JP3057691U - 蓄電池 - Google Patents

蓄電池

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 性能の向上を図ることができる蓄電池を提供
する。 【解決手段】 各陰極板30及び陽極板40の底部及び
頂端に極板耳301,302,401,402を設け、
それぞれを連結部31,32及び連結部41,42を介
して連結し、各陰極板30及び陽極板40の全体的な位
置決め効果を強化するようにする。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、蓄電池に関し、特に陰極板及び陽極板の耐震効果を高めるようにし た蓄電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉛蓄電池は、オートバイや自動車等の乗物の動力源として欠くことのできない 付属品である。鉛蓄電池の一構成例として、図19に示すものがある。これは、 主として蓄電池箱11、複数枚の陰極板12、複数枚の陽極板13、複数枚の隔 離板14、電解液15及び密閉カバー16等を備えて構成されたものである。蓄 電池箱11の内部は、隔板111によって複数の装置室112に分離されている 。各装置室112内には陰極板12及び陽極板13が交互に配置されている。各 陰極板12及び陽極板13は、それぞれ鉛(Pb)、二酸化鉛(PbO2 ) から なり、電解液15は希硫酸(H2SO4 )電解液からなる。各陰極板12及び陽 極板13は隔離板14によって隔離されることで、ショート防止が図れている。 これら陰極板12及び陽極板13の頂端には、極板耳121,131が設けられ ている。それぞれの極板耳121,131は、陰極極柱122及び陽極極柱13 2に対して直列に接続されている。
【0003】 また、それぞれの装置室112内の陰極極柱122及び陽極極柱132は、連 結器17によってそれぞれ直列連結されている。それぞれの図示しない出力端子 は密閉カバー16の頂端まで延設され、陰極端子123と陽極端子133と接続 されている。そして、陽極端子133に陽極電線(図示省略)を連結し、陰極端 子123に陰極電線(図示省略)を連結することで、鉛蓄電池10の充放電機能 が発揮される。 鉛蓄電池10の充放電反応は次の通りである。
【0004】
【化1】
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の鉛蓄電池10においては、放電又は充電時において 、蓄電池箱11内に常に共鳴振動が発生する。そこで、陰極板12及び陽極板1 3にあっては、共鳴振動によって振動しないように各装置室112内にて固定し ておくことが好ましい。ところが、陰極板12及び陽極板13の頂端は、それぞ れ陰極極柱122及び陽極極柱132に直列連結されているが、それらの下端に は完全な直列連結の構造設計がない。このため、これら陰極板12及び陽極板1 3の全体的な位置決め効果が低く、共鳴振動によって陰極板12及び陽極板13 が振動してしまう。この場合、陰極板12及び陽極板13の活性物質が脱落した り成長膨張したりするため、鉛蓄電池10の充電回復性が損われ、かつ鉛蓄電池 10の使用寿命も短くなる。
【0006】 本考案は、このような事情に対処してなされたもので、性能の向上を図ること ができる蓄電池を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、請求項1に記載の蓄電池は、蓄電池箱と、この 蓄電池箱の底部に配設された第1及び第2の連結部と、これら第1及び第2の連 結部の上方に設けられた陰極極柱及び陽極極柱と、前記第1及び第2の連結部と 前記陰極極柱及び陽極極柱との間に配設された複数の陰極板及び陽極板とを備え 、前記陰極板及び陽極板の頂端はそれぞれ前記陰極極柱及び陽極極柱に直列連結 され、前記陰極板及び陽極板の下端は前記第1及び第2の連結部に連結されてい ることを特徴とする。 ここで、第1及び第2の連結部は、導電材又は非導電材を用いることができる 。
【0008】 このような構成では、陰極板及び陽極板の頂端をそれぞれ陰極極柱及び陽極極 柱に直列連結し、陰極板及び陽極板の下端を第1及び第2の連結部に連結するよ うにしたので、各陰極板及び陽極板の全体的な位置決め効果を強化することがで き、各陰極板及び陽極板の充放電時における共鳴振動を防止することができる。 これにより、活性物質の脱落、成長膨張の減少を抑制することができるので、使 用寿命を延長させることができる。
