JP3058308B2 - ワイヤカット放電加工方法 - Google Patents

ワイヤカット放電加工方法

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JP3058308B2 JP6050047A JP5004794A JP3058308B2 JP 3058308 B2 JP3058308 B2 JP 3058308B2 JP 6050047 A JP6050047 A JP 6050047A JP 5004794 A JP5004794 A JP 5004794A JP 3058308 B2 JP3058308 B2 JP 3058308B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ワイヤカット放電加工
方法、特に加工製作の対象となる金型や部品等を、完成
した製品として所定の寸法精度を有すると共に、かつ別
工程等による仕上げ磨きなどを要しない光沢を有する所
定面粗度をもった製品に効率のよい加工で仕上げること
ができる改良された加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来この種のワイヤカット放電加工は、
一対の間隔を置いて配置したガイド間に所定の状態に張
架したワイヤ電極を軸方向に更新送り移動せしめつつ前
記軸方向と略直角方向から被加工体を微小間隙を介して
相対向せしめ、該間隙に加工液を供給介在させた状態で
両者間に間歇的な電圧パルスを印加し発生する放電パル
スにより加工を行ない、前記ワイヤ電極と被加工体間に
前記直角方向の平面上に於ける所定の加工輪郭線形状に
沿う相対的な加工送りを与えることにより、被加工体の
切断、切抜き等の加工を行なうものである。
【0003】この様なワイヤカット放電加工方法によ
り、各種の金型や部材、及び部品等を加工して仕上げる
には、まず前記のワイヤカット放電加工を、加工する被
加工体の材質、板厚、及び加工の目的等に応じて、ワイ
ヤ電極の材質、線径、加工部張架付与張力、及び更新送
り速度等を選択、設定し、又同様に加工液の種類、性
状、及び特に電気伝導度、さらには加工液の噴射、浸漬
等の供給介在方式及びその加工条件等を選択、設定する
とともに、加工送り速度やサーボ制御等の加工送り条
件、及び加工のための電圧又は放電パルスの電圧値、放
電パルス幅、休止幅、及び放電電流振幅等の電気的加工
条件を選択、設定し、前記ワイヤ電極と被加工体間の所
定の加工輪郭線形状から所定量オフセットした軌跡に沿
う加工送りを数値制御装置により制御しつつ与えて最初
の加工溝を加工形成するファーストカット加工(通常荒
加工)を行なう。次に該ファーストカット加工後、前記
の各種の設定加工条件を所定のセカンドカット(中加
工)加工条件に設定を切換えると共に、加工送り経路の
所定加工輪郭線形状に対するオフセットを切換設定して
加工を行ない、次いで次段加工工程のサードカット加工
に順次移行するが如く、通常は前記ファーストカット加
工(荒加工)から、中加工、中仕上げ加工、仕上げ加
工、及び最終仕上げ加工の如く、3〜7工程の加工によ
り被加工体を所定の寸法精度、及び面粗さに仕上げるも
のである(例えば、特開昭57−102724号公報、
特開平1−45523号公報参照)。
【0004】而して、近時、例えば、特開平2−831
19号公報や特開平3−277421号公報等に記載の
如き放電加工面を最終仕上げ加工工程の加工処理により
光沢ある鏡面状に仕上げる粉末混入放電加工が、ワイヤ
カット放電加工の分野に於いても採用され、適用被加工
体の材質等には型彫加工の場合と同様な制約があるもの
の、その加工効果は順次同様に達成されつつある。ワイ
ヤカット放電加工においては、粉末混入放電加工により
光沢ある鏡面加工を実現するには、設定される電気的な
加工条件(τON、τOFF、Ip等)、加工送りの態
様及び制御等も勿論それぞれ重要であるが、この外にも
最終の光沢付けの加工処理工程に於いて、Siなどの粉
末を混入した油系加工液を用いることが必須であること
は当然として、前記最終の光沢付け加工処理を開始する
までに被加工体の加工面を所定値以上(約5μmRma
x前後程度以内)の微細な面粗度に仕上げておくことが
必要なものである。
【0005】またその後の検討によれば、上述の粉末を
混入した油系放電加工液を用いる最終の光沢付け加工工
程の作用は、被加工体の被加工面からは被加工材が殆ど
所謂加工し除去されることは無く、微細梨地状の凹凸面
に対し、加工液の一部の成分や被加工体の成分を含む混
入粉末の被着または被覆や一部合金化被着などによる表
面処理的な作用であって、表面は径が約10〜50μm
φ程度で平坦な皿状体のクレータが集合した状態と成っ
ており、この最終の光沢付け加工処理工程の加工に於い
ては、従来の最終の仕上げ加工工程の加工のように被加
工体が加工されて、被加工体の加工部分の寸法精度が少
