JP3059477B2 - 抗寄生虫剤として有用な13―エピ―アベルメクチン誘導体 - Google Patents

抗寄生虫剤として有用な13―エピ―アベルメクチン誘導体

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Description

【発明の詳細な説明】 アベルメクチン(以前にはC−076と呼ばれていた)
は、ストレプトマイセスアメルミチリス(Streptomyces
avermitilis)のアベルメクチン産業株の発酵によって
産生される一連の化合物及びその誘導体である。上記培
養株の形態的特性は米国特許第4,310,519号に詳細に記
載されている。アベルメクチンの産生、分離及び構造決
定はアルバース−ションバーグ(Albers−Schonbeg)等
J.Am.Chem.Soc.1981年、第103巻、4216〜4221頁に詳細
に記載されており、本明細書に引用する。天然アベルメ
クチンのイベルメクチンとして知られる強力な広範囲ス
ペクトル駆虫剤である22,23−ジヒドロアベルメクチンB
1への変換も文献に記載されている(チャバラ(Chabal
a)等J.Med.Chem.1980年、第23巻、1134〜1136頁)。天
然アベルメクチン及びその本発明の誘導体は非常に高い
駆虫活性及び抗寄生虫活性を持つ。
天然アベルメクチンは一連の巨大環状ラクトンであ
り、それぞれの13位は2個のオレアンドロース残基から
なるジサッカライドで置換されている。13位のジサッカ
ライド部分が除去されて遊離ヒドロキシ基が残っている
合成アベルメクチンアグリコンの製造及び特性は、ムロ
ツィク(Mrozik)等J.Org.Chem.1982年、第47巻、489〜
492頁及びチャバラ(Chabala)等J.Med.Chem.1980年、
第23巻、1134〜1136頁に記載されている。天然化合物は
次の一般式を有する。
(式中破線は単結合又は二重結合を示し;かつ R1はヒドロキシであり、該破線が単結合を示すときだ
け存在し; R2はイソプロピル又はsec−ブチルであり;そして R3はメトキシ又はヒドロキシである。) アベルメクチン天然化合物には8つの異なる種類のも
のがありA1a、A1b、A2a、A2b、B1a、B1b、B2a及B2bとい
う名称を与えられている。これらの名称は下記の表に示
される個々の化合物の構造に基づいている(前述の構造
式に関して)。
アベルメクチンは一般にa及びb成分の混合物として
単離される(典型的にはa80%及びb20%)。この
2種の化合物はR2置換基の種類が異なるだけであり、こ
の構造上の小さな違いはこれらの化合物の化学反応性又
は生物活性に対してほとんど影響を与えないということ
がわかっている。従ってa及びb成分はクロマトグラフ
ィーによって各々別の成分から分離することができる
が、これは必要ではないために通常行なわれない。a及
びb成分の混合物の存在は化合物の名称からa又はbを
落して示される。従ってアベルメクチンB1a及びアベル
メクチンB1bの混合物はアベルメクチン1と呼ばれる。
天然産物の関連系はミルベマイシンとして知られてい
る。ミルベマイシンは、アベルメクチンと同じ基本構造
を有するが、13位に置換基がなく、25位にメチル又はエ
チル基を有する(R2はアベルメクチンの場合のイソプロ
ピル又はsec−ブチルよりむしろメチル又はエチルであ
る)。ミルベマイシン及びそれらを製造するために用い
られる発酵条件は、米国特許第3,950,360号に記載され
ている。密接に関連する13−デオキシ−アベルメクチン
アグリコンは、天然アベルメクチンの化学変性によって
製造され、米国特許第4,171,134号及び同第4,173,571号
に記載されている。
最近多数の関連化合物が欧州特許出願第170,006号及
び英国特許出願第2,166,436号(カーター(Carter)等
J.抗生物質、1988年、第41巻、519〜529頁)に記載され
ている。これらの化合物は実質的に13−デオキシ−アベ
ルメクチンアグリコンであり、R2側鎖は二重結合を含
み、ある場合には追加の炭素原子を包含する。最後に最
近の欧州特許出願第235085号は種々のミルベマイシンの
13−β−グリコシルオキシ類似体への変換を記載してい
る。
本発明は、13位の立体化学が天然立体化学の正反対で
ある特定のアベルメクチン誘導体と、これらの誘導体の
抗寄生虫剤としての用途に関する。従って本発明の目的
は、これらのアベルメクチン誘導体を記載することであ
る。更に本発明の目的は、これらの化合物の製造方法を
記載することである。また更に目的は、寄生虫病の治療
及び予防に於ける本発明の抗寄生虫剤としての用途を記
載することである。また更に目的は、本発明の新規な化
合物を有効成分として含む寄生虫病治療のための組成物
を記載することである。更に目的は次の記載から明らか
になるであろう。
本発明の化合物は、次の構造で最も良く表わされる。
(式中、破線は22,23位の単結合又は二重結合を示し; R4″=OH、NH2、NH−低級アルキル、NH−低級アルカ
ノイル; R5=OH、オキシム、OCH3; R23=H、OH、但し破線が二重結合を示す場合R23はOH
ではなく、かつ R25=低級アルキルである) 本発明に於て“低級アルキル”は直鎖あるいは分枝鎖
の1〜7個の炭素原子を有するアルキル基を含むものと
する。このような低級アルキル基の具体例はメチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチ
ル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル等である。
“低級アルカノイル”という用語は直鎖あるいは分枝
鎖の1〜7個の炭素原子を有するアルカノイルを含むも
のとする。このような低級アルカノイル基の具体例はホ
ルミル、アセチル、プロピオニル、イソプロピオニル、
ブチリル、sec−ブチリル、ペンタノイル、ヘキサノイ
ル、ヘプタノイル等である。
本発明の好適な化合物は R4″=OH、NH2、NH−低級アルキル、NH−低級アルカ
ノイル; R5=OH、オキシム、OCH3; R23=H、OH; R25=低級アルキルであり;かつ 破線が単結合又は二重結合を示す(但しR4″=OH及び
R23=Hの場合単結合を示さない) ときに実現される。
本発明の更に好適な化合物は、 R4″=OH、NH2、NH−低級アルカノイル; R5=OH; R23=H、OH; R25=イソプロピル又はsec−ブチルであり;かつ 破線が単又は二重結合を示す ときに実現される。
本発明のまた更に好適な化合物は、 R4″=OH、NH−低級アルカノイル; R23=H、OHであり;かつ 破線が単又は二重結合を示す ときに実現される。
本発明の最も好適な化合物は、 R4″=OH、NH−アセチル; R23=H、OHであり;かつ 破線が単又は二重結合を示す ときに実現される。
本発明の好適な化合物の具体例は次の通りである。
13−エピ−アベルメクチンB1 13−エピ−アベルメクチンB2 13−エピ−アベルメクチンA1 13−エピ−アベルメクチンA2 4″−デオキシ−4″−アミノ−13−エピ−アベルメク
チンB1 4″−エピ−アミノ−4″デオキシ−13−エピ−アベル
メクチンB1 4″−アミノ−4″デオキシ−13−エピ−22,23−ジヒ
ドロ−アベルメクチンB1 4″−エピ−アミノ−4″デオキシ−13−エピ−22,23
−ジヒドロ−アベルメクチンB1 4″−アミノ−4″デオキシ−13−エピ−アベルメクチ
ンB2 4″−エピ−アミノ−4″デオキシ−13−エピ−アベル
メクチンB2 4″−メチルアミノ−4″デオキシ−13−エピ−アベル
メクチンB1 4″−エピ−メチルアミノ−4″デオキシ−13−エピ−
アベルメクチンB1 4″−メチルアミノ−4″デオキシ−13−エピ−22,23
−ジヒドロ−アベルメクチンB1 4″−エピ−メチルアミノ−4″デオキシ−13−エピ−
22,23−ジヒドロ−アベルメクチンB1 4″−メチルアミノ−4″デオキシ−13−エピ−アベル
メクチンB2 4″−エピ−メチルアミノ−4″デオキシ−13−エピ−
アベルメクチンB2 4″−アセチルアミノ−4″デオキシ−13−エピ−アベ
ルメクチンB1 4″−エピ−アセチルアミノ−4″デオキシ−13−エピ
−アベルメクチンB1 4″−アセチルアミノ−4″デオキシ−13−エピ−22,2
3−ジヒドロ−アベルメクチンB1 4″−エピ−アセチルアミノ−4″デオキシ−13−エピ
−22,23−ジヒドロ−アベルメクチンB1 4″−アセチルアミノ−4″デオキシ−13−エピ−アベ
ルメクチンB2 4″−エピ−アセチルアミノ−4″デオキシ−13−エピ
−アベルメクチンB2 13−エピ−アベルメクチンB1−5−オキシム 13−エピ−アベルメクチンB2−5−オキシム 出発物質の製造 本発明の出発物質はアルバース−ションバーグ等、J.
Am.Chem.Soc.1981年、第103巻、4216〜4221頁、本明細
書に引用する(天然アベルメクチン)、チャバラ等、J.