【0009】 ここで、第1及び第2の連結部が非導電材である場合、各陰極板及び陽極板で のショートが発生しないので、これら第1及び第2の連結部に各陰極板及び陽極 板の各下端を連結することができる。このように、第1及び第2の連結部及び連 結部が非導電材である場合、各陰極板及び陽極板の下端は、それぞれ第1及び第 2の連結部に位置決めされるので、各陰極板及び陽極板の全体的位置決め効果が さらに強化され、蓄電池の使用寿命をさらに延長することができる。
【0010】 一方、第1及び第2の連結部が導電材である場合、陰極板及び陽極板間でのシ ョートを避けるために、第1の連結部には陰極板の下端のみを溶着し、第2の連 結部に対しては陰極板の下端が接触しないように絶縁させることが好ましい。ま た、第2の連結部には陽極板の下端のみを溶着し、第1の連結部に対しては陽極 板の下端が接触しないように絶縁させることが好ましい。このように、第1及び 第2の連結部が導電材である場合、陰極板及び陽極板の導電均一性が保持される ので、各陰極板及び陽極板の内部抵抗を減少させることができ、放電容量を増す ことができる。
【0011】 請求項2に記載の蓄電池は、前記陰極板及び陽極板のそれぞれの対角線上の頂 端及び下端には極板耳が設けられ、前記陰極板及び陽極板の頂端の極板耳はそれ ぞれ前記陰極極柱及び陽極極柱に直列連結されるとともに、前記陰極板の下端の 極板耳は前記第1の連結部に連結され、前記陽極板の下端の極板耳は前記第2の 連結部に連結されていることを特徴とする。 このような構成では、陰極板及び陽極板の頂端の極板耳を、それぞれ陰極極柱 及び陽極極柱に直列連結するとともに、陰極板の下端の極板耳を、第1の連結部 に連結し、陽極板の下端の極板耳を、第2の連結部に連結するようにしたので、 全体的な位置決め効果を強化することができる。
【0012】 請求項3に記載の蓄電池は、前記陰極板及び陽極板のそれぞれの同一線上の頂 端及び下端には極板耳が設けられ、前記陰極板及び陽極板の頂端の極板耳はそれ ぞれ前記陰極極柱及び陽極極柱に直列連結されるとともに、前記陰極板の下端の 極板耳は前記第2の連結部に連結され、前記陽極板の下端の極板耳は前記第1の 連結部に連結されていることを特徴とする。 このような構成では、陰極板及び陽極板の頂端の極板耳を、それぞれ陰極極柱 及び陽極極柱に直列連結するとともに、陰極板の下端の極板耳を、第2の連結部 に連結し、陽極板の下端の極板耳を、第1の連結部に連結するようにしたので、 全体的な位置決め効果を強化することができる。
【0013】 請求項4に記載の蓄電池は、前記陰極板及び陽極板の頂端には極板耳が設けら れ、前記陰極板及び陽極板の下端は平坦とされ、前記陰極板及び陽極板の頂端の 極板耳はそれぞれ前記陰極極柱及び陽極極柱に直列連結されるとともに、前記陰 極板及び陽極板の下端は前記第1及び/又は第2の連結部に連結されていること を特徴とする。 このような構成では、陰極板及び陽極板の頂端の極板耳を、それぞれ陰極極柱 及び陽極極柱に直列連結するとともに、陰極板及び陽極板の下端を、第1及び/ 又は第2の連結部に連結するようにしたので、全体的な位置決め効果を強化する ことができる。ここで、第1及び第2の連結部が非導電材である場合、陰極板及 び陽極板間にショートが発生しないので、陰極板及び陽極板の下端を第1及び第 2の連結部に連結することができる。一方、第1及び第2の連結部が導電材であ る場合、陰極板及び陽極板間にショートが発生するので、陰極板の下端のみを第 1の連結部に連結し、陽極板の下端のみを第2の連結部に連結することが好まし い。
【0014】 請求項5に記載の蓄電池は、前記蓄電池箱の底部両側に前記第1及び第2の連 結部を嵌め込んだ脚溝が設けられ、前記陰極板及び陽極板の対角線上の下端の極 板耳が前記脚溝に嵌め込まれていることを特徴とする。 このような構成では、陰極板及び陽極板の下端の極板耳を、脚溝に嵌め込むよ うにしたので、全体的な位置決め効果をさらに強化することができる。
【0015】 請求項6に記載の蓄電池は、前記蓄電池箱の底部両側に前記第1及び第2の連 結部を嵌め込んだ脚溝が設けられ、前記陰極板及び陽極板の同一線上の下端の極 板耳が前記脚溝に嵌め込まれていることを特徴とする。 このような構成では、陰極板及び陽極板の下端の極板耳を脚溝に嵌め込むよう にしたので、全体的な位置決め効果をさらに強化することができる。
【0016】 請求項7に記載の蓄電池は、前記蓄電池箱の底部両側に前記第1及び第2の連 結部を嵌め込んだ脚溝が設けられ、前記陰極板及び陽極板の下端が前記脚溝内の 第1及び/又は第2の連結部に連結されていることを特徴とする。 このような構成では、陰極板及び陽極板の下端を、脚溝に嵌め込んだ第1及び 第2の連結部に連結するようにしたので、全体的な位置決め効果をさらに強化す ることができる。
