JP3057044B2 - 屋 根 - Google Patents

屋 根

Info

Publication number
JP3057044B2
JP3057044B2 JP9339162A JP33916297A JP3057044B2 JP 3057044 B2 JP3057044 B2 JP 3057044B2 JP 9339162 A JP9339162 A JP 9339162A JP 33916297 A JP33916297 A JP 33916297A JP 3057044 B2 JP3057044 B2 JP 3057044B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roof
panel
heat insulating
panels
insulation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP9339162A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11172834A (ja
Inventor
保彦 安松
清司 森田
三千夫 川合
蔵 榊原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Gun Ei Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Gun Ei Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Gun Ei Chemical Industry Co Ltd filed Critical Gun Ei Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP9339162A priority Critical patent/JP3057044B2/ja
Publication of JPH11172834A publication Critical patent/JPH11172834A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3057044B2 publication Critical patent/JP3057044B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Building Environments (AREA)
  • Roof Covering Using Slabs Or Stiff Sheets (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屋根に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】建物の屋根にあっては、建物の内外気温
差を緩和するために断熱材を使用することが一般的であ
る。すなわち、建物の屋根では、建物内の高温になった
空気が上昇して集まるため、冬季では外気温に対して建
物内の気温が大幅に高くなって、屋根裏に結露を生じや
すくなることが知られている。逆に、夏季では、日光の
照射によって屋根が加熱されて80℃以上になることが
多く、建物内の冷房効率を低下させる。このため、建物
内の居住性等を高めるためには、断熱材を使用して内外
気温差を緩和する必要があった。前記断熱材の適用箇所
は、屋根構造によって適宜選択される。
【0003】図11は、コンクリート造陸屋根を示す。
図11において、符号1はデッキプレート、2は鉄筋、
3は現場打ちコンクリート、4は断熱材、5は防水シー
トである。この屋根では、デッキプレート1上に鉄筋2
を配筋して現場打ちコンクリート3を打設し、この現場
打ちコンクリート3上に断熱材4を敷設し、さらに防水
シート5によって防水している。
【0004】図12は、鉄骨造屋根を示す。図12中、
符号6は母屋、7は野地板、8は防水層、9は屋根材
(屋根板用鋼板9aに断熱材10を取り付けたもの)で
ある。この屋根では、母屋6上に設置して傾斜面に沿っ
て複数連設した野地板7上に防水層8を施工し、この防
水層8上に複数の屋根材9、9…を施工して葺いてい
る。屋根材9、9…は図示しない釘等によって、野地板
7に固定する。前記屋根材9、9…は、裏面側(図12
中下側)に断熱材10を備えているので、連設された各
屋根材9、9…の断熱材10によって、断熱層が形成さ
れる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記図
11のコンクリート造陸屋根では、デッキプレート1の
設置、鉄筋2の配筋、現場打ちコンクリート3の打設、
断熱材4の敷設、防水シート5の施工工程が必要であ
り、工程数が多く、工期の短縮が困難であり、しかも、
コストも高く付くといった問題があった。上述の各工程
は、いずれもそれぞれの工程の専門職によって行うこと
になるため、段取りが複雑になり、効率の良い工程スケ
ジュールを組みにくいことも工期の短縮を困難にする原
因であった。しかも、上述の各工程は、いずれも手間の
かかるものであり、例えば、デッキプレート1は重量が
大きいために施工に慎重を要し、鉄筋2の配筋は膨大な
工程数を要するものであり、現場打ちコンクリート3は
養生時間が必要であることから、大幅な工期の短縮には
限界があった。また、断熱材4や防水シート5を広範囲
にわたって一様に施工するには熟練を要し、屋根の品質
にばらつきを生じやすいといった問題もあった。しか
も、断熱材4は、屋根の温度変化の影響が建物内に及ぶ
ことを防止できるものの、屋根の温度変化によって変形
して、防水シート5に変形を与えるといった問題もあ
る。
【0006】図12記載の屋根では、屋根材9の施工時
に断熱材10が邪魔になり、施工性に影響を与えるとい
った問題があった。また、屋根の温度変化によって、断
熱材10が変形すると、屋根材9の取り付け状態に影響
を与えるといった問題もあった。すなわち、釘等で野地
板7に打ち付けた屋根材9では、断熱材10に圧縮力が
作用しているため、屋根の温度変化によって屋根材9の
表面材である屋根板用鋼板9aが変形すると、屋根材9
が断熱材10によって押し上げられて取り付け状態に異
常をもたらす可能性があるのである。屋根の上下での温
度差を緩和するには、屋根材9の断熱材10では不十分
であるため、野地板7として断熱性を有するものを採用
することが多い。この野地板7としては、例えば、木片
をセメントと混合して硬化させたパネル等が採用される
が、このような野地板7は重量が大きいため、施工性に
問題があった。また、重量の大きい野地板7を採用する
と、母屋6への固定部品が複雑になったり、屋根の重量
