JP3059188B2 - 永久磁石の製造方法および永久磁石 - Google Patents

永久磁石の製造方法および永久磁石

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【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、R(RはYを含む希土類元素である。以下
同じ。)と、FeまたはFeおよびCoと、Bとを含むR−Fe
−B系永久磁石の製造方法と、R−Fe−B系の永久磁石
とに関する。
<従来の技術> 高性能を有する希土類磁石としては、粉末冶金法によ
るSm−Co系磁石でエネルギー積32MGOeのものが量産され
ている。
しかし、このものは、Sm、Coの原料価格が高いという
欠点を有する。希土類元素の中では原子量の小さい元
素、例えば、CeやPr、Ndは、Smよりも豊富にあり価格が
安い。また、FeはCoに比べ安価である。
そこで、近年Nd−Fe−B磁石等のR−Fe−B系磁石が
開発され、特開昭59−46008号公報では焼結磁石が、ま
た特開昭60−9852号公報では高速急冷法によるものが開
示されている。
焼結法による磁石では、従来のSm−Co系の粉末冶金プ
ロセス(溶解→鋳造→インゴット粗粉砕→微粉砕→プレ
ス→焼結→磁石)を適用できる。
一方、高速急冷法では、焼結法に比べ工程が簡素化さ
れ〔溶解→高速急冷→粗粉砕→冷間プレス(温間プレ
ス)→磁石〕、かつ微粉末化工程を必要としないという
利点があるが、高速急冷法による磁石を工業材料とする
ためには、一層の高保磁力化、高エネルギー積化、低コ
スト化、高コストパフォーマンス化、着磁特性の改良等
が望まれている。
ところで、R−Fe−B系磁石は、極めて酸化され易い
RおよびFeを含有するため、磁石製造中および製品とし
たときに酸化による磁石性能の低下が生じるという問題
がある。
このような事情から、磁石原料の組成を制御すること
により酸化を防ぐ提案がなされている。
例えば、特開昭62−47455号公報には、Fe−B−R系永
久磁石において、酸素量を2000ppm以下、炭素量を800pp
m以下に限定することが提案されている。これは、永久
磁石に含有される酸素が希土類元素と結合して希土類酸
化物となり、O2量が2000ppmを超えるとBr、Hcおよび(B
H)maxが共に低下し、また、炭素量が800ppmを超えると
著しいHc、角形性の劣化を生じるという理由による。ま
た、同公報では、残留磁束密度Brの低下を避けるため
に、R含有量を15at%以下に限定している。
特開昭62−50437号公報には、R−Fe−B系永久磁石
において、O24000ppm以下、C1500ppm以下とすることが
提案されている。これは、過剰なCが水蒸気と反応して
Nd2O3酸化物を形成し、また、O2はR2O3として残留し、
これらがBr、Hc、(BH)maxを低下させるという理由か
らである。
特開昭62−133040号公報には、R−Fe−B系永久磁石
において、C量0.05%(500ppm)以下、O量0.3%(300
0ppm)未満とすることが提案されている。この提案にお
けるC量限定は、製造過程における微粉の劣化(酸化)
防止およびiHcの低下を防ぐためであり、O量限定は、
焼結温度の低下と、飽和磁化の向上のためであるとして
いる。
また、同公報には、炭化物および酸化物は焼結工程で
の粒成長を妨げ、さらに焼結体を緻密化するが、磁気特
性を低下させ、CとOが多い場合、焼結体の緻密化が妨
げられる旨が開示されている。
特開昭62−23960号公報には、硼化物を含有し、O2200
0ppm以下であるR−Fe−B系永久磁石が開示されてい
る。同公報には、O2量を2000ppm以下とすると磁石特性
は向上するが、焼結時に結晶粒の成長を増進して特性劣
化を招来する問題があるため、結晶粒の成長抑制のため
に硼化物を添加する旨が開示されている。また、同公報
