JP3057301B2 - 移動用椅子の方向転換装置 - Google Patents

移動用椅子の方向転換装置

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JP3057301B2
JP3057301B2 JP3130307A JP13030791A JP3057301B2 JP 3057301 B2 JP3057301 B2 JP 3057301B2 JP 3130307 A JP3130307 A JP 3130307A JP 13030791 A JP13030791 A JP 13030791A JP 3057301 B2 JP3057301 B2 JP 3057301B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、足、腰などに障害のあ
る者が使用して好適な移動用椅子に関し、特にこの移動
用椅子の方向転換装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】足、腰などに故障や障害をもち、自力で
は立ったり歩いたりすることができない負傷者や障害者
にとって、車椅子等の移動式椅子は、家庭や屋外等にお
いて日常生活を行なううえで不可欠なものである。たと
えば、家庭内では居住室を始めとして台所、洗面所、ト
イレ、風呂場、玄関等といったような狭いところで動き
回ることが必要であり、また屋外でも、種々の道路や歩
道などを移動したり、エレベータ等での乗り降りや、駅
舎等を始めとする各種の建物内等のような狭いところで
動き回ったり、あるいは階段や起伏のあるところを動き
回ったりすることが必要とされ、その殆どの場所で車椅
子等の移動用椅子が用いられている。ところで、このよ
うな移動用椅子として、従来から最も一般な車椅子は、
前、後四輪を有し、大径な後輪にて車椅子上に座った者
を支えるとともに、小径な前輪を転舵可能に構成するこ
とで、所要の方向に走行移動し得るような構成となって
いる。すなわち、このような一般的な車椅子において、
方向転換は、前輪側を希望する方向に転舵させるととも
に、後輪側でその一方を前進方向、他方を後進方向に回
転させることで、比較的容易に方向転換を行えるもので
あった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、福祉
社会の発展と共に、上述した移動用椅子としての車椅子
にも、種々の改良が施されるようになっており、たとえ
ば階段や傾斜路を走行するために、クローラ等の無限軌
道を利用した走行装置を用いたり、これを主走行装置で
ある四輪に対して補助的に設けたりしたもの、あるいは
走行性、安定性を確保するために、接地部にソリ状フレ
ームを採用したソリ式の走行装置を備えているもの等、
種々の構造を有するものが提案されるようになってい
る。すなわち、前述したような四輪式による一般的な車
椅子では、車輪が走行する軌道上にある凹凸等の起伏や
障害物を乗り越える際に、障害物等を乗り越える度毎に
上下に振動し、乗り心地感が悪いばかりでなく、障害物
を乗り越えるために上下動に必要なエネルギをも消費す
るといった問題を招いてしまうもので、また大きな障害
物を乗り越えるためには、車輪の半径をより一層大きく
することが必要で、その結果車椅子全体が大型化すると
いった欠点を招いてしまうもので、これを改善するため
に走行装置を無限軌道式やソリ式とすることが望まれて
いる。そして、このような無限軌道式やソリ式による走
行装置を用いてなる移動用椅子は、走行装置による接地
点が四点以上にもなり、四輪式に比べて凹凸等の起伏や
障害物が存在する走行面等を走行するにあたっての走行
性や安定性を確保できるという利点を得られるものであ
るが、その一方においていずれの走行装置でも各接地部
分での方向を個別、別々に変更することが単純には行え
ないもので、これによりこれらの走行装置を採用した移
動用椅子では、方向転換の際に大きな問題を生じてしま
うことを避けられないものであった。
【0004】すなわち、これらの走行装置を移動用椅子
に設けた場合には、上述した理由から四輪式のような方
向転換は不可能であり、方向転換させるためには、走行
装置の一部接地点を回転中心とし、それ以外の接地点を
強制的に摩擦力を生じさせながら、方向を変えるしかな
く、方向転換が困難なものであった。その一方におい
