JP3060647B2 - フリーマンイオン源 - Google Patents

フリーマンイオン源

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JP3060647B2 JP3251912A JP25191291A JP3060647B2 JP 3060647 B2 JP3060647 B2 JP 3060647B2 JP 3251912 A JP3251912 A JP 3251912A JP 25191291 A JP25191291 A JP 25191291A JP 3060647 B2 JP3060647 B2 JP 3060647B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イオンビームのビーム
量を広範囲に制御性良く得ることができるフリーマンイ
オン源に関するものであり、詳細には、アーク放電時の
フィラメントへのスパッタ率を低減させることによって
フィラメントの更新間隔を増大させることができるフリ
ーマンイオン源に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、フリーマンイオン源は、例えば図
3に示すように、正電圧が印加された放電室隔壁51
と、放電室隔壁51内のイオン引出孔51aの近傍に配
設され、負電圧が印加された直線状のフィラメント52
と、放電室隔壁51内に動作ガスを供給する動作ガス供
給手段54とを有しており、フィラメント52の軸心に
平行な外部磁界Bsを付与しながら、放電室隔壁51と
フィラメント52との電位差によってアーク放電を生じ
させ、このアーク放電と動作ガスとでプラズマを発生さ
せるようになっている。
【0003】この際、上記のアーク放電の電子は、フィ
ラメント52を流れるフィラメント電流による回転磁界
と外部磁界Bsとの合成磁界によって有効飛程長が設定
されるようになっており、この有効飛程長の増減は、電
子と動作ガスとの衝突確率の増減に密接な関連を有して
いる。即ち、例えば有効飛程長を増大させた場合には、
衝突確率が高められることによって放電室隔壁51のイ
オン引出孔51aの近傍に高密度のプラズマを発生させ
ることが可能になり、ひいては、イオンビームのビーム
量を増大させることが可能になる。
【0004】これにより、フリーマンイオン源は、フィ
ラメント電流が電子の放出量と合成磁界の強度とを変化
させるため、フィラメント電流によって電子と動作ガス
との衝突確率を広範囲に制御することができ、また、フ
ィラメント電流の制御によって動作を容易に安定化させ
ることができることから、不純物の注入量の広範囲な設
定と均一な注入とが望まれるイオン注入装置に多用され
るようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のフリーマンイオン源では、プラズマ中の正電荷を有
したイオンが負電圧のフィラメント52をスパッタによ
り消耗させるため、フィラメント52を例えば20〜4
0時間毎に更新させる必要があるという問題がある。特
に、生産装置に使用されるフリーマンイオン源にとって
は、フィラメント52の更新が装置の停止による稼働率
の低下を招来することになるため、従来の更新間隔が大
きな問題になっており、一層の更新間隔の増大が望まれ
ている。
【0006】そこで、フィラメント52の消耗速度が、
放電室隔壁51とフィラメント52との電位差であるア
ーク電圧に依存するスパッタ率に関係していることに着
目し、アーク電圧を低下させることによってスパッタ率
を低減させる方法が考えられる。この方法の場合には、
フィラメント52の消耗速度の低下により更新間隔を増
大させることが可能になるが、アーク電圧には下限が存
在しており、このアーク電圧を低下させることによるス
パッタ率の低減だけでは、フィラメント52の更新間隔
を充分に増大させることができない。
【0007】従って、本発明においては、フィラメント
52の更新間隔を充分に増大させることができるフリー
マンイオン源を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のフリーマンイオ
ン源は、上記課題を解決するために、アーク電源の正極
側に接続される放電室隔壁と、この放電室隔壁内に配設
されると共に、アーク電源の負極側に接続されるフィラ
メントとを有しており、放電室隔壁とフィラメントとの
電位差によってアーク放電を生じさせてプラズマを生成
するものであり、下記の特徴を有している。
【0009】即ち、上記フィラメントと放電室隔壁内に
は、電極孔を有する副放電室隔壁が、フィラメントの周
囲に放電室隔壁とは絶縁状態で設けられており、この副
放電隔壁が、抵抗器を介してアーク電源の極側に接続
されていることを特徴としている。
【0010】
【作用】上記の構成によれば、アーク放電によってプラ
ズマを生成させた際に、アーク放電の電子が副放電室隔