には、含有炭素量が1000ppmを超えると保磁力の劣化が
生じる旨の記載がある。
これら各公報に記載されている発明は、いずれも耐食
性向上や磁気特性向上のために酸素量および炭素量を一
定値以下に抑えるというものである。
<発明が解決しようとする課題> 本発明は、磁気特性が良好なR−Fe−B系永久磁石を
製造できる方法と、磁気特性が高いR−Fe−B系の永久
磁石とを提供することを目的とする。
<課題を解決するための手段> このような目的は、下記(1)〜(4)の本発明によ
って達成される。
(1)R(ただし、Rは、Yを含む希土類元素の1種以
上である。)、BおよびT(ただし、Tは、Fe、または
FeおよびCoである。)を主成分とする永久磁石を製造す
る方法であって、 原料粉末を成形する工程と、得られた成形体を焼結す
る工程とを有し、 原料粉末が R :27.5〜40重量%、 B :0.8〜1.5重量%、 O2:4000ppm以下および C :500ppm以下 を含有し、残部が実質的にTであり、 この原料粉末に、炭化水素系化合物を炭素換算で100
〜2000ppm添加した後、焼結し、 Hk/iHcが96%以上で、 主相の平均粒径が5〜20μmである永久磁石を得るこ
とを特徴とする永久磁石の製造方法。
(2)前記炭化水素系化合物あるいはこれを含有する溶
液と原料粉末とを混合し、次いで成形および焼結を行な
う上記(1)に記載の永久磁石の製造方法。
(3)前記炭化水素系化合物が、有機酸、その誘導体お
よび有機酸の塩から選択される1種以上である上記
(1)または(2)に記載の永久磁石の製造方法。
(4)R(ただし、Rは、Yを含む希土類元素の1種で
ある。)、BおよびT(ただし、Tは、Fe、またはFeお
よびCoである。)を主成分とし、酸素および炭素を含有
し、実質的に正方晶系の主相と、この主相の粒界相とし
て存在する副相とを有し、副相が、Rリッチ相と、Rの
炭化物相を含む異相とを有する焼結永久磁石であって、 R :27.5〜40重量%、 B :0.8〜1.5重量%、 O2:50〜4000ppmおよび C :300〜1500ppm を含有し、残部が実質的にTであり、 Hk/iHcが96%以上で、 主相の平均粒径が5〜20μmであり、 Rリッチ相の体積百分率をXとし、異相の体積百分率
をYとしたとき、X≧2.0かつY≧0.8Xであることを特
徴とする永久磁石。
<作用> R−Fe−B系永久磁石において、酸素は焼結時の結晶
粒成長を抑制する作用を有する。
しかし、酸素含有量を増加させると磁性成分の割合が
減少するため残留磁束密度が低下してしまう。
また、単に酸素含有量を低下させた場合、結晶粒成長
を抑制できず、保磁力や角形比が低下してしまう。
一方、炭素も焼結時の結晶粒成長を抑制するが、炭素
の含有量が多すぎると、やはり保磁力や角形比が低下し
てしまう。
このため本発明では、酸素含有量を上記以下に抑えら
れることにより高い磁気特性を達成し、さらに炭素を少
量添加することにより、酸素だけでは不足する結晶粒成
長抑制作用を補強する。
このため、本発明によれば、磁気特性の極めて高い永
久磁石が得られる。しかも、本発明では、金型からの離
型効果を有する炭化水素系化合物添加により炭素を添加
するので、磁石原料粉末成形時の離型性が向上し、生産
性が向上する。
ところで、R−Fe−B系永久磁石は、一般に正方晶系
の主相とこの主相の粒界相として存在する副相とを有
し、原料粉末に含有される炭素は、焼結後、主相および
副相の双方に存在する。結晶粒成長の抑制は、主として
副相中に含有される炭素が担い、主相に含有される炭素
は磁気特性を低下させる。このため、結晶粒成長を抑制
するために十分な炭素を原料粉末中に含有させると、主
相中の炭素含有量もそれに伴って増加し、高い磁気特性
が得られない。
しかし、本発明では、永久磁石に炭素を含有させるに
際し、原料粉末の炭素含有量を500ppm以下に抑え、不足
