JP3058260B2 - 運搬車 - Google Patents

運搬車

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JP3058260B2
JP3058260B2 JP6199497A JP6199497A JP3058260B2 JP 3058260 B2 JP3058260 B2 JP 3058260B2 JP 6199497 A JP6199497 A JP 6199497A JP 6199497 A JP6199497 A JP 6199497A JP 3058260 B2 JP3058260 B2 JP 3058260B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両本体の上部に
運搬物の収容部と運転台とが設けられ、例えば木材を積
載、運搬するために用いられる運搬車に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の運搬車としては、例えば、本発明
者による特開平8−142736号公報に示すものがあ
る。すなわち、車両本体の上部に設けられた収容部を収
容部の内側を通る回転中心の回りで回転、傾斜させ、中
から木材を転がり落とすようになっている。
【0003】その他の従来の運搬車としては、例えば、
特開平6−32168号公報、実公昭62−37801
号公報および実開平5−65468号公報に示すものが
ある。すなわち、それぞれ、車両本体の上の荷台をシリ
ンダーで持ち上げて傾斜させたり、バケットを回転転倒
させたり、溶滓鍋を傾転させたりするようになってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
6−32168号公報に記載の従来の運搬車では、荷台
の下にシリンダーが設けられているため、その分、荷台
が高くなって重心が高くなり、荷台の容量を大きくする
ことができないという問題点があった。
【0005】その他の公報に記載の従来の運搬車では、
収容部の回転中心が収容部の内側を通り、収容部の端部
にその支持部が設けられることから、収容部の端部を開
放することができず、収容部の端部から運搬物の荷積み
または荷卸しをして作業を容易にすることができないと
いう問題点があった。
【0006】本発明は、このような従来の問題点に着目
してなされたもので、重心を低く保って荷台の容量を大
きくすることができ、また、運搬物の荷積みまたは荷卸
しの作業を容易にすることができる運搬車を提供するこ
とを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の本発明に係る運搬車は、車両本体の上部
に運搬物の収容部と運転台とが設けられた運搬車であっ
て、前記収容部は上部および前記車両本体の一端側の端
部が開放しており、前記収容部は前記車両本体の横断方
向の断面がU字状の従動部を外側に一体的に有し、前記
従動部は前記車両本体の左右両方向に傾斜可能に車両本
体の上部で底部が支持され、前記車両本体は動力により
回転可能なローラを有し、前記ローラは前記従動部の底
部に接触して回転の伝達により前記収容部を傾斜可能で
あり、アームおよびウインチを有し、前記アームは前記
収容部の内側で揺動可能に一端が前記収容部の一方の側
部の上部に回転可能に設けられ、前記ウインチは前記収
容部の他方の側部の外側で前記車両本体に設けられ、前
記アームは他端に前記ウインチのワイヤを接続可能な接
続部を有することを、特徴とする。
【0008】運搬物は、木材、その他棒状のものが適し
ている。ローラを回転させる動力は、車両本体のエンジ
ンであっても、油圧であっても、電力であってもよく、
その他、いかなる動力であってもよい。ローラは、歯車
であってもよい。ローラが歯車から成る場合、従動部は
ローラの歯と噛合する歯を有する。
【0009】収容部の開放した上部には、蓋が設けられ
ていてもよい。収容部の開放した端部には、扉が設けら
れていてもよい。収容部は、ローラで支持されても、他
の支持体で支持されてもよい。収容部は、その中に運搬
物を収容することができれば、フレーム状、箱状、その
他の形状を有していてもよい。車両本体には、運搬物を