て、この種の移動用椅子は、前述したように家庭や屋外
において狭いところを通ることが多く、そのような部分
で頻繁に方向転換する必要性が多いもので、上述した方
向転換時の問題は実用化にあたって大きな障害であり、
このため一般的な四輪式に比べ走行性や安定性等に優れ
ているにもかかわらず、無限軌道式のものも、ソリ式の
ものも、殆ど実用化されておらず、このような方向転換
を容易に行えるような何らかの対策を講じることが望ま
れている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述した要請に応えるた
めに本発明に係る移動用椅子の方向転換装置は、椅子本
体の下方でこれを支えて接地される走行装置とは異なる
個所に昇降可能に設けられ選択的に接地される方向転換
用基盤と、この基盤上に椅子本体を相対的に回転自在な
状態で連結する回転軸手段と、椅子本体と方向転換用基
盤との間に介在され椅子本体下部で基盤を昇降動作させ
る昇降機構と、椅子本体の着座シート部に着座している
者の体重の一部または全部を地面上で支えるために選択
的に用いられる杖とを備えてなり、椅子本体の着座シー
ト部への着座者が腕を介して体重を前記杖側に移したと
きに、昇降機構を動作させて方向転換用基盤を下降さ
せ、この基盤の椅子本体における着座シート部までの長
さが、走行装置の接地面から着座シート部までの長さよ
りも長くし、この状態で地面から浮いている椅子本体お
よび走行装置を、回転軸手段により所要の向きに方向転
換させ得るように構成したものである。
【0006】
【作用】本発明によれば、常時は昇降機構により方向転
換用基盤が椅子本体の下側で上方に上昇した状態を保た
れており、椅子本体は走行装置にて支えられて接地して
おり、これにより走行装置に伴って走行動作する。一
方、方向転換を行なう際には、椅子本体への着座者が椅
子本体の着座シート部から腰を上げるとともに腕を介し
て杖に体重を掛けることにより、昇降機構により方向転
換用基盤を下降させて接地させ、かつ椅子本体を支える
走行装置側を非接地状態とし、これにより基盤上で回転
軸手段により椅子本体および走行装置側を相対的に回転
させることが可能で、これにより走行装置による走行方
向を所要の向きに変更し得るものである。
【0007】
【実施例】図1ないし図4は本発明に係る移動用椅子の
一実施例を示すものであり、これらの図において、本実
施例では、走行装置としてクローラタイプの無限軌道を
用いてなる場合を例示している。まず、全体を符号10
で示す移動用椅子の概略構成を、図1等を用いて簡単に
説明すると、この移動用椅子10は、複数本のパイプ体
によって折畳み可能に構成されている椅子本体11と、
この椅子本体11の下側でこれを支えて接地され該椅子
本体11を走行移動させる左、右対をなす走行装置1
2,12等を備えている。また、図中13a,13bは
前記パイプ体からなる椅子本体11におけるシートクッ
ション部とシートバック部とに張り渡され着座者の着座
シート部13を構成するシート状部材で、さらに椅子本
体11の脚部14の前部下側には足載せ台15が、椅子
本体11の着座シート部13のクッション部両側にはア
ームレスト部16,16が付設されている。なお、図中
17はシートバック部の傾動角度を調整するリクライニ
ング機構のレバー、18,18はパイプ体による椅子本
体11を図1に示したような通常の着座姿勢状態に保つ
ための付勢手段、19は該付勢手段18,18の付勢力
に抗して椅子本体11を折畳むための折畳み調整機構で
ある。
【0008】ここで、本実施例では、走行装置12,1
2を、前記椅子本体11の脚部14が連結される椅子本
体11の前後方向に沿って長尺に形成されている左、右
走行フレーム20,20と、その周縁部に沿って移動可
能に設けられかつ複数の接地用足を相対的に可動可能に
連結することによって形成されている無限軌道21とか
ら構成されている。22,22は無限軌道21,21を
走行駆動させるための駆動用レバーで、着座者が該レバ
ー22,22を往復揺動駆動することにより、その一方
向への駆動力を一方向クラッチや変速歯車機構等を有す
る駆動機構部23(片側のみを図示している)に伝達
し、その回動力をチェーン等の伝達ベルト24を介して
走行フレーム20,20の前端部に軸支した駆動ギヤ2
5に伝達し、これによって無限軌道21をフレーム20