しずつ向上又は修正されていって寸法精度が高くなると
言うことは、電気的加工条件等を格別に変更しない以
上、実質上殆どないことが判って来ている。従って、ワ
イヤカット放電加工に於て光沢ある鏡面加工を行なうに
は、その最終の光沢付け加工処理工程に移行する前の中
仕上げ加工工程において、被加工体を所望最終の寸法精
度に仕上げておくことが必要なものであり、いわゆる太
鼓又は(真直度)等も中仕上げ加工で十分に所定寸法に
修正仕上げておくことが必要なものである。
【0006】他方、この従来のワイヤカット放電加工に
於ける光沢ある鏡面加工を使用加工液の面から考察する
と、最終の光沢付け加工処理工程において粉末を混入す
ると共に、その粉末混入濃度が管理されたケロシン等の
炭化水素油が主成分の油系放電加工液の使用が必須であ
るところから、加工液供給装置としては、例えば、本出
願人の先願に係る特願平5−181825号に記載した
類の粉末の混入・分離が可能な油系放電加工液供給装
置、又は粉末混入のない油系放電加工液と粉末を混入し
た油系放電加工液とについて別々の供給装置を設けた各
油系加工液の循環供給装置が必要となるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そしてこの様な油系放
電加工液供給装置を備えたワイヤカット放電加工機に、
更に純水を主とする水系加工液供給装置を備えせしめる
ことは、更に油水分離装置等を必要とすると共に複雑な
運転制御システム等を要するところから、設備費が嵩む
丈でなく、設備の一部の遊休化と設置床面積の増大など
多くの問題があるため、安易には許容されないが、加工
液として上記油系放電加工液を用いるワイヤカット放電
加工は、防災上に重大な問題がある上に、水系加工液を
用いる加工に比べて、特にファーストカット加工の際の
加工速度の点で如何にも見劣りがするものである。
【0008】このため、従来油系放電加工液は、電食防
止と精密加工が必要なWC−Co焼結合金材等の、比較
的微細な精密加工の場合にしか用いられることは無かっ
たのであるが、前記油系放電加工液を用いる放電加工
も、その加工液中に導電性乃至は半導電性などの粉末を
混入した粉末混入放電加工とすることにより、加工状態
が安定して加工速度が向上することが、例えば、特公昭
55−26357号公報や特表昭55−500783号
公報等によるまでもなく知られている。
【0009】よって、本発明は、上述のごとき知見に加
え、さらに種々追試検討した結果提案される新規なワイ
ヤカット放電加工方法に係るもので、加工により得られ
る被加工品としては、所定の高い寸法精度を有し、その
加工面が光沢付けされた鏡面状仕上げ品を、より早く、
且つ効率良く加工して確実に得られるようにすること、
そして他方において、そのための設備としては、実質的
に油系放電加工液のみを用いる加工液供給装置として設
備を増大、輻湊化させる事無く実用可能なワイヤカット
放電加工方法を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】而して、上記の目的及び
課題は、前述のワイヤカット放電加工を、(a)前記加
工液として油系加工液に粉末を混入した粉末混入油系加
工液を用い、被加工体の材質、板厚、及び加工の目的等
に応じて選択設定された加工条件で、最初の加工溝を加
工形成するファーストカット加工工程と、(b)前記フ
ァーストカット加工後、前記加工液を粉末を混入してい
ない油系加工液に切換えると共に、前記設定加工条件を
所定のセカンドカット、及びサードカット等の複数の加
工工程の加工条件に順次切換えて、前記被加工体がその
加工面粗度がより小さい所定値になるまで、かつ、特に
加工面の太鼓(真直度)が加工により加工修正されて所
定の寸法精度となるまで加工工程を追って順次に加工処
理する中仕上げ加工工程と、(c)前記中仕上げ加工工
程の後、前記加工液を粉末を混入した油系加工液に切換
え、前記設定加工条件を最終仕上げ加工条件に切換えて
前記中仕上げ加工面を少なくとも1回以上加工処理する
光沢づけ加工処理工程の加工を順次に行なうようにする
こと、又更に、前記光沢付け加工処理工程の最終仕上げ
加工条件の設定に際し、電圧パルス印加放電回路に所定
値のインダクタンス線輪を直列に挿入して、当該加工工
程の加工を実行することにより、より確実に達成するこ
とができる。
【0011】
【作用】叙上のように構成することによって、本発明
は、上記ファーストカット加工工程の加工を加工間隙を
広め、安定した加工状態で、高速化することができ、高
速荒加工としての役割を担なわせることが出来、そして
上記中仕上げ加工工程により、粉末混入が無く間隙が狭
い状態での加工で、ファーストカット加工での太鼓(真
直度)の除去修正と加工面粗さを細かくして、ほぼ最終
仕上げの寸法精度を確保し、さらに加工方法全体とし
て、加工液として油系放電加工液のみを使用して目的と
