JP3061007B2 - スクロール形流体機械 - Google Patents

スクロール形流体機械

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JP3061007B2
JP3061007B2 JP9179327A JP17932797A JP3061007B2 JP 3061007 B2 JP3061007 B2 JP 3061007B2 JP 9179327 A JP9179327 A JP 9179327A JP 17932797 A JP17932797 A JP 17932797A JP 3061007 B2 JP3061007 B2 JP 3061007B2
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謙治 松葉
利彰 吉井
恵司 吉村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、駆動軸の偏心部に
遊嵌可能なバランスウェイト付スライドブッシュを用い
たスクロール形流体機械に関するものである。
【0002】
【従来の技術】バランスウェイト付スライドブッシュを
有するスクロール形流体機械は、たとえば特開平4−1
75486号公報に開示されている。以下、この公報に
開示されたスクロール形流体機械を従来例として説明す
る。なお、上記公報で開示された各部材の名称について
は、説明の便宜上、適宜修正してある。
【0003】図3は従来のスクロール形流体機械の構成
を部分的に示す概略断面図であり、図4は図3のA−A
線に沿う概略断面図である。
【0004】図3と図4とを参照して、スクロール形流
体機械の駆動源(図示せず)に連結されたクランク軸2
の上端部には、偏心部2aが設けられている。そしてこ
の偏心部2aに、バランスウェイト付スライドブッシュ
101が偏心部2aと隙間を持つように遊嵌されてい
る。
【0005】このスライドブッシュ101は、偏心部2
aに遊嵌可能な筒部101aと、偏心部2aの偏心方向
と逆側の筒部101a外周に取付けられたバランスウェ
イト101cとを有している。このスライドブッシュ1
01を介在してクランク軸の回転力は圧縮要素CFに伝
達可能である。
【0006】圧縮要素CFは、その姿勢を相対的に保っ
たまま公転可能な可動スクロール3と、ハウジングを介
してケーシングに固定された固定スクロール4とを有し
ている。可動スクロール3は、鏡板3aと、その鏡板3
aの前面に突出した渦巻状歯部3bと、鏡板3aの背面
に突出したボス部3cとを有している。ボス部3c内に
は、スライドブッシュ101が遊嵌された偏心部2aが
受入れられており、またこのボス部3cの内周面にはそ
のスライドブッシュ101を支持するための滑り軸受4
が取付けられている。また固定スクロール4は、鏡板4
aと、その鏡板4aの前面に突出しかつ可動スクロール
3の渦巻状歯部3bに噛み合う渦巻状歯部4bとを有し
ている。
【0007】このスクロール形流体機械では、スライド
ブッシュ101に設けられたバランスウェイト101c
は、可動スクロール3の公転旋回運動時にこの可動スク
ロール3に作用する遠心力と反対方向の遠心力を発生す
る。このバランスウェイト101cで発生する遠心力に
よって可動スクロール3の公転旋回運動による遠心力を
相殺することができる。したがって、渦巻状歯部3bと
4bとの接触圧力が過大となることを抑制でき、渦巻状
歯部3b、4bの破損を防止することが可能となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
スクロール形流体機械では、その運転中にスライドブッ
シュ101に各部からさまざまな力が作用する。また、
スライドブッシュ101に作用するこれらの力の作用点
は、スライドブッシュ101の軸方向(一点鎖線C2
2 )でずれている。たとえば、スライドブッシュ10
1が可動スクロール3から受ける力と偏心部2aから受
ける力との各作用点は軸方向でずれている。このため、
各力の作用点の位置ずれによってスライドブッシュ10
1にモーメントが生じる。そして、このモーメントの釣
り合いをとることができないためスライドブッシュ10
1が傾き、それにより滑り軸受4が片当たりを起こして
摩耗するという問題点があった。
【0009】それゆえ本発明の目的は、運転中にスライ
ドブッシュに作用する力の作用点が軸方向にずれている
