JP3059145B2 - 不揮発性半導体記憶装置およびその駆動方法 - Google Patents

不揮発性半導体記憶装置およびその駆動方法

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JP3059145B2
JP3059145B2 JP34076198A JP34076198A JP3059145B2 JP 3059145 B2 JP3059145 B2 JP 3059145B2 JP 34076198 A JP34076198 A JP 34076198A JP 34076198 A JP34076198 A JP 34076198A JP 3059145 B2 JP3059145 B2 JP 3059145B2
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桂太 高橋
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不揮発性半導体記
憶装置、特にマスク型および浮遊ゲート電極型の不揮発
性半導体記憶装置およびその駆動方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、低電圧で高速に動作する不揮発性
半導体記憶装置が利用されるようになっている。このよ
うな不揮発性半導体記憶装置を広く提供するために、低
電圧で高速動作が可能な不揮発性半導体記憶装置、なら
びにこの不揮発性半導体記憶装置の駆動方法が求められ
ている。
【0003】以下、従来の不揮発性半導体記憶装置50
0を、図15、図16および図17を用いて説明する。
【0004】不揮発性半導体記憶装置500は、複数の
メモリセルがビット線に並列に接続される形式をとって
いるため、NOR型と呼ばれるメモリセルアレイ構造を
有している。
【0005】図15は、従来の不揮発性半導体記憶装置
500のメモリセルアレイ構成を示す模式図である。
【0006】図15に示す不揮発性半導体記憶装置50
0は、MOSトランジスタからなるメモリセルM11〜
M44、ワード線WL1〜WL4、ソース線SL1〜S
L3、およびビット線BL1〜BL4を備えている。
【0007】不揮発性半導体記憶装置500は、図15
に示すように、メモリセルM24のゲートがワード線W
L2に接続され、メモリセルM24のソースがソース線
SL2に接続され、メモリセルM24のドレインがビッ
ト線BL4に接続されている。不揮発性半導体記憶装置
500では、メモリセルM21〜M24が属する行のメ
モリセルは、メモリセルM31〜M34が属する行のメ
モリセルとソース線SL2を共有している。なお、メモ
リセルM11〜M14が属する行のメモリセルは、それ
に対向する行のメモリセル(図示されず)とソース線S
L1を共有している。また、ソース線SL3について
も、同様である。
【0008】図16は、図15に示す不揮発性半導体記
憶装置500のパターンレイアウトを示す模式的平面図
である。
【0009】図16に示すように、不揮発性半導体記憶
装置500は、さらに、素子分離領域5とビット線コン
タクト6を備えている。
【0010】以下、従来の不揮発性半導体記憶装置50
0に情報を書き込む方法および消去方法を図17を用い
て説明する。
【0011】図17は、不揮発性半導体記憶装置500
におけるメモリセルのしきい値電圧分布図(複数メモリ
セル)である。なお、図17において、横軸はメモリセ
ルのしきい値電圧VTMを示し、縦軸はメモリセルの個数
を示している。
【0012】ここでは、不揮発性半導体記憶装置500
は、2種類の異なるしきい値電圧を有するN型MOSト
ランジスタからなるマスクROMとする。
【0013】消去状態(図17中の“E”状態)とは、
N型MOSトランジスタが、エンハンスメント状態であ
る1V程度のしきい値電圧(低い方のしきい値電圧)に
設定されることを意味し、消去状態はメモリアレイ全体
のメモリセルのチャネル部に対するイオン注入法により
制御される。
【0014】また、書き込み状態(図17中の“W”状
態)とは、選択されたN型MOSトランジスタのチャネ
ル部に対してのみ、さらにイオン注入を追加することに
より、電源電圧VDDよりも高いエンハンスメント状態で
ある4V程度のしきい値電圧(高い方のしきい値電圧)
が設定される。
【0015】以下、従来の不揮発性半導体記憶装置50
0から情報を読み出す方法を、図15を用いて説明す
る。
【0016】図15中に破線で囲んだメモリセルM24
が選択される場合は、半導体基板電位を接地電位(0
V)として、ワード線WL2を3Vとし、ビット線BL
4を1Vとする。また、他のワード線WL1,WL3,
WL4、ソース線SL1、SL2、SL3、他のビット
線BL1,BL2,BL3を0V、あるいはOPEN状
態とする。なお、図15のメモリセルアレイが配置され
ている半導体基板は接地電位に固定されていて、他の部
分への電圧を印加する際の基準電位となっている。
【0017】もし、メモリセルM24が消去状態であれ
ば、しきい値電圧が0.5V程度であるので、メモリセ
ルM24がオン状態となり、ビット線BL4にメモリセ
ル読み出し電流が流れる。一方、メモリセルM24が書
き込み状態であれば、しきい値電圧が4V程度であるの
で、メモリセルM24がオフ状態となり、ビット線BL
4にメモリセル読み出し電流は流れない。この電流量を
センスアンプで検知することにより、読み出し動作が行
われる。
【0018】なお、上述したように、選択されたメモリ
セルM24に流れるメモリセル読み出し電流量を用い
て、メモリセルM24に格納された情報の読み出し動作
が行われるため、選択されたメモリセルM24と同一の
ビット線BL4に接続される非選択のメモリセル(M1
4,M34,M44)から流れる電流を、ほぼゼロに抑
える必要がある。そのためには、これらの非選択メモリ
セルのしきい値電圧を約0.5V以上に設定しなければ
ならない。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
不揮発性半導体記憶装置500およびその書き換え方法
では、消去状態のメモリセルのしきい値電圧、つまり低
い方のしきい値電圧を約0.5V以上に設定しているこ
とから、不揮発性半導体記憶装置500を低電圧(低い
電源電圧)で動作させると、読み出し時に消去状態(オ
