JPH0899223A

JPH0899223A - 放電加工装置

Info

Publication number: JPH0899223A
Application number: JP25943394A
Authority: JP
Inventors: Hideki Tejima; 秀樹手嶋
Original assignee: Toyota Motor Corp
Current assignee: Toyota Motor Corp
Priority date: 1994-09-29
Filing date: 1994-09-29
Publication date: 1996-04-16

Abstract

(57)【要約】【目的】放電加工装置において、加工間隙内のスラッ
ジを円滑に排出して深穴加工を行う。【構成】円柱状の加工電極14の側面部に螺旋状の溝16
を設ける。さらに、加工電極14の先端部に、中心からオ
フセットして噴射口18を設け、加工液通路17および通路
19を介して加工液供給管20に連通させる。加工電極14を
加工間隙Ｃをもって被加工物Ｗに対向させ、加工電極14
と被加工物Ｗとの間にパルス電流を供給して放電加工を
行う。同時に、回転駆動機構13によって加工電極14を回
転させるとともに、加工液供給管20から加工液を供給し
て噴射口18から噴射する。螺旋状の溝16を有する加工電
極14の回転および噴射口18からの加工液の供給により、
加工間隙Ｃ内のスラッジＡを含む加工液を強制的に排出
する。噴射口18は、加工電極14の回転にともなって移動
するので加工残しが生じない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、加工液中で、加工電極
と被加工物との間で放電することにより加工を行う放電
加工装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】放電加工装置は、加工槽内に貯留した絶
縁性の加工液中で、被加工物に僅かな加工間隙をもって
加工電極を対向させ、加工電極と被加工物との間にパル
ス電流を供給し、アーク放電を繰り返して除去加工を行
い、加工の進行に応じて加工電極を送り進めることによ
って加工電極の形に対応した凹部を加工するようにした
ものである。

【０００３】放電加工装置では、一般に、丸穴加工を行
う場合、図３に示すように、円柱状の加工電極１を加工
間隙Ｃをもって被加工物Ｗに対向させて放電することに
より、被加工物Ｗに丸穴３を加工するようにしている。
なお、図中、Ａは放電加工によって発生するスラッジ
（加工くず）である。

【０００４】ところで、放電加工装置による穴加工で
は、図４に示すように、丸穴２の加工深さが深くなる
と、スラッジＡが排出されにくくなり、加工速度が遅く
なる。また、スラッジが加工間隙Ｃに滞留すると絶縁性
が低下して放電加工が不安定になる。このため、放電加
工では、深穴の加工が困難であった。

【０００５】そこで、従来、図５に示すように、加工電
極１の先端中央部に加工液噴射口３を設け、この加工液
噴射口３から加工液を噴射するようにした放電加工装置
がある。そして、加工液噴射口３から加工電極１の先端
部に加工液を供給してスラッジＡを被加工物Ｗと加工電
極１との間から押し出すことにより、スラッジＡの排出
性を向上させるようにしている。

【０００６】また、特開昭６２−２８７９３８号公報に
は、円柱状の加工電極の側面部に螺旋状の溝を形成し、
加工電極を回転させながら放電加工を行うようにした放
電加工装置が記載されている。そして、この放電加工装
置では、加工電極の回転によりスラッジを螺旋状の溝に
沿って強制的に排出するようにしている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の放電加工装置では、次のような問題がある。

【０００８】図５に示す放電加工装置では、加工深さが
大きくなるにつれて、加工電極１の側面部と被加工物Ｗ
との隙間４の対向部の面積が大きくなり、この隙間４を
通って排出されるスラッジＡを含んだ加工液の圧力損失
が大きくなるため、加工深さが深いとスラッジＡの排出
性が悪化して加工速度が低下する。また、加工電極１の
先端部に加工液噴射口３が開口されているので、被加工
物Ｗの加工液噴射口３との対向部位に加工残しが生じ
る。

【０００９】一方、特開昭６２−２８７９３８号公報に
記載されたものでは、螺旋状の溝を設けた加工電極の回
転により、加工電極と被加工物との隙間の加工液および
スラッジを強制的に排出するため、加工間隙の圧力が低
下する。このため、スラッジの排出効率が低下し、ま
た、一旦排出されたスラッジが隙間に逆流する虞があ
る。