回りで移動させ、その結果移動用椅子10を走行移動さ
せるような構成となっている。なお、図中26はブレー
キ機構等(図示せず)が付設されて該無限軌道21の移
動を停止させるための制動ギヤで、たとえばワイヤ等を
介して連結される制動レバー等(図示せず)を、着座者
が手動操作可能な位置に設けることで、無限軌道21,
21を停止させ、移動用椅子10の走行を停止させ得る
ような構成とするとよい。
【0009】さて、本発明によれば、上述したような構
成による移動用椅子10において、椅子本体11の下方
でこれを支えて接地される走行装置12とは異なるシー
トクッション部中央部に対応する位置に昇降可能に設け
られ選択的に接地される方向転換用基盤31と、この基
盤31上に椅子本体11を相対的に回転自在な状態で連
結する回転軸手段32と、椅子本体11と方向転換用基
盤31との間に介在され椅子本体11下部で基盤31を
昇降動作させる昇降機構33と、椅子本体11の着座シ
ート部13に着座している者の体重の一部または全部を
地面上で支えるために選択的に用いられる杖34,34
とによって方向転換装置30を構成したところに特徴を
有している。そして、このような装置30において、椅
子本体11の着座シート部13への着座者が腕を介して
体重を前記杖34,34側に移したときに、昇降機構3
3を動作させて方向転換用基盤31を下降させ、この基
盤31の椅子本体11における着座シート部13までの
長さが、走行装置12の接地面から着座シート部13ま
での長さよりも長くし、この状態で地面から浮いている
椅子本体11および走行装置12を、回転軸手段32に
より所要の向きに方向転換させ得るように構成したとこ
ろに特徴を有している。
【0010】ここで、本実施例によれば、椅子本体11
下部に基盤31を昇降動作可能に保持する方向転換装置
30における昇降機構33を、図2、図3あるいは図5
〜図7から明らかなように、椅子本体11と基盤31と
が離間する上下方向への付勢力を作用させるばね手段で
あって、その押圧力の最大強さが椅子本体11の着座シ
ート部13に着座している者Mの体重とこの椅子本体1
1の重さと椅子本体11下側の走行装置12の重さとの
合計重量よりも弱く、かつ椅子本体11の重さと走行装
置12の重さとの合計重量よりも強いばね力を有する圧
縮ばね40と、この圧縮ばね40を介在させた状態で互
いに嵌合状態とされてエアダンパ機構を構成する密閉空
間を形成するように椅子本体11、基盤31側に連結さ
れる上下一対をなす筒状体41,42と、これら筒状体
41,42内の密閉空間(エアダンパ)をレバー操作に
よって外部と連通、遮断するために選択的に開閉される
排気弁となる弁機構43とから構成している。なお、図
中44は上述した杖34の上端側に設けられ弁機構43
をワイヤ45を介して開閉操作するための操作杆であ
る。ここで、上述した圧縮ばね40は、最大に伸びた状
態で基盤31の接地面から椅子本体11側までの長さが
走行装置12の接地面から椅子本体11側までの長さよ
りも長くなり、一方最短に縮んだ状態で基盤31の接地
面から椅子本体11側までの長さが走行装置12の接地
面から椅子本体11側までの長さよりも短くなるように
構成されている。また、上述した回転軸手段32は、方
向転換用基盤31と椅子本体11および走行装置12と
が、水平方向において相対的に回動可能な状態となるよ
うに垂直軸回りで回転可能に連結するような構成であれ
ばよく、その具体的な構造は省略したが、周知の軸受構
造等を適宜採用すればよい。
【0011】このような構成による移動用椅子10は、
その椅子本体11の着座シート部13に着座者Mが着座
しておらず、また弁機構43が開放されてエアダンパが
作動しない状態では、走行装置12または方向転換用基
盤31のいずれか一方または両方が接地している状態と
なっている。そして、この状態にある移動用椅子10に
対し、着座者Mが着座し、図7の(a),(b)に示すよう
に、杖34,34を上方に引き上げ、さらに弁機構43
を閉塞してエアダンパをロック状態とすると、昇降装置
33は圧縮ばね40による伸びが妨げられた状態とさ
れ、図5の(a),(b)に示したように、方向転換用基盤3
1は、上述した昇降装置33の働きによって椅子本体1
1の下側で走行装置12よりも上方に上昇して浮いてい
る状態を保たれ、椅子本体11は走行装置12にて支え
