JP3055392U - 鍋用落し蓋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 直径の小さい鍋には直径を小さくして使用で
き、直径を小さくしても使用中に熱湯が沸き上がる孔は
塞がないようにし、鍋の中の食材の全部を均一に軟らか
く、且つ味付けできるようにし、使用後は使い捨てゝ洗
浄の手数を省く。 【解決手段】 円形の折曲可能なシート１０からなり、
該シートの円形の周縁部には円周方向に所定の間隔を保
った多数の半径方向内向きの切込み１１により折曲げて
シートの直径を小さくする多数の扇形片１２を形成し、
該シートの中心部には折り立てることによりシート面に
開口部１４を生じさせる摘片１３を切込んで形成し、且
つ摘片を除いてシートには分散して孔１５を開設する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、野菜、魚などを煮炊きする際に使用する鍋用落し蓋に関する。

【０００２】

【従来の技術】

野菜、魚などを少ない水量で、充分に軟らかく、且つ調味料をよく浸透させて 煮るためには、鍋よりも大きさが一回り小さい落し蓋を鍋の中の食材の上に載せ て煮る。 鍋には直径が大きいもの、小さいもの各種ある。これらの種々な直径の鍋に共 通して使用できるようにするため、孔があいたステンレス板製の扇形板を複数枚 （例えば７枚）、直径を大小に変化することができるように重ねて組合わせ、直 径が大きい鍋に使用する際は扇形板同志の重なりを少なくして直径を大きくし、 直径が小さい鍋に使用する場合は扇形板同志の重なりを多くして直径を小さくし 、こうして扇形板同志の重なり具合を変化し、鍋の直径に合わせて使用する高価 な落し蓋が従来から存在する。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記公知の落し蓋は、組合わせ部分が破損しない限り恒久的に使用可能である が、それには使用した都度、綺麗に洗浄することが必要である。しかし、洗浄す るには扇形板の重なった部分の間に付着している煮汁や、詰っている食材の滓を 除去するのに非常に手数がかゝる。 又、或る程度直径を小さくすると、各扇形板に明けられていた孔は扇形板の重 なりにより塞がれてしまう。この状態で鍋の中にいれて使用すると、鍋の中の調 味料を含んだ熱湯は落し蓋の外周と鍋の内周との間の隙間を通って噴き上がる。 従って、落し蓋の下では上記隙間に向かって流れようとする熱湯の流れが生じる ので、鍋の中の食材は鍋の内周に位置するものほど、早く柔らかくなり、調味料 も浸透し、鍋の中心部に位置するものとの間に柔らかさや、味付けに差が生じる 。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、従来の落し蓋の上述した問題点を解消するために開発されたのであ って、円形の折曲可能な薄いシートからなり、該シートの円形の周縁部には円周 方向に所定の間隔を保った多数の半径方向内向きの切込みにより折曲げてシート の直径を小さくする多数の扇形片を形成し、該シートの中心部には折り立てるこ とによりシート面に開口部を生じさせる摘片を切込んで形成し、且つ摘片を除い てシートには分散して孔を開設したことを特徴とする。

【０００５】

【考案の実施の形態】

図示の実施形態において、１０は円形の折曲可能なシートで、その円形の周縁 部には円周方向に所定の間隔を保った多数の半径方向内向きの切込み１１により 多数の扇形片１２が形成してある。シートとは、手で容易に曲げることができる ものであれば極く薄い鉄板、銅板等、何でもよいが、錆の発生防止、使い捨てに 適する等の見地からは厚さ０．０１〜０．５ｍｍ位のアルミシートや、紙がよい 。一例として寸法を例示すると、シートの直径は約２２０ｍｍ、半径方向内向き の切込み１１の外周からの長さは約３０ｍｍ、外周での切込み１１の円周方向の 間隔は約６０ｍｍ、これにより全周で切込み１１、及び扇形片１２の数は１２に なる。

【０００６】 円形のシートの周縁部に半径方向内向きの多数の切込み１１によって扇形片１ ２を形成したのは、扇形片１２の全部を１つ宛、折り曲げてシートの円の直径を 小さくし、直径の小さな鍋にも使用できるようにするためである。このため、全 部の切込み１１を横切って、例えば直径２００ｍｍ、直径１７０ｍｍの同心円の 折曲げの目安線ａ，ｂを全部の扇形片１２に印刷やミシン目で図示のように表現 しておくことが好ましい。これにより、扇形片を折曲げないときは内径２５０ｍ ｍ程度の鍋に使用するのに適するが、直径２００ｍｍの目安線ａに沿って全部の 扇形片の一部を浅く折曲げると（図２Ａ）、シートの直径は約２００ｍｍになり 、内径２３０〜２２０ｍｍ程度の鍋に好適に使用できる。又、直径１７０ｍｍの 目安線ｂに沿って全部の扇形片の一部を深く折曲げると（図２Ｂ）、シートの直 径は約１７０ｍｍになり、内径２００ｍｍ程度の鍋に好適に使用できる。上記し た折曲げの目安線は必ずしも必要ではなく、扇形片はすべて折曲げ可能であるた め、内径が２２０ｍｍ以下の鍋に使用するときは、鍋の内径に適応した直径にな るように扇形片を折曲げればよい。又、半径方向内向きの切込み１１の外周から の長さを長くする程、扇形片１２を折曲げてシートの直径をより小さくすること ができる。尚、図２（Ａ）、図２（Ｂ）では扇形片の一部を内向きに折返し状に 曲げて重ねてあるが、直角に折曲げて立てゝもよい。

