JPH0737461B2 - アベルメクチン誘導体 - Google Patents

アベルメクチン誘導体

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JPH0737461B2
JPH0737461B2 JP2029755A JP2975590A JPH0737461B2 JP H0737461 B2 JPH0737461 B2 JP H0737461B2 JP 2029755 A JP2029755 A JP 2029755A JP 2975590 A JP2975590 A JP 2975590A JP H0737461 B2 JPH0737461 B2 JP H0737461B2
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tert
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メルク エンド カムパニー インコーポレーテツド
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H19/00Compounds containing a hetero ring sharing one ring hetero atom with a saccharide radical; Nucleosides; Mononucleotides; Anhydro-derivatives thereof
    • C07H19/01Compounds containing a hetero ring sharing one ring hetero atom with a saccharide radical; Nucleosides; Mononucleotides; Anhydro-derivatives thereof sharing oxygen
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01NPRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
    • A01N43/00Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators containing heterocyclic compounds
    • A01N43/90Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators containing heterocyclic compounds having two or more relevant hetero rings, condensed among themselves or with a common carbocyclic ring system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
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Description

【発明の詳細な説明】 アベルメクチン(以前にはC−076と呼ばれていた)と
いう名前は、ストレプトマイセス アベルミチリス(St
reptomyces avermitilis)のアベルメクチン産生株の発
酵ブイヨンから単離される一連の化合物及びその誘導体
を表わされるのに用いられる。上記培養株の形態的特性
は米国特許第4,310,519号に詳細に記載されている。ア
ベルメクチン化合物は一連のマクロライドであり、それ
ぞれの13位は4′−(α−L−オレアンドロシル)−α
−L−オレアンドロース基によって置換されている。ア
ベルメクチン化合物及び本発明のその誘導体は、非常に
高い駆虫活性及び抗寄生虫活性を持つ。
発酵ブイヨンから単離されるアベルメクチン系化合物は
次の構造を有する。
式中R4は構造 の4′−(α−L−オレアンドロシル)−α−L−オレ
アンドロース基であり、 破線は単結合又は二重結合を示し、R1は水素又はヒドロ
キシであって該破線が単結合のときだけ存在する。
R2はイソプロピル又はsec−ブチルであり、 R3はメトキシ又はヒドロキシである。
主要なアベルメクチン天然化合物には8つの異なる種類
のものがあり、それらは個々の化合物の構造に基づき、
A1a、A1b、A2a、A2b、B1a、B1b、B2a、B2bという名称を
与えられている。
前述の構造式に於て、各アベルメクチン化合物は下記に
示すものである。(R4基は4′−(α−L−オレアンド
ロシル)−α−L−オレアンドロースである) アベルメクチン化合物は一般にa及びb成分の混合物と
して単離される。この2種の化合物はR2置換基の種類が
異なるだけであり、この構造上の小さな違いはこれらの
化合物の単離方法、化学反応性及び生物活性に対してほ
とんど影響を与えないということがわかった。
これらの25−イソプロピル又は25−sec−ブチル置換基
を含む天然アベルメクチン化合物のほかる別の分枝鎖又
は環状25−アルキル又は25−アルケニル置換基を含み、
任意により酸素、イオン、窒素、ハロゲンといったヘテ
ロ原子で更に置換されている緊密に関連した誘導体が文
献で知られている。これらの誘導体は欧州特許第021473
1号に詳細に記載されている通り発酵方法を様々に調整
したり付け加えることにより得られている。
アベルメクチン化合物は放射菌ストレプトマイセス ア
ベルミチリスを用いる微生物発酵の生成物である。これ
らの微生物はほとんどのアベルメクチン炭素鎖に対する
構造ブロックとしてアセテート及びプロピオネートを用
い、次に微生物酵素によって更に修飾されて完全なアベ
ルメクチン分子が得られる。しかしながらC−25の炭素
及びこの炭素の2−プロピル及び2−ブチル置換基はア
セテート又はプロピオネート単位から誘導されず各々L
−バリン及びL−イソロイシンのアミノ酸から誘導され
ることが知られている。またこれらのアミノ酸は対応す
る2−ケト酸に脱アミノ化され、次に脱カルボキシル化
されて2−メチルプロピオン酸及び2−メチル酪酸を得
ることがわかった。次にこれらの酸がアベルメクチン構
造に直接組み込まれて2−プロピル及び2−ブチルC−
25置換基を得るのであるが、これはチエン(Chen)等の
Abstr.Pop.Am.Chem.Soc.(186 Meet.MBTD 28、1983年)
に報告されている。また欧州特許第0214731号にはS.ア
ベルミチリスの発酵ブイヨンにシクロペンタン酸、シク
ロ酪酸、2−メチルペンタン酸、2−メチルヘキサン
酸、チオフェン−3−カルボン酸等の酸を多量に加える
と微生物が置換基としてのこれらの酸を受け入れ、これ
らの酸を含むアベルメクチンの少量が新しいC−25置換
基の形で生成することが開示されている。新しいこれら
のアベルメクチン誘導体の具体例は 25−(チエン−3−イル)−25−デ−(1−メチルプロ
ピル)アベルメクチンA2a 25−(シクロヘキシ−3−エニル)−25−デ(1−メチ
ルプロピル)アベルメクチンA2a 25−シクロヘキシル−25−デ−(1−メチルプロピル)
アベルメクチンA2a 25−(1−メチルチオエチル)−25−デ−(1−メチル
プロピル)アベルメクチンA2a 25−(2−メチルシクロプロピル)25−デ−(1−メチ
ルプロピル)アベルメクチンA2aである。
またシネフギンのような代謝阻害剤の添加(シェルマン
(Schulman)等、J.Antibiot.1985年、、第38巻、1494
〜1498頁に記載)あるいはもとの菌株の突然変異(シェ
ルマン等、抗菌剤と化学療法(Antimicrobial Agents a
nd Chemotherapy,1987年、第31巻 744〜747頁及びファ
イザー社(Pfizer Inc.)による欧州特許第276-131-A
号)によるストレプトマイセス アベルミチリスの発酵
の人工的修飾により別のアベルメクチン誘導体が生成さ
れる。これらのアベルメクチン誘導体のいくつかはまた
更に修飾されて3′−及び3″−O−メチル基の1つ又
は2つが消失している(シュルマン等、J.Antibiot.198
5年、第38巻、1494〜1498頁)。このような誘導体の具
体例は3′,3″−O−ビスデスメチルアベルメクチンB1
a/B1b 3′,3″−O−ビスデスメチルアベルメクチンB1a/B1b 3″−O−デスメチルアベルメクチンB1a/B1b 3′,3″−ビスデスメチル−25−シクロヘキシル−25−
デ−(2−ブチル)−アベルメクチンB2a 3′,3″−ビスデスメチル−25−シクロペンチル−25−
デ−(2−ブチル)−アベルメクチンB2a 3′,3″−ビスデスメチル−25−(3−チエニル)−25
−デ−(2−ブチル)−アベルメクチンB2a 3′,3″−ビスデスメチル−25−(3−フリル)−25−
デ−(2−ブチル)−アベルメクチンB2a 3′,3″−ビスデスメチル−25−(1−メチルチオエチ
ル)−25−デ−(2−ブチル)−アベルメクチンB1aで
ある。
これら発酵生成物はまた改良された特性を有する抗寄生
虫及び殺虫化合物を得るために化学的に変性されてい
る。この方法の科学的な元になる文献はフィシャー(Fi
sher)、M.H.ムロツイク(Mrozik)、H.マクロライド抗
生物質(Macrolide Autibiotics)オムラ(Omura)、S.
