JP3061286B2 - ガス放電表示パネル - Google Patents

ガス放電表示パネル

Info

Publication number
JP3061286B2
JP3061286B2 JP24707190A JP24707190A JP3061286B2 JP 3061286 B2 JP3061286 B2 JP 3061286B2 JP 24707190 A JP24707190 A JP 24707190A JP 24707190 A JP24707190 A JP 24707190A JP 3061286 B2 JP3061286 B2 JP 3061286B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
discharge
cathode
pulse
crosstalk
cells
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP24707190A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04127193A (ja
Inventor
睦三 鈴木
茂生 御子柴
誠 安田
明彦 鴻上
フランク・エル・カ−ゾン
正 成清
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP24707190A priority Critical patent/JP3061286B2/ja
Publication of JPH04127193A publication Critical patent/JPH04127193A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3061286B2 publication Critical patent/JP3061286B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)
  • Control Of Indicators Other Than Cathode Ray Tubes (AREA)
  • Control Of Gas Discharge Display Tubes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、気体放電が発生する可視光または紫外光な
どを利用する放電表示素子により構成される、文字、画
像表示用ガス放電表示パネルに関するものである。
【従来の技術】
ガス放電ディスプレイでは、放電電流の大きさを制限
したりするために、100kΩ〜2MΩ程度の抵抗を介して電
極に電圧を印加することが多い。例えば、陰極に抵抗を
取り付けた場合を考える。放電が生起して抵抗に電流が
流れると陰極の電位が上昇するため、同時刻に点灯させ
ようとする2つ以上のセルでは陰極抵抗を共有すること
はできない。ひとつのセルで放電が生起して陰極の電位
が上昇すると、他のセルでは電極間の電位が下がるため
放電開始が起こらなくなるからである。したがって、パ
ルスメモリ駆動法などの採用で同時に複数個のセルを点
灯させるパネルでは、個々のセル毎、あるいは同時には
点灯しない複数のセル毎に抵抗を取り付けている。
【発明が解決しようとする課題】
ガス放電ディスプレイは、放電が発生する紫外線によ
り蛍光体を励起・発光させたり、放電に伴う可視発光を
取り出したりして、表示を行なう。放電を生起させる電
圧パルスの幅を0.2μs程度に狭めると、この紫外線の
発光効率が上昇するので、高輝度の表示が可能になる。
しかし、パルス幅を狭めると放電維持電圧が高くなって
しまうので、先に述べた保護抵抗の抵抗値を小さくする
などして放電電圧を下げる工夫が必要になる。一方、放
電セルのアドレスの際にはパルス幅の広い放電を用いて
いるので、保護抵抗を小さくすると、アドレス放電の消
費電力が大きくなりすぎるという問題が生じる。 また、ガス放電表示パネルでは、ドットの個数に対応
した放電セルを0.3〜1mm程度のピッチで並べ、それぞれ
の放電セルの点灯・消灯の制御している。そのため、あ
る放電セルでの放電状態が周辺の放電セルの特性を変化
させる「クロストーク」が発生する。例えば、隣接する
放電セルに同時刻にパルス放電を生起させようとする
と、放電生起に必要な電圧が上昇してしまう。このため
に、パネルで安定な画像表示ができなくなるなどの問題
が発生した。 この問題に対して、従来は特開昭62−189496号および
特開昭62−186441号に記したように、隣接セルに印加す
るパルスの位相をずらして、クロストークを回避するこ
とにより対処していた。しかし、この方法では、複雑な
電極配線パターンを必要とすること、隣接電極に印加さ
れるパルス位相がずれるため、その電極を給電する際に
必要な浮遊容量充放電電力が増大してしまう、などの問
題点があった。したがって、セル間クロストークを低減
または除去することが望まれていた。 また,特開平1ー303494号に述べられている,保護抵
抗を取り付けた電極にパルスを印加するという駆動方法
も、今問題のクロストーク低減に効果がある。後で述べ
るように、クロストークが発生するのは、保護抵抗を接
続した電極の電位変化が主な原因である。例えば、保護
抵抗が陰極に付いている場合を考える。陽極に電圧を印
加して放電が生起すると、抵抗での電圧降下により陰極
の電位が上昇する。セル間浮遊容量の影響で、この電位
変化が隣接セルの陰極電位を上昇させ、その結果隣接セ
