安定マルチバイ
ブレータなどで構成されたもので、電力が供給されてい
る場合に、2種類のパルス信号PA ,PB を発振する。
パルス発生器134において2種類のパルス信号PA
B が発振されるのは、ヘッド部2内の振動発生部40
(図2参照)に含まれるボイスコイル44bに直流双方
向パルス電流を供給するためである。発振されるパルス
信号PA ,PBの信号形態は、無段階パルスレート調節
器135およびパルス幅調節器136によって決定され
る。
【0046】無段階パルスレート調節器135は、速度
ボリューム117および倍速スイッチ119に接続され
ている。無段階パルスレート調節器135は、速度ボリ
ューム117で設定された速さに応じて空気振動を発生
させるために、パルスレートを調節する。具体的には、
10(msec)〜3(sec)の間に調節する。また、倍速スイッチ
119がオンされているときには、調節すべきパルスレ
ートをさらに2倍にする。
【0047】パルス幅調節器136は、治療時間設定ボ
リューム114に接続され、治療時間設定ボリュームで
設定された時間に応じてパルス幅を調節する。たとえ
ば、治療時間設定ボリューム114が「短」に設定され
ている場合には、図11(a) に示すように、パルス信号
A のパルス幅をパルス信号PB のパルス幅よりも狭く
する。治療時間設定ボリューム114が標準程度に設定
されている場合には、図11(b) に示すように、パルス
信号PA ,PB のパルス幅は同一とされる。治療時間設
定ボリューム114が「長」に設定されている場合に
は、図11(c) に示すように、パルス信号PA のパルス
幅をパルス信号PB のパルス幅よりも広くする。
【0048】図8に戻って、パルス発生器134で発生
された2種類のパルス信号PA ,P B は、それぞれ、調
節ダイヤル110を介して、第1ステップテンション調
節器137aおよび第2ステップテンション調節器13
7b、または無段階テンション調節器138aおよび無
段階テンション調節器138bに与えられる。調節ダイ
ヤル110が「温熱切り」から「強」までの段階のうち
いずれかに設定されているときには、パルス信号PA
B はそれぞれ第1および第2ステップテンション調節
器137a,137bに与えられる。また、調節ダイヤ
ル110が「連続」に設定されているときには、パルス
信号PA ,PB はそれぞれ第1および第2無段階テンシ
ョン調節器138a,138bに与えられる。
【0049】第1および第2ステップテンション調節器
137a,137b、ならびに第1および第2無段階テ
ンション調節器138a,138bは、いずれも、空気
圧力の強さ、および温熱刺激における温度を調節するた
めに、パルス信号PA ,PBの振幅を変化させるための
ものである。パルス信号PA ,PB の振幅が高いほど、
空気圧力の強さは強く、温度は高くなる。
【0050】第1および第2ステップテンション調節器
137a,137bは、調節ダイヤル110で設定され
た段階に応じてパルス信号PA ,PB の振幅をそれぞれ
増減させる。第1および第2無段階テンション調節器1
38a,138bは、スライドボリューム111(図7
参照)のスライド量に応じてパルス信号PA ,PB の振
幅をそれぞれ増減させ、調整後のパルス信号PAT,PBT
を生成する。
【0051】振幅調整後の各パルス信号PAT,PBTは、
それぞれ、第1および第2ブリッジドライバ139a,
139b(以下総称するときは「ブリッジドライバ13
9」という。)に与えられる。また、ブリッジドライバ
139a,139bには、それぞれ、振幅調整前のパル
ス信号PA ,PB が与えられる。ブリッジドライバ13
9は、各パルス信号PAT,PBT,PA ,PB に基づいて
直流双方向パルス電流を生成し、この生成された直流双
方向パルス電流を出力するためのものである。1つのブ
リッジドライバの出力は、2つの雌型ジャック5に与え
られる。したがって、1つのブリッジドライバから出力
された直流双方向パルス電流は、最大2つのヘッド部2
に与えられる。
【0052】図12は、ブリッジドライバ139aの回
路構成を示す図である。図12は、2つのヘッド部2を
並列に接続する場合を示している。ブリッジドライバ1
39aは、4つのNPN型トランジスタを有している。
電源+B(Vcc)には、トランジスタQ1 ,Q3 のコ
レクタ端子が並列に接続されている。トランジスタ
