JP3060062B2 - 錠剤型スケール除去剤及びその製造方法 - Google Patents

錠剤型スケール除去剤及びその製造方法

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JP3060062B2
JP3060062B2 JP9061487A JP6148797A JP3060062B2 JP 3060062 B2 JP3060062 B2 JP 3060062B2 JP 9061487 A JP9061487 A JP 9061487A JP 6148797 A JP6148797 A JP 6148797A JP 3060062 B2 JP3060062 B2 JP 3060062B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水若しくは排水中
に含まれる溶解塩類が析出固着してなるスケールを洗浄
除去するのに用いられる錠剤に関する。当該錠剤は、水
乃至湯が継続的もしくは間歇的に長期にわたって接触す
ることにより、ポット、浴槽、便器又は配管等の内壁に
付着、形成されたスケールを除去するのに有用である。
【0002】
【従来の技術】従来から、水垢やし尿等に起因するスケ
ールの除去、洗浄にはpH3以下の酸性物質、例えばク
エン酸、リンゴ酸、酒石酸、重フタル酸カリウム、スル
ファミン酸等が有効であることが知られている(特開昭
63−205400号)。
【0003】なかでもスルファミン酸は、塩酸、硫酸等
の強酸とほぼ同等のpH低下効果があり洗浄効果が高い
という長所に加えて、それらの強酸と比べて金属に対す
る腐食性が格段に低いということ、また低吸湿性ゆえに
製造に際して湿度制御等の煩わしさがないこと、さらに
安価で経済的であるという有利な面を有しているため、
これを有効成分として含有するスケール除去、防止剤に
関する提案は多い(特開平5−5009号等)。
【0004】しかしながら、スルファミン酸は、それ自
体結合力を持たないために、スルファミン酸粉末単独か
らは十分な強度を有する成型体を得ることが出来ない。
【0005】かかる課題を解決する方法として、ポリエ
チレングリコール、ポリエチレンオキサイド等の水溶性
有機化合物の融液を用いてスルファミン酸粒子同士を融
着させた後に圧縮成形する方法が提案されているが(特
開平7−48598号)、かかる方法で調製される錠剤
は水を接触しても膨潤や崩壊を起こさず、長期にわたり
スルファミン酸を放出するといった、スケールの形成防
止を目的とする錠剤である。
【0006】一方、いったん形成されたスケールを除
去、洗浄するために用いられる錠剤型スケール除去剤に
は、水中に投入後、速やかにかつ均一にスルファミン酸
が溶出、溶解するという性質が必要とされるとともに、
連続打錠による大量生産においても打錠性がよく、圧縮
成型性、硬度などの特性に優れることが望まれる。ま
た、摩損度が小さく、運搬・配送によっても錠剤の端部
が破損しないで安定した商品価値を有することを要求さ
れる。
【0007】しかし、かかる特性を満たすスケール除去
剤は未だ開発されていないのが実情である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、スルファミ
ン酸を有効成分として含有する錠剤型のスケール除去剤
であって、水中に投入した場合の溶解特性に優れるとと
もに、製造に際して打錠性がよく、圧縮成型性及び硬度
等の特性に優れた錠剤型スケール除去剤を提供すること
を目的とする。
【0009】また、本発明は当該錠剤を連続打錠によっ
て一定の品質をもって効率良く製造する方法を提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、スルファ
ミン酸を有効成分とする錠剤型スケール除去剤につい
て、そのスケール除去・洗浄効果の向上を期して、該錠
剤を水中で速やかに溶解させる方法について鋭意研究を
重ねていたところ、結合剤として糖アルコール、とりわ
けソルビトールを用いることにより当該目的が達成でき
ることを見出した。
【0011】しかし、ソルビトール等の糖アルコールは
溶解性には優れるもののポリエチレングリコール、ポリ
ビニルアルコール、ゼラチン、セルロース等の慣用の結
合剤に比して結合力が劣る。このため、錠剤の硬度を確
保するには必然的にその配合量を多くする必要がある
が、当該配合量の増加はコストや品質の面で好ましくな
