JP3053987B2 - 作業機の油圧回路構造 - Google Patents

作業機の油圧回路構造

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JP3053987B2 JP5009675A JP967593A JP3053987B2 JP 3053987 B2 JP3053987 B2 JP 3053987B2 JP 5009675 A JP5009675 A JP 5009675A JP 967593 A JP967593 A JP 967593A JP 3053987 B2 JP3053987 B2 JP 3053987B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バックホウ、ドーザ作
業車等の作業機における油圧回路構造に係り、詳しく
は、作業負荷に応じてポンプ出力を増減させる負荷制御
(ロードセンシング)を行うようにした油圧回路構造に
関する。
【0002】
【従来の技術】この種の油圧回路としては、特開平2‐
144419号公報で示されたものが知られている。こ
の技術では、アクチュエータ通過後における制御弁に対
する圧油供給経路下手側部分どうしを連通する油路と、
各制御弁に対する圧油供給経路下手側における油圧ポン
プの吐出側油路とを流量調節弁の各油室に接続させるこ
とによって、該流量調節弁の切換作動を司る状態に構成
してあり、作業装置のいずれのアクチュエータを駆動す
る場合であっても良好に負荷制御が行われるようにされ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術では、例えばブームシリンダと旋回モータとを同
時操作したときの合計要求流量が油圧ポンプの最大吐出
流量を上回った場合には、負荷の軽い方に圧油が流れる
傾向にあり、実際には負荷の重い側のアクチュエータ
(ブームシリンダ等)が実質的に作動しなくなるおそれ
がある。
【0004】又、機体の良好な直進性を現出させるに
は、左右の走行用油圧モータへの供給油量を均等に分流
させることが必要であるが、上記従来技術では左右の走
行用制御弁が弁ブロックでの供給ポートに対して直列接
続されているために、左右の走行モータへの供給油量に
差が付いて斜行するおそれがある。
【0005】本発明の目的は、負荷制御を行うに当た
り、複数のアクチュエータを同時駆動するときの上述し
た不都合が起こり難いように、かつ、機体の斜行が生じ
難い操作性の向上した負荷制御用の油圧回路構造を実現
させる点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的の達成のために
本発明は、 複数の油圧駆動型アクチュエータと、こ
れに圧油を供給する可変容量型の油圧ポンプと、該油圧
ポンプから吐出される圧油の供給方向を制御してアクチ
ュエータに供給する複数の制御弁と、これら制御弁に内
装されてアクチュエータへの圧油供給経路に対して絞り
作用する絞り弁と、油圧ポンプの単位時間当たりの吐出
油量を可変設定する調節アクチュエータと、この調節ア
クチュエータに対する圧力補償型の圧力調節弁とを備
え、 絞り弁に対する圧油供給下手側であり、かつ、
アクチュエータに対する圧油供給上手側に圧力補償弁を
配備し、これのバネ側油室とこの圧力補償弁に対する圧
油供給下手側部分とを連通する油路、及び圧力補償弁の
バネ側油室に対向する反バネ側油室と、この圧力補償弁
に対する圧油供給上手側であり、かつ、絞り弁に対する
圧油供給下手側とを連通する油路を夫々設ける点と、
圧力調節弁のバネ側油室と圧力補償弁に対する圧油供
給下手側部分とを連通する油路、及び制御弁の圧油供給
ポート又はこのポートに連通する油路と、圧力調節弁の
バネ側油室に対向する反バネ側油室とを連通する油路を
備える点と、 複数の制御弁を一体に備えて制御弁ブ
ロックを構成し、圧油供給ポートを、制御弁ブロックに
おける複数の制御弁のうちの左走行用制御弁と右走行用
制御弁との間の位置に形成するとともに、これら左右の
走行用制御弁と圧油供給ポートとの間に配置される制御
弁数を同数に、又は左右の走行用制御弁と圧油供給ポー
トとの間の油路長さを同条件に設定してある点と、を備
えてあることを特徴とするものである。
【0007】
【作用】つまり、特徴構成とによって、アクチュエ
ータの要求流量に応じて油圧ポンプの吐出流量が自動調
節される負荷制御の基本構造が構成されるのであるが、
例えば、バックホウにおけるブームと旋回との同時操作
時の要求流量がポンプ最大吐出流量を越える場合がある
とブームシリンダと旋回モータへの分流比が維持でき
ず、前述したように負荷の軽い方に流れる不都合があ
る。
【0008】そこで、制御弁内の絞り弁通過後に圧力補