【００１０】このように、上記従来の放電加工装置で
は、いずれのものも深穴加工には適さないという問題が
ある。

【００１１】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
であり、加工間隙内のスラッジを円滑に排出することが
できる放電加工装置を提供することを目的とする。

【００１２】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項１に係る発明は、加工液中で加工電極を所
定の加工間隙をもって被加工物に対向させ、前記加工電
極と被加工物との間で放電することによって前記被加工
物を加工するようにした放電加工装置において、側面部
に螺旋状の溝を有し、先端部に加工液の噴射口を有する
加工電極と、前記加工電極の噴射口から前記加工間隙に
加工液を供給する加工液供給手段と、前記加工電極を回
転させる回転駆動手段とを備えてなることを特徴とす
る。

【００１３】また、請求項２に係る発明は、上記の構成
に加えて、噴射口が電極の中心からオフセットして配置
されていることを特徴とする。

【００１４】

【作用】このように構成したことにより、請求項１に係
る発明によれば、螺旋状の溝を有する加工電極の回転お
よび噴射口から加工間隙内への加工液の供給によって、
加工間隙内のスラッジを含む加工液が加工電極の溝に沿
って強制的に排出される。

【００１５】また、請求項２に係る発明によれば、電極
の回転にともなって噴射口が移動するので、被加工物の
噴射口の対向部位に加工残しが生じることがない。

【００１６】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。

【００１７】図２に示すように、放電加工装置５は、加
工装置本体６と、加工液循環装置７と、電源装置８とか
ら概略構成されている。

【００１８】加工装置本体６は、基台９に、加工液を貯
留する加工槽10と、主軸11が装着された送り機構12が固
定されている。主軸11には、回転駆動手段としての回転
駆動機構13を介して円柱状の加工電極14が取付けられて
いる。加工槽10は、その底部に設けられたテーブル15に
よって、貯留された加工液中で被加工物Ｗを加工電極14
に対向させて保持するようになっている。また、送り機
構12は、加工電極14を進退動させるサーボ機構を備えて
おり、被加工物Ｗに対向させた加工電極14を放電加工の
進行に応じて所定の加工間隙Ｃをもって送るようになっ
ている。

【００１９】加工電極14は、図１に示すように、円柱状
に形成され、その側面部に、螺旋状の溝16が設けられて
おり、回転駆動機構13によって回転させることにより、
先端側の加工液を溝16に沿って基端側へ送るようになっ
ている。また、加工電極14には、その軸心に沿って加工
液通路17が設けられている。加工液通路17は、一端が加
工電極14の先端部の中心からオフセットした位置に開口
する噴射口18に連通され、他端が回転駆動機構13に設け
られた通路19を介して、加工液供給手段としての加工液
循環装置７の加工液供給管路20に接続されている。

【００２０】加工液循環装置７は、沈殿槽21、フィルタ
22およびタンク23を備えている。そして、加工中に、加
工槽10からオーバーフローするスラッジ等の異物を含ん
だ加工液を戻し管路24によって沈殿槽21に導入し、一旦
貯留して異物を沈殿させ、沈殿槽21の上澄み液をポンプ
25によって管路26を介してフィルタ22へ圧送し、フィル
タ22によって濾過して沈殿しない小さな異物を除去した
後、濾液を管路27を介してタンク23へ送るようになって
いる。さらに、タンク23に貯留した清浄な加工液をポン
プ28によって管路29からバルブ30を介して加工液供給管
路20へ送り、また、バルブ31を介して送り管路32へ送る
ようになっている。また、加工槽10内の加工液を沈殿槽
21へ排出するドレン管路33およびドレン管路33を開閉す
るバルブ34が設けられている。

【００２１】電源装置８は、加工電極14および被加工物
Ｗを保持するテーブル15に接続されており、加工液中の
加工電極14と被加工物Ｗとの間に、加工電源としてパル
ス電流を供給するようになっている。

【００２２】以上のように構成した本実施例の作用につ
いて次に説明する。

【００２３】被加工物Ｗを加工電極14に対向させて加工
槽10内のテーブル15に固定する。加工液循環装置７のバ
ルブ34を閉じ、バルブ31を開いてポンプ28によって管路
29，31を介してタンク23内の加工液を加工槽10に供給
し、加工槽10に所定量の加工液を貯留する。送り機構12
によって加工電極14を前進させ、所定の加工間隙Ｃをも
って被加工物Ｗの被加工部に対向させる。