する加工を効率良く、かつ確実に行なえるようになるも
のである。
【0012】
【実施例】図1は、本発明のワイヤカット放電加工方法
を実施する装置の実施例説明図で、1はXYクロステー
ブル2上に載置された加工槽、3は加工槽1中で図示し
ない載物台によりXYクロステーブルに連結保持された
被加工体、4は前記加工槽1中で通常鉛直方向に所定の
間隔を置いて相対向配置した一対の加工液噴射ノズルを
兼用するガイドブロック本体5、6中の位置決めガイド
5a、6a間に所定の状態に張架されたワイヤ電極で、
図示しないワイヤ電極の貯蔵、供給、回収機構、及び張
力付与機構により軸方向に更新送り移動せしめられ、前
記ガイド5a、6a間のワイヤ電極4に軸方向と略直角
方向から各X及びY軸駆動モータ7、8により送り駆動
される前記クロステーブル2より送り移動される被加工
体3と微小な放電加工間隙を介して相対向せしめられ
る。
【0013】9は、副電源10とともに設けられる主加
工用のFET等のオンオフスイッチング素子を有するパ
ルス電源で、その出力は切換器11を介して前記被加工
体3とガイドブロック本体5、6内の給電子5b、6b
を介してワイヤ電極4との間に、図示しない極性切換器
を介し、通常は被加工体3を正極、ワイヤ電極4を負極
とする所謂正極性に接続され、被加工体3とワイヤ電極
4間に所定の無負荷電圧(Vn)、放電又は電圧パルス
のパルス幅(τON)、休止幅(τOFF)、及び発生
する放電パルスの電流振幅(Ip)を有する電圧パルス
が数値制御装置を含む制御装置12からの信号により加
工電源切換手段13を介して各所定値に切換設定が為さ
れた所定の間歇的な電圧パルスとして印加供給される。
なお、副電源10は、短いパルス幅で無抵抗回路によ
り、主電源放電パルスの放電開始時の立ち上がり電流振
幅を加工量増大のために著増させるパルス電源、及び短
絡電流が小さい値に制限された比較的高電圧の直流電源
で、間隙で放電又は短絡が発生すると電圧印加が遮断さ
れる(短絡遮断付の)か、主電源電圧パルスと同期印加
されて間隙状態検出、間隙長拡大、及び瞬滅放電による
微細加工用の副電源(2)の一つ以上のものである。
【0014】14は、所定値に切換設定が可能なインダ
クタンス線輪で、前記切換器11により前記加工用電源
9、10からの間隙印加電圧パルスの放電回路に直列に
挿脱可能に設けられ、該線輪14の挿設時には、主とし
て前記電圧パルスに基づく放電電流の立上がりを押さえ
て放電の衝撃力を低減させるとともに、電圧パルスのゲ
ート信号終了による放電パルスの終了切れを遅延させて
放電パルス幅を増大させ、又低電流値放電の途中放電切
れを防止するものである。
【0015】20はワイヤ電極4と被加工体3間の放電
加工間隙の放電状態を検出する検出装置で、前記制御装
置12に加工条件制御や送り制御等の制御信号を供給す
る。
【0016】15は、前記X軸及びY軸駆動モータ7、
8を作動させることにより前記被加工体3とワイヤ電極
4間に前記直角方向の平面上に於ける所定のプログラム
等された輪郭線形状に沿う相対的な加工送りを前記制御
装置12の制御の下に実行する駆動装置で、後述するワ
イヤカット放電加工の順次複数の加工工程、及びその各
加工工程毎に各種所望の加工送り速度やそのオーバライ
ド値等を設定できるとともに、同様にワイヤ電極4と被
加工体3間の前記所定の加工成形すべき輪郭線形状に対
する相対的なオフセット値を順次の加工工程毎に予め設
定しておいて実行させることができる。
【0017】5c及び6cは、ワイヤ電極4に沿い、被
加工体3の両側又は所望の一方から加工液を噴出する上
下の加工液噴出ノズルである。5d及6dは、ガイドブ
ロック本体5、6の各内部をノズル5c、6cのある加
工液噴出側と、ガイド5a、6aと給電子5b、6bを
収納するキャビティ側とにワイヤ電極挿通部を除き仕切
る仕切壁で、必要に応じて前記仕切の開閉操作が可能な
ように構成される。
【0018】そして、ワイヤカット放電加工時の放電加
工間隙への加工液の供給介在の態様としては、前記加工
槽1中へ加工液を供給充填し、少なくとも加工間隙部分
を充填加工液中に浸漬された状態とすると共に、加工槽
1中の加工液を後述する必要に応じ温度制御装置を有す
る加工液供給装置との間で循環流動させながら加工を行
なう態様、そしてさらにこれにプラスして、加工槽1中
を流動する液と通常同一の加工液を上下のノズル5c、
6cの両方又は一方から噴出、又は一方から噴出させ他
方から吸引させながら加工を行なう態様等適宜の目的に
応じた態様に設定使用されるものである。
【0019】16は、加工槽1中の充填加工液を攪拌す
る攪拌装置で、最初の加工工程である通常高速荒加工の
ファーストカット加工工程と、最終仕上げ加工工程であ
る光沢付け加工工程において、加工槽1中の流動加工液
中の混入粉末の濃度が全体的に均一の所定値となるよう
