JP3056643B2 - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性樹脂組成物

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JP3056643B2
JP3056643B2 JP6169816A JP16981694A JP3056643B2 JP 3056643 B2 JP3056643 B2 JP 3056643B2 JP 6169816 A JP6169816 A JP 6169816A JP 16981694 A JP16981694 A JP 16981694A JP 3056643 B2 JP3056643 B2 JP 3056643B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機器用、自動車用電線
の絶縁材として用いられる熱可塑性樹脂組成物に係り、
特に、機器用、自動車用に用いられる薄肉系の絶縁電線
の絶縁材として所謂ノンハロ難燃コンパウンドを用い難
燃性・耐摩耗性を向上することのできる難燃性樹脂組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、優れた合成樹脂が安価に作られる
ようになり、成形のし易さ、耐久性の良さ等の面で、台
所用品等の日用雑貨品のあらゆる製品に用いられるに至
っている。特に、加熱により可塑性を呈し、これを冷却
すると固化し、またこれを再熱すれば再び可塑性を呈す
る熱可塑性樹脂組成物が使われている。また、この熱可
塑性樹脂組成物は、耐水性に優れているところから地中
埋設用の土木シートに用いられる。他面、この熱可塑性
樹脂組成物は、電気的性質にすぐれ誘電率が小さく誘電
損失が少ないため、絶縁体やシースとして導体や絶縁電
線の上に被覆して形成される絶縁電線・ケーブル等に用
いられている。
【0003】従来、熱可塑性樹脂組成物として、耐電圧
及び絶縁抵抗が比較的高く、生産コストが低いところか
らポリ塩化ビニル樹脂組成物が多く用いられている。ま
た、このポリ塩化ビニル樹脂組成物は、単独で難燃性に
優れている。
【0004】ところが、このようなポリ塩化ビニル樹脂
組成物を用いた従来の熱可塑性樹脂組成物にあっては、
例えば、焼却廃却処分するために電線・ケーブルを燃焼
すると、ポリ塩化ビニル樹脂組成物から塩化水素ガスが
発生する。この塩化水素ガスは、腐食性ガスであり、有
害であるという問題点を有している。
【0005】そこで、近年、ハロゲン化物を用いない絶
縁体としてポリエチレン等のオレフィン系樹脂組成物を
自動車のワイヤハーネス等、高温を発する箇所の電線・
ケーブルの絶縁体に用いる試みがなされている。このオ
レフィン系樹脂組成物は、単独では難燃性がないため、
水酸化マグネシウム等の金属水酸化物を混合して難燃性
を持たせている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなオレフィン系樹脂組成物を主体とした絶縁体は、高
度な難燃特性を得るために、水酸化マグネシウム等の金
属水酸化物を多量に混合する必要がある。ところが、水
酸化マグネシウム等の金属水酸化物を多量に混合すると
機械的衝撃に対する耐摩耗性が低下するという問題があ
り、耐摩耗性の低下を抑えようとすると混入する水酸化
マグネシウム等の金属水酸化物の量を少なくしなければ
ならない。ところが、水酸化マグネシウム等の金属水酸
化物の配合量を少なくすると、高度な難燃特性を得るこ
とができない。例えば、自動車用のワイヤハーネスの絶
縁体等、その使用目的によっては耐摩耗性よりも難燃性
に重点を置かねばならない場合もある。オレフィン系樹
脂を主成分とする絶縁体用いた場合にも、この難燃性
を、従来のポリ塩化ビニル樹脂組成物を絶縁体に用いた
場合の難燃性と同等にするには、オレフィン系樹脂に水
酸化マグネシウム等の金属水酸化物を大量に混合しなけ
ればならない。ところが、オレフィン系樹脂でポリ塩化
ビニル樹脂組成物同様の難燃性を得ようと、金属水酸化
物を大量に配合すると、耐摩耗性が著しく低下してしま
うという問題点を有している。
【0007】そこで、オレフィン系樹脂を主成分とする
絶縁体用いる場合、オレフィン系樹脂に水酸化マグネ
シウム等の金属水酸化物の量を少なく配合し、リン系難
燃剤の難燃助剤を混合して難燃性を得ようとするものが
あるが、その難燃助剤の効果は、顕著なものとなってお
らず、高度な難燃特性を得ることができないという問題
点を有している。
【0008】本発明の目的は、オレフィン系樹脂を主成
分とし、ハロゲン化物を含まず、耐摩耗性の低下を来す
ことなく、機械的な強度、伸び性を低下させず、燃焼時
にハロゲン化水素を発生させることなく従来のポリ塩化
ビニル樹脂組成物の難燃性と同等以上の難燃性を持たせ
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願請求項1記載の発明
に係る難燃性樹脂組成物においては、オレフィン系樹脂
100重量部に、複合金属水酸化物を50〜200重量
部、水ガラスを0.5〜10重量部配合して構成したも
のである。
【0010】
【0011】本願請求項記載の発明に係る難燃性樹脂
組成物においては、オレフィン系樹脂100重量部に、
複合金属水酸化物を50〜200重量部、水ガラスを
0.5〜10重量部及びフリットを0.5〜20重量部
配合して構成したものである。
【0012】本願請求項記載の発明に係る難燃性樹脂
組成物においては、金属水酸化物を、 で構成したものである。
【0013】本発明において、オレフィン系樹脂は、直
鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)、エチレン−
アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−酢酸