い。また、更なる研究の結果、糖アルコールの配合量を
高めるほど打錠時に臼や杵に付着し易くなり連続生産が
できなくなるという問題があることも判明した。殊にか
かる打錠性の悪さは錠剤厚の大きいものほど顕著であっ
た。
【0012】そこで本発明者らは、スルファミン酸を有
効成分とする錠剤型スケール除去剤に関して、スルファ
ミン酸に良好な崩壊分散特性を付与する糖アルコールを
用いながらも打錠性及び成型性に優れる錠剤を得るべく
鋭意研究を重ねたところ、スルファミン酸の粉末表面を
糖アルコール溶液で被覆しそれを顆粒状として、この顆
粒を圧縮成型することによって、連続打錠によっても硬
度、成型特性に優れ、かつ水中で速やかに溶解する錠剤
型スケール除去剤が得られることを見出して本発明を完
成するに至った。
【0013】即ち、本発明は、下記のいずれかの態様か
らなる錠剤型スケール除去剤である。
【0014】(1) スルファミン酸を有効成分とする錠剤
型のスケール除去剤であって、錠剤に含まれるスルファ
ミン酸粉末粒子の表面が実質的に糖アルコールで被覆さ
れてなることを特徴とする錠剤型スケール除去剤。
【0015】(2) 上記スルファミン酸粉末粒子が16メ
ッシュ(JIS規格)の篩を通過する程度の粒度を有す
るものであることを特徴とする上記(1)記載の錠剤型ス
ケール除去剤。
【0016】(3) 糖アルコールが、ソルビトール、マン
ニトール、マルチトール、エリトリトールであることを
特徴とする上記(1)または(2)記載の錠剤型スケール除去
剤。
【0017】(4) 錠剤中、乾燥基準で糖アルコールを
0.01〜5重量%含むことを特徴とする上記(1)乃至
(3)のいずれかに記載の錠剤型スケール除去剤。
【0018】(5) 錠剤成分として更に炭酸塩を含有する
ことを特徴とする上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の錠
剤型スケール除去剤。
【0019】(6) 錠剤100重量%中に、スルファミン
酸を30〜80重量%、炭酸塩を5〜40重量%の割合
で含有することを特徴とする上記(5)記載の錠剤型スケ
ール除去剤。
【0020】また本発明は、下記に示す上記(1)乃至(6)
いずれかに記載の錠剤型スケール除去剤の製造方法であ
る。
【0021】(7)16メッシュ(JIS規格)の篩を通
過するスルファミン酸粉末に、糖アルコール溶液を、最
終錠剤に糖アルコールが0.01〜5重量%(乾燥基
準)含まれるように噴霧もしくは混合する工程、これを
乾燥して糖アルコール被覆スルファミン酸粉末粒子を含
む顆粒を調製する工程、及び該顆粒を含む錠剤成分を打
錠成型する工程を含むことを特徴とする錠剤型スケール
除去剤の製造方法。
【0022】(8) 糖アルコール被覆スルファミン酸粉末
粒子を含む顆粒を調製する工程で調製された顆粒に、炭
酸塩を含む錠剤成分を混合し、得られた錠剤成分を打錠
成型することを特徴とする上記(7)記載の錠剤型スケー
ル除去剤の製造方法。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるスルファミン
酸は、その形状を特に制限するものではないが、通常粉
末状若しくは顆粒状ものが用いられる。一般にスルファ
ミン酸粒子が細かい程より均一な錠剤となり、良好な崩
壊分散特性が得られる傾向にあるが、本発明において
は、全粒子が16メッシュ程度(JIS規格)の篩を通
過する程度のものが好ましく、より好ましくは約90重
量%以上が24メッシュ程度(JIS規格)の篩を通過
し、約50重量%以上が粒度80メッシュ(JIS規
格)の篩を通過するものである。尚、このようなスルフ
ァミン酸粉末は、市販の工業製品として入手することが
できる。
【0024】また、本発明で用いられる糖アルコール
は、水溶性に優れ且つ潮解性のないものであればその種
類に特に制限はなく、例えばグリセロールなどのトリイ
トール、エリトリトール,トレイトール等のテトリトー
ル、アラビニトール,キシリトール,リビトール等のペ
ンチトール、イジトール,ガラクチトール,ソルビトー
ル,マンニトールなどのヘキシトール、ヘプチトール、
オクチトールなどの合成、天然由来の糖アルコールから
選択される1種又は2種以上を用いることができるが、
好ましくはソルビトール、マンニトール、マルチトー
ル、エリトリトールであり、より好ましくはD−ソルビ
トールである。
【0025】これら糖アルコールの量は特に制限される
ことなく、通常、最終製剤中100重量%に対して0.