ン状態)のメモリセル読み出し電流が少なくなり、高速
に読み出すことが困難になるという問題があった。
【0020】本発明は、上記問題を鑑み、低電圧におい
ても十分なオン状態のメモリセル読み出し電流を確保す
ることができ、低電圧下での高速読み出しを可能とする
不揮発性半導体記憶装置およびその駆動方法を提供する
ことを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明の不揮発性半導体
記憶装置は、半導体基板の上に、マトリクス状に配置さ
れた複数のメモリセルと、行方向に延びる複数のワード
線と、前記行方向に延びる複数のソース線と、列方向に
延びる複数のビット線とを備えた不揮発性半導体記憶装
置であって、複数のメモリセルが属する行毎に前記複数
のソース線のうちの1つが対応しており、他の行のメモ
リセルとはソース線を共有しておらず、ある行に属する
複数のメモリセルが、前記複数のソース線のうちの第1
のソース線と接続され、前記ある行と隣接する行に属す
る複数のメモリセルが、前記複数のソース線のうちの第
2のソース線と接続され、前記第1のソース線は、前記
第2のソース線と電気的に独立し、そのことにより上記
目的が達成される。
【0022】前記第1のソース線は、前記第2のソース
線と素子分離領域により絶縁されてもよい。
【0023】本発明の他の不揮発性半導体記憶装置は、
半導体基板の上に、マトリクス状に配置された複数のメ
モリセルと、行方向に延びる複数のワード線と、前記行
方向に延びる複数のソース線と、列方向に延びる複数の
ビット線とを備えた不揮発性半導体記憶装置であって、
ある列に属する複数のメモリセルのうちの第1の組が、
前記複数のビット線のうちの第1のビット線と接続さ
れ、前記ある列に属する複数のメモリセルのうちの第2
の組が、前記複数のビット線のうちの第2のビット線と
接続され、前記第1の組のメモリセルと前記第2の組の
メモリセルは、前記第1のビット線が延びる列方向に隣
接して配置されており、前記第1のビット線は、前記第
2のビット線と電気的に独立し、そのことにより上記目
的が達成される。
【0024】前記第1の組が前記第2の組と前記列方向
で隣接していてもよい。
【0025】前記複数のメモリセルのそれぞれは、ゲー
ト電極、ゲート絶縁膜、ドレイン領域およびソース領域
を有するMOSトランジスタであってもよい。
【0026】前記複数のメモリセルのそれぞれは、制御
ゲート電極、浮遊ゲート電極、ドレイン領域およびソー
ス領域を備えた浮遊ゲート電極型MOSトランジスタで
あってもよい。
【0027】前記複数のメモリセルのうち、低い方のし
きい値電圧を有するメモリセルが、デプレッション状態
であってもよい。
【0028】前記不揮発性半導体記憶装置は、前記行方
向に延びる複数の第1導電型のウェルを備え、前記複数
のメモリセルの1つは、前記複数の第1導電型のウェル
の1つ上に、ゲート電極、ゲート絶縁膜、ドレイン領域
およびソース領域を有するMOSトランジスタであり、
前記複数の第1導電型のウェルのそれぞれが電気的に独
立していてもよい。
【0029】前記不揮発性半導体記憶装置は、前記行方
向に延びる複数の第1導電型のウェルを備え、前記複数
のメモリセルの1つは、前記複数の第1導電型のウェル
の1つ上に、制御ゲート電極、浮遊ゲート電極、ゲート
絶縁膜、ドレイン領域およびソース領域を有するMOS
トランジスタであり、前記複数の第1導電型のウェルの
それぞれが電気的に独立していてもよい。
【0030】前記複数のメモリセル中から選択されたメ
モリセルに記憶されている情報を読み出す不揮発性半導
体記憶装置の駆動方法であって、前記選択されたメモリ
セルに対応するビット線に、前記半導体基板に対して逆
バイアスとなる極性の第1の電圧を印加する工程と、前
記選択されたメモリセルに対応するワード線に前記第1
の電圧と同一極性の第2の電圧を印加する工程と、前記
選択されたメモリセル以外のメモリセルに対応するソー
ス線に前記第1の電圧と同一極性の第3の電圧を印加す
る工程と、前記選択されたメモリセルに対応するソース
線に前記半導体基板の電位を印加する工程とを包含して
もよい。
【0031】前記第1の電圧と前記第3の電圧とがほぼ
同一電圧であってもよい。
【0032】前記複数のメモリセル中から選択されたメ
モリセルに記憶されている情報を読み出してもよい。
【0033】前記選択されたメモリセルに対応するビッ
ト線に、前記半導体基板に対して逆バイアスとなる極性
の第1の電圧を印加する工程と、前記選択されたメモリ
セルに対応するワード線に前記第1の電圧と同一極性の
第2の電圧を印加する工程と、前記選択されたメモリセ
ルが属していない第1導電型のウェルに前記第1の電圧
と逆極性の第3の電圧を印加する工程と、前記選択され
たメモリセルが属している第1導電型のウェルに接地電
位を印加する工程とを包含してもよい。
【0034】以下、作用を説明する。
【0035】本発明は、選択するメモリセルのしきい値
電圧の下限としてデプレッション型を許容し、選択する
メモリセルと同一ビット線上にある非選択のメモリセル
のしきい値電圧の下限を、バックバイアス効果によりエ
ンハンスメント型にするというものである。
【0036】本発明の不揮発性半導体記憶装置では、選
択されたメモリセルのソース線の電位を非選択のメモリ
セルのソース線と異なる電位に設定できるアレイ構造、
あるいは選択されたメモリセルのウェル線の電位を非選
択のメモリセルのウェル線と異なる電位に設定できるア
レイ構造を有する。
【0037】また、本発明の不揮発性半導体記憶装置に
おける情報の書き込みおよび消去は、消去状態にあるメ
モリセルにおけるしきい値電圧の下限としてデプレショ
ン状態を許容する。
【0038】また、複数のメモリセル中から選択された
メモリセルに記憶されている情報を読み出す不揮発性半
導体記憶装置の駆動方法では、選択されたメモリセルの
ソース線を接地電位に、非選択メモリセルのソース線を
正電圧に設定するか、あるいは、選択されたメモリセル
のウェル線を接地電位に、非選択メモリセルのウェル線
を負電圧に設定する。
【0039】本発明の不揮発性半導体記憶装置では、非
選択メモリセルのソース線に半導体基板に対して逆バイ
アスとなる電圧を印加することによるバックバイアス効
果によって、非選択メモリセルのしきい値電圧を高くし
ている。このため、本発明の不揮発性半導体記憶装置で