Med.Chem.1980年、第23巻、1134〜1136頁(22,23−ジヒ
ドロ−アベルメクチンB1(イベルメクチン)及び22,23
−ジヒドロ−アベルメクチンB1−アグリコン)、ムロツ
ィク等、J.Org.Chem.1982年、第47巻、489〜492頁(ア
ベルメクチンアグリコン)、ムロツィク等、J.Med.Che
m.、1989年、第32巻、375〜381頁(13−エピ−アベルメ
クチンアグリコン)、リン(Linn)等、米国特許第4,58
7,247号及びブリザード(Blizzard)等、J.Org.Chem.19
89年、第54巻、1756頁(アベルメクチンジサッカライ
ド)に開示される。
本発明の新規な化合物は次の方法によって製造され
る。
本化合物はジサッカライド単位を13−エピ−アベルメ
クチンアグリコンに結合することによって製造される。
ジサッカライドの結合は銀、スズ、水銀、銅等の種々の
金属の1種以上の塩の存在下、アグリコンをフッ化グリ
コシル又は他のハロゲン化物と反応させるといった種々
のグリコシル化方法によって行なうことができる。別の
方法としては、N−ブロモスクシンイミド、N−ヨード
スクシンイミド、トリフルオロメタン−スルホン酸無水
物等の活性化親電子試薬又はトリフルオロメタンスルホ
ン酸銀、過塩素酸銀,硝酸水銀、塩化スズ等の金属塩又
は活性化親電子試薬と金属塩の組合わせの存在下アグリ
コンとグリコシルフェニルスルフィド又はグリコシルピ
リジルスルフィド又はグリコシルフェニルスルホキシド
の反応がある。更に別の方法は13−エピ−アグリコンと
ジサッカライドグリカール(ビニルエーテル)と親電子
活性化剤、例えばN−ヨードスクシンイミド又は酸例え
ば、トルエンスルホン酸、ピリジニウムトルエンスルホ
ネート等の反応である。
この方法は次の反応図式で例示される。
(式中Rはハロゲン、ピリジルチオ、フェニルチオ、フ
ェニルスルホキシ又はフェニルスルホニルであり、R5
R23、R25及びR4″は上で定義した通りである(第二ヒド
ロキシル遊離基が以下に記載されるう通り保護されるも
のを除く。) アグリコンとグリコシルピリジルスルフィド又はフッ
化グリコシルの反応が好適である。グリコシルピリジル
スルフィドはジクロロメタン、クロロホルム、ベンゼ
ン、トルエン等の非求核溶媒中ジサッカライド(遊離ア
ノマーOH)の溶液をジピリジルジスルフィド、例えば2,
2−ジピリジルジスルフィド等とトリ−アリールホスフ
ィン又はトリ−アルキルホスフィン、例えばトリブチル
ホスフィン又はトリフェニルホスフィン等で0〜35℃の
温度に於て1乃至48時間処理して製造される。当業者に
既知の標準手法を用いて反応液を処理し、グリコシルピ
リジルスルフィドを分離、精製する。ジクロロメタン中
ジサッカライドと2,2′−ジピリジルジスルフィドとト
リブチルホスフィンの室温に於ける反応が好適である。
グリコシル化反応は、アセトニトリル、エーテル、テト
ラヒドロフラン(THF)、クロロホロム、アセトン等の
非求核溶媒中グリコシルピリジルスルフィドの溶液を、
同じ溶媒中の13−エピ−アグリコンの溶液と、1種以上
の金属塩、例えばトリフルオロメタンスルホン酸銀、過
塩素酸銀、塩化スズ、硫酸スズ、塩化水銀、硫酸同、臭
化銅等からなる反応混合液に分子篩を加えて又は加えず
に−20℃から室温までの温度で15分から48時間加えるこ
とによって行なわれる。当業者に既知の標準手法を用い
て反応液を処理し、生成物を分離、精製する。トリフル
オロメタンスルホン酸銀の存在下アセトニトリル中アグ
リコンとグリコシルピリジルスルフィドの反応が好適で
ある。フッ化グリコシルは、ジクロロメタン、クロロホ
ルム等の非求核性溶媒中のジサッカライド(遊離アノマ
ーOH)の溶液を、三フッ化ジエチルアミノイオウ(DAS
T)、三フッ化ジメチルアミノイオウ(メチルDAST)等
の強フッ化剤で−40℃から室温までの温度で5分から1
時間処理して製造される。当業者に既知の標準手法を用
いて反応液を処理し、フッ化グリコシルを分離精製す
る。またフッ化グリコシルは、グリコシルフェニルスル
フィド(ジサッカライドとフェニルジスルフィドとトリ
ブチル−又はトリフェニル−ホスフィンと不活性溶媒、
例えばベンゼン又はジクロロメタン中室温で1〜24時間
反応させて製造する)をDASTと親電子活性化剤例えばN
−ブロモスクシンイミド、N−ヨードスクシンイミド等
でジクロロメタン、クロロホルム等の非求核溶媒中−40
℃から室温までの温度で5分から1時間処理して製造す
ることができる。当業者に既知の標準手法を用いて反応
液を処理しフッ化グリコシルを分離、精製する。ジサッ
カライドとDASTのジクロロメタン中、室温に於ける反応
が好適である。グリコシル化反応はエーテル、テトラヒ
ドロフラン(THF)、クロロホルム、アセトン等の非求
核溶媒中フッ化グリコシルの溶液を同じ溶媒中アグリコ
ンの溶液と1種以上の金属塩、例えば過塩素酸銀、トリ
フルオロメタンスルオン酸銀、塩化スズ、硫酸スズ、塩
化水銀、硫酸銅等からなる反応混合液に分子篩を加えて
又は加えずに−20℃から室温までの温度で15分から48時
間まで加えることによって行なわれる。当業者に既知の
標準手法を用いて反応液を処理し、生成物を分離、精製
される。過塩素酸銀、塩化スズ(II)及び3A分子篩の存
在下、エーテル中でのアグリコンとグリコシルフルオリ
ドの反応が好適である。
必要な13−エピ−アベルメクチンアグリコンは、対応
するアベルメクチンアグリコンの13位の立体化学の反転
によって製造することができる(例えば13−エピ−アベ
ルメクチンB2アグリコンはアベルメクチンB2アグリコン
の13位の反転によって製造される)。アベルメクチンア
グリコンの製造は、上で引用した文献に詳細に記載され
ている。反転は13位の脱離基、例えばトシレート、メシ
レート、O−ニトロベンゼン−スルホネート等(アグリ
コンと対応する塩化スルホニルを当業者に既知の標準手
法を用いて反応させて製造する)を酸素求核基例えば硝
酸塩、炭酸塩、カルボン酸塩、過酸化物等でエーテル、
テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ベンゼン
等の非求核溶媒中、室温から溶媒の還流温度までの温度
で1〜24時間求核置換するか又は前述の脱離基をハロゲ
ン化物求核基、例えばヨウ化物、臭化物等でエーテル、
テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ベンゼン
等の非求核溶媒中、室温から溶媒の還流温度までの温度
で1〜48時間置換することを含む多くの方法によって達
成することができる。得られたハロゲン化物(ここでは
13−エピ立体化学を有する)は、次の水との加溶媒分解
反応中脱離基として役立ち、テトラヒドロフラン、エー
テル、ベンゼン等の溶媒中、ハロゲン化物の溶液を水で
銀塩、例えばトリフルオロメタンスルホン酸銀、テトラ
フルオロホウ酸銀、硝酸銀等を加えて又は加えずに0℃
から溶媒の還流温度までの温度で15分から24時間処理し
て行なうことができる。また13−エピ−アグリコンは13
−ケトン誘導体(アグリコンをDMSO/塩化オキサリルの
ようなDMSOに基づく試薬又はピリジニウムクロロクロメ
ートのようなクロムに基づく試薬で当業者によく知られ
た方法を用いて酸化することにより製造する)を適当な
還元剤、例えばナトリウムボロヒドリド、ジボラン、リ
チウムトリ−t−ブトキシアルミニウムヒドリド等でメ
タノール、エタノール、エーテル等の溶媒中、0℃から
室温までの温度で15分から24時間還元して製造すること
ができる。13−トシレートをヨウ化カリウムとジメチル
ホルムアミド中で反応させ、次に得られた13−エピ−ヨ
ージドを水とテトラヒドロフラン中でトリフルオロメタ
ンスルホン酸銀又はテトラフルオロホウ酸銀を加えて反
応させることにより加溶媒分解してアグリコンを13−エ
ピ−アグリコンに転化するのが好ましい。当業者に既知
の標準方法を用いて反応液を処理し、13−エピ−アグリ
コンを分離、精製する。
13−エピ−アグリコンの製造(13位の立体化学の反転
による)中及びジサッカライドの13−エピ−アグリコン
への結合中分子内の第二ヒドロキシル基(注、7位に存
在する第三ヒドロキシルを保護する必要はない)を反応
が達成された後除去することができる保護基で保護する
ことが必要である。適当な保護基としてはtert−ブチル
ジメチルシリル、tert−ブチルジフェニルシリル、フェ
ノキシアセチル、アセチル等がある。tert−ブチルジメ
チルシリル基が好ましく、ジメチルホルムアミド(DM
F)中アルコールの溶液を過剰のイミダゾールとシリル
化試薬、例えば塩化tert−ブチルジメチルシリル、tert
−ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホネー
トで25〜50℃の温度で4〜48時間処理して導入される。
次いで当業者に既知の標準手法を用いて反応液を処理
し、生成物を分離、精製する。保護基はピリジン/テト
ラヒドロフラン溶媒混合液中フッ化水素の溶液で処理し