られて接地し、該走行装置12に伴って走行動作される
ようになっている。
【0012】一方、方向転換を行なう際には、椅子本体
11への着座者Mが、図6の(a) から明らかなように、
椅子本体11の着座シート部13から腰を上げるととも
に腕を介して杖34,34に体重を移して作用させると
ともに、弁機構43を開けて昇降装置33のエアダンパ
機構をロック解除状態とするとよい。このようにする
と、着座者Mの体重が加えられる杖34,34によって
方向転換用基盤31が下降して接地するとともに、着座
シート部13側への着座者Mの体重が軽減されること
で、昇降機構33における圧縮ばね40の付勢力が働
き、これによって方向転換用基盤31とは逆に椅子本体
11を支える走行装置12側が浮き上がって非接地状態
となる。そして、この状態において、前記弁機構43を
閉じてエアダンパをロック状態とし、その状態を維持す
るようにした後、着座者Mはシート部13上に着座し、
前記方向転換装置30による方向転換操作を行うとよい
ものである。すなわち、着座者Mは、接地している基盤
31上で回転軸手段32によって、杖34,34に対し
て椅子本体11および走行装置12側を相対的に回転さ
せることにより、該椅子本体11および走行装置12の
向きを任意の方向に変更でき、走行装置12による走行
方向を所要の向きに変更し得るものである。ここで、こ
の実施例では、杖34,34の下端部を基盤31上に連
結しており、この杖34,34と椅子本体11側の部材
とが、回転方向において干渉するため、図4に示したよ
うな最大方向転換角度が定められることになる。勿論、
これらの構成部材の位置関係を適宜変更することで、該
角度を適宜変更し得ることは言うまでもない。なお、上
述したような方向転換操作を行なう際には、前記昇降機
構33を構成するエアダンパとしての筒状体41,42
内は、排気弁となる弁機構43が適宜開放されることで
エアが流入されたり、エアが封入されたりするようにな
っており、これにより圧縮ばね40が伸びたり、縮んだ
りするのを許容したり、妨げたりするようになってお
り、これを選択的に利用しているものである。たとえば
上述した図6に示した方向転換時には、圧縮ばね40を
一旦伸張させ、かつこの状態でロックして縮むのを妨げ
るように操作される。そして、同図(a),(b)に示される
ように、基盤31側が接地し、走行装置12が浮き上が
った状態で着座者がシート側に着座し、椅子本体11側
に体重を掛けた状態で、その向きを回動して変更しよう
とする際に、昇降機構33にばね40を圧縮させる力が
作用したとしても、これに打ち勝ってその状態を維持す
るような構成となっている。つまり、椅子本体11側と
基盤31側との間での上下動を、排気弁としての弁機構
43の非可逆的な働きによって、所要の状態に制御し得
るようになっている。
【0013】他方、上述した方向転換操作を行なうこと
で、椅子10の向きを変更した後、前述した操作杆44
を操作し、排気弁としての弁機構43を開放し、内部の
エアを排気してエアダンパをロック解除状態とすること
で、ばね40の縮み防止機能が解除され、これにより圧
縮ばね40は、着座者Mの体重も作用していることから
縮み、その結果基盤31が上昇し、走行装置12側が接
地した状態となり、その変更した方向への走行が可能と
なるものである。ここで、上述したような操作杆44の
操作だけでは、圧縮ばね40の縮み量が小さく、昇降機
構33による基盤31の上昇量が少なく、その接地状態
が解除されていない状態となる場合があるが、このとき
には、上述したエアダンパのロック解除状態のまま、図
7の(a),(b)に示すように、圧縮ばね40を有する昇降
機構33を、着座者Mが杖34,34を強制的に引き上
げ、ばね40を縮めるようにするとよい。そして、これ
により走行装置12による走行移動が可能となるもので
ある。なお、このようにばね40が縮ませた状態におい
て、前記弁機構43を閉じてエアダンパをロック状態と
し、ばね40の伸びを必ず妨げて、基盤31が接地しな
いようにすることは言うまでもない。換言すると、上述
した昇降機構33は、着座者Mが体重をシート部13側
または杖34側のいずれに作用させているか、さらには
弁機構43の開閉制御操作によるエアダンパのロック、
ロック解除のいずれの状態になっているか、また杖34
が引き上げ操作されているかによって、所要の上下動作
