JP3060950B2 - マイクロ波を利用した装置 - Google Patents

マイクロ波を利用した装置

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JP3060950B2
JP3060950B2 JP8146975A JP14697596A JP3060950B2 JP 3060950 B2 JP3060950 B2 JP 3060950B2 JP 8146975 A JP8146975 A JP 8146975A JP 14697596 A JP14697596 A JP 14697596A JP 3060950 B2 JP3060950 B2 JP 3060950B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマイクロ波を伝送お
よび放射する環状導波管を備えたマイクロ波を利用した
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の装置としては、特開平7
−161469号公報に記載されているものがある。こ
の装置は図9に示されているように、環状導波管1は導
波管のH面略中心部で周方向に沿って分離されており、
固定環状部1aと回動可能な可動環状部1bとで構成さ
れている。可動環状部1bにはマイクロ波放射部2、3
が配設されている。これらマイクロ波放射部2、3は導
波管4、5を介して環状導波管の内側に存在する導波管
E面(可動環状部の一構成部)の開孔6(もう一方は切
り欠き図のため図示されていない)にて環状導波管1と
接続されている。また、これら二つの開孔6(一方は図
示していない)は環状導波管1の回転軸の対称位置に環
状導波管内のマイクロ波伝搬波長λgの4分の1の波長
に相当する長さの距離だけ離して配設されている。可動
環状部1bを回転させることによりマイクロ波放射部
2、3の位置を選択制御できるようになっている。これ
らマイクロ波放射部の位置は被加熱物に対応して選択さ
れる。
【0003】なお、環状導波管1の外側に存在する固定
導波管1aには導波管7が接続されており、マイクロ波
発生手段が発生したマイクロ波を環状導波管1内に伝送
させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の装置では、環状導波管の大きさに比べて被加熱物の大
きさが比肩するような大きさの物を加熱する場合は、た
とえ複数の位置に配設したマイクロ波放射部を可動制御
しても、それぞれのマイクロ波放射部から放射されるマ
イクロ波エネルギー量を最適に制御することが困難であ
るために、被加熱物を均一に効率よく加熱することが困
難であるという課題を有していた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、環状導波管を構成する内板にはそれぞれの
マイクロ波放射部から放射されるマイクロ波の位相また
は放射量を規定した複数のマイクロ波放射部を設け、規
定したマイクロ波放射分布でもってマイクロ波を放射さ
せるものである。
【0006】上記発明によれば、環状導波管近辺のマイ
クロ波放射分布を被加熱物の影響を受けることなく規定
でき、この放射分布に基づき被加熱物の加熱状態が容易
に判別できるとともにその加熱制御を安定に行うことが
できる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、略同心状に設けた外板
と内板とを導波管の対向壁面として構成した環状導波管
と、前記環状導波管にマイクロ波を供給するマイクロ波
供給部と、前記内板に設けそれぞれの放射部から放射さ
れるマイクロ波の位相または放射量を規定した複数のマ
イクロ波放射部とを有するものである。
【0008】そして、環状導波管の複数のマイクロ波放
射部から放射されるマイクロ波放射分布を規定したこと
により、この規定したマイクロ波放射分布に基づいて被
加熱物の加熱状態を容易に判別できさらには加熱制御を
容易に行うことができる。
【0009】さらに、外板と内板とを連結し環状導波管
を構成する側面板にそれぞれの放射部から放射されるマ
イクロ波の位相または放射量を規定した複数のマイクロ
波放射部を設けたものである。
【0010】そして、側面板からの規定したマイクロ波
放射分布は内板に設けた放射部から規定されるマイクロ
波放射分布をさらに強く規定したり、あるいは内板の放
射部から規定されるマイクロ波放射分布とは異なるマイ
クロ波放射分布の規定をすることで二つの異なるマイク
ロ波放射分布を形成させることができる。
【0011】また、側面板に設けたマイクロ波放射部
は、少なくとも一対の放射部を略180度の円周角度差
にて配設したものである。
【0012】これにより、環状導波管の外板とほぼ同程
度の大きさを占有する空間に対して側面板の放射部によ
って形成されるマイクロ波放射分布を規定することがで
きる。
【0013】また、円筒状の外板と、前記外板と略同心
状に設けた内板と、前記外板と内板とを導波管の対向壁
面として構成した環状導波管と、前記環状導波管の内板
に設けそれぞれの放射部から放射されるマイクロ波の位
相または放射量を規定した複数のマイクロ波放射部と、
前記環状導波管にマイクロ波を供給するマイクロ波供給
部と、前記マイクロ波放射部から放射されるマイクロ波
を実質的に閉じ込める加熱空間と、前記加熱空間内に配
設し前記内板の内側において回転可動するとともに被加
熱物を収納する回転収納部とを有するものである。
【0014】そして、加熱空間内に生じる環状導波管の
構成により規定されたマイクロ波放射分布をもつマイク
ロ波に対して、被加熱物が回動することにより、被加熱
物の全体を万遍なく均一に加熱することができる。
