JP3056170B2 - 画像形成装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成装置に関
し、特にレーザビーム方式により走査される感光体ベル
トを備えた画像形成装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のレーザビーム走査方式を用いた画
像形成装置において、感光体としてベルト状のものを用
いた場合、主走査方向へのベルト移動があるため、画像
記録位置がベルトの移動と共にずれてしまい印刷ズレが
生じるという問題を抱えていた。

【０００３】このような問題を解決するものとして、特
開平４−２７４４６７号公報や特開平４−２７５５７４
号公報に記載されるように、感光体ベルト端部を潜像形
成に使用されるものと同一のレーザビーム走査により検
出し、その検出信号を基準として主走査方向の書き出し
位置を決定するという方法が提案されている。

【０００４】上記方法と等価である方法を従来例１とし
て図１０に示す。図１０に示される画像形成装置のベル
ト端検出部は、ベルト端検出器２と、ピクセルクロック
同期回路１０と、ピクセルクロックジェネレータ１１
と、カウンタ１２と、強制発光信号生成部１３と、画像
データ記憶部１４と、レーザドライバ１５と、レーザ１
６とにより構成される。

【０００５】図１０において、ベルト端検出器２は、走
査時におけるベルト端部をベルト端信号として検出す
る。ピクセルクロック同期回路１０は、ピクセルクロッ
クジェネレータ１１により生成されたクロック信号にベ
ルト端検出器２により検出されたベルト端信号を同期し
て出力する。カウンタ１２は、ベルト端検出器２により
検出されたベルト端信号とピクセルクロック同期回路１
０から出力された信号とのパルスを計数し、計数値とし
て出力する。強制発光信号生成部１３は、カウンタ１２
より出力された計数値に基づいてレーザ発光信号を生成
する。画像データ記憶部１４は、カウンタ１２からの計
数値に基づいて画像データを出力する。レーザドライバ
１５は、強制発光信号生成部１３からのレーザ発光信号
と画像データ記憶部１４からの画像信号とに応じてレー
ザ１６の駆動を制御する。

【０００６】図１０に示される画像形成装置において
は、例えば、副走査方向に一本の直線を記録しようとし
ても記録紙に書き込まれた画像は、ベルト端部のギザギ
ザの形状と同じ形状を持つ線として記録されてしまうと
いう問題点がある。この問題点を解決するものとして、
図１１に示される本発明者により先に出願された特願平
１０−２３８４６３号（出願日：平成１０年７月１７
日）の画像形成装置がある。

【０００７】図１１に示される画像形成装置は、仮想ベ
ルト端生成部１００と画像形成部２００とにより構成さ
れる。仮想ベルト端生成部１００は、ベルト端検出器２
と、ランプ信号発生器３と、位相比較器４と、チャージ
ポンプ５と、積分器６と、コンパレータ７と、ピクセル
クロック同期回路１０と、ピクセルクロックジェネレー
タ１１と、カウンタ１２と、強制発光信号生成部１３
と、画像データ記憶部１４と、レーザドライバ１５と、
レーザ１６とにより構成される。画像形成部２００は、
従来例１の構成と同じなので説明を省略する。

【０００８】まず、従来例１の画像形成装置との相違点
について説明する。図１１に示される画像形成装置にお
いては、ベルト端検出器２から出力されるベルト端信号
に基づいてランプ信号を生成するランプ信号発生器３
と、コンパレータ７からのフィードバック信号である仮
想ベルト端信号とベルト端検出器２からのベルト端信号
との位相差を比較して出力する位相比較器４と、位相比
較器４からの出力信号に応じて充放電処理を行うチャー
ジポンプ５と、チャージポンプ５で行われた充放電処理
における電圧の変化を積分処理した信号を送出する積分
器６と、ランプ信号発生器３からの出力信号と積分器６
からの信号とを比較した結果を仮想ベルト端信号として
送出し、位相比較器４と画像形成部２００へと送出する
コンパレータ７とが新たに設けられている。

【０００９】この画像形成装置は、ベルト端検出器２で
検出された実際のベルト端信号と仮想ベルト端信号との
位相差を比較し、その位相差に応じて充放電処理を行
い、レーザによる書き込み位置をずらすことで、記録紙
上の印刷ズレを防ぐものである。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例１の画像形成装置は、画像形成を行う際の印刷ズレ
を防止するものであるので、記録紙に印刷されてしまう
ベルト端部の傷や非直線形状を防止するものでないとい
う問題点がある。