編集、アカデミックプレス、ニューヨーク、1984年553
〜606頁及びダビエス(Davies)、H.G.グリーン(Gree
n)、R.H.Nat.Prod.Rep.1986年、第3巻、87〜121頁の
発表に見られる。
例えば半合成アベルメクチン誘導体の1種はアベルメク
チンB1化合物の22,23−二重結合を特異的に水素化して
非常に強力な駆虫及び抗寄生虫活性を持つ22,23−ジヒ
ドロアベルメクチンB1誘導体を生成することにより得ら
れた。半合成アベルメクチン誘導体の他の具体例は8,9
−オキシド基、4a−ヒドロキシ又はアシルオキシ基、23
−ケト基を含んでおり全て有効な抗寄生虫及び殺虫化合
物である。変性しないかあるいは反応条件下で変性すべ
きではない反応性基を含むときはこれを適当な保護基で
保護した後にのみ適用した。
本発明は3″−又は3′−メトキシ基及び/又は4″−
又は4′−ヒドロキシ基が取り除かれたアベルメクチン
化合物の誘導体に関する。この脱酸化合物は次に別の官
能基に於ても変性される。従って本発明の目的は、この
ような化合物を記載することである。また本発明の目的
はこのような化合物の製造に有用な方法を記載すること
である。また更に目的はこのような化合物の駆虫剤、殺
虫剤及びダニ駆虫剤としての用途を記載することであ
る。他の目的は以下の記述から明らかになるであろう。
本発明の化合物は、次の構造式を有する。
式中22,23位の破線は22,23単結合を表わしR1は水素、ヒ
ドロキシ又はケトであるかあるいは22,23位の破線は22,
23二重結合を表わしR1は存在しない。
R2はα−分枝鎖C3〜C8アルキル又はアルケニル基であ
る。
R3は水素、低級アルキル又は低級アルカノイルである。
R4又は である。
R5は水素であり、R6までの破線が4′又は4″単結合を
示すときR6はアミノ、N−低級アルキルアミノ、N,N−
ジ低級アルキルアミノ、低級アルカノイルアミノ又はN,
N−ジ低級アルカノイルアミノであるか又はR6までの破
線が4′又は4″二重結合を示すとき、R6はケト、セミ
カルバゾン、N−低級アルキルセミカルバゾン、N,N−
ジ低級アルキルセミカルバゾン、オキシム又は低級アル
キルオキシムであるかあるいは R5は水素又はメトキシでありR6は水素である。
R7はメチル又は水素である。
本発明の好適な化合物は上記構造式に於て 22,23位の破線が単結合を表わしR1が水素又はヒドロキ
シであるかあるいは22,23位の破線が二重結合を表わ
し、R1が存在せず、 R2がイソプロピル、sec−ブチル又はα−分枝鎖C3〜C8
アルケニル基であり、 R3が水素であり R4又は であり、 R5が水素であり、R6までの破線が4′又は4″単結合を
示すときR6がアミノ、N−低級アルキルアミノ、低級ア
ルカノイルアミノ又はN,N−ジ低級アルカノイルアミノ
であるか又はR6までの破線が4′又は4″二重結合を示
すときR6はケト、セミカルバゾン、N−低級アルキルセ
ミカルバゾン、N,N−ジ低級アルキルセミカルバゾン又
はオキシムであるか、あるいは R5が水素又はメトキシでありR6が水素であり、 R7がメチル又は水素である の場合である。
最も好適な化合物は上記構造式に於て 22,23位の破線が単結合を表わし、R1が水素又はヒドロ
キシであるかあるいは22,23位の破線が二重結合を表わ
し、R1が存在せず、 R2がイソプロピル、sec−ブチル又はα−分枝鎖C3〜C8
アルケニル基であり、 R3が水素であり R4であり、 R5が水素又はメトキシであり、 R6までの破線が4′又は4″単結合を示すとき、R6が水
素、アミノ、N−低級アルキルアミノ、低級アルカノイ
ルアミノ又はN,N−ジ低級アルカノイルアミノであるか
又はR6までの破線が4′又は4″二重結合を示すときR6
がケト、セミカルバゾン、N−低級アルキルセミカルバ
ゾン、N,N−ジ低級アルキルセミカルバゾン又はオキシ
ムであり、 R7がメチル又は水素である 場合である。
また本発明の好適な化合物の次の化合物の場合である。
4″−オキソ−3″−デスメトキシアベルメクチンB1a/
B1b 3″−デスメトキシ−4″−エピアベルメクチンB1a/B1
b 3″−デスメトキシアベルメクチンB1a/B1b 4′−O−テトラヒドロピラニル−アベルメクチンB1a/
B1bモノサッカライド 3″−デスメトキシ−4″−デオキソ−4″−メチルア
ミノ−アベルメクチンB1a/B1b 3″−デスメトキシ−4″−デオキソ−4″−エピ−メ
チルアミノ−アベルメクチンB1a/B1b 4″−アミノ−4″−デオキソ−3″−デスメトキシ−
アベルメクチンB1a/B1b 4″−デオキソ−3″−デスメトキシ−4″−エピ−ア
ミノ−アベルメクチンB1a/B1b 4″−アセチルアミノ−4″−デオキソ−3″−デスメ
トキシ−アベルメクチンB1a/B1b 4″−デオキソ−3″−デスメトキシ−4″−エピ−ア
セチルアミノ−アベルメクチンB1a/B1b 3″−デスメトキシアベルメクチンB1a/B1b−4″−セ
ミカルバゾン 4″−デオキソ−22,23−ジヒドロ−アベルメクチンB1a
/B1b 3″−デスメトキシ−22,23−ジヒドロ−4″−オキソ
−アベルメクチンB1a/B1b 3″−デスメトキシ−22,23−ジヒドロ−アベルメクチ
ンB1a/B1b 3″−デスメトキシ−22,23−ジヒドロ−4″−エピ−
アベルメクチンB1a/B1b 3″−デスメトキシ−22,23−ジヒドロ−4″−デオキ
ソ−4″−メチルアミノアベルメクチンB1a/B1b 3″−デスメトキシ−4″−デオキソ−4′−メチルア
ミノ−アベルメクチンB1a/B1bモノサッカライド 4″−アミノ−4″−デオキソ−3″−デスメトキシ−
アベルメクチンB2a/B2b 25−シクロペンチル−25−デ−(1−メチルプロピル)
−3″−デスメトキシ−4″−オキソ−アベルメクチン
B2a 25−シクロペンチル−25−デ−(1−メチルプロピル)
−3″−デスメトキシアベルメクチンB1a 25−シクロペンチル−25−デ−(1−メチルプロピル)
−3″−デスメトキシ−4″−エピ−アベルメクチンB1
a 本発明に於て「低級アルキル」という用語は、1〜6個
の炭素原子を有するアルキル基、例えばメチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル等を示
すものとする。
「低級アルコキシ」という用語は1〜6個の炭素原子を
有するアルコキシ基例えばメトキシ、エトキシ、プロポ
キシ、イソプロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソ
キシ等を含むものとする。
「低級アルカノイル」という用語は1〜6個の炭素原子
を有するアルカノイル基、例えばホルミル、アセチル、
プロピオニル、ブチリル、ペンタノイル、ヘキサノイル
等を含むものとする。
「ハロゲン」という用語は、ハロゲン原子、フッ素、塩
素、臭素又はヨウ素を含むものとする。
「b」化合物即ち25位がイソプロピル基である化合物
は、対応する25−sec−ブチル基を有する「a」化合物
から分離することが非常に難しく、そのためそうした化
合物は一般にそれら2種の化合物の混合物として単離さ
れる。従って本出願に於て「a」化合物例えばB1a、A1a
等と言うときは、実際には対応する「b」化合物をある
割合で含むようなものをも指すと解釈する。また一方、
1つの混合物は「a」又は「b」化合物を個々に示さず
にB1又はB2化合物と称したり、又はスラッシュ記号
(/)を用いてB1a/B1b、B2a/B2b等のように「a」化合
物から「b」化合物を分けて表わすこともする。
上記構造式は立体化学を明確にせずに示されている。し
かしながらこのような化合物を製造するために用いられ
る合成方法の過程では又は当業者に公知のラセミ化又は
エピマー化方法を用いると生成物は立体異性体の混合物
であり得る。特に13−及び23位に於ける立体異性体は分
子の一般平面の下又は上にある基を各々表わすα−ある
いはβ−に配向させることができる。その各々の場合に
ついてα−及びβ−配置の両方が本発明の範囲内に含ま
れるものとする。
本発明の化合物の基本的な出発物質は前記のアベルメク
チン発酵生成物である。更にR2として構造式に示される
25位にα分枝鎖アルキル又はアルケニル基を含む他の微
生物に生成したアベルメクチン誘導体は欧州特許出願第
86305604.0号(公開番号第0214731号)同第88300426.9
号(同第027631号)及び同第88300354.3号(同第027610
3号)に記載されている。これらの化合物もまた本発明
で特許を請求した化合物の出発物質として使用すること
ができる。R2置換基は本発明の化合物の製造に用いられ
る反応条件下で不活性であるためこれらの反応はこれら
の変化したアベルメクチン誘導体についても実施するこ
とができる。本化合物を製造するために別の反応を必要
とすることは明らかである。特に反応は5.22及び23位に
於て行なわれる。一般に4″−ヒドロキシを酸化し、次
にこうして生成した4″−ケトン上で置換する前にこれ
らの位置に何らかの置換基を導入した物質を製造するこ
とが好ましい。このような手順によると、一般に望まし
くない副反応が防止される。しかしながらこの手段は絶
対に必要というわけではなく所望により他の手順を用い
てもよい。また上記酸化及び置換反応中5位のヒドロキ
シ基を保護してこの位置での酸化又は置換を避けること
が必要である。この位置を保護することにより、上記反
応は4″又は4′位に於てその分子のその他の部分に影
響を与えずに行なうことができる。保護基は上記のいか
なる反応の後に於ても除去することが可能であり、保護
されていない生成物が分離され得る。用いられる保護基
は、理想的には容易に合成され、4″及び4′位での反
応に影響されず、その分子の他のいかなる官能基にも影
響を与えずに除去去れ得るものである。アベルメクチン
型の分子に対する1つの好ましい種類の保護基はトリ置
換シリル基であり好ましくはトリアルキルシリル基であ
る。1つの特に好ましい例はt−ブチルジメチルシリル
基である。保護された化合物を製造する反応は、ヒドロ
キシ化合物を適当に置換されたシリルハライド好ましく
はシリルクロライドと非プロトン性溶媒例えば塩化メチ
レン、ベンゼン、トルエン、酢酸エチル、テトラヒドロ
フラン、ジメチルホルムアミド中に於て反応させること
により行なわれる。副反応を最小にするために、反応混
合液中に塩基を含有させて反応過程で放出される酸ハロ
ゲン化物と反応させる。好ましいアミンはイミダゾー
ル、ピリジン又はトリエチルアミンである。この塩基は
遊離されるハロゲン化水素の量と当モル量を必要とする
が、一般に数当量のアミンを使用する。この反応は0℃
から反応混合液の還流温度までの温度で攪拌され、1/2
