JP3061185U - 組立式紙箱 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 偏平状態から一挙動で極めて容易に箱型に組
み立てることができ、丈夫で美麗な包装箱として使用す
ることができ、容易に解体して、偏平状に展開しうる構
造の組立式紙箱を提供する。 【構成】 長方形状の底部材の４辺にそれぞれ側面部材
を折線を介して一体に連接し、該側面部材のうち一対の
側面部材は該折線から内側に倒伏可能な内倒側面部材と
し、他一対の側面部材は該折線から外側に倒伏可能な外
倒側面部材とし、該内倒側面部材とその両側に隣接する
外倒側面部材をそれぞれ直角三角形状の連接部材により
折線を介して連接し、該外倒側面部材を外側に、該内倒
側面部材を内側に倒して偏平状に拡げた状態から、該外
倒側面部材を起立させると自動的に該内倒部材が起立
し、該外倒側面部材に折り曲げ自在に固着した係止部材
を回動して、該連接部材を該外倒側面部材と該係止部材
の間に挟持して係止することにより、箱型に組立てるよ
うにした組立式紙箱。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は外形が直方体状の組立式の包装用紙箱であって、使用前には偏平に折 畳んだ状態で運搬、保管し、使用時に一挙動で箱型に組み立てることができ、使 用後の偏平状への展開が容易な紙箱に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の商品等を包装する組立式紙箱としては、比較的厚い素材を用い、図１の 展開図に示すような形状に形成した段ボール等を折り曲げて、図２に示すように 箱本体を組み立てて用いる構造のものが広く用いられている。即ち図１の展開図 において、矩形状の底部材４の一対の長辺５にそれぞれ側面部材２７を折線２を 介して連接し、底部材４の一対の短辺７にそれぞれ妻面部材２８を折線２を介し て連接する。側面部材２７は底部材４の長辺５に連接する側面外壁２９と側面外 壁２９に折返し部１０を介して連接する側面内壁３０よりなり、側面内壁３０を 側面外壁２９の内側に折り返して箱本体３１の側面を二重に構成する。側面外壁 ２９及び側面内壁３０の両端にはそれぞれ折込片３２、３３を連接する。妻面部 材２８も側面部材２７と同様に妻面外壁３４と妻面外壁３４に折返し部３０を介 して連接する妻面内壁３５よりなり、妻面内壁３５を妻面外壁３４の内側に折り 返し、両者の間に前記折込片３２、３３を挟み込むことにより、箱本体３１全体 を直方体状に組み立てるようになっている。

【０００３】 更に妻面内壁３５の両側端縁の下部に浅い突起３６を設け、一方側面内壁３０ の両端と折込片３３の連接部下部に切込み３７を設け、突起３６を切込み３７に 嵌合することにより、折返し部３０で折り返した妻面内壁３５が折返し部３０の 弾性により起き上がることがなく、箱本体３１の形状を安定に保つようになって いる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】 上記従来の組立式紙箱の比較的厚い素材よりなる箱本体３１は、拡げた状態か らの組立てが一挙動でできず、商品の包装前に予め組み立てた状態で準備してお く必要がある。又従来の上記組立式紙箱の側面及び妻面がそれぞれ二重構造をな し、折り返した妻面外壁３４の突起３６を側面内壁３０の切込み３７に一旦嵌合 すると、箱本体３１の内側には全く手掛かりがなくなり、この組立式紙箱を使用 後、箱を解体して、全体を偏平な状態に戻そうとしても、紙箱を破壊しない限り 、殆ど不可能であった。特に丈夫な段ボールや板紙で箱本体を構成した場合には 簡単に箱本体を破壊することも困難となる。

【０００５】 そのため、これらの包装用紙箱をそのまま再使用するため、又は再生紙の原料 として再利用するために回収しようとしても嵩高くなり、その回収作業及び回収 物の保管、輸送が困難となる。

