JP3057875B2 - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置

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JP3057875B2
JP3057875B2 JP4023031A JP2303192A JP3057875B2 JP 3057875 B2 JP3057875 B2 JP 3057875B2 JP 4023031 A JP4023031 A JP 4023031A JP 2303192 A JP2303192 A JP 2303192A JP 3057875 B2 JP3057875 B2 JP 3057875B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、内燃機関の空燃比制
御装置、特に過渡時の空燃比を一層高精度に目標値に保
つようにした空燃比制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の過渡時における空燃比の制御
精度を向上させるために、シリンダ内に実際に流入する
空気量を推定し、燃料供給量、例えば燃料噴射弁におけ
る燃料噴射量を制御する方法が知られている。例えば、
特開昭59−145357号公報に示されている方法で
は、予め測定して記憶しておいた空気系の動特性と、エ
アフロメータにて測定された吸気管を流れる空気量とか
ら、シリンダに実際に吸入される空気量を演算し、その
推定値から要求燃料量を算出するようになっている。ま
た特開平2−70957号公報には、スロットル開度か
らスロットル通過空気量を推定し、かつ吸気管内圧やシ
リンダ流入空気量等を推定して、これらの推定値から機
関吸入空気量を求め、これに応じて燃料噴射量を制御す
るようにした方法が示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のものでは、エアフロメータにて実際に測定された空
気流量あるいはスロットル開度から推定されるスロット
ル通過空気量に基づいて燃料供給量を制御しているの
で、本質的に、その測定もしくは推定の時点より以降に
生じた空気量変化には対処することができない。従っ
て、加速もしくは減速といった過渡時には、必ず空燃比
の誤差を伴うものとなる。つまり、スロットル開度変化
に対する吸入空気量変化が同様に変化すると仮定して
も、空燃比の誤差が生じる。この状態を図9を用いて説
明する。この図9は、急加速時のスロットル開度変化と
各気筒の吸気行程および噴射時期との関係を示してい
る。運転者がアクセルペダルを踏み込んで急加速したと
すると、吸入空気量がスロットル開度に応じて図示する
特性のように増加するが、加速開始直後の#1気筒の燃
料噴射イの噴射量は、これより前のt1の時点の吸入空
気量に基づいて演算されている。しかし、これに続く#
1気筒の吸気行程では、実際には吸入空気量の増加に伴
って、より多くの空気がシリンダ内に流入している。そ
のため、図示例では、斜線を施して示す部分の空気量が
#1気筒において誤差となる。同様に、#2気筒の燃料
噴射ロの噴射量は、t2の時点の吸入空気量に基づいて
演算されるので、それ以後の増加量が誤差となる。
【0004】このように、急加速時には、数気筒で空燃
比の希薄化が生じ、失火による加速応答性の低下や運転
性の悪化が生じる虞れがある。特に、定常時の目標空燃
比をリーン側に設定した希薄燃焼機関やポンピングロス
低減のためにスロットル弁下流の吸気管容積を小さく設
定した機関では、上記の吸入空気量の誤差に伴う空燃比
の影響が一層大きなものとなる。
【0005】そこで、この発明では、過渡時に実際の空
気量変化をアクセル操作よりも所定期間遅らせ、この遅
れて生じる空気量変化を事前に推定することで、空燃比
の誤差を小さくするようにした。すなわち、この発明に
係る内燃機関の空燃比制御装置は、運転者により操作さ
れるアクセル操作量を検出するアクセル操作量検出手段
1と、このアクセル操作量の変化に基づいて過渡状態へ
の移行を予め検出する過渡検出手段2と、この過渡検出
時にスロットルバルブ6の実際の開閉動作を少なくとも
燃料噴射時期から直後の吸気行程終了までに相当する所
定期間遅らせる遅延手段3と、この遅れて作動するスロ
ットルバルブ6の開度に対応してスロットルバルブ6の
