JP3053468B2 - 指示計器 - Google Patents

指示計器

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JP3053468B2
JP3053468B2 JP3209637A JP20963791A JP3053468B2 JP 3053468 B2 JP3053468 B2 JP 3053468B2 JP 3209637 A JP3209637 A JP 3209637A JP 20963791 A JP20963791 A JP 20963791A JP 3053468 B2 JP3053468 B2 JP 3053468B2
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聡 本田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車などに利用される
指示計器に関し、さらに言えば指針に供給する被測定信
号に交番駆動信号を重畳した指示計器に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用などに用いられる従来の指示計
器は電圧などの被測定信号を受けて被測定信号のレベル
に応じた角度、指針が振れるように構成されている。ま
た指示計器には連続的な被測定信号を与えて駆動する場
合と、パルス幅変調した被測定信号を与えて駆動する場
合がある。
【0003】自動車に用いられる指示計器を例示すれ
ば、エンジン回転計、燃料残量計、エンジン冷却水温
計、電圧計などが使用されている。これらは駆動信号と
して連続被測定信号の場合も、パルス幅変調被測定信号
の場合も、駆動方式が可動コイル式、可動鉄片式にかか
わらず外部磁気の影響を受けないように磁性体ケースが
使用されている。さらにエンジンの振動、車輌走行によ
る振動によって指針が振れないようにダンパによる制動
が加えられていると共に、指針軸受の摩擦を完全に零に
せず、若干量残すことが行なわれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記した従来の
指示計器では、被測定信号を例えば電圧として例示すれ
ば、図6(a)に示すように被測定信号として階段的に
変化する電圧を印加した場合、指示計の指針の指示に図
6(b)に示すようなヒステリシスが生ずるという問題
点があり、ヒステリシスは指示精度向上に際して障害と
なっている。
【0005】また、ヒステリシスを避けるために例えば
指示計のケースにヒステリシスの少ない磁性材料を用い
る場合もあるが、高価につくため使用場所に限定され
る。さらにまた、ヒステリシスを補正するために図6
(c)に示すごとく被測定信号としての電圧にその立ち
上がり時および立ち下がり時に補正電圧を重畳する方法
も採られているが、図6(d)に示すように指示計の指
示に補正電圧にともなうオーバーシュートおよびアンダ
ーシュートが生ずるという問題点がある。このため燃料
残量計、水温計、電圧計には不向きである。
【0006】本発明は指針に供給する被測定信号に交番
駆動信号を重畳することによって、ヒステリシスを減少
させた指示計器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】 本発明の請求項1記載の
指示計器は、指針位置により表示を行う指示計器におい
て、指針に与える駆動力が指針軸受の摩擦力にほぼ等し
振幅の交番駆動信号を被測定信号に重畳させる交番駆
動信号重畳手段を備えたことを特徴とする。また、本発
明の請求項2記載の指示計器は、被測定信号値を該被測
定信号値に対応するデューティ比に変換し、変換したデ
ューティ比をデューティ比に基づくパルス幅変調電圧に
変換し、変換したパルス幅変調電圧によって駆動される
指針により表示を行う指示計器において、前記デューテ
ィ比とパルス幅変調の1周期よりも短いパルス長のディ
ザー信号を前記デューティ比に各別に加算、減算した第
1、第2のデューティ比とを含む複数のデューティ比に
基づくパルス幅変調電圧により繰り返して指針を駆動す
ることを特徴とする。さらに、請求項2記載の指示計器
において、ディザー信号による指針駆動力を、指針軸受
の摩擦力とほぼ等しくしてもよい。
【0008】
【作用】本発明の請求項1記載の指示計器によれば、被
測定信号に交番駆動信号が加えられて指針は被測定信号