は、メモリセルの低い方のしきい値電圧を、従来の不揮
発性半導体記憶装置より低く設定することができ、低電
圧においても十分なオン状態のメモリセルの読み出し電
流量を確保できる。その結果、本発明の不揮発性半導体
記憶装置は、低電圧下での高速読み出しを可能とする。
【0040】本発明の不揮発性半導体記憶装置では、メ
モリセルの低い方のしきい値電圧状態の少なくとも一部
がデプレッション状態であるので、その状態における読
み出し電流を多くすることができ、低電圧下での読み出
し速度をさらに高めることができる。
【0041】本発明の、複数のメモリセル中から選択さ
れたメモリセルに記憶されている情報を読み出す不揮発
性半導体記憶装置の駆動方法は、非選択メモリセルのソ
ース線に半導体基板に対して逆バイアスとなる電圧を印
加することによるバックバイアス効果によって、非選択
メモリセルのしきい値電圧を高くすることができる。し
たがって、本発明の駆動方法では、メモリセルの低い方
のしきい値電圧を、従来の駆動方法より低く設定でき、
低電圧においても十分なオン状態のメモリセルの読み出
し電流量を確保できる。その結果、本発明の駆動方法
は、低電圧下での高速読み出しを可能とする。
【0042】本発明の駆動方法では、バックバイアス効
果が大きく、かつソース線から電流が流れないので、最
も高速読み出し性能を高くできる。
【0043】本発明の他の不揮発性半導体記憶装置で
は、非選択メモリセルのウェル線に半導体基板に対して
順バイアスとなる電圧を印加することによるバックバイ
アス効果によって、非選択メモリセルのしきい値電圧を
高くしている。このため、本発明の他の不揮発性半導体
記憶装置では、メモリセルの低い方のしきい値電圧を従
来の不揮発性半導体記憶装置より低く設定でき、低電圧
においても十分なオン状態のメモリセルの読み出し電流
量を確保できる。その結果、本発明の他の不揮発性半導
体記憶装置は、低電圧下での高速読み出しを可能とす
る。
【0044】本発明の他の不揮発性半導体記憶装置で
は、メモリセルの低い方のしきい値電圧状態の少なくと
も一部がデプレッション状態であるので、その状態にお
ける読み出し電流を多くすることができ、低電圧下での
読み出し速度をさらに高めることができる。
【0045】本発明の、複数のメモリセル中から選択さ
れたメモリセルに記憶されている情報を読み出す不揮発
性半導体記憶装置の他の駆動方法は、非選択メモリセル
のウェル線に半導体基板に対して順バイアスとなる電圧
を印加することによるバックバイアス効果によって、非
選択メモリセルのしきい値電圧を高くすることができ
る。したがって、本発明の他の駆動方法は、メモリセル
の低い方のしきい値電圧を従来の駆動方法より低く設定
でき、低電圧においても十分なオン状態のメモリセルの
読み出し電流量を確保できる。その結果、本発明の他の
駆動方法は、低電圧下での高速読み出しを可能とする。
【0046】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発
明の第1の実施の形態について、図面を参照しながら説
明する。
【0047】図1は、本発明の第1の実施の形態におけ
る不揮発性半導体記憶装置10のメモリセルアレイ構成
の模式図である。
【0048】不揮発性半導体記憶装置10は、MOSト
ランジスタからなるメモリセルM11〜M44、ワード
線WL1〜WL4、ソース線SL1〜SL4、およびビ
ット線BL1〜BL4を備えている。
【0049】不揮発性半導体記憶装置10では、メモリ
セルM24のゲートがワード線WL2に接続され、メモ
リセルM24のソースがソース線SL2に接続され、メ
モリセルM24のドレインがビット線BL4に接続され
ている。
【0050】メモリセルM11〜M14が属する行にソ
ース線SL1が対応し、メモリセルM21〜M24が属
する行にソース線SL2が対応し、メモリセルM31〜
M34が属する行にソース線SL3が対応し、メモリセ
ルM41〜M44が属する行にソース線SL4が対応す
る。つまり、不揮発性半導体記憶装置10では、ある行
のメモリセルは、他の行のメモリセルとソース線を共有
していない。
【0051】図2は、不揮発性半導体記憶装置10のパ
ターンレイアウトを示す模式的平面図である。すなわ
ち、図2は、図1に示す不揮発性半導体記憶装置10の
アレイ構造の一例を示している。また、図3は、図2に
示す不揮発性半導体記憶装置10を線分A−Aで切断し
た場合における断面を示す図であり、図4は、図2に示
す不揮発性半導体記憶装置10を線分B−Bで切断した
場合における断面を示す図である。
【0052】なお、不揮発性半導体記憶装置10は、複
数のメモリセルがビット線に並列に接続される形式をと
っているため、NOR型と呼ばれるメモリセルアレイ構
造を有している。
【0053】図2に示すように、不揮発性半導体記憶装
置10は、さらに、素子分離領域5、素子分離領域5
X、およびビット線コンタクト6a、6bを備えてい
る。たとえば、素子分離領域5Xは、隣接した、ソース
線SL2とソース線SL3の間に位置する。このため、
隣接したソース線は、電気的に独立している。素子分離
領域5および素子分離領域5Xは、LOCOS(LOC
al Oxidationof Silicon)や、
STI(Shallow Trench Isolat
ion)などで形成されるが、他の方法でもよい。
【0054】以下、不揮発性半導体記憶装置10に情報
を書き込む方法および消去方法を、図5を用いて説明す
る。
【0055】図5は、不揮発性半導体記憶装置10にお
けるメモリセルのしきい値電圧分布図(複数メモリセ
ル)である。なお、図5において、横軸はメモリセルの
しきい値電圧VTMを示し、縦軸はメモリセルの個数を示
している。
【0056】ここでは、不揮発性半導体記憶装置10
は、2種類の異なるしきい値電圧を有するN型MOSト
ランジスタからなるマスクROMとする。
【0057】消去状態(図5中の“E”状態)とは、N
型MOSトランジスタが、デプレッション状態である−
1V程度のしきい値電圧(低い方のしきい値電圧)に設
定されることを意味し、消去状態はメモリアレイ全体の
メモリセルのチャネル部に対するイオン注入法により制
御される。
【0058】また、書き込み状態(図5中の“W”状
態)とは、選択されたN型MOSトランジスタのチャネ
ル部に対してのみ、さらにイオン注入を追加することに