ビニル共重合体(EVA)、ポリプロピレン(PP)等
オレフィンポリマーである。複合金属水酸化物は、オレ
フィン系樹脂に用いられる無機系難燃剤で、 で、構成されている。この複合金属水酸化物は、難燃助
剤として水ガラス、フリットを配合することによって難
燃特性が有効的に働く。この複合された金属水酸化物の
作用としては、200℃〜340℃の間で吸熱反応が脱
水の形で激しく起こることによる。この複合金属水酸化
物の配合量を50〜200重量部としたのは、複合金属
水酸化物の配合量が50重量部を下回ると、所望の難燃
性(45゜傾斜燃焼試験で30秒以内で消炎する)を得
られないからであり、複合金属水酸化物の配合量が20
0重量部を超えても難燃性に大きな変化がない割に機械
的強度の低下が大きくなるからである。
【0014】本発明は、難燃剤である複合金属水酸化物
に難燃助剤として水ガラスを配合するか、又は水ガラス
とフリットとを配合する点に特徴を有している。水ガラ
スは、NA2 On・SiO2 のn>1のもので、水溶性
を有するのである。そして、この水ガラスは、一般に
は、ケイ砂(SiO3 )とソーダ灰(NA2 CO3 )を
NA2 O/SiO3 =1.6〜3.8程度に混合し、加
熱溶融したものの濃厚水溶液で、粘度が高く透明であ
る。複合金属水酸化物に難燃助剤として水ガラスを配合
すると、難燃剤である複合化された水酸化マグネシウム
が脱水により消火された樹脂分や炭火固形分を包み固化
し、それ以上の燃焼をしない。この水ガラスは、燃焼時
に溶融を始め、酸素遮断的作用を示し、ここで主難燃剤
である複合化された水酸化マグネシウムが脱水された樹
脂分や炭化固形分を包み固化し、それ以上の燃焼を抑制
する。すなわち、この水ガラスは、ケーブル燃焼時に溶
融し、酸素を遮断して難燃剤である複合化された水酸化
マグネシウムによって炭化した部分や未燃焼の樹脂分を
包み込んで固化し、ケーブルの樹脂をそれ以上燃焼させ
ない作用を有している。
【0015】この水ガラスの配合を0.5〜10重量部
としたのは、水ガラスの配合量が0.5重量部を下回る
と、ケーブル燃焼時に溶融しても酸素を遮断する効果が
低く、さらに難燃剤である複合化された水酸化マグネシ
ウムによって炭化した部分や未燃焼の樹脂分を完全に包
み込んで固化することができないからである。さらにま
た、水ガラスの配合量が0.5重量部を下回ると、所望
の難燃性(45゜傾斜燃焼試験で30秒以内で消炎す
る)を得るために複合化された水酸化マグネシウムの配
合量を多く配合しなければならず、機械的強度の低下を
招いてしまうことになるからである。
【0016】フリットは、広義のガラスの一種で、陶磁
器またはホウロウ用ウワグスリ、焼付け用フラックスな
どを製造する場合、その成分の一部または全部を溶融し
てガラス用としたものである。このフリットは、燃焼時
に溶融を始め、酸素遮断的作用を示し、ここで主難燃剤
である複合化された水酸化マグネシウムが脱水された樹
脂分や炭化固形分を包み固化し、それ以上の燃焼を抑制
する。すなわち、このフリットは、ケーブル燃焼時に溶
融し、酸素を遮断して難燃剤である複合化された水酸化
マグネシウムによって炭化した部分や未燃焼の樹脂分を
包み込んで固化し、ケーブルの樹脂をそれ以上燃焼させ
ない作用を有している。
【0017】このフリットの配合を0.5〜20重量部
としたのは、フリットの配合量が0.5重量部を下回る
と、ケーブル燃焼時に溶融しても酸素を遮断する効果が
低く、さらに難燃剤である複合化された水酸化マグネシ
ウムによって炭化した部分や未燃焼の樹脂分を完全に包
み込んで固化することができないからである。さらにま
た、水ガラスの配合量が0.5重量部を下回ると、所望
の難燃性(45゜傾斜燃焼試験で30秒以内で消炎す
る)を得るために複合化された水酸化マグネシウムの配
合量を多く配合しなければならず、機械的強度の低下を
招いてしまうことになるからである。
【0018】このようにポリオレフィン樹脂に複合金属
水酸化物と水ガラスを混合することにより、又は、ポリ
オレフィン樹脂に複合金属水酸化物と水ガラスとフリッ
トを混合することにより、一方では複合金属水酸化物と
しての吸熱反応が約200〜350℃で開始され、更に
金属水酸化物の複合化により触媒作用として激しく、し
かも低温で吸熱反応が起こり、他方で、その前後の温度
で水ガラスが溶融して、又は、水ガラスとフリット
溶融してポリオレフィン樹脂と酸素とを遮断すると共
に水ガラスが結晶化し固形化するか、又は、水ガラスと
フリットが結晶化し固形化するという2つの難燃化作用
(吸熱−固化、酸素遮断−固化)の相乗効果によっ
て難燃性が向上する。
【0019】
【作用】オレフィン系樹脂に複合金属水酸化物を配合
し、水ガラスを添加して、又は、水ガラスとフリット
を添加して構成しているため、オレフィン系樹脂を主成
分とし、ハロゲン化物を含まず、耐摩耗性の低下を来す
ことなく、機械的な強度、伸び性を低下させず、燃焼時
にハロゲン化水素を発生させることなく従来のポリ塩化
ビニル樹脂組成物の難燃性と同等以上の難燃性を持たせ
ることができる。
【0020】そして、これらの効果を得るためには、オ
レフィン系樹脂100重量部に、複合金属水酸化物を5
0〜200重量部、水ガラスを0.5〜10重量部及び
又はフリットを0.5〜20重量部配合すればよい。
【0021】オレフィン系樹脂に、直鎖状低密度ポリエ
チレン、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレンのいずれか1
種又は2種以上の混合物を用いることにより、ハロゲン
化物を含まず、耐摩耗性の低下を来すことなく、機械的
な強度、伸び性を低下させず、燃焼時にハロゲン化水素
を発生させることなく従来のポリ塩化ビニル樹脂組成物
の難燃性と同等以上の難燃性を持たせることができる。