に、前記加工工程中、特に後者の最終仕上げ加工工程に
おいては、必須の攪拌手段であって、例えば、特開平5
−285733号公報の図3(A)〜(D)に記載の如
きものが用いられる。
【0020】18は、本発明のワイヤカット放電加工方
法に於て、被加工体3を最初に加工する時、即ち所望に
応じて選択設定された加工条件で、前記所望の加工成形
すべき輪郭線から所定量ワイヤ電極4を相対的にオフセ
ットした軌跡に沿って最初の加工溝を加工成形するファ
ーストカット加工(通常高速荒加工)工程の際に使用す
る、後述の粉末混入油系放電加工液の循環供給装置であ
る。
【0021】又、17は前記ファーストカット加工の終
了後、前記設定加工条件を所定のセカンドカット及びサ
ードカット等の一加工工程以上の各加工工程の加工条件
に順次に切換えて前記被加工体の加工面粗度がより小さ
な、少なくとも5〜6μmRmax前後程度又はそれ以
下の所定値になるまで、かつ前記ファーストカット加工
で形成された加工面の太鼓(又は真直度)が当該加工に
より加工修正されて所定の寸法精度となるまで前記各加
工工程を追って順次に加工処理する中仕上げ加工工程の
際に使用する粉末などの混入のない油系放電加工液の循
環供給装置である。
【0022】そして上記18は、上記中仕上げ加工工程
の終了後、前記加工条件を本発明の最終仕上げ加工条件
に切換えると共に、加工間隙に供給介在させる加工液を
硅素とか、炭素や金属等の導電性、又は半導電性等の粉
末を混入した油系放電加工液に切り換え、さらに前記所
定の輪郭線形状に対する相対的なワイヤ電極のオフセッ
ト値を前記前の中仕上げ加工工程の最終加工工程のオフ
セット値より所定量増大設定して加工を行なう最終仕上
げ加工工程の際に、前記粉末を混入した油系放電加工液
を供給する装置である。
【0023】これらの各加工液供給装置17、及び18
は前記制御装置12からの目的等に応じて作成されてい
るプログラム等の制御信号により、各加工工程毎に加工
液切換手段19を介して切換え使用される。なお、図に
おいて、17a、18aは、各加工液供給装置の清浄液
槽、17b、18bは同じく汚濁液槽、17c、17
d、18c及び18dは各ポンプ、17f、17g、1
8f及び18gは各開閉弁、17h及び18hはフィル
タ、17i、17j及び18jは絞り弁、17kは流量
調整弁、18iは逆洗フィルタ、18kは開閉弁、又1
aは開閉弁、5e及び6eは流量調節弁、18lは清浄
液槽18a内の混入粉末濃度測定器、18mは前記測定
器18l検出信号により供給液の混入粉末濃度を所定値
に保つよう制御される粉末供給装置、18nは清浄液槽
18a内粉末混入液の攪拌装置で、以下に上述3段階の
各加工工程に関して説明する。
【0024】まず第1加工工程のファーストカット加工
工程に際しては、加工液供給装置18が制御装置12及
び加工液切換手段19により切換稼動状態となされ、加
工が行われる。その際に、該ファーストカット加工工程
は全体としての加工効率上、加工精度や加工進行等に格
別影響しない範囲で、より高速かつ短い時間で加工を終
了することが望ましいため、加工液として市販の放電加
工油(炭化水素:第四類第三石油類)に硅素粒、炭素
粒、アルミニュウム又はその合金粒、銅又はその合金
粒、鉄又はその合金粒などを混合した加工液を使用する
ものである。
【0025】ここで粉末混入油系放電加工液を使用する
理由については、既にその概要を述べた所であるが、稼
働の安全性(特に、耐火災等)や加工速度等の点から
は、前述のごとく純水系の加工液を使用するほうが優れ
ているわけであるが、そのためには、少なくとも従来通
常の水系加工液を使用するワイヤカット放電加工装置の
加工液供給装置一式を全く別個に増設することが必要で
あり、更に好ましくは油水分離装置等も必要となるとこ
ろから、著しく高価格になることは避けられない。従っ
て本発明に於ては、このフアーストカット加工工程に於
いても油系放電加工液を使用しようとするものであり、
この油系放電加工液の使用により加工精度や加工の再現
度などは増すものの、加工速度が水加工液の場合の、例
えば約1/5〜1/7前後であることから、ある程度加
工精度を犠牲にしても加工速度を増す必要があり、この
ため所謂放電加工油に粉末を混入して、ワイヤ電極と被
加工体間の加工間隙を広めて安定加工を可能とすると共
に間隙介在粉末を介する放電が生ずるところから放電繰
返し周波数を増大して加工速度を増大((例えば水加工
の場合の1/2〜1/3前後程度)させて目的を達せん
とするものである。
【0026】そして、このファーストカット加工工程に
於いては、最終仕上げの光沢付け加工のような光沢付け
の機能又は性能等を有する加工液(粉末混入)を使用す
る必要はないから、例えば、多数箇所に対するファース
トカット加工後に最終仕上げの光沢付け加工を纏めて行
なうなどの加工の仕方等によっては、このフアーストカ
ット加工工程の加工液混入粉末の種類として、より安価