〜16時間で完了する。
このシリル基はこのシリル化合物を触媒的量の酸、好ま
しくはスルホン酸1水和物例えばp−トルエンスルホン
酸1水和物の存在下でメタノール中で攪拌することによ
り除去される。この反応は0〜50℃で約1/2〜12時間で
完了する。また一方このシリル基はこのシリル化合物を
テトラヒドロフラン中において無水ピリジン−フッ化水
素で処理することにより除去される。この反応は0〜25
℃に於て3〜24時間で完了する。
前記反応図式に於て用いられる別の出発物質は22,23二
重結合が単結合に還元されたものである。22,23二重結
合の選択的水素化工程に好適な触媒は式 [((R8)3P)3PhY] (式中R6は低級アルキル、フェニル又は低級アルキル置
換フェニルであり、Yはハロゲンである。) を有するものである。還元工程は米国特許第4,199,569
号に詳細に記載されている。
上記反応図式で用いられる他の出発物質は、モノサッカ
ライドの製造を含む。アベルメクチン化合物のモノサッ
カライド誘導体を製造するために用いることができるプ
ロセスは米国特許第4,206,205号に記載される。この反
応は一般に出発ジサッカライドを水性有機溶媒混合液中
において酸で処理することからなる。水の含有率0.1〜2
0容量%及び酸の含有率約0.01〜1.0%がモノサッカライ
ドを優先的に生成する。
またモノサッカライドの製造ための更なる方法はイソプ
ロパノール中1%鉱酸溶液を20〜40℃で6〜24時間使用
する。鉱酸例えば硫酸、リン酸等を使用することができ
る。
全ての場合に於てアベルメクチンの25位の置換基は反応
条件に不活性でありこの位置におけるアルキル基、アル
ケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等の
存在はアベルメクチン誘導体の製造、分離又は活性にほ
とんど影響しない。
化合物の製造 本化合物の製造はアベルメクチン出発物質が4′又は
4″位で対応するケトンに酸化されることを必要とす
る。操作過程で5位にヒドロキシ基がある場合、この基
まで酸化されないように保護することを必要とする。23
−ヒドロキシ基は反応性が低く、また7−ヒドロキシ基
はほとんど反応しないので、これらは保護される必要が
ない。保護された中間体を製造するために用いられる方
法は上述した通りである。酸化反応は不活性溶媒例えば
塩化メチレン中で酸化剤として塩化オキサリル又はトリ
フルオロ酢酸無水物及びジメチルスルホキシドを用いて
行なわれる。またN−クロロスクシンイミドやジメチル
スルフィドを用いることができる。反応は塩化オキサリ
ル又はトリフルオロ酢酸無水物及びジメチルスルキホシ
ド(又は他の酸化剤)を塩化メチレンに−50〜−80℃に
冷却しながら溶解し、酸化されるアベルメクチン化合物
の塩化メチレン溶液を滴下することにより進行させる。
添加は15分から1時間にわたって行なわれ、次にトリエ
チルアミンを1〜15分間滴下する。次に反応混合液を1/
2〜1時間室温に温めておく。4′又は4″−ケト化合
物は当業者に既知の手法を用いて分離される。
3″−デスメトキシ−4″−オキソ−アベルメクチンの
製造は5位が保護されたあるいは保護されない、対応す
る4″−オキソ−アベルメクチンを還元剤例えば二ヨウ
化サマリウム又は二ヨウ化イッテルビウムでTHF、エー
テル、ベンゼン等の有機溶媒中メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール等のプロトン供与体の存
在下−100〜25℃の温度で0.25〜2時間処理して行なわ
れる。化合物は当業者に既知の方法により分離精製され
る。
3″−デスメトキシアベルメクチン及び3″−デスメト
キシ−4″−エピアベルメクチン類縁体は対応する4″
−ケト化合物をナトリウムボロヒドリド、ナトリウムシ
アノボロヒドリド等のヒドリド物質でメタノール、エタ
ノール等のプロトン性溶媒中−20〜30℃の温度で処理し
て製造される。化合物は当業者に既知の方法により分
離、精製される。
3″−デスメトキシ−4″−ケト−アベルメクチンは非
置換アミノ化合物を製造するためにアミノ化される。反
応はメタノールのような不活性溶媒中、−10〜+25℃で
アミノ化剤及び還元剤として酢酸アンモニウム又は塩化
アンモニウムのようなアンモニウム塩及びナトリウムシ
アノボロヒドリドを用いて行なわれる。反応は15分から
2時間で完了し、生成物3″−デスメトキシ−4″−デ
オキシ−4″−アミノ化合物は当業者に既知の手法で分
離される。
上記アミノ化反応の変法としてアンモニウム塩の代わり
にアルキルアンモニウム塩を用いて直接モノアルキル置
換化合物を製造することができた。この反応には上述し
た同じ試薬、塩及び条件を使用することができる。
置換基がアシル官能基である新しく生成したアミノ基の
置換反応はアシル化剤を用いて、塩基の存在下、不活性
溶媒中で行なわれる。好適なアシル化剤は低級アルカノ
イル無水物、低級アルカノイルハロゲン化物、置換ベン
ゼンスルホニル塩化物、低級アルキルスルホニル塩化物
等である。反応は塩化メチレンのような不活性溶媒中
で、反応過程で生じる酸を中和するためにピリジン又は
トリエチルアミンのような非反応性塩基の存在下で行な
われる。反応温度は−10〜25℃であり、反応は5分から
1時間で完了する。生成物は既知の手法を用いて分離さ
れる。
3″−デスメトキシ−4″−デオキソ−アベルメクチン
−4″−セミカルバゾンの製造は、3″−デスメトキシ
−4−オキソ−アベルメクチンB1を、セミカルバジドで
メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン等の極性
溶媒中、触媒の酸、好ましくは酢酸の存在下、−20〜30
℃の温度で0.5〜20時間処理して行なわれる。対応する
セミカルバゾンは当業者に既知の手法により分離精製さ
れる。同様に3″−デスメトキシ−4″−オキソ−アベ
ルメクチンB1オキシムは同じ方法で、セミカルバジドを
ヒドロキシルアミン又はO−置換−ヒドロキシルアミン
に代えることで製造することができる。
テトラヒドロピラニル誘導体は5−O−tert−ブチル−
ジメチルシリル−アベルメクチンB1モノサッカライド
を、ジヒドロピランで、塩化メチレン、クロロホルム、
ベンゼン、エーテル、テトラヒドロフランのような非求
核性非ピロトン性溶媒中、pTSOH、ZnCl2、カンファスル
ホン酸等の触媒の存在下、−20〜50℃の温度で0.5〜12
時間処理して製造される。生成物は当業者に既知の方法
により分離精製される。シリル基は前述のように除去さ
れてテトラヒドロピラニル化合物が得られる。
アベルメクチンの4″位で行なわれる前述の反応の全て
はモノサッカライドの4′位行なわれて対応するモノサ
ッカライド誘導体を生成することができる。
本発明の新規な化合物は人及び動物の健康上並びに農業
上に於て駆虫剤、外部寄生虫駆除剤、殺虫剤及びダニ駆
除剤として著しい寄生虫駆除活性を有する。
一般に蠕虫病として知られる病気又は病気群は、動物宿
主が蠕虫として知られる寄生虫に感染することによる。
蠕虫病は家畜例えば豚、羊、馬、牛、山羊、犬、猫及び
家禽に於て広範且つ深刻な経済的問題である。蠕虫類の
中で線虫と称される群の蠕虫は広範且つ頻繁に多種の動
物に感染を引き起こす。上に挙げた動物に感染する最も
普通の属の線虫は捻転胃虫(Haemonchus)属、毛様線虫
(Trichostrongylus)属、オステルタジア(Ostertagi
a)属、ネマトディルス(Nematodirus)属、クーペリア
(Cooperia)属、回虫(Ascaris)属、ブノストムム(B
unostomum)属、腸結節虫(Oesophagostomum)属、カベ
ルチア(Chabertia)属、鞭虫(Trichuris)属、円虫
(Strongylus)属、トリコネマ(Trichonema)属、ディ
クトカウルス(Dictocaulus)属、毛頭虫(Capillari
a)属、ヘテラキス(Heterakis)属、トキソカラ(Toxo
cava)属、アスカリディア(Ascaridia)属、蟯虫(Oxy
uris)属、、鉤虫(Ancylostoma)属、ウンシナリア(U
ncinarai)属、イヌ小回虫(Toxascaris)属及びウマ回
虫(Parascaris)属である。これらのうちのある種類例
えばネマトディルス属、クーペリア属及び腸結節虫属等
は主として腸管を攻撃し、別の種類例えば捻転胃虫属及
びオステルタジア属等はより広く胃内に見られ、更に別
の種類例えばディクトカウルス病等は肺に見られる。更
に別の寄生虫は体の他の組織や器官例えば心臓及び血
管、皮下及びリンパ組織等に存在する。蠕虫病として知
られる寄生虫感染は貧血、栄養失調、虚弱、体重減少、
腸管壁若しくは他の組織や器官の著しい損傷等を招き、
治療せずに放置した場合には、感染した宿主の死をもた
らす。本発明のアベルメクチン化合物は犬に於けるイヌ
糸状虫(Dirofilaria)、げっ歯目動物に於けるネマト
スピロイデス(Nematospiroides)、シファシア(Sypha
cia)、アスピクルリス(Aspiculuris)、動物や鳥の節
足動物性外部寄生虫例えばマダニ類、ダニ類、シラミ
類、ノミ類、クロバエ類、羊に於けるキンバエ(Lucili
a sp.)、咬み型昆虫及び移動性双翅類幼虫即ち牛に於
けるヒフバエ(Hypoderma sp.)、馬に於けるウマバエ
(Gastrophilus)、げっ歯目動物に於けるウサギヒフバ
エ(Cuterebra sp.)等に対して予想外に高い活性を持
つ。
本発明の化合物は、人に感染する寄生虫に対しても有用
である。人の胃腸管に寄生する普通の属としては鉤虫
属、アメリカ鉤虫(Necator)属、回虫属、ストロンギ
ロイデス(Stronghloides)属、旋毛虫(Trichinella)
属、毛頭虫属、鞭虫属及び蟯虫(Enterobius)属があ
る。他の医学的に重要な寄生虫の属で血液中又は他の胃
腸管外組織及び器官に於て見られるものとしては、フィ
ラリア性蠕虫例えばブケレリア(Wuchereria)属、ブル
ギア(Brugia)属、オンコセルカ(Onchocerca)及びロ
ア糸状虫(Loa,Dracunculus)並びに腸内蠕虫ストロン
ギロイデス属及び旋毛虫属の腸管外時期がある。本化合
物または人に寄生する節足動物、咬み型昆虫及び人を悩
ます他の双翅類病害虫に対しても有用である。
また本化合物は過程内病害虫例えばゴキブリ即ちチャバ
ネゴキブリ(Blatella sp.)、イガ、即ちティネオラ種
(Tineola sp.)、ヒメマルカツブシムシ即ちアツタゲ
ヌス種(Attagenus sp.)及びイエバエ即ちムスカドメ
スティカ(Musca domestica)等にも有効である。