に対応する表示位置から交番駆動信号に伴う振れ角だけ
さらに駆動されて、被測定信号のみによる表示において
生じていたヒステリシス幅内で駆動されることになっ
て、指針が駆動軸の摩擦力に抗してヒステリシスのない
ときの被測定信号に対応する位置に接近した位置にまで
駆動される。したがってヒステリシスが実質的に減少さ
せられる。この場合に交番駆動信号により指針に与える
駆動力を指針軸受の摩擦力とほぼ等しくしてあるため
に、ヒステリシスをほぼ零とすることができる。本発明
の請求項2記載の指示計器によれば、被測定信号値が該
被測定信号値に対応するデューティ比に変換され、変換
されたデューティ比がデューティ比に基づくパルス幅変
調電圧に変換され、変換されたパルス幅変調電圧によっ
て駆動される指針により表示を行う指示計器において、
前記デューティ比とパルス幅変調の1周期よりも短いパ
ルス長のディザー信号を前記デューティ比に各別に加
算、減算された第1、第2のデューティ比とを含む複数
のデューティ比に基づくパルス幅変調電圧により繰り返
して指針が駆動されるために、被測定信号に対応するデ
ューティ比に基づくパルス幅変調電圧のみによる表示に
おいて生じていたヒステリシス幅内で駆動されることに
なって、指針が駆動軸の摩擦力に抗してヒステリシスの
ないときの被測定信号に対応する位置に接近した位置に
まで駆動される。したがってヒステリシスが実質的に減
少させられる。 さらに、ディザー信号による指針駆動力
を指針軸受の摩擦力とほぼ等しくしたときは、ヒステリ
シスをほぼ零とすることができる。
【0009】
【実施例】以下本発明を実施例により説明する。
【0010】図1は本発明の一実施例の構成を示すブロ
ック図である。
【0011】本実施例は指示計器に印加する被測定信号
がPWM変調された信号である場合を例示している。
【0012】符号4−1は例えば燃料の量を表示量とす
れば、検出した表示量をデューティ比データに変換する
デューティ比変換手段である。デューティ比変換手段4
−1によって変換されたデューティ比をD0 とする。符
号4−2はデューティ比変換手段4−1から出力された
デューティ比D0 を変調するタイミング信号を発生する
タイミング信号発生手段である。例えばタイミング信号
発生手段4−2から10ms毎にタイミング信号が出力
されるものとする。
【0013】符号4−3はデューティ比変換手段4−1
からのデューティ比信号およびタイミング信号発生手段
4−2からのタイミング信号を受けてタイミング信号受
信毎にあらかじめ定めた方法によって、デューティ比変
換手段4−1で変換されたデューティ比D0 を変調する
デューティ比変調手段である。本実施例ではこの変調は
デューティ比をそのまま、(デューティ比+ΔD)、ま
たは(デューティ比−ΔD)とする変調を行なって、±
ΔDのディザー信号、すなわち振幅がΔDの交番駆動信
号をデューティ比変換手段4−1からの出力デューティ
比に重畳させる。
【0014】符号4−4はデューティ比変調手段4−3
で変調されたデューティ比を受けて、デューティ比をP
WM電圧に変換するPWM電圧発生手段である。PWM
電圧発生手段4−4の出力は指示計5に供給してPWM
電圧発生手段4−4からの出力PWM電圧で指針を駆動
して、出力PWM電圧に対応した位置にまで駆動させ
る。ここで、PWM電圧発生手段4−4によって発生さ
れた出力波形は例えば図2に示すごとくであって、周期
0 は一定であり、デューティ比をD1 (%)とすれ
ば、t0 期間中においてt1 =(D1 /100)×t0
の期間高電位の出力が指示計5に出力され、デューティ
比に基づいて指針位置が定まる。
【0015】上記のように構成した本実施例の作用を図
3のフローチャートに基づいて説明する。
【0016】指示動作に入ると変調状態を定める変数S
を零とする初期設定が行なわれる(ステップS1)。ス
テップS1に続いてデューティ比変換手段4−1から出
力デューティ比D0 を読み込む(ステップS2)。ステ
ップS2の実行に続いてタイミング信号発生手段4−2
からのタイミング信号の発生を待つ(ステップS3)。
タイミング信号が入力されるのは、前回の出力時から1
0ms経過したときである。
【0017】タイミング信号が入力されるとデューティ
比変調手段4−3において変数Sの状態がチェックされ
る(ステップS4)。ステップS4のチェックにおいて
変数Sが零または1のときはデューティ比変調手段4−
