JP3054663U - 釣竿用釣糸取付具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】釣竿の穂先に釣糸を取り付けるために用いる釣
糸取付具を釣竿の穂先に簡単に装着できるようにすると
共に、当該釣糸取付具に釣糸を結び付けたり、その釣糸
の結び目を指で解いたり刃物で切断したりする面倒を解
消し、更に、釣糸から穂先に伝わる魚信の感度も高め
る。 【解決手段】釣竿の穂先（２）を差し込んでその穂先
（２）に嵌め止めるパイプ（３）の先端側に突設された
フック（６）に釣糸（４）のチチワ（５）を引っ掛け、
そのフック（６）にソケット（８）を冠着させるだけ
で、釣糸（４）が取り付けられるようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、釣竿の穂先に釣糸を取り付けるために用いる釣竿用釣糸取付具に関 する。

【０００２】

【従来の技術】

へら竿や鮎竿等の釣竿は、図７に示すように、その穂先７０に巻糸７１で縛り 付けて装着されたリリヤン７２に、道糸となる釣糸７３を結んで取り付けるよう になっており、リリヤン７２は、結び付けた釣糸７３が抜け落ちないようにする ため、同図（Ａ）の如くループ状のヘビ口に形成したり、あるいは同図（Ｂ）の 如く先端に結び目７４のコブを形成している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、釣り人にとっては、釣糸７３をリリヤン７２に結び付けたり、その結 び目７５を解いてリリヤン７２から取り外すのが面倒で、殊に、極細の釣糸７３ は、結び目７５が非常に小さいため、その結び目７５を指先で解くのは困難であ った。また、太い釣糸７３も、冬場は指先がかじかんで結び目７５を解くことが 難しいため、結び目７５の部分を鋏やカッターナイフ等の刃物で切断してリリヤ ン７２から取り外さざるを得ず、その際に誤ってリリヤン７２を切断したり破損 することがあった。

【０００４】また、手芸用紐で成るリリヤン７２は、その素材の柔軟性や伸縮性 による緩衝作用で、釣糸７３から穂先７０へ伝わる魚信を減衰させたり、その魚 信の伝達を遅らせたりするので、魚の微妙な当たりが取りづらいという欠点があ った。

【０００５】また、釣竿メーカーにとっては、釣竿の穂先７０にリリヤン７２を 巻糸７１で縛り付けて装着する加工や、その上から巻糸７１のほつれや劣化を防 止するために漆等をコーティングする加工が非常に面倒であり、しかも、それら の加工は熟練技術を要するため、釣竿の生産性が良くないという問題があった。

【０００６】そこで本考案は、釣竿メーカーにとっては、熟練技術を要すること なく釣竿の穂先に簡易迅速に装着させることができ、また、釣り人にとっては、 釣糸を結び付けたり、その結び目を指先で解いたり刃物で切断する面倒がなく、 魚信の感度も非常に良好な釣糸取付具を提供することを技術的課題としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するために、本考案の釣糸取付具は、後端側に釣竿の穂先を 差し込んでその穂先に嵌め止められるパイプの先端側に、釣糸の端を輪にして結 んだチチワを引っ掛けるフックが突設されると共に、当該フックの軸部にスライ ド自在に枢支されてそのフックに対して着脱自在に冠着されるソケットが設けら れていることを特徴とする。

【０００８】この釣糸取付具は、パイプの後端側に釣竿の穂先を差し込むだけで その穂先に簡単に装着させることができると共に、パイプの先端側に突設された フックに、釣糸の端を予め輪にして結んだチチワ（乳輪）を引っ掛けて、そのフ ックにソケットを冠着させるだけで、釣糸を釣竿の穂先に簡易迅速に取り付ける ことができ、また、フックにチチワを引っ掛けた釣糸は、そのフックに冠着され たソケットを脱がすだけで簡単に取り外すことができる。

【０００９】また、釣糸に伝わる魚信は、その釣糸のチチワを引っ掛けたフック と、当該フックを突設したパイプを介して、釣竿の穂先に素早く伝達され、途中 で減衰されることもないので、魚信の感度が非常に良く、魚の微妙な当たりも取 りやすくなる。