本化合物はまた貯蔵中の穀物の昆虫性病害虫例えばトリ
ボリウム種(Tribolium sp.)、ゴミムシダマシ(Teneb
rio sp.)及び農業植物の昆虫性病害虫例えばクモダニ
(Tetranychus sp.)、アリマキ(Acyrthiosiphon s
p.)、移動性直翅類例えばバッタや植物組織中に生息す
る昆虫の未成熟期のものに対しても有用である。本化合
物は農業上重要なことである土中の線虫や植物の寄生虫
例えばメロイドジネ(Meloidogyne sp.)の制御のため
の線虫駆除剤として有用である。
これらの化合物は哺乳動物に対して駆虫剤として用いる
場合には、単位投薬形例えばカプセル剤、大型丸剤若し
くは錠剤として又は液体飲薬として経口投与することが
できる。飲薬は通常有効成分を沈澱防止剤例えばベント
ナイト及び湿潤剤あるいは賦形剤等と共に水に溶解、懸
濁若しくは分散させたものである。一般に飲薬はまた消
泡剤をも含む。飲薬処方は活性化合物約0.001〜5重量
%を含む。好ましい飲薬処方は活性化合物0.01〜0.1重
量%を含有するものである。カプセル剤又は大型丸剤は
活性成分を賦形剤例えばデンプン、タルク、ステアリン
酸マグネシウム又はリン酸二カルシウムと混合したもの
を含む。
アベルメクチン誘導体を乾燥固体単位投薬形で投与する
ことが望まれるならば、所望量の活性化合物を含有する
カプセル剤、大型丸剤、若しくは錠剤が通常用いられ
る。これらの投薬形は活性成分を微粉砕した賦形剤、充
填剤、崩壊剤及び/又は結合剤例えばデンプン、ラクト
ース、タルク、ステアリン酸マグネシウム、植物ゴム質
等と緊密且つ一様に混合して調製される。それらの単位
投薬処方はその総重量及び抗寄生虫剤の含有量が治療さ
れる宿主動物の種類、感染の程度及び種類並びに宿主の
重量によって種々変わり得る。
活性化合物を動物の飼料を通じて投与する場合は、それ
を飼料中に十分に分散させるかトップドレッシングとし
て用いるか、出来上がった食物にペレット剤の形で加え
て用いるか又は別途に与えるかする。この代わりに本発
明の抗寄生虫化合物は非経口的例えば管内、筋肉内、気
管内又は皮下注射により動物に投与することができる
が、この場合は活性成分は液体賦形剤中に溶解又は分散
される。非経口投与の場合、活性物質は使用し得る賦形
剤好ましくは各種植物油例えば落花生油、綿実油等と適
当に混合される。他の非経口的賦形剤例えばソルケター
ル、グリセリンホルマールを用いた有機製剤及び水性非
経口処方も用いられる。1種又は複数種の活性アベルメ
クチン化合物が投与用非経口処方中に溶解又は懸濁され
る。このような処方は一般に活性化合物0.005〜5重量
%を含む。
本発明の抗寄生虫剤はその主たる用途が蠕虫病の治療及
び/又は予防であるが、他の寄生虫例えば節足動物性寄
生虫即ちマダニ類、シラミ類、ノミ類、ダニ類及び他の
咬み型昆虫によって引き起こされる家畜及び家禽の予防
及び治療にも有用である。またこれらは人を含む他の動
物に生ずる寄生虫病の治療にも有効である。最良の結果
を得るための最適使用量は、勿論用いられる個々の化合
物、治療される動物の種類及び寄生虫感染又は侵襲の種
類と程度による。一般に良い結果は本発明の新規な化合
物を経口投与する場合で動物体重1kg当り約0.001〜10mg
で得られ、この総投薬量は一度又は比較的短かい期間例
えば1〜5日内に分割して投与される場合である。本発
明の好適な化合物の場合、動物に於ける前記寄生虫の優
れた制御は、1回の投薬量が体重1kg当り約0.025〜0.5m
gを投与することによって得られる。くり返し治療は再
感染を治療するために必要なとき投与され、寄生虫の種
類及び用いられる農業技術による。これらの物質を動物
に投与する方法は家畜治療界に於ては知られている。本
明細書に記載した化合物が動物の飼料の一成分として、
又は飲料水中に溶解又は懸濁した状態で投与されるとき
には、1種又は複数種の活性化合物を不活性媒体又は賦
形剤中によく分散した組成物が与えられる。不活性媒体
とは本抗寄生虫剤と反応せず、且つ動物に安全に投与で
きるものを意味する。好ましくは飼料投与の場合の媒体
はその動物飼料の一部である(又は一部になり得る)も
のが好ましい。
好適な組成物としては活性及び比較的多量に含まれるプ
レミックス飼料又は添加物であって、動物に直接与える
か又は飼料に直接添加するか若しくは中間的に希釈ある
いは調合してから添加するのに適していることが好まし
い。このような組成物に適する代表的な媒体又は賦形剤
としては、例えば蒸留製造用乾燥穀物、コーンミール、
シトラスミール、発酵残留物、すりつぶしたカキ殻、小
麦ショート、糖密の可溶成分コーンコブミール、食用ビ
ーンミルフィード、あらびき大豆、砕いた石灰石等があ
る。活性アベルメクチン化合物は、グラインディング
(grinding)、スターリング(stirring)、ミリング
(milling)、又はタンブリング(tumbling)のような
攪拌混合手段により媒体全体に十分に分散される。活性
化合物約0.005〜2.0重量%を含む組成物は特にプレミッ
クス飼料として好ましい。飼料添加物は、動物に直接与
えるもので活性化合物約0.002〜0.3重量%を含む。
このような添加物は、動物の飼料に於て、最終的に活性
化合物の濃度が寄生虫病の治療及び予防に望ましい濃度
になるように動物の飼料に加えられる。望ましい活性化
合物濃度は、前記に挙げた因子、並びに用いられる個々
のアベルメクチン誘導体により種々異なるであろうが、
本発明の化合物は所望の抗寄生虫効果を達成するために
通常、飼料中の濃度が0.00001〜0.002%の範囲で与えら
れる。
本発明の化合物を使用する場合、個々のアベルメクチン
成分は製造してそのままの形で使用することができる。
また一方、個々のアベルメクチン成分を2種以上混合し
て用いることもできるし、本発明の化合物とは関係のな
い他の有効成分と混合して用いることもできる。
本発明の化合物はまた成育過程又は貯蔵中に農作物に損
傷を与える農業上の病害虫の駆除にも有用である。この
化合物は、噴霧剤、散粉剤、乳剤等既知の手法により、
成育過程又は貯蔵中の農作物に施され、そうした農業上
の病害虫から保護される。
本発明がより十分に理解されるように、以下に実施例を
挙げるが、これらは本発明を限定すると解釈されるもの
ではない。
以下の実施例に於て製造されるアベルメクチン誘導体
は、一般に結晶性固体としてではなく無定形固体として
分離される。従ってこれらは、質量分析法、核磁気共鳴
分光測定法等の手段によって分析的に確認される。無定
形であるため、これらの化合物ははっきりした融点によ
って確認されることはないが、用いられたクロマトグラ
フィー的及び分析方法はこれらの化合物が純粋であるこ
とを示す。
実施例1 3″−デスメトキシ−4″−オキソ−5−O−tert−ブ
チルジメチルアベルメクチンB1a/B1b 250mlの添加漏斗、窒素入口とテフロン被覆攪拌棒を備
えた乾燥した250mlの三ツ口丸底フラスコにサマリウム
金属(750mg、5m mol、2.5当量)を加えた。添加漏斗を
乾燥THF(110ml)で充填した。THFに1,2−ジヨードエタ
ン(1.18g、4.2m mol、2.1当量)を加えた。ジヨードエ
タン溶液をサマリウム金属にN2下室温で45分間滴下し
た。滴下が完了した後、深青色の混合液を30分間攪拌
し、次にドライアイス/アセトン浴中で−78℃に冷却し
た。25mlのナシ型フラスコで4″−オキソ−5−O−t
−ブチルジメチルシリルアベルメクチンB1a/B1b(1.96
g、2.0m mol、1当量)を乾燥THF(4ml)とメタノール
(2ml)に溶かした。このアベルメクチン溶液を窒素下
−78℃に冷却し、カニューレによりSmI2溶液の入ってい
るフラスコに移した。25分後、混合液はまだ暗青色であ
った。冷却浴を取り除き、反応液を温めておいた。20分
後この反応混合液を水性NaHCO3の入った分液漏斗に注ぎ
入れCH2Cl2で5回抽出した。有機抽出液を合わせ無水Na
2SO4で乾燥した。混合液を濾過し、真空中で濃縮し、シ
リカゲル(7:1のヘキサン/アセトンで溶離される)に
よるフラッシュカラムクロマトグラフィーで分離して
3″−デスメトキシ−4″−オキソ−5−O−tert−ブ
チルジメチルアベルメクチンB1550mgを白色固形物質と
して得、これは1HNMRスペクトルデータにより確認し
た。選択した1HNMRデータ(300MHz)(CDCl3)δCHCl3:
4.27(1H,q,J=6.5Hz,H5″);4.9(1H,s,C7OH);3.44
(3H,s,3′−OCH3);0.9(9H,s,SiCMe3);0.11(6H,s,S
iCH3)。
実施例1A 3″−デスメトキシ−22,23−ジヒドロ−4″−オキソ
−5−O−tert−ブチルジメチルアベルメクチンB1a/B1
b テトラヒドロフラン(110ml)中22,23−ジヒドロ−4″
−オキソ−5−O−tert−ブチルジメチルアベルメクチ
ンB1a/B1b(1.96g)とメタノール(2ml)の溶液をテト
ラヒドロフラン中二ヨウ化サマリウム溶液(110ml、0.0
4M溶液)と実施例1で詳細に記載した方法で反応させて
3″−デスメトキシ−22,23−ジヒドロ−4″−オキソ
−5−O−tert−ブチルジメチルアベルメクチンB1a/B1
bを得た。
実施例2 3″−デスメトキシ−4″−オキソアベルメクチンB1a/
B1b 0℃に於てメタノール(5ml)及び水(2ml)中3″−デ
スメトキシ−4″−オキソ−5−O−tert−ブチルジメ
チルアベルメクチンB1a/B1b(300mg、0.315m mol、1当
量)の攪拌溶液にメタノール中p−TsOHの溶液(5ml、
1重量%のp−TsOH)を加えた。この溶液を0℃で7.5
時間攪拌し、−4℃で14時間貯蔵し、次に氷浴中に置
き、室温で6時間徐々に温めた。反応混合液を水性NaHC
O3で急冷し、CH2Cl2で4回抽出した。この有機抽出液を
合わせ、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮
し、フラッシュカラムクロマトグラフィー(6:1のヘキ
サン/アセトンで溶離される)により分離して3″−デ
スメトキシ−4″−オキソ−アベルメクチンB1a/B1b 19
2.8mgを得、これは1HNMR、UV及び質量分析により確認し
た。選択1HNMRデータ(300MHz)(CDCl3)δCHCl3:4.22
−4.31(1H,q,C5″);4.22−4.31(1H,隠れている,C
5);4.0(1H,s,C7−OH);3.44(3H,s,3′−OCH3);3.37
(1H,t,J=8Hz,C4′H);3.27(1H,m,C2H);1.27(3H,
d,J=7.5Hz,C5′Me);1.22(3H,d,J=7Hzm,C5″Me);1.