【００１１】さらに、特願平１０−２３８４６３号の画
像形成装置においては、ベルト継ぎ目部分に段差がある
場合には、図７のような仮想ベルト端信号が実際のベル
ト端部に追従しないという問題点がある。

【００１２】本発明は、レーザビーム方式により感光体
ベルトを用いて画像形成を行う画像形成装置において、
ベルト端部における傷や非直線形状が記録画像に現れる
のを防止する画像形成装置を提供することを目的とす
る。

【００１３】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、請求項１記載の発明は、レーザビーム走査方式によ
り感光体ベルトを用いて画像形成を行う画像形成装置に
おいて、感光体ベルトのベルト端部の検出により出力さ
れるベルト端検出信号から仮想ベルト端信号を生成する
仮想ベルト端信号生成部と、仮想ベルト端信号生成部に
より生成された仮想ベルト端信号を用いて画像形成を行
う画像形成部とを備え、仮想ベルト端信号生成部は、仮
想ベルト端信号の出力タイミングを充放電により変える
充放電手段と、感光体ベルト上に設けられたベルト継ぎ
目部分を示すマーキングを検出してマーキング検出信号
を出力するマーキング検出手段と、マーキング検出手段
から出力されるマーキング検出信号に基づいて充放電手
段による充放電量を切り替える充放電量切り替え手段
と、を有して構成されることを特徴とする。

【００１４】請求項２記載の発明は、請求項１記載の発
明において、画像形成部は、ピクセルクロックジェネレ
ータと、ピクセルクロック同期回路と、カウンタと、強
制発光信号生成部と、画像データ記憶部と、レーザドラ
イバと、レーザとにより構成され、ピクセルクロックジ
ェネレータは、画像データを出力するタイミングをとる
ためのクロック信号を生成し、ピクセルクロック同期回
路は、仮想ベルト端信号をクロック信号に同期させ、カ
ウンタは、仮想ベルト端信号のパルスと、クロック信号
に同期させた仮想ベルト端信号のパルスとを計数値とし
て計数し、強制発光信号生成部は、カウンタからの計数
値に基づいてレーザ発光信号を生成し、画像データ記憶
部は、計数値とクロック信号に同期させた仮想ベルト端
信号とに基づいて画像データ信号を出力し、レーザドラ
イバは、レーザ発光信号と画像データ信号とに基づいて
レーザビームを出力するためのレーザ制御信号を出力
し、レーザは、レーザ制御信号に基づいて感光体上に潜
像形成するためのレーザビームを出力することを特徴と
する。

【００１５】請求項３記載の発明は、請求項１または２
記載の発明において、仮想ベルト端信号生成部は、ベル
ト端検出器と、ランプ信号発生器と、位相比較器と、チ
ャージポンプと、積分器と、コンパレータと、ベルト継
ぎ目マーキング検出器と、チャージポンプゲイン切り替
え部とにより構成され、ベルト端検出器は、走査開始を
示す信号が入力されると、レーザ走査により遮光体端部
を検出すると同時にベルト端信号を出力し、感光体ベル
ト端部を検出すると同時にベルト端信号の出力を停止
し、ランプ信号発生器は、ベルト端検出器により遮光体
端部の検出を基準として一定に上昇する電圧の出力を開
始し、感光体ベルト端部の検出と同時に出力を停止する
電圧をランプ信号として出力し、位相比較器は、ベルト
端信号とコンパレータから送出されるフィードバック信
号との位相差を比較し、位相差信号として出力し、ベル
ト継ぎ目マーキング検出器は、感光体ベルト上に設けら
れたマーキングを検出し、マーキング検出信号として出
力し、チャージポンプゲイン切り替え器は、マーキング
検出信号に基づいてチャージポンプの充放電量を切り替
える切り替え信号を出力し、チャージポンプは、位相差
信号と切り替え信号とに基づいて充放電量を切り替え、
該切り替えにより変化した電圧を出力し、積分器は、変
化した電圧を積分処理した信号を出力し、コンパレータ
は、ランプ信号と積分処理した信号とを比較し、仮想ベ
ルト端信号を出力し、仮想ベルト端信号は、フィードー
バック信号として位相比較器に送出されると同時に、画
像形成部に送出されることを特徴とする。