する炭素は炭化水素系化合物として炭酸換算で100〜200
0ppm原料粉末に混合する。このとき、炭化水素系化合物
由来の炭素は主として粒界相中に含有されることになる
ため主相に影響を与えず、磁気特性の低下を最小限に抑
えることができる。そして、粒界相中の炭素により、結
晶粒成長作用を抑制することができる。しかも、その
際、シャープな結晶粒径分布が得られる。
このため、得られる永久磁石の角形比は、極めて高い
ものとなる。
なお、この場合の角形比とは、Hk/iHcであり、Hkと
は、磁気ヒステリシスループ(4πI−Hカーブ)の第
2象限における磁束密度が残留磁束密度Brの90%となる
ときの磁界強度である。
Hk/iHcは、特に外部磁界の作用や温度上昇による減磁
に関係し、実際の使用時における磁石特性の指標となる
値である。また、Hk/iHcが低いと、着磁に要する磁界強
度が増大する。さらに、Hk/iHcが低い永久磁石は、磁気
ヒステリシスループの第2象限におけるループ形状に問
題があることになり、磁石が適用されるシステムの設計
条件が厳しくなる。
また、本発明では炭素供給源として炭化水素系化合物
を用いるので、粉末中における分散性が良好である。さ
らに、原料粉末の潤滑効果、成形体の強度向上、金型か
らの脱型に際しての離型効果等も同時に実現する。ま
た、焼結後に非磁性成分がほとんど残らないため、磁気
特性への影響も極めて少ない。
<具体的構成> 以下、本発明の具体的構成について詳細に説明する。
本発明の永久磁石は、以下に述べるような焼結法によ
り製造される。
まず、目的とする組成の合金を鋳造し、インゴットを
得る。
得られたインゴットを、スタンプミル等により粒径10
〜100μm程度に粗粉砕し、次いで、ボールミル等によ
り0.5〜5μm程度の粒径に微粉砕して原料粉末とす
る。
原料粉末は、R(ただし、Rは、Yを含む希土類元素
の1種以上である。)、BおよびT(ただし、Tは、F
e、またはFeおよびCoである。)を主成分とし、酸素お
よび炭素を含有する。
これらの元素の含有量は、 R :27.5〜40重量%、 B :0.8〜1.5重量%、 O2:4000ppm以下および C :500ppm以下 であり、残部が実質的にTである。
希土類元素Rとしては、Nd、Pr、Ho、Tbのうち少なく
とも1種、あるいはさらに、La、Sm、Ce、Gd、Er、Eu、
Pm、Tm、Yb、Yのうち1種以上を含むものが好ましい。
なお、Rとして2種以上の元素を用いる場合、原料と
してミッシュメタル等の混合物を用いることもできる。
Rの含有量が上記範囲未満では低保磁力の磁性相が析
出するため、高い保磁力iHcが得られない。
Rの含有量が上記範囲を超えると、Rリッチな非磁性
相が多くなり、残留磁束密度Brが低下する。
なお、Rの含有量を27.5〜33.5重量%、特に27.5〜3
2.0重量%とした場合、本発明の効果はより向上する。
なお、Tの一部をCoとすることにより、磁気特性を損
うことなく温度特性を改善することができる。ただし、
CoがTの50%を超えると磁気特性が劣化するため、Coは
Tの50%以下とすることが好ましい。
Bの含有量が上記範囲未満であると菱面体組織となる
ためiHcが不十分となり、上記範囲を超えるとBリッチ
な非磁性相が多くなるため、Brが低下する。
酸素含有量および炭素含有量のいずれか一方でも上記
範囲を超えると、得られる永久磁石のHk/iHcおよびiHc
が顕著に低下し、Brおよび耐食性も低下する。
また、酸素含有量および炭素含有量の下限に特に制限
はないが、不純物としての混入や製造工程の酸化などに
より、酸素含有量および炭素含有量を50ppm未満とする
ことは困難である。
なお、酸素含有量を所望の値に制御するためには、原
料粉末製造工程、成形工程、焼結工程等の各工程を不活
性ガス雰囲気中にて行ない、各工程のO2ガス分圧を制御
すればよい。また、その他、原料粉末を、O2含有雰囲
気、例えば大気と接触させることにより酸素含有量を調