【0015】また、円筒状の外板と、前記外板と略同心
状に設けた内板と、前記外板と内板とを導波管の対向壁
面として構成した環状導波管と、前記環状導波管の内板
に設けそれぞれの放射部から放射されるマイクロ波の位
相または放射量を規定した複数のマイクロ波放射部と、
前記環状導波管にマイクロ波を供給するマイクロ波供給
部と、前記マイクロ波放射部から放射されるマイクロ波
を実質的に閉じ込める加熱空間と、前記加熱空間内に配
設し気体に含まれる粒子状物質を捕集する捕集手段とを
有するものである。
【0016】そして、環状導波管の構成により規定され
たマイクロ波放射分布でもつマイクロ波が捕集手段に放
射される。捕集手段内のマイクロ波は、捕集手段に捕集
された粒子状物質の誘電特性に基づいてマイクロ波吸収
が行われ、粒子状物質を選択的にかつ広範囲に加熱する
ことができる。
【0017】また、内板に設けたマイクロ波放射部は、
少なくとも一対の略対向配設した放射部を有している。
【0018】これにより、環状導波管の内板内全域に対
して所望のマイクロ波放射分布の形成を可能にできる。
【0019】さらに、一対の略対向配設の放射部から放
射されるマイクロ波の位相を同相としている。
【0020】これにより、環状導波管の中心軸近辺のマ
イクロ波電磁場強度を強くするマイクロ波放射分布の形
成を可能にできる。
【0021】さらにまた、一対の略対向配設の放射部か
ら放射されるマイクロ波の位相を逆相としている。
【0022】これにより、加熱空間内の周辺部のマイク
ロ波電磁場強度を強くするマイクロ波放射分布の形成を
可能にできる。
【0023】また、略同心状に設けた外板と内板とを導
波管のH面とする環状導波管と、前記環状導波管にマイ
クロ波を供給するマイクロ波供給部と、前記内板におい
て、放射されるマイクロ波の位相が実質的に同相または
逆相でありかつ略対向する位置に設けた一対のマイクロ
波放射部と、前記マイクロ波放射部から放射されるマイ
クロ波を実質的に閉じ込める加熱空間と、前記加熱空間
に収納し排気ガスに含まれるパティキュレートを捕集す
る捕集手段とを有するものである。
【0024】そして、排気ガスの通流に対してその通流
路の周辺に環状導波管を配設、すなわち環状導波管の内
板の内側を排気ガスが貫通通流する構成を採ることを可
能にできる。また、排気ガスの通流路に設けた捕集手段
に規定のマイクロ波放射分布をもったマイクロ波を放射
する構成を可能にできる。
【0025】また、加熱空間に生じる電磁波励振モード
の高次モード抑制に対して、内板の内径寸法を規定した
ものである。
【0026】そして、内板の内径寸法を所望の抑制した
い高次放射モードの発生を抑止する寸法以下に構成する
という簡便な構成方法により、所望の高次モードの抑制
を可能にできる。
【0027】また、外板と内板とを導波管の対向するH
面とするリッジ型の環状導波管と、前記環状導波管の内
板に設けたスリット状の開孔部と、前記環状導波管にマ
イクロ波を供給するマイクロ波供給部と、前記内板の内
側を貫通する方向に気体を通流させる気体通流部と、前
記内板の内部に配し前記気体を内板方向に配流する気体
通流ガイドとを有するものである。
【0028】そして、気体通流ガイドによって内板方向
に配流された気体に含まれる質量の大きな物質を内板の
スリット状の開孔部からリッジ型導波管内に流入させる
ことができる。また、リッジ型導波管内に流入蓄積され
る質量の大きな物質はリッジ型導波管内の高電界によ
り、加熱燃焼させることができる。
【0029】また、内板に設けたスリット状の開孔部を
含む環状導波管内に気体に含まれる粒子状物質を捕集す
る捕集手段を設けたものである。
【0030】これにより、リッジ型導波管内に流入する
質量の大きな物質を特定の場所に堆積でき、高電界によ
って効率的に加熱できる。
【0031】また、捕集手段は、多孔質のセラミックス
またはセラミックス繊維でもって構成したものである。
【0032】これにより、リッジ導波管内に流入する物
質をセラミックスの内部またはセラミックス繊維の間に
より多く堆積させることができる。
【0033】また、マイクロ波供給部は、環状導波管の
外板に連結した矩形導波管にて構成したものである。
【0034】これにより、各マイクロ波放射部から放射
されるマイクロ波の位相を容易に選択構成することがで
きる。特に対向配設の一対のマイクロ波放射部から放射
するマイクロ波の位相の逆相構成を環状導波管の内板あ
るいは外板の寸法に独立して安定に形成することができ
る。
【0035】また、マイクロ波供給部は、マイクロ波発
生手段を環状導波管の外板に直接的に配設したものであ
る。
【0036】これにより、一対の対向配設したマイクロ
波放射部から放射されるマイクロ波の位相の同相構成を
環状導波管の内板あるいは外板の寸法に独立して安定に
形成することができる。
【0037】また、マイクロ波供給部は、環状導波管の
外板に連結した同軸導波管変換器にて構成したものであ
る。
【0038】これにより、環状導波管に供給するマイク
ロ波を発生するマイクロ波発生部の装置における配設位
置を自由に設計することができる。
【0039】以下、本発明の実施例について図面を参照
して説明する。 (実施例1)図1は、本発明の第1実施例を示す図であ
る。図1において、環状導波管10は略同心状に設けた
外板11と内板12とを導波管の対向するH面として構
成している。外板11には、矩形導波管13を接続し、
この矩形導波管13の他端にはマイクロ波を発生するマ
イクロ波発生手段14(たとえば、マグネトロン)を接
続している。外板11と内板12とは、環状導波管10
のE面を構成する部材としての側面板15、16とで電
気的かつ機械的に接続している。
【0040】内板12にはマイクロ波放射部17、18