【００１６】請求項４記載の発明は、請求項３記載の発
明において、位相差信号は、遮光体端部からベルト端部
までの検出時間をｔ１とし、遮光体端部から仮想ベルト
端信号生成手段により生成された仮想ベルト端信号によ
って示される仮想ベルト端部までの検出時間をｔ２とし
た場合に、ｔ１＞ｔ２の時に、規定量の電荷を充電し、
ｔ１＜ｔ２の時に、規定量の電荷を放電し、ｔ１＝ｔ２
の時に、充放電処理を行わないように制御する信号であ
ることを特徴とする。

【００１７】請求項５記載の発明は、請求項１から４の
いずれか１項に記載の発明において、マーキングは、光
透過窓、光反射体、磁性体のいずれかによって構成され
ていること特徴とする。

【００１８】請求項６記載の発明は、請求項３から５の
いずれか１項に記載の発明において、ベルト継ぎ目マー
キング検出器は、透過型光センサ、反射型光センサ、磁
気センサのいずれかによって構成されていることを特徴
とする。

【００１９】請求項７記載の発明は、請求項１から６の
いずれか１項に記載の発明において、画像形成装置は、
レーザ、コリメートレンズ、ポリゴンミラー、Ｆθレン
ズにより構成される光学系を複数設置していることを特
徴とする。

【００２０】

【発明の実施の形態】次に、添付図面を参照して本発明
の実施形態である画像形成装置を詳細に説明する。図１
から図１０を参照すると、本発明による画像形成装置の
実施の形態が示されている。尚、従来技術に示されるも
のと同一部分には同一符号が付されている。

【００２１】図１は、本発明の実施形態である画像形成
装置の全体構成を示すブロック図である。図１におい
て、本発明の実施形態である画像形成装置は、仮想ベル
ト端生成部１０００と画像形成部２０００とにより構成
され、仮想ベルト端生成部１０００は、ベルト端検出器
２と、ランプ信号発生器３と、位相比較器４と、チャー
ジポンプ５と、積分器６と、コンパレータ７と、ベルト
継ぎ目マーキング検出器８と、チャージポンプゲイン切
り替え部９とを備え、画像形成部２０００は、ピクセル
クロック同期回路１０と、ピクセルクロックジェネレー
タ１１と、カウンタ１２と、強制発光信号生成部１３
と、画像データ記憶部１４と、レーザドライバ１５と、
レーザ１６とにより構成される。

【００２２】図１において、ベルト端検出器２は、レー
ザ走査開始部分における遮光体端部と感光体ベルト端部
とを潜像形成する際に用いられるレーザビームと同一の
ものによって検出する。遮光体端部が検出されてから感
光体ベルト端部が検出されるまでベルト端信号がランプ
信号発生器３と位相比較器４とに出力される。

【００２３】ランプ信号発生器３は、ベルト端検出器２
により検出された遮光体端部の検出時刻を基準とし、感
光体ベルト端部が検出されるまでの間、直線的に電圧が
上昇していくランプ信号を生成してコンパレータ７へ送
出する。感光体ベルト端部が検出されると同時にランプ
信号発生器３からの出力は停止する。

【００２４】コンパレータ７は、ランプ信号発生器３か
らのランプ信号と積分器６からの出力信号とを比較し、
その出力を仮想ベルト端信号として送出する。この仮想
ベルト端信号は、後述する位相比較器４と画像形成部２
０００におけるピクセルクロック同期回路１０とカウン
タ１２とに送出される。

【００２５】位相比較器４は、ベルト端検出器２より出
力されるベルト端信号とコンパレータ７からのフィード
バック信号である仮想ベルト端信号との位相差を比較す
る。この位相差を位相差信号としてチャージポンプ５へ
出力する。

【００２６】チャージポンプ５は、位相比較器４からの
位相差信号に基づいて、積分器６に対し、規定量の電荷
を充電または放電の処理を行う。

【００２７】ベルト継ぎ目マーキング検出器８は、感光
体ベルト上に設けられた感光体ベルトの継ぎ目近傍に設
けられた継ぎ目部分を示すマーキングを検出して、マー
キング検出信号としてチャージポンプゲイン切り替え部
９に送出する。