の増大に対応するべく屋根下の構造物を大型化しなけれ
ばならないといった問題も生じる。しかも、このような
野地板7は断熱材として使用されるものであり、強度、
耐久性の面で不満があった。また、この屋根では、耐火
性を高めたい要求があるが、耐火材層を新たに設けると
なると、屋根の施工工程数が増加して工期の延長やコス
トの増大を招く上、屋根が大型化して屋根の構成部材間
の取り合いが難しくなり、施工性が低下するといった問
題が新たに生じる。
【0007】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたも
ので、 (a)軽量かつ高強度の屋根用断熱パネルを屋根の構造
材として利用することにより、屋根の構成の単純化、工
程数の削減、施工性の向上、低コスト化を実現できる、 (b)前記屋根用断熱パネルが高い耐火性(準不燃)、
断熱性、吸音性を兼ね備えるため、耐火材、断熱材、吸
音材等を別途施工する必要が無くなり、屋根の施工性の
向上、低コスト化、軽量化が可能になるといった優れた
効果が得られる屋根を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、ハニカムコアのセル内にフェノール樹脂発泡体が充
填されてなる断熱層とこの断熱層の表裏両面に貼着され
た表面材とを備えてなる屋根用断熱パネルを、母屋ある
いは梁の上に設置することによりほぼ水平に複数連設
し、各屋根用断熱パネルを該屋根用断熱パネルの厚さ方
向に貫通した固定部品により前記母屋あるいは前記梁に
対して固定し、これら屋根用断熱パネル上に防水層を形
成したことを特徴とする屋根を前記課題の解決手段とし
た。請求項2記載の発明では、ハニカムコアのセル内に
フェノール樹脂発泡体が充填されてなる断熱層とこの断
熱層の表裏両面に貼着された表面材とを備えてなる屋根
用断熱パネルを、母屋あるいは梁あるいは垂木の上に設
置することにより傾斜面に沿って複数連設し、各屋根用
断熱パネルを該屋根用断熱パネルの厚さ方向に貫通した
固定部品により前記母屋あるいは前記梁あるいは前記垂
木に対して固定し、これら屋根用断熱パネルの上側に防
水層を形成し、該防水層上を屋根材によって葺いたこと
を特徴とする屋根を前記課題の解決手段とした。前記防
水層としては、例えば、傾斜面に沿って連設した各屋根
用断熱パネル上にアスファルトルーフィング等の防水材
により別途形成したもの等が採用されるが、例えば、請
求項3記載のように、傾斜面に沿って複数連設した各屋
根用断熱パネルの上面側に予め形成しておいた防水表面
層を面方向に接続して構成したものも採用可能である。
この場合、屋根用断熱パネルの施工と、各屋根用断熱パ
ネル間の防水施工とを実施するだけで、簡便に防水層を
形成することができる利点がある。また、請求項2記載
の発明では、請求項4記載のように、前記屋根用断熱パ
ネルを、母屋上に設置したパネル支持台上に設置するこ
とにより傾斜面に沿って複数連設し、これら屋根用断熱
パネル上を屋根材によって葺いてなり、前記パネル支持
台によって前記屋根用断熱パネルの傾斜角度が調整可能
になっている構成も採用可能である。請求項5記載の発
明は、請求項2から4のいずれかに記載の屋根におい
て、屋根用断熱パネル上を金属製屋根板である多数の屋
根材によって葺いたことを特徴とする。
【0009】各発明記載の屋根用断熱パネルの断熱層
は、ハニカムコアにフェノール樹脂を加熱発泡させ、充
填、硬化させて得られる。この断熱層を効率良く得るた
めの製造方法の一例を説明すると、有機系マット状繊維
物、あるいは無機系マット状繊維物、または有機系、無
機系の複合されたマット状繊維物の片面あるいは両面に
発泡性フェノール樹脂を散布し、該発泡性フェノール樹
脂の発泡硬化温度以下の温度で加熱融着した発泡性フェ
ノール樹脂複合物にハニカムコアを積層して加熱発泡成
形する。これにより、ハニカムコアの各セル中にフェノ
ール樹脂の発泡体をほぼ均一に充填できる。この時、ハ
ニカムコアのセルへのフェノール樹脂発泡体の充填率は
100%である必要は無く、ハニカムコアのセルがフェ
ノール樹脂発泡体によって閉ざされた状態であれば、こ
の断熱層の後述する各種特性が得られる。発泡性フェノ
ール樹脂としては、ノボラック型フェノール樹脂または
固形レゾール樹脂に発泡性を付与したもの等が採用でき
る。マット状繊維物の素材としては、ポリエステル不織
布、ガラスチョップドストランドマット等が採用でき
る。ハニカムコアの素材としては、有機系、無機系ある
いはこれらの複合された紙、金属を成形してなるフィル
ムまたはシート、合成樹脂等が採用される。さらに具体
的には、例えば、クラフト紙、フェノール樹脂含浸紙、
不燃紙、アルミニウム、FRP、アラミドペーパー等
の、いずれも軽量なものを採用することが好ましく、フ
ェノール樹脂発泡体とともに成形することにより、軽量
かつ高強度の断熱層が得られる。発泡性フェノール樹脂
複合物とハニカムコアとを積層し、金型温度を120℃
〜200℃に保持した1段または多段のプレスにより、
熱圧時間2〜30分にて成形される。成形物の厚みは、
例えば型枠やスペーサを用いることで自在に調整でき
る。なお、この成形物の特性を発揮するには、厚さを5
〜100mmにすることが好ましく、さらに好ましくは
10〜70mmが適当である。
【0010】例えば、紙製ハニカムコアを適用した成形
物の場合、密度100kg/m3、圧縮強度(10%歪
み)17kg/cm2、線膨張係数2×10-5/℃が得
られている。また、一般的なフェノール樹脂フォームの
適用可能温度域は−200℃〜150℃であり、本発明
に係る屋根用断熱パネルの断熱層にも一般的フェノール
フォームと同等あるいはそれ以上の広域の適用可能温度
領域を確保できるので、屋根の日照による加熱や寒冷地
での低温環境に対してもその性状が安定に確保され、変
形等の不都合を生じる心配が無い。
【0011】また、この成形物は、耐火性、断熱性、耐
薬品性、吸音性に優れている。前述の紙製ハニカムコア
を適用した成形物では、熱伝導率0.032Kcal/
m・hr・℃、酸素指数38が得られている。また、耐
火性については、フェノール樹脂発泡体の準不燃性によ
って、屋根用断熱パネルにも準不燃性が得られる。な
お、この成形物は、不燃性物質を混入することにより、
さらに高い耐火性を得ることができる。例えば、不燃性
物質として、グラスウール等を採用して、フェノール樹
脂発泡体内に埋設すると、耐火性が向上するとともに、
強度の向上をも図ることができる。なお、建物の断熱材
として多用されるウレタンフォームは、前記成形物と同
程度の熱伝導率を有するが、可燃物であるため耐火性に
乏しく、屋根の耐火性を得るには、屋根に耐火物層を別
途設ける必要が生じる。これに対して、前記成形物