で取扱い容易等の別異の粉末等を使用することができる
が、之に伴う格別の利益無くば、別異の加工液供給装置
を設置しなければならなくなるから避けることが好まし
い。尤も、この事は後述するように、最終仕上げ加工工
程の光沢付け加工に於いて用ちいる混入粉末が、大凡そ
のまま最初のファーストカット加工工程に於いて用い得
るからである。
【0027】清浄液槽18a内の粉末混入加工液を攪拌
装置18nにより充分攪拌し、供給装置18mから粉
末、又は図示しない放電加工油補給手段やポンプ17c
の駆動による中仕上げ加工工程で使用する清浄放電加工
油を供給して所定の粉末混入濃度とした後、開閉弁1
a、18fを開き、ポンプ18cを駆動して加工槽1に
粉末混入加工液を被加工体が所定の浸漬状態、すなわち
ワイヤ電極4と被加工体3間の放電間隙が充分加工液中
に浸漬状態にあるように充填した後開閉弁1aを閉じ、
流量調整弁5e、6eをそれぞれ所定に開いて各ノズル
5c、6cから粉末混入加工液をワイヤ電極4に沿い被
加工体3の両側から加工部に噴射供給することになる
が、この時同時に加工槽1内の攪拌装置16を駆動させ
て、粉末の沈降偏在を防止すると共に、ポンプ17cを
駆動し、絞り弁17iと流量調節弁17kの調整により
ガイドブロック本体5、6のガイド5a、6a及び給電
子5b、6bを収納するキャビティ内へ粉末が混入され
ていない清浄放電加工油を送り込み、前記キャビティ内
への粉末の侵入を防止し、ガイド及び給電子に対する障
害発生を防止する。そして加工槽1の図示しない上方溢
流堰を溢流した粉末混入加工液は、開閉弁18gを介し
て汚濁液槽18bに戻り、適宜沈殿処理等をした後ポン
プ18dにより汲み上げられ、フィルタ18hを介して
清浄液槽18aへ帰還されることになる。尚、上記フィ
ルタ18hとしては、混入粉末を選択的に通過させる
か、加工屑を選択的に捕集する機能を有するもの、或い
は加工屑を除去した清浄粉末混入加工液を回収帰還させ
得る機能をもった装置、システム等が用いられる。
【0028】以上のごとき粉末混入加工液の供給浸漬及
び噴射状態で、ワイヤ電極4と被加工体3間に、電極、
被加工体の材質組み合わせや加工の目的に合ったファー
ストカット加工条件の間歇的な電圧パルスが主及び副電
源9、10から供給されて放電し、ワイヤカット放電加
工が実行される。
【0029】而して、斯種ワイヤカット放電加工に於い
ては、例えば、図2に示すように、加工条件や加工の目
的、加工の態様、及び設定加工条件に対する設定加工送
り速度や被加工体の板厚などにもよるが、ある程度能率
良く、従ってより早く加工しようとすると、主として放
電圧力等の作用により被加工体3の加工面又は加工間隙
の断面輪郭線3Aは、加工送りの向きに円弧凸状となっ
ており、ワイヤ電極4のガイド5a、6a間の部分も放
電圧力等の加工間隙圧力により同様に湾曲した状態で更
新送り移動しているものである。これは、例えば、約
0.2mmφ黄銅ワイヤ電極に約1.0kgf前後の張
力を付与した状態で更新送り移動させ、鉄材を被加工体
として約20〜30μmRmax程度のファーストカッ
ト放電加工を行なったとすると、例えば設定加工条件に
よる加工速度よりも加工送り速度を遅く設定するなどの
格別の処置を講じない以上、上下ガイド間の距離を 例
えば、板厚+10mm×2 とした場合、被加工体3の
板厚が約10〜20mm前後を境として、上述加工中の
ワイヤ電極湾曲による被加工体加工面の凹及び凸の太鼓
(又は真直度)、及びコーナ部でのアンダーカット及び
オーバカットが大きく変化し、前記板厚約10〜20m
mより薄い被加工体の場合には、その形成された太鼓
(又は真直度)の多くは、以後のセカンドカット等の中
仕上げ加工工程に於いて比較的容易に加工修正されるも
のの、前記約10〜20mmより厚い被加工体の場合に
は、その太鼓(又は真直度)も大きいせいか、次の加工
工程のセカンドカットなどの通常の中仕上げ加工工程の
加工処理によっては、容易に加工修正されなくなるもの
である。
【0030】而して、加工液として油系放電加工液を用
いるワイヤカット放電加工では、被加工体が鉄材の場合
でも間隙が狭く加工速度が遅いところから、特別厚い板
厚の場合とか、特別な加工方法とした場合以外は、上述
太鼓(又は真直度)などの問題はあまり生じなかったの
であるが、本発明の加工方法は、その最初のファースト
カット加工工程に於いて、油系放電加工液に粉末を添加
混合し、加工間隙は記が広い状態での水加工の場合に近
い早さの高速荒加工としたことにより、前述の太鼓(又
は真直度)が問題となるるものである。このため本発明
におけるセカンドカット等の一連の中仕上げ加工工程
は、ファーストカット加工工程で形成された太鼓(又は
真直度)の除去修正加工及び寸法精度出し加工とするこ
とが必要となるもので、この中仕上げ加工工程は、加工
液として粉末混入の無い清浄な油系放電加工液を使用