13(3H,d,J=6.5,C24Me)質量スペクトル(FAB)(Liス
パイク):8.47(M++7) 実施例2A 3″−デスメトキシ−22,23−ジヒドロ−4″−オキソ
−アベルメクチンB1a/B1b 実施例2で詳述した方法に従い、0℃に於てメタノール
(5ml)中3″−デスメトキシ−22,23−デヒドロ−4″
−オキソ−5−O−tert−ブチルジメチルシリルアベル
メクチンB1a/B1b(300mg)の溶液をメタノール中D−ト
ルエンスルホン酸の1%溶液(5ml)で処理して3″−
デスメトキシ−22,23−ジヒドロ−4″−オキソ−アベ
ルメクチンB1a/B1bを得た。
実施例3 3″−デスメトキシ−アベルメクチンB1及び3″−デス
メトキシ−4″−エピ−アベルメクチンB1a/B1b 0℃に於て攪拌棒を備えた10mlの丸底フラスコでメタノ
ール(1ml)中3″−デスメトキシ−4″−オキソ−ア
ベルメクチンB1a/B1b(19mg、0.023m mol、1当量)の
攪拌溶液にエタノール中NaBH4の溶液(0.090ml、0.045m
mol、2当量、0.5M)を加えた。この混合液を0℃で15
分間攪拌し、次に飽和水性NaHCO3で急冷し、CH2Cl2で5
回抽出した。有機抽出液を合わせ無水Na2CO3で乾燥し、
濾過し、真空中で濃縮してシリカゲルによる分取用TLC
(3.5%メタノール/CH2CL2で溶離される)で分離して
3″−デスメトキシ−4″−エピアベルメクチンB1a/B1
b(Rf=0.26)3.7mg及び3″−デスメトキシアベルメク
チンB1a/B1b(Rf=0.20)11.4mgを得、これらは1HNMR及
び質量分析により確認した。
3″−デスメトキシ−4″−エピアベルメクチンB1a/B1
bの選択した1HNMRデータ(300MHz)(CDCl3)CHCl3:1.2
5(3H,d,J=7Hz,C5′Me);1.15(3H,d,J=7Hz,C5″M
e);1.14(3H,d,J=7Hz,C24Me)。質量スペクトル(FA
B)(Liスパイク):849(M++7)。
3″−デスメトキシアベルメクチンB1a/B1bの選択した1
HNMRデータ(300MHz)(CDCl3)CHCl3:1.26(3H,d,J=
6.5Hz,C5′Me);1.22(3H,d,J=6.5Hz,C5″Me);1.13
(3H,d,J=6.5Hz,C24Me)。質量スペクトル(FAB)(Li
スパイク):849(M++7)。
実施例3A 3″−デスメトキシ−22,23−ジヒドロアベルメクチンB
1a/B1b及び3″−デスメトキシ−22,23−ジヒドロ−
4″−エピ−アベルメクチンB1a/B1b 実施例3で詳述した方法に従い、0℃に於てメタノール
(1ml)中で3″−デスメトキシ−22,23−ジヒドロ−
4″−オキソ−アベルメクチンB1a/B1b(19mg)の溶液
をエタノール中NaBH4の0.5M溶液(0.09ml)で処理して
3″−デスメトキシ−22,23−ジヒドロ−アベルメクチ
ンB1a/B1b及び3″−デスメトキシ−22,23−ジヒドロ−
4″−エピ−アベルメクチンB1a/B1bを得た。
実施例4 5−O−tert−ブチルジメチルシリル−4′−O−テト
ラヒドロピラニルアベルメクチンB1a/B1bモノサッカラ
イド 攪拌棒を備えた15mlの丸底フラスコでCH2Cl2(0.5ml)
中5−O−tert−ブチルジメチルシリルアベルメクチン
B1a/B1bモノサッカライド(15mg、0.018m mol、1当
量)の攪拌溶液にジヒドロピラン(0.003ml、0.021m mo
l、1.2当量)を加え、次にCH2Cl2中p−トルエンスルホ
ン酸の溶液(0.180ml、0.002m mol、0.1当量、0.1M)を
加えた。この混合液をN2下で2.5時間攪拌し、次に飽和
水性NaHCO3で急冷しCH2Cl2で4回抽出した。有機抽出液
を合わせ、無水Ns2CO4で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮
し、シリカゲルによる分取用TLC(3:1のヘキサン/アセ
トンで溶離)で分離して5−O−tert−ブチルジメチル
シリル−4′−O−テトラヒドロピラニル−アベルメク
チンB1a/B1bモノサッカライド14.1mgを得、これは1HNMR
で確認した。
実施例5 4′−O−テトラヒドロピラニル−アベルメクチンB1a/
B1bモノサッカライド 5−O−tert−ブチルジメチルシリル−4′−O−テト
ラヒドロピラニル−アベルメクチンB1モノサッカライド
(14.1mg)を含み、攪拌棒を備えたポリエチレン遠心管
にTHF中HFとピリジンの溶液(HF・ピリジン20ml+ピリ
ジン60ml+THF120mlの溶液0.5ml)を加えた。この管に
ふたをし、反応混合液を一晩攪拌した。この反応混合液
を飽和水性NaHCO3を滴下して注意深く急冷した。この混
合液を水性NaHCO3で希釈し、CH2Cl2で4回抽出した。有
機抽出液を合わせ無水NaSO4で乾燥し、濾過し、真空中
で濃縮し、シリカゲルによる分取用TLC(3:1のヘキサン
/アセトンで溶離)で分離して4′−O−テトラヒドロ
ピラニル−アベルメクチンB1a/B1bモノサッカライド5.2
mgを得、これは1HNMRと質量分析により確認した。選択
した1HNMRデータ(300MHz)(CDCl3)δCHCl3:4.9−5.0
(2H,m,H15+H1″);4.75(1H,d,J=3.7,H1′);4.28
(1H,t,J=6,H5);3.45(3H,s,OH3);2.28(2H,m,H4′
+H2)質量スペクトル(FAB)(Liスパイク):819(M+
+7)。
実施例6 3″−デスメトキシ−4″−デオキソ−4″−メチルア
ミノ−5−O−tert−ブチルジメチルシリル−アベルメ
クチンB1a/B1b及び3″−デスメトキシ−4″−デオキ
ソ−4″−エピ−メチルアミノ−5−O−tert−ブチル
ジメチルシリル−アベルメクチンB1a/B1b 攪拌棒を備えた16mlのねじふたのヴァイアルでメタノー
ル(2ml)中3″−デスメトキシ−4″−デオキソ−5
−O−tert−ブチルジメチルシリル−アベルメクチンB1
a/B1b(50mg、0.053m mol、1当量)の攪拌溶液にメチ
ルアミン塩酸塩(35mg、0.52m mol、10当量)を加え次
にジイソプロピルエチルアミン(0.045ml、0.26m mol、
5当量)を加えた。この攪拌混合液にNaCNBH3(8mg、0.