ルの電極間電位を小さくし放電を起こしにくくする。陽
極に正パルスを印加する代わりに陰極に負パルスを印加
した場合は、抵抗での電位変化は、陰極への印加電圧を
相殺する方向なので、隣接セルへの影響は小さくなるた
め、クロストークが減少する。 ただし、発光効率を高めるためにパルス幅0.1〜0.6μ
s程度のパルスで放電を維持する場合には、抵抗を介し
て電圧を印加するとパルス波形がなまるため、問題があ
る。この波形なまりを解決したのが、前記公知例の特開
平1ー303494号である。しかし、この方法にも問題があ
る。通常、保護抵抗を付けた電極には、放電セルのアド
レス用パルスも印加する。このため、蛍光体を発光させ
るためのパルスも印加するとなると、駆動回路の構成が
複雑になってしまう。発光用のパルスを抵抗を付けた電
極以外の電極に印加するのであれば、発光用パルスのた
めの駆動回路と、アドレス用パルスのための駆動回路と
が独立になる。また、たとえば特開平1ー303494号の第
1の実施例にみられるように、陰極にパルスを印加する
と、陰極と補助陽極との間で誤放電を起こすのでその対
策も必要になる。 したがって、本発明の目的は保護抵抗を付けた電極以
外の電極に発光表示用パルスを印加する駆動法を用いつ
つ、クロストークを除去し得るガス放電表示パネルを提
供することにある。
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するため、抵抗と並列に容量
を挿入することにより、短パルスに対して低インピーダ
ンス化させ、かつ抵抗を付けた電極以外の電極にこの短
パルスを印加して放電を生起させ、その結果、単純な駆
動方法を保ちつつ、短パルス放電の低電圧化と、セル間
放電クロストークの低減・除去を図ったものである。
【作用】
第2図に示したように、陽極1−陰極3間距離1.9m
m、内径0.8mm(Xe封入圧10Torr)の放電セルの陰極3に
抵抗5と容量10とを取り付ける。以下、抵抗5、容量10
の大きさをそれぞれR,Cで表わす。抵抗5と容量10を変
えながら、陽極1にパルス電圧を印加して放電を生起さ
せ、放電維持電圧Vmを測定した。その結果を第3図に示
した。実線で示したのは、パルス幅tw=0.2μs,パルス
周期T=8μs,R=560kΩに設定したときの結果であ
る。C<10pFの範囲ではCの増加とともに、Vmは低減し
ている。点線で示したのは、同じ駆動波形であるが、R
=100kΩとした時、1点鎖線は、R=560kΩだがパルス
幅を1μsに広げたときの結果である。いずれの場合
も、容量の付加が、Vmの低電圧化に効果的であることが
わかる。 このように、容量の付加でVmが低下するのは、容量が
高周波成分に対しては低インピーダンスになるため、狭
いパルス幅のパルス放電に対しては陰極抵抗値を下げた
のと同等の降下になるためである。すなわち、角周波数
ωの信号に対する容量(大きさC)、抵抗(大きさR)
のアドミタンスは、それぞれωC,1/Rであるから、ω=1
/(CR)を満たす信号は容量と抵抗とに半分ずつ電流が
流れる。すなわち、インピーダンスが半分になる。パル
ス幅twのパルスは、ω=π/tw以上の角周波数成分外大
部分であるから、パルス放電のパルス幅twに対し、CR>
(tw/π)となるようにC,Rを設定すれば、CとRとの合
成インピーダンスがRのみの場合の半分以下となり、低
電圧化の効果が現れる。 一方、CR≪twであれば、電流は主に抵抗を流れるの
で、放電電流は抵抗の値で制限される。したがって、セ
ルのアドレスに用いる放電のパルス幅tws(≒8〜20μ
s程度)に対しCR≪twsとすれば、アドレス放電の電力
が増加し過ぎることはない。 つぎに、容量がセル間クロストークに及ぼす影響を述
べる。第4図のように、陽極1−陰極3間距離10mm,内
径5mm(Xe封入圧3Torr)の放電管1、2を並べ、それぞ
れの陽極1に幅0.25μs、周期8μsの電圧パルスV1、
V2を印加する、ただし、パルスV2の位相はV1よりもτだ
け遅らせる。第5図は、位相のずれτを変えながら、放
電管2の放電維持電圧Vmを測ったものである。実線はC
=0pFの時である。τ<0.6μsでは、クロストークのた
めにVmが上昇している。しかし、陰極抵抗5と並列に容
量10(大きさC)を取り付けると、点線(C=2pF)で
示したように、クロストークは小さくなる。さらに、C
=100pFとすると(1点鎖線)、クロストークは無くな
る。 このように、容量10の付加でクロストークが低減する
のは次の理由による。C=0pFの場合、放電管1に放電
電流が流れると、抵抗Rでの電圧降下により陰極3の電
位が上昇する。すると放電管1の陰極と放電管2の陰極
との間の浮遊容量を介して、放電管2の陰極の電位も上
昇する。このため、放電管2では、陽極1−陰極3間電
圧が減少するため、放電開始に必要な電圧が上昇する。
先に述べたように、容量は高周波成分に対して低インピ
ーダンスなので、容量10を付加した場合は、放電電流が
流れても陰極の電位はあまり上昇しなくなる。このた
め、クロストークも低減・除去される。 このように、特開平1ー303494号に述べられた方法と
本方法とを比較すると、発明の構成が異なるばかりでは
なく、クロストークが低減するメカニズムも異なってい
る。特開平1ー303494号では、前述のように、抵抗によ
る電圧降下により、パルス印加時の電極部分での電圧変
化がキャンセルされるためにクロストークが低減する。
すなわち、特開平1ー303494号の方法では、抵抗に並列
な容量がなくてもクロストークは低減する。容量が必要