【０００７】 当初の円形シートの直径をどれだけにするか、切込み１１と扇形片１２の数、 及び半径方向内向きの切込みの外周からの長さをどれだけにしてシートの直径を どれだけ小さくできるようにするかということは、手で容易に折曲げることがで きるシートの強度に応じ適切に定める。

【０００８】 シートの中心部には、摘片１３を切込んで形成する。使用する際、切込みに沿 いシートから離して摘片１３を、図１（Ｂ）に示すように折り立てると、摘片１ ３は落し蓋を鍋の中に落し込んだり、煮終って鍋の中から落し蓋を取出す際の摘 みになる。同時に摘片１３を折り立てることによりシートには摘片の跡としての 開口部１４が中心部に生じる。

【０００９】 図４に示すように、鍋の中の食材の上に落し込んで煮炊きする際、鍋内の熱湯 はシート１０の外周と鍋の内周の隙間からだけではなく、摘片１３を折り立てる ことにより生じたシートの中心部の開口部１４からも噴き上がる。従って、鍋の 内周に位置する食材も、鍋の中心部に位置する食材も均等に軟らかくなり、且つ 味付けされる。

【００１０】 そして、シート１０には摘片１３を除き、均等に分散して孔１５が開設してあ り、扇形片を折曲げて直径を小さくしても孔はかくされないため、鍋の中に入れ て使用中、熱湯はそれらの孔１５からも噴き上がるので鍋内の食材の全部をより 軟らかく、且つ味付けすることができる。

【００１１】 摘片１３の形状は、図１では４枚の花弁からなる十字形で、各花弁は中心に向 いた部分１３′でシートにつながっている。しかし、摘片１３の形状は任意で、 例えば図３に示すように間隔を保って対向する半円弧状の２つの切込みにより形 成し、折り立てることにより並列して立つ半円形の２つの摘片となり、シートに は間隔を保った半円形の２つの開口部が生じるなど、どのように設計してもよい 。

【００１２】 尚、保管しておく際は図１（Ａ）の平らな状態で積み重ねておけばスペースを とらない。扇形片の折曲げ、摘片の折立ては使用の際に行い、使い終ったら捨て る使い捨て式に使用することにより洗浄の手数が省ける。

【００１３】

【考案の効果】

以上で明らかなように、本考案の落し蓋は、円形の折曲可能なシートの周縁部 に、円周方向に所定の間隔を保った多数の半径方向内向きの切込みによる多数の 扇形片が形成してあるので、扇形片の全部を折曲げることによりシートの直径を 小さくし、直径の小さい鍋にも落し込んで使用できる。そして、中心部には摘片 を切込んで形成してあるため、使用の際は摘片を折り立てることにより摘みとし て利用できる。そして、摘片を折立てることによりシートの中心部には摘片の跡 の開口部が生じると共に、シートには分散して孔を開設してあり、扇形片を折曲 げて直径を小さくしても孔はかくされないため、鍋の中の食材の上に載せて使用 すると、調味料を含んだ熱湯はこれらの開口部や孔からも噴き上がるので、鍋の 内周に位置する食材も、鍋の中心部に位置する食材も均等に軟らかく、且つ味付 けされる。又、折曲可能なシートからなるため低コストで提供でき、従って使い 捨て式に使用し、洗浄の手数を省くことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（Ａ）は本考案の鍋用落し蓋の一例の平面図、
（Ｂ）は摘片を折立てた状態の斜視図である。

【図２】（Ａ）は扇形片を浅く折曲げて直径を少し小さ
くする状態の説明図、（Ｂ）は扇形片を深く折曲げて直
径をより小さくする状態の説明図である。

【図３】シートの中央部の摘片の他の例を示す平面図で
ある。

【図４】鍋の中に入れた使用状態の説明図である。

【符号の説明】

１０ 円形の折曲可能なシート １１ 周縁部の半径方向内向きの切込み １２ 切込みにより形成された扇形片 １３ 摘片 １４ 摘片を折立てた跡の開口部 １５ 孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 円形の折曲可能なシートからなり、該シ
   ートの円形の周縁部には円周方向に所定の間隔を保った
   多数の半径方向内向きの切込みにより折曲げてシートの
   直径を小さくする多数の扇形片を形成し、該シートの中
   心部には折り立てることによりシート面に開口部を生じ
   させる摘片を切込んで形成し、且つ摘片を除いてシート
   には分散して孔を開設したことを特徴とする鍋用落し
   蓋。