を配設している。これらのマイクロ波放射部17、18
は、内板12を所定寸法に切り抜いた構成や内板を二つ
の部材12a、12bにて構成しマイクロ波放射部1
7、18に相当する所定の開孔寸法を形成する構成にて
組み立てている。
【0041】開孔寸法は、環状導波管10内のマイクロ
波の伝搬方向の寸法を15mm程度以上としている。この
構成により、環状導波管内を伝搬したマイクロ波のほと
んどがマイクロ波放射部を構成する開孔より放射され
る。
【0042】なお、図1は、内板に配設したマイクロ波
放射部が2つの場合を示しているが、放射部の数はさら
に増加させてもよい。この場合、後続のマイクロ波放射
部から所定量のマイクロ波放射を可能にするために、マ
イクロ波伝搬方向の前側に存在するマイクロ波放射部の
開孔寸法を10mm程度以下の適当な寸法に選定してその
マイクロ波放射部から放射されるマイクロ波と後続のマ
イクロ波放射部側に伝送させるマイクロ波とを形成させ
ることができる。
【0043】また、これらのマイクロ波放射部17、1
8は、環状導波管10において略対向配設している。L
1、L2はそれぞれ、外板11に接続した矩形導波管1
3のE面略中央と環状導波管10の中心軸とを結ぶ線L
を基点として、環状導波管10のE面略中央部を通って
各マイクロ波放射部の略中央部に至る周方向の長さであ
る。L1とL2とは略同一長さにするか異なる長さにす
るかが選択できる。矩形導波管13を伝送してきたマイ
クロ波は環状導波管10の外板への接続部において環状
導波管10内を時計回りする波と反時計回りする波に分
配される。これら2つのマイクロ波は、エネルギー的に
は2分配され、位相的には逆相になる。
【0044】L1とL2とを同一の長さに選択した場
合、それぞれのマイクロ波放射部17、18から環状導
波管10の外に放射されるマイクロ波はエネルギー的に
は同一であり、位相的には逆相のマイクロ波となる。一
方、L1とL2との長さの差を環状導波管10内を伝搬
するマイクロ波の波長の略2分の1の波長に相当する長
さに選択するように環状導波管の各構成寸法を決定する
ことができる。この場合、マイクロ波放射部17、18
から環状導波管10の外に放射されるマイクロ波はエネ
ルギー的には同一であり、位相的には同相のマイクロ波
とすることができる。
【0045】円筒共振器内に生じるマイクロ波分布モー
ドについては、例えば、マイクロ波およびミリ波回路;
丸善、に詳しく記述されているのでここでの詳細な説明
は省略する。上記した本発明の構成によれば、マイクロ
波放射部17、18から放射されるマイクロ波が逆相の
場合にはマイクロ波分布モードとして、TE<01P
>、TE<21P>、TE<41P>などを得ることが
できる。一方、放射されるマイクロ波を同相に構成した
場合には、TE<11P>、TE<31P>、TE<1
2P>などのマイクロ波分布モードを得ることができ
る。なお、各モードの添字は<>内で記している。添字
Pは円筒共振器の円筒軸方向の定在波の山の数であり、
自然数である。
【0046】上記した構成により、逆相のマイクロ波放
射分布を得ることに対して、環状導波管の構成寸法を自
由に選択することができる。また、環状導波管近辺に生
じる温度変化、汚染などの環境影響に対して環状導波管
からマイクロ波発生手段を遠ざけた構成により、マイク
ロ波発生手段の性能を保証する場所にマイクロ波発生手
段を配設することができる。
【0047】(実施例2)図2は本発明の第2実施例を
示す図である。図2において図1と同一部材または同一
機能部材は同一符号で示す。以下各図においても前出の
図を参照して同様に記述する。
【0048】図2において、図1と異なる構成は、環状
導波管10の外板11にマイクロ波発生手段14を直接
接続した点である。この構成において、マイクロ波発生
手段14から発生されたマイクロ波は環状導波管10内
を同相でもってそれぞれ時計方向および反時計方向に伝
搬する。
【0049】図2は、マイクロ波発生手段14を基点と
し環状導波管10内のE面略中央部を通りそれぞれマイ
クロ波放射部17、18に至る長さを略同一寸法に構成
した場合を示している。この場合、それぞれのマイクロ
波放射部17、18から放射されるマイクロ波はエネル
ギー的には同一であり、位相は同相である。従って、図
2に示すような構成においては、TE<11P>、TE
<31P>、TE<12P>などのマイクロ波放射分布
を得ることができる。
【0050】上記構成は、同相のマイクロ波放射分布を
得ることに対して、環状導波管の形状を自由に設計でき
る利点を有させることができる。また、マイクロ波発生
手段を直接環状導波管に接続した構成により、マイクロ
波を利用した装置全体をコンパクトに構成することがで
きる。
【0051】(実施例3)図3は本発明の第3実施例を
示す図である。図3において、前出の実施例構成と異な
る点は、環状導波管10の外板11に接続した同軸導波
管変換機能を有する矩形の同軸導波管変換器19と、マ
イクロ波発生手段14が接続された同軸導波管変換機能
を有する矩形導波管20と、この矩形導波管20と同軸
導波管変換器19との間を接続してマイクロ波を伝送さ
せる同軸ケーブル21とを備えた構成である。
【0052】この構成において、同軸導波管変換器19
から伝送されたマイクロ波は環状導波管10内では逆相
のマイクロ波に分配されてそれぞれ時計方向および反時
計方向に伝搬し、内板に設けたマイクロ波放射部17、
18より放射される。このマイクロ波放射部より放射す
るマイクロ波はマイクロ波放射部の配設位置を選択する
ことで同相または逆相の選択ができる。
【0053】上記した構成において、マイクロ波発生手
段14と環状導波管10との間を同軸伝送構成にしたこ