は、高い耐火性が得られるため、別途耐火物層を屋根に
設ける必要は無い。また、フェノール樹脂発泡体は、火
炎を照射しても炭化するだけで(低発煙性)、青酸ガス
等の有毒ガスを発生しないため(低毒性)、高い安全性
が得られる。
【0012】吸音性については、例えば、マット状繊維
物としてのポリエステル不織布(目付量80g/m2
と、紙製ハニカムコア(セルサイズ9mm、厚さ15m
m)とをフェノール樹脂発泡体によって一体化した構成
の断熱層の吸音率は、125Hzで0.10、250H
zで0.11、500Hzで0.13、1000Hzで
0.15であり、いずれの周波数帯においても高い吸音
性が認めれている。このため、この屋根用断熱パネルを
用いて施工した屋根では、防音性が期待でき、屋根下の
建物内の居住性が向上する。
【0013】また、屋根用断熱パネルは、鋼板等の金属
製薄板、金属箔、樹脂からなるシートあるいはパネル、
紙や木等からなる板材等を、表面材として貼着する。
板等の金属板を貼着すると屋根用断熱パネルの強度が一
層高まり、軽量かつ高強度の屋根用構造材として有効に
使用することができ、屋根への施工性を向上できる。金
属板、樹脂シートや樹脂パネルを貼着した時には、屋根
用断熱パネルの防水性が高まる。このため、この屋根用
断熱パネルを使用した屋根では、防水施工事を省略ある
いは簡略化することができる。紙や木等からなる板材を
貼着すると、屋根用断熱パネルの強度が高まる。また、
この板材を貼着した面を下向きにして屋根用断熱パネル
を屋根に施工することにより、屋根裏の美観が得られ、
屋根裏部屋等では居住性が高まる。
【0014】この屋根用断熱パネルを、母屋、梁、垂木
等に固定する固定部品としては、該屋根用断熱パネルを
貫通するビスや釘やボルト等固定する構成を採用する
ことが好ましい。すなわち、前記屋根用断熱パネルは、
ボルトやナット等を埋設固定するには手間がかかるた
め、前記固定部品としては、該屋根用断熱パネルの内部
のフェノール樹脂発泡体やハニカムコアとの固定力を要
求しない構成のものを採用することが好ましい。さらに
詳述すれば、ボルトやナット等の部品を屋根用断熱パネ
ルの断熱層に埋設固定しようとする場合、これらボルト
やナット等はフェノール樹脂発泡体との間に必ずしも高
い定着力が得られず、また、前記断熱層の製造工程にお
いて発泡性フェノール樹脂複合物をボルトやナット等と
の干渉を回避できるように成形する必要が生じる。特
に、紙製ハニカムコアを採用した断熱層では、ボルトや
ナット等をハニカムコアに溶接等で固定することも出来
ないため、結局アンカー材を使用して断熱層との固定力
を図ることになり、部品点数の増加や製造能率の低下を
招くことになる。これに対して、屋根用断熱パネルを貫
通する構成の固定部品では、屋根用断熱パネルの加工工
程数を増大させること無く簡便に固定作業を行うことが
できる。
【0015】防水層としては、シート防水工法に限定さ
れず、各種メンブレン防水材が採用可能である。採用可
能な防水層を、その工法によって分類すると、例えば、
アスファルト防水工法、トーチ工法、シート防水工法、
塗膜防水工法等が採用可能である。アスファルト防水工
法では、アスファルト系防水材を敷き均して施工する。
トーチ工法では、改良アスファルト系シート材を貼着、
機械式固定(メカニカルファスニング:機械による固定
ピン打ち)等により施工する。シート防水工法では、塩
化ビニル、加硫あるいは非加硫のゴム等からなるシート
材を貼着、機械式固定(メカニカルファスニング:機械
による固定ピン打ち)等により施工する。塗膜防水工法
では、ウレタン系、ポリエステル系、アスファルト系塗
膜防水材を形成する。いずれの工法においても、プライ
マーを選択使用して、防水層と表面パネルとの定着性を
高めることがより好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下本発明の第1実施形態を、図
1から図3を参照して説明する。図1に示した屋根(陸
屋根)20では、母屋または梁としての鉄骨21上に設
置した屋根用断熱パネル22を水平方向に複数連設し、
これら屋根用断熱パネル22、22…上に防水層23を
形成している。
【0017】図2は屋根用断熱パネル22の一例を示す
斜視図である。図2において、この屋根用断熱パネル2
2は、紙製ハニカムコア22aをフェノール樹脂発泡体
22b内に埋設してなるパネル状の断熱層22cと、こ
の断熱層22cの表裏の面に表面材として貼着した表面
パネル22d、裏面パネル22eとを備えている。表面
パネル22d、裏面パネル22eとしては、金属薄板、
金属箔、木製薄板、樹脂パネル等が採用される。金属薄
板や金属箔の材質としては、アルミ、アルミ合金、ステ
ンレス、鋼板、ガルバリウム、樹脂パネルとしてはカー
ボン、FRP等が採用される。なお、断熱層22cの表
裏のいずれか一方あるいは両方の面には、マット状繊維
物を備えることも可能である。
【0018】図1において、屋根用断熱パネル22の上
側となる面に貼着した表面パネル22dは、樹脂等の防
水性を有する素材から形成しているため、十分な防水性
が確保される。反対側の裏面パネル22eの素材の選択
は自由であるが、図1ではアルミニウム薄板を採用して
いる。厚さ0.8mmのアルミニウム薄板を採用した場
合、屋根用断熱パネル22の耐火性が向上する上、圧縮
強度(10%歪み)が19kgf/cm2程度になるな
ど、強度の向上も図れる。
【0019】図1においては、防水層23として防水シ
ートを採用し、屋根用断熱パネル22の表面パネル22
d上に接着している。表面パネル22d上には、プライ
マーを予め塗布しておくことで、接着作業を効率良く行
うことができる。なお、表面パネル22dの材質として
は、防水シートとの接着性を確保出来るものを選択す
る。
【0020】図3は、屋根用断熱パネル22の固定構造
の一例を示す。図3において、屋根用断熱パネル22
は、この屋根用断熱パネル22を上方から下方へ厚さ方
向に貫通した固定部品24を鉄骨21に螺着固定するこ
とで、定位置に固定している。図3では、前記固定部品
24は、固定用ビスであるが、固定部品24としてはこ
れに限定されず、各種構成が採用可能である。いずれの
構成の固定部品にしても、屋根用断熱パネル22を貫通
して設ける構成であることが好ましく、これにより、鉄
骨21上に屋根用断熱パネル22を設置後に、屋根用断
熱パネル22上からの作業によって屋根用断熱パネル2
2を固定することができ、作業性が向上する。また、屋
根用断熱パネル22を貫通する固定部品は、屋根用断熱
パネル22内にネジ穴を形成したり、固定用部品を埋設
する等の加工を必要としないので、屋根用断熱パネル2
2の低コスト化に寄与する。
【0021】この屋根20では、屋根用断熱パネル22