を行なうように制御される構成となっている。ここで、
上述した図5ないし図7において符号Zは走行装置12
または基盤31が選択的に接地される地面である。
【0014】そして、以上のような構成によれば、椅子
本体11に着座している者Mが、自己の体重を椅子本体
11のシート部13と杖34,34とに、選択的に作用
させることによって、走行装置12と方向転換装置(回
転装置)30の基盤31のいずれかを選択して接地させ
ることができ、方向転換装置30側が接地したときに、
走行装置12を浮かせてその向きを自由に変えることが
可能となり、走行方向を任意の向きに自由に変更し得る
ものである。なお、上述した着座シート部13と杖3
4,34への着座者Mの体重の掛け方としては、必ず全
体を掛ける必要はなく、該体重の掛け方を適当に配分し
て作用させることで、走行装置12と方向転換用基盤3
1とを選択して接地させ得るように操作可能であればよ
い。さらに、このように配分して体重を作用させること
によって、走行装置12と基盤31とを選択的に接地さ
せることで、種々の走行条件や走行状況に応じた移動用
椅子10の操作性を多用化することも可能である。ま
た、このような方向転換装置30にあっては、車椅子等
の移動用椅子10に長時間にわたって着座している際に
生じる蓐瘡の発生を軽減し得るという利点もある。すな
わち、この種の移動用椅子10への着座者Mにとって
は、蓐瘡の発生を防ぐために、時々シートに接して圧迫
された状態にある尻部や大腿部などをシートから浮かせ
る動作を定期的に行なう必要が従来からあったが、上述
したような操作を必要とする方向転換装置30を備えた
移動式椅子10にあっては、該装置30を利用して方向
転換を行なう度毎に、シートに接している尻部等をシー
トから浮かせることになるため、蓐瘡防止効果を発揮さ
せ得るものである。また、このような方向転換装置30
によれば、方向転換操作を行なう際に走行装置12を非
接地状態とし得ることから、これを利用して走行装置1
2の走行面部分に上履き用または下履き用カバー等を選
択的に装着することが可能で、屋内、屋外走行用として
使い勝手をよい移動用椅子10を得ることが可能とな
る。
【0015】なお、本発明は上述した実施例構造には限
定されず、移動用椅子10の各部の形状、構造等を適宜
変形、変更し得ることは言うまでもない。たとえば上述
した実施例では、移動用椅子10の走行装置12とし
て、複数の脚部を連結することによって形成される無限
軌道帯21を、走行フレーム20回りに沿って移動させ
ることにより該走行装置12上に設けた着座シート部1
3を移動させる場合を例示したが、この種の走行装置1
2としては、従来一般的な四輪走行式のものを始め、ク
ローラ等の無限軌道式、あるいはソリ式等といった種々
の構造によるものを採用してもよいことは勿論である。
特に、本発明によれば、この種の無限軌道式やソリ式に
よる走行装置のように、単純には方向転換を行えないも
のに適用して効果を発揮し得るが、これに限定されるも
のではない。また、上述した実施例では、方向転換の際
に着座者Mが体重を掛ける杖34,34の下端側を折曲
げ形成し、基盤31上に一体的に連結して設けた場合を
例示している。しかし、本発明はこれに限定されず、該
杖34,34を椅子本体11の適宜の個所に上下動可能
に保持させ、かつその下端を直接地面Zに接地させ得る
ようにしてもよい。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る移動用
椅子によれば、椅子本体の下方でこれを支えて接地され
る走行装置とは異なる個所に昇降可能に設けられ選択的
に接地される方向転換用基盤と、この基盤上に椅子本体
を相対的に回転自在な状態で連結する回転軸手段と、椅
子本体と基盤間に介在され椅子本体下部で基盤を昇降動
作させる昇降機構と、椅子本体の着座シート部に着座し
ている者の体重を地面上で支えるための杖を備えてなる
構成としたので、簡単な構成にもかかわらず、椅子本体
に着座している者が、自己の体重をシート部と杖とに、
適宜移行して作用させることによって、走行装置と方向
転換装置側の基盤のいずれかを選択して接地させること
ができ、方向転換装置側が接地したときに、走行装置を
浮かせてその向きを自由に変えることが可能となり、走
行方向を任意の向きに自由に変更し得るという種々優れ
た効果がある。また、このような方向転換装置にあって