壁から抵抗器を介してアーク電源に流動することにな
る。従って、アーク電源によって所定の正電圧が印加さ
れていた副放電室隔壁は、アーク電源によって同等の正
電圧が印加されている放電室隔壁よりも電圧が低下する
ことになる。そして、この副放電室隔壁の電圧の低下
は、副放電室隔壁を中間電極として働かせ、フィラメン
トと副放電室隔壁間におけるプラズマ中の不純物イオン
のエネルギを低下させることになる。これにより、フリ
ーマンイオン源は、スパッタ率を低下させてフィラメン
トの消耗速度を低下させることができる。この結果、フ
ィラメントの更新間隔を充分に増大させることが可能と
なる。
【0011】
【実施例】本発明の一実施例を図1及び図2に基づいて
説明すれば、以下の通りである。
【0012】本実施例に係るフリーマンイオン源のプラ
ズマ生成部は、図1及び図2に示すように、外部磁界B
sが付与された主アーク室1と、主アーク室1の内部に
配置された低アーク電圧放電室2とを有している。低ア
ーク電圧放電室2は、例えばタンタル等の導電性を有し
た副放電隔壁6によって形成されており、数10〜数1
00Ω程度の抵抗器7を介してアーク電源4の正極側に
接続されている。
【0013】上記副放電室隔壁6は、内径が5〜15m
m、厚さが0.5〜2mmの円筒形状に形成されている。
そして、この副放電室隔壁6には、その両端部において
例えば窒化ホウ素やアルミナ等からなる外周絶縁部9及
び内周絶縁部10が外側及び内側に設けられており、外
周絶縁部9は、副放電室隔壁6を後述する主アーク室隔
壁3(放電室隔壁)に絶縁状態で固定させるようになっ
ている。
【0014】また、上記副放電室隔壁6の外周絶縁部9
と内周絶縁部10との間に位置する壁部には、ガス導入
孔6aが形成されており、これらのガス導入孔6aに
は、図示されない金属蒸気発生炉等を有する動作ガス供
給手段が接続されている。そして、上記の動作ガス供給
手段は、固体状の不純物を金属蒸気発生炉によって蒸発
させた動作ガスやガスボンベに充填されていた気体状の
不純物からなる動作ガスを低アーク電圧放電室2に供給
するようになっている。さらに、副放電室隔壁6には、
スリット形状の多数の中間電極孔6b…が副放電室隔壁
6の中心軸と平行な方向に形成されており、これらの中
間電極孔6b…の幅は、0.2〜1mm程度に設定されて
いる。
【0015】また、上記副放電室隔壁6の両端部に設け
られた内周絶縁部10は、例えばタングステン等からな
る棒状のフィラメント8を支持しており、このフィラメ
ント8の軸心と副放電室隔壁6の中心軸とを一致させる
ようになっている。これにより、フィラメント8の軸心
と上記中間電極孔6b…は、平行な位置関係を有するよ
うになっている。そして、このフィラメント8の一端
は、上述のアーク電源4の負極側に接続されている。
【0016】一方、主アーク室1は、導電性を有した枠
体構造の主アーク室隔壁3によって形成されており、ア
ーク電源4の正極側に接続されていると共に、絶縁物か
らなる支持部5により支持されている。この主アーク室
隔壁3は、ほぼ直方体形状の枠体であり、そのビーム1
3の進行方向(図において上面)の壁部には、スリット
形状のイオン取出孔3aがフィラメント8と平行に形成
されている。
【0017】上記のイオン取出孔3aの上方には、負電
圧が印加された引出電極11と、減速電極となる接地電
極12とがこの順に配設されている。そして、引出電極
11及び接地電極12には、引出電極孔11a及び接地
電極孔12aがそれぞれ形成されており、引出電極11
は、プラズマを有した主アーク室1から正電荷を有した
不純物イオンを引き出し、イオンビーム13として引出
電極孔11a及び接地電極孔12aを通過させるように
なっている。
【0018】上記の構成において、フリーマンイオン源
のプラズマ生成部の動作について説明する。
【0019】まず、アーク電源4からフィラメント8に
フィラメント電流Ifを流すと、フィラメント8は、発
熱を開始することになる。この際、副放電室隔壁6に
は、アーク電源4によって正電圧が印加されており、フ
ィラメント8には、アーク電源4によって負電圧が印加
されている。したがって、発熱したフィラメント8は、
副放電室隔壁6との電位差によって電子を放出してアー
ク放電を開始することになる。
【0020】この後、動作ガスが副放電室隔壁6のガス
導入孔6aを介して低アーク電圧放電室2に供給される
ことになり、動作ガスのガス粒子と電子とが衝突するこ
とによって、不純物イオンや電子からなるプラズマが生
成されることになる。
【0021】上記のアーク放電によりフィラメント8か
ら放出された電子の一部は、アーク電源4によって正電
圧を印加された副放電室隔壁6に移動し、副放電室隔壁
6及び抵抗器7を介してアーク電源4に流動することに
なる。この際、副放電室隔壁6からアーク電源4に流動
する電子は、抵抗器7の抵抗値R1 とプラズマの抵抗値
Rp1 とによって流動量が決定されることになり、副放