【００２４】電源装置８から加工液中の加工電極14と被
加工物Ｗとの間にパルス電流を供給し、これらの間でア
ーク放電を繰り返して放電加工を行う。そして、放電に
よる被加工物Ｗの消耗に応じて、送り機構12によって加
工電極14を被加工物Ｗとの間に所定の加工間隙Ｃをもっ
て前進させて、加工電極14の円柱形状に対応した丸穴を
加工する。

【００２５】同時に、回転駆動機構13によって加工電極
14を回転させるとともに、加工液循環装置７のバルブ30
を開いてポンプ28によって管路29、加工液供給管路20お
よび回転駆動機構13の通路19を介して加工電極14の加工
液通路17に清浄な加工液を供給し、噴射口18から加工間
隙Ｃへ噴射する。加工槽10では、噴射口18から供給され
た分の加工液が戻し管路24からオーバーフローして沈殿
槽21へ戻される。加工槽10内の加工液が不足した場合
は、バルブ31を開いて、タンク23の加工液をポンプ28に
よって管路29および送り管路32を介して直接加工槽10へ
補給する。

【００２６】螺旋状の溝16を有する加工電極14の回転に
より、ポンプ作用が生じて加工間隙Ｃ内のスラッジＡを
含む加工液が溝16に沿って強制的に排出される。また、
タンク23から供給された清浄な加工液を噴射口18から加
工間隙Ｃ内へ噴射することにより、スラッジＡを含む加
工液が溝16に沿って押し出される。噴射口18から加工間
隙Ｃ内に清浄な加工液を常に供給することにより、加工
電極14の回転によるポンプ作用によって加工間隙Ｃ内が
負圧となることが防止される。

【００２７】このようにして、加工電極14の回転による
ポンプ作用と、噴射口18からの清浄な加工液の供給によ
り、加工間隙Ｃ内のスラッジＡが連続的に円滑に排出さ
れるので、安定した放電を行うことができ、加工精度お
よび加工効率を向上させることができる。また、従来も
のより、深い穴を加工することができる。

【００２８】また、噴射口18は、加工電極14の中心部か
らオフセットして設けられており、、加工電極14の回転
により、その位置が移動するので、噴射口18が対向する
加工部位に加工残しが生じない。よって、加工効率が低
下することがなく、また、加工残しによって噴射口18が
塞がれて加工液の供給量が低下することがない。なお、
噴射孔18は、加工残しが生じないようにオフセットして
設ければよいので、複数の噴射口を形成してもよい。

【００２９】

【発明の効果】請求項１に係る発明によれば、溝部を有
する加工電極の回転および噴射口から加工間隙内への加
工液の供給によって、加工間隙内のスラッジを連続的に
円滑に排出することができるので、安定した放電を行う
ことができ、加工精度および加工効率を向上させること
ができる。また、従来ものより、深い穴を加工すること
ができるという優れた効果を奏する。

【００３０】請求項２に係る発明によれば、加工電極の
回転にともなって噴射口が移動するので、被加工物の噴
射口の対向部位に加工残しが生じることがない。よっ
て、加工効率が低下することがなく、また、加工残しに
よって噴射口が塞がれて加工液の供給量が低下すること
がない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の要部の正面図である。

【図２】本発明の一実施例の全体構成を示す概略図であ
る。

【図３】従来の放電加工装置による穴加工を示す説明図
である。

【図４】従来の放電加工装置による深穴加工を示す説明
図である。

【図５】従来の加工液噴射口を有する放電加工装置によ
る深穴加工を示す説明図である。

【符号の説明】

５放電加工装置７加工液循環装置（加工液供給手段） 10 加工槽 13 回転駆動機構（回転駆動手段） 14 加工電極 16 溝 18 噴射口Ｃ加工間隙Ｗ被加工物

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】加工液中で加工電極を所定の加工間隙を
もって被加工物に対向させ、前記加工電極と被加工物と
の間で放電することによって前記被加工物を加工するよ
うにした放電加工装置において、側面部に螺旋状の溝を
有し、先端部に加工液の噴射口を有する加工電極と、前
記加工電極の噴射口から前記加工間隙に加工液を供給す
る加工液供給手段と、前記加工電極を回転させる回転駆
動手段とを備えてなることを特徴とする放電加工装置。
【請求項２】噴射口は、加工電極の中心からオフセッ
トして配置されていることを特徴とする請求項１に記載
の放電加工装置。