【0022】複合金属水酸化物として、 を用いることで、難燃性を強化することができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明に係る難燃オレフィン系樹脂組
成物の具体的実施例について比較例、従来例と比較して
説明する。 実施例1 本実施例は、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(E
EA、具体的には、日本石油化学株式会社製 A−11
00)100重量部に対して、複合金属水酸化物B(具
体的には、Mg 1-X Ni x (OH) 2 (x=0.3
2))115重量部、水ガラス(具体的には、セントラ
ル硝子株式会社製 ケイ酸ソーダNa 2 O・4.5Si
2 )2重量部、酸化防止剤(具体的には、旭電化工業
株式会社製テトラエステル型高分子量ビンダートフェノ
ールAO−60)2重量部を配合したものである。
【0024】
【0025】実施例 本実施例は、直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDP
E、具体的には、出光石油化学株式会社製 0134
N)70重量部に対し、エチレン−酢酸ビニル共重合体
(EVA、具体的には、三井デュポンケミカル EV1
50)20重量部、ポリプロピレン(PP、具体的に
は、日本石油化学株式会社製 J420G)10重量
部、複合金属水酸化物C(具体的には、Mg1-X Mn2+
x (OH)2 (x=0.10)130重量部、水ガラス
(具体的には、セントラル硝子株式会社製ケイ酸ソーダ
Na2 O・4.5SiO2 )0.5重量部、フリット
(具体的には、BRUNNER MOND&COMPA
NY製 CEEPREE)2重量部、酸化防止剤(具体
的には、旭電化工業株式会社製 テトラエステル型高分
子量ビンダートフェノールAO−60)2重量部を配合
したものである。
【0026】実施例 本実施例は、直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDP
E、具体的には、出光石油化学株式会社製 0134
N)45重量部、エチレン−アクリル酸エチル共重合体
(EEA、具体的には、日本石油化学株式会社製 A−
1100)50重量部、ポリプロピレン(PP、具体的
には、日本石油化学株式会社製 J420G)5重量部
に対して、複合金属水酸化物A(具体的には、Mg1-X
Zn2+ x (OH)2 (x=0.01))200重量部、
水ガラス(具体的には、セントラル硝子株式会社製 ケ
イ酸ソーダNa2 O・4.5SiO2 )0.5重量部、
フリット(具体的には、BRUNNER MOND&C
OMPANY製 CEEPREE)0.5重量部、酸化
防止剤(具体的には、旭電化工業株式会社製 テトラエ
ステル型高分子量ビンダートフェノールAO−60)2
重量部を配合したものである。
【0027】実施例 本実施例は、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(E
EA、具体的には、日本石油化学株式会社製 A−11
00)100重量部に対して、複合金属水酸化物B(具
体的には、Mg1-X Ni2+ x (OH)2 (x=0.3
2))50重量部、水ガラス(具体的には、セントラル
硝子株式会社製 ケイ酸ソーダNa2 O・4.5SiO
2 )5重量部、フリット(具体的には、BRUNNER
MOND&COMPANY製 CEEPREE)10
重量部、酸化防止剤(具体的には、旭電化工業株式会社
製 テトラエステル型高分子量ビンダートフェノールA
O−60)2重量部を配合したものである。
【0028】実施例 本実施例は、直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDP
E、具体的には、出光石油化学株式会社製 0134
N)70重量部に対し、エチレン−酢酸ビニル共重合体
(EVA、具体的には、三井デュポンケミカル EV1
50)30重量部、複合金属水酸化物D(具体的には、
Mg1-(X+Y) Nix Coy (OH)2 (x=0.01,
y=0.49)100重量部、水ガラス(具体的には、
セントラル硝子株式会社製 ケイ酸ソーダNa2 O・
4.5SiO2 )2重量部、酸化防止剤(具体的には、
旭電化工業株式会社製 テトラエステル型高分子量ビン
ダートフェノールAO−60)2重量部を配合したもの
である。
【0029】実施例 本実施例は、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(E
EA、具体的には、日本石油化学株式会社製 A−11
00)25重量部、エチレン−酢酸ビニル共重合体(E
VA、具体的には、三井デュポンケミカル EV15
0)70重量部、ポリプロピレン(PP、具体的には、
日本石油化学株式会社製 J420G)5重量部に対し
て、複合金属水酸化物B(具体的には、Mg1-X Ni2+
x (OH)2 (x=0.32))80重量部、水ガラス
(具体的には、セントラル硝子株式会社製 ケイ酸ソー
ダNa2 O・4.5SiO2 )10重量部、フリット
(具体的には、BRUNNER MOND&COMPA
NY製 CEEPREE)10重量部、酸化防止剤(具
体的には、旭電化工業株式会社製 テトラエステル型高
分子量ビンダートフェノールAO−60)2重量部を配
合したものである。
【0030】実施例 本実施例は、直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDP
E、具体的には、出光石油化学株式会社製 0134
N)50重量部、エチレン−アクリル酸エチル共重合体
(EEA、具体的には、日本石油化学株式会社製 A−
1100)50重量部に対して、複合金属水酸化物A
(具体的には、Mg1-X Zn2+ x (OH)2 (x=0.