【００１０】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施形態を図面によって具体的に説明する。 図１は本考案による釣糸取付具の一例を示す斜視図、図２はその釣糸取付具の 縦断面図、図３は釣糸取付具の一部を構成するフックの斜視図、図４は釣糸取付 具の使用状態を示す斜視図、図５はフックの変形例を示す斜視図、図６はそのフ ックの縦断面図、である。

【００１１】本考案の釣糸取付具１は、後端側に釣竿の穂先２を差し込んでその 穂先２に嵌め止められるパイプ３の先端側に、釣糸４の端を輪にして結んだチチ ワ５を引っ掛けるフック６が突設されると共に、当該フック６の軸部７にスライ ド自在に枢支されてそのフック６に対して着脱自在に冠着されるソケット８が設 けられている。

【００１２】パイプ３は、釣竿の穂先２に嵌め止め可能な程度の内径を有したス テンレス製あるいは真鍮製の金属管で成り、尖端に接着剤を塗布した穂先２を後 端側に差し込んでその穂先２に固定するようになっている。

【００１３】フック６は、ステンレス製あるいは真鍮製の針金で成形され、その 軸部７が、針金で成るフック６の軸本体９と、当該軸本体９にかぶせた鞘パイプ １０とで形成されている。

【００１４】鞘パイプ１０は、パイプ３の先端側にルーズに差し込み可能な程度 の外径を有したステンレス製あるいは真鍮製の金属管で成り、当該鞘パイプ１０ の先端側からフック６の軸本体９を差し込んで、その鞘パイプ１０の先端部が図 ３の如く偏平形状に圧し潰されることにより、フック６の軸本体９が抜け出し不 能に固定されると同時に、フック６に冠着されたソケット８の内側に圧接してそ のソケット８の冠着状態を保持する押さえ止め１１が形成されている。

【００１５】なお、鞘パイプ１０に差し込むフック６の軸本体９に、図２の如く ゴム管もしくはビニール管１２をかぶせておけば、その軸本体９が鞘パイプ１０ から抜け出すことを確実に防止することができる。

【００１６】また、鞘パイプ１０の後端側外周には、金属パイプの中間部を絞る スウェージング加工によって環状の凹溝１３が形成されている。そして、その鞘 パイプ１０の後端側をパイプ３の先端側に差し込んで、当該パイプ３に前記凹溝 １３とルーズに嵌合する環状の縮径部１４を形成するスウェージング加工が施さ れることにより、フック６の軸部７がパイプ３の先端側に対して回転自在に取り 付けられている。

【００１７】なお、パイプ３には、その後端側から差し込まれた穂先２の尖端を 衝止してその尖端がフック６の軸部７に接触することを防ぐためのストッパ１５ が挿入配設されると共に、当該ストッパ１５を定位置に固定するための位置決め 用縮径部１６が形成されている。

【００１８】ソケット８は、プラスチックあるいはステンレスや真鍮等の金属に よってベル型ないしラッパ型の形状に成形されている。

【００１９】しかして、釣糸取付具１は、釣竿の穂先２に少量の接着剤を塗布し てその穂先２をパイプ３の後端側に差し込むだけの簡単な加工によって穂先２に 装着することができるので、釣竿の生産性が著しく向上する。

【００２０】また、釣竿の穂先２に装着した釣糸取付具１は、図１に示すように 釣糸４の端を予め輪にして結んだチチワ５をフック６に引っ掛けて、当該フック ６の軸部７にスライド自在に枢支されたソケット８を図４の如くフック６に冠着 させるだけで、釣糸４を簡単に取り付けることができる。

【００２１】そして、フック６に冠着されたソケット８は、釣糸４のチチワ５が フック６から抜け落ちることを防止し、また、ベル型もしくはラッパ型の形状に 成形されることによってそのソケット８に釣糸４が絡みつくことも防止する。更 に、フック６は、その軸部７が回転することによって、釣糸４が穂先２に絡みつ くことを防止すると同時に、絡みつきを容易に解消することができる。

【００２２】なお、図３のように、フック６の軸部７を成す鞘パイプ１０の中間 部をソケット８が圧接しながら通過可能な程度の偏平形状に圧し潰して、ソケッ ト８がフック６に冠着されたときにそのソケット８の後端を係止して当該ソケッ ト８がフック６から簡単に脱げないようにするソケットの戻り止めストッパ２１ を形成すれば、フック６からの釣糸４のチチワ５の抜け落ちを確実に防止するこ とができる。