し、狭い間隙での加工とするものである。
【0031】前述のファーストカット加工工程の終了
後、ポンプ18cを止め、開閉弁18fを閉じ、加工槽
1の図示しないドレーンを開いて開閉弁18gから加工
槽1中の粉末混入加工液を汚濁液槽18bへ落とし、そ
の間に攪拌装置16を止め、加工槽1内がある程度綺麗
になった所で開閉弁18g及び絞り弁17iを閉じ、開
閉弁17fを開いて正常な油系放電加工液を加工槽に充
填すると共に、必要に応じ絞り弁5e、6eからノズル
5c、6cを経て加工部へ同じ清浄な油系放電加工液を
噴射させながら、セカンドカット以降の中仕上げ加工工
程の加工を行なうものである。而して、この中仕上げ加
工工程は、前述の如くセカンドカット、サードカット、
及びフォースカット等の複数多段の加工工程からなるも
ので、各加工工程毎に、電気的加工条件と通常オフセッ
ト値、又は更に必要ならば、設定加工送り速度などが、
主及び副電源9、10、並びに制御装置12等により順
次に切り換えられ、加工面の太鼓(又は真直度)と加工
面粗さ、及び寸法精度が所定値、又は所定の状態となる
まで繰返し行われるものである。そして、この中仕上げ
加工工程に於いて、加工槽1より溢流する油系放電加工
液を切換え弁17gを介して回収し、ポンプ17bより
フィルタ17hにより濾過して清浄液槽17aに帰還さ
せること、そしてこの中仕上げ加工工程は太鼓又は真直
度の修正加工と寸法精度出し加工であるから、例えば清
浄液槽17a中の清浄液を所定の温度に維持制御する温
度制御装置等が設けられる可能性が大なること当然であ
る。
【0032】次に、上記の中仕上げ加工工程の終了の
後、最終仕上げの光沢付け加工処理工程に移行するもの
で、加工液は、例えばノズル5c、6cより噴射される
加工液の噴射圧力又は流量など変更設定されるものもあ
るが、その多くは前述最初のファーストカット加工工程
の各加工液の循環供給装置17、18を稼働状態として
加工処理が行われるものである。そしてこの最終仕上げ
の光沢付け加工に於ては、ワイヤ電極と被加工体間に粉
末混入加工液を介して発生する放電は、被加工体表面か
ら被加工材を、所謂放電加工によって加工除去する作用
は殆どなく、その大部分のエネルギは介在粉末の被加工
体加工面への被着、合金化、或いは又一部が液中成分と
の合金化した状態での加工面への被着現象などの結果と
して光沢付けが実現するもので、前記粉末および油系放
電加工液としては、多結晶シリコン等の各種の硅素(S
i)、炭素・グラファイト(C)、鉄(Fe)、アルミ
ニウム(Al)、銅(Cu)、炭化硅素(SiC)、炭
化チタン(TiC)、窒化チタン(TiN)、または酸
化硅素(SiO)、等の粉末で大凡X×10μmφ
(X=1、2、…)の大きさを上回らない0.5μmφ
以上の大きさの、平均粒径が大凡5μmφ前後程度のも
のを、重量百分比で0.5%以上5%未満、.好ましく
は約1%〜3%程度含有する前記炭化水素油系の油系放
電加工液(すなわち、引火点を上げたりするために僅か
な添加物がある第四類第三石油類で、放電加工油として
市販されているもの)を用いるものである。
【0033】上記のような最終仕上げの光沢付け加工の
際の加工条件としては、使用加工液が中仕上げ加工工程
とは異なる粉末混入油系放電加工液であるところから、
電圧パルス等の電気的加工条件にもよるが、設定オフセ
ット量は中仕上げ加工工程最終段階の加工での設定値よ
りも通常大きく設定され、放電パルス(放電電流波形)
としては、通常正極性で、立上がり及び立下がりが、好
ましくはよりなだらかで、実質のパルス幅(放電時間:
τON)が約4〜10μS程度、好ましくは約5〜8μ
S程度で、放電電流の振幅(Ip)2〜8A程度、好ま
しくは約2〜5A程度の放電とするものである。そして
この様な放電電流特性とするには、直流電源の放電回路
に複数並列に接続したスイッチ素子群を直列に挿入し、
各スイッチ素子のオン・オフを順次微細に制御するよう
にすることによっても得られるものの、上述の条件にお
いて、所望の放電電流立上がり特性とするには、スイッ
チ素子の精密な制御が必要となる一方、放電回路の静電
容量による立ち上がりピーク等も押さえる必要があり、
また放電中の放電電流の振幅値が低い設定の場合には、
間隙が粉末介在で広いにも拘らず、放電中に光沢付けを
阻害する放電の途中切れを起こさないようにしなければ
ならないから可成り難しいものである。
【0034】よって、本発明のより好ましい最終仕上げ
の光沢付け加工の祭には、切換え器11により放電回路
を切換えて、放電回路に直列に約3〜30μH程度の所
望のインダクタンス線輪14を挿入し、放電回路の静電
容量による放電電流の立上がり及びピークを押さえなだ
らかな立上がりとすると共に放電途中での上記放電切れ
を生じ難くして、より確実に光沢付け加工とすることが
できる放電特性とするものである。またこのように放電