場合でも、モーメントによって傾かないバランスウェイ
ト付スライドブッシュを用いたスクロール形流体機械を
提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のスクロ
ール形流体機械は、駆動源に連結され、かつ偏心部を有
する駆動軸と、偏心部に遊嵌可能なバランスウェイト付
スライドブッシュとを備えている。バランスウェイト付
スライドブッシュは、偏心部に遊嵌可能な筒状部分と、
筒状部分の一方端側の外周領域に選択的に設けられたバ
ランスウェイトと、筒状部分の一方端の外周領域であっ
て、バランスウェイトと反対側の外周領域に設けられた
鍔部とを有している。バランスウェイト付スライドブッ
シュを偏心部に遊嵌させた状態において、駆動軸はバラ
ンスウェイト付スライドブッシュの鍔部と当接可能な鍔
部を有している。
【0011】請求項1に記載のスクロール形流体機械
よれば、バランスウェイトと反対側に鍔部分が設けられ
ているため、この鍔部分によって駆動軸の鍔部分との当
接面においてバランスウェイト付スライドブッシュの重
力の反力を受けることができる。このため、バランスウ
ェイト付スライドブッシュにかかるモーメントの釣り合
いをとることができる。よって、このモーメントによっ
てバランスウェイト付スライドブッシュが傾くことは防
止される。したがって、片当りは生じず、これによる摩
耗や焼付きなどの軸受性能の低下は防止される。
【0012】また、バランスウェイト付スライドブッシ
ュが傾かないため、このバランスウェイト付スライドブ
ッシュの鍔部と駆動軸の鍔部との間から油が漏れること
を防止することができる。
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】請求項に係るスクロール形流体機械で
は、バランスウェイト付スライドブッシュの鍔部は、バ
ランスウェイト付スライドブッシュを転覆させようとす
る力の反力点がバランスウェイト付スライドブッシュの
鍔部と駆動軸の鍔部との当接面に作用するような形状を
有している。
【0017】請求項に係るスクロール形流体機械で
は、バランスウェイト付スライドブッシュの鍔部分が反
力を受けられる形状を有している。このため、バランス
ウェイト付スライドブッシュにかかるモーメントの釣り
合いをとることができる。よって、このモーメントによ
るバランスウェイト付スライドブッシュの傾きは防止さ
れるため片当りは生じず、これによる摩耗や焼付きなど
の軸受性能の低下が防止される。
【0018】またバランスウェイト付スライドブッシュ
の鍔部と駆動軸の鍔部との間から油が漏れることは防止
される。
【0019】請求項に係るスクロール形流体機械で
は、バランスウェイト付スライドブッシュの鍔部分の大
きさは、バランスウェイトの大きさを超えない。
【0020】請求項係るスクロール形流体機械で
は、バランスウェイトを設けることによる遠心力の相殺
も可能である。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図に基づいて説明する。
【0022】図1は、本発明の一実施の形態におけるス
クロール圧縮機の構成を概略的に示す断面図である。図
1を参照して、密閉容器13内には、主にモータMと圧
縮要素CFとが配設されている。
【0023】モータMは、密閉容器13の内壁に固定さ
れたステータ11と、このステータ11と所定の間隔を
もって対向するロータ12とを有している。このロータ
12には、クランク軸2が連結されている。このクラン
ク軸2の上端部には鍔部2bと、その鍔部2bの上方に
位置しかつクランク軸2に対して偏心した偏心部2aと
が設けられている。この偏心部2aには、バランスウェ
イト付スライドブッシュ1が遊嵌されている。
【0024】バランスウェイト付スライドブッシュ1
は、筒部1aと、鍔部1bと、バランスウェイト1cと
を有している。筒部1aは偏心部2aの外周面と隙間を
持って遊嵌されており、バランスウェイト1cは筒部1
aの下方端部の外周面であって偏心部2aの偏心方向と
逆方向に取付けられている。鍔部1bは、筒部1aの下
方端部の外周面であって少なくともバランスウェイト1
cの反対側に取付けられている。
【0025】このバランスウェイト付スライドブッシュ
1の鍔部1bとバランスウェイト1cとの下端面は、ク
ランク軸2の鍔部2bの上端面に当接可能である。な
お、このバランスウェイト付スライドブッシュ1の軸方
向の移動は、たとえば偏心部2aに取付けられたC型止