実際の開閉動作中にシリンダへ吸入される吸入空気量を
予め推定する吸入空気量推定手段4と、この推定値に基
づいて燃料供給量を算出する燃料供給量算出手段5とを
備えて構成されている。
【0006】
【作用】運転者がアクセルをある程度急激に操作する
と、アクセル操作量検出手段1および過渡検出手段2に
よって過渡状態への移行が予め検出される。この際に
は、遅延手段3により、スロットルバルブ6の実際の開
閉動作がアクセル操作から少なくとも燃料噴射時期から
直後の吸気行程終了までに相当する所定期間遅れて生じ
る。
【0007】実際の吸入空気量変化は、スロットルバル
ブ6が実際に開閉動作しなければ生じないが、このスロ
ットルバルブ6の開度変化は既知の特性に沿ったものと
なるので、予測可能である。従って、該スロットルバル
ブ6の開度変化に伴って変化する吸入空気量が吸入空気
量推定手段4によって予め推定される。つまり、吸気行
程の間に実際のシリンダに流入する空気量を事前に知る
ことができ、これに応じた適切な燃料供給量が燃料供給
量算出手段5により与えられる。
【0008】
【実施例】図2は、この発明に係る空燃比制御装置の一
実施例を示す構成説明図であって、内燃機関11のシリ
ンダ12を中心として吸気通路13と排気通路14とが
クロスフロー形式に形成されており、各通路13,14
とシリンダ12との間を、吸気弁15および排気弁16
が開閉している。尚、17はシリンダ12内を摺動する
ピストンである。
【0009】上記吸気通路13には、スロットルバルブ
18が介装されているとともに、該スロットルバルブ1
8をバイパスして吸気通路13の上流側と下流側とを連
通するように、バイパス通路19が形成されている。こ
のバイパス通路19の通路途中には、バイパス流量を制
御するための流量制御弁20が介装されている。また上
記吸気通路13のスロットルバルブ18下流側、詳しく
は各気筒の吸気ポート近傍には、各気筒毎に燃料供給を
行う燃料噴射弁21が配設されている。この燃料噴射弁
21には、所定圧力に調圧された燃料が常時供給されて
おり、その開弁時間つまり駆動パルス信号のパルス幅で
もって噴射量の計量が行われるようになっている。
【0010】スロットルバルブ18は、リターンスプリ
ング22によって常時閉方向に付勢されているととも
に、スロットル側プッシュロッド23によって開閉駆動
されるようになっている。またアクセルペダル24にア
クセル側プッシュロッド25が連係しており、該アクセ
ル側プッシュロッド25とスロットル側プッシュロッド
23とが、中間スプリング26を介して互いに連動して
いる。
【0011】そして、上記スロットル側プッシュロッド
23の中間部には、スロットルバルブ18の動作に所定
の減衰作用を与える減衰器27が設けられている。この
減衰器27は、適宜な粘性の流体が充満した車体側に固
定された円筒状のケース28と、スロットル側プッシュ
ロッド23に固定され、かつ上記ケース28内を左右の
室29,30に仕切るピストン31と、上記の一対の室
29,30を連通する適宜な通路断面積を有する流体通
路32と、この流体通路32を制御信号に基づいて開閉
する開閉弁33とから構成されている。この開閉弁33
および減衰器27は、過渡検出時にスロットルバルブ1
8の開閉動作を遅らせる遅延手段として機能するもので
あり、該開閉弁33が閉じることによって、スロットル
側プッシュロッド23の移動ひいてはスロットルバルブ
18の回動が阻止される。また、開閉弁33が開いてい
る状態では、流体の通流が許容されるため、アクセル側
プッシュロッド25に従動してスロットル側プッシュロ
ッド23が移動し、スロットルバルブ18が開閉作動す
る。尚、その際のスロットルバルブ18の動特性は、流
体粘度や流体通路32の断面積,長さ等により定まる
が、緩加速や緩減速の場合には、大きな減衰作用を受け
ることなくスロットルバルブ18が開閉するので、運転
者に違和感を与えるようなことはない。
【0012】上記アクセル側プッシュロッド25の移動
量つまりアクセルペダル24の操作量は、ポテンショメ
ータからなるアクセル開度センサ34によって検出され
る。また35は、図示せぬクランクシャフトの回転を検
出するクランク角センサであって、このクランク角セン
サ35は、各気筒のクランク角の基準位置、例えば爆発
行程上死点前60°CAで出力されるパルスからなる基
準信号(REF信号)と、単位クランク角、例えば1°