001〜10重量%の範囲から適宜選択して用いること
ができる。より詳細には0.01〜5重量%、好ましく
は0.01〜1重量%、より好ましくは0.01〜0.
5重量%、とりわけ好ましくは0.01〜0.1重量
%、更に一層好ましくは約0.02〜0.05重量%の
範囲である。
【0026】これらの糖アルコールは、水又は可溶性溶
媒に溶解して用いられる。可溶性溶媒としては、メタノ
ール、エタノール、プロピルアルコールなどのアルコー
ル等が例示されるが、これらの可溶性溶媒と水との混合
溶媒であってもよい。好ましくは水である。
【0027】かかる糖アルコール溶液の濃度は、最終製
剤中に含まれる糖アルコール量、噴霧時間、乾燥時間及
びその効率、糖アルコール溶液の粘度などを考慮して、
実用的な濃度とすればよく特に制限はされない。糖アル
コール溶液を噴霧することによってスルファミン酸粉末
粒子表面を被覆する場合は、糖アルコールと溶媒の組み
合わせによって異なるが、その溶液の粘性が1〜100
0cp程度にすることが好ましい。
【0028】本発明の錠剤型スケール除去剤は、その有
効成分が、糖アルコールで実質的に表面が被覆されてな
るスルファミン酸粉末粒子から形成されてなるものであ
る。かかるスルファミン酸粉末粒子表面への糖アルコー
ルでの被覆方法は特に制限されないが、簡便には通常、
噴霧造粒法または湿式造粒法等を用いて行うことができ
る。
【0029】噴霧造粒法は、スルファミン酸粉末を流動
又は撹拌床中におき、これに糖アルコール溶液を噴霧し
て乾燥製品を得る方法であり、簡便には造粒と乾燥とが
同一装置内で行うことができる流動層造粒装置又は撹拌
造粒装置を用いることができる。また、湿式造粒法は、
例えば適当なミキサーでスルファミン酸を撹拌し続けな
がら糖アルコール溶液を注入し、次いで湿潤した材料を
スクリーンにかけた後に乾燥するか、又はスルファミン
酸を糖アルコール溶液で湿潤し、湿潤した材料をスクリ
ーンにかけ且つ乾燥することからなる方法である。
【0030】乾燥は常法に従って行われる。例えば、糖
アルコール溶液を噴霧もしくは混合して湿潤させた後、
流動空気のみを送り、品温が一定値、例えば30〜40
℃前後になるまで流動を続けることにより乾燥すること
ができる。乾燥の程度は、特に制限されないが、通常水
分含量が0.01〜0.5重量%の範囲にあることが好
ましい。
【0031】乾燥物は、そのまま顆粒状となるが、必要
に応じて更に粉砕器を用いて凝集体を破砕することによ
り、より好ましい粒度分布を有する顆粒を調製すること
もできる。
【0032】顆粒の粒度は特に制限されないが、他成分
との混合性、均質性及び打錠における臼への流動性を考
慮すれば、24メッシュ(JIS規格)の篩を通過しな
い粒子が5重量%以下であり、且つ235メッシュの篩
を通過する粒子が30重量%以下である粒度分布を有す
るものが好ましい。
【0033】かくして、表面が糖アルコールで実質的に
被覆されてなるスルファミン酸粉末粒子から構成される
顆粒が得られる。なお、当該顆粒は、総重量中、糖アル
コールを通常0.001〜10重量%、詳細には約0.