によって十分な強度が得られるため、いわゆるデッキス
ラブやALCスラブ等と比べて構成を大幅に簡略化する
ことができ、大幅な低コスト化、工期の短縮が可能であ
る。すなわち、図11に示した屋根では、デッキプレー
ト1、鉄筋2、現場打ちコンクリート3、断熱材4、防
水シート5を施工する必要があるが、本実施形態では図
1に示したように、鉄骨21、屋根用断熱パネル22、
防水層23を施工するだけで良く、屋根20の構成部材
が少なく、施工工程数を大幅に削減できる。しかも、従
来工法ではデッキプレート1や現場打ちコンクリート3
の重量が大きく施工性の向上が困難であるのに対して、
本実施形態の屋根20では、構成部材が少ない上、屋根
用断熱パネル22が軽量であるため、現場での施工性が
向上し、工期を短縮できるのである。さらに、屋根用断
熱パネル22に高い施工性が得られることは、施工に熟
練を必要としないので、屋根20の面積が広い場合であ
っても、高い品質が安定に得られる。
【0022】また、この屋根20では、屋根用断熱パネ
ル22の断熱性によって、この屋根20を施工した建物
内外(屋根20上下)の断熱を図ることができる。この
ため、夏季の建物内の冷房効率の向上や、冬季の屋根2
0裏面での結露防止等の効果が得られる。また、構造材
として施工した屋根用断熱パネル22自体が断熱材とし
て機能するので、断熱材を別途施工する必要が無く、工
程数の減少による、低コスト化や工期の短縮が可能であ
る。しかも、屋根用断熱パネル22の線膨張係数は2×
10-5/℃程度であり、ウレタンフォームの8×10-5
/℃に比べて熱変形が極めて少なく(耐熱性)、外気の
寒暖温度差によって防水層23に変形を与える等の不都
合を防止できるので、屋根20の寿命が延長する。防水
層の変形は、寒暖温度差や経年劣化による屋根の変形に
よっても生じるが、この屋根20では、高強度を有する
屋根用断熱パネル22が屋根20の構造材として機能
し、屋根20の変形を防止するので、これによっても防
水層23の変形を防止でき、平坦な施工状態を長期にわ
たって維持することができる。また、このことから、屋
根20の寿命も一層向上できる。
【0023】また、この屋根20では、屋根用断熱パネ
ル22に不燃または準不燃の高い耐火性が得られ、耐火
性を得るために別途耐火物層を設ける必要が無い。しか
も、屋根用断熱パネル22は、万一火災が発生した時
に、加熱による有毒ガスの発生が極めて少ないので、建
物の利用者の避難に支障を生じることが無く、高い安全
性が得られる。また、屋根用断熱パネル22は、高い耐
薬品性を有しているので、万一酸性雨等が防水層23か
ら浸透した場合であっても、変形等の不都合を生じる心
配が無く、屋根20の寿命を延長する。また、屋根用断
熱パネル22の断熱層22cが高い吸音性を有し、屋根
20の遮音性が高まるので、屋根20上で発生した音等
が屋根20下へ伝達する心配が無く、屋根20上を例え
ば運動場等に利用した場合であっても、屋根20下の建
物内の居住性に影響を与えない。しかも、鉄筋コンクリ
ート造、鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造の建物に前記
屋根20を施工した時では、建物内の反響音を屋根用断
熱パネル22によって吸収することができ、別途吸音材
を設けなくても居住性が確保される。
【0024】次に、本発明の第2実施形態を図4
(a)、(b)を参照して説明する。なお、図中、図1
から図3と同一の構成部分には同一の符号を付し、その
説明を簡略化する。本実施形態の屋根30(鉄骨造屋
根)では、母屋あるいは梁としての鉄骨31上に、屋根
用断熱パネル22を設置して傾斜面に沿って複数連設
し、これら屋根用断熱パネル22上にアスファルトルー
フィング等の防水材からなる防水層32を形成し、さら
に、前記防水層32上を長尺板状の屋根材33(長尺金
属屋根板)によって葺いている。防水層32は、いわゆ
るメンブレン防水材からなり、図1記載の防水層23と
同様にアスファルト、防水シート、樹脂塗膜等が採用さ
れる。
【0025】屋根用断熱パネル22の表面パネル22d
としては、防水性および防水層32との接着性が確保さ
れる素材が選択される。屋根用断熱パネル22の裏面パ
ネル22eとしては、紙、合板、樹脂等からなる化粧板
であることが好ましい。これにより、屋根30の下を屋
根裏部屋等の居室として使用した時の居住性が高まる。
また、裏面パネル22eとしては、フェノール樹脂発泡
体内に補強繊維を埋設固定したものを採用することがよ
り好ましく、これにより、火災時の発煙や有毒ガス発生
を抑えることができ、安全性が高まる。補強繊維の素材
としては、加熱時に有毒ガスを発生しないものを採用す
ることが好ましい。
【0026】各屋根用断熱パネル22は、水勾配方向上
端あるいは下端を、固定部品34、35によって鉄骨3
1に固定している。これら固定部品34、35は、いず
れも屋根用断熱パネル22を貫通して設けられる構成で
あるので、屋根用断熱パネル22にはこれら固定部品3
4、35の挿通用の穴を形成すれば足り、固定用部品を
別途埋設等によって取り付ける必要が無く、固定に係る
屋根用断熱パネル22の加工は簡便なもので済み、屋根
用断熱パネル22を低コスト化できる。
【0027】図4(a)に示した固定部品34、35の
一例を説明すると、まず、固定部品34は固定ビスであ
り、鉄骨31上に設置した屋根用断熱パネル22に上か
ら貫通させ、鉄骨31に螺着することにより、屋根用断
熱パネル22の水勾配方向上端を鉄骨31に固定する。
固定部品35はフックボルトであり、フック部35aを
鉄骨31に係合させるとともに、屋根用断熱パネル22
に下側から上方へ貫通させた軸部35bの上端にナット
35cを固定することで、屋根用断熱パネル22の水勾
配方向下端と屋根材33の通し吊子33a(図4(b)
参照)とを鉄骨31に固定する。なお、図4(b)は鉄
骨31近傍を水勾配下流側から見た断面図であり、図4
(b)中、符号33bは、キャップ瓦棒である。いずれ
の固定部品34は屋根用断熱パネル22の上側から固定
作業が可能であり、固定作業は簡便である。屋根用断熱
パネル22を鉄骨31に固定する固定部品としては、屋
根用断熱パネル22の上側から固定するもののみを採用
することが作業能率上好ましく、これにより全ての固定
作業を屋根用断熱パネル22の上側から行うことが可能
になり、屋根用断熱パネル22の上下に両側に作業スペ
ースを確保する必要が無くなる。なお、屋根用断熱パネ
ル22を母屋あるいは梁に固定する固定部品としては、
前述の固定部品34、35に限定されず、屋根用断熱パ
ネル22を貫通させて母屋あるいは梁に固定される構成
であれば、各種構成の採用が可能である。
【0028】本実施形態の屋根30では、屋根用断熱パ