01))20重量部、複合金属水酸化物B(具体的に
は、Mg1-X Ni2+ x (OH)2 (x=0.32))2
0重量部、複合金属水酸化物C(具体的には、Mg1-X
Mn2+ x (OH)2 (x=0.10)70重量部、水ガ
ラス(具体的には、セントラル硝子株式会社製 ケイ酸
ソーダNa2 O・4.5SiO2 )5重量部、フリット
(具体的には、BRUNNER MOND&COMPA
NY製 CEEPREE)5重量部、酸化防止剤(具体
的には、旭電化工業株式会社製 テトラエステル型高分
子量ビンダートフェノールAO−60)2重量部を配合
したものである。
【0031】また、これらの実施例に基づく難燃性樹脂
組成物について、1.0mm厚のプレスシートを作成
し、引張強さ(MPa)、伸び(%)を測定し、また、
これら実施例に基づく難燃性樹脂組成物のそれぞれを、
0.4mm厚の絶縁体として電線に被覆して自動車用低
圧電線(AV線)を作成し、スクレープ試験と、45゜
傾斜燃焼試験による難燃性(消炎時間)を測定した。そ
の比較結果が表1、表2に示してある。
【0032】 比較例1 比較例1は、直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDP
E、具体的には、出光石油化学株式会社製 0134
N)100重量部に対して、複合金属水酸化物A(具体
的には、Mg 1−X Zn 2+ (OH) (x=0.
01))100重量部、水ガラス(具体的には、セント
ラル硝子株式会社製 ケイ酸ソーダNa O・4.5S
iO 2 )0.2重量部を配合したものである。
【0033】比較例2 比較例2は、実施例と組成成分を同じくし、複合金属
水酸化物Bの配合量を120重量部、水ガラスの配合量
を15重量部としたものである。
【0034】比較例3 比較例3は、実施例における水ガラスの配合を止め、
フリットの配合量を0.2重量部としたもので、他は実
施例と同様である。
【0035】比較例4 比較例4は、実施例における水ガラスの配合を止め、
フリットの配合量を25重量部としたもので、他は実施
と同様である。
【0036】比較例5 比較例5は、実施例と組成成分を同じくし、複合金属
水酸化物Bの配合量を230重量部、水ガラスの配合量
を0.5重量部、フリットの配合量を0.5重量部とし
たもので、他は実施例と同様である。
【0037】比較例6 比較例6は、直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDP
E、具体的には、出光石油化学株式会社製 0134
N)100重量部に対し、水酸化マグネシウム(Mg
(OH)2 )100重量部、フリット(具体的には、B
RUNNER MOND&COMPANY製 CEEP
REE)20重量部、酸化防止剤(具体的には、旭電化
工業株式会社製 テトラエステル型高分子量ビンダート
フェノールAO−60)2重量部を配合したものであ
る。
【0038】比較例7 比較例7は、比較例6の水酸化マグネシウム(Mg(O
H)2 )の配合量を130重量部としたもので、他は比
較例6と同様である。
【0039】比較例8 比較例8は、直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDP
E、具体的には、出光石油化学株式会社製 0134
N)50重量部、エチレン−アクリル酸エチル共重合体
(EEA、具体的には、日本石油化学株式会社製 A−
1100)50重量部に対して、複合金属水酸化物B
(具体的には、Mg1-X Ni2+ x (OH)2(x=0.