め輪によって規制される。
【0026】なお、クランク軸2は、上部ハウジング7
に設けられた転がり軸受8と、下部ハウジング9に設け
られた転がり軸受10とによって支持されている。
【0027】このクランク軸2の偏心部2aからバラン
スウェイト付スライドブッシュ1cを介在して回転力を
与えられるように圧縮要素CFが設けられている。
【0028】圧縮要素CFは、可動スクロール3と、固
定スクロール4とを有している。可動スクロール3は、
鏡板3aと、鏡板3aの前面に突出した渦巻状歯部3b
と、鏡板3aの背面に突出したボス部3cとを有してい
る。ボス部3c内には、偏心部2aとバランスウェイト
付スライドブッシュ1の筒部1aとが受入れられてい
る。また、この筒部1aの外周面と摺動部を構成する滑
り軸受5がボス部3cの内周面に取付けられている。こ
の可動スクロール3は、クランク軸2から回転力を受け
て、相対的にその姿勢を保ちながら公転するようにオル
ダム継手6によって支持されている。固定スクロール4
は、鏡板4aと、その鏡板4aから突出した渦巻状歯部
4bとを有している。この渦巻状歯部4bは、可動スク
ロール3の渦巻状歯部3bと互いに噛み合い、圧縮室を
構成する。この固定スクロール4は、上部ハウジング7
にたとえばボルトなどによって締結・固定されている。
【0029】なお、上部および下部ハウジング7、9
は、互いに密閉容器13に固定されている。また、密閉
容器13には、外部から内部へ冷媒ガスを吸入するため
の吸入管14と、内部から外部へ冷媒ガスを吐出するた
めの吐出管15とが設けられている。
【0030】次に、図1に示すスクロール圧縮機の動作
について説明する。図1を参照して、モータMに通電さ
れることにより、ロータ12が回転し、この回転力がク
ランク軸2の偏心部2aを介して可動スクロール3に与
えられる。可動スクロール3は、オルダム継手6によ
り、相対的にその姿勢を保ちながら公転運動する。
【0031】この可動スクロール3の公転により、可動
スクロール3および固定スクロール4の各渦巻状歯部3
b、4bによって構成された圧縮室が外周側から内周側
へと徐々に体積を減じながら移動する。これにより、吸
入管14によって密閉容器13内に導入され、かつ最外
周の圧縮室に達した冷媒ガスは、徐々に圧縮され、最内
周の圧縮室に至り、そこで吐出口4cから吐出される。
圧縮要素CFから吐出された冷媒ガスは吐出管15によ
って密閉容器13の外部へ吐出される。
【0032】この運転の際、油はケーシング13底部の
油溜まりから遠心力またはポンプによりクランク軸2内
の給油通路2c中を押上げられる。この油は、転がり軸
受10を潤滑するものと、転がり軸受8を潤滑するもの
と、さらに上方へ押上げられてクランク軸2の上端面に
達するものとに主に分岐される。クランク軸2の上端面
に達した油はスライドブッシュ1aと滑り軸受3との摺
動面を潤滑した後、下方に落ちて油溜まりに戻る。また
転がり軸受8および10を潤滑した油も、その後、下方
に落ちて油溜まりに戻る。
【0033】本実施の形態のスクロール圧縮機では、ス
ライドブッシュ1に鍔部1bを設けたことにより、この
鍔部1bでスライドブッシュ1の重力の反力を受けるこ
とができる。このため、スライドブッシュ1にかかるモ
ーメントの釣り合いをとることができ、スライドブッシ
ュ1はモーメントによって傾かない。以下、そのことに
ついて詳細に説明する。
【0034】図2は、スクロール形流体機械の運転中に
バランスウェイト付スライドブッシュにかかる力を示す
上面図(a)および断面図(b)である。
【0035】図2(a)、(b)を参照して、クランク
軸2の軸線C1 −C1 は図2(a)においてクランク軸
2の中心C1 であり、固定スクロールの中心C1 とな
る。また偏心部2aの軸線C2 −C2 は図2(a)にお
いて偏心部2aの中心C2 であり、可動スクロールの中
心C2 となる。
【0036】ここで、固定スクロールの中心C1 および
可動スクロールの中心C2 の2点を通る線をx軸とし、
このx軸に直交しかつ固定スクロールの中心C1 を通る
線をy軸とし、かつx軸およびy軸の双方に直交しかつ
固定スクロールの中心C1 を通る線をz軸とする。なお
このz軸はクランク軸2の軸線C1 −C1 に対応する。
【0037】本実施の形態におけるスクロール圧縮機の
運転中に、バランスウェイト付スライドブッシュ1に
は、以下に示すように、(a)偏心部2aから受ける力