【００２３】また、釣糸４に伝わる魚信は、フック６とパイプ３を介して釣竿の 穂先２にダイレクトに伝達されるので、魚信の感度が非常に良く、魚の微妙な当 たりも取りやすい。

【００２４】次に、図４の如くフック６に冠着されているソケット８を穂先２側 へ押し動かして、そのソケット８を図１の如くフック６から脱がせば、当該フッ ク６に引っ掛けた釣糸４のチチワ５を外して、その釣糸４を穂先２から簡単に取 り外すことができる。

【００２５】なお、フック６の軸部７は、図５及び図６に示すように、針金で成 る軸本体９と、その軸本体９を差し込んで接着剤で固定するプラスチック製のシ ャフトもしくはパイプ１７とで形成されるものであっても良い。

【００２６】パイプ１７は、これをプラスチック成形する際に、その後端側外周 に、パイプ３の縮径部１４とルーズに嵌合する環状の凹溝１８が形成されると同 時に、先端側外周に、フック６に冠着されたソケット８の内側に圧接してそのソ ケット８の冠着状態を保持する複数のリブで成る押さえ止め１９が形成されてい る。また、プラスチック製のパイプ１７は、その内部に差し込んで接着剤で固定 したフック６の軸本体９によって強度が補強されている。

【００２７】

【考案の効果】

本考案の釣糸取付具は、熟練技術を要することなく釣竿の穂先に簡単に装着さ せることができるので、釣竿の生産性を向上させる効果がある。 更に、釣糸を直接結び付けたり、その釣糸の結び目を指先で解いたり刃物で切 断する面倒もなく、また、釣糸から釣竿の穂先に伝わる魚信の感度も非常に良好 で、魚の微妙な当たりも確実に取れるという数々の優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による釣糸取付具の一例を示す斜視図。

【図２】図１に示す釣糸取付具の縦断面図。

【図３】図１に示す釣糸取付具の一部を構成するフック
の斜視図。

【図４】本考案による釣糸取付具の使用状態を示す斜視
図。

【図５】フックの変形例を示す斜視図。

【図６】図５に示すフックの縦断面図。

【図７】従来一般の釣糸取付具を示す図。

【符号の説明】

１・・・・・釣糸取付具 １９・・・・
・押さえ止め ３・・・・・パイプ ２１・・・・
・戻り止めストッパ ６・・・・・フック ７・・・・・フックの軸部 ８・・・・・ソケット ９・・・・・フックの軸本体 １０・・・・・鞘パイプ １１・・・・・押さえ止め

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】後端側に釣竿の穂先を差し込んでその穂先
   に嵌め止められるパイプ（３）の先端側に、釣糸の端を
   輪にして結んだチチワを引っ掛けるフック（６）が突設
   されると共に、当該フック（６）の軸部（７）にスライ
   ド自在に枢支されてそのフック（６）に対して着脱自在
   に冠着されるソケット（８）が設けられていることを特
   徴とする釣竿用釣糸取付具。
2. 【請求項２】前記フック（６）の軸部（７）が、前記パ
   イプ（３）の先端側に対して回転自在に取り付けられて
   いる請求項１記載の釣竿用釣糸取付具。
3. 【請求項３】前記フック（６）の軸部（７）に、当該フ
   ック（６）に冠着された前記ソケット（８）の内側に圧
   接してそのソケット（８）の冠着状態を保持する押さえ
   止め（１１，１９）が形成されている請求項１又は２記
   載の釣竿用釣糸取付具。
4. 【請求項４】前記押さえ止め（１１）が、前記フック
   （６）の軸部（７）を成す金属製鞘パイプ（１０）の先
   端部を偏平形状に圧し潰して成る請求項３記載の釣竿用
   釣糸取付具。
5. 【請求項５】前記鞘パイプ（１０）の中間部を圧し潰し
   て、前記フック（６）に冠着された前記ソケット（８）
   がフック（６）から脱げないようにする戻り止めストッ
   パ（２１）が形成されている請求項４記載の釣竿用釣糸
   取付具。