32))40重量部、水ガラス(具体的には、セントラ
ル硝子株式会社製 ケイ酸ソーダNa2 O・4.5Si
2 )0.5重量部、フリット(具体的には、BRUN
NER MOND&COMPANY製 CEEPRE
E)0.5重量部、酸化防止剤(具体的には、旭電化工
業株式会社製 テトラエステル型高分子量ビンダートフ
ェノールAO−60)2重量部を配合したものである。
【0040】また、これらの比較例に基づく難燃性樹脂
組成物について、1.0mm厚のプレスシートを作成
し、引張強さ(MPa)、伸び(%)を測定し、また、
これら比較例に基づく難燃性樹脂組成物のそれぞれを、
0.4mm厚の絶縁体として電線に被覆して自動車用低
圧電線(AV線)を作成し、スクレープ試験と、45゜
傾斜燃焼試験による難燃性(消炎時間)を測定した。そ
の比較結果が表3、表4に示してある。
【0041】表 3 表 4 従来例1 従来例1は、直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDP
E、具体的には、出光石油化学株式会社製 0134
N)100重量部に対して、水酸化マグネシウム(Mg
(OH)2 )100重量部、リン酸エステル(具体的に
は、芳香族縮合リン酸エステル、大八化学工業株式会社
製 CR−733S)10重量部、酸化防止剤(具体的
には、旭電化工業株式会社製 テトラエステル型高分子
量ビンダートフェノールAO−60)2重量部を配合し
たものである。
【0042】従来例2 従来例2は、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(E
EA、具体的には、日本石油化学株式会社製 A−11
00)100重量部に対して、水酸化マグネシウム(M
g(OH)2 )120重量部、リン酸エステル(具体的
には、芳香族縮合リン酸エステル、大八化学工業株式会
社製 CR−733S)10重量部、酸化防止剤(具体
的には、旭電化工業株式会社製 テトラエステル型高分
子量ビンダートフェノールAO−60)2重量部を配合
したものである。
【0043】従来例3 従来例3は、直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDP
E、具体的には、出光石油化学株式会社製 0134
N)70重量部に対し、エチレン−酢酸ビニル共重合体
(EVA、具体的には、三井デュポンケミカル EV1
50)30重量部、水酸化マグネシウム(Mg(OH)
2 )150重量部、酸化防止剤(具体的には、旭電化工
業株式会社製 テトラエステル型高分子量ビンダートフ
ェノールAO−60)2重量部を配合したものである。
【0044】従来例4 従来例4は、直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDP
E、具体的には、出光石油化学株式会社製 0134
N)100重量部に対して、複合金属水酸化物A(具体
的には、Mg1-X Zn2+ x (OH)2 (x=0.0
1))100重量部、リン酸エステル(具体的には、芳
香族縮合リン酸エステル、大八化学工業株式会社製 C
R−733S)5重量部、酸化防止剤(具体的には、旭
電化工業株式会社製 テトラエステル型高分子量ビンダ
ートフェノールAO−60)2重量部を配合したもので
ある。
【0045】従来例5 従来例5は、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(E
EA、具体的には、日本石油化学株式会社製 A−11
00)100重量部に対して、複合金属水酸化物B(具
体的には、Mg1-X Ni2+ x (OH)2 (x=0.3
2))150重量部、リン酸エステル(具体的には、芳
香族縮合リン酸エステル、大八化学工業株式会社製 C
R−733S)3重量部、酸化防止剤(具体的には、旭
電化工業株式会社製 テトラエステル型高分子量ビンダ
ートフェノールAO−60)2重量部を配合したもので
ある。
【0046】従来例6 従来例6は、実施例6の水ガラスの代りにリン酸エステ
ルを4重量部配合したもので、他は実施例6と同一の組
成成分を有したものである。
【0047】従来例7 従来例7は、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(E
EA、具体的には、日本石油化学株式会社製 A−11
00)40重量部、エチレン−酢酸ビニル共重合体(E
VA、具体的には、三井デュポンケミカル EV15
0)50重量部、ポリプロピレン(PP、具体的には、
日本石油化学株式会社製 J420G)10重量部に対
して、複合金属水酸化物D(具体的には、Mg1-(X+Y)
Nix Coy (OH)2 (x=0.01,y=0.4
9)200重量部、リン酸エステル(具体的には、芳香
族縮合リン酸エステル、大八化学工業株式会社製 CR
−733S)3重量部、酸化防止剤(具体的には、旭電
化工業株式会社製 テトラエステル型高分子量ビンダー
トフェノールAO−60)2重量部を配合したものであ
る。
【0048】従来例8 従来例8は、直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDP
E、具体的には、出光石油化学株式会社製 0134
N)50重量部、エチレン−アクリル酸エチル共重合体
(EEA、具体的には、日本石油化学株式会社製 A−