より、電源電圧VDDよりも高いエンハンスメント状態で
ある4V程度のしきい値電圧(高い方のしきい値電圧)
が設定される。
【0059】以下、不揮発性半導体記憶装置10から情
報を読み出す方法について、図6を用いて説明する。
【0060】図6は、不揮発性半導体記憶装置10から
情報を読み出すためのフローチャートの一例を示す図で
ある。
【0061】ステップS1では、選択されなかったソー
ス線、つまり非選択のソース線に第1の電圧と同一極性
の第3の電圧が印加される。なお、第1の電圧とは、後
述するステップS3で、選択されたビット線に印加され
る電圧である。
【0062】ステップS2では、選択すべき任意のメモ
リセルに対応するソース線が選択される。具体的には、
選択されたソース線には、半導体基板の電位とほぼ同一
の電圧が印加される。
【0063】ステップS3では、前記任意のメモリセル
に対応するビット線が選択される。具体的には、選択さ
れたビット線には、半導体基板に対して逆バイアスとな
る極性の第1の電圧が印加される。
【0064】ステップS4では、前記任意のメモリセル
に対応するワード線が選択される。具体的には、選択さ
れたワード線には、第1の電圧と同一極性の第2の電圧
が印加される。
【0065】上述したステップにより、選択されたメモ
リセルから情報を読み出す際、非選択のメモリセルが低
い方のしきい値電圧を持つ場合、低い方のしきい値電圧
を持つ非選択のメモリセルがデプレッション型であって
も、バックバイアス効果により、エンハンスメント型に
することができる。このため、選択されたメモリセルに
接続されたビット線に、非選択メモリセルから流れるリ
ーク電流を抑えることができる。
【0066】また、選択されたメモリセルが消去状態で
ある場合、つまり、選択されたメモリセルが低い方のし
きい値電圧を持つ場合、選択されたメモリセルをデプレ
ッション状態に設定することができる。このため、選択
されたメモリセルのゲートに印加される電圧としきい値
電圧との電位差が大きくなり、選択されたメモリセルか
らの読み出し電流量を増やすことができる。
【0067】なお、本実施の形態では、処理はステップ
S1〜ステップS4の順番に実行される必要はない。つ
まり、ステップS1〜ステップS4が任意の順番で実行
されても、本実施の形態は上述した効果を有する。
【0068】また、選択されたビット線に印加される第
1の電圧と、非選択のソース線に印加される第3の電圧
とがほぼ同一であってもよい。
【0069】以下、具体的な、不揮発性半導体記憶装置
10のメモリセルM24から情報を読み出す方法を説明
する。
【0070】図1および図2の中で、破線で囲んだメモ
リセルM24が選択される場合、半導体基板電位を接地
電位(0V)として、ワード線WL2を3V(第2の電
圧)とし、ビット線BL4を1V(第1の電圧)とす
る。また、他のワード線WL1,WL3,WL4および
他のビット線BL1,BL2,BL3を0Vとし、ソー
ス線SL2を0Vとする。さらに、他のソース線SL
1,SL3,SL4を1V(第3の電圧)とする。な
お、図には示していないが、メモリセルの属するウェル
の電位は0Vとする。もし、メモリセルM24が消去状
態であれば、しきい値電圧は−1V程度であるので、メ
モリセルM24がオン状態となり、ビット線BL4にメ
モリセル読み出し電流が流れる。この場合のメモリセル
M24の読み出し電流は、従来の不揮発性半導体記憶装
置が有するメモリセルのしきい値電圧が0.5Vである
場合のものに比べて、多くなる。
【0071】一方、メモリセルM24が書き込み状態で
あれば、メモリセルM24のしきい値電圧は4V程度で
あるので、メモリセルM24がオフ状態となり、ビット
線BL4にメモリセル読み出し電流は流れない。上述し
た電流量がセンスアンプで検知されることにより、読み
出し動作が行われる。
【0072】本発明の第1の実施の形態では、バックバ
イアス効果を利用することにより、選択されたメモリセ
ルM24と同一のビット線BL4に接続される非選択メ
モリセルM14,M34,M44のしきい値電圧を約
0.5V以上に設定することができる。すなわち、非選
択メモリセルのソース線SL1,SL3,SL4に電圧
1Vを印加することにより、たとえ仮に、非選択メモリ
セルのしきい値電圧が−1Vであったとしても、バック
バイアス効果により、非選択メモリセルのしきい値を約
0.5V以上とすることができる。このため、非選択メ
モリセルから流れる電流を、ほぼゼロに抑えることがで
きる。
【0073】非選択のメモリセルM14,M34,M4
4が低い方のしきい値電圧を有する場合、読み出し動作
時に、非選択のメモリセルM14,M34,M44の低
い方のしきい値電圧をバックバイアス効果によりエンハ
ンスメント型にでき、選択されたメモリセルM24が接
続されたビット線BL4に接続されている他の非選択メ
モリセルM14,M34,M44から流れるリーク電流
を抑えられる。
【0074】また、選択されたメモリセルが消去状態で
ある場合、消去状態のメモリセルのしきい値電圧(低い
方のしきい値電圧)をデプレッション状態に設定するこ
とができる。このため、選択されたメモリセルにおける
オン状態の読み出し電流量が増加する。その結果、低電
圧においても十分なオン状態のメモリセル読み出し電流
を確保することができ、第1の実施の形態における不揮
発性半導体記憶装置は、低電圧下での高速読み出しを可
能とする。
【0075】以上のように、この実施の形態によれば、
非選択メモリセルに接続されるソース線に半導体基板に
対して逆バイアスとなる正電圧を印加することにより、
消去状態にあるメモリセルのしきい値電圧、つまり低い
方のしきい値電圧をデプレッション状態に設定できる。
このため、選択されたメモリセルのゲートに印加される
電圧が低電圧であっても、十分にオン状態のメモリセル
の読み出し電流量を確保できる。その結果、選択された
メモリセルのゲートに印加される電圧が低電圧であった
としても、高速にメモリセルの情報の読み出しを可能と
する。
【0076】なお、第1の実施の形態では、読み出し時
に選択したビット線に印加する電圧と非選択のソース線
に印加する電圧を同一電圧としたが、それらの電圧が異
なる電圧であってもよい。ただし、非選択ソース線の電
圧が選択したビット線に印加される電圧よりも低い場合
には、バックバイアス効果が小さいため、また、逆の場