【0017】 請求項8に記載の蓄電池は、前記脚溝内にはエポクシーレジン又は酸液が注入 されてなることを特徴とする。 このような構成では、脚溝内にエポクシーレジンを注入することにより、陰極 板及び陽極板の酸液の落下を防ぐことができ、陰極板及び陽極板の酸液不足を防 止することができる。また、脚溝内に酸液を注入することにより、蓄電池箱内と 極板間の適量な酸度を維持することができ、良好な充電回復性を持たせることが できる。
【0018】 請求項9に記載の蓄電池は、前記蓄電池箱の底部には、支え柱が箱内に向けて 凸設されていることを特徴とする。 このような構成では、蓄電池箱の底部の支え柱によって各陰極板及び陽極板の 底辺を支えることができるため、陰極板及び陽極板の取付けの安定性を高めるこ とができる。
【0019】 請求項10に記載の蓄電池は、前記第1及び第2の連結部には、逆三角形状の 複数の嵌溝が設けられていることを特徴とする。 このような構成では、第1及び第2の連結部の嵌溝に各陰極板及び陽極板の極 板耳を嵌め込むようにしたので、各陰極板及び陽極板の取付けの安定性を高める ことができる。
【0020】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の詳細を図面を用いて説明する。 (第1の実施の形態) 図1は、本考案の蓄電池の第1の実施の形態を示す断面図、図2は、図1の蓄 電池箱に収納される極板組を示す斜視図である。 これらの図に示すように、第1の実施の形態における蓄電池は、蓄電池箱20 内部に陰極板30及び陽極板40が交互に組込まれた構成とされている。蓄電池 箱20は、頂端が開放された中空の矩形体となっている。この実施の形態では、 4枚の陰極板30と3枚の陽極板40とを組込んだ場合について示しているが、 この例に限らず、陰極板30は少なくとも2枚、陽極板40は少なくとも1枚あ ればよい。
【0021】 陰極板30及び陽極板40は、隔離板100を介して交互て配列されている。 これにより、陰極板30及び陽極板40同士の接触が避けられ、ショート防止が 図れている。陰極板30及び陽極板40の下端には、極板耳301,401が設 けられている。これら極板耳301,401は、互いに反対方向を向けて導電材 (例えば、鉛、鉛合金等)又は非導電材(例えば、耐腐食性プラスチック等)の 連結部31及び連結部41に連結されている。これにより、陰極板30及び陽極 板40の下端は、連結部31及び連結部41を介して位置決めされるため、全体 的な位置決め効果が高められる。なお、連結部31及び連結部41に対する陰極 板30及び陽極板40の連結方法は、連結部31及び連結部41が導電材である か非導電材であるかで相違するが、その詳細は後述の第3の実施の形態で説明す る。
【0022】 各陰極板30及び陽極板40の頂端には、極板耳302,402が設けられて いる。これら極板耳302,402は、極板耳301,401に対して対角線上 に位置している。これら極板耳302,402は、陰極極柱32及び陽極極柱4 2に連結されている。 このように、この実施の形態では、各陰極板30及び陽極板40の底部及び頂 端に極板耳301,302,401,402を設け、それぞれを連結部31,陰 極極柱32及び連結部41,陽極極柱42を介して連結するようにしたので、各 陰極板30及び陽極板40の全体的な位置決め効果を強化することができ、各陰 極板30及び陽極板40の充放電時における共鳴振動を防止することができる。 これにより、活性物質の脱落、成長膨張の減少を抑制することができるので、使 用寿命を延長させることができる。
【0023】 (第2の実施の形態) 図3は、本考案の蓄電池の第2の実施の形態を示す断面図、図4は、図3の蓄 電池箱に収納される極板組を示す斜視図である。 これらの図に示す実施の形態では、陰極板33の下端の極板耳331及び頂端 の極板耳332は、垂直方向同一線上に設けられている。陽極板43の下端の極 板耳431及び極板耳432も、垂直方向同一線上に設けられている。これら下 端の極板耳331,431は、互いに反対方向を向けて導電材(例えば、鉛、鉛 合金等)又は非導電材(例えば、耐腐食性プラスチック等)の連結部34及び連 結部44に溶着されている。また、頂端の極板耳332,432も、互いに反対 方向を向けて陰極極柱35及び陽極極柱45に連結されている。
【0024】 このように、この実施の形態では、各陰極板33及び陽極板43の頂端の極板 耳332,432を陰極極柱35及び陽極極柱45に連結するとともに、下端の 極板耳331及び頂端の極板耳332を連結部34及び連結部44に連結するよ うにしたので、第1の実施の形態同様に、各陰極板33及び陽極板43の充放電 時における共鳴振動を防止することができる。