1100)50重量部に対して、水酸化マグネシウム
(Mg(OH)2 )150重量部、酸化防止剤(具体的
には、旭電化工業株式会社製 テトラエステル型高分子
量ビンダートフェノールAO−60)2重量部を配合し
たものである。
【0049】また、これらの従来例に基づく難燃性樹脂
組成物について、1.0mm厚のプレスシートを作成
し、引張強さ(MPa)、伸び(%)を測定し、また、
これら従来例に基づく難燃性樹脂組成物のそれぞれを、
0.4mm厚の絶縁体として電線に被覆して自動車用低
圧電線(AV線)を作成し、スクレープ試験と、45゜
傾斜燃焼試験による難燃性(消炎時間)を測定した。そ
の比較結果が表5、表6に示してある。
【0050】表 5 表 6 この表1〜表6中の45゜傾斜燃焼試験は、日本工業規
格JISC3005の難燃試験を基本にして、試料を4
5゜傾斜させて行ったものである。すなわち、図1に示
すように、完成品(0.4mm厚の絶縁体として電線に
被覆して作成した自動車用低圧電線)から採取した長さ
約300mmの試料を、45゜傾斜させて維持し、還元
炎の先端を、試料の下端部の下側に、30秒以内で試料
が燃焼を開始するまで当て、燃焼を開始すると炎を静か
に取り去り、その後の試料の燃焼の程度を調べる。すな
わち、炎を静かに取り去った後、独立して燃焼し始めた
試料の燃焼が、停止(消炎)するまでの時間(秒)を調
べたものである。すなわち、一旦独立して燃焼し始めた
試料を自然に放置することによって消炎(消火)するま
での時間は、試料の難燃性を示し、消炎するまでの時間
が短いほど難燃性が高いことを示している。この45゜
傾斜燃焼試験の目標値(ポリ塩化ビニル樹脂組成物を絶
縁体として用いた場合の規格値)は、炎を静かに取り去
った後、消炎するまでの時間が30sec以内である。
【0051】また、表1〜表6中の水平燃焼試験は、日
本工業規格JISC3005の難燃試験に基づくもの
で、試料を水平に保持して行ったものである。すなわ
ち、完成品(0.4mm厚の絶縁体として電線に被覆し
て作成した自動車用低圧電線)から採取した長さ約30
0mmの試料を、水平に維持し、還元炎の先端を、試料
の下側から当て、30秒以内で試料が燃焼を開始するま
で当て、燃焼を開始すると炎を静かに取り去り、その後
の試料の燃焼の程度を調べる。すなわち、炎を静かに取
り去った後、独立して燃焼し始めた試料の燃焼が、停止
(消炎)するまでの時間(秒)を調べたものである。す
なわち、一旦独立して燃焼し始めた試料を自然に放置す
ることによって消炎(消火)するまでの時間は、試料の
難燃性を示し、消炎するまでの時間が短いほど難燃性が
高いことを示している。この水平燃焼試験の目標値(ポ
リ塩化ビニル樹脂組成物を絶縁体として用いた場合の規
格値)は、炎を静かに取り去った後、自然消炎(自然消
火)するまでの時間が15sec以内である。
【0052】ここで、2つの燃焼試験で目標値がそれぞ
れ異なるのは、45゜傾斜した状態における燃焼の場合
は、水平に維持された状態における燃焼の場合よりも燃
焼の伝播がしやすく、自然消炎(自然消火)について
は、厳しい条件となっているためである。すなわち、4
5゜傾斜燃焼の場合は、30sec以内、水平燃焼の場
合は、15sec以内となっている。
【0053】この表1〜表6中の引張強さ(MPa)
は、どの程度の力(MPa)で引っ張ったときに引き千
切れるかを示したものである。すなわち、この引張強さ
によって機械的強度が判る。また、表1〜表6中の伸び
(%)は、一定の力で引っ張って伸びる伸び具合を示し
たものである。引張強さ(MPa)の目標値は、5MP
a以上で、伸び(%)の目標値は、100%以上であ
る。
【0054】次に、表1〜表6に示される成分組成に基
づいて行われた試験結果について検討する。まず、表
1、表2に示される実施例1〜実施例においては、4
5゜傾斜難燃試験が、5〜25secといずれも目標値
30sec以内という基準を満たしている。また、水平
難燃試験においても、1〜10secでいずれも目標値
15sec以内という基準を満たしている。また、引張
り強さ(MPa)が8〜22となっており、いずれも目
標値5以上という基準を満たしている。さらには、伸び
についても、120〜270%となっており、いずれも
目標値100以上という基準を満たしている。
【0055】表3、表4に示される比較例1〜比較例8
を検討すると、45゜傾斜難燃試験で、比較例2が12
sec、比較例4が6sec、比較例5が5sec、比
較例6が27sec、比較例7が17secでいずれも
目標値30sec以内という基準を満たしているが、比
較例1、3、8は、いずれも30sec以上で、基準を
満たしていない。また、水平難燃試験においては、比較
例2が3sec、比較例4が3sec、比較例5が3s
ec、比較例7が1secでいずれも目標値15sec
以内という基準を満たしているが、比較例1、比較例
3、比較例6、比較例8がいずれも目標値15sec以
内という基準を満たしていない。また、引張り強さ(M
Pa)においては、比較例2が4MPa、比較例4が3
MPa、比較例5が3MPaでいずれも目標値5MPa
以上という基準を満たしているが、比較例1、3、6、
7、8は、いずれも5MPa以上を示し、基準を満たし
ていない。さらには、伸びについては、比較例4が92
%、比較例5が70%と目標値100%以上という基準
を満たしていないが、比較例1、2、3、6、7、8