整することもできる。
酸素含有量および炭素含有量は、例えば、ガス分析法
等により測定することができる。
なお、特に高い磁気特性を得るためには、原料粉末の
組成を R :27.5〜33.5重量%、 B :0.8〜1.2重量%、 O2:50〜2500ppmおよび C :50〜500ppm以下 とすることが好ましい。
このような原料粉末を、炭化水素系化合物を添加した
後、成形する。
炭化水素系化合物の添加量は、炭素換算で100〜2000p
pm、好ましくは200〜1000ppmとする。
添加量が上記範囲未満であると結晶粒成長抑制効果お
よび成形性向上効果が不十分であり、上記範囲を超える
と磁気特性が低下する。
本発明で用いる炭化水素系化合物に特に制限はない
が、各種有機酸、その誘導体および有機酸の塩から選択
される1種以上が好ましく、有機酸の誘導体や塩として
は、有機酸エステル、有機酸アミドおよび有機酸の金属
石鹸から選択される1種以上が好ましい。
有機酸としては脂肪酸、芳香族有機酸、脂環式有機酸
等から選択することが好ましく、これらのうち脂肪酸が
特に好ましく、飽和ないし不飽和の各種脂肪酸から炭素
数12〜40程度のもの、例えば、ステアリン酸を選択する
ことが好ましい。
有機酸エステルとしては、各種ワックス等が好まし
い。ワックス添加により成形体の強度が向上する。
また、有機酸アミドとしては、脂肪酸アミドが好まし
い。
有機酸の金属石鹸としては、上記した脂肪酸の金属石
鹸、例えば、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸
カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシ
ウム、ラウリン酸亜鉛等を用いることが好ましい。
なお、これらの炭化水素系化合物を2種以上用いる場
合、その混合比に特に制限はない。
添加するに際しては、炭化水素系化合物を粉末化して
原料粉末と直接混合してもよく、必要に応じ、溶媒を用
いて溶液化して混合してもよい。溶媒は、用いる炭化水
素系化合物に応じて適宜選択すればよい。
これらの炭化水素系化合物と原料粉末との混合手段と
しては、均一に混合できれば特に制限はなく、各種乾式
撹拌や湿式撹拌等の手段により混合すればよい。
炭化水素系化合物と混合された原料粉末を金型に充填
し、成形する。
成形は、磁場中で行なうことが好ましい。この場合、
磁場強度は10kOe以上、成形圧力は1〜5t/cm2程度であ
ることが好ましい。
なお、これらの各工程は、Arガス等の不活性ガス雰囲
気中にて行なわれることが好ましい。
得られた成形体を、1000〜1200℃で0.5〜5時間焼結
し、急冷する。なお、焼結雰囲気は、真空またはArガス
等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。
この後、好ましくは不活性ガス雰囲気中で、500〜900
℃にて1〜5時間時効処理を行なう。
上記のようにして製造される永久磁石は、 R :27.5〜40重量%、 B :0.8〜1.5重量% O2:50〜4000ppmおよび C :300〜1500ppm を含有し、残部が実質的にTである組成を有することが
好ましい。
また、その組織構造としては、実質的に正方晶系の主
相と、この主相の粒界相として存在する副相とを有し、
副相が、Rリッチ相と、Rの炭化物相を含む異相とを有
することが好ましい。
そして、Rリッチ相の体積百分率をXとし、異相の体
積百分率をYとしたとき、X≧2.0かつY≧0.8Xである
ことが好ましい。
Rリッチ相は、焼結時に液相化して焼結促進作用を示
すため、緻密な焼結がなされた永久磁石は、通常、X≧
2.0となる。
異相は、Nd2C3等のRの炭化物相の他、Nd2O3等のRの
酸化物相や、Bリッチ相を含む。
これら異相は、結晶粒成長を抑制する作用を示し、上
記したように炭化水素系化合物を添加した結果、Y≧0.