とにより、マイクロ波発生手段の配設位置をマイクロ波
を利用した装置において自由に選択できる。
【0054】(実施例4)図4は本発明の第4実施例を
示す図である。図4において、前出の実施例構成と異な
る点は外板11と内板12とを機械的かつ電気的に接続
する側面板15にスリット状の開孔22、23からなる
マイクロ波放射部を配設した構成である。
【0055】上記の構成において、側面板15に設けた
スリット状の開孔からなるマイクロ波放射部22、23
は、それぞれのスリットの長手方向略中央部の間の円周
角度を環状導波管の周方向において略180度の円周角
度差にて配設している。
【0056】図4に示した構成においては、内板に配設
したマイクロ波放射部17、18からも規定したマイク
ロ波の放射量を得るために、マイクロ波伝搬方向におい
て側面板に配設したマイクロ波放射部より後続の位置に
内板に配設したマイクロ波放射部が存在する時、すなわ
ち図4においては内板に配設したマイクロ波放射部18
と側面板に配設したマイクロ波放射部23との関係の場
合、側面板に配設したマイクロ波放射部23を形成する
スリットのマイクロ波伝搬方向における長さを短くして
このマイクロ波放射部23から放射されるマイクロ波の
量を少なくしている。
【0057】一方、マイクロ波伝搬方向において、側面
板に配設したマイクロ波放射部が内板に配設したマイク
ロ波放射部より後続の関係にある場合、すなわち図4に
おいては内板に配設したマイクロ波放射部17と側面板
に配設したマイクロ波放射部22との関係の場合、内板
に配設したマイクロ波放射部17のマイクロ波伝搬方向
における開孔寸法を小さくしてマイクロ波放射部17か
ら放射されるマイクロ波の量を少なくするとともに後続
の側面板に配設したマイクロ波放射部22を形成するス
リットのマイクロ波伝搬方向における長さを長くし、伝
搬してきたマイクロ波のほとんどを放射させている。
【0058】また、内板に配設したマイクロ波放射部と
側面板に配設したマイクロ波放射部との間の環状導波管
内でのマイクロ波伝搬における長さ(L3、L4)は、
環状導波管内を伝搬するマイクロ波の波長をλgとする
と、(式1)で得られる寸法から選択できる。
【0059】(式1) L3、L4=(1/4+n)×λg;n=0、1、2、… 上記した構成により、内板に配設したマイクロ波放射部
から放射されるマイクロ波の位相と側面板に配設したマ
イクロ波放射部から放射されるマイクロ波の位相との間
に90度の位相差を形成している。
【0060】この構成により、内板に設けたマイクロ波
放射部から放射されるマイクロ波放射分布に対して、側
面板から放射されるマイクロ波放射分布を重畳させるこ
とができる。この構成により、たとえば内板のマイクロ
波放射部によって形成させるマイクロ波放射分布を側面
板のマイクロ波放射部から放射するマイクロ波によって
より強固に分布形成をさせることができる。
【0061】なお、内板に配設したマイクロ波放射部か
ら規定されるマイクロ波放射分布と側面板に配設したマ
イクロ波放射部から規定されるマイクロ波放射分布とを
異ならしめることもできる。
【0062】(実施例5)図5は本発明の第5実施例を
示す図である。図5の前出の構成と異なる点は、環状導
波管をリッジ型の導波管24にて構成したことである。
【0063】リッジ型環状導波管24は、導波管のH面
である外板25の略中央部の周方向に凹部26を形成し
て構成している。また、内板27はその略中央部の周方
向にスリット28を形成している。外板25に接続した
一端にマイクロ波発生手段14が配設接続された矩形導
波管29は、外板25に形成した凹部26に機械的に連
続的して接続される凹部30を矩形導波管29の対向す
るH面のそれぞれに形成している。なお、矩形導波管2
9に形成した凹部30は凹部を有さない矩形導波管部か
らのマイクロ波伝搬を良好にさせるために凹部の一端に
テーパ31を形成している。また、図示していないが、
矩形導波管29が接続された位置の近くではスリットを
内板に設けない構成とすることでスリット付き内板の部
品構成を1部品として組み立て性を高くできる。
【0064】上記構成により、内板に設けたスリット近
傍での環状導波管内のマイクロ波電磁界強度を強くでき
る。この強電磁界強度を利用した装置の応用については
後述する。
【0065】(実施例6)図6は、本発明の第6実施例
を示す図である。図6において、32は円筒状の外板、
33、34は外板32と略同心状に配設した内板、3
5、36は外板32と内板33、34とを機械的かつ電
気的に接続し導波管のE面を形成する側面板であり、こ
れらの外板と内板と側面板とで環状導波管37を形成し
ている。環状導波管37のH面を形成する外板の所定位
置には一端にマイクロ波発生手段38を接続配設した矩
形導波管39を接続組み立てしている。40、41は環
状導波管37の内側のH面に形成したマイクロ波放射部
である。このマイクロ波放射部40、41は前述した設
計上の選択肢の中から所望の構成を選択できる。図6に
おいては略対向配設したマイクロ波放射部40、41か
ら放射されるマイクロ波の位相として逆相を選択した実
施例を示している。従って、得ることが可能なマイクロ
波放射分布はTE<01P>、TE<21P>、TE<
41P>などである。
【0066】また、円筒状の外板の一端は機械的かつ電
気的に閉塞され、他端にはマイクロ波を利用した装置の
前面開閉扉を兼用する開閉可能な部材(図示していな
い)により機械的かつ電気的に閉塞される構成としてい
る。マイクロ波放射部40、41から放射されたマイク
ロ波は円筒状の外板32(加熱空間)の内部に実質的に
閉じ込められる。
【0067】このマイクロ波を実質的に閉じ込める加熱