1 ,Q3 の各エミッタ端子は、それぞれ、トランジス
タQ4 ,Q2 の各コレクタ端子に接続されている。トラ
ンジスタQ4 ,Q2 の各エミッタ端子は接地されてい
る。ブリッジドライバ139の接続端子A,B(雌型ジ
ャック5)には、2つのヘッド部2にそれぞれ内設され
ているボイスコイル44bが接続されている。トランジ
スタQ1 ,Q2 のベース端子には、振幅調整後のパルス
信号PATおよび振幅調整前のパルス信号PA が与えられ
るようになっている。トランジスタQ3 ,Q4 のベース
端子には、パルス信号PB が与えられるようになってい
る。
【0053】パルス信号PAT,PA が与えられる期間で
は、トランジスタQ1 ,Q2 のみが導通する。その結
果、電源+Bから供給される電流は、二点鎖線145で
示すように、接続端子AからBに向かってボイスコイル
44bに供給される。逆に、パルス信号PB が与えられ
る期間では、トランジスタQ3 ,Q4 のみが導通する。
その結果、電源+Bから供給される電流は、二点鎖線1
46で示すように、接続端子BからAに向かってボイス
コイル44bに供給される。
【0054】ブリッジドライバ139bの回路構成は、
ブリッジドライバ139aと同じ構成であるが、トラン
ジスタQ1 〜Q4 に与えられるパルス信号が異なる。す
なわち、トランジスタQ1 ,Q2 には、それぞれ、振幅
調整後のパルス信号PBTおよび振幅調整前のパルス信号
B が与えられる。また、トランジスタQ3 ,Q4
は、それぞれ、パルス信号PA が与えられる。したがっ
て、パルス信号PA が与えられる期間では、電源+Bか
ら供給される電流は接続端子BからAに向かって流れ、
パルス信号PBT,PB が与えられる期間では接続端子A
からBに向かって流れる。つまり、 ブリッジドライバ1
39の出力は、ボイスコイル44bに対して直流双方向
パルス電圧を印加するとともに直流双方向パルス電流を
供給する。
【0055】このように、パルス信号PAT,PA とパル
ス信号PBT,PB とがブリッジドライバ139に交互に
供給されることによって、ボイスコイル44bには、た
とえば図13に示すような正負の直流双方向パルス電圧
および電流が供給されることになる。より具体的には、
図13(a) の波形は空気圧が生体に作用する時間が「ほ
ぼ標準」に設定されている場合、図13(b) の波形は空
気圧が生体に作用する時間が「短」に設定されている場
合、図13(c) の波形は空気圧が生体に作用する時間が
「長」に設定されている場合を示している。
【0056】このような直流双方向パルス電流がボイス
コイル44bに供給されることによってボイスコイル4
4bには軸方向Xに沿って互いに逆方向の力が作用し、
これによりコイル部44およびコーン41が軸方向Xに
沿って振動する。なお、ブリッジドライバ139aに接
続されているヘッド部2とブリッジドライバ139bに
接続されているヘッド部2とでは、電流の流れる方向が
常に反対になるから、供給される直流双方向パルス電流
の符号は常に反対になる。したがって、ボイスコイル4
4bに作用する力の方向は反対になる。そのため、ブリ
ッジドライバ139aに接続されているヘッド部2のコ
ーン41とブリッジドライバ139bに接続されている
ヘッド部2のコーン41とは、その振動方向が常に反対
になる。
【0057】このようなコーン41の振動は、コントロ
ーラ1で設定された速さ、空気圧が生体に作用する時間
および強さに応じて変化することになる。たとえば速度
ボリューム117によって相対的に速い速度が設定され
た場合には、パルス信号PA ,PB のパルスレートが速
くなり、そのためボイスコイル44bに供給される直流
双方向パルス電流のパルスレートは速くなる。したがっ
て、ボイスコイル44bに作用する力の方向の切換わり
速度が速くなる。そのため、コーン41の振動速度が速
くなり、空気振動の周期が速くなる。反対に、速度ボリ
ューム117によって相対的に遅い速度が設定された場
合には、空気振動の周期が遅くなる。
【0058】また、治療時間設定ボリューム114によ
って「長」が設定された場合には、ボイスコイル44b
に供給される直流双方向パルス電流の符号が正である期
間が長くなる。その結果、ボイスコイル44bに第1軸
方向X1に向く力が作用する時間が長くなる。そのた
め、空気圧が患部に加えられる時間が長くなる。反対