01〜5重量%、好ましくは約0.01〜1重量%、よ
り好ましくは約0.01〜0.5重量%、とりわけ好ま
しくは約0.01〜0.1重量%、更に一層好ましくは
約0.02〜0.05重量%前後の範囲で含むものであ
る。
【0034】本発明の錠剤型スケール除去剤は、上記顆
粒を含む錠剤成分を一定の成型体に圧縮成型することに
よって製造される。
【0035】打錠方法は、当業界で一般的に使用されて
いる方法に準じて行うことができる。
【0036】錠剤の形状としては、球状、円板形、円柱
状、立方体状、円錐形、穴あき円板状等の任意の形状を
採用することができる。好ましくは、総量20〜30
g、好ましくは25〜30gの円板形又は円柱状の錠剤
である。
【0037】このように調製された本発明の錠剤型スケ
ール剤は、総量が上記の範囲にあり、円板厚が1〜2c
mの範囲にある比較的大きな錠剤であっても、優れた錠
剤形成特性を示し、また低圧で大きな圧縮性を示し、十
分な硬度を有するため、連続打錠によって安定した品質
をもって製造することができる。また、摩損度が小さい
ため、運搬などによっても端部の破損が少なく一定の品
質を有した商品を提供できる。さらにポットの内部等の
被洗浄物中に溜めた水中へ投入した場合に、速やかに水
を含んで発泡・溶解する性質を有している。
【0038】また本発明の錠剤は、本発明の効果を損な
わない限り、上記スルファミン酸と糖アルコールのほ
か、任意の成分を含有することができる。この任意成分
は予めスルファミン酸粉末もしくは糖アルコール溶液に
配合しても良いし、或いは上記圧縮成型前の顆粒と混合
して一緒に成型することによって錠剤中に含有させるこ
とができる。
【0039】任意の成分としては、発泡性成分、腐食防
止剤、界面活性剤、キレート剤、殺菌消毒剤、漂白剤、
滑沢剤、崩壊剤、香料、賦形剤等が挙げられる。
【0040】発泡性成分とは、水中に投入した場合に泡
を発生するものをいい、具体的には水中で炭酸ガスを発
生する炭酸塩、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、
セスキ炭酸ナトリウム、セスキ炭酸カリウム、炭酸水素
ナトリウム、炭酸水素カリウム等が挙げられる。好まし
くは吸湿性の低い炭酸ナトリウムである。
【0041】このような炭酸塩を初めとする発泡性成分
によれば、被洗浄物の収容部に溜まった水中で泡を発生
させることによって水に撹拌作用を付与し、水中で錠剤
成分がより一層早く分散し、有効成分たるスルファミン
酸が速やかに溶解することを助長する効果を奏し、洗浄
効率の向上に寄与する。この観点からは、本発明の錠剤
型スケール除去剤は、スルファミン酸及び糖アルコール
に加えて、発泡性成分として炭酸塩、好ましくは炭酸ナ
トリウムを含有することが好ましい。
【0042】炭酸塩は、前述する圧縮成型前の顆粒に錠
剤成分の一種として混合され、一緒に打錠成型すること
によって錠剤中に含有させることが好ましい。用いられ
る炭酸塩は特に制限されないが、16メッシュ(JIS
規定)の篩を通過する程度の粒度を有するものであるこ
とが好ましい。
【0043】錠剤100重量%あたりに含まれるスルフ
ァミン酸及び炭酸塩の配合量は、特に制限されず必要に
応じて適宜選択変更することができるが、通常はスルフ
ァミン酸が30〜80重量%及び炭酸塩が5〜40重量
%の範囲であり、好ましくはスルファミン酸が50〜8
0重量%及び炭酸塩が10〜20重量%の範囲である。
また、錠剤中のスルファミン酸と炭酸塩との含有比率
は、その総合的な洗浄効果を鑑みて2:1から5:1の
範囲であることが好ましい。
【0044】本発明の錠剤型スケール除去剤は、スルフ
ァミン酸粉末表面に対する糖アルコールの被覆によって
打錠成型特性が向上し、かつ水中での崩壊分散性に優れ
るものであるので、本来的には滑沢剤又は崩壊剤などは