ネル22に十分な強度が得られるので、別途野地板等を
施工する必要は無い。しかも、屋根用断熱パネル22は
軽量であり、高い施工性が得られるので、屋根30の施
工能率が向上し、工期短縮等の効果が得られる。
【0029】また、屋根用断熱パネル22が高い耐火性
を発揮するので、屋根30には耐火物層を別途形成する
必要が無い。また、この屋根30では、屋根用断熱パネ
ル22が高い断熱性を有するので、断熱材無しの屋根材
33を使用しても十分な断熱効果が得られ、屋根材の選
択の幅が拡がる。断熱材を有していない屋根材33を使
用すると、断熱材付きの屋根板に比べて軽量になる上、
断熱材間の取り合い等を考慮する必要が無いので、屋根
材33間の接合作業が簡便になり、屋根30の施工工期
短縮に寄与する。また、断熱材を有していない屋根材3
3間を接合して構築した屋根30では、寒暖温度差によ
る屋根材33の接合状態の異常を防止でき、長期にわた
って屋根材33間の接合状態が維持されるので、屋根3
0の寿命が延長する。
【0030】このように、本実施形態の屋根30では、
断熱性、耐火性、吸音性に優れる屋根用断熱パネル22
を下地材として採用したことにより、断熱材や耐火材を
別途必要とすること無く高い耐火性、断熱性が得られ、
しかも、低コスト化、軽量化、施工性の向上、工期の短
縮等の効果が得られる。また、屋根30の軽量化は、鉄
骨31等の屋根30を支持するための構造物を簡略化す
ることができ、この屋根30を有する建物全体の低コス
ト化にも寄与する。
【0031】図5は、本発明の第3実施形態を示す。な
お、図5中、図4と同一の構成部分には同一の符号を付
し、その説明を簡略化する。本実施形態の屋根40(鉄
骨造屋根)では、母屋あるいは梁としての鉄骨31上に
屋根用断熱パネル22を設置することにより傾斜面に沿
って複数連設し、これら屋根用断熱パネル22、22…
上を多数の屋根材43(金属製屋根板)によって葺いて
いる。
【0032】各屋根用断熱パネル22は、固定部品34
によって鉄骨31に固定している。屋根用断熱パネル2
2の表面パネル22dとしては、防水性が確保される素
材が選択される。また、屋根用断熱パネル22、22同
士の接合部には防水テープ41を貼着して防水性を図っ
ている。前記防水テープ41は、固定部品34の取付部
分をも含めて、屋根用断熱パネル22、22同士の接合
部を覆うので、万一、屋根材43の下側に侵入した水
が、屋根用断熱パネル22内や裏面パネル22eに浸透
するといった不都合を確実に防止できる。
【0033】なお、防水性が確保される素材から形成し
た表面パネル22dは、請求項3記載の防水表面層に相
当し、連設した複数の屋根用断熱パネル22の表面パネ
ル22dを連設することにより防水層を形成している。
また、防水表面層としては、表面パネル22dに代え
て、防水性を有する素材からなる薄板や塗膜等の各種構
成の採用が可能である。この防水表面層は、本実施形態
以外の各実施形態にも適用可能である。
【0034】この屋根40では、屋根用断熱パネル22
によって断熱性が確保されるので、断熱材を取り付けて
いない屋根材43を使用している。このため、屋根材4
3、43間の接合作業に断熱材が干渉しないので、接合
作業性が向上し、しかも、施工後に寒暖温度差が作用し
ても、屋根材に取り付けた断熱材の変形等による屋根材
43の異常な変形を防止でき、屋根材43、43…の施
工状態、接合状態を安定に維持することができる。な
お、屋根材43と屋根用断熱パネル22との間には隙間
42が形成され、この隙間42に、屋根用断熱パネル2
2、22間の防水テープ41を位置させることが好まし
く、これにより、防水テープ41が屋根材43に干渉す
ることを防止でき、屋根材43の施工状態に浮き上がり
等の悪影響を与えることは無い。
【0035】また、この屋根40では、各屋根用断熱パ
ネル22の表面パネル22dに防水性を有するものを採
用し、この表面パネル22dと前記防水テープ41とに
よって防水性を確保している。そして、この屋根40で
は、アスファルトルーフィング等の防水層を別途屋根用
断熱パネル22上に形成することを省いているので、構
成部材数が少なく、施工工程数が削減され、図4に示し
た屋根30以上に、一層の低コスト化、施工性の向上、
工期の短縮等が可能になる。また、この屋根40では、
図4に示した屋根30と同様に、耐火性、断熱性、火災
時の低毒性、結露防止等の効果が得られることは言うま
でも無い。
【0036】図6は、本発明の第4実施形態を示す。な
お、図6中、図5と同一の構成部分には同一の符号を付
し、その説明を簡略化する。この屋根50(鉄骨造屋
根)は、母屋あるいは梁としての鉄骨31上に屋根用断
熱パネル22を設置することにより傾斜面に沿って複数
連設し、これら屋根用断熱パネル22、22…上に防水
層51を形成している。各屋根用断熱パネル22、22
…は、この屋根用断熱パネル22の厚さ方向に貫通させ
た固定部品34によって鉄骨31に固定している。防水
層51は、屋根材を兼ねている。
【0037】前記防水層51は、いわゆるメンブレン防
水材からなり、図1記載の防水層23と同様にアスファ
ルト、防水シート、樹脂塗膜等が採用される。この屋根
50では、屋根用断熱パネル22、22…上に施工した
防水層51によって、屋根用断熱パネル22、22同士
の接合箇所や、固定部品34の取付位置等を覆って防水
するので、図6に示した防水テープ41による防水施工
が不要であり、施工性を一層向上することができる。
【0038】この屋根50では、防水層51によって防
水性を確保しており、屋根材43を使用していないの
で、構成部材が極めて少なくて済み、低コスト化でき
る。また、屋根用断熱パネル22を構造材として使用し
て構築していることから、耐熱性、火災時の低毒性、屋
根用断熱パネル22が軽量であることによる施工性の向
上等の効果をも確保できることは言うまでも無い。
【0039】図7は、本発明の第5実施形態を示す。な
お、図7中、図5と同一の構成部分には同一の符号を付
し、その説明を簡略化する。図7において、本実施形態
の屋根60(木造屋根)は、母屋61上に取り付けた垂
木62上に複数の屋根用断熱パネル22、22…を設置
して傾斜面に沿って連設し、これら屋根用断熱パネル2
2上を複数の屋根材43によって葺いている。各屋根用
断熱パネル22は、この屋根用断熱パネル22の厚さ方
向に貫通させた固定部品64によって垂木62に直接固
定している。固定部品64としては釘等の各種構成が採
用可能であり、いずれの構成によっても屋根用断熱パネ
ル22を貫通して設けるものであり、これにより屋根用
断熱パネル22の加工の手間を軽減して低コスト化を図
っている。防水層63は、各屋根用断熱パネル22の防