と、(b)可動スクロール3から受ける力と、(c)バ
ランスウェイト付スライドブッシュ1の重力、遠心力お
よびそれらの反力とが作用する。
【0038】(a) 偏心部2aから受ける力 バランスウェイト付スライドブッシュ1が偏心部2aか
ら受ける力は点P2 に作用する。この点P2 は、偏心部
2aの直線部2a1 と筒部分1aの直線部1a 1 との当
接面(図2(a))であって、バランスウェイト付スラ
イドブッシュ1と偏心部2aとの当接高さの約半分の高
さ(座面からの高さはz3 :図2(b))に位置する。
【0039】またバランスウェイト付スライドブッシュ
1が偏心部2aから受ける力は、スクロール圧縮機の運
転中に可動スクロール3が受ける力の反力に等しい。
【0040】ここで、スクロール圧縮機運転中に可動ス
クロール3が受ける力は、可動スクロール3の中心C2
に作用し、主に半径方向ガス力Frと、接線方向ガス力
Ftと、遠心力m0 0 ω2 とからなる。半径方向ガス
力Frと接線方向ガス力Ftとは、圧縮要素CFによっ
て圧縮された圧縮室内の冷媒ガスによって生じる力であ
る。この半径方向ガス力Frは、可動スクロール3の偏
心方向を引き剥がそうとする力(つまり可動スクロール
3の中心C2 を固定スクロール4の中心C1 へ移動させ
ようとする力)であり、可動スクロール3の公転運動の
軌跡の半径方向に働く力である。また接線方向ガス力F
tは、可動スクロール3の公転運動の軌跡の接線方向に
働く力であり、可動スクロール3の回転を妨げようとす
る力である。また遠心力m0 0 ω2 は、可動スクロー
ル3の中心C2 から外周方向へ向かうように働く。
【0041】(b) 可動スクロール3から受ける力 バランスウェイト付スライドブッシュ1が可動スクロー
ル3から受ける力は、点P3 に作用する。この点P
3 は、可動スクロール3の中心C2 を挟んで給油用切欠
2a2 と対向する位置のバランスウェイト付スライドブ
ッシュ1aと滑り軸受4との摺動面(図2(a))であ
って、バランスウェイト付スライドブッシュ1と滑り軸
受4との摺動面高さの約半分の高さ(座面からの高さは
2 :図2(b))に位置する。
【0042】またバランスウェイト付スライドブッシュ
1が可動スクロール3から受ける力は、上述したスクロ
ール圧縮機の運転中に可動スクロール3が受ける力に等
しい。
【0043】(c) バランスウェイト付スライドブッ
シュ1の重力、遠心力およびそれらの反力 バランスウェイト付スライドブッシュ1の遠心力m1
1 ω2 と重力m1 gとは、バランスウェイト付スライド
ブッシュ1の重心P4 に作用する。ここで、バランスウ
ェイト付スライドブッシュ1の重心P4 は、バランスウ
ェイト1cが偏心部2aの偏心方向と逆方向に設けられ
ているため、xを平面(y=0)上に位置することとな
る。また、バランスウェイト付スライドブッシュ1の遠
心力m11 ω2 は偏心部2aとの当接面で受けられる
ことになるため、遠心力m1 1ω2 の反力は点P2
作用する。また、バランスウェイト付スライドブッシュ
1の重力m1 gはクランク軸2の鍔部2bとの当接面で
受けられることになるため、重力m1 gの反力はバラン
スウェイト付スライドブッシュ1の鍔部1bとクランク
軸2の鍔部2bとの当接面の点P0 に作用する。
【0044】なお、上記においてm0 は可動スクロール
の重量、r0 は可動スクロールの偏心量、m1 はバラン
スウェイト付スライドブッシュ1の重量、r1 はバラン
スウェイト付スライドブッシュ1の重心のx軸方向への
偏位量、ωは角速度、gは重力加速度である。
【0045】以上の(a)〜(c)の力が作用した状態
で、x軸方向に働く各力によって生ずるモーメントが釣
り合い、かつy軸方向に働く各力によって生ずるモーメ
ントが釣り合えば、バランスウェイト付スライドブッシ
ュ1は傾かない。そこで、バランスウェイト付スライド
ブッシュ1の重力の反力が作用する点P0 の座標を
(x,y,0)としてx軸方向およびy軸方向の各モー
メントの釣り合いの条件を以下に考察する。
【0046】(i) x軸方向のモーメントの釣り合い モーメントは作用点間の距離と各作用点に働く力との積
で表わされる。まず点P2 と点P3 とには、互いに逆方
向に遠心力m0 0 ω2 が作用しており、点P 2 と点P
3 とのz軸方向の距離は(z2 −z3 )である。このた
め、この点P2と点P3 とには図2(b)において時計
まわりに
【0047】
【数1】