CA毎に出力されるパルス列からなる角度信号(POS
信号)とを出力するようになっている。尚、上記基準信
号は、気筒判別を行うために、気筒番号毎にパルス幅が
異なっている。
【0013】上記のクランク角センサ35の検出信号や
アクセル開度センサ34の検出信号が入力されるコント
ロールユニット36は、所謂マイクロコンピュータシス
テムを用いたもので、各種検出信号に基づき、点火時期
制御や空燃比制御等を行っている。
【0014】次に、図3に示すフローチャートに基づい
て上記実施例の構成における空燃比制御を説明する。
尚、この図3の処理は、例えば1°CA毎の角度信号に
同期して割込処理される。
【0015】先ず、ステップ1(図ではS1等と略記す
る)では、アクセル開度センサ34の検出信号に基づい
てスロットルバルブ18の開口面積を推定する。これ
は、先ず次式からスロットルバルブ18の開度θthを
推定する。
【0016】 θth=Δt・(θaccold−θacc)・k ここで、θaccoldは前回読み込んだアクセル開度
値、θaccは今回読み込んだアクセル開度値、Δtは
前回の角度信号から今回の角度信号までの経過時間、k
は角度補正係数である。そして、このように推定したス
ロットルバルブ18の開度から開口面積を算出する。
【0017】このようにして求めたスロットルバルブ1
8の開口面積に、ステップ2でバイパス通路19の流路
面積を加算し、スロットルバルブ18の上流側,下流側
を連通する全流路開口面積を求める。尚、バイパス通路
19の開口面積は、流量制御弁20へ与える制御信号に
基づいて求められる。また、この流路開口面積の値に
は、精度向上を図るために、更に必要に応じて後述する
補正値が乗じられる(ステップ13)。
【0018】またステップ3では、過渡検出時に必要な
遅延時間を算出する。この遅延時間は、少なくとも1吸
気行程期間程度の時間与える必要がある。それは、燃料
噴射時期以降に変化する空気量を事前に推定して、その
変化する値に応じた燃料量を事前に供給するため、燃料
噴射時期から吸気行程終了後シリンダ内空気量が変化し
なくなるまでの時間遅らせる必要があるからである。し
かしながら、延時間は、運転者に応答遅れの点で、不
満とならない範囲、例えば1燃焼サイクル程度まで遅ら
せることができるが、本実施例では、1吸気行程時間
(より詳しくは、上述したように燃料噴射時期から直後
の吸気行程終了までに相当する時間)とする。従って、
このステップ3では、機関回転数に基づいて1吸気行程
時間が算出される。尚、機関回転数は、クランク角セン
サ35の角度信号から求められる。
【0019】ステップ4では、アクセル開度センサ34
が検出するアクセル開度の単位時間当たりの変化量を求
め、これを基準値と比較して、過渡状態となるか否かを
判定する。ここで、過渡状態への移行を予知した場合に
は、ステップ5において、減衰器27の開閉弁33へ駆
動信号を出力し、該開閉弁33を閉じる。これは、上記
ステップ3で求めた遅延時間の間、継続される。
【0020】従って、運転者がアクセルペダル24を急
激に操作した場合には、1吸気行程時間だけスロットル
バルブ18の開閉動作が停止され、その後、減衰器27
による所定の動特性に沿って、実際に開閉するようにな
る。
【0021】一方、シリンダ12内へ流入する吸入空気
量は、エアフロメータ等の直接的な検出センサに依存せ
ずに算出される。これはステップ6以降で処理されるも
ので、ステップ6では、最新の燃焼行程に際しての点火
進角値と、最新の吸気行程の終了時つまり吸気弁15が
閉じた際の吸気管圧力と、機関回転数(角度信号から求
められる)とを用いて、現在のクランク角における燃焼
圧力上昇率を所定のデータマップから求める。すなわ
ち、燃焼に伴うシリンダ12内の圧力変化分は図4のよ
うに近似的に示すことができ、(イ)として示す着火遅
れ期間の後に、(ロ)のように圧力が上昇し、例えばA
TDC15°付近で最大となる。尚、点火進角値はトル
クが最大となるように設定されるため、この圧力ピーク
時も略一定となる。上記の(イ)と(ロ)の時間は回転
数によって変化するが、クランク角として見れば点火時
期からピーク時までの間でそれぞれ略一定割合を占める
ものと考えられる。そして、(ハ)として示す圧力上昇
率の最大値は、シリンダ12内に吸入された混合気量に
略比例したものとなり、かつその混合気量は吸気管圧力
と機関回転数とから近似的に求めることができる。ま