【００２８】チャージポンプゲイン切り替え部９は、ベ
ルト継ぎ目マーキング検出器８から送出されたマーキン
グ検出信号に基づいて、チャージポンプ５による充放電
量および充放電時間を多くするように切り替える。

【００２９】積分器６は、チャージポンプ５による充放
電処理の結果、変化した電圧を保持し、保持された電圧
を積分処理した信号をコンパレータ７へ送出する。この
積分器６からの信号は、常時出力されているものであ
る。例えば、本実施形態による画像形成装置を用いて画
像形成を行う場合、１回目（初回）の走査時の積分器６
からの出力は不定なものとなり、２回目以降の走査にお
いては、前回処理した際のチャージポンプ５による充放
電処理の電圧変化を積分処理した信号を積分器６で保持
しているので、当該信号を用いて画像形成するので安定
したものとなる。

【００３０】本発明の実施形態における画像形成装置
は、感光体ベルト端部上の継ぎ目近傍に設けられたマー
キングを検出するベルト継ぎ目マーキング検出器８によ
り、感光体ベルトの継ぎ目部分を検出し、マーキング検
出信号としてチャージポンプゲイン切り替え部９に送出
する。マーキング検出信号が入力されたチャージポンプ
ゲイン切り替え部９は、ベルト継ぎ目部分におけるチャ
ージポンプ５からの充放電量または充放電時間を多くす
ることにより、ベルト継ぎ目部分における段差の影響を
受けない信号を送出することが可能となる。

【００３１】次に、仮想ベルト端信号を用いて画像形成
する際の処理を説明する。ピクセルクロックジェネレー
タ１１は、画像信号出力タイミングの基本となるクロッ
ク信号を発生する。ピクセルクロック信号と仮想ベルト
端信号とは非同期であるため、レーザ走査による潜像形
成を所望の位置に行うためには、画像信号の基準クロッ
クに仮想ベルト端信号を同期させなければならない。従
って、生成したクロック信号をピクセルクロック同期回
路１０へ送出する。

【００３２】ピクセルクロック同期回路１０は、コンパ
レータ７からの仮想ベルト端信号をピクセルクロックジ
ェネレータ１１からのクロック信号に同期させてカウン
タ１２と画像データ記憶部１４とに送出する。

【００３３】カウンタ１２は、コンパレータ７からの仮
想ベルト端信号のパルスを計数すると共に、ピクセルク
ロック同期回路１０から送出されるピクセルクロック信
号を仮想ベルト端信号を基準に計数して、計数値として
出力する。

【００３４】画像データ記憶部１４は、カウンタ１２か
らの仮想ベルト端信号の計数値に基づいて副走査方向
（感光体ベルトの駆動方向）の画像記録開始時刻を特定
し、また、ピクセルクロック信号の計数値に基づいて主
走査方向（レーザ走査方向）の画像記録開始時刻を特定
し、ピクセルクロック信号に同期させて画像データを出
力する。

【００３５】強制発光信号生成部１３は、カウンタ１２
の計数値に基づいてベルト端部付近におけるレーザ発光
信号を生成する。

【００３６】レーザドライバ１５は、画像データ記憶部
１４からの画像信号と強制発光信号生成部１３からのレ
ーザ発光信号とに応じてレーザ１６を駆動し、感光体ベ
ルト上に潜像形成を行う。これらを各色レーザ毎に行う
ことにより、記録画像はベルト端部の非直線形状の影響
を受けず、なおかつ、ベルトの主走査方向の移動による
印刷ズレが生じない。

【００３７】図２は、本発明の実施形態である画像形成
装置に用いられる感光体ベルト６０の構造を示すもので
ある。図２において、感光体ベルト６０は、継ぎ目部６
１近傍にベルト継ぎ目マーキング（単にマーキングとも
言う）６２が設けられている。このマーキング６２は、
光透過窓や光反射体または磁性体のいずれかによって構
成されるものである。

【００３８】図３は、本発明の実施形態である画像形成
装置の感光体ベルト端部の拡大図である。一点破線で示
されるのは、仮想ベルト端部であり、実際のベルト端部
はギザギザの状態であることが示されている。