水表面層として取り付けた表面パネル22d、22dを
面方向に接続したものである。ここで、各屋根用断熱パ
ネル22の表面パネル22dの端部に、互いに重合され
るハゼ部等を形成して、表面パネル22d、22d間の
防水性を高めることも可能であり、これにより、表面パ
ネル22d、22d間の接合部の防水施工を別途実施す
る必要が無くなる。各屋根材43は、図示しない釘等に
よって屋根用断熱パネル22に固定している。屋根用断
熱パネル22の表面パネル22dが木材等からなる場合
には、屋根材43を固定する釘等は表面パネル22dの
みに固定すれば良い。
【0040】この屋根60においても、屋根用断熱パネ
ル22の採用によって、図4に示した屋根30と同様
に、耐火性、断熱性、火災時の低毒性、結露防止等の効
果が得られることは言うまでも無い。しかも、表面パネ
ル22dに低発煙性、低毒性の素材を採用することで、
樹脂等から形成される素材の使用を回避できるので、低
発煙性、低毒性を一層向上することができる。
【0041】図8は、本発明の第6実施形態を示す。な
お、図8中、図7と同一の構成部分には同一の符号を付
し、その説明を簡略化する。図8に示すように、本実施
形態の屋根70(木造屋根)は、母屋61上に取り付け
たパネル支持台71上に複数の屋根用断熱パネル22、
22…を設置して傾斜面に沿って連設し、これら屋根用
断熱パネル22上を複数の屋根材43によって葺いてい
る。また、各屋根用断熱パネル22の表面パネル22d
同士を接続して形成した防水層63を有している。
【0042】前記パネル支持台71は、正面視三角形ブ
ロック状であり、傾斜されたパネル載置面71aを有
し、このパネル載置面71a上に載置した屋根用断熱パ
ネル22を傾斜状態に支持する。各屋根用断熱パネル2
2は、この屋根用断熱パネル22の厚さ方向に貫通させ
た固定部品64によってパネル支持台71に直接固定し
ている。固定部品64としてはビス等の各種構成が採用
可能であり、いずれの構成にしても屋根用断熱パネル2
2を貫通して設けられる。
【0043】この屋根70においても、図7に示した屋
根60と同様に、屋根用断熱パネル22によって、断熱
性、耐火性、施工性の向上、軽量化、小型化等の効果が
十分に得られる。また、この屋根70では、パネル支持
台71の選択によって屋根用断熱パネル22の傾斜角度
を調整することができる。しかも、パネル支持台71は
母屋61毎に設置しているので、例えばパネル支持台7
1毎に屋根用断熱パネル22の傾斜角度を変えることも
可能であり、これにより屋根70の水勾配方向にて屋根
用断熱パネル22の傾斜角度が段階的に変化するように
設定することもでき、屋根70の設計自由度が向上す
る。また、垂木を除いたことにより、屋根70の下側に
十分な空間を広く確保することができ、建物の容積を有
効利用できる。なお、パネル支持台としては、図示した
構成に限定されず、例えば、パネル載置面71aの傾斜
角度の変更機能を具備したもの等、各種構成の採用が可
能である。また、このパネル支持台は、本実施形態に限
定されず、母屋や梁上に屋根用断熱パネルを支持する構
成の各種屋根に適用可能であることは言うまでも無い。
【0044】図9は本発明の第7実施形態を示す。図9
中、図3と同一の構成部分には同一の符号を付し、その
説明を簡略化する。図9において、本実施形態の屋根8
0は、木造陸屋根であり、水平に架設された垂木81上
に屋根用断熱パネル22を複数設置して水平方向に連設
し、これら屋根用断熱パネル22、22…上を防水層2
3によって覆っている。各屋根用断熱パネル22は、そ
の厚さ方向に貫通させた固定部品24(図9では釘)に
よって垂木81に固定している。
【0045】この屋根80においても、図3に示した屋
根20と同様に、屋根用断熱パネル22によって、断熱
性、耐火性、施工性の向上、軽量化、小型化等の効果が
十分に得られる。また、この屋根80では、垂木81上
に屋根用断熱パネル22、22…を敷き並べるようにし
て連設しているので、垂木81上での屋根用断熱パネル
22の固定位置は自由であり、図3に示した屋根20で
は屋根用断熱パネル22の固定位置が鉄骨21上に限定
されるのに比べて、屋根80のサイズや形状に対する高
い汎用性が得られる。また、断熱材や耐火材を別途施工
する必要が無いため、従来構成の木造陸屋根に比べて、
小型化、軽量化が可能であり、特に木造住宅では建物駆
体の構成を無用に大きくすることが回避され、低コスト
化に寄与する。
【0046】図10は本発明の第8実施形態を示す。図
10中、図9と同一の構成部分には同一の符号を付し、
その説明を簡略化する。図10において、本実施形態の
屋根90は、木造陸屋根であり、母屋91上に屋根用断
熱パネル22を設置して水平方向に複数連設し、これら
屋根用断熱パネル22、22…上を防水層23によって
覆っている。各屋根用断熱パネル22は、固定部品24
(図10では釘)によって母屋91に固定している。
【0047】この屋根90においても、図3に示した屋
根20と同様に、屋根用断熱パネル22によって、断熱
性、耐火性、施工性の向上、軽量化、小型化等の効果が
十分に得られる。また、この屋根90では、屋根用断熱
パネル22の厚さ方向に貫通する釘等の固定部品24に
よって母屋91上に屋根用断熱パネル22を固定するの
で、屋根用断熱パネル22の固定作業を極めて簡便に行
うことができる。また、この屋根90では、断熱材や耐
火材を別途施工する必要が無く、しかも、垂木が不要で
あるので、屋根90の下側に十分な空間を確保すること
ができ、この屋根90を施工した建物内の容積を有効に
利用することができる。この場合、屋根用断熱パネル2
2の裏面パネル22eには、美観が得られるものを採用
することが好ましい。また、裏面パネル22eに代え
て、紙やシートの貼着、断熱層22cの表面加工等によ
って装飾層を形成して、屋根用断熱パネル22下面側の
美観を確保することも可能である。
【0048】なお、各実施形態において、屋根用断熱パ
ネル22を鉄骨、垂木、母屋等に固定する固定部品とし
ては、図示したものに限定されず、各種構成の採用が可
能である。各実施形態において、屋根用断熱パネル22
の下面側は、裏面パネル22eあるいは別途形成した装
飾層によって美観を得ていることがより好ましい。これ
により、屋根用断熱パネル22を屋根に施工するだけ
で、屋根下面の内装を行うことができる。図4、図5、
図6、図7、図8記載の屋根材としては、金属屋根板に
限定されず、瓦、スレート、石板、アスファルトルーフ
ィング、シート防水材、塗膜防水材、その他の無機系素
材等も採用可能である。また、金属屋根板の素材として
は、鉄製鋼板以外に、アルミ、アルミ合金、ステンレ