合には、ソース線からの電流が流れるようになるため、
本発明の効果が小さくなる。
【0077】(第2の実施の形態)以下、本発明の第2
の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0078】図7は、本発明の第2の実施の形態におけ
る不揮発性半導体記憶装置20のメモリセルアレイ構成
の模式図である。図8は、不揮発性半導体記憶装置20
のパターンレイアウトを示す模式的平面図である。すな
わち、図8は、図7に示す不揮発性半導体記憶装置20
のアレイ構造の一例を示している。また、図9は、図8
に示す不揮発性半導体記憶装置20を線分C−Cで切断
した場合における断面を示す図であり、図10は、図8
に示す不揮発性半導体記憶装置20を線分D−Dで切断
した場合における断面を示す図である。なお、図10で
は、断面をD方向から見た場合、ビット線BL7は実際
には見えないが、ビット線BL7がビット線コンタクト
6bと接続されることが理解しやすいように、図示して
いる。
【0079】不揮発性半導体記憶装置20は、MOSト
ランジスタからなるメモリセルM11〜M64、ワード
線WL1〜WL6、ソース線SL1〜SL4、およびビ
ット線BL1〜BL8を備えている。
【0080】さらに、不揮発性半導体記憶装置20は、
素子分離領域5、ビット線コンタクト6a、6bを備え
ている。素子分離領域5は、LOCOSやSTIなどで
形成されるが他の方法でもよい。なお、不揮発性半導体
記憶装置20は、複数のメモリセルがビット線に並列に
接続される形式をとっているため、NOR型と呼ばれる
メモリセルアレイ構造を有している。
【0081】不揮発性半導体記憶装置20では、メモリ
セルM14のゲートがワード線WL1に接続され、メモ
リセルM14のソースがソース線SL1に接続され、メ
モリセルM14のドレインがビット線BL8に接続さ
れ、メモリセルM24のゲートがワード線WL2に接続
され、メモリセルM24のソースがソース線SL2に接
続され、メモリセルM24のドレインがビット線BL8
に接続されている。
【0082】また、メモリセルM34のゲートがワード
線WL3に接続され、メモリセルM34のソースがソー
ス線SL2に接続され、メモリセルM34のドレインが
ビット線BL7に接続され、メモリセルM44のゲート
がワード線WL4に接続され、メモリセルM44のソー
スがソース線SL3に接続され、メモリセルM44のド
レインがビット線BL7に接続されている。
【0083】さらに、メモリセルM54のゲートがワー
ド線WL5に接続され、メモリセルM54のソースがソ
ース線SL3に接続され、メモリセルM54のドレイン
がビット線BL8に接続され、メモリセルM64のゲー
トがワード線WL6に接続され、メモリセルM64のソ
ースがソース線SL4に接続され、メモリセルM64の
ドレインがビット線BL8に接続されている。
【0084】つまり、メモリセルM14〜M64が属す
る列には、ビット線BL7、BL8が対応する。言い換
えると、第1の組のメモリセルが第1のビット線に接続
され、列方向つまり、第1のビット線が延びる方向で、
第1の組のメモリセルに隣接する第2の組のメモリセル
が第2のビット線に接続される。本実施の形態では、あ
る組に含まれるメモリセルは2つであり、そのある組に
含まれる2つのメモリセルは、1つのビット線コンタク
トを共有している。
【0085】たとえば、メモリセルM14とメモリセル
M24が第1の組となり、それらのメモリセルM14、
M24はビット線コンタクト6aを共有し、第1の組の
メモリセルM14、M24はビット線コンタクト6aを
介して第1のビット線BL8に接続されている。また、
メモリセルM34とメモリセルM44が第2の組とな
り、第2の組は列方向で第1の組と隣接している。それ
らのメモリセルM34、M44はビット線コンタクト6
bを共有し、第2の組のメモリセルM34、M44はビ
ット線コンタクト6bを介して第2のビット線BL7に
接続されている。
【0086】不揮発性半導体記憶装置20に情報を書き
込む方法および消去方法は、不揮発性半導体記憶装置1
0と同じである。
【0087】以下、不揮発性半導体記憶装置20から情
報を読み出す方法について、図11を用いて説明する。
【0088】図11は、不揮発性半導体記憶装置20か
ら情報を読み出すためのフローチャートの一例を示す図
である。
【0089】ステップS11では、選択されなかったソ
ース線、つまり非選択のソース線に第1の電圧と同一極
性の第3の電圧が印加される。なお、第1の電圧とは、
後述するステップS13で、選択されたビット線に印加
される電圧である。
【0090】ステップS12では、選択すべき任意のメ
モリセルに対応するソース線が選択される。具体的に
は、選択されたソース線には、半導体基板の電位とほぼ
同一の電圧が印加される。
【0091】ステップS13では、前記任意のメモリセ
ルに対応するビット線が選択される。具体的には、選択
されたビット線には、半導体基板に対して逆バイアスと
なる極性の第1の電圧が印加される。
【0092】ステップS14では、前記任意のメモリセ
ルに対応するワード線が選択される。具体的には、選択
されたワード線には、第1の電圧と同一極性の第2の電
圧が印加される。
【0093】上述したステップにより、選択されたメモ
リセルから情報を読み出す際、非選択のメモリセルが低
い方のしきい値電圧を持つ場合、低い方のしきい値電圧
を持つ非選択のメモリセルをエンハンスメント型にでき
る。このため、選択されたメモリセルに接続されたビッ
ト線に、非選択メモリセルから流れるリーク電流を抑え
ることができる。
【0094】また、選択されたメモリセルが消去状態で
ある場合、つまり、選択されたメモリセルが低い方のし
きい値電圧を持つ場合、選択されたメモリセルをデプレ
ッション状態に設定することができる。このため、選択
されたメモリセルのゲートに印加される電圧としきい値
電圧との電位差が大きくなり、選択されたメモリセルか
らの読み出し電流量を増やすことができる。
【0095】なお、本実施の形態では、処理はステップ
S11〜ステップS14の順番に実行される必要はな
い。つまり、ステップS11〜ステップS14が任意の
順番で実行されても、本実施の形態は上述した効果を有
する。
【0096】また、選択されたビット線に印加される第