【００３９】図３において、感光体ベルト６０は、レー
ザビームを透過させない材質でできている。また、感光
体ベルト６０は、図示しない駆動動力源により駆動され
ており、駆動による走行方向と垂直方向とにレーザビー
ムは走査される。遮光体１１０は、レーザビームを透過
させない材質でできており、レーザビームが走査される
位置に固定配置されている。ベルト端検出器２は、レー
ザビーム入射方向からみて遮光体１１０および感光体ベ
ルト６０の背面に配置されている。

【００４０】図４は、感光体ベルト及び４色のレーザ走
査部、ベルト端検出器、遮光体、現像器のそれぞれの配
置およびその動作状況を説明する図である。各色毎のレ
ーザ５１〜５４からのレーザビームは、コリメートレン
ズ１０１〜１０４により平行光化され、各色毎の回転す
るポリゴンミラー１４１〜１４４で反射され、Ｆθレン
ズ３１〜３４を通して感光体ベルト６０上を走査する。
各色のレーザビーム走査に対応したベルト端検出器２１
〜２４及び遮光体１１１〜１１４が図３で説明した位置
に配置されている。感光体ベルト６０の継ぎ目近傍のマ
ーキングを検出するためのベルト継ぎ目マーキング検出
器２２１〜２２４が配置されている。継ぎ目マーキング
検出器２２１〜２２４は、透過型光センサ、反射型光セ
ンサ、磁気センサなどのマーキング６２の構成手段に応
じて構成される。また、各々のレーザビーム走査により
感光体ベルト６０上に形成された潜像は、現像器２４１
〜２４４により順次現像され、最終的に記録紙上に画像
が形成されていく。

【００４１】図５に示されるタイムチャートは、本発明
の実施形態である画像形成装置における３つの処理パタ
ーンを表した図である。図５において、位相比較器４
は、ベルト端検出器２から出力されるベルト端信号の遮
光体端部を示すエッジから実際のベルト端部を示すエッ
ジまでの時間をｔ１、ベルト端検出器２から出力される
ベルト端信号の遮光体端部を示すエッジからコンパレー
タ７よりフィードバックされた仮想ベルト端信号の示す
仮想ベルト端部までの時間をｔ２とした場合、ｔ１＞ｔ
２なのかｔ１＜ｔ２なのか、あるいはｔ１＝ｔ２なのか
を示す信号を出力する。

【００４２】仮想ベルト端信号は、コンパレータ７にお
いて積分器６からの出力信号とランプ信号発生器３から
のランプ信号との電圧が重なった時点から出力を開始
し、ランプ信号発生器３からの出力が停止した時点で出
力を停止する。

【００４３】チャージポンプ５は、第１の処理パターン
として、位相比較器４からの位相差信号がｔ１＞ｔ２を
示す場合、積分器６に対して規定量の電荷を充電処理を
行う。

【００４４】第２の処理パターンとして、位相比較器４
からの信号がｔ１＜ｔ２を示す場合、積分器６に対して
規定量の電荷の放電処理を行う。

【００４５】第３の処理パターンとして、位相比較器４
からの信号がｔ１＝ｔ２を示す場合、充放電処理を行わ
ない。

【００４６】以上のような処理を走査毎に行う。積分器
６は、充放電処理により変化した電圧を積分処理した信
号を保持し、次回の走査時にコンパレータ７においてラ
ンプ信号と比較され、仮想的なベルト端信号を生成す
る。

【００４７】位相比較器４において、上述のｔ１、ｔ２
の算出は、実際の値を算出することも可能であるが、必
要な情報はｔ１とｔ２のどちらが大きいかということだ
けであることと、さらに、算出される時間差が実際には
ナノ秒台であり、高速に検出される必要があるので、論
理回路により構成した順序回路により上述の処理を行っ
ている。

【００４８】画像形成領域のチャージポンプ５による一
回の充放電量は、仮想ベルト端信号の遮光体端部の検出
時刻からの時間ｔ２およびベルト端部の傷や非直線形状
によりｔ１の値が走査毎に急激に変動した場合でも、そ
の変動が少なくなるような十分小さな値で、かつ、ベル
トの走査方向への移動には追従するような値に選定して
ある。ベルトが走査方向へ移動することによるｔ１の変
動周期は、ベルト端部の傷や非直線形状によるものより
も十分長いものである。