3によってデューティ比D0 がD1 とされる(ステップ
S51)。同様にステップS4において変数Sが2のと
きはデューティ比(D0 −ΔD)がD1 とされ(ステッ
プS52)、変数Sが3のときはデューティ比(D0
ΔD)がD1 とされる(ステップS53)。
【0018】ステップS51、S52、S53に続いて
デューティ比変調手段4−3からデューティ比D1 が出
力され(スッテップS6)、変数Sがインクリメント、
即ち(+1)される(ステップS7)。ステップS7に
続いて変数Sが4か否かがチェックされる(ステップS
8)。ステップS8において変数Sが4であると判別さ
れたときは変数Sは零とされて(ステップS9)、続い
てステップS2が実行される。ステップS8において変
数Sが4でないと判別されたときはステップS8に続い
てステップS2が実行される。即ちステップS2〜S6
の実行によって変調状態が1サイクル終了し、ステップ
S7〜S9の実行によって次の変調状態に移ることにな
る。
【0019】即ち、変数Sの値に伴ってデューティ比D
0 とデューティ比D0 に±ΔDしたデューティ比がデュ
ーティ比D1 として、10ms毎にPWM電圧発生手段
4−4に出力されることになって、この信号がPWM電
圧に変換されて、指示計5の指針は±ΔDに対応するデ
ィザー運動をすることになる。
【0020】ここで、変数Sとデューティ比との関係を
示せば図4(a)と図4(b)に示す如くであり、図4
(a)は出力デューティ比D1 を示し、図4(b)は変
数Sの値を示している。デューティ比D1 を受けてPW
M電圧発生手段4−4から出力されるPWM電圧出力を
模式的に示せば図4(c)に示す如くである。
【0021】上記のようにして処理されたデューティ比
電圧を入力した指示計5の指針の動作を従来の場合と比
較して説明する。図5(a)は本実施例の場合を、図5
(b)は従来例の場合を示す。
【0022】まず、x:指針の振れ角 F:指針を駆動する力 F0 :軸受の摩擦力 とする。
【0023】本実施例においては、指針の振れ角xと指
針を駆動する力Fの関係は図5(a)に示すように、
(i) D1 ←D0 、 (ii) D1 ←D0 +ΔD、(iii) D1
←D0 −ΔDの3通りの直線で示される。
【0024】指針の振れ角xをx1 →x0 に増加させよ
うとx0 に相当する表示デューティ比D0 としたとき
は、指針の振れ角x=x1 にて指針を駆動する力F3
発生し、図5(a)におけるに示すように指針が動い
ていく。指針の振れ角がx=x 0 ´となってもD1 ←D
0 +ΔDの直線による力F3 ´は、F3 ´>F0 であっ
て、(F3 ´−F0 )の駆動力によって指針は停止せ
ず、F3 ´≦F0 となったとき、即ち指針の振れ角がx
=x0 ´´´で指針が停止する。
【0025】逆に指針の振れ角xをx2 →x0 の減少さ
せようと指針の振れ角x0 に相当する表示デューティ比
0 としたときは、指針の振れ角x=x2 にて指針を駆
動する力F4が発生し、図5(a)におけるに示すよ
うに指針が動いていく。指針の振れ角がx=x0 ´´と
なってもD1 ←D0 −ΔDの直線による力F4 ´は、F
4 ´>F0 であって、(F4 ´−F0 )の駆動力によっ
て指針は停止せず、F 4 ´≦F0 となったとき、即ち指
針の振れ角がx=x0 ´´´´で指針が停止する。
【0026】したがって、上記から本実施例のヒステリ
シス分は(x0 ´´´´−x0 ´´´)となる。ここで
x=x0 におけるF3 ´およびF4 ´がF0 より大きい
と、x=x0 付近で指針が止まらず振動することになる
ので、F3 (x=x0 )<F 0 、F4 (x=x0 )<F
0 となるようにΔDを設定しておく必要がある。また、
ΔDを指針軸受の摩擦力F0 と略等しくすることによっ
てヒステリシスを略零にすることができる。
【0027】しかるに従来例の場合は指針の振れ角xを
1 →X0 に増加させようとx0 に相当する電圧を与え
たときは、x=x1 にて指針を駆動する力F1 が発生
し、指針は図5(b)におけるのように移動していく
が、F1 ≦F0 となったとき、即ちx=x0 ´で指針が
停止する。
【0028】逆に、指針の振れ角xをX2 →X0 に減少
させようとx0 に相当する上記と同一の電圧を与えたと
きは、x=x2 にて指針を駆動する力F2 が発生し、指
針は図5(b)におけるのように移動していくが、F