127m mol、2.4当量)を加えた。このヴァイアルにふた
をし、この混合液を1.5時間攪拌した。この反応混合液
を飽和水性NaHCO3で急冷し、CH2Cl2で4回抽出した。有
機抽出液を合わせ、無水NaSO4で乾燥し、濾過し、真空
中で濃縮し、シリカゲルによる分取用TLC(3:1のヘキサ
ン/アセトンで溶離)で分離して3″−デスメトキシ−
4″−デオキソ−4″−メチルアミノ−5−O−tert−
ブチルジメチルシリル−アベルメクチンB1a/B1b(Rf=
0.15)12.8mgと3″−デスメトキシ−4″−デオキソ−
4″−エピ−メチルアミノ−5−O−tert−ブチルジメ
チルシリル−アベルメクチンB1(Rf=0.05)6.7mgを
得、これは1HNMRにより確認した。
実施例6A 3″−デスメトキシ−4″−デオキソ−22,23−ジヒド
ロ−4″−メチルアミノ−5−O−tert−ブチルジメチ
ルシリル−アベルメクチンB1a/B1b及び3″−デス−メ
トキシ−4″−デオキソ−22,23−ジヒドロ−4″−エ
ピ−メチルアミノ−5−O−tert−ブチルジメチルシリ
ル−アベルメクチンB1a/B1b 実施例6で詳述した方法に従い、メタノール中3″−デ
スメトキシ−22,23−ジヒドロ−4″−メチルアミノ−
5−O−tert−ブチルジメチルシリル−アベルメクチン
B1a/B1b(50mg)をメチルアミン塩酸塩(35mg)、ジイ
ソプロピルアミン(0.045ml)及びナトリウムシアノボ
ロヒドリド(8mg)で処理して3″−デスメトキシ−
4″−デオキソ−22,23−ジヒドロ−4″−メチルアミ
ノ−5−O−tert−ブチルジメチルシリル−アベルメク
チンB1a/B1bと3″−デス−メトキシ−4″−デオキソ
−22,23−ジヒドロ−4″−エピ−メチルアミノ−5−
O−tert−ブチルジメチルシリル−アベルメクチンB1a/
B1bを得た。
実施例7 3″−デスメトキシ−4″−デオキソ−4″−メチルア
ミノ−アベルメクチンB1a/B1b 3″−デスメトキシ−4″−デオキソ−4″−メチルア
ミノ−5−O−tert−ブチルジメチルシリルアベルメク
チンB1a/B1b(12.8mg)を含み、攪拌棒を備えたポリプ
ロピレン遠心管にTHF中HF・ピリジンの溶液(HF・ピリ
ジン15ml+ピリジン60ml+THF120mlの溶液0.5ml)を加
えた。この管にふたをし、混合液を一晩攪拌した。この
反応液を飽和水性NaHCO3で注意深く急冷し、CH2Cl2で4
回抽出した。有機抽出液を合わせ、無水NaSO4で乾燥
し、濾過し、真空中で濃縮し、シリカゲルによる分取用
TLC(7%メタノール/CH2Cl2で溶離)で分離して3″
−デスメトキシ−4″−デオキソ−4″−メチルアミノ
−アベルメクチンB1a/B1b 3.6mgを得、これは1HNMRと質
量スペクトルにより確認した。
実施例7A 3″−デスメトキシ−22,23−ジヒドロ−4″−デオキ
ソ−4″−メチルアミノ−アベルメクチンB1a/B1b 実施例7で詳述した方法に従い、3″−デスメトキシ−
4″−デオキソ−22,23−ジヒドロ−4″−メチルアミ
ノ−5−O−tert−ブチルジメチルシリル−アベルメク
チンB1a/B1b(12.8mg)をテトラヒドロフラン中HF・ピ
リジンの溶液(HF・ピリジン15ml+ピリジン45ml+テト
ラヒドロフラン120mlの溶液0.5ml)で処理して3″−デ
スメトキシ−22,23−ジヒドロ−4″−デオキソ−4″
−メチルアミノ−アベルメクチンB1a/B1bを得た。
実施例8 3″−デスメトキシ−4″−デオキソ−4″−エピ−メ
チルアミノ−アベルメクチンB1a/B1b 3″−デスメトキシ−4″−デオキソ−4″−エピ−メ
チルアミノ−5−O−tert−ブチルジメチルシリルアベ
ルメクチンB1a/B1b(6.7mg)を含み、攪拌棒を備えたポ
リプロピレン製遠心管にTHF中HF・ピリジンの溶液(HF
・ピリジン15ml+ピリジン60ml+THF120mlの溶液0.5m
l)を加えた。この管にふたをし、混合液を一晩攪拌し
た。この反応液を飽和水性NaHCO3で注意深く急冷し、CH
2Cl2で4回抽出した。有機抽出液を合わせ水性Na2SO4
乾燥し、濾過し、真空中で濃縮し、シリカゲルによる分
取用TLC(7%メタノール/CH2Cl2で2回溶離)で分離
して3″−デスメトキシ−4″−デオキソ−4″−エピ
−メチルアミノ−アベルメクチンB1a/B1b 2.1mgを得、
これは1HNMR及び質量スペクトルにより確認した 実施例9 4″−アミノ−4″−デオキソ−3″−デスメトキシ−
5−O−tert−ブチルジメチルシリル−アベルメクチン
B1a/B1b及び4″−デオキソ−3″−デスメトキシ−
4″−エピ−アミノ−5−O−tert−ブチルジメチルシ
リル−アベルメクチンB1a/B1b 攪拌棒を備えた25mlのナシ形フラスコでメタノール(3.
5ml)中3″−デスメトキシ−4″−オキソ−5−O−t
ert−ブチルジメチルシリル−アベルメクチンB1(175m
g、0.184m mol、1当量)の攪拌溶液にNH4OAc(170mg、
2.21m mol、12当量)を加え、次にNaCNBH3(52mg、0.82
9m mol、4.5当量)を加えた。この混合液をN2下で1.3時
間攪拌した。この反応液を飽和水性NaHCO3で急冷し、CH
2Cl2で5回抽出した。有機抽出液を合わせ、無水Na2SO4
で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮し、シリカゲルによる
分取用TLC(3.5%メタノール/CH2Cl2で溶離)で分離し
て4″−アミノ−4″−デオキソ−3″−デスメトキシ
−5−O−tert−ブチルジメチルシリル−アベルメクチ
ンB1a/B1b(Rf=0.28)37.3mgと4″−デオキソ−3″
−デスメトキシ−4″−エピ−アミノ−5−O−tert−
ブチルジメチルシリル−アベルメクチンB1a/B1b(Rf=
0.09)7.2mgを得、これは1HNMRにより確認した。
実施例10 4″−アミノ−4″−デオキソ−3″−デスメトキシ−
アベルメクチンB1a/B1b 4″−アミノ−4″−デオキソ−3″−デスメトキシ−
5−O−tert−ブチルジメチルシリル−アベルメクチン
B1a/B1b(37.3mg)を含み攪拌棒を備えたポリプロピレ
ン遠心管にTHF中HF・ピリジンの溶液(HF・ピリジン15m
l+ピリジン60ml+THF120mlの溶液1.0ml)を加えた。こ
の管にふたをし、混合液を6時間攪拌した。この反応液
を飽和水性NaHCO3で注意深く急冷し、CH2Cl2で4回抽出
した。有機抽出液を合わせ無水Na2SO4で乾燥し、濾過
し、真空中で濃縮し、シリカゲルによる分取用TLC(7
%メタノール/CH2Cl2で2回溶離)で分離して4″−ア
ミノ−4″−デオキソ−3″−デスメトキシ−アベルメ
クチンB1a/B1b 16.2mgを得、これは1HNMR及び質量分析
により確認した。
実施例11 4″−デオキソ−3″−デスメトキシ−4″−エピ−ア
ミノ−アベルメクチンB1a/B1b デオキソ−3″−デスメトキシ−4″−エピ−アミノ−
5−O−tert−ブチルジメチルシリル−アベルメクチン
B1a/B1b(7.2mg)を含み攪拌棒を備えたポリプロピレン
遠心管にTHF中HF・ピリジンの溶液(HF・ピリジン15ml
+ピリジン60ml+THF120mlの溶液0.5ml)を加えた。こ
の反応液を飽和水性NaHCO3で注意深く急冷し、CH2Cl2
4回抽出した。有機抽出液を合わせ、無水Na2SO4で乾燥
し、濾過し、真空中で濃縮し、シリカゲルによる分取用
TLC(7%メタノール/CH2Cl2で2回溶離)で分離して
4″−デオキソ−3″−デスメトキシ−4″−エピ−ア
ミノ−アベルメクチンB1a/B1b 2.4mgを得、これは1HNMR
及び質量分析により確認した。
実施例12 4″−アセチルアミノ−4″−デオキソ−3″−デスメ
トキシ−アベルメクチンB1a/B1b 攪拌棒を備えた10mlの回収フラスコでCH2Cl2(0.2ml)
中4″−アミノ−4″−デオキソ−3″−デスメトキシ
−アベルメクチンB1a/B1b(16.1mg、0.019m mol、1当
量)の攪拌溶液にCH2CL2中酢酸無水物の溶液(0.020m
l、0.021m mol、1.1当量、10%溶液)を加えた。この混
合液を1時間攪拌し、次に飽和水性NaHCO3で希釈し、CH
2Cl2で4回抽出した。有機抽出液を合わせ無水Na2SO4
乾燥し、濾過し、真空中で濃縮し、シリカゲルによる分
取用TLC(3.5%メタノール/CH2Cl2で溶離)で分離して
4″−アセチルアミノ−4″−デオキソ−3″−デスメ
トキシ−アベルメクチンB1a/B1b 12.9mg得、これは1HNM
R及び質量スペクトルで確認した。
実施例13 4″−デオキソ−3″−デスメトキシ−4″−エピ−ア
セチルアミノ−アベルメクチンB1a/B1b 攪拌棒を備えた10mlの回収フラスコでCH2Cl2(0.20ml)
中4″−デオキソ−3″−デスメトキシ−4″−エピ−
アミノ−アベルメクチンB1a/B1b(3.1mg、0.003m mol、