含有していなくてもよいが、それらを排除するものでは
なく、必要に応じて含有することもできる。この場合、
用いられる滑沢剤は、水溶性で滑沢作用に優れるものが
好ましく、例えば、安息香酸ナトリウム、酸化マグネシ
ウム、ホウ酸、ポリエチレングリコールなどが挙げられ
る。
【0045】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例及び参考例に
よって更に詳細に説明するが、本発明は当該実施例に何
ら限定されるものではない。
【0046】実施例1 容量20Lの撹拌造粒機(ショベル回転数230rp
m、チョッパー回転数:3000rpm、レーディゲミ
キサーM20型:松坂技研株式会社製)に10kgのス
ルファミン酸粉末を入れ(粒度:98.2重量%が24
メッシュの篩を通過)、これに、表1に示す割合で調製
した各種のD−ソルビトール水溶液を吸気温度70℃、
排気温度50℃の条件で10分間、噴霧コーティング
し、ついで撹拌造粒機のジャケットを加温し造粒機中の
造粒物の温度が40〜50℃となる条件で、水分含量
0.01〜0.5重量%となるまで乾燥させてD−ソル
ビトールが被覆されたスルファミン粉末から形成されて
なる顆粒(粒度分布:24メッシュを通過しない粒子5
重量%以下、235メッシュを通過する粒子が30重量
%以下)を調製した。
【0047】次いで、この錠剤成分を1錠あたりの重量
が25gとなるように乾式直接打錠法(打錠圧約800
kg/cm2、回転数28rpm:志賀製作所製中型打
錠機使用)により打錠して、各種の錠剤を製造した。
【0048】
【表1】
【0049】これら錠剤について、連続打錠性を調べた
結果を表1に併せて示すが、いずれも連続打錠が1,0
00錠以上可能であり(表中、○で示す)、バインディ
ング、スティッキング、ラミネーション等も見られなか
った。
【0050】また、とりわけ表中◎で示す配合割合から
なる錠剤は、バインディング、スティッキング、ラミネ
ーション等の錠剤成型特性、硬度、発泡性及び溶解性の
いずれの面においても優れていた。
【0051】実施例2 容量20Lの撹拌造粒機(ショベル回転数230rp
m、チョッパー回転数3000rpm:レーディゲミキ
サー:M20型、松坂技研株式会社製)に10kgのス
ルファミン酸粉末を入れ(粒度:98.2重量%が24
メッシュの篩を通過)、これに、3gのD−ソルビトー
ルを125ccの蒸留水に溶解したソルビトール水溶液
を吸気温度70℃、排気温度50℃の条件で10分間、
噴霧コーティングし、ついで撹拌造粒機のジャケットを
加温し造粒機中の造粒物の温度が40〜50℃となる条
件で、水分含量0.01〜0.5重量%となるまで乾燥
させてD−ソルビトールが被覆されたスルファミン粉末
から形成されてなる顆粒(粒度分布:24メッシュを通
過しない粒子5重量%以下、235メッシュを通過する
粒子が30重量%以下)を調製した。
【0052】次いで、この顆粒(錠剤成分1)に表2に
示す割合で錠剤成分2を配合し、1錠あたりの重量が2
5gとなるように乾式直接打錠法(打錠圧約800kg
/cm2、回転数28rpm:志賀製作所製中型打錠機
使用)により打錠して本発明のスケール錠剤を製造し
た。
【0053】得られた錠剤について連続打錠性、錠剤成
型特性(バインディング、スティッキング、ラミネーシ
ョン)、硬度、水中での発泡性及び溶解性について調べ
た。なお、連続打錠性及び硬度は、次のことを基準とし
て評価した(以下、同じ)。
【0054】<連続打錠性>:○ 連続打錠が1,00
0錠以上可能であったもの △ 連続打錠が500錠以上1,000錠未満の範囲で
あったもの × 連続打錠が500錠未満しかできなかったもの <硬 度> :木屋式硬度計で測定 ○ 15kg以上 △ 10kg以上15kg未満 × 10kg未満 結果を表2に併せて示すが、連続打錠性に優れ、またバ