【0048】のモーメントが生じる。また、点P2 と点
3 とには、互いに逆方向に半径方向ガス力Frが作用
しているため、この点P2 と点P3 とには図2(b)に
おいて反時計まわりに
【0049】
【数2】
【0050】のモーメントが生じる。さらに点P2 と点
4 とには、互いに逆方向に遠心力m1 1 ω2 が作用
しており、点P2 と点P4 とのz軸方向の距離は(z3
−z 1 )である。このため、この点P2 と点P4 とに
は、図2(b)において時計まわりに
【0051】
【数3】
【0052】のモーメントが生じる。さらに点P4 と点
0 とには、互いに逆方向に重力m 1 gが作用してお
り、点P4 と点P0 とのx軸方向の距離は(r1 +x)
である。このため、点P4 と点P0 とには図2(b)に
おいて反時計まわりに
【0053】
【数4】
【0054】のモーメントが生じる。上記の時計まわり
のモーメントの和と反時計まわりのモーメントの和とが
同じであれば、x軸方向におけるモーメントは釣り合
う。このことより、
【0055】
【数5】
【0056】の式が導かれる。ここで、バランスウェイ
トを用いた遠心力相殺形では、
【0057】
【数6】
【0058】となるように設計されるため、(1)式は
【0059】
【数7】
【0060】と変形することができる。 (ii) y軸方向のモーメントの釣り合い 上記(i)と同様にして考えると、点P2 と点P3 とに
は、互いに逆方向に接線方向ガス力Ftが作用している
ため、点P2 と点P3 とには
【0061】
【数8】
【0062】のモーメントが生じる。また点P4 と点P
0 とには、互いに逆方向に重力m1gが作用しており、
点P4 と点P0 とのy軸方向の距離はyであるため、
【0063】
【数9】
【0064】のモーメントが生じる。このm1 gyのモ
ーメントは上述のFt×(z2 −z 3 )のモーメントと
逆向きとなるため、このモーメントが同じであればy軸
方向におけるモーメントは釣り合う。このことより、
【0065】
【数10】
【0066】の式が導かれる。以上の(i)、(ii)
より、バランスウェイト付スライドブッシュ1の鍔部1
bが(2)式と(3)式とを満たす(x,y,0)の座
標を含むような形状に形成されれば、バランスウェイト
付スライドブッシュ1の重力の反力をクランク軸2の鍔
部2bより受けることができる。これにより、各力の作
用点が軸方向にずれていても、x軸およびy軸の各モー
メントの釣り合いをとることができるため、モーメント
によってバランスウェイト付スライドブッシュ1が傾く
ことはなくなる。
【0067】なお、図3および4に示した従来例のよう
に、バランスウェイト付スライドブッシュ101が鍔部
を有しない場合には、バランスウェイト付スライドブッ
シュ101の重力の反力を受けることができない。この
ため、x軸およびy軸の各モーメントの釣り合いをとる
ことができず、バランスウェイト付スライドブッシュ1
01は傾いてしまう。
【0068】なお、上記の実施の形態では、バランスウ
ェイト付スライドブッシュ1の鍔部1bは、少なくとも
バランスウェイト1cの反対側に設けられていればよい
としたが、上記の座標(x,y,0)を含むように形成
されるのであればバランスウェイト付スライドブッシュ
1が取付けられた以外の外周領域全周に設けられていて
もよい。
【0069】ただし、鍔部1bは、バランスウェイト1
cの大きさを超えない大きさに設定される必要がある。
これは、鍔部1bがバランスウェイト1cより大きくな
ってしまうと、バランスウェイト1cがバランスウェイ
トとしての役割を果たさなくなるからである。
【0070】また、上述した実施の形態では、スクロー
ル圧縮機について説明したが、本発明はスクロール圧縮
機に限られず、スクロール膨張機にも適用することがで
きる。
【0071】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味お
よび範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【0072】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、バラン
スウェイトと反対側に鍔部分が設けられているため、こ
の鍔部分によって駆動軸の鍔部分との当接面においてバ
ランスウェイト付スライドブッシュの重力の反力を受け
ることができる。このため、この重力の反力を受けるこ