た、(ニ)に示す期間は排気行程の初期に相当するもの
であり、排気行程の開始と同時に圧力が減衰し始める
が、その減衰速度は機関回転数に比例するので、クラン
ク角としては略一定となる。従って、この図4の特性に
基づき、所定のデータマップからの検索によって現在の
クランク角における燃焼圧力上昇率が求められる。尚、
吸気管圧力は直接センサにて検出されるものではなく、
後述するステップ19で逐次算出される値の記憶データ
が用いられる。
【0022】ステップ7では、現在のクランク角におけ
るピストン17の位置に対応するシリンダ12内の実容
積を例えば所定のデータマップから求める。
【0023】またステップ8で、現在のクランク角にお
ける排気弁16の開口面積を、例えば所定のデータマッ
プから求める。
【0024】ステップ9では、クランク角センサ35が
出力する基準信号および角度信号に基づき、各気筒の吸
気行程の判定を行う。またステップ10では、上記ステ
ップ8と同様に、吸気弁15の開口面積を求める。
【0025】そして、ステップ11で、吸気弁15を通
過する気体の流量つまり吸気弁流量を、上記の吸気弁開
口面積と吸気管圧力とシリンダ圧力とに基づいて算出す
る。ここで、吸気管圧力およびシリンダ圧力は、それぞ
れ後述するステップ19,ステップ17において前回求
めた値を用いる。この処理の具体的な方法としては、図
5に示すような単位開口面積における圧力差と流量との
マップを予め与えておき、ここから圧力差(つまり吸気
管圧力とシリンダ圧力の差)に対する流量を補間計算に
より求め、かつこれに吸気弁開口面積を乗じて吸気弁流
量を求める。
【0026】ステップ12では、上記ステップ9で吸気
行程であると判定した期間、上記ステップ11の吸気弁
流量を積算し、1吸気行程中にシリンダ12に吸入され
る空気量を算出する。燃料噴射量は、この吸入空気量に
基づいて決定される。
【0027】ステップ13では、ステップ2で算出した
スロットルバルブ18上流,下流間の流路開口面積に後
述するステップ26の補正値を乗算する。
【0028】またステップ14では、吸気通路13にお
いてスロットルバルブ18上流側から下流側へ流入する
吸気管流入量を求める。これは、上流側圧力と下流側の
吸気管圧力と上記ステップ13における流路開口面積と
から求められるが、上流側圧力は大気圧とみなし、かつ
吸気管圧力はやはり前回求めた値を用いる。そして、ス
テップ11と同様に、単位開口面積における圧力差と流
量とのマップを予め与えておき、ここから圧力差(大気
圧と吸気管圧力の差)に対する流量を補間計算により求
め、かつこれに流路開口面積を乗じて吸気管流入量を求
める。
【0029】更にステップ15で、排気弁16を通過す
る気体の流量つまり排気弁流量を、上記ステップ8の排
気弁開口面積と上流側のシリンダ圧力と下流側の排気系
圧力とに基づいて算出する。ここで、シリンダ圧力とし
ては、後述するステップ20において前回求めた値、つ
まりステップ17で求めたシリンダ圧力をステップ6の
燃焼圧力上昇率でもって補正した値を用いる。また排気
系圧力は大気圧とみなす。尚、このステップ15の具体
的な処理は、ステップ11と同様に、単位開口面積にお
ける圧力差と流量とのマップを予め与えておき、ここか
ら圧力差に対する流量を補間計算により求め、かつこれ
に排気弁開口面積を乗じて排気弁流量とする。
【0030】次に、ステップ16では、上記ステップ1
1の吸気弁流量からステップ15の排気弁流量を減算
し、単位時間(あるいは単位クランク角)当たりにシリ
ンダ12内に流出入する気体量を算出する。
【0031】ステップ17では、このシリンダ12内に
流出入する気体量を基礎に、シリンダ圧力Pを求める。
具体的には、上記流出入気体量を積分して求めたシリン
ダ12内気体量をn、そのときのシリンダ容積とスロッ
トルバルブ18以降の吸気管容積との和をV、ガス定数
をR、気体温度をTとすると、PV=nRTの関係から
シリンダ圧力Pが求まる。尚、気体温度Tは、圧縮膨張
により変化するので、次式から求める。
【0032】TK=TK-1(VK-1/VKr-1 但し、TKはシリンダ内の気体温度、TK-1は前回算出し
た温度、VK-1は前回算出時のシリンダ容積、VKは算出
時のシリンダ容積、rは定圧比熱と定積比熱の比であ
る。
【0033】ステップ18では、ステップ14の吸気管
流入量からステップ11の吸気弁流量を減算し、単位時