【００４９】画像形成を行わないベルト継ぎ目部６１に
は、図２に示すような段差が存在していて、その段差の
大きさはベルト端部の傷や非直線形状よりも遥かに大き
いものである。チャージポンプ５による一回の充放電量
を画像形成領域と同じ量にしていたのでは、仮想ベルト
端部が実際のベルト端部から大きくずれてしまい、図７
に示される斜めの一点破線部のようになってしまう。そ
れを防ぐため、ベルト継ぎ目マーキング検出器８は、ベ
ルト継ぎ目部６１近傍に設けられたマーキング６２を検
出し、チャージポンプゲイン切り替え部９は、ベルト継
ぎ目部６１近傍ではチャージポンプ５による充放電量が
大きくなるように切り替える。チャージポンプ５による
充放電量の切り替えは、充放電時間を変えることにより
行う。

【００５０】所定の時間が経過し、ベルト継ぎ目部６１
近傍から画像形成領域に入ったら充放電量を元に戻す。
その結果、図６に示すようにベルト継ぎ目部６１に段差
があっても仮想ベルト端信号は画像形成を行わない。ベ
ルト継ぎ目部６１近傍では、ベルト端部の形状の影響を
受けてベルト位置に追従し、画像形成領域ではベルトの
傷等の影響を受けない信号となる。

【００５１】次に、本発明の他の実施形態について図８
を参照して説明する。本発明の他の実施形態において
は、光学系が一つから構成されるもので、レーザ５１か
ら照射されるレーザビームは、コリメートレンズ１０１
により平行光化され、回転するポリゴンミラー１４１で
反射され、Ｆθレンズ３１を介して感光体ベルト６０上
を走査する。レーザビーム走査に対応したベルト端検出
器２１及び遮光体１１１が図３で説明された位置に配置
されている。感光体ベルト６０上のベルト継ぎ目近傍の
マーキング６２を検出するためのベルト継ぎ目マーキン
グ検出手段２２１が配置されている。

【００５２】また、第１回目のレーザビーム走査により
感光体ベルト６０上に形成された画像の潜像は、現像器
２４１により現像され、第２回目のレーザビーム走査に
より感光体ベルト６０上に形成された画像の潜像は、現
像器２４２で現像されるといったように、順次潜像形成
および現像の順番でプロセスが進んでいく。４色の画像
形成を行うためには、感光体ベルト６０を４回転させな
ければ画像を記録紙に形成できないが、出力される画像
はベルト端部における傷や非直線形状の影響を受けない
高品質なものとなる。

【００５３】図９は、本発明の実施形態における動作例
を示すフローチャートである。レーザ走査により遮光体
端部を検出する（ステップＳ１）。ステップＳ１におい
て検出された遮光体端部の検出時刻を基準にランプ信号
の生成を開始する（ステップＳ２）。ランプ信号の出力
は、ベルト端部が検出されたと同時に停止する。ステッ
プＳ２において、生成されたランプ信号と積分器からの
出力信号とを比較し、仮想ベルト端信号を生成する（ス
テップＳ４）。

【００５４】次に、レーザ走査により実際のベルト端部
が検出されると（ステップＳ３）、ベルト端信号とコン
パレータからフィードバックされる仮想ベルト端信号と
の位相差を比較する（ステップＳ５）。チャージポンプ
では、比較された位相差を示す位相差信号に基づいて充
放電処理を行う（ステップＳ６）。充放電処理された際
の電圧変化を積分処理した信号を積分器にて保持する
（ステップＳ７）。ステップＳ７において、積分処理さ
れた信号は、積分器からの出力信号として再度ステップ
Ｓ４へと供給される。

【００５５】ステップＳ４において、生成された仮想ベ
ルト端信号は、画像形成部にて画像データ信号と同期す
るためのクロック信号に同期させる処理が行われる（ス
テップＳ８）。クロック信号に同期された仮想ベルト端
信号のパルスを計数し、計数値として送出する（ステッ
プＳ９）。送出された計数値に基づいて画像データを送
出し（ステップＳ１０）、レーザ発光信号を生成する
（ステップＳ１１）。ステップＳ１０にて送出された画
像データとステップＳ１１にて生成されたレーザ発光信
号とに基づいてレーザビームの駆動を制御する（ステッ
プＳ１２）。