ス、ガルバリウム等も採用可能である。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の屋
根によれば、ハニカムコアのセル内にフェノール樹脂発
泡体が充填されてなる断熱層とこの断熱層の表裏両面に
貼着された表面材とを備えてなる屋根用断熱パネルを、
母屋あるいは梁の上に設置することによりほぼ水平に複
数連設し、各屋根用断熱パネルを該屋根用断熱パネルの
厚さ方向に貫通した固定部品により前記母屋あるいは前
記梁に対して固定し、これら屋根用断熱パネル上に防水
層を形成した構成であり、軽量かつ高い強度が得られる
屋根用断熱パネルによって十分な断熱性、耐火性、吸音
性が確保されるため、断熱材や耐火材や吸音材を別途施
工する必要が無く、従来構造に比べて小型化、軽量化で
き、低コスト化、軽量化、施工性の向上、工期の短縮等
といった優れた効果を奏する。
【0050】請求項2記載の屋根によれば、ハニカムコ
アのセル内にフェノール樹脂発泡体が充填されてなる断
熱層とこの断熱層の表裏両面に貼着された表面材とを備
えてなる屋根用断熱パネルを、母屋あるいは梁あるいは
垂木の上に設置することにより傾斜面に沿って複数連設
し、各屋根用断熱パネルを該屋根用断熱パネルの厚さ方
向に貫通した固定部品により前記母屋あるいは前記梁あ
るいは前記垂木に対して固定し、これら屋根用断熱パネ
ルの上側に防水層を形成し、該防水層上を金属製屋根板
である屋根材によって葺いた構成であり、軽量かつ高い
強度が得られる屋根用断熱パネルによって十分な断熱
性、耐火性、吸音性が確保されるため、断熱層や耐火物
層を別途施工する必要が無く、従来構造に比べて小型
化、軽量化でき、低コスト化、軽量化、施工性の向上、
工期の短縮等といった優れた効果を奏する。特に、本願
屋根は水勾配を以て施工されるため、屋根用断熱パネル
が軽量であることが現場での施工性の向上に寄与し、工
期の短縮を可能にする。
【0051】請求項3記載の屋根によれば、前記防水層
が、傾斜面に沿って複数連設した各屋根用断熱パネルの
上面側に予め形成しておいた防水表面層を面方向に接続
して構成したものであり、別途防水層を施工する必要が
無いので、一層の施工性の向上、工期の短縮が可能にな
るといった優れた効果を奏する。
【0052】請求項4記載の屋根によれば、前記屋根用
断熱パネルを、母屋上に設置したパネル支持台上に設置
することにより傾斜面に沿って複数連設し、これら屋根
用断熱パネル上を屋根材によって葺いてなり、前記パネ
ル支持台によって前記屋根用断熱パネルの傾斜角度が調
整可能になっている構成であり、軽量かつ高い強度が得
られる屋根用断熱パネルによって十分な断熱性、耐火
性、吸音性が確保されるため、断熱材や耐火材や吸音材
を別途施工する必要が無く、従来構造に比べて小型化、
軽量化でき、低コスト化、軽量化、施工性の向上、工期
の短縮等といった優れた効果を奏する。特に、本願発明
では、屋根材を支持する野地板の機能を果たす屋根用断
熱パネルの傾斜角度をパネル支持台によって調整するこ
とで、屋根の部分的な水勾配の調整が可能になり、屋根
の設計自由度が向上する。
【0053】なお、請求項5記載の発明では、屋根用断
熱パネル上を金属製屋根板である多数の屋根材によって
葺いたことで、屋根材間の接合作業に断熱材が干渉しな
いので、接合作業性が向上し、しかも、施工後に寒暖温
度差が作用しても、屋根材に取り付けた断熱材の変形等
による屋根材の異常な変形を防止でき、屋根材の施工状
態、接合状態を安定に維持することができる。
【0054】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の屋根の第1実施形態を示す正面図で
ある。
【図2】 本発明の屋根用断熱パネルの一例を示す斜視
図である。
【図3】 図1の屋根における、屋根用断熱パネルの固
定構造を示す正面図である。
【図4】 本発明の屋根の第2実施形態を示す図であっ
て、(a)は正面図、(b)は鉄骨近傍を水勾配下流側
から見た断面図である。
【図5】 本発明の屋根の第3実施形態を示す正面図で
ある。
【図6】 本発明の屋根の第4実施形態を示す正面図で
ある。
【図7】 本発明の屋根の第5実施形態を示す正面図で
ある。
【図8】 本発明の屋根の第6実施形態を示す正面図で
ある。
【図9】 本発明の屋根の第7実施形態を示す正面図で
ある。
【図10】 本発明の屋根の第8実施形態を示す正面図
である。
【図11】 従来例の陸屋根を示す分解図である。
【図12】 従来例の鉄骨造葺き屋根を示す正面図であ
る。
【符号の説明】
20…屋根(陸屋根)、21…母屋あるいは梁(鉄
骨)、22…屋根用断熱パネル、22a…ハニカムコ
ア、22b…フェノール樹脂発泡体、22c…断熱層、
22d…防水層(表面パネル)、22e…装飾層(裏面
パネル)、23…防水層、30…屋根(鉄骨造葺き屋
根)、31…母屋あるいは梁(鉄骨)、32…防水層、
33…屋根材(長尺金属屋根板)、40…屋根(鉄骨造
葺き屋根)、43…屋根材(金属製屋根板)、50…屋
根(鉄骨造葺き屋根)、51…屋根材(防水層)、60
…屋根(木造葺き屋根)、61…母屋、62…垂木、6
3…防水層、70…屋根(木造葺き屋根)、71…パネ
ル支持台、80…屋根、90…屋根、91…母屋。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 清司 群馬県高崎市宿大類町700番地 群栄化 学工業株式会社内 (72)発明者 川合 三千夫 東京都台東区浅草橋二丁目三番九号 鈴 鹿金属株式会社内 (72)発明者 榊原 蔵 東京都新宿区西新宿8丁目15番3号 株 式会社エスコ内 (56)参考文献 特開 平8−277586(JP,A) 特開 平8−82021(JP,A) 特開 平6−341200(JP,A) 特開 平7−54435(JP,A) 実開 昭58−123117(JP,U) 実開 平5−49934(JP,U) 実開 平4−103918(JP,U) 特公 昭53−11130(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04B 7/02 511 E04B 7/04 E04D 12/00 E04C 2/36 E04C 2/38

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハニカムコアのセル内にフェノール樹脂
    発泡体が充填されてなる断熱層とこの断熱層の表裏両面
    に貼着された表面材とを備えてなる屋根用断熱パネル
    を、母屋あるいは梁の上に設置することによりほぼ水平
    に複数連設し、各屋根用断熱パネルを該屋根用断熱パネ
    ルの厚さ方向に貫通した固定部品により前記母屋あるい
    は前記梁に対して固定し、これら屋根用断熱パネル上に