8Xとなった場合、結晶粒の成長が著しく抑制されている
ことになる。
なお、Rリッチ相および異相は非磁性相であるので、
X+Y≦12であることが好ましい。
主相は、実質的にR2T14Bの正方晶からなり、主相の粒
径は、5〜20μm程度であることが好ましいが、本発明
によれば結晶粒成長が抑制されるため、5〜15μm程度
の粒径が容易に得られる。
主相および副相は、走査型電子顕微鏡により確認する
ことができ、Rリッチ相や異相の組成は、電子線プロー
ブマイクロアラナイザ(EPMA)等により測定することが
できる。
永久磁石には、これらの元素の他、不可避的不純物と
してNi、Si、Cu、Ca等が全体の2重量%以下含有されて
いてもよい。
さらに、Bの一部を、P、S、Nのうちの1種以上で
置換することにより、生産性の向上および低コスト化が
実現できる。この場合、置換量は全体の0.4重量%以下
であることが好ましい。
また、iHcの向上、生産性の向上、低コスト化のため
に、Al、Ti、V、Cr、Mn、Bi、Nb、Ta、Mo、W、Sb、G
e、Ga、Sn、Zr、Ni、Si、Hf等の1種以上を添加しても
よい。この場合、添加量は総計で5重量%以下とするこ
とが好ましい。
<実施例> 以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明をさらに
詳細に説明する。
[永久磁石サンプルの作製] 下記表1に示される組成を有する合金のインゴット
を、鋳造により作製した。
これらの合金をジョークラッシャおよびブラウンミル
により−#32にまで粗粉砕し、次いで、ジェットミルに
より微粉砕して平均粒径4μmの原料合金粉末を得た。
なお、微粉砕時の酸素分圧を下記表2に示されるものと
し、原料合金粉末の酸素含有量を調整した。
これらの原料合金粉末に、炭化水素系化合物としてス
テアリン酸亜鉛を添加した。ステアリン酸亜鉛を炭素に
換算したときの添加量を、下記表2に示す。
次いで、合金粉末を12kOeの磁場中にて1.5t/cm2の圧
力で成形し、成形体を得た。
成形の際、成形体に発生したカジリを下記基準で評価
し、表2に成形性として示す。
◎:カジリ発生なしで100回を超える成形が可能 ○:50〜100回の成形でカジリ発生 ×:成形10回以内にカジリ発生 なお、カジリとは、成形体の一部が金型内壁に付着し
てしまう現象であり、成形体の離型性の指標となる。
次いで、得られた成形体を、真空中で1090℃にて4時
間焼結した後、急冷し、焼結体を得た。
得られた焼結体に、Ar雰囲気中で600℃にて1時間時
効処理を施し、永久磁石を得た。
これらの永久磁石から15×10×20mmの磁石片を切り出
し、測定用の永久磁石サンプルとした。
[O2およびC含有量測定] 各サンプルのO2およびC含有量を、ガス分析法により
測定した。なお、O2含有量は、焼結直前の原料粉末にお
ける含有量とほぼ同等であった。
結果を表2に示す。
[磁気特性の測定] 各サンプルについて、残留磁束密度Br、保磁力iHcお
よび角形比k/iHcを測定した。
結果を表2に示す なお、Hk/iHcが90%未満であると、外部磁界の影響や
環境温度の上昇により通常の用途においても減磁の可能
性が生じ、また、着磁に要する磁界強度が増大する。そ
して、Hk/iHcが80%未満となると、通常の用途には不適
当な程度の減磁が生じ、また、着磁に要する磁界強度が
さらに増大する。
[組織構造] 各サンプルを切断し、切断面を研磨して走査型電子顕
微鏡により組織構造を観察したところ、結晶粒(主相)
とその粒界が観察された。
