JP3053436B2 - 混合微生物培養物を用いて炭水化物から1,3−プロパンジオールを製造する方法 - Google Patents

混合微生物培養物を用いて炭水化物から1,3−プロパンジオールを製造する方法

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JP3053436B2 JP8534128A JP53412896A JP3053436B2 JP 3053436 B2 JP3053436 B2 JP 3053436B2 JP 8534128 A JP8534128 A JP 8534128A JP 53412896 A JP53412896 A JP 53412896A JP 3053436 B2 JP3053436 B2 JP 3053436B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の属する技術分野 本発明は、発酵において混合または連結培養物を適用
して1,3−プロパンジオールを製造する方法に関する。
本発明はまた、炭水化物源からグリセロールを経由す
る、プロパンジオールの製造に関する。
発明の背景 1,3−プロパンジオールまたはトリメチレングリコー
ルは、他の物質または製品への添加物として、その物理
的性質や機能を高めるのに用いられる、有用だが高価な
化学的中間体である。1,3−プロパンジオールはまた、
繊維またはフィルム形成ポリマーの製造において、コモ
ノマーとして用いられる。この化学物質は、原料のコス
トまたは難しい製造条件に関連した高い製造コストのた
めに、幅広い使用が制限されている。
1,3−プロパンジオールの化学的製造は公知である。
たとえば、エチレンオキシドを、触媒上で、ホスフィ
ン、水、一酸化炭素、水素および酸の存在下で、1,3−
プロパンジオールに変換してよい。あるいはまた、1,3
−プロパンジオールは、アクロレインの触媒液相水和に
より製造してもよいし、または、一酸化炭素および水素
の存在下で、周期律表VIII族由来の触媒上で反応させ
た、グリセロールのような炭化水素から製造してもよ
い。これらの方法は、実施に際し高温または高圧、もし
くはその双方を採用するエネルギー集約的な方法であ
り、極めてコストのかかる方法となっている。
代謝的に活性な微生物または細菌源由来の酵素を採用
して、1,3−プロパンジオールに至る微生物学的または
生物学的な経路が記載されている。厳密な嫌気環境でエ
ンテロバクターまたはクロストリジウム生物を用いる方
法では、グリセロールが1,3−プロパンジオールに変換
される。グリセロールの供給源は、化石燃料でもよい
し、蒸留所からの水または残りの廃液でもよい。グリセ
ロールをプロパンジオールに変換することがわかってい
る他の生物としては、たとえば、クレブシエラ、シトロ
バクター、クロストリジウム、およびラクトバシラス属
が知られている。欧州特許出願公開第0361082号は、嫌
気条件下での、微生物株によるグリセロールの1,3−プ
ロパンジオールヘの変換を開示している。
これらの天然の1,3−プロパンジオール生産者に加え
て、グリセロールを1,3−プロパンジオールに変換する
組換え生物もまた構築されている。グリセロールの1,3
−プロパンジオールへの変換の原因となる遺伝子が単離
されており、それらはすべてdhaレギュロンに包含され
ている。組換え菌の、タンパク発現能と生育速度が高い
という潜在的な長所を利用するために、大腸菌(E.コ
リ)内で異種遺伝子としてのdhaレギュロンを発現させ
る試みがいくつかなされている。たとえば、シトロバク
ターおよびクレブシエラ由来のdhaレギュロンを大腸菌
内で発現し、グリセロールを1,3−プロパンジオールへ
変換することが示されている。このような系で、Tongら
[Appl.Biochem.Biotech.,34,149(1992)]は、グリセ
ロールと共に炭水化物を発酵させることによって、改良
された1,3−プロパンジオール生産を調べた。
この系においては、単一の生物が炭水化物だけをエネ
ルギー源として利用し、細胞増殖を促進した。外来のグ
リセロールの非存在下では、プロパンジオールは全く生
成しなかった。この研究は、炭水化物が、1,3−プロパ
ンジオールを生成する炭素の流れへ変換されることを教
示するものでもないし、本願に記載するような、混合培