【0025】 (第3の実施の形態) 図5は、本考案の蓄電池の第3の実施の形態を示す断面図、図6は、図5の蓄 電池箱に収納される極板組を示す斜視図である。 これらの図に示す実施の形態では、各陰極板36及び陽極板46の頂端のみに 、極板耳361,461が設けられている。これら極板耳361,461は、陰 極極柱37、陽極極柱47に連結されている。各陰極板36及び陽極板46の下 端は、導電材又は非導電材の連結部38及び連結部48に溶着されている。
【0026】 ここで、連結部38及び連結部48が非導電材である場合、各陰極板36及び 陽極板46でのショートが発生しないので、これら連結部38及び連結部48に 各陰極板36及び陽極板46の各下端を溶着することができる。このように、連 結部38及び連結部48が非導電材である場合、各陰極板36及び陽極板46の 下端は、それぞれ連結部38及び連結部48に位置決めされるので、各陰極板3 6及び陽極板46の全体的位置決め効果がさらに強化され、蓄電池の使用寿命を さらに延長することができる。
【0027】 一方、連結部38及び連結部48が導電材である場合、各陰極板36及び陽極 板46間でのショートを避けるために、連結部38には陰極板36の下端のみを 溶着し、連結部48に対しては陰極板36の下端が接触しないように絶縁させる ことが好ましい。また、連結部48には陽極板46の下端のみを溶着し、連結部 38に対しては陽極板46の下端が接触しないように絶縁させることが好ましい 。このように、連結部38及び連結部48が導電材である場合、陰極板36及び 陽極板46の導電均一性が保持されるので、各陰極板36及び陽極板46の内部 抵抗を減少させることができ、放電容量を増すことができる。
【0028】 (第4の実施の形態) 図7は、本考案の蓄電池の第4の実施の形態を示す断面図である。 同図に示す実施の形態では、蓄電池箱50の底部両側にそれぞれ脚溝51が設 けられている。各脚溝51には、導電材又は非導電材の連結部63及び連結部7 3が設けられている。また、同図に示す陰極板60及び陽極板70は、図1及び 図2に示した第1の実施の形態における陰極板30及び陽極板40と同様に、対 角線上に極板耳601,602,701,702が設けられている。陰極板60 の極板耳601は、脚溝51に嵌め込まれるとともに、連結部63に溶着されて いる。陽極板70の極板耳701は、脚溝51に嵌め込まれるとともに、連結部 73に溶着されている。各陰極板60及び陽極板70の底辺は、蓄電池箱50の 底部に当接している。
【0029】 よって、この第4の実施の形態では、陰極板60及び陽極板70の下端の各極 板耳601,701が脚溝51に嵌め込まれるため、各陰極板60及び陽極板7 0の位置決め性が高められる。また、各陰極板60及び陽極板70の底辺が蓄電 池箱50の底部に当接するため、各陰極板60及び陽極板70の取付けの安定性 を高めることもできる。
【0030】 (第5の実施の形態) 図8は、本考案の蓄電池の第5の実施の形態を示す断面図である。 同図に示す実施の形態では、第4の実施の形態と同様に、蓄電池箱50の底部 両側にそれぞれ脚溝51が設けられているとともに、各脚溝51には導電材又は 非導電材の連結部63及び連結部73が設けられている。また、同図に示す陰極 板61及び陽極板71は、図3及び図4に示した第2の実施の形態における陰極 板30及び陽極板40と同様に、同一線上に極板耳611,612,711,7 12が設けられている。陰極板61の極板耳611は、脚溝51に嵌め込まれる とともに、連結部63に溶着されている。陽極板71の極板耳711は、脚溝5 1に嵌め込まれるとともに、連結部73に溶着されている。各陰極板61及び陽 極板71の底辺は、蓄電池箱50の底部に当接している。
【0031】 よって、この第5の実施の形態では、第4の実施の形態と同様に、各陰極板6 1及び陽極板71の下端の極板耳601,701が脚溝51に嵌め込まれること による位置決め性が高められるとともに、各陰極板61及び陽極板71の底辺が 蓄電池箱50の底部に当接するため、各陰極板61及び陽極板71の取付けの安 定性を高めることができる。
【0032】 (第6の実施の形態) 図9は、本考案の蓄電池の第6の実施の形態を示す断面図である。 同図に示す実施の形態では、第4の実施の形態と同様に、蓄電池箱50の底部 両側にそれぞれ脚溝51が設けられているとともに、各脚溝51には導電材又は 非導電材の連結部63及び連結部73が設けられている。但し、第6の実施の形 態における各脚溝51は、第4,5の実施の形態の各脚溝51に比べて浅く形成 されている。また、同図に示す陰極板62及び陽極板72は、図5及び図6に示 した第3の実施の形態における陰極板36及び陽極板46と同様に、頂端にのみ 極板耳621,721が設けられている。各陰極板62及び陽極板72の下端は 、連結部63及び連結部73に溶着されている。