【００５６】尚、最初（１回目）の走査による時点で、
積分器に保持される電圧変化の信号は、不定なものであ
るので、ステップＳ４においては、生成されたランプ信
号と積分器から送出される不定の電圧変化の信号とを比
較し、仮想ベルト端信号を生成する。ここで生成された
仮想ベルト端信号は、フィードバック信号として位相比
較器へ送出される。尚、２回目以降の走査においては、
積分器にて前回走査した際の電圧変化を積分処理した信
号が保持され、その積分処理した信号をコンパレータへ
送出するものである。

【００５７】

【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
の画像形成装置によれば、仮想感光体ベルト端信号を基
準としてレーザ走査による潜像形成を行うので、感光体
ベルト上にはベルト端部に傷があったり、または非直線
形状であっても、ベルト端部の形状が記録紙画像上に現
れないような所望の位置に所望の画像データの潜像を形
成することができる。

【００５８】また、本発明の画像形成装置によれば、感
光体ベルト端部上に継ぎ目を示すマーキングを設け、マ
ーキング検出器により検出した信号に応じて、画像形成
を行わないベルト継ぎ目部分における充放電量または充
放電時間を多くすることにより、ベルト継ぎ目部分の段
差の影響を受けない。従って、各色のレーザビーム走査
により形成され、現像器で現像された画像は、感光体ベ
ルト端部の形状による影響を受けない高品質なものとな
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態である画像形成装置の構成を
示すブロック図である。

【図２】感光体ベルト端部付近の拡大図である。

【図３】感光体ベルトの継ぎ目部分を示す図である。

【図４】本発明の実施形態におけるレーザ走査の動作状
況を説明するための図である。

【図５】本発明の実施形態におけるタイムチャートを示
すものである。

【図６】仮想ベルト端部とベルト端部とが追従する場合
の感光体ベルト端部の拡大図である。

【図７】仮想ベルト端部とベルト端部とが追従しない場
合の感光体ベルト端部の拡大図である。

【図８】本発明の他の実施形態におけるレーザ走査の動
作状況を説明するための図である。

【図９】本発明の実施形態の動作例を示すフローチャー
トである。

【図１０】従来例１の画像形成装置の構成を示すブロッ
ク図である。

【図１１】従来例２の画像形成装置の構成を示すブロッ
ク図である。

【符号の説明】

１ 仮想ベルト端生成部 ２ ベルト端検出器 ３ ランプ信号発生器 ４ 位相比較器 ５ チャージポンプ ６ 積分器 ７ コンパレータ ８ ベルト継ぎ目マーキング検出器 ９ チャージポンプゲイン切り替え器 １０ ピクセルクロック同期回路 １１ ピクセルクロックジェネレータ １２ カウンタ １３ 強制発光信号生成部 １４ 画像データ記憶部 １５ レーザドライバ １６ レーザ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B41J 2/44 G02B 26/10 G03G 15/00 G03G 15/01 G03G 15/04