とができないことによるバランスウェイト付スライドブ
ッシュの傾きは生じない。このため、バランスウェイト
付スライドブッシュが傾くことによる片当たりは生じ
ず、これによる摩耗や焼付きなどの軸受性能の低下を防
止される。
【0073】また、バランスウェイト付スライドブッシ
ュが傾かないため、このバランスウェイト付スライドブ
ッシュの鍔部と駆動軸の鍔部との間から油が漏れること
を防止することができる。
【0074】
【0075】
【0076】請求項に記載の発明によれば、バランス
ウェイト付スライドブッシュを転覆させようとする力の
反力点がバランスウェイト付スライドブッシュの鍔部と
駆動軸の鍔部との当接面に作用するため、バランスウェ
イト付スライドブッシュが転覆することは防止され、そ
れによる摩耗や焼付きなどの軸受性能の低下防止され
る。
【0077】またバランスウェイト付スライドブッシュ
の鍔部と駆動軸の鍔部との間から油が漏れることは防止
される。
【0078】請求項に記載の発明によれば、バランス
ウェイトを設けることによる遠心力の相殺も可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるスクロール圧縮
機の構成を概略的に示す断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態におけるスクロール圧縮
機のバランスウェイト付スライドブッシュにかかる力を
説明するための上面図(a)、断面図(b)である。
【図3】従来のバランスウェイト付スライドブッシュを
有するスクロール圧縮機の構成を概略的に示す断面図で
ある。
【図4】図3のA−A線に沿う概略断面図である。
【符号の説明】
1 バランスウェイト付スライドブッシュ 1a 筒部 1b 鍔部 1c バランスウェイト 2 クランク軸 2a 偏心部 2b 鍔部 3 可動スクロール 5 滑り軸受部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉村 恵司 大阪府堺市築港新町3丁12番地 ダイキ ン工業株式会社 堺製作所臨海工場内 (72)発明者 上川 隆司 大阪府堺市築港新町3丁12番地 ダイキ ン工業株式会社 堺製作所臨海工場内 (56)参考文献 特開 平5−288168(JP,A) 特開 平7−317666(JP,A) 特開 平4−175486(JP,A) 実開 平4−47105(JP,U) 実開 平4−127801(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04C 18/02 311

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】動源に連結され、かつ偏心部(2a)
    を有する駆動軸(2)と、 前記 偏心部(2a)に遊嵌可能なバランスウェイト付ス
    ライドブッシュ(1)とを備え前記バランスウェイト付スライドブッシュ(1)は、 前記偏心部(2a)に遊嵌可能な筒状部分(1a)と、 前記筒状部分(1a)の一方端側の外周領域に選択的に
    設けられたバランスウェイト(1c)と、 前記筒状部分(1a)の前記一方端の外周領域であっ
    て、前記バランスウェイト(1c)と反対側の外周領域
    に設けられた鍔部(1b)とを有し、 前記バランスウェイト付スライドブッシュ(1)を前記
    偏心部(2a)に遊嵌させた状態において、前記駆動軸
    (2)は前記バランスウェイト付スライドブッシュ
    (1)の前記鍔部(1b)と当接可能な鍔部(2b)を
    有する 、スクロール形流体機械。
  2. 【請求項2】 前記バランスウェイト付スライドブッシ
    ュ(1)の前記鍔部(1b)は、前記バランスウェイト
    付スライドブッシュ(1)を転覆させようとする力の反
    力点が前記バランスウェイト付スライドブッシュ(1)
    の鍔部(1b)と前記駆動軸(2)の前記鍔部(2b)
    との当接面に作用するような形状を有している、請求項
    1に記載のスクロール形流体機械。
  3. 【請求項3】 前記バランスウェイト付スライドブッシ
    ュ(1)の前記鍔部(1b)の大きさは、前記バランス
    ウェイト(1c)の大きさを超えない、請求項1に記載
    のスクロール形流体機械。
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