回路に直列にインダクタンス線輪14を挿入した場合に
は、主及び副電源9、10より出力する電圧パルス(放
電パルス)の時間幅(持続時間)を上述放電パルスの幅
の時間、例えば約5〜8μSに対応して設定する場合の
外、電圧パルスの幅を、例えば約1.5〜3.0μS及
び休止幅を約0.5〜1.0μSの如く設定して、複数
(2〜3個)の電圧パルスが挿入インダクタンス線輪の
リアクタンスにより繋がった放電となるようにしても得
ることができる。そしてこの場合間隙が広く、供給電圧
パルスの電圧及び電流等は、ファーストカット加工工程
や中仕上げ加工工程の場合よりも一般的に小さいところ
から、残留イオンが少ないせいか、一つの放電が終了す
ると間隙に次の電圧パルスが印加されても次の放電開始
迄には比較的長い放電休止期間が形成されて、不安定放
電状態とか、アーク放電などに移行することは少ないも
のであった。
【0035】次に上述本発明に従う実験の加工条件とそ
の加工結果の例とを示す事とする。 主加工用電源:直流電源と放電間隙間にオン・オフスイ
ッチ素子と限流抵抗との直列回路を接続した通常のパル
ス電源、副電源(1):放電開始時に短いパルス幅で高
い放電ピークを形成させる高電圧、無抵抗の補助電源、
副電源(2):一方に於いて放電開始を早め、他方に於
いて放電間隙を広めるよう間隙に印加される高電圧、小
電流の補助電源、
【0036】 以上の設定加工条件によれば、平均加工電流約7.5A
で、設定加工送り速度の約60%の送り速度で加工が行
なわれ、加工面粗度が約23〜28μmRmaxで、被
加工体の側部切断表面の板厚方向の要素としての線の真
直度(太鼓)は約20〜25μmであった。
【0037】以上のファーストカット加工工程の加工
を、前記加工液として所謂純水系の水加工液を用い、そ
の他の加工条件を上述の条件と略同一とすると、加工送
り速度は約3mm/min前後となるのに対し、前記の
粉末を添加混合しない油系放電加工液使用の場合には、
早くても約0.5mm/min程度又はそれ以下であっ
て、ファーストカットの加工工程を粉末混入油系放電加
工液使用の加工とする事には意味があるものである。
【0038】而して、次に前述した中仕上げ加工工程に
より、前記設定加工条件を所定のセカンドカット、及び
サードカットなどの複数の加工工程の加工条件に順次に
切換えて、前記被加工体がその加工面粗度がより小さい
所定値、少なくとも約4〜6μmRmax前後程度、好
ましくは約1.5〜3μmRmax前後程度になる迄、
且つ、加工面の太鼓(真直度)が、順次の加工により順
次に加工修正されて所定の寸法精度となる迄加工工程を
追って順次に加工処理する中仕上げ加工工程に、前記フ
ァーストカット加工工程の粉末混入油系放電加工液に換
えて粉末が混入してない油系放電加工液を用いてその目
的を達成しようとするものである。なお、以下の各加工
工程の加工条件の記載は、前述したファーストカット加
工工程の設定加工条件、又はその直前の加工工程と相違
する点に付いてのみ記載することとする。
【0039】 以上の設定加工条件によれば、セカンドカットは、平均
加工電流約1.5Aで加工が行なわれることになる。
【0040】 以上の設定加工条件によれば、サードカットは平均加工
電流約0.7Aで行なわれることになる。
【0041】 以上の設定加工条件によれば、フオースカットは平均加
工電流約0.3Aで行なわれることになる。
【0042】 以上の設定加工条件によれば、フィフスカットは平均加
工電流約0.2Aで行なわれることになる。
【0043】 以上の設定加工条件によれば、シックスカットは平均加
工電流約0.2Aで行なわれ、加工面粗度が約2〜3μ
mRmax、そして被加工体の真直度(太鼓)は約1μ
mに修正改善され、次の最終仕上げの光沢付け加工に移
行する準備が整った。
【0044】なお、上述のセカンドカットからシックス
カットまでの中仕上げ加工工程としては、例えば、上記
セカンドカット、フォースカット、及びシックスカット
の各加工工程のみを夫々、例えば2回ずつ行なうように
しても、相当程度中仕上げ加工工程の加工の目的を達す
ることが出来るもので、各種の変更実施が可能なもので
ある。又、例えば、前述セカンドカット及びサードカッ
トの加工工程迄の如く中仕上げ加工工程中の初めの一部
を、粉末を混入した油系放電加工液を使用する加工とす
る加工方法も本発明の加工方法の一つであること当然で
ある。
【0045】 以上の設定加工条件によれば、最終仕上げの光沢付け加
工が、平均加工電流約0.15〜0.2Aで行なわれ、
この条件での加工を4回繰り返す(7〜10th CU
T)ことにより、被加工体の加工面は十分鏡面といえる
光沢面に仕上り、加工面粗度約0.5〜2μmRmax
で、真直度(太鼓)は約1μmに仕上がった。
【0046】以上の本発明の実験例に於いて、セカント
ドカット乃至シックスカット迄の全中仕上げ加工工程の
加工液を、ファーストカット加工工程及び最終仕上げの