Claims (7)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 レーザビーム走査方式により感光体ベル
   トを用いて画像形成を行う画像形成装置において、前記感光体ベルトのベルト端部の検出により出力される
   ベルト端検出信号から 仮想ベルト端信号を生成する仮想
   ベルト端信号生成部と、 該仮想ベルト端信号生成部により生成された前記仮想ベ
   ルト端信号を用いて画像形成を行う画像形成部とを備
   え、 前記仮想ベルト端信号生成部は、前記仮想ベルト端信号の出力タイミングを充放電により
   変える充放電手段と、 前記感光体ベルト上に設けられたベルト継ぎ目部分を示
   すマーキングを検出してマーキング検出信号を出力する
   マーキング検出手段と、 該マーキング検出手段から出力される前記マーキング検
   出信号に基づいて前記充放電手段による充放電量を切り
   替える充放電量切り替え手段と、 を有して構成されることを特徴とする画像形成装置。
2. 【請求項２】 前記画像形成部は、 ピクセルクロックジェネレータと、ピクセルクロック同
   期回路と、カウンタと、強制発光信号生成部と、画像デ
   ータ記憶部と、レーザドライバと、レーザとにより構成
   され、 前記ピクセルクロックジェネレータは、画像データを出
   力するタイミングをとるためのクロック信号を生成し、 前記ピクセルクロック同期回路は、前記仮想ベルト端信
   号を前記クロック信号に同期させ、 前記カウンタは、前記仮想ベルト端信号のパルスと、前
   記クロック信号に同期させた仮想ベルト端信号のパルス
   とを計数値として計数し、 前記強制発光信号生成部は、前記カウンタからの計数値
   に基づいてレーザ発光信号を生成し、 前記画像データ記憶部は、前記計数値と前記クロック信
   号に同期させた仮想ベルト端信号とに基づいて画像デー
   タ信号を出力し、 前記レーザドライバは、前記レーザ発光信号と前記画像
   データ信号とに基づいてレーザビームを出力するための
   レーザ制御信号を出力し、 前記レーザは、前記レーザ制御信号に基づいて前記感光
   体上に潜像形成するためのレーザビームを出力すること
   を特徴とする請求項１記載の画像形成装置。
3. 【請求項３】 前記仮想ベルト端信号生成部は、 ベルト端検出器と、ランプ信号発生器と、位相比較器
   と、チャージポンプと、積分器と、コンパレータと、ベ
   ルト継ぎ目マーキング検出器と、チャージポンプゲイン
   切り替え部とにより構成され、 前記ベルト端検出器は、走査開始を示す信号が入力され
   ると、レーザ走査により遮光体端部を検出すると同時に
   ベルト端信号を出力し、感光体ベルト端部を検出すると
   同時に前記ベルト端信号の出力を停止し、 前記ランプ信号発生器は、前記ベルト端検出器により前
   記遮光体端部の検出を基準として一定に上昇する電圧の
   出力を開始し、前記感光体ベルト端部の検出と同時に出
   力を停止する前記電圧をランプ信号として出力し、 前記位相比較器は、前記ベルト端信号と前記コンパレー
   タから送出されるフィードバック信号との位相差を比較
   し、位相差信号として出力し、 前記ベルト継ぎ目マーキング検出器は、前記感光体ベル
   ト上に設けられた前記マーキングを検出し、マーキング
   検出信号として出力し、 前記チャージポンプゲイン切り替え器は、前記マーキン
   グ検出信号に基づいて前記チャージポンプの充放電量を
   切り替える切り替え信号を出力し、 前記チャージポンプは、前記位相差信号と前記切り替え
   信号とに基づいて充放電量を切り替え、該切り替えによ
   り変化した電圧を出力し、 前記積分器は、前記変化した電圧を積分処理した信号を
   出力し、 前記コンパレータは、前記ランプ信号と前記積分処理し
   た信号とを比較し、仮想ベルト端信号を出力し、 前記仮想ベルト端信号は、前記フィードーバック信号と
   して前記位相比較器に送出されると同時に、前記画像形
   成部に送出されることを特徴とする請求項１または２記
   載の画像形成装置。
4. 【請求項４】 前記位相差信号は、 前記遮光体端部から前記ベルト端部までの検出時間をｔ
   １とし、前記遮光体端部から前記仮想ベルト端信号生成
   手段により生成された前記仮想ベルト端信号によって示
   される仮想ベルト端部までの検出時間をｔ２とした場合
   に、 ｔ１＞ｔ２の時に、規定量の電荷を充電し、 ｔ１＜ｔ２の時に、規定量の電荷を放電し、 ｔ１＝ｔ２の時に、充放電処理を行わないように制御す
   る信号であることを特徴とする請求項３記載の画像形成
   装置。
5. 【請求項５】 前記マーキングは、 光透過窓、光反射体、磁性体のいずれかによって構成さ
   れていること特徴とする請求項１から４のいずれか１項
   に記載の画像形成装置。
6. 【請求項６】 前記ベルト継ぎ目マーキング検出器は、 透過型光センサ、反射型光センサ、磁気センサのいずれ
   かによって構成されていることを特徴とする請求項３か
   ら５のいずれか１項に記載の画像形成装置。
7. 【請求項７】 前記画像形成装置は、 レーザ、コリメートレンズ、ポリゴンミラー、Ｆθレン
   ズにより構成される光学系を複数設置していることを特
   徴とする請求項１から６のいずれか１項に記載の画像形
   成装置。