【０００６】 従って本願考案は偏平状態から一挙動で極めて容易に箱型に組み立てることが でき、丈夫で美麗な包装箱として使用することができ、容易に解体して、偏平状 に展開しうる構造の組立式紙箱を提供することを目的とする。

【０００７】 更に本箱考案の他の目的は一枚の段ボール等の素材を型抜き裁断し折線を入れ て、これを折り畳むことにより、極めて容易に製作することができる組立式紙箱 を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成すべく、本考案者は鋭意研究を重ねた結果、紙箱の底面の４辺 に接合した４つの側壁のうち、対向する２面の側壁を内側に畳み、他の対向する ２面の側壁を外側に倒すようにすると共に、内側に畳む側壁の両側と外側に倒す 側壁の内面を三角形状の連接部材で連接することにより、２組の側壁を同時に内 側と外側に一挙動で倒伏、起立させることができることを見出し、本考案を完成 するに到った。

【０００９】 即ち、本考案は長方形状又は正方形状の底部材の４辺にそれぞれ４面の側面部 材を折線を介して一体に連接し、該側面部材のうち互いに対向する一対の側面部 材は該折線から内側に倒伏可能な内倒側面部材とし、他の対向する一対の側面部 材は該折線から外側に倒伏可能な外倒側面部材とし、該一対の内倒側面部材の両 側の４つの側辺にそれぞれ直角三角形状の連接部材の斜辺を折線を介して連接し 、該連接部材の直角を挟む２辺の下側の辺をそれぞれ該外倒側面部材の内面の下 隅から斜め上に延びる折線に沿って屈折可能に連接し、該外倒側面部材の内面の 各上隅から斜め下に延びる折線に沿って屈折可能に略直角三各形状の係止部材の 斜辺を連接し、該外倒側面部材を外側に倒し、該内倒側面部材を内側に倒し全体 を偏平状に拡げた状態から、該外倒側面部材を起立させると自動的に該内倒側面 部材が起立すると共に、該係止部材を該内倒側面部材の内側に沿って回動させて 、該連接部材を該外倒側面部材と該係止部材の間に挟持して係止することにより 、箱型に組立てるようにした組立式紙箱を要旨とする。

【００１０】 更に他の本考案は一枚の厚紙、板紙、段ボール等の紙素材を、長方形状又は正 方形状の底部材とその４辺のうちの対向する２辺にそれぞれ折線を介して外倒側 面外壁を連接し、更に該外倒側面外壁の外側に折線を介して外倒側面内壁を連接 し、該底部材の他の対向する２辺にそれぞれ折線を介して内倒側面外壁を連接し 更にその外側に折線を介して内倒側面内壁を連接し、該外倒側面内壁の両側方端 部に斜めに折線を設けて折り曲げ自在に連接された三角形状の該係止部材とし、 一方該内倒側面外壁の両側方端部に折線を介して直角三角形状の該連接部材を折 り曲げ自在に連接し、更に該連接部材と該外倒側面外壁の間を繋ぐように、連接 部固定部材をその両側端を折線を介して連接した展開図の形状に裁断して形成し 、該外倒側面内壁を内側に折り返して該外倒側面外壁の内側に接着して該外倒側 面部材とし、該内倒側面内壁を内側に折り返して該内倒側面外壁に接着して該内 倒側面部材とし、該連接部固定部材を該外倒側面外壁と該外倒側面内壁の間に挟 持して固定した、上記組立式紙箱を要旨とする。

【００１１】

【考案の実施の形態】 次に本考案の内容を図面により詳細に説明する。図３は本考案の組立式紙箱の の一例の斜視図、図４は同組立式紙箱の一例の展開図、図５は本考案の組立式紙 箱の折り畳んだ状態の一例の平面図、図６は組立て中の一例の平面図、図７は組 立て中の一例の斜視図である。