間(あるいは単位クランク角)当たりに吸気管(スロッ
トルバルブ18と吸気弁15との間)内に流出入する気
体量を算出する。
【0034】ステップ19では、この吸気管内に流出入
する気体を積分して吸気管内気体量を求め、上記ステッ
プ17と同様にして吸気管圧力を算出する。
【0035】そしてステップ20では、上記ステップ1
7で得たシリンダ圧力にステップ6の燃焼圧力上昇率を
乗算して、燃焼を考慮したシリンダ圧力を求める。この
値は、前述したように排気弁流量を算出する際に用いら
れる。
【0036】以上のようにして各クランク角におけるシ
リンダ圧力や吸気管圧力が逐次推定され、これらに基づ
いて吸気行程中にシリンダ12内に吸入される空気量が
求められる(ステップ12)。そして、この吸入空気量
に応じて噴射パルス幅が制御される。尚、吸気行程初期
の吹き戻し現象なども吸気弁流量等に正しく反映するの
で、シリンダ12内の空気量等を精度良く求めることが
できる。
【0037】ステップ21以降の処理は、上記の推定に
おける精度を更に向上させるために、実機運転状態と比
較して補正を与えるようにしたもので、先ずステップ2
1では、上記ステップ20のシリンダ圧力に基づき、そ
のときに生じているであろう機関発生トルクを推定す
る。これは全気筒の各ピストンに加わる圧力、コンロッ
ド径、クランク軸回転径から算出する。
【0038】またステップ22で、そのときの実際の機
関回転数に基づき、所定のマップに従って機関のフリク
ションを推定する。そして、ステップ23で、上記ステ
ップ21の推定機関発生トルクから上記フリクションを
減算し、外部へ出力されるべき出力トルクを推定する。
【0039】更に、ステップ24で上記推定出力トルク
に基づいて、該出力トルクにより生じるであろう機関回
転数を推定する。
【0040】そして、ステップ25で上記の推定機関回
転数と実機関回転数との差を求め、ステップ26でこの
差に対応する補正値を例えばPI制御方式等により求め
る。この補正値は、ステップ13で全流路開口面積を算
出する際に用いられる。
【0041】すなわち、前述のようにして推定したシリ
ンダ圧力等に誤差があれば、これが推定機関回転数に反
映し、実機関回転数との間に差が生じるので、修正に必
要な補正値として全流路開口面積の算出にフィードバッ
クされる。そのため、シリンダ圧力等の推定値の精度が
一層向上する。
【0042】図6は、上述したような一連の制御を、そ
の理解を容易にするためにブロック線図として示したも
のである。このブロック線図の各ブロックに付したS1
…等の符号は、上述した図3のフローチャートの各ステ
ップに対応するものであり、その説明は重複するので省
略する。
【0043】次に、過渡時における具体的な作用を、図
7に基づいて説明する。同図は、急加速を例にとってい
るが、運転者がアクセルペダル24を急激に踏み込むこ
とによって、アクセル開度センサ34が検出するアクセ
ル開度は特性aのように変化する。これに対し、スロッ
トルバルブ18は、前述したように1吸気行程時間だけ
開動作が停止され、その後、所定の動特性に沿って開き
始めるため、特性bのようにその開度が変化する。つま
り、スロットルバルブ18の実際の開度変化はアクセル
開度よりも遅れて生じる。
【0044】しかし、前述した吸入空気量の演算は、ス
ロットルバルブ18の実開度ではなくアクセル開度を基
礎としてなされる。詳しくは、前述したステップ1にお
いて、スロットルバルブ18の開口面積が該スロットル
バルブ18の動特性を考慮した形でアクセル開度に基づ
いて推定されているため、特性cとして示すように想定
されるスロットルバルブ開度推定値を基礎として吸入空
気量が演算され、これに対応して燃料噴射量が逐次算出
される。
【0045】従って、図7において#3気筒の燃料噴射
ハの噴射量は、t3の時点のスロットルバルブ開度推定
値に基づいて決定されることになり、斜線を施して示す
吸入空気量の増加分(予測値)を反映したものとなる。
そして、この燃料噴射に続く#3気筒の吸気行程では、
実際のスロットルバルブ18の開度増加に伴って、上記
予測値と略等しい量の空気がシリンダ12に流入する。
そのため、実際の吸入空気量の増加に正しく見合った量
の燃料が供給されることになり、空燃比を目標空燃比に
高精度に維持して失火や運転性悪化を回避できる。#3
気筒に続く#4気筒においても、同様にスロットルバル