荷積みまたは荷卸し可能なクレーンが設けられていても
よい。ウインチのワイヤは、ワイヤの代わりにチェーン
またはロープであってもよい。接続部は、例えば、フッ
ク、取付け穴などから成る。アームは、棒状であって
も、板状であってもよい。
【0010】請求項1の本発明に係る運搬車では、収容
部内に、開放した端部または上部から例えば木材などの
運搬物を積載し、運搬することができる。収容部は外側
の従動部の底部で車両本体の上部に支持されるため、収
容部の端部を開放した構造にすることができ、収容部の
端部から運搬物の荷積みまたは荷卸しの作業をして、作
業を容易にすることができる。荷卸しの際には、ローラ
を動力により回転させ、その回転を伝達してU字状の従
動部を傾斜させる。収容部は、従動部の傾斜とともに傾
斜して、開放した上部を下げ、その上部から運搬物を外
へ出すことができる。収容部は、回転により傾斜するた
め、収容部の下に収容部を持ち上げる機構を必要とせ
ず、重心を低く保つことができ、荷台の容量を大きくす
ることができる。
【0011】
【0012】
【0013】また、請求項1の本発明に係る運搬車で
は、荷積みの前に、一方の側部に設けられたアームを収
容部の中に下げた状態にし、アームの接続部に、収容部
の他方の側部の上を越えてウインチのワイヤを接続して
おく。このワイヤの上から収容部内に荷積みを行う。荷
卸しの際には、アームが設けられた一方の側部側に収容
部を傾斜させて上部から運搬物を落とし、荷卸しを行
う。収容部を傾斜させたとき、ウインチでワイヤを巻き
上げる。巻き上げられたワイヤは、アームの他端を引っ
張って上昇させ、アームとともに収容部内の積み荷を上
部から外に押し出す。こうして、収容部の中の運搬物を
残さずに外に出すことができる。なお、アームは、アー
ムを収容部の外に出した状態で荷積みし、荷積み後、ア
ームを積み荷の上に載せ、積み荷が外に跳ね落ちないよ
う押さえるのに利用してもよい。
【0014】請求項2の本発明に係る運搬車は、請求項
1の運搬車において、前記運転台は前記車両本体の他端
側に設けられ、前記アームは複数から成って前記収容部
の両方の側部に設けられ、前記ウインチは複数から成っ
て前記収容部の両方の側部の外側で前記車両本体に設け
られていることを、特徴とする。
【0015】請求項2の本発明に係る運搬車では、運転
台が収容部の開放した端部と反対側に設けられているた
め、その端部から荷積みまたは荷卸しをするとき、運転
台が邪魔にならない。アームは収容部の両方の側部に設
けられており、収容部を左右どちらの側に傾斜させた場
合にも、アームとウインチのワイヤとによって積み荷を
外に押し出すことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき本発明の実施
の形態について説明する。図1および図2は、本発明の
実施の形態を示している。図1および図2に示すよう
に、運搬車10は、車両本体11と、収容部12と、運
転台13と、4本のアーム14,14,…と、4個のウ
インチ15,15,…とを有している。
【0017】車両本体11は、無限軌道車(キャリアダ
ンプ)であり、山道を走行しやすくなっている。図2に
示すように、運転台13は、車両本体11の上の前端部
に設けられている。運転台13には、車両本体11の運
転席が設けられている。収容部12は、車両本体11の
上部に設けられている。収容部12は、2つの従動部2
2,22と、2つのU字状のフレーム23,23と、複
数の梁24,24,…とで一体的に構成されている。2
つの従動部22,22は、車両本体11の前後方向に並
列に並んで設けられている。2つのU字状のフレーム2
3,23は、従動部22,22を前後から挟んで収容部
12の両端を構成している。複数の梁24,24,…
は、U字状のフレーム23,23の前後方向に延びてそ
の内側の底部および側部に固定されている。収容部12
は、上部12aおよび端部12bが開放しており、上部
12aまたは端部12bから木材を積載するようになっ
ている。
【0018】図1に示すように、各従動部22は、車両
本体11の横断方向の断面がU字状を有し、底部22a
が円弧を成している。各従動部22の横断面はH字の外
側にL字を結合した形状を有し、図2に示すように、外
側に溝22bを有している。車両本体11の上部には、
2対のローラ25,25,…が設けられている。各ロー
ラ25は、同一部材から成り、同一の径を有する。1対
のローラ25,25は、車両本体11の幅方向に離れて
配置され、従動部22の溝22bで底部22aを支持す
る。各従動部22は、それぞれ1対のローラ25,25
で支持される。各ローラ25は車両本体11の前後方向
に伸びる軸を有して回転可能であり、各従動部22は車
両本体11の左右両方向に傾斜可能に支持される。各ロ
ーラ25の軸は、車両本体11に固定されている。
【0019】図2に示すように、車両本体11は、油圧
モータ26を有する。油圧モータ26は、伝動機構27
を介して各ローラ25を同一方向に回転させる。伝動機
構27は、ローラ25,25に油圧モータ26の回転を
伝える複数の歯車およびローラを有している。各ローラ
25は、従動部22の底部22aの溝22bに接触して
回転の伝達により収容部12を傾斜可能である。油圧モ
ータ26のスイッチは、運転台13内に設けられてい
る。
【0020】図1に示すように、車両本体11には、2
つの保持ローラ28が設けられている。各保持ローラ2
8は、車両本体11の縦中心線に沿って伸びる軸を有し
て回転可能である。軸は、車両本体11に固定される。
各保持ローラ28は、各従動部22の突出したフランジ
22cの上部に接触して従動部22を保持する。各保持
ローラ28は、各従動部22より上方に突出しないよう
従動部22の厚さより短い径を有する。
【0021】図1に示すように、各アーム14は、収容
部12の内側で揺動可能に一端14aが各従動部22の
両方の側部22dの上部に回転可能に取り付けられてい
る。各ウインチ15は各従動部22の両方の側部22d
の外側で車両本体11に固定されている。各アーム14
は、他端14bにウインチ15のワイヤ15aを接続可
能な接続部29を有する。接続部29は、アーム14に
形成された孔から成る。アーム14の接続部29には、
そのアーム14と対向する側の収容部12の側部12c
の上を越えてウインチ15のワイヤ15aを接続可能で
ある。従動部22の各側部22dには、ワイヤ15aを
案内する滑車30,31が取り付けられている。
【0022】次に、作用を説明する。図1(A)に示す
ように、運搬車10では、荷積みの前に、両方の側部1
2cに設けられたアーム14,14,…を収容部12の
中に下げた状態にし、各アーム14の接続部29に、そ
れぞれそのアーム14と対向する側の収容部12の側部
12cの上を越えて対応するウインチ15のワイヤ15
aを接続しておく。このとき、各ワイヤ15aは、従動
部22の滑車30,31に掛けておく。これらのワイヤ
15a,15a,…の上から収容部12内に木材などの
棒状の運搬物を荷積みする。このとき、収容部12内
に、開放した上部12aまたは端部12bから運搬物を
積載し、運搬することができる。
【0023】なお、荷積みの際、一方の側のアーム1
4,14を収容部12の外に出した状態で荷積みし、荷
積み後、そのアーム14,14を積み荷の上に載せて積
み荷が外に跳ね落ちないよう押さえるのに利用してもよ
い。
【0024】収容部12は外側の従動部22の底部22
aで車両本体11の上部に支持されるため、収容部12
の端部を開放した構造にすることができ、収容部12の
端部12bから運搬物の荷積みをして、作業を容易にす
ることができる。運転台13は収容部12の開放した端
部12bと反対側に設けられているため、その端部12
bから荷積みまたは荷卸しをするとき、運転台13は邪
魔にならない。また、木材などの運搬物が収容部12よ
り長い場合にも、端部12bからはみ出させて運搬する
ことができる。
【0025】荷卸しの際には、図1(B)に示すよう
に、荷卸し場所に応じて、一方の側部12c側に収容部
12を傾斜させる。運転台13内の油圧モータ26のス
イッチをオンにすることにより、伝動機構27を介して
各ローラ25が同一方向に回転し、各ローラ25はU字
状の従動部22に回転を伝達して、従動部22の傾斜と
ともに収容部12を傾斜させることができる。収容部1
2は、傾斜により開放した上部12aを下げ、上部12
aから運搬物を外へ落とし、荷卸しを行うことができ
る。収容部12は、回転により傾斜するため、収容部1