に、治療時間設定ボリューム114によって「短」が設
定された場合には、空気圧が患部に加えられる時間が短
くなる。
【0059】さらに、たとえばスライドボリューム11
1によって「強」が設定された場合、ボイスコイル44
bに供給される直流双方向パルス電圧および電流の振幅
が大きくなる。その結果、ボイスコイル44bに作用す
る力が強くなる。したがって、コーン41の振動幅が大
きくなり、空気圧が強くなる。反対に、スライドボリュ
ーム111によって「温熱切り」が設定される場合に
は、空気圧の強さは低下する。
【0060】以上のようにこの第1実施形態の治療器に
よれば、物理的刺激、熱的刺激および磁気的刺激によっ
て血流促進を図り、これにより患部の治療を行うように
している。すなわち、人体に電流を流さずに治療を行う
ために、人体に電流を流すことによって治療を行う場合
では達成できない次の〜に示すような効果を奏す
る。 電撃刺激を感じることがない。したがって、使用感が
良くなる。 電流に拒絶反応を示す者であっても使用できる。 心臓部、頭部、口中、陰部などの各部位にも使用でき
る。また、ガーゼを併用すれば、皮膚病になっている患
部にも使用でき、特に乾燥を要する場合に有効である。 衣服などの絶縁体の上からでも使用できる。 入浴中または入浴後、発汗時、高温多湿時でも使用で
きる。 複数のヘッド部2をコントローラ1に同時に接続で
き、しかも人体に通電させる必要はないから、複数の人
と一緒に使用できる。 就寝時間などのように長時間でも使用できる。
【0061】また、生体に加えられる空気圧の周期、空
気圧が生体に加えられる時間および生体に加えられる空
気圧の強さをコントローラ1で自由に設定できるから、
ユーザの好みに応じた治療を行うことができる。そのた
め、ユーザ・インタフェースを向上できる。さらに、物
理的刺激として空気圧を利用しているから、患部に間接
的に加圧治療を施すことができる。そのため、患部にや
わらかな刺激を与えることができるから、特に美顔や腹
部の治療に効果的である。
【0062】さらにまた、前記治療器ではコーン41を
振動させることによって空気振動を発生させているが、
この空気振動は図14に実線で示す直流双方向パルス電
流に対応しているから、頻繁に音が発生する図14の二
点鎖線の音声信号と異なり、直流双方向パルス電流の正
負の切換わり時にのみ「プシュ、プシュ」というような
音が発生するだけである。したがって、音が静かな治療
器とすることができる。
【0063】さらに、ヘッドケース9内では空気振動を
発生させるために、コーン41の振動を利用しているか
ら、ヘッドケース9を非常に薄く、かつ小型に形成する
ことができる。したがって、使用部位を限定することが
ない。そのため、使い勝手が非常に良い治療器とするこ
とができる。図15は、本発明の第2実施形態の治療器
にかかるヘッド部2の内部構成を示す断面図である。図
15において、図2と同じ機能部分については同一の参
照符号を使用する。
【0064】前記実施形態では、基本的に空気振動を生
じさせることによって患部を波動治療するようにしてい
るのに対して、この第2実施形態では、患部に直接たた
く刺激を与えることによって患部を振動治療するように
している。すなわち、この第2実施形態にかかるヘッド
部2は、ヘッドピース70cをヘッドケース9の外部に
周期的に突出させる構成となっている。
【0065】この第2実施形態にかかる治療器は、主と
して、口内の炎症または鼻のちくのう症などの治療に用
いられるもので、ヘッド部2の直径は口または鼻の穴に
入る程度の大きさとされている。具体的には、口内の炎
症を治療することを主目的とする場合には約10(mm)、鼻
のちくのう症を治療することを主目的とする場合には約
6(mm) となっている。
【0066】このような用い方に関連して、ヘッド部2
にはユーザが手で握るための握り棒60が取り付けられ
ている。握り棒60は、ヘッド部2から約15〜30(c
m)程度の長さのもので、ケース本体部20の側部23に
形成されている挿通穴26を介してヘッド部2に取り付
けられている。握り棒60は、いわゆるパイプ構造とな
っており、その内部には、ヘッド部2とコントローラ1
(図1参照)を電気的に接続するためのコード11が挿
通されている。コード11は挿通穴26からヘッド部2
の内部にまで達しており、その先端部から信号線55が
露出している。
【0067】握り棒60のヘッド部2とは反対側の端部