なのは、幅が狭いパルスを「なまり」なく電極に伝える
ためである。 次に第12、13図を用いて、隣接する陰極間の容量Cmの
効果を述べる。第4図の放電管配置において、2本の放
電管の陰極同士を容量Cmで結合させ、先と同じ実験を行
なった結果が、第12図である。ただし、2本の放電管を
45cm離しておいて測定する。縦軸のΔVTは、V1=0Vとし
た時、すなわち放電管1からクロストークを受けないと
きに、放電2を維持するのに必要な電圧(最小放電維持
電圧)をVm0として、 ΔVm=Vm(τ)−Vm0 と定義される量である。Vm(τ)は、パルス位相をτず
らしたときの放電2の最小放電維持電圧である。○、
●、□、■は、それぞれCm=51、5、2、0pFのときの
結果である。d=45cmと放電管1、2を十分離している
ので、Cm=0pFではクロストークはない。しかし、Cmを
付加することにより、クロストークが発生するようにな
る。 第13図は、各CmでのΔVmの最大値をプロットしたもの
である。Cm<5pFではΔVmはCmにほぼ比例して増加して
おり、陰極間容量がクロストークに重要な役割をしてい
ることがわかる。Cm>5pFでは増加は頭打ちになってい
るが、これはCmが大きくなると、パルス電流に対するイ
ンピーダンスが低下するため、陰極インピーダンスが、
(330/2)kΩに減少するためである。 陰極間容量Cmによるクロストーク増大は、一方の放電
管での電位変化がCmを介して他方の陰極に伝わるためで
ある。したがって、パネルにおいても、陰極間の容量を
増やすことなく、陰極とアース間の容量を増やすことが
クロストーク対策として重要である。
【実施例】
以下、本発明の一実施例を第6図、第7図、第1図、
第8図を用いて説明する。第6図は本発明によるガス放
電表示パネル内の放電セルの断面図、第7図は基板上に
形成する電極等の配置を示した図、第1図は各電極のパ
ネル内配線パターンを示した図、第8図は各駆動回路の
出力波形を示した図である。 第6図を用いてパネルの構造を説明する。ソーダガラ
スやセラミック等の絶縁基板21とソーダガラス等の透光
性面板20との間に、放電空間を形成するためのスペーサ
22が挟み込んである。スペーサ22には、薄板ガラスを化
学エッチングしたものを積層して用いたり、感光性ガラ
スをエッチングして用いたりする。絶縁性基板21上に
は、陰極リード4、抵抗5、陰極接続端子11が厚膜印刷
法等によって形成されている。これらは陰極接続端子11
の一部を除いて誘電体層30により覆われている。誘電体
層30の上に陰極3を厚膜印刷法等で形成する。 第7図は、陰極リード4、抵抗5、陰極接続端子11、
陰極3の位置関係をパネル面板側から見た図である。従
来例として、特開平1−303494号に示したパネルのセル
構造を第15図に示した。陰極3と陰極リード4とを近接
させ、両者間の容量を形成しているが、この従来例では
陰極3と陰極リード4とを重ねてはいない。以下に示す
ように、本発明の実施例である第7図のように、陰極3
を一方の陰極リード4の方にずらして、陰極リード4と
の重なりを作ることにより、陰極3−陰極リード4間の
容量10を大きくでき、十分な効果を得ることが出来る。 第18図は、陰極3と陰極リード4との重なりと両者の
間の容量10との関係を測定した結果である。同図(a)
に示したように、幅15mmのリード104と100×90平方mmの
金属板103との間の容量Ck、および金属板103間の容量C
Tを測定した。これらは、それぞれ陰極リード4、陰極
3に対応し、約100倍の大きさである。リード104と金属
板103との間には厚さ1mmのガラス板が挟み込んである
(誘電体層30に対応)。第18図(B)からわかるよう
に、d=0すなわちリード104と金属板103とが重なり始
めてから、完全に重なるまで(d=15mm)、Ckは急激に
増加し、重なりがないときの2〜3倍に増加する。この
ように、陰極3−陰極リード4間の容量10を増やすため
には、両者を重なり合わせることが重要である。第8図
を見ると、金属板103間の容量CTも増加しているが、こ
れは金属板104がCkとリード105を介して間接的に容量結
合しているためであり、金属板104間の直接的容量Cmが
増加しているわけではない。実際、d<0でのCm値は、
Ck値の約半分、すなわちCkを直列接続した値になってい
る。 このように、隣接陰極3間の容量を増やさずに、陰極
3−陰極リード4間の容量を増やせるので、先に述べた
ように、クロストーク低減に効果的である。また、誘電
体層30として高誘電率の材料を用いたりして、この容量
10を適性な値にする。すなわち、容量10と抵抗5の値の
積CRが、(発光表示用のパルスの幅tw)/πより大き
く、アドレス用のパルスの幅twsより小さくなるように
する。先に述べたように、このようにすれば、パルス幅
twのパルス放電に対しては低インピーダンスになり、パ
ルス幅twsのアドレス放電に対しては高インピーダンス
のままである。 このように、陰極3−陰極リード4間の容量10は、パ
ターンの幾何学的配置で決まるので、パネル内各セルで
均一な値に形成できる。先に述べたように、表示に寄与
する短パルス放電の電流は、抵抗5よりも陰極3−陰極
リード4間の容量10で決まるので、本発明では均一な表
示が容易に得られるという利点もある。(抵抗5は、厚
膜印刷法等で形成するので、パネル内各セルで均一な値
にするのは難しい。) 第6図に戻り、透光性面板20には表示陽極1が厚膜印
刷法等で形成されている。補助放電空間7には補助陽極