て除去することができる。また保護基はメタノール中p
−トルエンスルホン酸(0.5〜2%)の溶液で0〜25℃
に於て0.5〜8時間処理して除去することができる。ピ
リジン/テトラヒドロフラン中フッ化水素による脱保護
が好適である。両方の場合共反応処理及び生成物分離、
精製は当業者によく知られた標準手法による。
アミノ置換基はアベルメクチンに存在する4″−ヒド
ロキシル基を酸化して順次製造される4″−ケトンを還
元アミノ化して4″位に導入することができる。アミノ
置換基はジサッカライドをアグリコンにカップリングす
る前にあるいは後に導入することができる(所望により
アシル化する)(カップリング前の導入が好ましい)。
C−4″のヒドロキシル基の酸化中、上述の通り分子内
の第二ヒドロキシル基を保護することが必要である(7
位に存在する第三ヒドロキシルを保護する必要はな
い)。アグリコンにカップリングする前にジサッカライ
ドについて酸化が行なわれる場合には、上述の通りジサ
ッカライドをグリコシルフェニルスルフィド(後にグリ
コシル化のフッ化グリコシルに変換することができる)
に変換してアノマ−ヒドロキシルを保護することができ
る。保護された第二ヒドロキシル基により、4″位のヒ
ドロキシル基は種々の方法で酸化してアミノ及びアシル
アミノ類縁体への変換に必要なケトン誘導体を得ること
ができる。このヒドロキシル基の酸化はスウェルン(又
はモファット)酸化として当業者に一般に知られている
ジメチルスルホキシド(DMSO)に基づく系(DMSO−塩化
オキサルリ、DMSO−酢酸無水物、DMSO−トリフルオロ酢
酸無水物等)での酸化並びにクロムに基づく試薬(ピリ
ジニウムクロロクロメート、ピリジニウムジクロメート
等)での酸化又は当業者に既知の他の方法を含む種々の
酸化方法を用いて行なうことができる。DMSOに基づく酸
化が好適である。酸化試薬はジクロロメタン、クロロホ
ルム、エーテル(好適)、テトラヒドロフラン等の非求
核溶媒中DMSOの溶液を親電子活性化剤例えば塩化オキサ
リル(好適)、ジシクロヘキシル−カルボジイミド(DC
C)、ホスゲン等で−90〜−55℃の温度に於て処理し、
こうして生成した混合液をこの温度で10〜90分間攪拌し
て生成される。こうして生成した酸化試薬に試薬を生成
するのに使用した溶媒中アルコールの溶液を同じ温度で
加える。この溶液を−90〜−55℃の温度で10〜90分間撹
拌し、次いでトリエチルアミン、ジイソプロピルエチル
アミン等の障害アミンを加える。温度を0〜30℃に上
げ、混合液をこの温度で10〜90分間撹拌する。次いで当
業者に既知の標準手法を用いて反応液を処理し、生成物
を分離、精製する。
こうして生成した4″−ケトン官能基はアミノ置換基
を還元アミノ化反応により4″位に導入するために使用
することができる。還元アミノ化は4″位の可能な両立
体異性体(4″−α−アミノ及び4″−β−アミノ)か
らなるアベルメクチン混合物を生じ、本明細書では4″
−アミノ−アベルメクチンと呼ぶ。還元アミノ化はメタ
ノール、エタノール等のアルコール溶媒中ケトンの溶液
をアンモニウム塩例えば酢酸アンモニウム(好適)、ギ
酸アンモニウム、安息香酸アンモニウム等で−25〜25℃
の温度で15〜60分間処理し、次いで得られた混合液にナ
トリウムシアノボロヒドリドを加え、0〜30℃の温度で
30〜90分間攪拌して達成される。次いで当業者に既知の
標準手法を用いて反応液を処理し生成物を分離、精製す
る。この反応液は、上記方法の酢酸アンモニウムの代わ
りにアルキルアンモニウム塩に置き換えて4″位をアル
キルアミノ基で置換したアベルメクチン誘導体を製造す
ることにより変性することができる。
上述した通り製造したアミノ(又はアルキルアミノ)
置換誘導体はアシル化してアシルアミノ類縁体を得るこ
とができる。アシル化はジクロロメタン、クロロホルム
等のハロゲン化溶媒中4″−アミノ又は4″−アルキル
アミノ類縁体の溶液を1モル当量のアシル化剤、例えば
塩化アルカノイル(好適)臭化アルカノイル、ジシクロ
ヘキシルカルボジイミドと併用したアルカン酸等でトリ
エチルアミン、ピリジン等の塩基の存在下でジメチルア
ミノピリジンのような求核触媒を加えて又は加えずに−
10〜35℃の温度で15〜24時間処理して達成される。次い
で当業者に既知の標準手法を用いて反応液を処理し生成
物を分離、精製する。尚、アシル化が窒素で選択的に生
じるほどアミノ官能基が十分に反応性である場合には、
アシル化反応中分子内の第二アルコールを保護する必要
はない。
5位のオキシムは5−ケトンにより生成することがで
きる。このケトンは化合物を5−ヒドロキシル基で上述
の酸化方法の1つを用いて酸化して製造することができ
る。二酸化マンガンによる酸化が好適である。酸化はベ
ンゼン、ジクロロメタン、クロロホルム、テトラヒドロ
フラン等の非ヒドロキシル溶媒中アルコールの溶液を過
剰の二酸化マンガンで25℃から溶媒の還流温度までの温
度で4〜48時間処理して行なわれる。当業者に既知の標
準手法を用いて生成物を単離、精製する。こうして生成
したケトンは多くの方法によってオキシム又はアルコキ
シムを製造するために使用することができる。一般に過
剰のヒドロキシルアミン塩酸塩又は適当なアルコキシル
アミン塩酸塩(メトキシムに対してはメトキシルアミン
塩酸塩等)をピリジン中ケトンの溶液に加えてこの溶液
を0〜50℃の温度で3〜36時間攪拌する。またアミン塩
酸塩をベンゼン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジ
クロロメタン、エタノール等の中性溶媒中ケトンの溶液
に加え、次に1モル当量の塩基例えば酢酸ナトリウム、
水酸化ナトリウム、トリエチルアミン等を加える。得ら
れた混合液を0〜50℃の温度で3〜36時間攪拌する。い
ずれの場合も当業者に既知の標準手法を用いて反応液を
処理し、生成物を分離、精製する。
本発明の化合物はヒト、動物及び植物に於て多くの寄
生虫病の原因となる内部及び外部寄生虫、特に蠕虫及び
節足動物に対して予期し得ないほどに強力な抗寄生虫剤
である。更に本化合物は対応する13位に天然の立体化学
を有する化合物よりも哺乳類に対して予期し得ないほど
に毒性が低い。
寄生虫病は内部寄生虫あるいは外部寄生虫によって引
き起こされる。内部寄生虫は、宿主の体内、器官(例え
ば胃、肺、心臓、腸等)内あるいは単に皮下に生息する
寄生虫である。外部寄生虫は宿主の外側の面に寄生する
が宿主から栄養素を引き出す寄生虫である。
一般に蠕虫病と称される内部寄生虫病は宿主が蠕虫と
して知られる寄生虫に感染することによる。蠕虫病は家
畜例えば豚、羊、馬、牛、山羊、犬、猫及び家禽の感染
のために広範且つ深刻な経済的問題である。これらの感
染の多くは世界中の多種の動物に病気を引き起こす線虫
と称される群の蠕虫が原因である。これらの病気はしば
しば深刻であり、感染した動物の死をもたらす。上に挙
げた動物に感染する最も普通の属の線虫は捻転胃虫(Ha
emonchus)属、毛様線虫(Trichostrongylus)属、オス
テルタジア(Ostertagia)属、ネマトディルス属(Nema
todirus)属、クーペリア属(Cooperia)属、回虫(Asc
avis)属、ブノストムム(Bunostomum)属、腸結節虫
(Oesophagostomum)属、カベルチア(Chabertia)属、
鞭虫(Trichuris)属、円虫(Strongylus)属、トリコ
ネマ(Trichonema)属、ディクトカウルス(Dictycaulu
s)属、毛頭虫(Capillaria)属、ヘテラキス(Heterak
is)属、トキソカラ(Toxocara)属、アスカリディア
(Ascaridia)属、蟯虫(Oxyuris)属、鉤虫(Ancylost
oma)属、ウンシナリア(Uncinaria)属、イヌ小回虫
(Taxascaris)属及びウマ回虫(Parascaris)属であ
る。多くの寄生虫は種特異性であり(1宿主にだけ感染
する)、ほとんどが動物内に好ましい感染部位を持って
いる。従って捻転胃虫属及びオステルタジア属は主とし
て胃に感染するが、ネマトディルス属及びクーペリア属
はほとんど腸管を攻撃する。別の寄生虫は心臓、眼、
肺、血管等に残ることを好むがまた別のものは皮下に寄
生する。蠕虫病は虚弱、体重減少、貧血、腸管損傷、栄
養失調及び他の器官の損傷を招く。治療せずに放置した
場合には、これらの病気は動物の死に至る。
マダニ類、ダニ類、シラミ類、サシバエ類、ツノサシ
バエ類、クロバエ類、ノミ類等の外虫寄生虫節足動物に
よる感染も深刻な問題である。これらの寄生虫による感
染は血液の損失、皮膚発疹を生じ、正常な食習慣を妨げ
て体重減少の原因となる。これらの感染はまた致死に至
る重篤な病気例えば脳炎、アナプラズマ感染症、仮痘等
の伝染を引き起こす。
1種の寄生虫が動物を衰弱させ、第2の寄生虫による
感染にかかりやすくなるために動物は同時に数種の寄生
虫に感染してしまう。従って広範囲スペクトルの活性を
有する化合物がこれらの病気の治療には特に有利であ
る。本発明の化合物は、これらの寄生虫に対して予想外