【0033】 ここで、連結部63及び連結部73が非導電材である場合、各陰極板62及び 陽極板72間でのショートが発生しないので、これら連結部63及び連結部73 に各陰極板62及び陽極板72の各下端を溶着することができる。このように、 連結部63及び連結部73が非導電材である場合、各陰極板62及び陽極板72 の各下端は、それぞれ連結部63及び連結部73に位置決めされるとともに、各 陰極板62及び陽極板72の底辺が蓄電池箱50の底部に当接するため、各陰極 板62及び陽極板72の取付けの安定性を高めることができる。
【0034】 一方、連結部63及び連結部73が導電材である場合、各陰極板62及び陽極 板72間でのショートを避けるために、連結部63には陰極板62の下端のみを 溶着し、連結部73に対しては陰極板62の下端が接触しないように絶縁させる ことが好ましい。また、連結部73には陽極板72の下端のみを溶着し、連結部 63に対しては陽極板72の下端が接触しないように絶縁させることが好ましい 。このように、連結部63及び連結部73が導電材である場合、陰極板62及び 陽極板72の導電均一性が保持されるので、各陰極板62及び陽極板72の内部 抵抗を減少させることができ、放電容量を増すことができる。
【0035】 (第7の実施の形態) 図10は、本考案の蓄電池の第7の実施の形態を示す断面図である。 この実施の形態は、図7及び図8に示した陰極板60,61及び陽極板70, 71の極板耳601,611,701,711を嵌め込む蓄電池箱50の脚溝5 1の好ましい形態を示すものである。なお、図10においては、陽極板70の極 板耳701が脚溝51内に嵌入された場合を例示している。
【0036】 すなわち、脚溝51の高さAを7mm以上とし、連結部73の厚みBを2〜3 mmとする。脚溝51内に陽極板70の極板耳701を嵌め込んだ後、脚溝51 内にエポクシーレジン又は酸液を注入し、隙間511を塞ぐ。このように、脚溝 51内にエポクシーレジンを注入することにより、陽極板70上の酸液の落下を 防ぐことができるため、陽極板70の酸液不足を防止することができる。また、 脚溝51内に酸液を注入することにより、蓄電池箱50内と極板間の適量な酸度 を維持することができ、良好な充電回復性を持たせることができるので、蓄電池 の使用寿命を延長することができる。
【0037】 (第8の実施の形態) 図11は、本考案の蓄電池の第8の実施の形態を示す断面図である。 同図に示す実施の形態では、蓄電池箱52の底部に支え柱521が箱内に向け て凸設されている。蓄電池箱52内の隅には、導電材又は非導電材の連結部63 及び連結部73が設けられている。また、同図に示す陰極板60及び陽極板70 は、図1及び図2に示した第1の実施の形態における陰極板30及び陽極板40 と同様に、対角線上に極板耳601,602,701,702が設けられている 。陰極板60の極板耳601は、連結部63に溶着されている。陽極板70の極 板耳701は、連結部73に溶着されている。各陰極板60及び陽極板70の底 辺は、支え柱521に当接している。 よって、この第8の実施の形態では、各陰極板60及び陽極板70の底辺が支 え柱521によって支えられるため、各陰極板60及び陽極板70の取付けの安 定性を高めることができる。
【0038】 (第9の実施の形態) 図12は、本考案の蓄電池の第9の実施の形態を示す断面図である。 同図に示す実施の形態では、第8の実施の形態と同様に、蓄電池箱52の底部 に支え柱521が箱内に向けて凸設されている。蓄電池箱52内の隅には、導電 材又は非導電材の連結部63及び連結部73が設けられている。また、同図に示 す陰極板61及び陽極板71は、図3及び図4に示した第2の実施の形態におけ る陰極板30及び陽極板40と同様に、同一線上に極板耳611,612,71 1,712が設けられている。陰極板61の極板耳611は、連結部63に溶着 されている。陽極板71の極板耳711は、連結部73に溶着されている。各陰 極板61及び陽極板71の底辺は、支え柱521に当接している。 よって、この第9の実施の形態では、第8の実施の形態と同様に、各陰極板6 1及び陽極板71の底辺が支え柱521によって支えられるため、各陰極板61 及び陽極板71の取付けの安定性を高めることができる。