側には、握り棒60を固定するためのシリコンゴム製の
固定部材61が設けられている。また、これに関連し
て、握り棒60に固定部材61を固定するための固定用
回転ねじ62が握り棒60に設けられている。固定用回
転ねじ62を締めることで固定部材61は握り棒60に
固定される。なお、参照符号63は、回転用回転ねじ6
2の周囲に設けられ、締め付け時に手が滑らないように
するとともに、手の握り部としても機能する周囲ローレ
ットである。
【0068】さらに、この治療器は前述のように主とし
て口内や鼻の穴の中で用いられるものであるから、防水
対策を施す方が好ましい。防水対策としては、たとえば
使い捨て式の非常に薄いゴム製のサックでヘッド部2を
覆うようにすることが考えられる。次に、ヘッド部2の
内部構成について詳述する。ケース本体部20の蓋部2
1側の端部には、軸方向Xにほぼ垂直にプリント基板6
5が設けられている。プリント基板65のケース本体部
20側にはコイル部66が取り付けられている。より具
体的には、プリント基板65のケース本体部20側に
は、軸方向Xに沿う方向に中心軸を有する円筒状のボビ
ン66aが接着されており、このボビン66aの外周面
にボイスコイル66bが巻き回されている。プリント基
板65の蓋部21側には、図16に示すように、プリン
ト基板65の銅箔導通部に2つの接続部65a,65b
が設けられており、各接続部65a,65b(以下総称
するときには「接続部65」という。)にコード11か
ら露出した2本の信号線55a,55bがそれぞれはん
だなどで接続されている。各接続部65a,65bに
は、ボイスコイル66bの両端をそれぞれ通すための穴
65c,65dが形成されており、各穴65c,65d
にボイスコイル66bの両端をそれぞれ通した後はんだ
などで接続されることで、コード11の2本の信号線5
5a,55bとボイスコイル66bの両端とがそれぞれ
電気的に接続される。
【0069】プリント基板65のケース本体部20側に
は、さらに、ヘッド70が軸方向Xに沿って移動可能に
設けられている。ヘッド70は、ボビン66aの内部空
間内を往復移動できるように設けられた磁石70a、こ
の磁石70aのプリント基板65とは反対側が固着され
ているヨーク70b、およびヨーク70bの磁石70a
とは反対側にスポット溶接され、純鉄などで構成された
ほぼ円柱状のヘッドピース70cを含む。
【0070】磁石70aのプリント基板65側には、軟
鋼などで構成されたボールピース70dが固着されてい
る。ヨーク70bは、磁石70aおよびヘッドピース7
0cが取り付けられ、ボビン66aの径よりも大きな径
の面部70eと、面部70eの周縁部にプリント基板6
5側に向けて立ち上がるように一体形成された側部70
fとを有する。この構成により、たとえば、磁石70a
のN極からボールピース70dに至り、さらに、ボイス
コイル66bを貫いてヨーク70bの側部70fのおよ
び面部70eに達し、 磁石70aに至る磁気回路が形成
される。
【0071】このように、本実施形態では、磁石70
a、ヨーク70bおよびボールピース70dが請求項3
で言うところの磁石に相当する。ヘッド部2には、ヘッ
ド70の往復移動の際に、ヘッド70の勢いを吸収して
消音させるための第1板ばね80および第2板ばね81
が設けられている。第1板ばね80は、プリント基板6
5のヘッド70に対向する側にリベット80aによりか
しめ固着され、ヘッド70に向く方向に付勢力が付与さ
れている。第2板ばね81は、ケース本体部20の第2
面部8の内側にヨーク70bの一部が当接するように設
けられており、ヘッドケース9の内部に向く方向に付勢
力が付与されている。
【0072】第1板ばね80は、図17に示すように、
第1ベース部80bと、第1ベース部80bの周囲に放
射状に一体形成された複数の第1突出部80cとを含む
構成である。第2板ばね81は、図18に示すように、
ドーナツ状に形成されたベース部81aと、このベース
部81aに一体形成され、ベース部81aから中心に向
かって放射状に突出した複数の第2突出部81bとを含
む。第2板ばね81の中央部には、ヘッドピース70c
の径よりも大きく、かつヨーク70bの径よりも小さな
ヘッド突出窓81cが形成されている。
【0073】次に、ヘッド部2の内部における動作につ
いて詳述する。前述のように、ヨーク70bの側部70