に高い活性を持ち、更に犬に於けるイヌ糸状虫(Dirofi
laria)、げっ歯目動物に於けるネマトスピロイデス(N
ematospiroides)やシファシア(Syphacia)、咬み型昆
虫及び移動性双翅類幼虫即ち牛に於けるヒフバエ(Hypo
dermasp.)や馬に於けるウマバエ(Gastrophilus)に対
しても有効である。
本発明の化合物はヒトに寄生虫病を引き起こす内部及
び外部寄生虫に対しても有用である。人に感染する内部
寄生虫の具体例としては鉤虫属、アメリカ鉤虫(Necato
r)属、回虫属、ストロンギロイデス(Strongyloides)
属、旋毛虫(Trichinella)属、毛頭虫属、鞭虫属及び
蟯虫(Enterobius)属の胃腸管寄生虫がある。人に感染
する他の内部寄生虫は血液中又は他の器官に於て見られ
る。このような寄生虫の具体例としてはフィラリア性蠕
虫、ブケレリア(Wucheria)属、ブルギア(Brugia)
属、オンコセルカ(Onchocerca)属等並びに腸内蠕虫ス
トロンギロイデス属及び旋毛虫属の腸管外時期がある。
人に寄生する外部寄生虫としては、マダニ類、ノミ類、
ダニ類、シラミ類等の節足動物があり、これらの寄生虫
による感染は家畜のように重篤な致死に至る病気の伝染
を引き起こす。本化合物はこれらの内部及び外部寄生虫
に対して有効であり、更に咬み型昆虫及び人を悩ませる
他の双翅類に病害虫に対しても有効である。
本化合物はまた一般の家庭内病害虫例えばチャバネゴ
キブリ(Blatella sp.)(ゴキブリ)ティネオラ種(Ti
neola sp.)(イガ)、アッタゲヌス種(Attagenus s
p.)(ヒメマルカツブシムシ)、ムスカドメスティカ
(Musca domestica)(イエバエ)及びソレノプシスイ
ンビクタ(Solenopsis Invicta)(移入されたアカア
リ)に対して有用である。
更にその上本化合物は農業上の病害虫例えばアリマキ
(Acyrthiosiphon sp.)、イナゴ、ワタミゾウムシや貯
蔵中の穀物を攻撃する昆虫性病害虫例えばトリボリウム
種(Tribolium sp.)や植物組織に生息する昆虫の未成
熟期のものに対して有用である。本化合物は農業上重要
なことである土中の線虫の制御のための線虫駆除剤とし
ても有用である。
本化合物を動物に対して抗寄生虫剤として用いる場合
には、経口あるいは注射により内科的に又は液状ドレン
チ又はシャンプーとして局所的に投与することができ
る。
経口投与の場合、本化合物はカプセル剤、錠剤又は大
型丸剤として投与することができ、また動物飼料中に混
合することができる。カプセル剤、錠剤及び大型丸剤は
有効成分を適当な媒体賦形剤、例えばデンプンタルク、
ステアリン酸マグネシウム又はリン酸二カルシウムと混
合して含む。これらの単位投薬形は有効成分を希釈剤、
充填剤、崩壊剤及び/又は結合剤を含む適当に微粉砕さ
れた不活性成分と均一な混合液が得られるように緊密に
混合して調製される。不活性成分は本化合物と反応せ
ず、治療される動物に無毒であるものである。適当な不
活性成分はデンプン、乳糖、タルク、ステアリン酸マグ
ネシウム、植物ゴム質及び油状物等を含む。これらの処
方は治療される動物の種類のサイズと型及び感染の型と
程度といった多くの因子により広く変化し得る量の活性
及び不活性成分を含むことができる。有効成分は化合物
を飼料に単に混合するか又は化合物を飼料面に適用する
ことによる飼料への添加物として投与することもでき
る。また有効成分を不活性媒体と混合し、次いで得られ
た組成物を飼料と混合するかあるいは動物に直接与える
かする。適当な不活性媒体としてはコーンミール、シト
ラスミール、発酵残留物、あらびき大豆、乾燥穀物等が
ある。有効成分はこれらの不活性媒体とグラインディン
グ(grinding)、スターリング(stirring)、ミリング
(milling)又はタンブリング(tumbling)により最終
組成物が0.001〜5重量%の有効成分を含むように緊密
に混合される。
本化合物はまた不活性液体媒体に溶解した有効成分か
らなる処方を注射により非経口的に投与することができ
る。筋肉内、管内、気管内あるいは皮下注射であること
ができる。注射用処方は、適当な不活性液体媒体と混合
した有効成分からなる。使用し得る液体媒体としては植
物油例えば落花生油、綿実油、ゴマ油等並びに有機溶
媒、例えばソルケタール、グリセリンホルマール等があ
る。別のものとしては水性非経口処方も使用することが
できる。植物油は好適な液状媒体である。これらの処方
は有効成分を液状媒体に最終処方が0.005〜10重量%の
有効成分を含むように溶解又は懸濁させて調製される。
本化合物の局所適用は本化合物を水溶液又は懸濁液と
して含む液状ドレンチ又はシャンプーの使用により可能
である。これらの処方は一般に懸濁剤例えばベントナイ
トを含み、通常抗発泡剤を含む。0.005〜10重量%の有
効成分を含む処方が使用可能である。好適な処方は0.01
〜5重量%の本化合物を含むものである。
本化合物は主として、牛、羊、馬、犬、猫、山羊、豚
及び家禽のような家畜の蠕虫病の治療及び/又は予防に
抗寄生虫剤として有用である。またこれらの動物のマダ
ニ類、ダニ類、シラミ類、ノミ類等の外部寄生虫による
寄生虫感染の予防及び治療にも有用でもある。このよう
な感染を治療するために本発明の化合物は、他の関連の
ない抗寄生虫剤と別々に又は互いに混合して使用するこ
とができる。最良の結果を得るための本化合物の投薬量
は、動物の種類とサイズ、感染の型と程度、投与方法及
び使用される化合物といったいくつかの因子による。一
般に、良い結果は本化合物を経口投与する場合で、動物
の体重1kg当り0.0005〜10mgの投与量水準で1度にある
いは2、3日の間隔をとって分割して与えられる。本化
合物の1種を1回投与して通常優れた制御を得るが、再
感染又は異常に持続する寄生虫種を駆除するために繰り
返し投与することができる。これらの化合物を動物に投
薬する手法は家畜治療界に於ては知られている。
本発明の化合物はまた生育過程又は貯蔵中に農作物に
損傷を与える農業上の病害虫の駆除にも使用することが
できる。これらの化合物は、噴霧剤、散粉剤、乳剤等を
使用して生育中の植物又は貯蔵中の農作物に施される。
この方法でこれらの化合物を適用する手法は当業者に既
知である。
以下の実施例は、本発明が更に十分理解されるように
示されるものであり、本発明を制限するものとして解釈
されるべきではない。以下の実施例に於て製造されるア
ベルメクチン誘導体は、一般には結晶性固体としてでは
なく無定形固体として分離される。これらは核磁気共鳴
質量分析、元素分析等の手段によって分析的に確認され
る。無定形であるため、これらの化合物ははっきりした
融点によって確認されることはないが用いられたクロマ
トグラフィー的及び分析的方法はこれらの化合物が純粋
であることを示す。
実施例1 5−O−t−ブチルジメチルシリル−22,23−ジヒドロ
−アベルメクチンB1アグリコン 塩化tert−ブチルジメチルシリル(851mg)を乾燥ジ
メチルホルムアミド10ml中22,23−ジヒドロ−アベルメ
クチンB1アグリコン(3.0g、チャバラ等、J.Med.Chem.1
980年、第23巻、1134頁に記載される通り製造)とイミ
ダゾール(873mg)の溶液に加え、この溶液を室温で22
時間攪拌した。この反応混合液をエーテル(50ml)と水
(100ml)に分配した。水層をエーテル(20mlずつで2
回)で抽出し、合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾
燥し、濾過、蒸発させた。粗生成物をヘキサン中12.5%
アセトンで溶離するシリカゲルカラムにより精製して白
色泡状物質1.97gを得1HNMRと質量分析により5−O−t
−ブチルジメチルシリル−22,23−ジヒドロ−アベルメ
クチンB1アグリコンとして確認した。
元素分析:C40H64O8Siの計算値:C,68.53;H,9.20;実測値:
C,68.40;H,9.47 実施例2 5−O−t−ブチルジメチルシリル−アベルメクチンB1
−アグリコン 塩化tert−ブチルジメチルシリル(35mg)を乾燥ジメ
チルホルムアミド2.5ml中アベルメクチンB1アグリコン
(124mg、ムロツィク等、J.Org.Chem.,1982年、第47
巻、489頁に記載される通り製造)とイミダゾール(36m
g)の溶液に加えこの溶液を室温で24時間攪拌した。こ
の反応混合液をエーテル(25ml)と水(25ml)に分配し
た。水層をエーテル(20ml)で抽出し、合わせた有機層
を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過、蒸発させた。粗生
成物をヘキサン中25%アセトンで溶離する2.0mmシリカ
ゲルプレートによる分取用層クロマトグラフィーで精製
して白色の泡状物質82mgを得、1HNMRと質量分析により
5−O−t−ブチルジメチルシリル−アベルメクチンB1
アグリコンとして確認した。