空間内には被加熱物を収納する円筒状の収納部42を配
設している。この収納部42は、少なくとも環状導波管
37が配設された空間部においては環状導波管37の内
板の内側に配設される略円筒状または略球状の側面を有
する。また、この収納部42は環状導波管の中心軸を回
転の中心として回転する。収納部42の円筒状または球
状の側面は低誘電損失の材料で構成している。また、収
納部42が円筒状の場合、円筒の一端は閉塞され、回転
軸43が接続され、円筒の他端には着脱自在でかつ被加
熱物の収納部42内からの飛び出しを防止する閉塞部材
(図示していない)が配設される。収納部42が球状の
場合、球状側面に着脱自在な側面閉塞部材(図示してい
ない)が配設される。44はマイクロ波を利用した装置
の本体外枠である。
【0068】上記構成において、たとえば被加熱物が洗
濯された乾燥前の衣類とした場合の動作を以下に説明す
る。マイクロ波を利用した装置の前面扉を開け、収納部
42内の閉塞部材を取り出して乾燥前の衣類を収納部4
2内に収納し、閉塞部材を取りつけて前面扉を閉じる。
所定のマイクロ波加熱条件を入力または選択して装置の
動作開始を入力する。この入力情報に基づいてマイクロ
波発生手段38の動作状態が制御される。マイクロ波発
生手段38の動作により発生するマイクロ波は矩形導波
管39および環状導波管37を伝送し環状導波管37に
設けた二つのマイクロ波放射部40、41より被加熱物
である乾燥前の衣類を収納した収納部42内に所定のマ
イクロ波放射分布でもって放射され、衣類が含有した水
分に吸収されるとともに水分の温度を高めていき最終的
に蒸発させる。
【0069】規定したマイクロ波放射分布に対して収納
部42を回転駆動しているので被加熱物はほぼ均一に加
熱される。
【0070】被加熱物が収納部42内に満杯の場合に
は、被加熱物は収納部42の回転に連動して回転する
が、収納した被加熱物が少量の場合には回転駆動する収
納部42との連動が弱く被加熱物は回転空間の下方に片
寄ることになる。
【0071】このような場合でも効率的に加熱するマイ
クロ波加熱分布としてTE<41P>モードが効果的で
ある。このTE<41P>モードは外板で囲まれた加熱
空間の周辺部、すなわち収納部42内の周辺部でマイク
ロ波電磁界強度が強く、上述した被加熱物が少量の場合
でも被加熱物を効率的に加熱できる。一方、被加熱物が
満杯の場合、円筒状収納部の周辺部に存在する被加熱物
のマイクロ波による乾燥が進むと衣類の重量が軽くな
り、収納部の回転との連動性が弱くなる。この現象によ
り収納部内の様々な衣類は様々に複雑な回転を呈し、水
分の蒸発が進んでいない収納部の中央部に収納された衣
類も周辺部側に回転移動してマイクロ波加熱され、最終
的にすべての衣類が乾燥できる。
【0072】なお、このTE<41P>モードのマイク
ロ波放射分布を確実に発生させるためには、環状導波管
の内板の直径をTE<41P>モードの伝搬を遮断する
直径寸法より大きくしなければならない。
【0073】(実施例7)図7は、本発明の第7実施例
を示す図である。図7において、45は円筒状の外板、
46は外板45と同心状に配設した内板、47、48は
外板45と内板46とを機械的かつ電気的に接続し導波
管のE面を形成する側面板であり、これらの外板45と
内板46と側面板47、48とで環状導波管49を形成
している。内板45には略対向した2つのマイクロ波放
射部50、51を配設している。
【0074】外板45には所定位置に矩形導波管52を
接続している。53はマイクロ波発生手段であり、矩形
導波管54の一端に接続配設している。矩形導波管53
と矩形導波管54とはたとえばねじにて接続組み立てさ
れている。
【0075】側面板48の環状導波管49の中心軸に相
当する領域には、気体を排出する排出穴55が配設さ
れ、この排出穴55の入口にはマイクロ波の排出穴への
伝搬を抑止するマイクロ波遮断手段56を配設してい
る。
【0076】外板45は環状導波管49の外側のH面を
形成する部分以外に所定の長さだけ環状導波管49から
延長し、その端面には接続フランジ57を設けている。
また、この接続フランジ57と接続される所定長さの略
円筒状の第1のケース58と、この第1のケース58に
接続され一端側がテーパ状になった円筒状の第2のケー
ス59とを設けている。第2のケース59の一端は環状
導波管49の中心軸に相当する領域に気体の流入穴60
を備えたテーパ形状に構成している。また、気体の流入
穴60の出口には排出穴55に設けたのと同様のマイク
ロ波遮断手段61を配設している。
【0077】第1のケース58の内部には、気体に含ま
れる粒子状物質を捕集する捕集手段であるハニカム構造
のフィルタ62を配設している。
【0078】63はディーゼルエンジン、64はディー
ゼルエンジンが排出する排気ガスを通流する排気管、6
5、66は排気ガスの通流を開放したり閉鎖したりする
排ガス切り替えバルブ、67はマイクロ波発生手段53
を駆動する電源部、68はフィルタ62に供給する空気
を発生させる送風機、69は送風方向切り替えバルブ、
70、71は空気の通流方向をフィルタ62側に規定す
る空気遮蔽バルブ、72、73はフィルタ62を通流し
た後の空気をバイパス管74、75に通流させる空気通
流バルブ、76は各電装部品の動作を制御する制御部で
ある。
【0079】上記した構成において、マイクロ波放射部
50、51は矩形導波管52が環状導波管49の外板4
5へ接続された位置を起点としそれぞれのマイクロ波放
射部50、51の略中央部に至るまでの周方向の距離を
環状導波管49内を伝搬するマイクロ波の波長λgの略
2分の1の波長に相当する長さだけ異ならして配設して
いる。この構成により、図7に示す実施例においては、
マイクロ波発生手段53が発生したマイクロ波は矩形導