は、いずれも100%以上を示し目標値100%以上と
いう基準を満たしている。
【0056】いま、ここで実施例を比較例と比較してみ
る。まず、比較例2をみると、比較例2と実施例
は、その組成成分同じで、難燃助剤としての水ガラス
の配合量が、比較例2では実施例よりも多くなってい
る。このことから水ガラスの配合量を15重量部まで配
合しても、難燃性向上の点については基準を満たしてい
るが、引張り強さ(MPa)、伸びが実施例に比して
大幅に劣化していることが分かる。また、比較例3をみ
ると、比較例3と実施例とは、その基本組成成分
じで、難燃助剤が異なっている。すなわち、比較例3は
難燃助剤としてフリットを0.2重量部配合し、実施例
は難燃助剤として水ガラスを0.5重量部とフリット
を2重量部配合している点が異なっている。この結果、
実施例が、45゜傾斜難燃試験で5sec、水平難燃
試験で2sec、引張り強さ(MPa)において17M
Pa、伸びについて180%であるのに対し、比較例3
が、45゜傾斜難燃試験で42sec、水平難燃試験で
16sec、引張り強さ(MPa)で21MPa、伸び
で200%となっている。このことから比較例3は難燃
助剤としてフリットを0.2重量部配合したのでは、難
燃助剤の配合量が少ないため、所望の難燃性を得ること
ができないことが明らかで、比較例3の配合組成を考慮
すると実施例に配合されている水ガラス0.5重量部
とフリット2重量部とが難燃性向上に貢献していること
が明らかである。
【0057】また、比較例4をみると、比較例4と実施
とは、その基本組成成分が同じで、難燃助剤が異な
っている。すなわち、比較例4は難燃助剤としてフリッ
トを25重量部配合し、実施例は難燃助剤として水ガ
ラスを0.5重量部とフリットを0.5重量部配合して
いる点が異なっている。この両者の試験結果をみると、
比較例4において、45゜傾斜難燃試験が6sec、水
平難燃試験で3secと難燃試験においては、飛躍的向
上を示していることが分かる。これは比較例4との比較
からフリットの配合量が難燃性向上に寄与していること
が明瞭に分かる。しかし、比較例4の伸びが92%と著
しく低下しおり、難燃助剤としてのフリットを25重
量部も配合すると、伸びが基準を下回ってしまうことが
明らかになっている。このことから、難燃助剤の配合量
が、引張り強さ、伸び率に影響することが分かる。
【0058】また、比較例5をみると、比較例5と実施
とは、その基本組成成分が同じで、難燃剤である複
合金属水酸化物の配合量が異なっている。実施例に配
合される複合金属水酸化物の配合量が50重量部である
のに対し、比較例5に配合される複合金属水酸化物の配
合量が230重量部である。また、水ガラスとフリット
の配合量も実施例に配合される水ガラスが5重量部、
フリットが10重量部であるのに対し、比較例5に配合
される水ガラスが0.5重量部、フリットが0.5重量
部となっている。この比較例5と実施例の試験結果
は、実施例の方は基準に適合しているが、比較例5の
方は難燃性については基準に適合しているが、引張り強
さ、伸びの点では、引張り強さが3MPa、伸びが70
%といずれも基準値を下回っている。このことから複合
金属水酸化物の配合量を必要以上に多くする引張り強
さ、伸びが悪くなるということが分かる。
【0059】また、比較例6をみると、比較例6の組成
成分は、各実施例の組成成分とは大きく異なっている。
すなわち、各実施例には、いずれかの複合金属水酸化物
が必ず配合されているのに対し、比較例6は、複合金属
水酸化物が全く配合されておらず、難燃剤として水酸化
マグネシウムが配合されている。難燃助剤としては、比
較例6がフリットを20重量部配合し、実施例は水ガ
ラスを2重量部配合している。この比較例6と実施例
の試験結果を比較すると、実施例は45゜傾斜難燃試
験で20sec、水平難燃試験で7sec、引張り強さ
(MPa)において22MPa、伸びについて250%
であるのに対し、比較例6が、45゜傾斜難燃試験で2
7sec、水平難燃試験で16sec、引張り強さ(M
Pa)で15MPa、伸びで215%と、水平難燃試験
で基準に適合せず、引張り強さで基準に適合しないとい
う結果を得ている。このことから水酸化マグネシウムで
は難燃助剤としてフリットを用いても十分な難燃性を得
ることができず、難燃性向上のためには、難燃剤として
複合金属水酸化物を使用することが効果的であることが
明らかである。
【0060】さらに、比較例7をみると、比較例7の組
成成分は、比較例6の組成成分とほぼ同一で、比較例6
が難燃剤である水酸化マグネシウムを100重量部配合
しているのに対し、比較例7が水酸化マグネシウムを1
30重量部配合している点で異なるのみである。この両
者の試験結果をみると、比較例7は45゜傾斜難燃試験
で17sec、水平難燃試験で11secと比較例6に
比して難燃性が向上している。このことから水酸化マグ
ネシウムの加量が難燃性の向上に寄与していることは分
かるが、伸びが200%と低下することが分かる。
【0061】また、比較例8は、実施例と組成成分が
似ており、実施例がベース樹脂としてエチレン−アク
リル酸エチル共重合体(EEA)100重量部用いてい
るのに対し、比較例8が直鎖状低密度ポリエチレン(L
−LDPE)50重量部、エチレン−アクリル酸エチル
共重合体(EEA)50重量部を用い、比較例8は、複
合金属水酸化物Bの配合量を実施例の50重量部に対