電室隔壁6は、電子の流動により生じた電流I1 と両抵
抗値R1 ・Rp1 とによって、フィラメント8と主アー
ク室隔壁3との電圧差であるアーク電圧Vaよりも低い
中間電圧(Va−R1 ×I1 )を有することになる。
【0022】そして、上記の中間電圧を有する副放電室
隔壁6がフィラメント8に対して中間電極として働くこ
とになり、アーク電圧の例えば1/2〜1/3程度の電
位差を低アーク電圧放電室2に形成することになる。こ
の際、低アーク電圧放電室2のガス圧は、主アーク室1
と低アーク電圧放電室2とが中間電極孔6b…を介して
連通されているのみのため、主アーク室1のガス圧より
も高くなっている。従って、低アーク電圧放電室2での
アーク放電は、高いガス圧によって中間電圧でも維持さ
れることになる。
【0023】これにより、低アーク電圧放電室2で生成
されたプラズマ中の不純物イオンは、上記副放電室隔壁
6とフィラメント8との電位差に応じたエネルギーe
(Va−R1 ×I1 )でもってフィラメント8をスパッ
タするため、スパッタ率が低減されたものになる。そし
て、このスパッタ率の低減は、フィラメント8の消耗速
度を低下させることになり、結果としてフィラメント8
の更新間隔を増大させることになる。一方、この時、主
アーク室隔壁3の電位は、副放電室隔壁6の電位よりも
高いため、低アーク電圧放電室2のプラズマ電子は、上
記主アーク室隔壁に移動することになり、副放電室隔壁
6の中間電極孔6b…を介して主アーク室1内に導入さ
れることになる。
【0024】上記の主アーク室1に移動された電子は、
電子と共に、低アーク電圧放電室2から中間電極孔6b
…を介して移動した動作ガスのガス粒子と衝突すること
になり、この主アーク室1内においてもプラズマを生成
させることになる。そして、このプラズマ中の正電荷を
有した不純物イオンは、負電圧が印加された引出電極1
1に引き寄せられ、主アーク室隔壁3のイオン取出孔3
aから放出されてイオンビーム13とされることにな
る。
【0025】このように、本実施例のフリーマンイオン
源は、フィラメント8を有した主アーク室1の内部に、
フィラメント8を所定の距離を有して覆う円筒形状の副
放電室隔壁6を設けることにより低アーク電圧放電室2
を形成しており、アーク放電によってプラズマを生成さ
せた際に、副放電室隔壁6を中間電極とすることによっ
て、低アーク電圧放電室2の電位差をアーク電圧の電位
差よりも低下させ、プラズマ中の不純物イオンのエネル
ギを低下させるようになっている。これにより、このフ
リーマンイオン源は、副放電室隔壁6の中間電圧によっ
て、スパッタ率を低下させてフィラメント8の消耗速度
を低下させることができることから、フィラメント8の
更新間隔を充分に増大させることが可能になっている。
【0026】
【発明の効果】本発明のフリーマンイオン源は、以上の
ように、フィラメントと放電室隔壁内には、電極孔を有
する副放電室隔壁が、フィラメントの周囲に放電室隔壁
とは絶縁状態で設けられており、この副放電隔壁が、抵
抗器を介してアーク電源の極側に接続されている構成
である。
【0027】それゆえ、アーク放電の電子が副放電室隔
壁から抵抗器を介してアーク電源に流動するため、副放
電室隔壁の電圧が低下し、低アーク電圧放電室における
プラズマ中の不純物イオンのエネルギを低下させるよう
になり、フィラメントへのスパッタ率を低下させてフィ
ラメントの消耗速度を低下させることができる。この結
果、フィラメントの更新間隔を充分に増大させることが
可能になるいう効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフリーマンイオン源の隔壁の状態を示
す説明図である。
【図2】上記フリーマンイオン源のフィラメントと隔壁
の状態を示す説明図である。
【図3】従来例を示すものであり、フリーマンイオン源
の概略構成図である。
【符号の説明】
3 主アーク室隔壁(放電室隔壁) 4 アーク電源 6 副放電室隔壁 6b 中間電極孔 7 抵抗器 8 フィラメント

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アーク電源の正極側に接続される放電室隔
    壁と、この放電室隔壁内に配設されると共に、アーク電
    源の負極側に接続されるフィラメントとを有しており、
    放電室隔壁とフィラメントとの電位差によってアーク放
    電を生じさせてプラズマを生成するフリーマンイオン源
    において、 上記フィラメントと放電室隔壁内には、電極孔を有する
    副放電室隔壁が、フィラメントの周囲に放電室隔壁とは
    絶縁状態で設けられており、この副放電隔壁が、抵抗器
    を介してアーク電源の極側に接続されていることを特
    徴とするフリーマンイオン源。
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