波管54、矩形導波管52および環状導波管49を伝送
して各マイクロ波放射部50、51から同相のマイクロ
波が放射される。放射されたマイクロ波を実質的に閉じ
込める加熱空間は、気体の流入穴60に設けたマイクロ
波遮断手段61、第2のケース59、第1のケース5
8、環状導波管49の外板45、環状導波管49の内板
46、環状導波管49の側面板47、48および気体の
排出穴55に設けたマイクロ波遮断手段56にて囲まれ
る空間である。
【0080】また、環状導波管49の内板46の内径寸
法は、使用するフィルタ62の大きさに対応させて選択
設計する。内板46の内径寸法については前述の実施例
6の説明文中でも若干説明したが、一般的には内径寸法
を大きくする(すなわち、環状導波管の外形を大きくす
る)ことでTE<41P>モードなどの高次モードのマ
イクロ波放射分布を発生できる。マイクロ波放射分布と
してどのようなモードを選択するかは加熱すべき物体に
依存する。本実施例のように排気ガス中に含まれる粒子
状物質であるすすを捕集するフィルタをマイクロ波加熱
する場合、フィルタに堆積したすすがフィルタ内部を自
由に移動することはない。従って、理想的にはフィルタ
全体を均一に加熱できるマイクロ波放射分布を選択する
必要がある。
【0081】フィルタのような被加熱物体の場合、フィ
ルタの中央部近辺までマイクロ波が届くマイクロ波放射
モードとしては、TE<41P>モードよりも低次のモ
ードが適する。上記した第7実施例の構成においては、
マイクロ波放射部から放射されるマイクロ波の位相を同
相に構成しているのでたとえばTE<31P>モードの
発生が可能である。このTE<31P>モードを安定に
発生させるために、TE<41P>モードの発生を抑制
する必要がある。このTE<41P>モードの抑制は、
環状導波管49の内板45の内径寸法をTE<41P>
モードを遮断する寸法に選択することで可能にできる。
内板45の内径寸法としては、例えば190mm程度が選
定できる。
【0082】このような内板の内径寸法を有する環状導
波管49を使用することで、TE<31P>モードにて
フィルタに堆積したすすをマイクロ波加熱し、フィルタ
に空気を供給することですすを燃焼除去できる。マイク
ロ波の加熱が弱い領域に堆積したすすはすすの燃焼によ
り発生する燃焼熱により加熱され最終的に燃焼除去でき
るので、フィルタに堆積した粒子状物質であるすすはほ
ぼ100%除去できる。
【0083】なお、図7に示した実施例は排気管を2系
統として、交互にフィルタに排気ガスを通流させるもの
であるが、排気管が1系統の場合にも適用でき、この場
合にはエンジンを停止させてフィルタに堆積したすすを
本発明の環状導波管構成によるマイクロ波放射分布にて
加熱燃焼処理することができる。また、フィルタの大き
さが小さい場合には、環状導波管の構成を適宜選択設計
してたとえばTE<21P>モードでのマイクロ波放射
をさせることが可能である。
【0084】(実施例8)図8は、本発明の第8実施例
を示す図である。図8において、77は円筒状の外板、
78は外板と略同心状に配設され中央部の周方向に凹部
79を形成したパンチング板で構成された内板、80、
81は外板77と内板78を機械的かつ電気的に接続し
導波管のE面を形成する側面板である。環状導波管82
は、外板77と内板78と側面板80、81とで構成
し、リッジ型の導波管を形成している。外板77の所定
位置には一端にマイクロ波発生手段(図示していない)
を接続配設する矩形導波管83を接続している。また、
内板78に形成した環状導波管82の内側方向への凹部
79にはスリット状の開孔84を設けている。
【0085】環状導波管82のE面を形成する側面板8
0、81の環状導波管82の中心軸に相当する領域に
は、それぞれ気体を流入させる気体通流部である流入管
85と気体を排出させる気体通流部である排出管86を
固定接続している。流入管85は、環状導波管82の内
板78の内側まで管を延長して配設しており、その終端
は閉塞し、終端近辺の流入管周囲壁には通流気体を内板
78の方向に配流する気体通流ガイドである多数の穴8
7を配設している。
【0086】また、環状導波管82内の少なくとも凹部
79を形成している内板領域と外板77との間に気体に
含まれる粒子状物質を捕集する捕集手段88を環状導波
管82の周方向全体に渡って配設している。この捕集手
段88は、たとえば形状がドーナツ状からなる多孔質の
セラミックス焼成体またはセラミックス繊維を周方向に
積層巻回した構成からなり、内板に形成したスリット状
の開孔84を覆って配設している。
【0087】上記した構成により、流入管85から流入
する気体はその終端部の周囲の穴87から環状導波管8
2の内板78側に向かって排出される。この内板側に向
かって排出された気体はスリット状の開穴84あるいは
内板のパンチング穴より環状導波管82内に流入し捕集
手段88を通流して内板の他のパンチング穴あるいはス
リット状の開穴84より環状導波管82外に流出して排
出管86より排出される。この気体の流れの中で捕集手
段88に気体に含まれる粒子状物質が捕集される。捕集
手段88に堆積した粒子状物質は、マイクロ波発生手段
から供給されてリッジ型の環状導波管82内を伝送する
マイクロ波により加熱されるとともに気体に含まれる酸
素によって燃焼する。環状導波管82をリッジ型導波管
としたことにより、捕集手段88を強いマイクロ波電磁
界強度の空間に配設できる。この構成により、マイクロ
波電力としては、たとえば数100Wの電力でもって捕
集手段88に堆積した粒子状物質を気体通流下において
加熱昇温させることができる。
【0088】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、以下に示