fと磁石70aとの間には、ボイスコイル66bを貫く
ように、磁界が形成されている。この状態において、ボ
イスコイル66bに直流双方向パルス電流が供給される
と、ボイスコイル66bに第1軸方向X1および第2軸
方向X2に向く力が交互に作用する。一方、ボイスコイ
ル66bは固定されているから、結局、ヘッド70に反
発力が作用する。その結果、ヘッド70が軸方向Xに沿
って往復移動することになる。
【0074】このうちヘッド70が第2軸方向X2に向
かって移動するとき、ヘッドピース70cは、第2板ば
ね81のヘッド突出窓81cおよび第2面部8の開口2
2を介してヘッドケース9の外部に突出する。したがっ
て、ヘッドケース9の第2面部8を人体に当てれば、ヘ
ッドピース70cによって人体がたたかれる。そのた
め、人体に圧力が直接加えられ、血流の促進を図ること
ができる。これにより、直接的な加圧治療が行われる。
【0075】また、ボイスコイル66bにおいて発生す
るジュール熱による温熱治療、およびヨーク70bの側
面部70fとヘッド70aとの間に形成されている磁界
のうちヘッドケース9の外部に漏洩する磁界を利用した
磁気治療も同時に行われる。以上のようにこの第2実施
形態の治療器によっても、前記第1実施形態と同様に、
前記〜に示すような効果を得ることができる。
【0076】本発明の実施の形態の説明は以上のとおり
であるが、本発明は前述の実施形態に限定されるもので
はなく、本発明の範囲内において種々の設計変更を施す
ことが可能である。
【0077】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、生体に電
流を流さなくても、空気圧による波動治療を生体に施す
ことができるから、生体に電流を流すことによって患部
の治療を行う場合のように、電撃刺激が与えられること
もなく、また電流に拒絶反応を示す人も用いることがで
きる。また、生体に電流を流すことによって患部の治療
を行う場合に厳しく制限されていた使用条件をほとんど
緩和できるから、使い勝手の良い治療器とすることがで
きる。
【0078】しかも、ヘッドケース内で空気振動を発生
させるだけでよいから、ヘッドケースを非常に薄くする
ことができる。よって、使用部位を限定しない治療器と
することができる。さらに、空気振動の発生のために、
磁界中に置かれたボイスコイルに対して双方向の電流を
流すことにより発生する力を利用しているから、ボイス
コイルで発生するジュール熱を利用した温熱治療や漏洩
磁束を利用した磁気治療を生体に施すことができる。よ
って、患部の治療を良好に行うことができる。また、刺
激の時間や速さを調節することができるから、ユーザの
好みに応じた治療を行うことができる。
【0079】請求項2記載の発明によれば、振動板にヘ
ッドピースを取り付けているから、空気圧による波動治
療に加えて、ヘッドピースで直接患部をたたく振動整体
治療を行うことができる。 よって、患部の治療をより一
層良好に行うことができる。請求項3記載の発明によれ
ば、ヘッドピースによる振動整体治療を行うことができ
るとともに、ボイスコイルで発生するジュール熱を利用
した温熱治療および漏洩磁束を利用した磁気治療を行う
ことができる。
【0080】また、刺激の時間や速さを調節することが
できるから、ユーザの好みに応じた治療を行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態の治療器の外観構成を
示す概略図である。
【図2】ヘッド部の内部構成を示す断面図である。
【図3】コーンの振動を説明するための図であって、ヘ
ッドおよびコイル部が設けられている付近を示す拡大断
面図である。
【図4】本発明の他の実施形態の治療器におけるヘッド
部の内部構成を示す断面図である。
【図5】ヘッドピースの凸部の形状の他の実施形態を示
す概略図である。このうち、(a) は凸部を球状にした場
合の図、(b) は凸部を三角柱状にした場合の図である。
【図6】ヘッドピースの取付構造の他の例を説明するた
めの図である。
【図7】コントローラの平面図である。
【図8】コントローラの電気的構成を示すブロック図で
ある。
【図9】コントローラの詳細な電気的構成を示す回路図
である。
【図10】同じく、コントローラの詳細な電気的構成を
示す回路図である。
【図11】パルス発生器で発生されるパルス信号を示す
図である。このうち、(a) はパルス信号PA のパルス幅