は、該装置を利用して方向転換を行なう度毎に、シート
に接している尻部等をシートから浮かせることになるた
め、車椅子等の移動用椅子に長時間にわたって着座して
いる際に生じる蓐瘡を防止し得るという利点がある。さ
らに、このような方向転換装置によれば、方向転換操作
を行なう際に走行装置を非接地状態とすることから、こ
れを利用して走行装置の走行面部分に上履き用または下
履き用カバー等を選択的に装着することが可能で、屋
内、屋外を走行する際の使い勝手をよい移動用椅子を得
ることができるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る移動用椅子の一実施例を示す全体
の概略斜視図である。
【図2】本発明の要部とする方向転換装置を説明するた
めの図1における移動用椅子の要部構成のみを示す概略
正面図である。
【図3】図2の概略側面図である。
【図4】図2の概略平面図である。
【図5】本発明に係る方向転換装置の動作を説明するた
めの図であって、(a)は着座者の着座シート部への着座
状態の概略側面図、(b)はその概略正面図である。
【図6】本発明に係る方向転換装置の動作を説明するた
めの図であって、(a)は着座者の着座シート部から体重
を杖に移したときの状態を示す概略側面図、(b)はその
概略正面図である。
【図7】本発明に係る方向転換装置の動作を説明するた
めの図であって、(a)は着座者が杖を強制的に持ち上げ
たときの状態を示す概略側面図、(b)はその概略正面図
である。
【符号の説明】
10 移動用椅子 11 椅子本体 12 走行装置 13 着座シート面 14 脚部 18 付勢手段 19 折畳み調整機構 20 走行フレーム 21 無限軌道 22 駆動用レバー 30 方向転換装置 31 方向転換用基盤 32 回転軸手段 33 昇降機構 34 杖 40 圧縮ばね 41 筒状体 42 筒状体 43 弁機構 44 操作杆

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着座シート部を有する椅子本体とこの椅
    子本体を支えた状態で接地し該椅子本体を走行移動させ
    る走行装置とを有する移動用椅子において、前記椅子本
    体の下方に昇降可能に設けられ選択的に接地される方向
    転換用基盤と、この基盤上に前記椅子本体を相対的に回
    転自在な状態で連結する回転軸手段と、前記椅子本体と
    方向転換用基盤との間に介在され椅子本体下部で基盤を
    昇降動作させる昇降機構と、前記椅子本体の着座シート
    部に着座している者の体重の一部または全部を地面上で
    支えるために選択的に用いられる杖とを備えてなり、前
    記椅子本体の着座シート部への着座者が腕を介して体重
    を前記杖側に移したときに、前記昇降機構を動作させて
    方向転換用基盤を下降させ、この基盤の椅子本体におけ
    る着座シート部までの長さが、前記走行装置の接地面か
    ら着座シート部までの長さよりも長くし、この状態で地
    面から浮いている椅子本体および走行装置を、前記回転
    軸手段により所要の向きに方向転換させるように構成し
    たことを特徴とする移動用椅子の方向転換装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、椅子本体下部に方向
    転換用基盤を昇降動作可能に保持する昇降機構を、該基
    盤が椅子本体から離れる方向への付勢力を作用させるば
    ね手段であって、その押圧力の最大強さが椅子本体の着
    座シート部に着座している者の体重とこの椅子本体の重
    さと椅子本体下側の走行装置の重さとの合計重量よりも
    弱く、かつ椅子本体の重さと走行装置の重さの合計重量
    よりも強い圧縮ばねを備え、このばねが最大に伸びた状
    態で基盤の接地面から椅子本体側までの長さが走行装置
    の接地面から椅子本体側までの長さよりも長くなり、ば
    ねが最短に縮んだ状態で基盤の接地面から椅子本体側ま
    での長さが走行装置の接地面から椅子本体側までの長さ
    よりも短くなるように構成したことを特徴とする移動用
    椅子の方向転換装置。
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