す効果を有する。
【0089】(1)環状導波管に設ける複数のマイクロ
波放射部から放射されるマイクロ波放射分布を規定した
ことにより、被加熱物の加熱状態を容易判別できるとと
もに加熱制御を容易におこなうことができるという有利
な効果がある。
【0090】(2)環状導波管の内板とともに側面板に
もマイクロ波放射部を配設することにより、異なるマイ
クロ波放射分布を重畳させて放射させることができる。
また、内板と側面板とから同一のマイクロ波放射分布を
放射させることにより、規定すべきマイクロ波放射分布
をより安定かつ強固に実現することができる。
【0091】(3)側面板において略180度の円周角
度でもって一対のマイクロ波放射部を配設することによ
り、環状導波管の外板とほぼ同程度の大きさを有する加
熱空間に対して得られるマイクロ波放射分布を規定でき
る。
【0092】(4)環状導波管に内板内方向に回転可動
する収納部を配設する構成により、収納部内に収納した
被加熱物をまんべくなく均一に加熱できる。
【0093】(5)環状導波管から放射されるマイクロ
波を閉じ込める空間内に設ける捕集手段の大きさに対応
させて最適なマイクロ波放射分布を容易に規定できる。
【0094】(6)環状導波管の内板に設けるマイクロ
波放射部を略対向配設することで環状導波管の内板内部
全域で規定したマイクロ波放射分布を形成させることが
できる。
【0095】(7)内板の対向配設した一対のマイクロ
放射部から放射するマイクロ波の位相を同相にすること
でTE<11P>、TE<31P>、TE<12P>な
どのモードを発生させることができる。これにより、加
熱空間の中央部近辺のマイクロ波電磁界強度を強くする
ことができる。
【0096】(8)内板の対向配設した一対のマイクロ
放射部から放射するマイクロ波の位相を逆相にすること
でTE<01P>、TE<21P>、TE<41P>な
どのモードを発生させることができる。これにより、加
熱空間の周囲方向のマイクロ波電磁場強度を強くするこ
とができる。
【0097】(9)排ガスに含まれる粒子状物質を捕集
堆積するフィルタから粒子状物質を除去させる場合の粒
子状物質の加熱に対して、フィルタの大きさに応じて最
適なマイクロ波放射分布を発生させることができる。
【0098】(10)環状導波管を形成する内板の内径
寸法を小さくすることで高次のマイクロ波放射分布を抑
制することが容易に実現できる。
【0099】(11)環状導波管をリッジ型とすること
で、導波管内部のマイクロ波電磁界強度を大きくでき
る。
【0100】(12)リッジ型環状導波管の内部に捕集
手段を配設することで、気体の通流下であっても実用可
能なマイクロ波電力でもって捕集手段内に堆積した粒子
状物質をマイクロ波により加熱昇温させることができ
る。
【0101】(13)リッジ型導波管内に設ける捕集手
段をセラミックス材料で構成することで高電磁界強度の
供給を可能にできる。また、セラミックス繊維を積層巻
回する製造方法により環状導波管内に捕集手段を容易に
配設構成できる。
【0102】(14)矩形導波管を環状導波管に接続す
る構成により、環状導波管内をそれぞれ逆方向に伝搬す
るマイクロ波の位相を逆相に設定できる。これにより、
複数のマイクロ波放射部から放射させるマイクロ波の位
相を容易に設計制御できる。また、マイクロ波発生手段
を環状導波管から遠ざけることができるので、マイクロ
波発生手段の耐環境性を保証できる。
【0103】(15)マイクロ波発生手段を環状導波管
に直接接続した構成により、環状導波管内をそれぞれ逆
方向に伝搬するマイクロ波の位相を同相に設定できる。
これにより、複数のマイクロ波放射部から放射させるマ
イクロ波の位相を容易に設計制御できる。また、マイク
ロ波を利用した装置としてコンパクトな装置を提供でき
る。
【0104】(16)マイクロ波発生手段と環状導波管
との間を同軸ケーブルにて接続する構成により、マイク
ロ波発生手段の装置内での配設位置を自由にレイアウト
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すマイクロ波を利用し
た装置の主要部構成図
【図2】本発明の第2実施例を示すマイクロ波を利用し
た装置の主要部構成図
【図3】本発明の第3実施例を示すマイクロ波を利用し
た装置の主要部構成図
【図4】本発明の第4実施例を示すマイクロ波を利用し
た装置の主要部構成図
【図5】本発明の第5実施例を示すマイクロ波を利用し
た装置の主要部構成図
【図6】本発明の第6実施例を示すマイクロ波を利用し
た装置の構成図
【図7】本発明の第7実施例を示すマイクロ波を利用し
た装置の構成図
【図8】本発明の第8実施例を示すマイクロ波を利用し
た装置の主要部構成図
【図9】従来のマイクロ波を利用した装置の主要部構成
【符号の説明】
10、37、49 環状導波管 11、25、32、45、77 外板 12、27、34、46、78 内板 13、39、52、54、83 矩形導波管(マイクロ
波供給部) 14、38、53 マイクロ波発生手段(マイクロ波供
給部) 15、16、35、36、47、48、80、81 側
面板 17、18、40、41、50、51 マイクロ波放射
部(略対向配設の一対のマイクロ波放射部) 19 同軸導波管変換器 22、23 マイクロ波放射部(略180度の円周角度
差配設の一対のマイクロ波放射部) 24、82 リッジ型環状導波管 28、84 スリット状の開孔部 42 回転収納部 62、88 捕集手段 85 流入管(気体通流部) 87 流入管壁の開穴(気体通流ガイド)