【0039】 (第10の実施の形態) 図13は、本考案の蓄電池の第10の実施の形態を示す断面図である。 同図に示す実施の形態では、第8及び9の実施の形態と同様に、蓄電池箱52 の底部に支え柱521が箱内向けて凸設されている。蓄電池箱52内の隅には、 導電材又は非導電材の連結部63及び連結部73が設けられている。但し、第1 0の実施の形態における支え柱521は、第8,9の実施の形態の支え柱521 に比べて短く形成されている。また、同図に示す陰極板62及び陽極板72は、 図5及び図6に示した第3の実施の形態における陰極板36及び陽極板46と同 様に、頂端にのみ極板耳621,721が設けられている。各陰極板62及び陽 極板72の下端は、連結部63及び連結部73に溶着されている。各陰極板62 及び陽極板72の底辺は、支え柱521に当接している。 よって、この第10の実施の形態では、第8,9の実施の形態と同様に、各陰 極板62及び陽極板72の底辺が支え柱521によって支えられるため、各陰極 板62及び陽極板72の取付けの安定性を高めることができる。
【0040】 (第11の実施の形態) 図14は、本考案の蓄電池の第11の実施の形態を示す断面図である。 同図に示す蓄電池は、蓄電池箱53の各装置室531の底部に逆三角形状の嵌 溝801,811を有した連結部80及び連結部81が設けられている。これら の嵌溝801,811には、陰極板64及び陽極板74の極板耳640,740 が嵌め込まれている。陰極板64及び陽極板74の頂端は、導電片90によって 連結された陰極極柱641及び陽極極柱741に連結されている。さらに、各陰 極板64及び陽極板74は、隔離板101によって隔離された構成となっている 。連結部80及び連結部81は、導電材又は非導電材からなる。これら連結部8 0及び連結部81は、蓄電池箱53と一体に射出成型することができる。また、 蓄電池箱53の底部には、隔板802が突設されている。 よって、この第11の実施の形態では、連結部80及び連結部81の嵌溝80 1,811に各陰極板64及び陽極板74の極板耳640,740を嵌め込むよ うにしたので、各陰極板64及び陽極板74の取付けの安定性を高めることがで きる。
【0041】 (第12の実施の形態) 図15は、本考案の蓄電池の第12の実施の形態を示す断面図である。 同図に示す蓄電池は、蓄電池箱54の大装置室541の底部に逆三角形状の嵌 溝822,823及び中間嵌溝821を有した導電材の連結部82が設けられて いる。これらの嵌溝822,823には、陰極板65及び陽極板75の極板耳6 50,750が嵌め込まれている。陰極板65及び陽極板75の頂端は、導電片 91によって連結された陰極極柱651及び陽極極柱751に連結されている。 各陰極板65及び陽極板75は隔離板101によって隔離された構成となってい る。また、中間嵌溝821には、隔板542が嵌め込まれており、この隔板54 2によって大装置室541は2つの小装置室543に分離されている。 よって、この実施の形態では、第11の実施の形態と同様に、連結部82の嵌 溝822,823に各陰極板65及び陽極板75の極板耳650,750を嵌め 込むようにしたので、各陰極板65及び陽極板75の取付けの安定性を高めるこ とができる。
【0042】 (第13の実施の形態) 図16は、本考案の蓄電池の第13の実施の形態を示す断面図である。 同図に示す蓄電池は、蓄電池箱55の大装置室552の底部に逆三角形状の嵌 溝831,841を有した連結部83,84が設けられている。これらの嵌溝8 31,841には、陰極板66及び陽極板76の極板耳660,760が嵌め込 まれている。陰極板66及び陽極板76の頂端は導電片92によって連結された 陽極極柱661,761に連結されている。各陰極板66及び陽極板76は隔離 板101によって隔離された構成となっている。また、蓄電池箱54の底部には 、隔板555が凸設されており、この隔板555によって大装置室552は2つ の小装置室554に分離されている。さらに、蓄電池箱55の底部には導電片8 5を挿通する凹溝551が設けられている。この導電片85によって連結部83 ,84が連結されている。 よって、この実施の形態では、第11の実施の形態と同様に、連結部83,8 4の嵌溝831,841に各陰極板66及び陽極板76の極板耳660,760 を嵌め込むようにしたので、各陰極板66及び陽極板76の取付けの安定性を高 めることができる。
【0043】 (第14の実施の形態) 図17は、本考案の蓄電池の第14の実施の形態を示す断面図である。 同図に示す蓄電池は、陰極板60及び陽極板70の頂部及び底部の全てに出力 端子110,120が設けられている。同一極性である陰極板60及び陽極板7 0の頂部及び底部の出力端子110,120は、それぞれ陽対陽、陰対陰に連結 されている。 よって、この実施の形態では、それぞれ陽対陽、陰対陰に連結されている出力 端子110,120を設けたので、陰極板60及び陽極板70の内部抵抗を減ら すことができ、放電容量を増すことができる。