また、これらのサンプルの結晶粒および粒界の組成を
EPMAにより測定したところ、結晶粒はR2T14Bであり、副
相は、Nd2O3相、Nd2C3相およびBリッチ相からなる異相
と、Ndリッチ相とから構成されていることが確認され
た。
異相の体積百分率をY、Ndリッチ相の体積百分率をX
として、表2に示す。また、主相の粒径も示す。
上記表2に示されるように、本発明の永久磁石は結晶
粒径が小さく、Br、iHcおよびHk/iHcのいずれもが高
い。
なお、ステアリン酸亜鉛に替え、あるいはこれに加
え、ステアリン酸、ワックス、脂肪酸アミド、ステアリ
ン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリ
ン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛を用いた場合でも、
上記実施例と同等の効果が得られた。
以上の実施例の結果から、本発明の効果が明らかであ
る。
<発明の効果> 本発明によれば、原料粉末に含有される酸素および炭
素を低く抑えるため、磁気特性の高い永久磁石が得られ
る。そして、原料粉末に炭化水素系化合物を添加するの
で焼結時に結晶粒の成長が抑制され、磁気特性、特に角
形比Hk/iHcが96%以上と極めて高いR−Fe−B系永久磁
石が実現する。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】R(ただし、Rは、Yを含む希土類元素の
    1種以上である。)、BおよびT(ただし、Tは、Fe、
    またはFeおよびCoである。)を主成分とする永久磁石を
    製造する方法であって、 原料粉末を成形する工程と、得られた成形体を焼結する
    工程とを有し、 原料粉末が、 R :27.5〜40重量%、 B :0.8〜1.5重量%、 O2:4000ppm以下および C :500ppm以下 を含有し、残部が実質的にTであり、 この原料粉末に、炭化水素系化合物を炭素換算で100〜2
    000ppm添加した後、焼結し、 Hk/iHcが96%以上で、 主相の平均粒径が5〜20μmである永久磁石を得ること
    を特徴とする永久磁石の製造方法。
  2. 【請求項2】前記炭化水素系化合物あるいはこれを含有
    する溶液と原料粉末とを混合し、次いで成形および焼結
    を行なう請求項1に記載の永久磁石の製造方法。
  3. 【請求項3】前記炭化水素系化合物が、有機酸、その誘
    導体および有機酸の塩から選択される1種以上である請
    求項1または2に記載の永久磁石の製造方法。
  4. 【請求項4】R(ただし、Rは、Yを含む希土類元素の
    1種である。)、BおよびT(ただし、Tは、Fe、また
    はFeおよびCoである。)を主成分とし、酸素および炭素
    を含有し、実質的に正方晶系の主相と、この主相の粒界
    相として存在する副相とを有し、副相が、Rリッチ相
    と、Rの炭化物相を含む異相とを有する焼結永久磁石で
    あって、 R :27.5〜40重量%、 B :0.8〜1.5重量%、 O2:50〜4000ppmおよび C :300〜1500ppm を含有し、残部が実質的にTであり、 Hk/iHcが96%以上で、 主相の平均粒径が5〜20μmであり、 Rリッチ相の体積百分率をXとし、異相の体積百分率を
    Yとしたとき、X≧2.0かつY≧0.8Xであることを特徴
    とする永久磁石。
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