【００１２】 図４の展開図は組立式紙箱１２の外側から見た展開図であり、この面から見 た山折線を実線で、谷折線を点線で示す。図４の展開図において、矩形状の底部 材４の一対の長辺５にそれぞれ外倒側面部材６を折線２を介して連接し、底部材 ４の一対の短辺７にそれぞれ内倒側面部材８を折線２を介して連接する。外倒側 面部材６は底部材４の長辺５に連接する外倒側面外壁９と外倒側面外壁９に折返 し部１０を介して連接する外倒側面内壁１１よりなり、外倒側面内壁１１を外倒 側面外壁９の内側に折り返して組立式紙箱１２の外倒側面部材６を二重に構成す る。内倒側面部材８も底部材４の短辺７に連接する内倒側面外壁１３と内倒側面 外壁１３に折返し部１０を介して連接する内倒側面内壁１４よりなり、内倒側面 内壁１４を内倒側面外壁１３の内側に折り返して組立式紙箱１２の内倒側面部材 ８を二重に構成する。

【００１３】 内倒側面部材８の内倒側面外壁１３の両側に折線１５を介し直角三角形状の連 接部材１６の斜辺を連接し、更にその連接部材１６と外倒側面外壁９の間の三角 形状の部分よりなる連接部固定部材１７を谷折線１８を介して連接し、展開図に おいて連接部固定部材１７と外倒側面外壁９とは折線１９により連接されている 。

【００１４】 外倒側面部材６の外倒側面内壁１１の両側の折返し部１０に接する部分から斜 めに谷折線２０を設け、内側に折り曲げ可能な略直角三角形のフラップ状の係止 部材２１を形成する。

【００１５】 図４の展開図に示すように厚紙、板紙、段ボール等を型抜き等により裁断し、 破線で示す糊代２２に糊を付け、先ず内倒側面内壁１４を折返し部１０の折線１ ５で内側に折り返して接着し、次いで外倒側面内壁１１を折返し部１０の折線１ ５で内側に折り返して接着する。そうすると連接部固定部材１７は折り返した外 倒側面内壁１１と外倒側面外壁９の間に挟持されて固定される。上記の折り曲げ と接着により、図５の組立式紙箱の折り畳んだ状態の平面図に示す偏平な状態と なる。

【００１６】 図５に示す偏平状態に折り畳んだ組立式紙箱１２を箱形に組み立てるには、対 向する一対の内倒側面部材８を同時に矢印Ａの方向に引起し起立させると、内倒 側面部材８の両端部と外倒側面部材６に固定された連接部固定部材１７の両方に 折線１５と谷折線１８により連接された連接部材１６により、外倒側面部材６が 矢印Ｂの方向に内側に引き寄せられて起立し、図６及び図７に示す中間状態を経 て、外倒側面部材６及び内倒側面部材８が起立した状態となる。ここで内側に折 れ曲がっている係止部材２１と外倒側面内壁１１を繋ぐ谷折線２０を拡げて係止 部材２１の先端を内倒側面内壁１４に摺動させ、組立式紙箱１２の内側の隅に納 める。これにより連接部材１６が外倒側面部材６と係止部Ｂ２１の間に挟持され 、連接部材１６が外倒側面部材６に密着した状態で保持される結果、外倒側面部 材６と内倒側面部材８を繋ぐ隅部に隙間が生じて拡がることなく、組み立てた組 立式紙箱１２の４隅が正確に保持される。

【００１７】 内倒側面内壁１４の両側先端部に図４の展開図に示すような細い切欠き部２３ を設けておくと、内倒側面部材８の内側の両側の隅に細い溝が形成され、その溝 の中に係止部材２１の先端部を嵌め込むことにより、係止部材２１が確実に固定 される。図５に示すように係止部材２１の両側の縁を僅かに斜めに切除して係止 部材２１の先端部の角度を直角より僅かに小さくしておくと、係止部材２１の先 端部が上記の切欠き部２３により形成される溝に嵌まり易く、一層確実に固定さ れる。これにより組立式紙箱１２は図３に示す完全な箱型に形成される。