をパルス信号PB のパルス幅よりも狭くする場合の図、
(b) はパルス信号PA ,PB のパルス幅は同一とする場
合の図、(c) はパルス信号PA のパルス幅をパルス信号
B のパルス幅よりも広くする場合の図である。
【図12】ブリッジドライバの構成を示す回路図であ
る。
【図13】電磁コイルに与えられる直流双方向パルス電
圧および電流を示す図である。このうち、(a) は加圧時
間が「ほぼ標準」に設定されている場合の波形、(b) は
加圧時間が「短」に設定されている場合の波形、(c) は
加圧時間が「長」に設定されている場合の波形である。
【図14】本発明における治療器の音が静かであること
を説明するために、ボイスコイルに供給される直流双方
向パルス電圧と通常の音声信号とを示す図である。
【図15】この発明の第2実施形態のヘッド部の内部構
成を示す断面図である。
【図16】基板の蓋部側の構成を示す図である。
【図17】第1板ばねの構成を示す平面図および断面図
である。
【図18】第2板ばねの構成を示す平面図および断面図
である。
【図19】従来の治療器において電極に供給される交流
低周波パルス信号の波形図である。このうち、(a) は患
部をたたく場合の波形図、(b) は患部をもむ場合の波形
図、(c) は患部である足をたたく波形図である。
【符号の説明】
1 コントローラ 2 ヘッド部 9 ヘッドケース 22 開口 41 コーン 42 ヨーク 43 ヘッド 44 コイル部 44b ボイスコイル 58 ヘッドピース 66 コイル部 66b ボイスコイル 70 ヘッド 70a 磁石 70b ヨーク 70c ヘッドピース 70f 側面部 135 無段階パルスレート調節器 136 パルス幅調節器 137 ステップテンション調節器 138 無段階テンション調節器
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61H 23/02 A61H 9/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生体に波動を与えることによって生体を治
    療するための生体波動治療器であって、 所定位置に開口が形成され、内部空間を有するヘッドケ
    ースと、 このヘッドケース内に振動可能に設けられ、空気振動を
    発生させるための振動板と、 この振動板に取り付けられ、ボイスコイルを有するコイ
    ル部と、 前記ボイスコイルを貫くように磁界を形成するための磁
    石と、 前記ボイスコイルに対して双方向にパルス電流を供給す
    るための電流供給手段と 前記電流供給手段からボイスコイルに供給される直流双
    方向パルス電流のパルスレートまたはパルス幅を、所定
    の生体波動を発生させるように調整するための駆動制御
    手段と を有し、 前記振動板で発生された空気振動を前記開口を介して前
    記ヘッドケースの外部に放射するようにしたことを特徴
    とする生体波動治療器。
  2. 【請求項2】前記振動板の振動とともに振動し、かつ前
    記開口を介して前記ヘッドケースの外部に突出できるよ
    うに、前記ヘッドケース内に設けられたヘッドピースを
    さらに含むことを特徴とする請求項1記載の生体波動治
    療器。
  3. 【請求項3】生体に波動を与えることによって生体を治
    療するための生体波動治療器であって、 所定位置に開口が形成され、内部空間を有するヘッドケ
    ースと、 このヘッドケース内に固定され、ボイスコイルを有する
    固定コイル部と、 前記ヘッドケース内に移動可能に設けられ、前記ボイス
    コイルを貫くように磁界を形成するための磁石と、 前記開口を介して前記ヘッドケースの外部に突出するよ
    うに、前記磁石に取り付けられたヘッドピースと、 前記ボイスコイルに対して双方向にパルス電流を供給す
    るための電流供給手段と 前記電流供給手段からボイスコイルに供給される直流双
    方向パルス電流のパルスレートまたはパルス幅を、所定
    の生体波動を発生させるように調整するための駆動制御
    手段と を有し、 前記ヘッドピースから生体に対して振動を伝えるように
    したことを特徴とする生体波動治療器。
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