2が設けられ、陰極3との間で補助放電を生起する。上
記補助陽極2は、スペーサ22上にNiペーストなどを印刷
・焼成したり、金属線を用いたりして形成する。 表示放電空間6の壁面には、蛍光体8を塗布する。表
示陽極1−陰極3間の放電が発生する紫外線により、蛍
光体8が発光する。例えば、1セル1色で、赤、緑、青
に発光する蛍光体を塗り分ければ、カラーテレビジョン
の画像表示が可能である。上記のように構成されたガス
放電表示パネルは、さらに各放電空間に外界とは気密に
Xe,Ar,He,Ne,Kr等の希ガスを1種または2種以上混合し
て封入した後完成する。 第1図は、パネル内電極配線および駆動回路の結線を
示したものである。陰極3は抵抗5および容量10を介し
て陰極リード4に接続され、陰極リード4は陰極駆動回
路43に結線されている。表示陽極1は陰極リード4と平
行に配線され、表示陽極駆動回路41に接続される。補助
陽極2は、表示陽極1および陰極リード4と直交方向に
配線され、補助陽極駆動回路42に接続される。 第8図を用いて、パネルの駆動方法を説明する。Va
1、Va2、Va3はそれぞれ第1、第2、第3表示陽極に印
加する電圧で、表示陽極駆動回路41で発生する。Vk1、V
k2、Vk3はそれぞれ第1、第2、第3陰極リードに印加
する電圧で、陰極駆動回路43で発生する。Vs1,Vs2,Vs3
はそれぞれ第1、第2、第3補助陽極に印加する電圧
で、補助陽極駆動回路42で発生する。以下の説明では、
第n陰極リードと第m補助陽極2の交点にあるセルを
(Kn,Sm)と呼ぶ。 時刻t<t1ではいずれのセルでも放電は点灯していな
い。時刻t1に第1陰極リード4に陰極パルス53を印加す
ると、第1陰極リード4に結線されているセルでは、補
助陽極2−陰極3間に補助放電が生起する。セル(K1,S
1),(K1,S3)では、この状態でスイッチングパルス52
が補助陽極2に印加されるため、補助放電が表示陽極1
−陰極3間に転移する。この際、特開昭61−238093号に
述べられているように、スイッチングパルス52の位相を
隣接する補助陽極毎にずらしておく。転移後の放電は表
示放電空間6に残留電荷を残すので、これら2つのセル
では、時刻t2以降に表示陽極1に印加される表示パネル
51により、持続的なパルス放電が表示陽極1−陰極3間
で生起する。このパルス放電は表示パルス51の印加が終
わるまで持続する。このパルス放電が発生する紫外線に
より蛍光体8が発光する。セル(K1,S2)では、t1<t
<t2に補助放電が生起したままなので、表示パルス51が
印加されてもパルス放電は生起せず、点灯しない。この
ように、抵抗5が接続していない方の電極に発光用パル
スを印加しているため、表示陽極1への印加電圧波形
は、第8図のように単純になっている。 時刻t2においては、第二陰極リード4上の放電セルの
点灯・不点灯が、同様にして選択される。したがって、
時刻t9において、点灯しているセルは、(K1,S1),(K
1,S3),(K2,S2),(K3,K2)の4セルである。なお、
表示パルス51の周期を4〜15μs程度にし、パルス幅を
0.06〜0.2μs程度に狭めると、パルス放電の紫外線発
光効果が増加し、そのため、パネルの発光効率が高ま
り、高輝度の画像を表示することができるようになる。 本方法でも放電クロストークは大幅に低減するが、さ
らに特開昭62−189496号、62−186441号に述べられてい
る方法でクロストークを防ごうとする場合には、第9図
に示したように、陰極リード4から陰極3への配線を振
り分け型にし、かつ、表示陽極1の各セルへの配線も第
9図と同じ振り分けパターンとする。さらに、第8図に
おいて、隣接する表示陽極に印加する表示パネル51の位
相をずらせばよい。こうすれば、パルス放電が生起する
タイミングが隣接するセルでずれるため、クロストーク
が回避できる。 第9図を見ると、右上のセルではそのセルが結線され
ている陰極リード4と陰極3との間に容量10が形成して
いるのに対し、左上のセルでは隣接陰極リードとの間に
容量が生成される。しかし、第8図からわかるように、
表示パルス51が印加される瞬間はいずれの陰極リード4
もアース電位になっているので、どの陰極リードとの間
に容量が形成されていても得られる効果は同じである。 次に、本発明の別の実施例を説明する。第10図はパネ
ルの構造である。ソーダガラスやセラミック等の絶縁基
板21とソーダガラス等の透光性面板20との間に、放電空
間を形成するための隔壁22が形成されている。隔壁22は
図では、面板20−基板21間全体に形成されているが、隔
壁22の高さを面板20−基板21間距離よりも低くしてもよ
い。このようにすると、隣接セルで生成した荷電粒子が
移動してくるので、放電開始電圧が低下し、パネル動作
が安定になる。隔壁22は、基板21または面板20上に厚膜
印刷等によりガラスを多層印刷・焼成して形成しても良
いし、あるいは薄板ガラスを化学エッチングしたものを
積層して形成してもよい。 絶縁性基板21上には、陰極リード4、抵抗5、陰極接
続端子11を厚膜印刷法等によって形成した後、誘電体層
30、陰極3を形成する。これらの方法、および各部分の
配置は先の実施例と同様である。30により覆われてい
る。誘電体層30の上に陰極3を厚膜印刷法等で形成す
る。このようにして、陰極3と陰極リード4とを容量的
に結合させる。本実施例においても、発光に寄与するパ
ルス電圧は、抵抗3、容量がない方の電極、すなわち表
示陽極1に印加される。 透光性面板20には、表示陽極1が厚膜印刷法などの方