【００１８】 本考案の組立式紙箱１２を使用後に偏平に展開するには、上記組立ての際と逆 に係止部材２１を切欠き部２３から離脱させ、外倒側面部Ｂ６を外側に倒せば、 自動的に内倒側面部材８は内側に倒れ図５に示す折り畳み状態となる。尚、半円 形の切欠き２４は、組立式紙箱１２を偏平に展開する際に、係止部材２１を切欠 き部２３から引き出すのに指を掛け易くしたものである。

【００１９】 本考案の組立式紙箱１２の僅かに寸法を違えたもの一組を、紙箱本体と紙箱の 被せ蓋として用いれば、被せ箱形の組立式紙箱とすることができる。

【００２０】 本考案の組立式紙箱１２の外側には必要に応じて、紙素材に予め美麗な印刷等 を施して装飾することができる。組立式紙箱１２の内側に図８ａに示す内張２５ を嵌め込むと、美麗な内装を施すことができる。更に図８ｂに示すような仕切板 ２６を嵌め込むと、図８ｃに示す如くワインや清酒等の瓶を２本、安全に収容し て、配送するための包装箱の本体として好ましく使用しうる。

【００２１】 上記説明では組立式紙箱１２の底部材４の長辺に連接する側壁を外倒側面部材 ６とし、短辺に連接する側壁を内倒側面部材８としたが、これを逆に長辺に連接 する側壁を内倒側面部材８とすることも可能である。

【００２２】 本考案の組立式紙箱は図４に示す展開図の形に裁断した段ボール等により、極 めて容易に組み立てることができるが、必ずしも図４に示す展開図の形状の紙素 材から組み立てる必要はない。少なくとも外倒側面部材６と内倒側面部材８の間 を山折線と谷折線を介して繋ぐ三角形状の連接部材１６を設け、且つ外倒側面部 材６の内面の隅に折り曲げ自在に連接された係止部材２１を設ければよい。

【００２３】 本考案の組立式紙箱１２は厚紙、板紙、段ボール等の紙材料の他、合成樹脂板 や合成樹脂の段ボール等により構成することができ、これらの素材により構成さ れたものも、本考案の組立式紙箱１２の範疇に包含される。

【００２４】

【考案の効果】

本考案の組立式紙箱によれば、これを被せ箱形の包装箱の箱本体と被せ蓋とし て使用することにより、包装箱全体を２枚の偏平状の部材に折り畳み、一挙動で 極めて簡単に組み立てることができ、組み立てた箱は堅固で、使用中箱の形状は 安定に保たれる。そして使用後は箱を極めて容易に解体し、全体を偏平に展開す ることができ、これを積み重ねて保管すれば嵩張らず、紙箱をそのまま再使用す るため、または再生紙の原料として回収する際に極めて好都合である。

【００２５】 本考案の組立式紙箱を進物用の包装用容器として使用すると、各家庭でその組 立式紙箱を簡単に展開して保管することができる。従って、従来この種の組立式 紙箱を展開して保管することができなかったため、保管の邪魔になり、殆どが廃 棄処分されていたが、これを回収して、資源として再利用することが容易となり 、資源の節約に極めて効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の組立式紙箱の展開図である。