実施例3 5,23−ビス−O−t−ブチルジメチルシリル−アベルメ
クチンB2−アグリコン 塩化tert−ブチルジメチルシリル(1.15g)を乾燥ジ
メチルホルムアミド10ml中アベルメクチンB2アグリコン
(2.0g,ムロツィク等,J.Org.Chem.,1982年、第47巻、48
9頁に記載される通り製造)とイミダゾール(1.30g)の
溶液に加え、この溶液を室温で22時間攪拌する。次いで
この反応混合液をエーテル(50ml)と水(100ml)に分
配する。水層をエーテル(20mlずつで2回)で抽出し、
合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過、蒸
発させる。粗生成物をヘキサン中12.5%アセトンで溶離
するシリカゲルカラムにより精製して5,23−ビス−O−
t−ブチルジメチルシリル−アベルメクチンB2−アグリ
コンを得、これを1HNMRと質量分析により確認する。元
素分析:C46H78O9Si2に対する計算値:C,66.46;H,9.46;実
測値:C,66.51;H,9.80 実施例4 5−O−t−ブチルジメチルシリル−13−β−ヨード−
13−デオキシ−22,23−ジヒドロ−アベルメクチンB1
アグリコン 乾燥ジクロロメタン40ml中塩化O−ニトロ−ベンゼン
スルホニル(2.40g)の溶液を乾燥ジクロロメタン40ml
中5−O−t−ブチルジメチルシリル−22,23−ジヒド
ロアベルメクチンB1−アグリコン(2.30g)、ジメチル
アミノピリジン(1.7g)、ヨウ化テトラブチルアンモニ
ウム(4.6g)及びジイソプロピルエチルアミン(2.77m
l)の溶液に1.5時間にわたって滴下した。得られた溶液
を室温で16.5時間攪拌し、次いでジクロロメタン(20m
l)と1M水性NaH2PO4(40ml)に分配した。有機層を1NHC
l(40ml)と水(40ml)で洗浄し、次いでMgSO4で乾燥
し、濾過、蒸発させた。橙褐色のタール状残留物を熱エ
ーテル30ml分で生成物の全てが抽出されたことを分析用
TLCが示すまで繰り返し抽出した。合わせたエーテル抽
出液をMgSO4で乾燥し、濾過、蒸発させた。残留物をヘ
キサン中9%アセトンで溶離するシリカゲレカラムによ
り精製して白色の泡状物質(Rf0.38)1.36gを得、1HNMR
と質量分析により5−O−t−ブチルジメチルシリル−
13−β−ヨード−13−デオキシ−22,23−ジヒドロ−ア
ベルメクチンB1−アグリコンとして確認した。更に不純
物質601mgを生成物と不純物を含む面分の濃縮によって
得た。
実施例5 5−O−t−ブチルジメチルシリル−13−β−ヨード−
13−デオキシ−アベルメクチンB1−アグリコン 5−O−t−ブチルジメチルシリル−13−β−ヨード
−13−デオキシ−22,23−ジヒドロアベルメクチンB1
アグリコンを5−O−t−ブチルジメチルシリルアベル
メクチンB1−アグリコンに製造するために上述した方法
(実施例4)を用いて5−O−t−ブチルジメチルシリ
ル−13−β−ヨード−13−デオキシ−アベルメクチンB1
−アグリコンを得、1HNMRと質量分析により確認する。
実施例6 5,23−ビス−O−t−ブチルジメチルシリル−13−β−
ヨード−13−デオキシアベルメクチンB1−アグリコン トルエンスルホン酸無水物(3.0g)をジュウテロクロ
ロホルム15ml中5,23−ビス−O−t−ブチルジメチルシ
リルアベルメクチンB2−アグリコン(1.5g)、ジメチル
アミノピリジン(1.1g)とジイソプロピルエチルアミン
(2.2ml)の溶液に加えた(注:ジュウテロクロロホル
ムは、反応がNMRによって容易に行なわれるように溶媒
として用いられ、またクロロホロムも溶媒として使用し
所定の時間進行させることができる)。この混合液を室
温で16時間攪拌し、次いでジクロロメタン(25ml)と水
(25ml)に急速に分配した。水層をジクロロメタン(25
mlずつで3回)で抽出し合わせた有機層をMgSO4で乾燥
し、濾過、蒸発させた。得られた橙色油状物質を、乾燥
ジメチルホルムアミド25mlに溶解し、次いでヨウ化カリ
ウム(3.3g)を加えた。この混合液を60℃で75分間攪拌
し、次いで室温に冷却し、エーテル(50ml)と水(50m
l)に分配した。水層をエーテル(50mlずつで3回)で
抽出し、合わせた有機層をMgSO4で乾燥し、濾過、蒸発
させた。残留物をヘキサン中4%アセトンで溶離するシ
リカゲルカラムにより精製して白色の泡状物質(Rf0.2
0)520mgを得、1HNMRと質量分析により5,23−ビス−O
−t−ブチルジメチルシリル−13−β−ヨード−13−デ
オキシ−アベルメクチンB2−アグリコンとして確認し
た。元素分析:C46H77O8Si2Iの計算値:C,58.70;H,8.24;
実測値:C,58.79;H,8.52 実施例7 13−β−ヨード−13−デオキシ−アベルメクチンA1−ア
グリコン 5−O−t−ブチルジメチルシリル−13−β−ヨード
−13−デオキシ−22,23−ジヒドロ−アベルメクチンB1
−アグリコンをアベルメクチンA1−アグリコンへ製造す
るために上述の方法(実施例4)を用いて13−β−ヨー
ド−13−デオキシ−アベルメクチンA1−アグリコンを
得、1HNMRと質量分析により確認する。
実施例8 5−O−t−ブチルジメチルシリル−13−エピ−22,23
−ジヒドロ−アベルメクチンB1−アグリコン トリフルオロメタンスルホン酸銀(118mg)を9:1のテ
トラヒドロフラン:水4ml中5−O−t−ブチルジメチ
ルシリル−13−β−ヨード−13−デオキシ−22,23−ジ
ヒドロ−アベルメクチンB1−アグリコン(371mg)と2,6
−ルチジン(0.081ml)の溶液に加えた。この混合物
(白色沈殿)を室温で45分間攪拌し、次いでエーテル
(5ml)で希釈し、濾過した。水(3ml)を濾液に加え、
2NHClを加えてpH約3に調整した。水層をエーテル(3m
l)で抽出し合わせた有機層をMgSO4で乾燥、濾過、蒸発
させた。残留物をヘキサン中33%で4回溶離する2枚の
2mmシリカゲルプレートによりクロマトグラフィー処理
して白色の泡状物質(Rf0.48)144mgを得、1HNMRと質量
分析により5−O−t−ブチルジメチルシリル−13−エ
ピ−22,23−ジヒドロ−アベルメクチンB1−アグリコン
として確認した。
実施例9 5−O−t−ブチルジメチルシリル−13−エピ−アベル
メクチンB1−アグリコン 5−O−t−ブチルジメチルシリル−13−エピ−22,2
3−ジヒドロ−アベルメクチンB1−アグリコンを5−O
−t−ブチルジメチルシリル−13−β−ヨード−13−デ
オキシ−アベルメクチンB1−アグリコンに製造するため
に、上述の方法(実施例8)を加えて5−O−t−ブチ
ルジメチルシリル−13−エピ−アベルメクチンB1−アグ
リコンを得、1HNMRと質量分析により確認する。
実施例10 5,23−ビス−O−t−ブチルジメチルシリル−13−エピ
−アベルメクチンB2−アグリコン トリフルオロメタンスルホン酸銀(410mg)を9:1のテ
トラヒドロフラン:水9ml中、5,23−ビス−O−t−ブ
チルジメチルシリル−13−β−ヨード−13−デオキシ−
アベルメクチンB2−アグリコン(520mg)と2,6−ルチジ
ン(0.37ml)の溶液に加えた。この混合物(黄色−白色
沈殿)を室温で45分間攪拌し、次いでエーテル(50ml)
と0.1NHCl(25ml)に分配した。層を分離し、有機層を
5%水性NaHCO325mlで洗浄し、次にMgSO4で乾燥、濾
過、蒸発させた。残留物をヘキサン中33%エーテルで2
回溶離する4枚の1.5mmシリカゲルプレートによりクロ
マトグラフィー処理して白色の泡状物質(Rf0.45)280m
gを得、1HNMRと質量分析により5,23−ビス−O−t−ブ
チルジメチルシリル−13−エピ−アベルメクチンB2−ア
グリコンとして確認した。元素分析:C46H78O0Si2に対す
る計算値:C,66.46;H,9.46;実測値:C,66.25;H,9.20 実施例11 13−エピ−アベルメクチンA1−アグリコン 5−O−t−ブチルジメチルシリル−13−エピ−22,2
3−ジヒドロアベルメクチンB1−アグリコンを13−β−
ヨード−13−デオキシアベルメクチンA1−アグリコンに
製造するために上述の方法(実施例8)を用いて13−エ
ピ−アベルメクチンA1−アグリコンを得、1HNMRと質量
分析により確認する。
実施例12 1′−フルオロ−4′−(4″−O−t−ブチルジメチ
ルシリル−オレアンドロシル)−オレアンドロース 三フッ化ジエチルアミノイオウ(0.325ml)を乾燥ジ
クロロメタン7ml中4′−(4″−O−t−ブチルジメ
チルシリル−オレアンドロシル)−オレアンドロース
(ブリザード等,J.Org.Chem.,1989年、第54巻、1756頁
に記載される通り製造する)686mgの冷(−20℃)溶液
に加えた。冷却浴を取り除き、この溶液を室温で15分間
攪拌し次いで0℃に冷却した。メタノール(0.5ml)を
加え、この溶液を0℃で2分間攪拌した。飽和水性NaHC