ブ18の開度変化を見込んだ適切な噴射量が与えられ
る。
【0046】尚、スロットルバルブ18の実際の開動作
を1吸気行程期間だけ遅らせたとしても、数10ms程
度の遅れ時間にしか過ぎず、加速応答性の上では何ら問
題とならない。むしろ、加速時の空燃比が保たれ、加速
初期の失火が回避されることから加速応答性は向上す
る。つまり、このときの遅延時間は、前述したように、
応答性が損なわれない範囲すなわち1吸気行程程度の期
間から1燃焼サイクル期間程度に設定される。
【0047】次に、図8は、スロットルバルブ18をモ
ータにて開閉駆動するようにしたスロットルアクチュエ
ータ方式の内燃機関に本発明を適用した実施例を示して
いる。同図において、41はスロットルバルブ18を開
閉駆動する適宜なモータを用いたスロットルアクチュエ
ータ、42は図示せぬアクセルペダルの踏込量を検出す
るアクセル開度センサ、43は上記スロットルアクチュ
エータ41および燃料噴射弁21を制御するコントロー
ルユニットである。上記コントロールユニット43は、
機能的に示せば、上記アクセル開度センサ42の出力信
号を1吸気行程に相当する期間だけ遅らせるディレー部
44と、スロットルアクチュエータ41が本質的に有す
る動特性の遅れを補正するモータ遅れ補正部45と、こ
の補正された信号に基づいて前述した実施例と同様にし
て吸入空気量を推定する空気量推定部46と、この推定
した吸入空気量に基づいて燃料噴射量を算出する燃料噴
射量演算部47と、を備えている。
【0048】この実施例においても、アクセル操作から
遅れて作動するスロットルバルブ18の開度変化を予測
した形で燃料噴射量が制御されるため、常に目標空燃比
に精度良く保つことができる。
【0049】尚、1吸気行程期間に対応する時間は期間
回転数によって変動するが、一般に急加速は1000r
pm程度の低回転域から実行されることが多いので、こ
の回転域の1吸気行程期間に相当する遅れ時間を固定的
に与えるようにしても良い。
【0050】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、この発明
に係る内燃機関の空燃比制御装置によれば、過渡時にお
いても空燃比を目標空燃比に高精度に維持することがで
き、特に急加速時における空燃比の希薄化を防止でき
る。従って、加速初期の失火や運転性悪化を回避でき、
加速応答性の向上が図れる。また、それだけ定常時の空
燃比をリーン側に設定することが可能となり、燃費やエ
ミッションを改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の構成を示すクレーム対応図。
【図2】この発明の一実施例の機械的構成を示す構成説
明図。
【図3】この実施例における制御の流れを示すフローチ
ャート。
【図4】燃焼に伴う圧力上昇率の特性を示す特性図。
【図5】単位開口面積における圧力差と吸気弁流量との
関係を示す特性図。
【図6】この実施例の制御の内容を示すブロック線図。
【図7】急加速時におけるアクセル開度等の変化と吸気
行程,噴射時期との関係を示す説明図。
【図8】この発明の異なる実施例を示す構成説明図。
【図9】従来における急加速時のスロットル開度変化と
吸気行程,噴射時期との関係を示す説明図。
【符号の説明】
1…アクセル操作量検出手段 2…過渡検出手段 3…遅延手段 4…吸入空気量推定手段 5…燃料供給量算出手段 6…スロットルバルブ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運転者により操作されるアクセル操作量
    を検出するアクセル操作量検出手段と、このアクセル操
    作量の変化に基づいて過渡状態への移行を予め検出する
    過渡検出手段と、この過渡検出時にスロットルバルブの
    実際の開閉動作を少なくとも燃料噴射時期から直後の吸
    気行程終了までに相当する所定期間遅らせる遅延手段
    と、この遅れて作動するスロットルバルブの開度に対応
    してスロットルバルブの実際の開閉動作中にシリンダへ
    吸入される吸入空気量を予め推定する吸入空気量推定手
    段と、この推定値に基づいて燃料供給量を算出する燃料
    供給量算出手段とを備えてなる内燃機関の空燃比制御装
    置。
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