1の電圧と、非選択のソース線に印加される第3の電圧
とがほぼ同一であってもよい。
【0097】以下、具体的な、不揮発性半導体記憶装置
20のメモリセルM24から情報を読み出す方法を説明
する。
【0098】図7および図8の中で、破線で囲んだメモ
リセルM24が選択される場合、半導体基板電位を接地
電位(0V)として、ワード線WL2を3V(第2の電
圧)とし、ビット線BL8を1V(第1の電圧)とす
る。また、他のワード線WL1,WL3〜WL6および
他のビット線BL1〜BL7を0VあるいはOPEN状
態とし、ソース線SL2を0Vとする。さらに、他のソ
ース線SL1,SL3、SL4を1V(第3の電圧)と
する。なお、図には示していないが、メモリセルの属す
るウェルの電位は0Vとする。もし、メモリセルM24
が消去状態であれば、しきい値電圧は−1V程度である
ので、メモリセルM24がオン状態となり、ビット線B
L8にメモリセル読み出し電流が流れる。この場合のメ
モリセルM24の読み出し電流は、従来の不揮発性半導
体記憶装置が有するメモリセルのしきい値電圧が0.5
Vである場合のものに比べて、多くなる。
【0099】一方、メモリセルM24が書き込み状態で
あれば、メモリセルM24のしきい値電圧は4V程度で
あるので、メモリセルM24がオフ状態となり、ビット
線BL8にメモリセル読み出し電流は流れない。上述し
た電流量がセンスアンプで検知されることにより、読み
出し動作が行われる。
【0100】本発明の第2の実施の形態では、バックバ
イアス効果を利用することにより、選択されたメモリセ
ルM24と同一のビット線BL8に接続される非選択メ
モリセルM14,M54,M64のしきい値電圧を約
0.5V以上に設定することができる。
【0101】すなわち、非選択メモリセルのソース線S
L1,SL3,SL4に電圧1Vを印加することによ
り、たとえ仮に、非選択メモリセルのしきい値電圧が−
1Vであったとしても、バックバイアス効果により、非
選択メモリセルのしきい値を約0.5V以上とすること
ができる。このため、非選択メモリセルから流れる電流
を、ほぼゼロに抑えることができる。
【0102】また、選択されたメモリセルが消去状態で
ある場合、消去状態のメモリセルのしきい値電圧(低い
方のしきい値電圧)をデプレッション状態に設定するこ
とができる。このため、選択されたメモリセルにおける
オン状態の読み出し電流量が増加する。その結果、低電
圧においても十分なオン状態のメモリセル読み出し電流
を確保することができ、第2の実施の形態における不揮
発性半導体記憶装置は、低電圧下での高速読み出しを可
能とする。
【0103】なお、第2の実施の形態では、読み出し時
に選択したビット線に印加する電圧と非選択のソース線
に印加する電圧を同一電圧としたが、それらの電圧が異
なる電圧であってもよい。 (第3の実施の形態)以下、本発明の第3の実施の形態
について、図面を参照しながら説明する。
【0104】図12は、本発明の第3の実施の形態にお
ける不揮発性半導体記憶装置30のメモリセルアレイ構
成の模式図である。図13は、不揮発性半導体記憶装置
30のパターンレイアウトを示す模式的平面図である。
すなわち、図13は、図12に示す不揮発性半導体記憶
装置30のアレイ構造の一例を示している。また、図1
4は、図13に示す不揮発性半導体記憶装置30を線分
E−Eで切断した場合における断面を示す図である。
【0105】不揮発性半導体記憶装置30は、MOSト
ランジスタからなるメモリセルM11〜M44、ワード
線WL1〜WL4、ソース線SL1〜SL4、およびビ
ット線BL1〜BL4を備えている。
【0106】さらに、不揮発性半導体記憶装置30は、
素子分離領域5A、5B、ビット線コンタクト6a、6
b、およびウェル線WEL1〜WEL4を備えている。
素子分離領域5A、5Bは、LOCOSやSTIなどで
形成されるが他の方法でもよい。
【0107】不揮発性半導体記憶装置30は、図12に
示すように、メモリセルM11〜M14が属する行のメ
モリセルにウェル線WEL1が接続され、メモリセルM
21〜M24が属する行のメモリセルにウェル線WEL
2が接続され、メモリセルM31〜M34が属する行の
メモリセルにウェル線WEL3が接続され、メモリセル
M41〜M44が属する行のメモリセルにウェル線WE
L4が接続される。つまり、ある行のメモリセルは、そ
のある行に対応するウェル線に接続される。ウェル線
は、行毎に独立している。
【0108】また、不揮発性半導体記憶装置30は、図
12に示すように、メモリセルM11〜M14が属する
行のメモリセルのソースにソース線SL1が接続され、
メモリセルM21〜M24が属する行のメモリセルのソ
ースにソース線SL2が接続され、メモリセルM31〜
M34が属する行のメモリセルのソースにソース線SL
3が接続され、メモリセルM41〜M44が属する行の
メモリセルのソースにソース線SL4が接続される。つ
まり、不揮発性半導体記憶装置30では、ある行のメモ
リセルは、他の行のメモリセルとソース線を共有してい
ない。
【0109】なお、同一ワード線および同一ソース線に
接続された複数のメモリセルは、1つのウェル線を共有
する。
【0110】以下、本発明の不揮発性半導体記憶装置3
0の読み出し方法について、図12を用いて説明する。
【0111】図13中に破線で囲んだメモリセルM14
を選択する場合は、半導体基板電位を接地電位(0V)
として、ワード線WL1を3V(第2の電圧)とし、ビ
ット線BL4を1V(第1の電圧)とする。ウェル線W
EL1を0Vとし、他のワード線WL2,WL3,WL
4を0Vとし、ソース線SL1〜SL4を0Vとし、ビ
ット線BL1〜BL3を0Vとし、他のウェル線WEL
2〜WEL4を−3V(第3の電圧)とする。なお、少
なくともウェル線WEL1〜WEL4は、デコーダによ
って制御される。
【0112】上述した第1および第2の実施の形態で
は、ソース線を利用したバックバイアス効果によって、
非選択メモリセルのしきい値電圧を上げることができ
た。仮に、非選択メモリセルが低い方のしきい値電圧た
とえば−1Vを有していたとしても、バックバイアス効
果により、その低い方のしきい値電圧を約0.5V以上
とすることができる。一方、第3の実施の形態では、ウ
ェル線を利用して同様な効果を得ることができる。
【0113】上述したように、第3の実施の形態によれ