1当量)の攪拌溶液にCH2Cl2中酢酸無水物の溶液(0.01
0ml、0.010m mol、3.3当量、10%溶液)を加えた。この
混合液を1時間攪拌し、次に飽和水性NaHCO3で希釈し、
CH2Cl2で4回抽出した。有機抽出液を合わせ、無水Na2S
O4で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮し、シリカゲルによ
る分取用TLC(3.5%メタノール/CH2Cl2で溶離)で分離
して4″−デオキソ−3″−デスメトキシ−4″−エピ
−アセチルアミノ−アベルメクチンB1a/B1b 2.7mg得、
これは1HNMR及び質量分析で確認した。
実施例14 3″−デスメトキシアベルメクチンB1a/B1b−4″−セ
ミカルバゾン 攪拌棒を備えた50mlの丸底フラスコでメタノール(2m
l)中3″−デスメトキシ−4″−オキソ−アベルメク
チンB1a/B1b(26.7mg、0.032m mol、1当量)の攪拌溶
液にセミカルバジド塩酸塩(30mg、0.269m mol、8.4当
量)を加え、次にピリジン2滴を加えた。この混合液を
5時間攪拌し、次に飽和水性NaHCO3で希釈し、CH2Cl2
5回抽出した。有機抽出液を合わせ、無水Na2SO4で乾燥
し、濾過し、真空中で濃縮し、シリカゲルによる分取用
TLC(7%メタノール/CH2Cl2で溶離)で分離して3″
−デスメトキシアベルメクチンB1a/B1b−4″−セミカ
ルバゾン18.5mgを得、これは1HNMR及び質量分析により
確認した。
実施例15 3′−デスメトキシ−4′−オキソ−5−O−tert−ブ
チルジメチルアベルメクチンB1a/B1bモノサッカライド 実施例1で詳述した方法に従い、テトラヒドロフラン
(110ml)中4′−オキソ−5−O−tert−ブチルジメ
チルアベルメクチンB1a/B1bモノサッカライド(1.67g)
とメタノール(2ml)をテトラヒドロフラン中二ヨウ化
サマリウム溶液(110ml、0.04M溶液)と反応させて3′
−デスメトキシ−4′−オキソ−5−O−tert−ブチル
ジメチルアベルメクチンB1a/B1bモノサッカライドを得
た。
実施例16 3′−デスメトキシ−4′−オキソ−アベルメクチンB1
a/B1bモノサッカライド 実施例2で詳述した方法に従い、0℃に於てメタノール
(5ml)中3′−デスメトキシ−4′−オキソ−5−O
−tert−ブチルジメチルシリルアベルメクチンB1a/B1b
モノサッカライド(300mg)の溶液をメタノール中p−
トルエンスルホン酸の1%溶液(5ml)で処理して3′
−デスメトキシ−4′−オキソ−アベルメクチンB1a/B1
bモノサッカライドを得た。
実施例17 3′−デスメトキシ−4′−デオキソ−4′−メチルア
ミノ−5−O−tert−ブチルジメチルシリル−アベルメ
クチンB1a/B1bモノサッカライド及び3′−デスメトキ
シ−4′−デオキソ−4′−エピ−メチルアミノ−5−
O−tert−ブチルジメチルシリル−アベルメクチンB1a/
B1bモノサッカライド 実施例6で詳述した方法に従い、メタノール中3′−デ
スメトキシ−4′−オキソ−5−O−tert−ブチルジメ
チルシリル−アベルメクチンB1a/B1bモノサッカライド
(50mg)の溶液をメチルアミン塩酸塩(35mg)ジイソプ
ロピルアミン(0.045ml)及びナトリウムシアノボロヒ
ドリド(8mg)で処理して3′−デスメトキシ−4′−
デオキソ−4′−メチルアミノ−5−O−tert−ブチル
ジメチルシリル−アベルメクチンB1a/B1bモノサッカラ
イドと3′−デスメトキシ−4′−デオキソ−4′−エ
ピ−メチルアミノ−5−O−tert−ブチルジメチルシリ
ル−アベルメクチンB1a/B1bモノサッカライドを得た。
実施例18 3′−デスメトキシ−4′−デオキソ−4′−メチルア
ミノ−アベルメクチンB1a/B1bモノサッカライド 実施例7で詳述した方法に従い3′−デスメトキシ−
4′−デオキソ−4′−メチルアミノ−5−O−tert−
ブチルジメチルシリル−アベルメクチンB1a/B1bモノサ
ッカライド(12.8mg)をテトラヒドロフラン中HF・ピリ
ジンの溶液(HF・ピリジン15ml+ピリジン45ml+テトラ
ヒドロフラン120mlの溶液0.5ml)で処理して3′−デス
メトキシ−4′−デオキソ−4′−メチルアミノ−アベ
ルメクチンB1モノサッカライドを得た。
実施例19 22,23−ジヒドロ−4′−O−(4−メチルフェノキシ
チオノカルボニル)−5−O−t−ブチルジメチルシリ
ルアベルメクチンB1a/B1b アセトニトリル(15ml)中22,23−ジヒドロ−5−O−
t−ブチルジメチルシリルアベルメクチンB1a/B1b(500
mg)の攪拌溶液にジメチルアミノピリジン(600mg)と
O−4−メチルフェニルクロロチオホーメート(0.400m
l)を加えた。この混合液をN2下室温で1.5時間攪拌し
た。ジメチルアミノピリジン100mgを追加し、この混合
液をN2下室温で一晩攪拌した。この反応液を水に注ぎ入
れて急冷し、2.5N水性HClを加えて酸性にした。この混
合液を酢酸エチルで3回抽出した。有機分を合わせ、希
HClで1回、水で2回、食塩水で1回洗浄した。有機相
を真空中で濃縮し、残留物をシリカゲル(塩化メチレン
中3%酢酸エチルで溶離)による分取用TLCで精製して2
2,23−ジヒドロ−4″−O−(4−メチルフェノキシチ
オノカルボニル)−5−O−t−ブチルジメチルシリル
アベルメクチンB1a/B1b 280mgを得、これは1HNMR及び質
量分析により確認した。
実施例20 22,23−ジヒドロ−4″−O−(4−メチルフェノキシ
チオノカルボニル)−アベルメクチンB1a/B1b 22,23−ジヒドロ−4″−O−(4−メチルフェノキシ
チオノカルボニル)−5−O−t−ブチルジメチルシリ
ルアベルメクチンB1a/B1b(50mg)を含む試験管にメタ
ノール中p−トルエンスルホン酸1水和物と水の溶液
(6ml、メタノール中1%w/v p−トルエンスルホン酸+
水1ml)を加えた。この混合液を室温で40分間攪拌し
た。この反応液を希NaHCO3で急冷し、酢酸エチルで3回
抽出した。有機抽出液を合わせ希水性NaCl、水次に飽和
水性NaClで洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、真空中で
濃縮して22,23−ジヒドロ−4″−O−(4−メチルフ
ェノキシチオノカルボニル)−アベルメクチンB1a/B1b
40mgを得、これは1HNMR及び質量分析により確認した。
実施例21 4″−デキオソ−22,23−ジヒドロ−アベルメクチンB1a
/B1b トルエン(2ml)中22,23−ジヒドロ−4″−O−(4−
メチルフェノキシチオノカルボニル)−アベルメクチン
B1a/B1b(40mg)の攪拌溶液にアゾビスイソブチロニト
リル(10mg)を加えた。このフラスコに還流コンデンサ
ーを取り付けN2下に置いた。この反応フラスコを120℃
に予め加熱した油浴中に浸した。穏やかな還流で保持さ
れた混合液にトルエン(2ml)中水素化トリ−n−ブチ
ルスズ(0.200ml)の溶液をピペットにより加えた。還
流下で35分間反応を保持した後、油浴中の加熱を止め、
反応混合液中の溶媒をN2気流により除去した。残留物を
CH2Cl2で希釈し、生成物をシリカゲル(10%酢酸エチル
/CH2Cl2で溶離)による分取用TLCで分離して4″−デ
キオソ−22、23−ジヒドロ−アベルメクチンB1a/B1b 2
0.9mgを得、これは1HNMR及び質量分析により確認した。
実施例22 5−O−t−ブチルジメチルシリル−アベルメクチンB2
a/B2b 乾燥ジメチルホルムアミド(1ml)中アベルメクチンB2a
/B2b(100mg)の攪拌溶液にtert−ブチルジメチルシリ
ルクロライド(48mg)とイミダゾール(48mg)を加え、
この混合液を室温で50分間攪拌した。次にこの反応混合
液を水で希釈し、CH2Cl2で3回抽出した。有機抽出液を
合わせ、無水Na2SO4で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮し
た。この生成混合液を90:10〜70:30のCH2Cl2−Et0Ac溶
媒系を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分
離して5−O−tert−ブチルジメチルシリル−アベルメ
クチンB2a/B2bを得た。
実施例23 4″−オキソ−5−O−tert−ブチルジメチルシリル−
アベルメクチンB2a/B2b N2でパージした乾燥フラスコに塩化オキサリル(0.097m
l)とCH2Cl2(1.5ml)を加えた。この反応混合液を−78
℃に冷却し、CH2Cl2(1ml)中ジメチルスルホキシド
(0.169ml)の溶液を3分で加え、この反応混合液を−7
8℃で2分間攪拌した。この反応混合液にCH2Cl2(3ml)
中5−O−tert−ブチルジメチルシリルアベルメクチン
B2(500mg)溶液を5分で滴下し、この混合液を−78℃
で30分間攪拌した。この終わりにトリエチルアミン(0.