O3(4ml)を加え、層を分離した。水層をエーテル(4ml
ずつで4回)で抽出し、合わせた有機層をMgSO4で乾燥
し、濾過、蒸発させた。残留物をヘキサン中25%エーテ
ルで溶離するシリカゲルカラムにより処理してシロップ
(Rf0.23)473mgを得、1HNMRと質量分析により1′−フ
ルオロ−4′−(4″−O−t−ブチルジメチルシリル
−オレアンドロシル)−オレアンドロースとして確認し
た。
実施例13 1′−フェニルチオ−4′−(4″−O−t−ブチルジ
メチルシリル−オレアンドロシル)−オレアンドロース トリブチルホスフィン(0.426ml)を乾燥ベンゼン5ml
中4′−(4″−O−t−ブチルジメチルシリル−オレ
アンドロシル)−オレアンドロース(600mg)とフェニ
ルジスルフィド(373mg)の溶液に加えた。この溶液を
室温で44時間攪拌し、次いで溶媒を蒸発させ、残留物を
ヘキサン中25%エーテルで溶離するシリカゲルカラムに
よりクロマトグラフィー処理してシロップ680mgを得、1
HNMRと質量分析により1′−フェニルチオ−4′−
(4″−O−t−ブチルジメチルシリル−オレアンドロ
シル)−オレアンドロース(アベルメクチン番号C−
1′の異性体の混合物)として確認した。アノマー混合
物は所望によりシリカゲルによるクロマトグラフィーで
分離することができる。
実施例14 1′−(2−ピリジルチオ)−4′−(4″−O−t−
ブチルジメチルシリル−オレアンドロシル)−オレアン
ドロース トリブチルホスフィン(1.08ml)を乾燥ジクロロメタ
ン15ml中4′−(4″−O−t−ブチルジメチルシリル
−オレアンドロシル)−オレアンドロース(1.826g)と
2,2′−ジピリジルジスルフィド(956mg)の溶液に加え
た。この溶液を室温で23時間攪拌し、次いで溶媒を蒸発
させた。暗黄色の残留油状物質をヘキサン中20%酢酸エ
チルで溶離するシリカゲルカラムによりクロマトグラフ
ィー処理して無色のシロップ(Rf0.24)1.78gを得、1HN
MRと質量分析で1′−(2−ピリジルチオ−4′−
(4″−O−t−ブチルジメチルシリル−オレアンドロ
シル)−オレアンドロース(アベルメクチン番号C−
1′の異性体の混合物)として確認した。
実施例15 1′−フェニルチオ−4′−(4″−アセチルアミノ−
4″−デオキシ−オレアンドロシル)−オレアンドロー
ス フッ化水素・ピリジン複合体25g、ピリジン10mlとテ
トラヒドロフラン27.5mlからなる脱保護試薬溶液1mlを
乾燥テトラヒドロフラン2ml中1′−フェニルチオ−
4′−(4″−O−t−ブチルジメチルシリルオレアン
ドロシル)−オレアンドロース46mgの溶液に加えた。こ
の溶液を室温で67時間攪拌し、次に氷浴中で冷却してピ
リジン(2ml)次にエーテル(4ml)と5%水性NaHCO
3(4ml)を加えた。層を分離し、水層をエーテル(3ml
ずつで3回)で抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾
燥し、黄色油に蒸発した。この粗生成物(1′−フェニ
ルチオ−4′−オレアンドロシル−オレアンドロース)
を乾燥ジクロロメタン2mlに溶解し、塩化オキサリル
(0.024ml)を乾燥ジクロロメタン2ml中DMSO(0.045m
l)の冷(−78℃)溶液に加え、得られた溶液を−78℃
で20分間攪拌して生成した冷(−78℃)酸化試薬にこの
溶液を加えた。得られた混合液を−78℃で1時間攪拌
し、次いでトリエチルアミン(0.125ml)を加え、冷却
浴を取り除いた。この混合液を室温に温め、室温で1時
間攪拌した。この混合液をジクロロメタン(3ml)で希
釈し、次いで水(5ml)を加え、層を分離した。水層を
ジクロロメタン(5mlずつで3回)で抽出し、合わせた
有機層をMgSO4で乾燥し濾過、黄色油状物質に蒸発させ
た。この粗酸化生成物(1′−フェニルチオ−4′−
(4″−オキソ−4″−デオキシオレアンドロシル)−
オレアンドロース)を乾燥メタノール2mlに溶解し、3A
分子篩、次に酢酸アンモニウム(69mg)を加えた。この
混合液を室温で30分間次いでナトリウムシアノボロヒド
リド(20mg)を2度(約10分間隔)で加えた。この混合
液を室温で2時間攪拌し、次いで遠心分離した。上清を
傾瀉し、固形残留物をジクロロメタン(3mlずつで2
回)で洗浄した。合わせた上清を5%水性NaHCO33mlに
加えた。層を分離し、水層をジクロロメタン(3mlずつ
で2回)で抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥
し、濾過し、黄色油状物質に蒸発させた。こうして得た
粗アミン(1′−フェニルチオ−4′−(4″−アミノ
−4″−デオキシ−オレアンドロシル)−オレアンドロ
ース)を乾燥ジクロロメタン2mlに溶解し、次いでトリ
エチルアミン(0.038ml)を加えた。この混合液を0℃
に冷却し、次いで塩化アセチル(0.010ml)を加え、こ
の混合液を0℃で1時間攪拌した。次いで水(2ml)次
にジクロロメタン(2ml)を加えた。層を分離し、水層
をジクロロメタン(3mlずつで2回)で抽出した。合わ
せた有機層をMgSO4で乾燥し、濾過し、黄色油状物質に
蒸発させた。粗生成物をジクロロメタン中3.5%メタノ
ールで溶離する1mmシリカゲルプレートによりクロマト
グラフィー処理して無色のシロップ(Rf0.22)12mgを
得、1HNMRと質量分析により1′−フェニルチオ−4′
−(4″−アセチルアミノ−4″−デオキシ−オレアン
ドロシル)−オレアンドロースとして確認した。
実施例16 1′−(2−ピリジルチオ)−4′−(4″−アセチル
アミノ−4″−デオキシ−オレアンドロシル)−オレア
ンドロース フッ化テトラブチルアンモニウム(テトラヒドロフラ
ン中1M溶液2.3ml)を、乾燥テトラヒドロフラン6ml中
1′−(2−ピリジルチオ)−4′−(4″−O−t−
ブチルジメチル−オレアンドロシル)−オレアンドロー
ス290mgの溶液に加えた。この溶液を室温で50分間攪拌
し、次いでエーテル(3ml)と飽和水性NaCl(3ml)に分
配した。層を分離し、水層をエーテル(5mlずつで3
回)で抽出た。合わせた有機層をMgSO4で乾燥し、濾過
し、油状物質に蒸発させた。この粗生成物(1′−(2
−ピリジルチオ)−4′−オレアンドロシル−オレアン
ドロース)を所望によりシリカゲルによるカラムクロマ
トグラフィーで精製することができる。1′−フェニル
チオ−4′−(4″−アセチルアミノ−4″−デオキシ
−オレアンドロシル)−オレアンドロースを製造するた
めに上述した酸化/還元アミノ化/アセチル化方法(実
施例15)を1′−(2−ピリジルチオ)−4′−オレア
ンドロシル−オレアンドロースに適用して1′−(2−
ピリジルチオ)−4′−(4″−アセチルアミノ−4″
−デオキシ−オレアンドロシル)−オレアンドロース
(分離可能なC−4″の異性体の混合物)を得、1HNMR
と質量分析により確認する。
実施例17 1′−フルオロ−4′−(4″−アセチルアミノ−4″
−デオキシ−オレアンドロシル)−オレアンドロース 三フッ化ジエチルアミノイオウ(0.100ml)を乾燥ジ
クロロメタン4ml中1′−フェニルチオ−4′−(4″
−アセチルアミノ−オレアンドロシル)−オレアンドロ
ース200mgの冷(−20℃)溶液に加え、次いでN−ブロ
モスクシンイミド(122mg)を加える。この混合液を−2
0℃で20分間攪拌し、次いで5%水性NaHCO33mlを加え
る。層を分離し、水層をジクロロメタン(3mlずつで2
回)で抽出する。合わせた有機層をMgSO4で乾燥し、濾
過し、蒸発させる。残留物をシリカゲルカラムによりク
ロマトグラフィー処理して1′−フルオロ−4′−
(4″−アセチルアミノ−オレアンドロシル)−オレア
ンドロース(分離可能なC−4″の異性体の混合物)を
得、1HNMRと質量分析により確認する。
実施例18 4″,5,23−トリス−O−t−ブチルジメチルシリル−1
3−エピ−アベルメクチンB2 乾燥アセトニトリル4ml中1′−(2−ピリジルチ
オ)−4′−(4″−O−t−ブチルジメチルシリル−
オレアンドロシル)−オレアンドロース560mgの溶液を
乾燥アセトニトリル6ml中5,23−ビス−O−t−ブチル
ジメチルシリル−13−エピ−アベルメクチンB2−アグリ
コン(500mg)とトリフルオロメタンスルンホン酸銀(2
70mg)の急速に攪拌した冷(0℃)溶液に徐々に滴下し
た(30分間にわたって)。得られた混合液(ゴム状沈
殿)を0℃で3時間激しく攪拌し、次いで酢酸エチル
(15ml)と5%水性NaHCO3(10ml)に分配した。層を遠
心分離によって分離した。水層を酢酸エチル(6mlずつ
で4回)で抽出した。合わせた有機層をMgSO4で乾燥
し、濾過、蒸発させた。残留物をヘキサン中9%アセト
ンで溶離するシリカゲルカラムによりクロマトグラフィ
ー処理して白色の泡状物質270mgを得、1HNMRと質量分析
により4″,5,23−トリス−O−t−ブチルジメチルシ
リル−13−エピ−アベルメクチンB2として確認した。反