ば、非選択メモリセルのウェル線に負電圧、つまり半導
体基板に対して順バイアスとなる電圧を印加することに
より、非選択メモリセルのしきい値電圧を上げることが
できる。つまり、非選択メモリセルが消去状態である場
合、そのメモリセルのしきい値電圧をデプレッション状
態に設定することができる。
【0114】その結果、不揮発性半導体記憶装置30に
おけるメモリセルのゲートに印加される電圧が低電圧で
あっても、メモリセルから情報を読み出すための読み出
し電流量を十分に確保することができる。
【0115】なお、第1〜第3の実施の形態では、マス
クROMを用いて説明したが、2種の異なるしきい値電
圧を用いて記憶する不揮発性半導体記憶装置である、浮
遊ゲート電極型不揮発性半導体記憶装置に適用すること
もできる。この場合、回路的には、図1、図7、および
図12に示すメモリセルが浮遊ゲート電極型のメモリセ
ルに置き換えられるだけである。
【0116】また、第1〜第3の実施の形態では、消去
状態のしきい値電圧をデプレッション状態としたが、特
に、デプレッション状態にする必要もない。従来の不揮
発性半導体記憶装置では、非選択メモリセルのリーク電
流を抑えるために消去状態のしきい値電圧を0.5V程
度に設定する必要があった。しかしながら、本実施の形
態では、非選択のメモリセルのリーク電流を低減できる
ため、消去状態のしきい値電圧を0.5Vよりも低く設
定することもできる。
【0117】用途によるが、たとえば、メモリセルの消
去状態のしきい値電圧をデプレッション状態にまでしな
くとも、例えば、0V程度に設定したい場合もあり得
る。本発明は、このような場合にも適用される。
【0118】また、第1〜第3の実施の形態では、消去
状態をしきい値電圧の低い方としたが、逆に書き込み状
態をしきい値電圧の低い方に設定してもよい。
【0119】また、第1〜第3の実施の形態では、書き
込み状態のしきい値電圧を電源電圧以上としたが、消去
状態との差があればよいので、書き込み状態のしきい値
電圧が電源電圧以下でもよい。
【0120】また、第1〜第3の実施の形態では、N型
MOSトランジスタを用いて説明したが、P型MOSト
ランジスタを用いてもよい。
【0121】なお、第1の実施の形態と第2の実施の形
態とを組み合わせて、本発明を実施してもよい。
【0122】本発明によれば、低しきい値電圧の状態を
デプレッション状態にできるため、書き込み状態と消去
状態のしきい値電圧の差を広げることが可能であり、浮
遊ゲート電極型不揮発性半導体記憶装置に特有の、書き
込み後もしくは消去後しきい値電圧のばらつきの問題
や、多値しきい値電圧化への対応も容易となる。
【0123】また、本発明は、メモリセルに流れる電流
の変化により記憶動作、すなわち読み出し動作を実施す
るメモリ全般に適用することができる。なお、マスクR
OMではビット線コンタクトの有無により情報を記憶す
る方式もあるが、その場合は、書き込み状態を無限に高
いしきい値電圧と置き換えれば、本発明を適用すること
ができる。
【0124】
【発明の効果】本発明によれば、同一ビット線上にある
メモリセルのソース線またはウェル線に加える電圧を独
立して制御可能な構成を採用し、同一ビット線上にある
非選択メモリセルのしきい値電圧をソース線またはウェ
ル線に加える電圧を制御し、バックバイアス効果により
しきい値電圧を引き上げるようにしているので、低い方
のしきい値電圧をデプレッション状態に設定でき、低電
圧においてもメモリセル読み出し電流量が確保できるた
めに、低電圧高速読み出し動作が可能な不揮発性半導体
記憶装置を実現できる。
【0125】また、メモリセルの低い方のしきい値電圧
状態の少なくとも一部をデプレッション状態とすると、
その状態における読み出し電流を多くすることができ、
低電圧下での読み出し速度をさらに高めることができ
る。
【0126】また、ビット線に印加する第1の電圧と非
選択のソース線に印加する第3の電圧とをほぼ同一電圧
に設定すると、バックバイアス効果が大きく、かつソー
ス線から電流が流れないので、最も高速読み出し性能を
高くできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における不揮発性半
導体記憶装置10のメモリセルアレイ構成の模式図であ
る。
【図2】不揮発性半導体記憶装置10のパターンレイア
ウトを示す模式的平面図である。
【図3】図2に示す不揮発性半導体記憶装置10を線分
A−Aで切断した場合における断面を示す図である。
【図4】図2に示す不揮発性半導体記憶装置10を線分
B−Bで切断した場合における断面を示す図である。
【図5】不揮発性半導体記憶装置10におけるメモリセ
ルのしきい値電圧分布図(複数メモリセル)である。
【図6】不揮発性半導体記憶装置10から情報を読み出
すためのフローチャートの一例を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態における不揮発性半
導体記憶装置20のメモリセルアレイ構成の模式図であ
る。
【図8】不揮発性半導体記憶装置20のパターンレイア
ウトを示す模式的平面図である。
【図9】図8に示す不揮発性半導体記憶装置20を線分
C−Cで切断した場合における断面を示す図である。
【図10】図8に示す不揮発性半導体記憶装置20を線
分D−Dで切断した場合における断面を示す図である。
【図11】不揮発性半導体記憶装置20から情報を読み
出すためのフローチャートの一例を示す図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態における不揮発性
半導体記憶装置30のメモリセルアレイ構成の模式図で
ある。
【図13】不揮発性半導体記憶装置30のパターンレイ
アウトを示す模式的平面図である。
【図14】図13に示す不揮発性半導体記憶装置30を
線分E−Eで切断した場合における断面を示す図であ
る。
【図15】従来の不揮発性半導体記憶装置500のメモ
リセルアレイ構成を示す模式図である。
【図16】図15に示す不揮発性半導体記憶装置500
のパターンレイアウトを示す模式的平面図である。
【図17】不揮発性半導体記憶装置500におけるメモ
リセルのしきい値電圧分布図(複数メモリセル)であ
る。
【符号の説明】