2 ≦F0 となったとき、即ちx=x0 ´´で指針が停止
する。
【0029】したがって、従来例の場合は(x0 ´´−
0 ´)のヒステリシス分が生ずることになる。そこ
で、ヒステリシスを本実施例の場合と従来の場合とで比
較すれば、本実施例の場合の方がヒステリシスは減少し
ていることが判る。
【0030】なお、上記した実施例では指示計5をPW
M電圧で駆動する場合を例示したが、連続電圧で駆動し
ても同様である。
【0031】
【発明の効果】以上説明した如く本発明の請求項1記載
指示計器によれば、被測定信号に交番動駆動信号を重
畳して指針を駆動するように構成したために、指針は被
測定信号に対応する表示位置から交番駆動信号に伴う駆
動力によってさらに駆動され、ヒステリシスが実質的に
減少させられる効果がある。また、本発明の請求項2記
載の指示計器によれば、該被測定信号値に対応するデュ
ーティ比とパルス幅変調の1周期よりも短いパルス長の
ディザー信号を前記デューティ比に各別に加算、減算し
た第1、第2のデューティ比とを含む複数のデューティ
比に基づくパルス幅変調電圧により繰り返して指針を駆
動するように構成したため、指針は前記複数のパルス幅
変調電圧によって駆動され、ヒステリシスが実質的に減
少させられる効果がある。そこで、本発明の請求項1お
よび2記載の指示計器によれば、指針軸受の摩擦力が完
全に零にされていないときにおいても指示精度を向上さ
せることができるという効果がある。このためにヒステ
リシスの小さい磁性体を指示計器ケースに使用する必要
なくなるという効果生ずる。また、本発明の請求項
3記載の指示計器によれば、ヒステリシスをほぼ零にす
ることができる。
【0032】さらに、被測定信号の立ち上がり時および
立ち下がり時に補正電圧を加える必要もないため、オー
バーシュート、アンダーシュートが生ずることはなく、
燃料残量計、水温計、電圧計などに使用できる効果があ
る。さらにまた、交番駆動信号により指針に与える駆動
力を指針軸受の摩擦力と略等しくしたときはヒステリシ
スを略零とすることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】本発明の一実施例におけるPWM電圧波形を示
す波形図である。
【図3】本発明の一実施例の作用の説明に供するフロー
チャートである。
【図4】本発明の一実施例における変数とデューティ比
1 とPWM電圧の関係を示す模式図である。
【図5】本発明の一実施例の作用の説明に供するための
指針の動きを示す説明図である。
【図6】従来例における作用の説明に供するための被測
定電圧と指針の振れ角との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
4−1…デューティ比変換手段 4−2…タイミング信号発生手段 4−3…デューティ比変調手段 4−4…PWM電圧発生手段 5…指示計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01D 13/22 101 G01D 7/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】指針位置により表示を行う指示計器におい
    て、指針に与える駆動力が指針軸受の摩擦力にほぼ等し
    振幅の交番駆動信号を被測定信号に重畳させる交番駆
    動信号重畳手段を備えたことを特徴とする指示計器。
  2. 【請求項2】 被測定信号値を該被測定信号値に対応する
    デューティ比に変換し、変換したデューティ比をデュー
    ティ比に基づくパルス幅変調電圧に変換し、変換したパ
    ルス幅変調電圧によって駆動される指針により表示を行
    う指示計器において、前記デューティ比とパルス幅変調
    の1周期よりも短いパルス長のディザー信号を前記デュ
    ーティ比に各別に加算、減算した第1、第2のデューテ
    ィ比とを含む複数のデューティ比に基づくパルス幅変調
    電圧により繰り返して指針を駆動することを特徴とする
    指示計器。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の指示計器において、ディザ
    ー信号による指針駆動力は、指針軸受の摩擦力とほぼ等
    しいことを特徴とする指示計器。
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