法で形成されている。さらに面板20上には、蛍光体8を
印刷法や光リソグラフィで形成する。表示陽極1−陰極
3間の放電が発生する紫外線により、蛍光体8が発光す
る。例えば、1セル1色で、赤、緑、青に発光する蛍光
体を塗り分ければ、カラーテレビジョンの画像表示が可
能である。先の実施例同様隔壁22に蛍光体8を形成して
もよい。また、放電の発する可視発光を直接利用する場
合には、蛍光体8は不要である。 上記のように構成されたガス放電表示パネルは、さら
に各放電空間に外界とは気密にXe,Ar,He,Ne,Kr等の希ガ
スを1種または2種以上混合して封入した後完成する。 第11図は本発明による別の実施例を示したものであ
る。基板21の上に導電層12を形成し、その上を誘電体層
31で覆う。誘電体層31上に、先の実施例と同様、陰極リ
ード4、抵抗5、陰極接続端子11、誘電体層30、陰極3
を形成する。面板20、隔壁22などの構成は先の実施例と
同様である。導電層12はパネル全体で1枚またはパネル
内で分割してもよいが、その電位は、一定電圧、例えば
アース・レベルに保っておく。このようにすると、陰極
3(陰極接続端子11と等電位)との間に容量10が形成さ
れるため、先の実施例と同様、表示陽極1に印加するパ
ルスで維持される短パルス放電の、電圧低減効果および
セル間クロストーク低減効果が得られる。 次に、第16図、第17図を用いて、本発明による別の実
施例を説明する。先の実施例では、容量を形成するため
に、導電層12、誘電体層31、陰極3を立体的に積み重ね
て構成していたので、多層印刷等の技術が必要である。
本実施例は同様の効果を多層印刷を用いずに実現するも
のである。第16図は、パネル内放電セルの断面図であ
る。これは第15図の従来例とほぼ同じだが、陰極接続端
子11と陰極リード4との間に導電層12を形成した点が異
なる。第17図は、この導電層12のパターンを示したもの
である。櫛形パターンとすることにより、陰極3との容
量を増やしている。先の実施例と同様、パネル動作に際
しては、導電層12は一定電位に保っておく。 第14図は本発明による別の実施例を示したものであ
る。基本的なパネルの製作方法および駆動方法は、第6
図に示した実施例と同様であるが、本実施例では、陰極
3と陰極リード4との間に、他の部分よりも誘電率の高
い高誘電率層32を形成し、両者の容量結合を高めている
ことが特徴である。
【発明の効果】
以上述べてきたように、各セルの電極と電極リードと
の間に容量を形成することにより、狭いパルス幅での放
電の放電電圧を低減させ、さらに、セル間クロストーク
を低減・除去することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例のガス放電表示パネルの各電
極のパネル内配線パターンを示した図、第2図は基礎実
験に用いた放電セルの結線図、第3図は第2図の実験の
結果を示す図、第4図はセル間クロストークを示す放電
管実験の結線図、第5図は第4図の実験の結果を示す
図、第6図は本発明の一実施例のガス放電表示パネル内
の放電セルの断面図、第7図は前記実施例での基板上の
配置を示した図、第8図は各駆動回路の出力波形を示し
た図、第9図は別の実施例における基板上配置図、第10
図はさらに別の実施例における放電セルの断面図、第11
図はさらに別の実施例における放電セルの断面図、第12
図は放電管による基礎実験の結果を示した図、第13図は
放電管による基礎実験の結果を示した図、第14図はさら
に別の実施例における放電セルの断面図、第15図は従来
のパネルの断面図、第16図は本発明による別の実施例に
用いるパネルの放電セル断面図、第17図はその実施例に
おけるパネル中の導電層パターンを示す図、第18図は陰
極と陰極リードとの重なりと容量との間の関係を調べた
結果を示す図である。 符号の説明 1……表示陽極、2……補助陽極、3……陰極、4……
陰極リード、5……抵抗、6……表示放電空間、7……
補助放電空間、8……蛍光体、10……容量、11……陰極
接続端子、12……導電層、20……面板、21……基板、22
……スペーサ(隔壁)、30……誘電体層、31……誘電体
層、32……高誘電率層、41……表示陽極駆動回路、42…
…補助陽極駆動回路、43……陰極駆動回路、51……表示
パネル、52……スイッチングパルス、53……陰極パル
ス、104……金属板、105……リード。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 御子柴 茂生 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 安田 誠 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 鴻上 明彦 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 フランク・エル・カ−ゾン カナダ国 V6T 2A6 ブリティシ ュ コロンビア州 バンク−バ−市 ア グリカルチャ−ロ−ド 6224 ザ ユニ バ−シティ オブ ブリティシュ コロ ンビア デパ−トメント オブ フィジ ックス (72)発明者 成清 正 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−231394(JP,A) 実開 昭62−137493(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G09G 3/28 H01J 17/49