フロントページの続き (72)発明者 藤原 宣彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−161469(JP,A) 特開 昭50−135641(JP,A) 実開 平3−20211(JP,U) 実開 昭62−120294(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05B 6/64

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】略同心状に設けた外板と内板とを導波管の
    対向壁面として構成した環状導波管と、前記環状導波管
    にマイクロ波を供給するマイクロ波供給部と、前記内板
    に設けそれぞれの放射部から放射されるマイクロ波の位
    相または放射量を規定した複数のマイクロ波放射部とを
    備えたマイクロ波を利用した装置。
  2. 【請求項2】外板と内板とを連結し環状導波管を構成す
    る側面板にそれぞれの放射部から放射されるマイクロ波
    の位相または放射量を規定した複数のマイクロ波放射部
    を設けた請求項1記載のマイクロ波を利用した装置。
  3. 【請求項3】側面板に設けたマイクロ波放射部は、少な
    くとも一対の放射部を略180度の円周角度差にて配設
    した構成からなる請求項2記載のマイクロ波を利用した
    装置。
  4. 【請求項4】円筒状の外板と、前記外板と略同心状に設
    けた内板と、前記外板と内板とを導波管の対向壁面とし
    て構成した環状導波管と、前記環状導波管の内板に設け
    それぞれの放射部から放射されるマイクロ波の位相また
    は放射量を規定した複数のマイクロ波放射部と、前記環
    状導波管にマイクロ波を供給するマイクロ波供給部と、
    前記マイクロ波放射部から放射されるマイクロ波を実質
    的に閉じ込める加熱空間と、前記加熱空間内に配設し前
    記内板の内側において回転可動するとともに被加熱物を
    収納する回転収納部とを備えたマイクロ波を利用した装
    置。
  5. 【請求項5】円筒状の外板と、前記外板と略同心状に設
    けた内板と、前記外板と内板とを導波管の対向壁面とし
    て構成した環状導波管と、前記環状導波管の内板に設け
    それぞれの放射部から放射されるマイクロ波の位相また
    は放射量を規定した複数のマイクロ波放射部と、前記環
    状導波管にマイクロ波を供給するマイクロ波供給部と、
    前記マイクロ波放射部から放射されるマイクロ波を実質
    的に閉じ込める加熱空間と、前記加熱空間内に配設し気
    体に含まれる粒子状物質を捕集する捕集手段とを備えた
    マイクロ波を利用した装置。
  6. 【請求項6】内板に設けたマイクロ波放射部は、少なく
    とも一対の略対向配設した放射部を有する請求項1、4
    または5記載のマイクロ波を利用した装置。
  7. 【請求項7】一対の略対向配設の放射部から放射される
    マイクロ波の位相を同相とした請求項6記載のマイクロ
    波を利用した装置。
  8. 【請求項8】一対の略対向配設の放射部から放射される
    マイクロ波の位相を逆相とした請求項6記載のマイクロ
    波を利用した装置。
  9. 【請求項9】略同心状に設けた外板と内板とを導波管の
    H面とする環状導波管と、前記環状導波管にマイクロ波
    を供給するマイクロ波供給部と、前記内板において、放
    射されるマイクロ波の位相が実質的に同相または逆相で
    ありかつ略対向する位置に設けた一対のマイクロ波放射
    部と、前記マイクロ波放射部から放射されるマイクロ波
    を実質的に閉じ込める加熱空間と、前記加熱空間に収納
    し排気ガスに含まれるパティキュレートを捕集する捕集
    手段とを備えたマイクロ波を利用した装置。
  10. 【請求項10】加熱空間に生じる電磁波励振モードの高
    次モード抑制に対して、内板の内径寸法を規定したこと
    を特徴とする請求項4、5または9記載のマイクロ波を
    利用した装置。
  11. 【請求項11】外板と内板とを導波管の対向するH面と
    するリッジ型の環状導波管と、前記環状導波管の内板に
    設けたスリット状の開孔部と、前記環状導波管にマイク
    ロ波を供給するマイクロ波供給部と、前記内板の内側を
    貫通する方向に気体を通流させる気体通流部と、前記内
    板の内部に配し前記気体を内板方向に配流する気体通流
    ガイドとを備えたマイクロ波を利用した装置。
  12. 【請求項12】内板に設けたスリット状の開孔部を含む
    環状導波管内に気体に含まれる粒子状物質を捕集する捕
    集手段を設けた請求項11記載のマイクロ波を利用した
    装置。
  13. 【請求項13】捕集手段は、多孔質のセラミックスまた
    はセラミックス繊維でもって構成した請求項9または1
    2記載のマイクロ波を利用した装置。
  14. 【請求項14】マイクロ波供給部は、環状導波管の外板
    に連結した矩形導波管にて構成した請求項1、4、5、
    9または11記載のマイクロ波を利用した装置。
  15. 【請求項15】マイクロ波供給部は、マイクロ波発生手
    段を環状導波管の外板に直接的に配設した構成からなる
    請求項1、4、5、9または11記載のマイクロ波を利
    用した装置。
  16. 【請求項16】マイクロ波供給部は、環状導波管の外板
    に連結した同軸導波管変換器にて構成した請求項1、
    4、5、9または11記載のマイクロ波を利用した装
    置。
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