    防水層を形成したことを特徴とする屋根。
  2. 【請求項2】 ハニカムコアのセル内にフェノール樹脂
    発泡体が充填されてなる断熱層とこの断熱層の表裏両面
    に貼着された表面材とを備えてなる屋根用断熱パネル
    を、母屋あるいは梁あるいは垂木の上に設置することに
    より傾斜面に沿って複数連設し、各屋根用断熱パネルを
    該屋根用断熱パネルの厚さ方向に貫通した固定部品によ
    り前記母屋あるいは前記梁あるいは前記垂木に対して固
    定し、これら屋根用断熱パネルの上側に防水層を形成
    し、該防水層上を屋根材によって葺いたことを特徴とす
    る屋根。
  3. 【請求項3】 前記防水層が、傾斜面に沿って複数連設
    した各屋根用断熱パネルの上面側に予め形成しておいた
    防水表面層を面方向に接続して構成したものであること
    を特徴とする請求項2記載の屋根。
  4. 【請求項4】 前記屋根用断熱パネルを、母屋上に設置
    したパネル支持台上に設置することにより傾斜面に沿っ
    て複数連設し、これら屋根用断熱パネル上を屋根材によ
    って葺いてなり、前記パネル支持台によって前記屋根用
    断熱パネルの傾斜角度が調整可能になっていることを特
    徴とする請求項2または3に記載の屋根。
  5. 【請求項5】 屋根用断熱パネル上を金属製屋根板であ
    る多数の屋根材によって葺いたことを特徴とする請求項
    2から4のいずれかに記載の屋根。
JP9339162A 1997-12-09 1997-12-09 屋 根 Expired - Fee Related JP3057044B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9339162A JP3057044B2 (ja) 1997-12-09 1997-12-09 屋 根

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9339162A JP3057044B2 (ja) 1997-12-09 1997-12-09 屋 根

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11172834A JPH11172834A (ja) 1999-06-29
JP3057044B2 true JP3057044B2 (ja) 2000-06-26

Family

ID=18324833

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9339162A Expired - Fee Related JP3057044B2 (ja) 1997-12-09 1997-12-09 屋 根

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3057044B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ITBO20060144A1 (it) 2006-02-28 2007-09-01 Luigi Papa Pannello strutturale composito e relativo metodo di fabbricazione.
JP6431791B2 (ja) * 2015-03-11 2018-11-28 三晃金属工業株式会社 軒構造

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11172834A (ja) 1999-06-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7545332B2 (ja) 断熱材に結合される少なくとも1つの硬化セメント質層を備えたプレハブ断熱建築用パネル
US4114335A (en) Sheet metal structural shape and use in building structures
US4507901A (en) Sheet metal structural shape and use in building structures
CA2516135C (en) Fiberglass reinforced spray foam roof construction
EP3342949B1 (en) Roof structure
JP2981196B2 (ja) 屋 根
JP3039924B1 (ja) 建築物の外断熱構造および外断熱工法
JP3057044B2 (ja) 屋 根
JP4596486B2 (ja) 木造建物の外張り断熱構造
US10590653B1 (en) Roof assemblies with inset solar panels, methods for their manufacture, and the use of such assemblies in a building
RU2718898C2 (ru) Кровельная конструкция
CN209942062U (zh) 一种用于穹顶结构的新型隔音保温隔热结构
EP2449185B1 (en) Supplementary insulation system and a method for insulating a façade
JP3360555B2 (ja) 木造住宅の高気密・高断熱構造
JP6944681B1 (ja) 屋根構造
JPH11241426A (ja) 断熱パネル及び該断熱パネルを用いた断熱構造
JP2000345679A (ja) 外装材取付け下地パネルと外装材取付け下地パネルの施工方法
US10640973B1 (en) Buildings with continuous insulation bridging a roof assembly and a floor assembly
JP3389167B2 (ja) 屋根の改修構造及び改修方法
JP2004232198A (ja) 外張り断熱構造及びその施工方法
JP3587220B2 (ja) 改修構造
JP2000120163A (ja) 建築汎用調湿断熱パネルと建築汎用調湿断熱パネルを用いた木造軸組パネル工法
CZ34152U1 (cs) Systém střešního zateplení budov
JPH08277597A (ja) 断熱屋根パネルおよび屋根構造
JPH0133622B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20000307

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees