JP3056592B2 - 放射性標識化合物投与装置 - Google Patents

放射性標識化合物投与装置

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JP3056592B2
JP3056592B2 JP4178071A JP17807192A JP3056592B2 JP 3056592 B2 JP3056592 B2 JP 3056592B2 JP 4178071 A JP4178071 A JP 4178071A JP 17807192 A JP17807192 A JP 17807192A JP 3056592 B2 JP3056592 B2 JP 3056592B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放射性標識化合物の投
与装置に関し、特に取扱者が被曝することが少なく、か
つ投与する放射能を高精度に制御することのできる放射
性標識化合物の投与装置に関する。
【0002】
【従来の技術】放射性薬液として、放射性元素である99
Tcや 123Iを含む標識化合物液体が知られている。こ
れらの標識化合物液体を、たとえば人体に投与すること
により、人体の種々の機能を検査することができる。こ
のように、放射性薬液は医療において重要な役割を果
す。
【0003】これらの放射性薬液を患者に注射する時
に、通常の注射器を用いて医師や看護婦が注射をすれ
ば、これらの取扱者は必ず被曝をする。これらの取扱者
の健康のためには、被曝量をできるだけ少なくすること
が望まれる。
【0004】取扱者の被曝を防止するために、たとえば
注射器のピストンをエアー駆動で動かす自動化した装置
を用いて放射性薬液を患者に投与する技術も提案されて
いる。しかしながら、このような方式によれば、正確に
筒状容器内の薬液の量を計測できない、正確に薬液の注
入速度を制御できない、正確に患者に投与した薬液の量
を測定できない等の問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の技
術による放射性薬液の投与装置は、取扱者の被曝を防止
しにくいか、取扱者の被曝を防止できる場合には、投与
する放射性薬液の制御が難しかった。
【0006】本発明の目的は、取扱者の被曝量を低減す
ることができ、かつ投与する放射性薬液の放射能を正確
に制御することの可能な放射性標識化合物投与装置を提
供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の放射性標識化合
物投与装置は、放射性薬液を収容する放射性薬液収容部
と、前記放射性薬液収容部に収容された放射性薬液の放
射能または放射線量を測定する測定手段と、前記放射性
薬液の投与対象と前記放射性薬液収容部とを接続する配
管と、前記放射性薬液収容部にまたは前記放射性薬液収
容部から前記放射性薬液を吸入、供給することのできる
薬液導出入手段と、前記配管の途中に希釈液を供給する
希釈液供給手段と、前記配管の途中に供給された希釈液
の流下する流路方向を前記投与対象および前記放射性薬
液収容部のいずれかに切り替える流路切替手段とを有す
る。また、本発明の放射性標識化合物の投与方法は、放
射性薬液を放射性薬液収容部に収容して該放射性薬液の
放射能または放射線量を測定する投与前測定工程と、前
記放射性薬液収容部に収容した放射性薬液を、前記放射
性薬液収容部と投与対象とを接続する配管を介して前記
投与対象に投与する第1の投与工程と、前記配管の途中
に設けられた流路切替手段によって流路を切り替え、希
釈液供給手段から前記配管を介して前記投与対象へ希釈
液を投与することによって、前記配管における前記流路
切替手段から下流側の流路に残留する前記放射性薬液を
前記投与対象に投与する第2の投与工程と、前記流路切
替手段によって流路を切り替え、前記希釈液供給手段か
ら前記配管を介して前記放射性薬液収容部へ希釈液を導
入することによって、前記配管における前記流路切替手
段から上流側の流路に残留する前記放射性薬液を前記放
射性薬液収容部に回収する回収工程と、前記回収工程で
回収された前記放射性薬液の放射能または放射線量を測
定する投与後測定工程と、前記投与前測定工程での測定
結果と前記投与後測定工程での測定結果とに基づいて、
前記投与対象に実際に投与された放射能を算出する演算
工程とを含む。
【0008】放射性薬液収容部への放射性薬液の収容、
および、当該放射性薬液収容部から投与対象への放射性
薬液の供給は、制御回路により制御可能な薬液導出入手
段によって行うことができる。従って、放射性薬液の供
給に際して取扱者が放射性薬液に接近する必要がなく、
被曝を極力防止することができる。
【0009】取扱者の被曝を防止し、かつ放射性薬液を
投与対象に搬送するためには配管が必要であるが、この
配管の途中には流路切替手段が設けられ、配管内に残留
する放射性薬液を投与対象または放射性薬液収容部に送
り込むことができる。
【0010】放射性薬液収容部を、放射能または放射線
量の測定手段内に配置することにより、当該放射性薬液
収容部内の放射性薬液の放射能または放射線量が測定で
きる。従って、投与対象に投与された放射能または放射
線量を正確に知ることができる。
【0011】
【実施例】本発明の基本実施例を図1に示す。放射性標
識化合物投与装置は、図1(A)に示すように、放射性
薬液を収容するための筒状容器S3と、この筒状容器内
の薬液を押し出すためのピストンP3とを含む放射性薬
液注入容器を有する。
【0012】この放射性薬液注入容器は、放射能測定器
R1の内部空間内に収容されており、その放射能を測定
することができる。ピストンP3は、モータM3によっ
て駆動され、その駆動量は制御回路CTLによって知る
ことができる。
【0013】たとえば、モータM3としてステッピング
モータを用いると、ステッピングモータM3に与えたパ
ルス数からピストンP3を押し下げた量を知ることがで
きる。また、ピストンP3を上方に移動させて放射性薬
液を吸い上げる場合にも、ステッピングモータM3に与
えたパルス数からピストンP3の移動量を知ることがで
きる。
【0014】放射性薬液注入容器から放射性薬液の投与
対象に放射性薬液を運搬する配管Tは、その途中に3方
バルブVを含む。このバルブVの2つの口は配管Tに接
続され、他の1つの口は、他の3方バルブVaを介して
放射性薬液供給源に接続されている。
【0015】図示の状態においては、筒状容器S3から
供給された放射性薬液はバルブVを通って投与対象に供
給される。バルブVの他の配管は、放射性薬液の希釈液
を収容する筒状容器S2に接続されている。
【0016】この筒状容器S2にはピストンP2が結合
され、このピストンP2はモータM2によって駆動され
る。このモータM2をステッピングモータによって構成
し、制御回路CTLでそのパルス数をカウントすること
等により、ピストンP2の駆動量も知ることができる。
【0017】まず、バルブV、Vaを介して筒状容器S
3を放射性薬液供給源に接続し(破線の状態)、モータ
M3でピストンP3を引上げ、筒状容器S3内に放射性
薬液を吸い込む。モータM3駆動量(ピストンP3移動
量)によって吸い込んだ薬液の量を知ることができる。
次に、バルブV、Vaを電気的に制御して筒状容器S3
を投与対象に接続する(実線の状態)。
【0018】筒状容器S3に収容された放射性薬液の全
放射能を放射能測定器RIによって測定し、投与対象に
所望量の放射性薬液を供給するためには、ピストンP3
をどの位駆動しないければならないかを計算し、この駆
動量に見合ったパルス数を制御回路CTLはモータM3
に与える。
【0019】このようにして、筒状容器S3内に収容さ
れた放射性薬液の所望量が配管Tを介して投与対象に供
給される。しかしながら、この注入動作を行った時に、
筒状容器S3と投与対象との間に残留する放射性薬液が
ある。
【0020】次に、図1(B)に示すように、バルブV
を回転させて希釈液を収容する筒状容器S2を投与対象
に接続する。次に、モータM2を駆動することによって
ピストンP2を押し下げ、希釈液をバルブV、バルブ下
流の配管Tを介して投与対象に供給する。この動作に伴
い、バルブVよりも下流の配管Tに残留していた放射性
薬液は、投与対象に供給される。
【0021】次に、図1(C)に示すように、バルブV
を回転させ、筒状容器S2と筒状容器S3を接続する。
続いてモータM2を駆動してピストンP2を押し下げる
ことにより、希釈液を筒状容器S2から筒状容器S3に
送り込む。
【0022】この動作によって、バルブVと筒状容器S
3の間の配管に残留していた放射性薬液は希釈液に押し
出されて筒状容器S3に回収される。このようにして、
配管Tに残留していた放射性薬液は投与対象か、放射性
薬液注入容器の筒状容器内に完全に収容される。
【0023】このように、配管内の放射性薬液を回収し
た後、放射能測定器RIによって筒状容器S3内の放射
性薬液の放射能を測定する。放射性薬液投与前の放射能
および放射性薬液投与後の放射能を時間の関数として測
定することにより、投与対象に与えられた放射性薬液の
放射能を正確に測定することができる。
【0024】なお、筒状容器S3とバルブVの間の配管
に収容される液体の量はあらかじめ知ることができるた
め、投与対象に放射性薬液を供給する工程において、ピ
ストンP3を押し下げる量は配管内に残留する放射性薬
液の量を見込んで正確に制御することができる。
【0025】次に、図2を参照して本発明のより具体的
実施例を説明する。放射性標識化合物投与装置は、その
主要部が鉛遮蔽容器11内に収容されている。外部から
放射性薬液を供給するための配管T1は、鉛遮蔽容器1
1の壁を通ってボトルB2内に挿入されている。
【0026】ボトルB2には、簡便に放射能を検出する
ことのできるNaI式放射能測定器RI1と、液体の存
在を検出することのできるホトセンサ、誘電センサ等の
液感知センサPS1が結合されている。
【0027】ボトルB2の底部に達する配管T2は、3
方コックで形成されたバルブV3に接続されている。バ
ルブV3の他の配管T3は、3方コックで構成されるバ
ルブV4に接続され、さらに他の配管T7は、鉛遮蔽容
器11の壁を通ってその外側に配置された3方コックで
構成されたバルブV1に接続されている。
【0028】また、ボルトB2には、バルブV2、メン
ブレンフィルタMF1を介して外部に導出される配管も
接続されている。バルブV1は、希釈液を収容する筒状
容器S2に配管T8で接続されている。筒状容器S2内
にはピストンP2が結合され、このピストンP2はステ
ッピングモータによって駆動される。
【0029】また、バルブV1の他の口は、希釈液を収
容するボトルB3に接続されている。バルブV1を回転
してボトルB3と筒状容器S2を接続し、ピストンP2
を上方に駆動することにより、ボトルB3に収容した希
釈液を筒状容器S2に移送することができる。
【0030】バルブV4は、配管T4を介して筒状容器
S3に接続されている。筒状容器S3内にはピストンP
3が挿入され、このピストンP3はステッピングモータ
によって上下に駆動される。筒状容器S3は、高精度に
放射能を測定することのできる電離箱式井戸型放射能測
定器RI2の放射能測定空間内に収容されている。
【0031】従って、筒状容器S3に放射性薬液が収容
された時は、その全放射能を放射能測定器RI2によっ
て測定することができる。なお、放射能測定器RI2の
測定回路の一部は、鉛遮蔽容器11外部に導出されてい
る。
【0032】バルブV4の他の口は、配管T5を介して
3方コックで構成されたバルブV5に接続されている。
バルブV5は、配管T9、2方バルブV6を介して廃液
収容用のボトルB4に接続される一方、配管T6、メン
ブレンフィルタMF2を介して外部に導出されている。
【0033】この配管T6の鉛遮蔽容器11外側部分に
おいて、液体の存在を検出するホトセンサ、誘電センサ
等の液感知センサPS2と、簡便に放射能を測定するN
aI式放射能測定RI3が結合されている。
【0034】なお、バルブVは全て電動化され、制御回
路CTLから供給される駆動信号によってその動作が制
御される。また、筒状容器S2、S3内に配置されたピ
ストンP2、P3はステッピングモータによって駆動さ
れ、そのステッピングモータは制御回路CTLによって
制御される。
【0035】制御回路CTLは、さらに中央演算ユニッ
トCPUを含み、放射能測定器RIによって測定された
放射能を時間の関数として演算すること等ができる。図
2に示した放射性標識化合物投与装置の動作を図3を参
照して説明する。なお、あらかじめボトルB2には放射
性薬液が充填され、ボトルB3には希釈液が充填されて
いるとする。
【0036】先ず、図3(A)に示すように、バルブV
3、V4を回転し、ボトルB2を筒状容器S3に接続す
る。この状態において、ステッピングモータを駆動して
筒状容器S3内に挿入されたピストンP3を引き上げる
と、ボトルB2に収容された放射性薬液が筒状容器S3
内に移送される。
【0037】また、バルブV1を回転してボトルB3と
筒状容器S2を接続し、筒状容器S2内に挿入されたピ
ストンP2をステッピングモータによって上方に引き上
げると、ボトルB3から希釈液が筒状容器S2に移送さ
れる。
【0038】その後、バルブV1、V3を回転し、筒状
容器S2とS3を接続して筒状容器S2から希釈液を筒
状容器S3に送ることにより、バルブV3と筒状容器S
3の間に残留していた放射性薬液を筒状容器S3に収容
する。
【0039】その後、筒状容器S3を収容している放射
能測定器RI2で放射能を測定することにより、筒状容
器S3内の全放射量を測定しておく。なお、放射能は時
間の関数として減衰するので、制御回路CTLは放射能
を時間の関数として管理する。
【0040】次に、図3(B)に示すように、バルブV
4、V5を回転し、筒状容器S3を放射性薬液の投与対
象側に接続する。ステッピングモータを駆動して筒状容
器S3内に挿入されたピストンP3を押し下げることに
より、所定量の放射性薬液を筒状容器S3から配管T
4、T5、T6を通して投与対象に供給する。
【0041】なお、ピストン駆動終了後に、バルブV4
よりも下流側に存在する放射性薬液の総量が投与対象に
投与すべき放射性薬液の総量に等しくなるように制御す
る。次に、図3(C)に示すように、バルブV1、V
3、V4を回転し、筒状容器S2を配管T8、T3、T
5、T6を介して投与対象に接続する。この状態で、筒
状容器S2内に挿入されたピストンP2をステッピング
モータで下方に駆動することにより、筒状容器S2内に
収容された希釈液を投与対象に送り込む。
【0042】この希釈液の移送により、バルブV4より
も下流に残留していた放射性薬液は投与対象に送り込ま
れる。次に、図3(D)に示すように、バルブV4を回
転し、筒状容器S3を筒状容器S2に接続する。この状
態で、筒状容器S2内に挿入されたピストンP2をステ
ッピングモータによって下方に駆動することにより、希
釈液を筒状容器S2から筒状容器3に送り込む。この動
作によって、バルブV4と筒状容器S3の間の配管T4
に残留していた放射性薬液は、筒状容器S3内に送り返
される。
【0043】この状態で、筒状容器S3内に存在する全
放射能を放射能測定器RI2で測定することにより、投
与対象に投与された全放射能を知ることができる。な
お、前述のように、放射能は時間の関数として減衰する
ため、放射性薬液投与前に測定された全放射能が時間の
関数として減衰し、各時点において残っているであろう
量から投与後に測定した全放射能を減算することによ
り、その時点での投与された放射能を算出する。
【0044】筒状容器S3内に十分の放射性薬液が残留
し、続いて放射性薬液の投与を行なう場合には、図3
(D)の状態から図3(B)の状態に戻ってそれ以後の
動作を続けて行なう。
【0045】放射性薬液の投与を終了する時には、図3
(E)に示すように、バルブV4、V5を回転し、筒状
容器S3をボトルB4に接続する。なお、バルブV6も
導通状態とする。
【0046】この状態で筒状容器S3に挿入されたピス
トンP3をステッピングモータによって下まで押し下げ
ることにより、筒状容器S3内に残留していた放射性薬
液は配管はT4、T5、T9を介して廃棄用放射性薬液
を収容するボトルB4に収容される。
【0047】図2に示した3方コックのバルブの構成を
図4により詳細に示す。図4(A)に示すように、配管
13、14、15を結合した外側部材と、T型配管を有
する内側部材17は気密に結合されている。内側部材1
7は、ギヤ付円盤19によって回転駆動される。ギヤ付
部材19のギヤには、駆動軸21に結合されたウオーム
ギヤが噛合している。駆動軸21は、モータ23によっ
て駆動される。
【0048】ギヤ付円盤19の裏側には、図4(B)に
示すように、反射部材25が結合されている。従って、
モータ23によって3方コックの内側部材17を回転さ
せると、反射部材25も同時に回転する。反射部材25
と、光学的に結合するホトセンサ27、28、29が3
つの回転角度位置に配置されている。
【0049】従って、モータ23によって内側部材17
を回転させると、所定角度に配置された時にホトセンサ
によってその位置を知ることができる。このようにし
て、3方コックの接続状態を電気的に制御することがで
きる。
【0050】なお、図2に示したような放射性標識化合
物投与装置は、図5に示すような、自走式搬送車に装備
されることが好ましい。搬送車の下部には、外壁を鉛板
で覆った鉛遮蔽容器31が形成され、図2に示す構成の
主要部を収納する。
【0051】鉛遮蔽容器31の上部には支持柱33が直
立し、この支持柱にエレベータ35が結合している。エ
レベータ35には、筒状容器支持部材36が結合されて
おり、筒状容器を放射能測定器RI内に移送し、また取
り出すことができる。搬送車には、さらにモータMが備
えられており、搬送車の駆動輪を電気的に駆動する。
【0052】以上説明した実施例においては、放射能測
定器の収容空間内にシリンジとピストンで構成され、駆
動能力を有する放射能収容部を配置した。しかしなが
ら、放射能測定器を簡単な構成とするためには、その収
容空間内に配置される放射性薬液収容部は小型であるこ
とが望ましい。
【0053】図6は、放射性薬液収容部を2つの部分に
分け、放射能測定器を小型化することのできる他の構成
例を示す。放射能測定器RI2の収容空間内には、単に
管状の収集容器Cが配置され、放射能測定器RI2外部
に配置されたシリンジS3と接続されいている。ピスト
ンP3はシリンジS3内に挿入され、放射性薬液を吸
入、供給する。
【0054】この構成によれば、図1、図2に示した一
組のシリンジとピストンの組み合わせが、収集容器C、
シリンジS3、ピストンP3の組み合わせで置換され、
同等の機能を果たしている。放射能測定器RI2の収容
空間内には、収集容器Cのみを収容すればよいため、放
射能測定器RI2の寸法を小型化することができる。
【0055】また、放射性薬液の吸入、供給をシリンジ
内に挿入されたピストンを駆動することによって行なう
場合を説明したが、放射性薬液の吸入、供給は異なる方
式によって行なうこともできる。
【0056】図7は、シリンジとピストンの組み合わせ
の代わりに、しごきポンプを用いた構成例を示す。図6
に示すシリンジS3、ピストンP3の代わりに、ボトル
B5、モータM3a、回転式ピストンP3a、弾性配管
T8が用いられる。
【0057】回転式ピストンP3aは、弾性を有する配
管T8を押しつぶして回転し、内部の放射性薬液を絞り
出すようにして移送させる。モータM3aで回転ピスト
ンP3aを制御することにより、移送させる薬液の量を
制御することができる。
【0058】図2に示すシリンジS2、ピストンP2の
代わりにも、ボトルB6、モータM2a、回転式ピスト
ンP2aを含むしごきポンプが用いられている。なお、
モータM2a、M3aは、制御回路CTLによって制御
されることは前述の実施例同様である。
【0059】なお、以上の実施例に用いた筒状容器は、
通常の注射器のシリンジで構成することができるが、他
の部材で構成してもよい。たとえば、円筒状でなく角筒
状のものとすること等は任意である。ただし、ピストン
を電気的に駆動できる構成が好ましい。
【0060】以上実施例に沿って本発明を説明したが、
本発明はこれらに制限されるものではない。たとえば、
種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことが当業者
に自明であろう。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
放射性標識化合物を自動的にかつ高精度に投与対象に供
給することができる。放射性標識化合物の投与動作中
は、放射性標識化合物投与装置の主要部は放射能遮蔽容
器内に収容されているため、取扱者が被曝する可能性は
少ない。
【0062】投与される放射性標識化合物の放射能は、
ステッピングモータによって移送する液体の量を制御
し、放射能測定器に放射能を測定することによって高精
度に制御できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本実施例を示す。
【図2】本発明の具体的実施例を示す。
【図3】図2に示す放射性標識化合物投与装置の動作を
説明するための概略図である。
【図4】図2の装置に用いる3方コックの構成例を示す
概略図である。
【図5】図2の装置を収容する搬送車の構成例の概略図
である。
【図6】放射性薬液収容部の他の構成例を示す概略図で
ある。
【図7】しごきポンプを用いた他の構成例を示す部分的
概略図である。
【符号の説明】
V バルブ B ボトル P ピストン S 筒状容器 PS 液感知センサ T 配管 RI 放射能測定器 11 鉛遮蔽容器

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射性薬液を収容する放射性薬液収容部
    と、 前記放射性薬液収容部に収容された放射性薬液の放射能
    または放射線量を測定する測定手段と、 前記放射性薬液の投与対象と前記放射性薬液収容部とを
    接続する配管と、 前記放射性薬液収容部にまたは前記放射性薬液収容部か
    ら前記放射性薬液を吸入、供給することのできる薬液導
    出入手段と、 前記配管の途中に希釈液を供給する希釈液供給手段と、 前記配管の途中に供給された希釈液の流下する流路方向
    を前記投与対象および前記放射性薬液収容部のいずれか
    に切り替える流路切替手段とを有する放射性標識化合物
    投与装置。
  2. 【請求項2】 さらに、前記薬液導出入手段を制御し、
    該薬液導出入手段による前記投与対象への前記放射性薬
    液の移送量を検出することのできる制御回路を有する請
    求項1に記載の放射性標識化合物投与装置。
  3. 【請求項3】 前記制御回路は、前記放射性薬液を前記
    放射性薬液収容部に収容したときに前記測定手段によっ
    て測定される放射能を時間の関数として減衰させ、該放
    射性薬液を前記薬液導出入手段によって前記投与対象に
    供給した後、前記希釈液供給手段および流路切替手段を
    制御して前記放射性薬液収容部に前記希釈液を移送し、
    このとき前記測定手段によって測定される放射能を前記
    時間の関数として減衰させている放射能から減算するこ
    とによって、その時点における前記投与対象に投与され
    た放射能を算出する請求項2に記載の放射性標識化合物
    投与装置。
  4. 【請求項4】 放射性薬液を放射性薬液収容部に収容し
    て該放射性薬液の放射能または放射線量を測定する投与
    前測定工程と、 前記放射性薬液収容部に収容した放射性薬液を、前記放
    射性薬液収容部と投与対象とを接続する配管を介して前
    記投与対象に投与する第1の投与工程と、 前記配管の途中に設けられた流路切替手段によって流路
    を切り替え、希釈液供給手段から前記配管を介して前記
    投与対象へ希釈液を投与することによって、前記配管に
    おける前記流路切替手段から下流側の流路に残留する前
    記放射性薬液を前記投与対象に投与する第2の投与工程
    と、 前記流路切替手段によって流路を切り替え、前記希釈液
    供給手段から前記配管を介して前記放射性薬液収容部へ
    希釈液を導入することによって、前記配管における前記
    流路切替手段から上流側の流路に残留する前記放射性薬
    液を前記放射性薬液収容部に回収する回収工程と、 前記回収工程で回収された前記放射性薬液の放射能また
    は放射線量を測定する投与後測定工程と、 前記投与前測定工程での測定結果と前記投与後測定工程
    での測定結果とに基づいて、前記投与対象に実際に投与
    された放射能を算出する演算工程とを含む放射性標識化
    合物の投与方法。
  5. 【請求項5】 前記演算工程は、前記投与前測定工程で
    測定された放射性薬液の放射能を時間の関数として管理
    し、各時点で残っているであろう放射能から前記投与後
    測定工程で測定された放射性薬液の放射能を減算するこ
    とによって、前記投与対象に実際に投与された放射能を
    算出する請求項4に記載の放射性標識化合物の投与方
    法。
  6. 【請求項6】 前記演算工程を行った後、前記放射性薬
    液収容部に収容されている放射性薬液について前記第1
    の投与工程から前記演算工程まで行う請求項4または請
    求項5に記載の放射性標識化合物の投与方法。
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