して40重量部とし、水ガラスの配合量を実施例の5
重量部に対して0.5重量部、実施例の10重量部に
対してフリットの配合量を0.5重量部としたものであ
る。また、同時に実施例と比較すると、実施例は水
ガラスの配合量が0.5重量部、フリットの配合量が
0.5重量部と同一の配合となっている。
【0062】この比較例8と実施例3、4の試験結果を
比較すると、実施例は45゜傾斜難燃試験で25se
c、水平難燃試験で10sec、引張り強さ(MPa)
において10MPa、伸びについて270%であるのに
対し、比較例8が、45゜傾斜難燃試験で33sec、
水平難燃試験で18sec、引張り強さ(MPa)で2
0MPa、伸びで255%と、45゜傾斜難燃試験、水
平難燃試験で基準に適合しておらず、引張り強さでも基
準に適合しないという結果を得ている。また、難燃助剤
の水ガラス、フリットの配合量が比較例8と同一の実施
の試験結果は、45゜傾斜難燃試験で5sec、水
平難燃試験で2sec、引張り強さ(MPa)において
8MPa、伸びについて120%と全ての点で基準に適
合している。このことから複合金属水酸化物の配合量が
40重量部では、十分な難燃性を得ることができず、難
燃性向上のためには、難燃剤としての複合金属水酸化物
を50重量部は必要であることが明らかに分かる。
【0063】以上総合すると、オレフィン系樹脂100
重量部に、複合金属水酸化物を50〜200重量部、水
ガラスを0.5〜10重量部配合するか、又は、水ガラ
スを0.5〜10重量部及びフリットを0.5〜20重
量部配合するとよいことが分かる。
【0064】まず、表5、表6に示される従来例1〜従
来例8においては、45゜傾斜難燃試験が、33sec
〜60sec以上といずれも目標値30sec以内とい
う基準を満たしていない。また、水平難燃試験において
は、従来例4、従来例7を除き従来例1、2、3、5、
6、8はいずれも16sec〜28secといずれも目
標値15sec以内という基準を満たしていない。ま
た、引張り強さ(MPa)についても、従来例7が5M
Paと基準を満たしているも、従来例1、2、3、4、
5、6、8については、いずれも目標値5MPa以上と
いう基準を満たしていない。伸びについては、110〜
220となっており、いずれも目標値100以上という
基準を満たしている。
【0065】このように従来例は、45゜傾斜させた難
燃性の要求を満足することが難しい。
【0066】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0067】
【0068】請求項記載の発明によれば、オレフィン
系樹脂100重量部に、複合金属水酸化物を50〜20
0重量部、水ガラスを0.5〜10重量部配合して構成
しているため、オレフィン系樹脂を主成分とし、ハロゲ
ン化物を含まず、耐摩耗性の低下を来すことなく、機械
的な強度、伸び性を低下させず、燃焼時にハロゲン化水
素を発生させることなく従来のポリ塩化ビニル樹脂組成
物の難燃性と同等以上の難燃性を持たせることができ
る。
【0069】請求項記載の発明によれば、オレフィン
系樹脂100重量部に、複合金属水酸化物を50〜20
0重量部、水ガラスを0.5〜10重量部及びフリット
を0.5〜20重量部配合して構成しているため、オレ
フィン系樹脂を主成分とし、ハロゲン化物を含まず、耐
摩耗性の低下を来すことなく、機械的な強度、伸び性を
低下させず、燃焼時にハロゲン化水素を発生させること
なく従来のポリ塩化ビニル樹脂組成物の難燃性と同等以
上の難燃性を持たせることができる。
【0070】請求項記載の発明によれば、金属水酸化
物を、 で構成しているため、オレフィン系樹脂を主成分とし、
ハロゲン化物を含まず、耐摩耗性の低下を来すことな
く、機械的な強度、伸び性を低下させず、燃焼時にハロ
ゲン化水素を発生させることなく従来のポリ塩化ビニル
樹脂組成物の難燃性と同等以上の難燃性を持たせること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】水平難燃試験方法を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01B 7/295 H01B 7/34 B (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 23/02 C08K 3/22 C08K 3/40 H01B 3/00 H01B 3/44 H01B 7/34

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オレフィン系樹脂100重量部に、複合
    金属水酸化物を50〜200重量部、水ガラスを0.5
    〜10重量部配合したことを特徴とする難燃性樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 オレフィン系樹脂100重量部に、複合
    金属水酸化物を50〜200重量部、水ガラスを0.5
    〜10重量部及びフリットを0.5〜20重量部配合し
    ことを特徴とする難燃性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 上記複合金属水酸化物は、 である請求項1又は2記載の難燃性樹脂組成物。
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