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放電セルをマトリクス状に配置し、該放電
    セル内の電極が抵抗を介して電極リードに接続されてい
    るガス放電表示パネルにおいて、該電極と該電極リード
    のパターンが、それぞれ基板上に投射すると互いに重な
    り合う部分を有し、該重なる部分の該電極と該電極リー
    ドの間に誘電体層を挟むようにして容量を形成し、該抵
    抗と該容量を並列接続することによって、隣接セル間の
    クロストークを低減したことを特徴とするガス放電表示
    パネル。
  2. 【請求項2】該誘電体層の誘電率を他の部分の誘電体層
    の誘電率よりも大きくしたことを特徴とする請求項1に
    記載のガス放電表示パネル。
  3. 【請求項3】放電セルをマトリクス状に配置し、該放電
    セル内の電極が抵抗を介して電極リードに接続されてい
    るガス放電表示パネルにおいて、該セル内に導電層を形
    成し、該電極と該導電層の間に誘電体層を形成して、該
    導電層を定電位に保持することによって該電極と該導電
    層とを容量的に結合し、隣接セル間のクロストークを低
    減したことを特徴とするガス放電表示パネル。
JP24707190A 1990-09-19 1990-09-19 ガス放電表示パネル Expired - Lifetime JP3061286B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24707190A JP3061286B2 (ja) 1990-09-19 1990-09-19 ガス放電表示パネル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24707190A JP3061286B2 (ja) 1990-09-19 1990-09-19 ガス放電表示パネル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04127193A JPH04127193A (ja) 1992-04-28
JP3061286B2 true JP3061286B2 (ja) 2000-07-10