光沢付け加工工程の場合の粉末混入油系放電加工液とす
ると、粉末混入の加工は放電繰返し周波数が高く、サー
ボ電圧(平均加工電圧)が低く(前述の場合、粉末を混
入しない場合の略約1/2乃至は約1/2よりもやや低
めのサーボ電圧)、加工速度が早い(時間当たりの加工
量が多い)所から、粉末混入油系放電加工液使用の中仕
上げ加工工程はセカンドカット乃至フオースカット位い
迄で、所定の取代の加工量を加工除去してしまい、かつ
加工面粗度も最終仕上げの光沢付け加工の光沢付け加工
が可能な程度にまで仕上げることが出来たので、上記粉
末混入油系放電加工液使用のフオースカット加工の終了
後、上述の最終仕上げの光沢付け加工を5回(5th〜
9th CUT)に亘って行なったところ、加工面粗度
は約0.5〜2μmRmaxで、光沢面が得られたが、
被加工体の真直度(太鼓)は約5μmで、前述の本発明
の加工方法には及ばない結果となり、その後幾度か工夫
してみたものの、粉末混入油系放電加工液使用の中仕上
げ加工工程という加工方法では、真直度等寸法精度がで
る加工とすることは難しいようであった。
【0047】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のワイヤカ
ット放電加工方法によれば、粉末混入油系放電加工液を
用い、光沢ある加工面を有する被加工体の加工が微細仕
上げ面粗さを有すると共に真直度(太鼓)が修正された
高い寸法精度で加工できるから、高精度の部品加工やモ
ールド金型などを磨き工程を要せずにワイヤカット放電
加工だけで得ることができ、他方その様な加工を油系放
電加工液のみの使用により、効率良くかつ確実に行なえ
るようになったものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のワイヤカット放電加工方法を実施する
装置の一実施例の構成説明図である。
【図2】加工部の送り方向側断面説明図。
【符号の説明】
1 加工槽 2 クロステーブル 3 被加工体 4 ワイヤ電極 5、6 上下のガイドブロック本体 5a、6a 上下の位置決めガイド 5b、6b 上下の給電子 5c、6c 上下の加工液ノズル 7、8 X、Y軸駆動モータ 9 主加工用電源 10 副電源 11 切換器 12 制御装置 13 電源切換手段 14 インダクタンス線輪 15 駆動装置 16 攪拌装置 17、18 加工液供給装置 19 加工液切換制御手段 20 加工状態検出装置
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23H 1/00 - 7/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の間隔を置いて配置したガイド間に
    所定の状態に張架したワイヤ電極を軸方向に更新送り移
    動せしめつつ前記軸方向と略直角方向から被加工体を微
    小間隙を介して相対向せしめ、該間隙に加工液を供給介
    在させた状態で両者間に間歇的な電圧パルスを印加し発
    生する放電パルスにより加工を行ない、前記ワイヤ電極
    と被加工体間に前記直角方向の平面上における所定の加
    工成形すべき輪郭線形状に沿う相対的加工送りを与える
    ワイヤカット放電加工において、 (a)前記のワイヤカット放電加工を、前記加工液とし
    て油系加工液に粉末を混入した粉末混入油系加工液を用
    い、被加工体の材質、板厚、及び加工の目的等に応じて
    選択設定された加工条件で、最初の加工溝を加工形成す
    るファーストカット加工工程と、 (b)前記ファーストカット加工後、前記加工液を粉末
    を混入していない油系加工液に切換えると共に、前記設
    定加工条件を所定のセカンドカット、及びサードカット
    等の複数の加工工程の加工条件に順次切換えて、前記被
    加工体がその加工面粗度がより小さい所定値になるま
    で、かつ、特に加工面の太鼓が加工により加工修正され
    て所定の寸法精度となるまで加工工程を追って順次に加
    工処理する中仕上げ加工工程と、 (c)前記中仕上げ加工工程の後、前記加工液を粉末を
    混入した油系加工液に切換え、前記設定加工条件を最終
    仕上げ加工条件に切換えて前記中仕上げ加工面を少なく
    とも1回以上加工処理する光沢付け加工処理工程の加工
    を順次に行なうことから成ることを特徴とする前記のワ
    イヤカット放電加工方法。
  2. 【請求項2】 前記光沢付け加工処理工程の最終仕上げ
    加工条件の設定に際し、電圧パルス印加放電回路に所定
    値のインダクタンス線輪を直列に挿入することを特徴と
    する請求項1に記載のワイヤカット放電加工方法。
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