インディング、スティッキング及びラミネーションのい
ずれも認められなかった。また硬度も15kg以上と良
好であった。更に当該錠剤を水中(25℃)に投入する
と、どれも30秒〜2分で発泡及び溶解が終了し、均一
にスルファミン酸等が溶解した水溶液となり、発泡性及
び溶解性においても優れていた。
【0055】
【表2】
【0056】実施例3〜5 実施例2と同様にして、表2に示す配合割合からなる錠
剤型スケール除去剤を調製し、連続打錠性、錠剤成型特
性(バインディング、スティッキング、ラミネーショ
ン)、硬度、水中での発泡性及び溶解性について調べ
た。
【0057】なお、実施例4及び5の錠剤は、撹拌造粒
機として実施例2、3で使用した造粒機に代えてハイス
ピードミキサー(FS−G・2J:深江工業株式会社
製)を用いて調製した。
【0058】結果を表2に併せて示す。表からも分かる
ように、いずれの特性においても優れていることが分か
った。
【0059】比較例1〜4 比較例1〜3はスルファミン酸及びD−ソルビトール並
びにそのほかの錠剤成分2を表3に示す配合割合で混合
し、乾式直接打錠法(打錠圧約800kg/cm2、回
転数28rpm:志賀製作所製中型打錠機使用)により
錠剤型スケール除去剤を調製した。比較例4はローラー
コンパクターによる破砕造粒法(圧縮圧1t/cm2
回転数15rpm:ローラーコンパクターWP−160
×60:ターボ工業株式会社製)により調製されたスル
ファミン酸粒子を用いて比較例1〜3と同様にして錠剤
型スケール除去剤を調製した。
【0060】これらのそれぞれの錠剤について、実施例
2、3と同様に連続打錠性、錠剤成型特性、硬度、発泡
性及び溶解性を調べた。結果を表3に併せて示す。
【0061】
【表3】
【0062】水中での発泡性及び溶解性は各錠剤のいず
れも優れていたが、全ての錠剤が連続打錠性に劣ってい
た。その原因を錠剤特性に基づいて検討した結果、比較
例1〜4のいずれの錠剤にもバインディング及びスティ
ッキングが認められた。また、錠剤の硬度も劣ってい
た。
【0063】参考例1(参考処方1〜5) 表4に記載する配合割合(重量%)でスルファミン酸及
びD−ソルビトールを含有する錠剤(25g)を、乾式
直接打錠法(打錠圧約450kg/cm2:理研精機株
式会社製油圧ポンプ使用)により調製し、連続打錠性、
錠剤特性及び硬度を調べた。結果を表4に併せて示す。
【0064】
【表4】
【0065】なお表中、スルファミン酸SMAG(日産
化学)は、約90重量%が24メッシュの篩いを通過す
る粒度を有するものであり、また各ソルビトールは、D
−ソルビトールG3(東和化成)が約85重量%が48
メッシュの篩いを通過、D−ソルビトール50M(東和
化成)が約90重量%が48メッシュの篩いを通過、D
−ソルビトール20M(東和化成)が約85重量%が2
0メッシュの篩いを通過、D−ソルビトールFP-2 5010
(日研化学)がほぼ全量が42メッシュの篩いを通過、
D−ソルビトールFP-3 100M(日研化学)が約97重量
%が100メッシュの篩いを通過する程度の粒度を有す
るものである。
【0066】参考例2(参考処方6〜9) 参考例1においてどれも連続打錠することができなかっ
たため、その原因となるバインディングを防ぐため、表
5に示すように滑沢剤を配合した処方で上記と同様にし
て錠剤を調製し、打錠試験を行った。
【0067】
【表5】
【0068】参考処方1〜5よりも、バインディングは
軽減されていたが、依然連続打錠することはできなかっ
た。
【0069】参考例3 D−ソルビトールは水中での溶解性に優れるものの、参
考例1及び2に示すようにスルファミン酸錠剤の結合剤
としては結合力が劣るため、直接打錠式で錠剤を調製す
る場合、その硬度を確保するためにはD−ソルビトール