71ml)を滴下し、この反応混合液を−78℃で5分間攪拌
した。冷却浴を取り除き、反応液を45分間で室温に戻し
た。この反応液を水50mlを加えて急冷し、CH2Cl2で4回
抽出した。有機抽出液を合わせ、無水Na2SO4で乾燥し、
真空中で濃縮した。生成混合液をシリカゲルによる分取
用TLCで分離して4″−オキソ−5−O−tert−ブチル
ジメチルシリル−アベルメクチンB2a/B2b 23−オキソ−
5−O−tert−ブチルジメチルシリル−アベルメクチン
B2a/B2b及び4″,23−ビス−オキソ−5−O−tert−ブ
チルジメチルイリル−アベルメクチンB2a/B2bを得た。
実施例24 3″−デスメトキシ−4″−オキソ−5−O−tert−ブ
チルジメチルシリル−アベルメクチンB2a/B2b 実施例1で詳述した方法に従い、テトラヒドロフラン
(110ml)中4″−オキソ−5−O−tert−ブチルジメ
チルシリル−アベルメクチンB2a/B2b(1.96g)とメタノ
ール(2ml)の溶液をテトラヒドロフラン中二ヨウ化サ
マリウム溶液(110ml、0.04M溶液)と反応させて3″−
デスメトキシ−4″−オキソ−5−O−tert−ブチルジ
メチルシリル−アベルメクチンB2a/B2bを得た。
実施例25 4″−アミノ−4″−デオキソ−3″−デスメトキシ−
5−O−tert−ブチルジメチルシリル−アベルメクチン
B2a/B2b及び4″−デオキソ−3″−デスメトキシ−
4″−エピ−アミノ−5−O−tert−ブチルジメチルシ
リル−アベルメクチンB2a/B2b 実施例9で詳述した方法に従い、3″−デスメトキシ−
4″−オキソ−5−O−tert−ブチルジメチルシリル−
アベルメクチンB2a/B2b(175mg)、メタノール(3.5m
l)とNH4OAc(170mg)の攪拌溶液をNaCNBH3(52mg)と
反応させて4″−アミノ−4″−デオキソ−3″−デス
メトキシ−5−O−tert−ブチルジメチルシリル−アベ
ルメクチンB2a/B2b及び4″−デオキソ−3″−デスメ
トキシ−4″−エピ−アミノ−5−O−tert−ブチルジ
メチルシリル−アベルメクチンB2a/B2bを得た。
実施例26 4″−アミノ−4″−デオキソ−3″−デスメトキシ−
アベルメクチンB2a/B2b 実施例10で詳述した方法に従い4″−アミノ−4″−デ
オキソ−3″−デスメトキシ−5−O−tert−ブチルジ
メチルシリル−アベルメクチンB2(37.3mg)をテトラヒ
ドロフラン中HF・ピリジンとピリジンの溶液(HF・ピリ
ジン15ml+ピリジン60ml+THF120mlの溶液1.0ml)で処
理して4″−アミノ−4″−デオキソ−3″−デスメト
キシ−アベルメクチンB2a/B2bを得た。
実施例27 25−シクロペンチル−25−デ−(1−メチルプロピル)
−5−O−tert−ブチルジメチルシリル−アベルメクチ
ンB1a 実施例22で詳述した方法に従い、乾燥ジメチルホルムア
ミド(1.0ml)中25−シクロペンチル−25−デ−(1−
メチルプロピル)−アベルメクチンB1a(100mg)、イミ
ダゾール(48mg)、tert−ブチルドメチルシリルクロラ
イド(48mg)の溶液を処理して25−シクロペンチル−25
−デ−(1−メチルプロピル)−5−O−tert−ブチル
ジメチルシリル−アベルメクチンB1aを得た。
実施例28 25−シクロペンチル−25−デ−(1−メチルプロピル)
−5−O−tert−ブチルジメチルシリル−4″−オキソ
−アベルメクチンB1a N2でパージした乾燥フラスコに塩化オキサリル(0.097m
l)とCH2Cl2)(1.5ml)を加えた。この反応混合液を−
78℃に冷却し、CH2Cl2(1ml)中ジメチルスルホキシド
(0.169ml)の溶液を3分で加え、この反応混合液を−7
8℃で2分間攪拌した。この反応混合液にCH2Cl2(3ml)
中25−シクロペンチル−25−デ−(1−メチルプロピ
ル)−5−O−tert−ブチルジメチルシリル−アベルメ
クチンB1a(500mg)の溶液を5分で滴下し、この混合液
を−78℃で30分間攪拌した。この終わりにトリエチルア
ミン(0.71ml)を滴下し、この反応混合液を−78℃で5
分間攪拌した。冷却浴を取り除き、この反応液を45分間
で室温に戻した。水50mlを加えて反応液を急冷しCH2Cl2
で4回抽出した。有機抽出液を合わせ、無水Na2SO4で乾
燥し、濾過し、真空中で濃縮した。この生成混合液をシ
リカゲルによる分取用TLCで分離して25−シクロペンチ
ル−25−デ−(1−メチルプロピル)−5−O−tert−
ブチルジメチルシリル−4″−オキソ−アベルメクチン
B1aを得た。
実施例29 25−シクロペンチル−25−デ−(1−メチルプロピル)
−3″−デスメトキシ−4″−オキソ−5−O−tert−
ブチルジメチルシリル−アベルメクチンB2a 実施例1で詳述した方法に従い、テトラヒドロフラン
(110ml)中25−シクロペンチル−25−デ−(1−メチ
ルプロピル)−5−O−tert−ブチルジメチルシリル−
4″−オキソ−アベルメクチンB1a(1.96g)とメタノー
ル(2ml)の溶液をテトラヒドロフラン中二ヨウ化サマ
リウム溶液(110ml、0.04M溶液)と反応させて25−シク
ロペンチル−25−デ−(1−メチルプロピル)−3″−
デスメトキシ−4″−オキソ−5−O−tert−ブチルジ
メチルシリル−アベルメクチンB2aを得た。
実施例30 25−シクロペンチル−25−デ−(1−メチルプロピル)
−3″−デスメトキシ−4″−オキソ−アベルメクチン
B2a 実施例2で詳述した方法に従い、0℃に於てメタノール
(5ml)中25−シクロペンチル−25−デ−(1−メチル
プロピル)−3″−デスメトキシ−4″−オキソ−5−
O−tert−ブチルジメチルシリル−アベルメクチンB2a
(300mg)の溶液をメタノール(5ml)中p−トルエンス
ルホン酸の1%溶液で処理して25−シクロペンチル−25
−デ−(1−メチルプロピル)−3″−デスメトキシ−
4″−オキソ−アベルメクチンB2aを得た。
実施例31 25−シクロペンチル−25−デ−(1−メチルプロピル)
−3″−デスメトキシアベルメクチンB1a及び25−シク
ロペンチル−25−デ−(1−メチルプロピル)−3″−
デスメトキシ−4″−エピ−アベルメクチンB1a 実施例3で詳述した方法に従い、メタノール(1ml)中2
5−シクロペンチル−25−デ−(1−メチルプロピル)
−3″−デスメトキシ−4″−オキソ−アベルメクチン
B1a(19mg)の攪拌溶液をNaBH4のエタノール性溶液で処
理して25−シクロペンチル−25−デ−(1−メチルプロ
ピル)−3″−デスメトキシ−アベルメクチンB1a及び2
5−シクロペンチル−25−デ−(1−メチルプロピル)
−3″−デスメトキシ−4″−エピ−アベルメクチンB1
aを得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/71 AFJ 9454−4C

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 〔式中22、23位の破線は22、23単結合を表わしR1は水
    素、ヒドロキシ又はケトであるか、あるいは該破線は2
    2、23二重結合を表わしR1は存在しない。 R2はα−分枝鎖C3〜C8アルキル又はアルケニル基であ
    る。 R3は水素、低級アルキル又は低級アルカノイルである。 R4である。 R5は水素であり、R6に対する破線が4′又は4″単結合
    を示すときR6はアミノ、N−低級アルキルアミノ、N,N
    −ジ低級アルキルアミノ、低級アルカノイルアミノ又は
    N,N−ジ低級アルカノイルアミノであるか、又はR6に対
    する破線が4′又は4″二重結合を示すときR6はケト、
    セミカルバゾン、N−低級アルキルセミカルバゾン、N,
    N−ジ低級アルキルセミカルバゾン、オキシム又は低級
    アルキルオキシムであるか、あるいは R5は水素又はメトキシであり、R6は水素である。 R7はメチル又は水素である。〕 を有する化合物。
  2. 【請求項2】22、23位の破線が22、23単結合を表わしR1
    が水素又はヒドロキシであるか、あるいは22、23位の破
    線が22、23二重結合を表わしR1が存在せず、 R2がイソプロピル、SEC−ブチル又はα−分枝鎖C3〜C8
    アルケニル基であり、 R3が水素であり R4であり、 R5が水素でありR6に対する破線が4′又は4″単結合を
    示すときR6がアミノ、N−低級アルキルアミノ、低級ア
    ルカノイルアミノ又はN,N−ジ低級アルカノイルアミノ
    であるか、又はR6に対する破線が4′又は4″二重結合
    を示すときR6がケト、セミカルバゾン、N−低級アルキ
    ルセミカルバゾン、N,N−ジ低級アルキルセミカルバゾ
    ン又はオキシムであるか、あるいは R5が水素又はメトキシでありR6が水素であり、そして R7がメチル又は水素である 請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】22、23位の破線が単結合を表わし、R1が水
    素又はヒドロキシであるか、あるいは該破線が二重結合
    を表わし、R1が存在せず、 R2がイソプロピル、SEC−ブチル又はα−分枝鎖C3〜C8
    アルケニル基であり、 R3が水素であり R4であり、 R5が水素であり、 R6に対する破線が4″単結合を示すときR6がアミノ、N
    −低級アルキルアミノ、低級アルカノイルアミノ、N,N
    −ジ低級アルカノイルアミノであるか又はR6に対する破
    線が4″二重結合を示すときR6がケト、セミカルバゾ
    ン、N−低級アルキルセミカルバゾン、N,N−ジ低級ア
    ルキルセミカルバゾン又はオキシムであり、 R7がメチル又は水素である 請求項1記載の化合物。
  4. 【請求項4】4″−オキソ−3″−デスメトキシアベル
    メクチンB1a/B1bである請求項1記載の化合物。
  5. 【請求項5】4′−O−テトラヒドロピラニル−アベル
    メクチンB1a/B1bモノサッカライドである請求項1記載
    の化合物。
  6. 【請求項6】3″−デスメトキシ−4″−デオキソ−
    4″−メチルアミノ−アベルメクチンB1a/B1bである請
    求項1記載の化合物。
  7. 【請求項7】3″−デスメトキシ−4″−デオキソ−2
    2,23−ジヒドロ−4″−エピーメチルアミノ−アベルメ
    クチンB1a/B1bである請求項1記載の化合物。
  8. 【請求項8】4″−アミノ−4″−デオキソ−3″−デ
    スメトキシ−アベルメクチンB1a/B1bである請求項1記
    載の化合物。
  9. 【請求項9】4″−デオキソ−3″−デスメトキシ−
    4″−エピ−アミノ−アベルメクチンB1a/B1bである請
    求項1記載の化合物。
  10. 【請求項10】4″−アセチルアミノ−4″−デオキソ
    −3″−デスメトキシ−アベルメクチンB1a/B1bである
    請求項1記載の化合物。
  11. 【請求項11】4″−デオキソ−3″−デスメトキシ−
    4″−エピ−アセチルアミノ−アベルメクチンB1a/B1b
    である請求項1記載の化合物。
  12. 【請求項12】3″−デスメトキシアベルメクチンB1a/
    B1b−4″−セミカルバゾンである請求項1記載の化合
    物。
  13. 【請求項13】4″−デオキソ−22,23−ジヒドロ−ア
    ベルメクチンB1a/B1bである請求項1記載の化合物。
  14. 【請求項14】請求項1記載の化合物の製造方法におい
    て、対応する3′、3″、4′及び4″酸素化合物を
    3′、3″、4′又は4″位で選択的に脱酸素化する方
    法。
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