【図２】従来の組立式紙箱の斜視図である。

【図３】本考案の組立式紙箱の一例の斜視図である。

【図４】本考案の組立式紙箱の一例の展開図である。

【図５】本考案の組立式紙箱の折り畳んだ状態の一例の
平面図である。

【図６】本考案の組立式紙箱の組立て中の一例の平面図
である。

【図７】本考案の組立式紙箱の組立て中の一例の斜視図
である。

【図８】本考案の組立式紙箱の任意の内装の一例の説明
図である。

【符号の説明】

１ 側壁 ２ 折線 ３ 被せ蓋 ４ 底部材 ５ 長辺 ６ 外倒側面部
材 ７ 短辺 ８ 内倒側面部
材 ９ 外倒側面外壁 １０ 折返し部 １１ 外倒側面内壁 １２ 組立式紙
箱 １３ 内倒側面外壁 １４ 内倒側面
内壁 １５ 折線 １６ 連接部材 １７ 連接部固定部材 １８ 谷折線 １９ 折線 ２０ 谷折線 ２１ 係止部材 ２２ 糊代 ２３ 切欠き部 ２４ 切欠き ２５ 内張 ２６ 仕切板 ２７ 側面部材 ２８ 妻面部材 ２９ 側面外壁 ３０ 側面内壁 ３１ 箱本体 ３２、３３ 折
込片 ３４ 妻面外壁 ３５ 妻面内壁 ３６ 突起 ３７ 切込み

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 長方形状又は正方形状の底部材の４辺に
   それぞれ４面の側面部材を折線を介して一体に連接し、
   該側面部材のうち互いに対向する一対の側面部材は該折
   線から内側に倒伏可能な内倒側面部材とし、他の対向す
   る一対の側面部材は該折線から外側に倒伏可能な外倒側
   面部材とし、該一対の内倒側面部材の両側の４つの側辺
   にそれぞれ直角三角形状の連接部材の斜辺を折線を介し
   て連接し、該連接部材の直角を挟む２辺の下側の辺をそ
   れぞれ該外倒側面部材の内面の下隅から斜め上に延びる
   折線に沿って屈折可能に連接し、該外倒側面部材の内面
   の各上隅から斜め下に延びる折線に沿って屈折可能に略
   直角三各形状の係止部材の斜辺を連接し、該外倒側面部
   材を外側に倒し、該内倒側面部材を内側に倒し全体を偏
   平状に拡げた状態から、該外倒側面部材を起立させると
   自動的に該内倒側面部材が起立すると共に、該係止部材
   を該内倒側面部材の内側に沿って回動させて、該連接部
   材を該外倒側面部材と該係止部材の間に挟持して係止す
   ることにより、箱型に組立てるようにした組立式紙箱。
2. 【請求項２】 該内倒側面部材の内面両側下隅に溝を設
   け、該係止部材の先端をこれに嵌合係止するようにした
   請求項１記載の組立式紙箱。
3. 【請求項３】 一枚の厚紙、板紙、段ボール等の紙素材
   を、長方形状又は正方形状の底部材とその４辺のうちの
   対向する２辺にそれぞれ折線を介して外倒側面外壁を連
   接し、更に該外倒側面外壁の外側に折線を介して外倒側
   面内壁を連接し、該底部材の他の対向する２辺にそれぞ
   れ折線を介して内倒側面外壁を連接し更にその外側に折
   線を介して内倒側面内壁を連接し、該外倒側面内壁の両
   側方端部に斜めに折線を設けて折り曲げ自在に連接され
   た三角形状の該係止部材とし、一方該内倒側面外壁の両
   側方端部に折線を介して直角三角形状の該連接部材を折
   り曲げ自在に連接し、更に該連接部材と該外倒側面外壁
   の間を繋ぐように、連接部固定部材をその両側端を折線
   を介して連接した展開図の形状に裁断して形成し、該外
   倒側面内壁を内側に折り返して該外倒側面外壁の内側に
   接着して該外倒側面部材とし、該内倒側面内壁を内側に
   折り返して該内倒側面外壁に接着して該内倒側面部材と
   し、該連接部固定部材を該外倒側面外壁と該外倒側面内
   壁の間に挟持して固定した、請求項１又は２記載の組立
   式紙箱。
4. 【請求項４】 該内倒側面内壁の両側方端部に細い切欠
   き部を設け該溝を形成した請求項３記載の組立式紙箱。