を多く配合する必要がある。そこで、表6に記載する配
合割合でスルファミン酸、D−ソルビトール及び滑沢剤
として安息香酸ナトリウムを含有する錠剤(25g)
を、乾式直接打錠法(打錠圧約450kg/cm2:理
研精機株式会社製油圧ポンプ使用)により調製し、D−
ソルビトールの配合割合と錠剤の硬度及び打錠における
臼からの排出時間との関係を見た。
【0070】
【表6】
【0071】結果を図1に示す。図から分かるように、
D−ソルビトール量を増やすことにより錠剤の硬度は増
すが、一方、それに伴って錠剤の排出時間が延長され、
連続生産が困難となることが判明した。
【図面の簡単な説明】
【図1】D−ソルビトールの配合割合と錠剤の硬度及び
打錠における臼からの排出時間との関係を示す図であ
る。尚、図中、棒グラフは排出時間(秒)を、折れ線グ
ラフは錠剤の硬度(kg)をそれぞれ示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 5/00 - 5/14 C11D 7/60 C09K 3/00 C23F 14/02 B01J 2/00 - 2/30 JICSTファイル(JOIS) WPI/L(QUESTEL)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スルファミン酸を有効成分とする錠剤型の
    スケール除去剤であって、錠剤に含まれるスルファミン
    酸粉末粒子の表面が実質的に糖アルコールで被覆されて
    なることを特徴とする錠剤型スケール除去剤。
  2. 【請求項2】上記スルファミン酸粉末粒子が16メッシ
    ュ(JIS規格)の篩を通過する程度の粒度を有するも
    のであることを特徴とする請求項1記載の錠剤型スケー
    ル除去剤。
  3. 【請求項3】糖アルコールが、ソルビトール、マンニト
    ール、マルチトール及びエリトリトールからなる群から
    選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求
    項1又は2記載の錠剤型スケール除去剤。
  4. 【請求項4】錠剤中、乾燥基準で糖アルコールを0.0
    1〜5重量%程度の範囲で含むことを特徴とする請求項
    1乃至3のいずれかに記載の錠剤型スケール除去剤。
  5. 【請求項5】錠剤成分として更に炭酸塩を含有すること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の錠剤型
    スケール除去剤。
  6. 【請求項6】錠剤100重量%中に、スルファミン酸を
    30〜80重量%、炭酸塩を5〜40重量%の割合で含
    有することを特徴とする請求項5記載の錠剤型スケール
    除去剤。
  7. 【請求項7】16メッシュ(JIS規格)の篩を通過す
    るスルファミン酸粉末に、糖アルコール溶液を、最終錠
    剤に糖アルコールが0.01〜5重量%(乾燥基準)含
    まれるように噴霧もしくは混合する工程、これを乾燥し
    て糖アルコール被覆スルファミン酸粉末粒子を含む顆粒
    を調製する工程、及び該顆粒を含む錠剤成分を打錠成型
    する工程を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいず
    れかに記載の錠剤型スケール除去剤の製造方法。
  8. 【請求項8】糖アルコール被覆スルファミン酸粉末粒子
    を含む顆粒を調製する工程で調製された顆粒に、炭酸塩
    を含む錠剤成分を混合し、得られた錠剤成分を打錠成型
    することを特徴とする請求項7記載の錠剤型スケール除
    去剤の製造方法。
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