応副生成物も白色の泡状物質(250mg)として得、1HNMR
と質量分析により4″,5,23−トリス−O−t−ブチル
ジメチルシリル−1′,13−ビス−エピ−アベルメクチ
ンB2(1′−β異性体)として確認した。
実施例19 4″,5,23−トリス−O−t−ブチルジメチルシリル−1
3−エピ−アベルメクチンB2(別法) 乾燥エーテル7ml中1′−フルオロ−4′−(4″−
O−t−ブチルジメチルシリル−オレアンドロシル)−
オレアンドロース265mgの溶液を5,23−ビス−O−t−
ブチルジメチルシリル−13−エピ−アベルメクチンB2
アグリコン(260mg)、過塩素酸銀(81mg)、塩化スズ
(II)(74mg)、3A分子篩及び乾燥エーテル7mlの冷
(0℃)混合液に滴下した。得られた混合液を0℃で2
時間激しく攪拌し、次いでエーテル(5ml)で希釈し、
遠心分離した。上清を傾瀉し、残留物をエーテル(5ml
ずつで2回)で洗浄した。合わせた上清を5%水性NaHC
O3(7ml)と飽和NaCl(7ml)で洗浄し、次いでMgSO4
乾燥し、濾過、蒸発させた。残留物をヘキサン中9%ア
セトンで2回溶離する4枚の1.5mmシリカゲルプレート
によるクロマトグラフィー処理して白色の泡状物質(Rf
0.27)80mgを得、1HNMRと質量分析により4″,5,23−ト
リス−O−t−ブチルジメチルシリル−13−エピ−アベ
ルメクチンB2として確認した。
実施例20 5−O−t−ブチルジメチルシリル−4″−アセチルア
ミノ−4″−デオキシ13−エピ−22,23−ジヒドロ−ア
ベルメクチンB1 実施例19の方法に於て1′−フルオロ−4′−(4″
−O−t−ブチルジメチルシリル−オレアンドロシル)
−オレアンドロースを1′−フルオロ−4′−(4″−
アセチルアミノ−4″−デオキシ−オレアンドロシル)
−オレアンドロースに、5,23−ビス−O−t−ブチルジ
メチルシリル−13−エピ−アベルメクチンB2−アグリコ
ンを5−O−t−ブチルジメチルシリル−13−エピ−2
2,23−ジヒドロ−アベルメクチンB1−アグリコンに置き
換えて5−O−t−ブチルジメチルシリル−4″−アセ
チルアミノ−4″−デオキシ−13−エピ−22,23−ジヒ
ドロ−アベルメクチンB1(分離可能なC−4″の異性体
の混合物)を得、1HNMRと質量分析により確認する。
実施例21 5−O−t−ブチルジメチルシリル−4″−アセチルア
ミノ−4″−デオキシ−13−エピ−アベルメクチンB1 実施例18の方法に於て1′−(2−ピリジルチオ)−
4′−(4″−O−t−ブチルジメチルシリル−オレア
ンドロシル)−オレアンドロースを1′−(2−ピリジ
ルチオ)−4′−(4″−アセチルアミノ−4″−デオ
キシ−オレアンドロシル)−オレアンドロースに、5,23
−ビス−O−t−ブチルジメチル−シリル−13−エピ−
アベルメクチンB2−アグリコンを5−O−t−ブチルジ
メチルシリル−13−エピ−アベルメクチンB1−アグリコ
ンに置き換えて5−O−t−ブチルジメチルシリル−
4″−アセチルアミノ−4″−デオキシ−13−エピ−ア
ベルメクチンB1を得、1HNMRと質量分析により確認す
る。
実施例22 4″,5−ビス−O−t−ブチルジメチルシリル−13−エ
ピ−アベルメクチンB1 実施例18の方法に於て5,23−ビス−O−t−ブチルジ
メチルシリル−13−エピ−アベルメクチンB2−アグリコ
ンを5−O−t−ブチルジメチルシリル−13−エピ−ア
ベルメクチンB1−アグリコンに置き換えて4″,5−ビス
−O−t−ブチルジメチルシリル−13−エピ−アベルメ
クチンB1を得、1HNMRと質量分析で確認する。
実施例23 4″−O−t−ブチルジメチルシリル−13−エピ−アベ
ルメクチンA1 実施例18の方法に於て5,23−ビス−O−t−ブチルジ
メチルシリル−13−エピ−アベルメクチンB2−アグリコ
ンを13−エピぇアベルメクチンA1−アグリコンに置き換
えて4″−O−t−ブチルジメチルシリル−13−エピ−
アベルメクチンA1を得、1HNMRと質量分析により確認す
る。
実施例24 13−エピ−アベルメクチンB2 フッ化水素ピリジン複合体25gをピリジン(12.5ml)
とテトラヒドロフラン(27.5ml)の冷(0℃)混合液に
注意して加えることにより脱保護試薬溶液を製造した。
選られた試薬溶液の一部(2.1ml)を乾燥テトラヒドロ
フラン7ml中4″,5,23−トリス−O−t−ブチルジメチ
ルシリル−13−エピ−アベルメクチンB2389mgの冷(0
℃)溶液に加えた。得られた溶液を室温で112時間攪拌
し、次いで氷浴中で冷却してピリジン(6ml)次に酢酸
エチル(10ml)と5%水性NaHCO3(12ml)を加えた。層
を遠心分離によって分離し、水層を酢酸エチル(6mlず
つで3回)で抽出した。合わせた有機層をMgSO4とK2CO3
で乾燥し、濾過し、薄黄色の油状物質(287mg)に蒸発
させた。粗生成物と同じ実験で得た別の生成物260mgと
混合した。合わせた粗生成物をヘキサン中25%アセトン
で溶離するシリカゲルカラムによりクロマトグラフィー
処理して白色の泡状物質(Rf0.09)370mgを得、1HNMRと
質量分析により13−エピ−アベルメクチンB2として確認
した。元素分析:C48H74O15に対する計算値:C,64.70;H,
8.47;実測値:C,64.40;H,8.47. 実施例25 4″−アセチルアミノ−4″−デオキシ−13−エピ−2
2,23−ジヒドロ−アベルメクチンB1 実施例24の脱保護方法に於て4″,5,23−トリス−O
−t−ブチルジメチルシリル−13−エピ−アベルメクチ
ンB2を5−O−t−ブチルジメチルシリル−4″アセチ
ルアミノ−4″−デオキシ−13−エピ−22,23−ジヒド
ロ−アベルメクチンB1に置き換えて4″−アセチルアミ
ノ−4″−デオキシ−13−エピ−22,23−ジヒドロ−ア
ベルメクチンB1(分離可能なC−4″の異性体の混合
物)を得、1HNMRと質量分析により確認する。
実施例26 4″−アセチルアミノ−4″−デオキシ−13−エピ−4
−デオキシ−アベルメクチンB1 実施例24の脱保護方法に於て4″,5,23−トリス−O
−t−ブチルジメチルシリル−13−エピ−アベルメクチ
ンB2を5−O−t−ブチルジメチルシリル−4″−アセ
チルアミノ−4″−デオキシ−13−エピ−アベルメクチ
ンB1に置き換えて4″−アセチルアミノ−4″−デオキ
シ−13−エピ−アベルメクチンB1(分離可能なC−4″
の異性体の混合物)を得、1HNMRと質量分析により確認
する。
実施例27 13−エピ−アベルメクチンB1 実施例24の脱保護方法に於て4″,5,23−トリス−O
−t−ブチルジメチルシリル−13−エピ−アベルメクチ
ンB2を4″,5−ビス−O−t−ブチルジメチルシリル−
13−エピ−アベルメクチンB1に置き換えて13−エピ−ア
ベルメクチンB1を得、1HNMRと質量分析により確認す
る。
実施例28 13−エピ−アベルメクチンA1 実施例24の脱保護方法に於て4″,5,23−トリス−O
−t−ブチルジメチルシリル−13−エピ−アベルメクチ
ンB2を4″−O−t−ブチルジメチルシリル−13−エピ
−アベルメクチンA1に置き換えて13−エピ−アベルメク
チンA1を得、1HNMRと質量分析により確認する。
実施例29 5−O−t−ブチルジメチルシリル−13−エピ−アベル
メクチンB1 塩化tert−ブチルジメチルシリル(22mg)を乾燥ジメ
チルホルムアミド1.5ml中13−エピ−アベルメクチンB1
(100mg)とイミダゾール(24mg)の溶液に加え、この
溶液を室温で24時間攪拌する。この反応混合物をエーテ
ル(15ml)と水(15ml)に分配する。水層をエーテル
(20ml)で抽出し、合わせた有機層を硫酸マグネシウム
で乾燥し、蒸発させた。粗生成物をヘキサン中25%アセ
トンで溶離する1mmシリカゲルプレートによりクロマト
グラフィー処理して5−O−t−ブチルジメチルシリル
−13−エピ−アベルメクチンB1を得、1HNMRと質量分析
により確認する。
実施例30 5−O−t−ブチルジメチルシリル−4″−アミノ−
4″−デオキシ−13−エピアベルメクチンB1 塩化オキサリル(0.022ml)を乾燥ジクロロメタン2ml
中DMSO(0.042ml)の冷(−78℃)溶液に加え、得られ
た溶液を−78℃で20分間攪拌する。次いで乾燥ジクロロ
メタン2ml中5−O−t−ブチルジメチルシリル−13−
エピ−アベルメクチンB1(80mg)の溶液を加える。得ら
れた混合液を−78℃で1時間攪拌し、次いでトリエチル
アミン(0.115ml)を加え、冷却浴を取り除く。この混
合液を室温に温め、室温で1時間攪拌する。この混合液
をジクロロメタン(3ml)で希釈し、次いで水(5ml)を
加え、層を分離する。水層をジクロロメタン(5mlずつ
で3回)で抽出し、合わせた有機層をMgSO4で乾燥し、
濾過、蒸発させた。この粗酸化生成物(5−O−t−ブ
チルジメチルシリル−4″−オキソ−13−エピ−アベル
メクチンB1)を乾燥メタノール2mlに溶解し、次いで3A
分子篩次に酢酸アンモニウム(62mg)を加える。この混