Family

ID=17157998

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24707190A Expired - Lifetime JP3061286B2 (ja) 1990-09-19 1990-09-19 ガス放電表示パネル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3061286B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04127193A (ja) 1992-04-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5744909A (en) Discharge display apparatus with memory sheets and with a common display electrode
US6479932B1 (en) AC plasma display panel
US7133007B2 (en) Full color surface discharge type plasma display device
EP0545642A1 (en) Display discharge tubes
JP3384390B2 (ja) 交流駆動型プラズマ表示装置
KR101128671B1 (ko) 교류 구동형 플라즈마 표시장치 및 그 제조방법
US20070046210A1 (en) Electrode terminal structure and plasma display panel employing the same
JP2002203484A (ja) プラズマ表示装置
JP3438641B2 (ja) プラズマディスプレイパネル
JP3061286B2 (ja) ガス放電表示パネル
JPH08212933A (ja) 面放電型プラズマディスプレイパネル及びその駆動方法
JP2001195990A (ja) Ac型プラズマディスプレイ装置
JP3423742B2 (ja) 面放電型プラズマディスプレイパネル
JPS598940B2 (ja) 気体放電表示パネル
US7400092B2 (en) Plasma display having barrier ribs that each overlap the bus electrodes of different electrodes only in part
JP3460596B2 (ja) プラズマディスプレイパネル
JP2633348B2 (ja) プラズマ表示装置
JP3625620B2 (ja) プラズマディスプレイパネル
JPWO2006100775A1 (ja) カラー表示装置
KR100869412B1 (ko) 플라즈마 디스플레이 패널
KR19990075037A (ko) 플라즈마 표시패널의 구조와 그 구동방법
KR20010019211A (ko) 플라즈마 디스플레이 패널
JPH03101035A (ja) プラズマディスプレイパネル
JPS6212035A (ja) ガス放電表示装置
JP2003331731A (ja) プラズマディスプレイ装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080428

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090428

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090428

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100428

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 11

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110428

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110428

Year of fee payment: 11