【0044】 (第15の実施の形態) 図18は、本考案の蓄電池の第15の実施の形態を示す断面図である。 同図に示す蓄電池は、複数の装置室を有するとともに、それぞれの装置室には 陰極板60及び陽極板70が配設されている。また、各装置室間の陰極板60及 び陽極板70は、それぞれ直列接続されている。さらに、両端の装置室の頂部及 び底部には、出力端子1100,1200が設けられており、それぞれの出力端 子1100,1200は陽対陽、陰対陰に接続されている。 よってこの実施の形態では、第14の実施の形態と同様に、陰極板60及び陽 極板70の内部抵抗を減らすことができ、放電容量を増すことができる。
【0045】
【考案の効果】
以上に説明したように、請求項1に記載の蓄電池によれば、陰極板及び陽極板 の頂端をそれぞれ陰極極柱及び陽極極柱に直列連結し、陰極板及び陽極板の下端 を第1及び第2の連結部に連結するようにしたので、各陰極板及び陽極板の全体 的な位置決め効果を強化することができ、各陰極板及び陽極板の充放電時におけ る共鳴振動を防止することができる。これにより、活性物質の脱落、成長膨張の 減少を抑制することができるので、使用寿命を延長させることができることから 、性能を向上させることができる。
【0046】 請求項2に記載の蓄電池によれば、陰極板及び陽極板の頂端の極板耳を、それ ぞれ陰極極柱及び陽極極柱に直列連結するとともに、陰極板の下端の極板耳を、 第1の連結部に連結し、陽極板の下端の極板耳を、第2の連結部に連結するよう にしたので、全体的な位置決め効果を強化することができる。
【0047】 請求項3に記載の蓄電池によれば、陰極板及び陽極板の頂端の極板耳を、それ ぞれ陰極極柱及び陽極極柱に直列連結するとともに、陰極板の下端の極板耳を、 第2の連結部に連結し、陽極板の下端の極板耳を、第1の連結部に連結するよう にしたので、全体的な位置決め効果を強化することができる。
【0048】 請求項4に記載の蓄電池によれば、陰極板及び陽極板の頂端の極板耳を、それ ぞれ陰極極柱及び陽極極柱に直列連結するとともに、陰極板及び陽極板の下端を 、第1及び/又は第2の連結部に連結するようにしたので、全体的な位置決め効 果を強化することができる。
【0049】 請求項5に記載の蓄電池によれば、陰極板及び陽極板の下端の極板耳を、脚溝 に嵌め込むようにしたので、全体的な位置決め効果をさらに強化することができ る。
【0050】 請求項6に記載の蓄電池によれば、陰極板及び陽極板の下端の極板耳を脚溝に 嵌め込むようにしたので、全体的な位置決め効果をさらに強化することができる 。
【0051】 請求項7に記載の蓄電池によれば、陰極板及び陽極板の下端を、脚溝に嵌め込 んだ第1及び第2の連結部に連結するようにしたので、全体的な位置決め効果を さらに強化することができる。
【0052】 請求項8に記載の蓄電池によれば、脚溝内にエポクシーレジンを注入すること により、陰極板及び陽極板の酸液の落下を防ぐことができ、陰極板及び陽極板の 酸液不足を防止することができる。また、脚溝内に酸液を注入することにより、 蓄電池箱内と極板間の適量な酸度を維持することができ、良好な充電回復性を持 たせることができる。
【0053】 請求項9に記載の蓄電池によれば、蓄電池箱の底部の支え柱によって各陰極板 及び陽極板の底辺を支えることができるため、陰極板及び陽極板の取付けの安定 性を高めることができる。
【0054】 請求項10に記載の蓄電池によれば、第1及び第2の連結部の嵌溝に各陰極板 及び陽極板の極板耳を嵌め込むようにしたので、各陰極板及び陽極板の取付けの 安定性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の蓄電池の第1の実施の形態を示す断面
図である。
【図2】図1の蓄電池箱に収納される極板組を示す斜視
図である。
【図3】本考案の蓄電池の第2の実施の形態を示す断面
図である。
【図4】図3の蓄電池箱に収納される極板組を示す斜視
図である。
【図5】本考案の蓄電池の第3の実施の形態を示す断面
図である。
【図6】図5の蓄電池箱に収納される極板組を示す斜視
図である。
【図7】本考案の蓄電池の第4の実施の形態を示す断面
図である。
【図8】本考案の蓄電池の第5の実施の形態を示す断面
図である。
【図9】本考案の蓄電池の第6の実施の形態を示す断面
図である。
【図10】本考案の蓄電池の第7の実施の形態を示す断
面図である。
【図11】本考案の蓄電池の第8の実施の形態を示す断
面図である。
【図12】本考案の蓄電池の第9の実施の形態を示す断
面図である。