合液を室温で30分間攪拌し、次にナトリウムシアノボロ
ヒドリド(18mg)を2度に(約10分間隔)加える。この
混合液を室温で2時間攪拌した後遠心分離する。上清を
傾瀉し、固形残留物をジクロロメタン(3mlずつで2
回)で洗浄する。合わせた上清を3%水性NaHCO33mlに
加える。層を分離し、水層をジクロロメタン(3mlずつ
で2回)で抽出する。合わせた有機層をMgSO4で乾燥
し、濾過、蒸発させる。残留物をシリカゲルカラムによ
りクロマトグラフィー処理して5−O−t−ブチルジメ
チルシリル−4″−アミノ−4″−デオキシ−13−エピ
−アベルメクチンB1(分離可能なC−4″の異性体混合
物)を得、1HNMRと質量分析により確認する。
実施例31 4″−アミノ−4″−デオキシ−13−エピ−アベルメク
チンB1 実施例24の脱保護方法に於て4″,5,23−トリス−O
−t−ブチルジメチルシリル−13−エピ−アベルメクチ
ンB2を5−O−t−ブチルジメチルシリル−4″−アミ
ノ−4″−デオキシ−13−エピ−アベルメクチンB1に置
き換えて4″−アミノ−4″−デオキシ−13−エピ−ア
ベルメクチンB1(分離可能なC−4″の異性体の混合
物)を得、1HNMRと質量分析により確認する。
実施例32 5−O−t−ブチルジメチルシリル−4″−メチルアミ
ノ−4″−デオキシ−13−エピ−アベルメクチンB1 実施例30の還元アミノ化方法に於て酢酸アンモニウム
をメチルアミン塩酸塩に置き換えて5−O−t−ブチル
ジメチルシリル−4″−メチルアミノ−4″−デオキシ
−13−エピ−アベルメクチンB1(分離可能なC−4″の
異性体の混合物)を得、1HNMRと質量分析により確認す
る。
実施例33 4″−メチルアミノ−4″−デオキシ−13−エピ−アベ
ルメクチンB1 実施例24の脱保護方法に於て4″,5,23−トリス−O
−t−ブチルジメチルシリル−13−エピ−アベルメクチ
ンB2を5−O−t−ブチルジメチルシリル−4″−メチ
ルアミノ−4″−デオキシ−13−エピ−アベルメクチン
B1に置き換えて4″−メチルアミノ−4″−デオキシ−
13−エピ−アベルメクチンB1(分離可能なC−4″の異
性体の混合物)を得、1HNMRと質量分析により確認す
る。
実施例34 5−オキソ−13−エピ−アベルメクチンB2 二酸化マンガン(65mg)を乾燥ベンゼン5ml中13−エ
ピ−アベルメクチンB2100mgの溶液に加える。得られた
混合液を分析用薄層クロマトグラフィーにより完結する
まで35℃に於て攪拌する。この混合液を水(5ml)とエ
ーテル(5ml)に分配し、水層をエーテル(5mlずつで3
回)で抽出する。合わせた有機層をMgSO4で乾燥し、濾
過、蒸発させる。粗生成物をシリカゲルプレートにより
クロマトグラフィー処理して5−オキソ−13−エピ−ア
ベルメクチンB2を得、1HNMRと質量分析により確認す
る。
実施例35 13−エピ−アベルメクチンB2−5−オキシム ヒドロキシルアミン塩酸塩(50mg)を乾燥ピリジン3m
l中5−オキソ−13−エピ−アベルメクチンB2(75mg)
の溶液に加える。この溶液を分析用薄層クロマトグラフ
ィーにより完結するまで室温に於て攪拌する。この混合
液を水(7ml)とエーテル(7ml)で分配し、水層をエー
テル(5mlずつで3回)で抽出する。合わせた有機層をM
gSO4で乾燥し、濾過蒸発させる。粗生成物をシリカゲル
プレートによりクロマトグラフィー処理して13−エピ−
アベルメクチンB2−5−オキシムを得、1HNMRと質量分
析により確認する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヘルムート ムロツイク アメリカ合衆国,07747 ニユージヤー シイ,マタワン,アイドルブルツク レ ーン 159 (56)参考文献 特開 昭58−167591(JP,A) 欧州特許出願公開235085(EP,A 1) Journal of Medici nal Chemistry,,Vo l.32,No.2,p.375−381 (1989) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07H 17/08 A61K 31/7048 A61P 33/10 A01N 43/90 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (24)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式: {式中R4″=OH、NH2、NH−低級アルキル、 NH−低級アルカノイル; R5=OH、オキシム、OCH3; R23=H、OH(但し破線が二重結合を示す場合R23はOHで
    はない); R25=低級アルキルであり;かつ 破線は22、23位の単結合又は二重結合を示す。但し、
    R4″=OH及びR23=Hの場合破線は単結合ではない。} を有する化合物。
  2. 【請求項2】R4″=OH、NH2、NH−低級アルキル、NH−
    低級アルカノイル; R5=OH; R23=H、OH; R25=イソプロピル又はsecブチルであり; かつ 破線が単結合又は二重結合を示す 請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】R4″=OH、NH−メチル、NH−アセチル; R5=OH; R23=H、OHであり;かつ 破線が単結合又は二重結合を示す 請求項2記載の化合物。
  4. 【請求項4】R4″=OH、NH−アセチル; R23=H,OHであり;かつ 破線が単結合又は二重結合を示す 請求項3記載の化合物。
  5. 【請求項5】13−エピ−アベルメクチンB1である請求項
    1記載の化合物。
  6. 【請求項6】13−エピ−アベルメクチンB2である請求項
    1記載の化合物。
  7. 【請求項7】13−エピ−アベルメクチンA1である請求項
    1記載の化合物。
  8. 【請求項8】4″−エピ−アミノ−4″−デオキシ−13
    −エピ−アベルメクチンB2である請求項1記載の化合
    物。
  9. 【請求項9】4″−エピ−メチルアミノ−4″−デオキ
    シ−13−エピ−アベルメクチンB1である請求項1記載の
    化合物。
  10. 【請求項10】4″−エピ−メチルアミノ−4″−デオ
    キシ−13−エピ−アベルメクチンB2である請求項1記載
    の化合物。
  11. 【請求項11】4″−エピ−アセチルアミノ−4″−デ
    オキシ−13−エピ−アベルメクチンB1である請求項1記
    載の化合物。
  12. 【請求項12】4″−エピ−アセチルアミノ−4″−デ
    オキシ−13−エピ−22、23−ジヒドロ−アベルメクチン
    B1である請求項1記載の化合物。
  13. 【請求項13】4″−アセチルアミノ−4″−デオキシ
    −13−エピ−アベルメクチンB2である請求項1記載の化
    合物。
  14. 【請求項14】4″−エピ−アセチルアミノ−4″−デ
    オキシ−13−エピ−アベルメクチンB2である請求項1記
    載の化合物。
  15. 【請求項15】13−エピ−アベルメクチンB2−5−オキ
    シムである請求項1記載の化合物。
  16. 【請求項16】13−エピ−アベルメクチンB1−5−オキ
    シムである請求項1記載の化合物。
  17. 【請求項17】式: を有する13−エピ−アベルメクチンアグリコンを式: を有するグリコシル試薬と反応させることを特徴とする
    請求項1記載の化合物の製造方法 {式中R5、R23、R25及びR4″は請求項1で定義した通り
    であり(第二ヒドロキシル基がシリルエーテルとして保
    護されているものを除く)、 Rはハロゲン、ピリジルチオ、フェニルチオ、フェニル
    スルホキシド又はフェニルスルホニルである}。
  18. 【請求項18】Rが(2−ピリジルチオ)であり、反応
    を金属塩の存在下で行う請求項17記載の方法。
  19. 【請求項19】Rが(2−ピリジルチオ)であり、反応
    を酸の存在下で行う請求項17記載の方法。
  20. 【請求項20】Rがフッ素であり、反応を一種以上の金
    属塩の存在下で行う請求項17記載の方法。
  21. 【請求項21】寄生虫に感染した動物(人間を除く)を
    請求項1記載の化合物の有効量で治療することを特徴と
    する動物の寄生虫感染の治療及び/又は予防方法。
  22. 【請求項22】植物又はそれらが生育している土壌を請
    求項1記載の化合物の有効量で処理することを特徴とす
    る植物の病害虫の処理方法。
  23. 【請求項23】不活性媒体と請求項1記載の化合物を含
    む動物の寄生虫感染の治療及び/又は予防のための組成
    物。
  24. 【請求項24】不活性媒体と請求項1記載の化合物を含
    む植物の病害虫の処理のための組成物。
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