2の下に収容部12を持ち上げる機構を必要とせず、重
心を低く保つことができ、荷台の容量を大きくすること
ができる。また、重心を低く保つことにより、安定した
走行を可能にすることができる。
【0026】収容部12を傾斜させたとき、傾斜する側
と反対側にあるウインチ15,15のワイヤ15a,1
5aを巻き上げる。巻き上げられたワイヤ15a,15
aは、アーム14,14の各他端14bを引っ張って上
昇させ、アーム14,14とともに収容部12内の積み
荷の木材を上部12aから外に押し出す。こうして、収
容部12の中の木材等の運搬物を残さずに外に出すこと
ができる。なお、傾斜する側と反対側にあるウインチ1
5でワイヤ15aを巻き上げるとき、傾斜する側のウイ
ンチ15は、巻き上げせずに停止させておいても、ワイ
ヤ15aの弛みを吸収するためにワイヤ15aを巻き上
げてもよい。各アーム14は収容部12の両方の側部1
2c,12cに設けられているので、収容部12を左右
どちらの側に傾斜させた場合にも、アーム14とウイン
チ15のワイヤ15aとによって積み荷を外に押し出す
ことができる。
【0027】なお、前述の実施の形態では、木材を運搬
するための運搬車について例示したが、収容部の構造を
適宜変えることにより、砂利、廃材、電柱その他のもの
を積載、運搬するようにしてもよい。
【0028】
【発明の効果】本発明に係る運搬車によれば、重心を低
く保って荷台の容量を大きくすることができ、また、収
容部が外側の従動部の底部で車両本体の上部に支持さ
れ、収容部の端部が開放しているため、その端部から運
搬物の荷積みまたは荷卸しをして、作業を容易にするこ
とができる。
【0029】また、本発明に係る運搬車では、ウインチ
でワイヤを巻き上げてアームを動かし、収容部の中の運
搬物を残さずに外に出すことができる。
【0030】特に、請求項2の本発明に係る運搬車で
は、運転台が収容部の開放した端部と反対側に設けられ
ているため、その端部から荷積みまたは荷卸しをすると
き、運転台が邪魔にならず、また、アームが収容部の両
方の側部に設けられているため、収容部を左右どちらの
側に傾斜させた場合にも、アームとウインチのワイヤと
によって積み荷を外に押し出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の運搬車の(A)荷積みす
る状態の説明断面図、(B)荷卸しする状態の説明断面
図である。
【図2】本発明の実施の形態の運搬車の側面図である。
【符号の説明】
10 運搬車 11 車両本体 12 収容部 13 運転台 14 アーム 15 ウインチ 15a ワイヤ 21 運転台 22 従動部 25 ローラ 28 保持ローラ 29 接続部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両本体の上部に運搬物の収容部と運転台
    とが設けられた運搬車であって、 前記収容部は上部および前記車両本体の一端側の端部が
    開放しており、前記収容部は前記車両本体の横断方向の
    断面がU字状の従動部を外側に一体的に有し、前記従動
    部は前記車両本体の左右両方向に傾斜可能に車両本体の
    上部で底部が支持され、前記車両本体は動力により回転
    可能なローラを有し、前記ローラは前記従動部の底部に
    接触して回転の伝達により前記収容部を傾斜可能であ
    り、 アームおよびウインチを有し、前記アームは前記収容部
    の内側で揺動可能に一端が前記収容部の一方の側部の上
    部に回転可能に設けられ、前記ウインチは前記収容部の
    他方の側部の外側で前記車両本体に設けられ、前記アー
    ムは他端に前記ウインチのワイヤを接続可能な接続部を
    有することを、特徴とする運搬車。
  2. 【請求項2】前記運転台は前記車両本体の他端側に設け
    られ、前記アームは複数から成って前記収容部の両方の
    側部に設けられ、前記ウインチは複数から成って前記収
    容部の両方の側部の外側で前記車両本体に設けられてい
    ることを、特徴とする請求項1記載の運搬車。
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