【図13】本考案の蓄電池の第10の実施の形態を示す
断面図である。
【図14】図14は、本考案の蓄電池の第11の実施の
形態を示す断面図である。
【図15】本考案の蓄電池の第12の実施の形態を示す
断面図である。
【図16】本考案の蓄電池の第13の実施の形態を示す
断面図である。
【図17】本考案の蓄電池の第14の実施の形態を示す
断面図である。
【図18】図18は、本考案の蓄電池の第15の実施の
形態を示す断面図である。
【図19】従来の蓄電池を示す斜視図である。
【符号の説明】
20,50,54 蓄電池箱 30,33,36,60,62,64,65,66 陰
極板 40,43,46,70,72,74,75,76 陽
極板 301,331,361,402,431,461,6
01,611,612,640,650,701,71
1,712,740,750 極板耳 31,34,38,41,44,48,63,73,8
0,81,82,83,84 連結部 32,35,37 陰極極柱 42,45,47 陽極極柱 51 脚溝 521 支え柱 801,811,822,823,831,841 嵌

Claims (10)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蓄電池箱と、 この蓄電池箱の底部に配設された第1及び第2の連結部
    と、 これら第1及び第2の連結部の上方に設けられた陰極極
    柱及び陽極極柱と、 前記第1及び第2の連結部と前記陰極極柱及び陽極極柱
    との間に配設された複数の陰極板及び陽極板とを備え、 前記陰極板及び陽極板の頂端はそれぞれ前記陰極極柱及
    び陽極極柱に直列連結され、前記陰極板及び陽極板の下
    端は前記第1及び第2の連結部に連結されていることを
    特徴とする蓄電池。
  2. 【請求項2】 前記陰極板及び陽極板のそれぞれの対角
    線上の頂端及び下端には極板耳が設けられ、前記陰極板
    及び陽極板の頂端の極板耳はそれぞれ前記陰極極柱及び
    陽極極柱に直列連結されるとともに、前記陰極板の下端
    の極板耳は前記第1の連結部に連結され、前記陽極板の
    下端の極板耳は前記第2の連結部に連結されていること
    を特徴とする請求項1に記載の蓄電池。
  3. 【請求項3】 前記陰極板及び陽極板のそれぞれの同一
    線上の頂端及び下端には極板耳が設けられ、前記陰極板
    及び陽極板の頂端の極板耳はそれぞれ前記陰極極柱及び
    陽極極柱に直列連結されるとともに、前記陰極板の下端
    の極板耳は前記第2の連結部に連結され、前記陽極板の
    下端の極板耳は前記第1の連結部に連結されていること
    を特徴とする請求項1に記載の蓄電池。
  4. 【請求項4】 前記陰極板及び陽極板の頂端には極板耳
    が設けられ、前記陰極板及び陽極板の下端は平坦とさ
    れ、前記陰極板及び陽極板の頂端の極板耳はそれぞれ前
    記陰極極柱及び陽極極柱に直列連結されるとともに、前
    記陰極板及び陽極板の下端は前記第1及び/又は第2の
    連結部に連結されていることを特徴とする請求項1に記
    載の蓄電池。
  5. 【請求項5】 前記蓄電池箱の底部両側に前記第1及び
    第2の連結部を嵌め込んだ脚溝が設けられ、前記陰極板
    及び陽極板の対角線上の下端の極板耳が前記脚溝に嵌め
    込まれていることを特徴とする請求項2に記載の蓄電
    池。
  6. 【請求項6】 前記蓄電池箱の底部両側に前記第1及び
    第2の連結部を嵌め込んだ脚溝が設けられ、前記陰極板
    及び陽極板の同一線上の下端の極板耳が前記脚溝に嵌め
    込まれていることを特徴とする請求項3に記載の蓄電
    池。
  7. 【請求項7】 前記蓄電池箱の底部両側に前記第1及び
    第2の連結部を嵌め込んだ脚溝が設けられ、前記陰極板
    及び陽極板の下端が前記脚溝内の第1及び/又は第2の
    連結部に連結されていることを特徴とする請求項4に記
    載の蓄電池。
  8. 【請求項8】 前記脚溝内にはエポクシーレジン又は酸
    液が注入されてなることを特徴とする請求項5又は6に
    記載の蓄電池。
  9. 【請求項9】 前記蓄電池箱の底部には、支え柱が箱内
    に向けて凸設されていることを特徴とする請求項2、3
    又は4に記載の蓄電池。
  10. 【請求項10】 前記第1及び第2の連結部には、逆三
    角形状の複数の嵌溝が設けられていることを特徴とする
    請求項1〜4の何れかに記載の蓄電池。
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