M14〜M44 メモリセル WL1〜WL4 ワード線 SL1〜SL4 ソース線 BL1〜BL4 ビット線 5、5X 素子分離領域 6a、6b ビット線コンタクト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 29/788 29/792 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 27/115 G11C 16/04 G11C 16/06 G11C 17/12 H01L 21/8247 H01L 29/788 H01L 29/792

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板の上に、マトリクス状に配置
    された複数のメモリセルと、行方向に延びる複数のワー
    ド線と、該行方向に延びる複数のソース線と、列方向に
    延びる複数のビット線とを備えた不揮発性半導体記憶装
    置であって、複数のメモリセルが属する行毎に該複数のソース線のう
    ちの1つが対応しており、他の行のメモリセルとはソー
    ス線を共有しておらず、 ある行に属する複数のメモリセルが、該複数のソース線
    のうちの第1のソース線と接続され、 該ある行と隣接する行に属する複数のメモリセルが、該
    複数のソース線のうちの第2のソース線と接続され、 該第1のソース線は、該第2のソース線と電気的に独立
    している不揮発性半導体記憶装置。
  2. 【請求項2】 前記第1のソース線は、前記第2のソー
    ス線と素子分離領域により絶縁されている請求項1に記
    載の不揮発性半導体記憶装置。
  3. 【請求項3】 半導体基板の上に、マトリクス状に配置
    された複数のメモリセルと、行方向に延びる複数のワー
    ド線と、該行方向に延びる複数のソース線と、列方向に
    延びる複数のビット線とを備えた不揮発性半導体記憶装
    置であって、 ある列に属する複数のメモリセルのうちの第1の組が、
    該複数のビット線のうちの第1のビット線と接続され、 該ある列に属する複数のメモリセルのうちの第2の組
    が、該複数のビット線のうちの第2のビット線と接続さ
    れ、該第1の組のメモリセルと該第2の組のメモリセルは、
    該第1のビット線が延びる列方向に隣接して配置されて
    おり、 該第1のビット線は、該第2のビット線と電気的に独立
    している不揮発性半導体記憶装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の組が前記第2の組と前記列方
    向で隣接している請求項3に記載の不揮発性半導体記憶
    装置。
  5. 【請求項5】 前記複数のメモリセルのそれぞれは、ゲ
    ート電極、ゲート絶縁膜、ドレイン領域およびソース領
    域を有するMOSトランジスタである請求項1〜4のう
    ちの1つに記載の不揮発性半導体記憶装置。
  6. 【請求項6】 前記複数のメモリセルのそれぞれは、制
    御ゲート電極、浮遊ゲート電極、ドレイン領域およびソ
    ース領域を備えた浮遊ゲート電極型MOSトランジスタ
    である請求項1〜4のうちの1つに記載の不揮発性半導
    体記憶装置。
  7. 【請求項7】 前記複数のメモリセルのうち、低い方の
    しきい値電圧を有するメモリセルが、デプレッション状
    態である請求項1〜6のうちの1つに記載の不揮発性半
    導体記憶装置。
  8. 【請求項8】 前記不揮発性半導体記憶装置は、前記行
    方向に延びる複数の第1導電型のウェルを備え、前記複
    数のメモリセルの1つは、該複数の第1導電型のウェル
    の1つ上に、ゲート電極、ゲート絶縁膜、ドレイン領域
    およびソース領域を有するMOSトランジスタであり、
    該複数の第1導電型のウェルのそれぞれが電気的に独立
    している請求項1または2に記載の不揮発性半導体記憶
    装置。
  9. 【請求項9】 前記不揮発性半導体記憶装置は、前記行
    方向に延びる複数の第1導電型のウェルを備え、 前記複数のメモリセルの1つは、該複数の第1導電型の
    ウェルの1つ上に、制御ゲート電極、浮遊ゲート電極、
    ゲート絶縁膜、ドレイン領域およびソース領域を有する
    MOSトランジスタであり、 該複数の第1導電型のウェルのそれぞれが電気的に独立
    している請求項1または2に記載の不揮発性半導体記憶
    装置。
  10. 【請求項10】 前記複数のメモリセル中から選択され
    たメモリセルに記憶されている情報を読み出す不揮発性
    半導体記憶装置の駆動方法であって、 該選択されたメモリセルに対応するビット線に、前記半
    導体基板に対して逆バイアスとなる極性の第1の電圧を
    印加する工程と、 該選択されたメモリセルに対応するワード線に該第1の
    電圧と同一極性の第2の電圧を印加する工程と、 該選択されたメモリセル以外のメモリセルに対応するソ
    ース線に該第1の電圧と同一極性の第3の電圧を印加す
    る工程と、 該選択されたメモリセルに対応するソース線に該半導体
    基板の電位を印加する工程とを包含する請求項1〜4の
    うちの1つに記載の不揮発性半導体記憶装置の駆動方
    法。
  11. 【請求項11】 前記第1の電圧と前記第3の電圧とが
    ほぼ同一電圧である請求項10に記載の不揮発性半導体
    記憶装置の駆動方法。
  12. 【請求項12】 前記複数のメモリセル中から選択され
    たメモリセルに記憶されている情報を読み出す不揮発性
    半導体記憶装置の駆動方法であって、 該選択されたメモリセルに対応するビット線に、前記半
    導体基板に対して逆バイアスとなる極性の第1の電圧を
    印加する工程と、 該選択されたメモリセルに対応するワード線に該第1の
    電圧と同一極性の第2の電圧を印加する工程と、 該選択されたメモリセルが属していない第1導電型のウ
    ェルに該第1の電圧と逆極性の第3の電圧を印加する工
    程と、 該選択されたメモリセルが属している第1導電型のウェ
    ルに接地電位を印加する工程とを包含する請求項8また
    は9に記載の不揮発性半導体記憶装置の駆動方法。
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