償弁を配備させる、所謂アフターオリフィス構造の特徴
構成により、吐出量調節を司る圧力調節弁は、ポンプ
吐出側とアクチュエータに対する戻り側との差圧で切換
作動され、各制御弁には油圧ポンプの圧油が並列的に供
給されての分流機能(アンチサチュレーション機能)が
生じるようになり、同時操作時ではブーム用制御弁内の
絞り弁と旋回用制御弁内の絞り弁との開度に比例して圧
油が流れるようなって、特別な補正回路無しに前述の不
都合を回避することができる。
【0009】又、差圧によって作動する負荷制御では、
複数の制御弁を一体化して弁ブロックを構成することが
配管での圧損を少なくする点で有効である。そこで、特
徴構成によれば、その弁ブロックにおける左右の走行
用制御弁と弁ブロックの圧油供給ポートとの間に配置さ
れる制御弁数を同数に、又は左右の走行用制御弁と圧油
供給ポートとの間の油路長さを同条件に設定すること
で、弁ブロック内での左右の走行用制御弁の供給側油路
長さを同一又はほぼ同一にでき、左右の走行用油圧モー
タへの供給油量を極力同条件として、回路構造上におい
て機体の斜行が生じ難いようにすることができる。
【0010】
【発明の効果】従って、同時操作時に要求流量がポンプ
流量を越えても、アフターオリフィス構造によってバラ
ンス良く駆動できる負荷制御が行えるとともに、圧損上
有利な弁ブロック構成及び供給ポートと左右走行用制御
弁との位置関係の工夫によって機体の直進性がより向上
する総合性能の改善された負荷制御用の油圧回路構造を
提供できた。
【0011】
【実施例】以下に、本発明の実施例を、作業機の一例で
あるバックホウの場合について図面に基づいて説明す
る。
【0012】図5にバックホウの側面図が、かつ、図1
〜図3には油圧駆動ユニットAと弁ブロックBと複数の
油圧アクチュエータとで構成された負荷制御用の油圧回
路が示されている。油圧駆動ユニットAは、エンジンE
n駆動される2連の可変容量型油圧ポンプ1、油圧ポン
プ1の斜板の角度を変更して単位時間当たりの吐出量を
調節する調節シリンダ2、調節シリンダ2に対する圧力
補償型の圧力調節弁(パイロット減圧弁)3等から構成
されている。
【0013】弁ブロックBは、ブレード用制御弁4、バ
ケット用制御弁5、左走行用制御弁6、ブーム用制御弁
7、アーム用制御弁8、右走行用制御弁9、旋回用制御
弁10、スウィング用制御弁11、サービスポート用制
御弁12の各制御弁と、これら各制御弁毎に装備される
コンペンセータ(圧力補償弁)4a,5a,6a,7
a,8a,9a,10a,11a,12aとを備えて構
成されており、ブレード昇降用シリンダ4c、バケット
シリンダ5c、左右の走行用油圧モータ6c,9c、ブ
ームシリンダ7c、アームシリンダ8c、旋回用油圧モ
ータ10c、スウィングシリンダ11c,サービス用ア
クチュエータ(例えば、油圧ハンマー)12cの各アク
チュエータに夫々接続されている。
【0014】そして、各制御弁には夫々絞り弁4s,5
s,6s,7s,8s,9s,10s,11s,12s
が装備されている。尚、各制御弁には、これらのスプー
ルを切換操作するために、後述するパイロット圧で作動
する一対の切換シリンダ5b,7b,8b,10b,1
1bが装備されている。
【0015】各コンペンセータ4a〜12aは、各絞り
弁4s〜12sに対する圧油供給下手側であり、かつ、
各アクチュエータ4c〜12cに対する圧油供給上手側
に配備されている。そして、各コンペンセータ4a〜1
2aのバネ側油室4x〜12xと各アクチュエータ4c
〜12cに対する圧油供給下手側部分とを連通する低圧
側油路4t〜12t、及び各コンペンセータ4a〜12
aのバネ側油室4x〜12xに対向する反バネ側油室4
y〜12yと、各コンペンセータ4a〜12aに対する
圧油供給上手側であり、かつ、各絞り弁4s〜12sに
対する圧油供給下手側とを連通する高圧側油路4k〜1
2kを夫々設けてある。これにより、アフターオリフィ
ス型のロードセンシング回路を構成してある。
【0016】圧力調節弁3のバネ側油室3xと各絞り弁
4s〜12sに対する圧油供給下手側部分とを連通する
低圧側油路3tを設け、かつ、各制御弁4〜12の圧油
供給ポート4p〜12pに連絡される弁ブロックBと油
圧駆動ユニットAとの連通油路13における弁ブロック
Bへの入力ポート15と、圧力調節弁3のバネ側油室3
xに対向する反バネ側油室3yとを専用の接続油路14
で連通してある。この接続油路14により、機種毎に油
圧駆動ユニットAと弁ブロックBとの配管長さが異なっ
てもその外部配管での圧損値を一定のものにでき、機種
毎に圧力調節弁3のバネ力を微調整する必要がなく好都
合である。
【0017】又、左走行用制御弁6と入力ポート15と
の間にはブーム用の1個の制御弁7のが、かつ、右走行
用制御弁9と入力ポート15との間にはアーム用の1個
の制御弁8が夫々配備され、左右の走行用制御弁6,9
と入力ポート15との油路長さを同条件に設定してあ
る。これにより、機体の直進時には極力斜行しないよう
にすることができる。左右の走行用制御弁6,9と入力
ポート15との間に介装される弁数は2個又はそれ以上
でも良く、要するに同数であれば良い。
【0018】図4に示すように、バケット用制御弁5、
ブーム用制御弁7、アーム用制御弁8、旋回用制御弁1
0、及びスウィング用制御弁11については補助ポンプ
16のパイロット圧で操作される油圧パイロット操作構
造を採り、バケット・ブーム用の十字操作自在な第1レ
バー17とそれらのパイロット弁18、アーム・旋回用
の十字操作自在な第2レバー19とそれらのパイロット
弁20、及びスウィング用の第3レバー21とそのパイ
ロット弁22が装備されている。
【0019】尚、特許請求の範囲の項においては、ブー
ムシリンダ7cや旋回モータ10c等を総称して油圧駆
動型のアクチュエータD、バケット用制御弁5やアーム
用制御弁8等を総称して制御弁E、各制御弁内の絞り弁
6s等を総称して絞り弁F、各圧力補償弁8a等を総称
して圧力補償弁Gとバネ側及び反バネ側油室Gx,Gt
と油路Gt,Gkと夫々表現するものである。
【0020】〔別実施例〕 本発明をホイールローダや作業装置付き運搬車等の他の
建機類に適用しても良い。
【0021】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】油圧回路を示す系統図その1
【図2】油圧回路を示す系統図その2
【図3】油圧回路を示す系統図その3
【図4】パイロット回路を示す系統図
【図5】バックホウの側面図
【符号の説明】
1 可変容量型油圧ポンプ 2 調節アクチュエータ 3 圧力調節弁 3x バネ側油室 3y 反バネ側油室 3t 油路 6 左走行用制御弁 9 右走行用制御弁 15 圧油供給ポート D アクチュエータ E 制御弁 F 絞り弁 G 圧力補償弁 Gx バネ側油室 Gy 反バネ側油室 Gt 油路 Gk 油路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F15B 11/00 - 11/22

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の油圧駆動型アクチュエータ(D)
    と、これに圧油を供給する可変容量型の油圧ポンプ
    (1)と、該油圧ポンプ(1)から吐出される圧油の供
    給方向を制御して前記アクチュエータ(D)に供給する
    複数の制御弁(E)と、これら制御弁(E)に内装され
    て前記アクチュエータ(D)への圧油供給経路に対して
    絞り作用する絞り弁(F)と、前記油圧ポンプ(1)の
    単位時間当たりの吐出油量を可変設定する調節アクチュ
    エータ(2)と、この調節アクチュエータ(2)に対す
    る圧力補償型の圧力調節弁(3)とを備え、前記絞り弁(F)に対する圧油供給下手側であり、か
    つ、前記アクチュエータ(D)に対する圧油供給上手側
    に圧力補償弁(G)を配備し、これのバネ側油室(G
    x)と該圧力補償弁(G)に対する圧油供給下手側部分
    とを連通する油路(Gt)、及び前記圧力補償弁(G)
    の前記バネ側油室(Gx)に対向する反バネ側油室(G
    y)と、該圧力補償弁(G)に対する圧油供給上手側で
    あり、かつ、前記絞り弁(F)に対する圧油供給下手側
    とを連通する油路(Gk)を夫々設けるとともに、 前記圧力調節弁(3)のバネ側油室(3x)と前記圧力
    補償弁(G)に対する圧油供給下手側部分とを連通する
    油路(3t)、及び、前記制御弁(E)の圧油供給ポー
    ト(15)又は該ポート(15)に連通する油路と、前
    記圧力調節弁(3)のバネ側油室(3x)に対向する反
    バネ側油室(3y)とを連通する油路(14)を備え、 前記複数の制御弁(E)を一体に備えて制御弁ブロック
    (B)を構成し、前記圧油供給ポート(15)を、前記
    制御弁ブロック(B)における前記複数の制御弁(E)
    のうちの左走行用制御弁(6)と右走行用制御弁(9)
    との間の位置に形成するとともに、これら左右の走行用
    制御弁(6),(9)と前記圧油供給ポート(15)と
    の間に配置される制御弁数を同数に、又は前記左右の走
    行用制御弁(6),(9)と前記圧油供給ポート(1
    5)との間の油路長さを同条件に設定してある作業機の
    油圧回路構造。
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