養物においてこれを達成するメカニズムを記載するもの
でもない。
1,3−プロパンジオールを製造する上記した化学的ま
たは生物学的方法のいずれも、工業的規模の製造に十分
に適したものではない。それは、化学的方法がエネルギ
ー集約的であり、また生物学的方法が高価な出発物質で
あるグリセロールを必要とするからである。エネルギー
の投入量が小さく、かつ出発物質が廉価な方法が必要と
されている。
1,3−プロパンジオールと同様に、グリセロールを化
学的および生物学的経路によって製造してもよい。化学
的方法は、一般に、アクロレイン、塩化アリル、または
プロピレンオキシドのような石油由来の原料を採用して
おり、一般に、1,3−プロパンジオールに至る化学的経
路におけるのと同じく、高価な原料や危険な操作条件な
どの欠点がある。
グリセロールの生物学的製造方法は知られている。グ
リセロール生産者で圧倒的多数なのは酵母だが、細菌、
菌類、および藻類もいくつか知られている。細菌、酵
母、および菌類は、解糖系またはエムデン・マイヤーホ
フ・パルナス経路において、グルコースまたはその他の
炭水化物をフルクトース1,6−二リン酸経由で変換する
ことにより、グリセロールを生成する。ある藻類は、葉
緑体内で、溶解した二酸化炭素または重炭酸塩を、カル
ビン回路のC3中間体に変換する。一連のステップで、ホ
スホグリセリン酸であるC3中間体は、グリセルアルデヒ
ド三リン酸に変換され、グリセルアルデヒド三リン酸
は、そのケト異性体であるジヒドロキシアセトンリン酸
に容易に変換でき、ジヒドロキシアセトンリン酸は最終
的にグリセロールに変換される。グリセロールと1,3−
プロパンジオールの双方の生物学的製造方法は知られて
いるものの、この二つの方法を、同じ反応条件下で共に
実施できるかについてはいまだ証明されていない。混合
または連結培養物を利用するこのような方法は、コスト
的に効率がよく、また危険な試薬を用いないですむこと
から、1,3−プロパンジオールの製造を改良することに
なろう。
生化学的変換のための連続または連結発酵の概念は、
当業界では知られており、アルコールの製造に適合して
いる。たとえば、Nakasら(Appl.Environ.Microbiol.,4
6:1017-1023,1983)は、連続した発酵法を用いる、ブタ
ノール、エタノールおよび1,3−プロパンジオールの混
合溶媒の製造システムを記載している。この製造システ
ムは、光合成藻類であるドナリエラを採用して、高濃度
の塩を含む培地で二酸化炭素をグリセロールに変換す
る。クロストリジウム・パステリアヌム(pasterianu
m)株をCO2由来グリセロールと藻類との混合物に加える
と、主にブタノールである溶媒ブレンドが生成する。
工業的応用における混合培養物の使用は、当業界で知
られている。欧州特許出願公開第0 278 447号は、グロ
ンバクター・オキシダンス(Guronbacter oxydans)お
よびバシラス・メガテリウム(Bcillus megaterium)を
含む微生物の混合培養物を用いることを特徴とする、L
−ソルボースを2−ケト−L−グロン酸へ変換する発酵
方法を開示しているが、それぞれの種の細胞が別々の炭
素基質に支持されていなくてはならない。実際に、たと
えば、酵母および乳酸菌を、パン生地の種培養物内で共
生させて用いる。この混合系では、酵母は生地中のグル
コースのみを利用し乳酸菌は生地中のマルトースのみを
利用するために、炭素基質についての競合は全くない。
また、ある生物が他の生物の存在に呼応して所望の効果
を生じる混合培養系も開発されている。実際に、たとえ
ば、酵母の一種とある細菌(B.サチリス)との組み合わ
せにおいて、細菌性タンパク質の誘導が、培地中の特定
の酵母の存在と濃度に全面的に依存していることが証明
されている。混合培養で酵母を細菌と共に増殖させた場
合に、特定種の抗真菌剤に対して酵母の感受性が増大し
たことが記載されている。欧州特許出願公開第0 338 95
0号は、二種の酵母を用いており、第一の酵母は糖を急
速に代謝するが、増殖を阻害する副生成物を生産する。
第二の酵母は、その副生成物を代謝する。米国特許第3,
655,510号は、主な炭素源としての炭化水素を発酵する
ことによってアミノ酸を製造する生物学的方法、炭化水
素を同化可能な微生物の混合培養物、および好気条件下
でアミノ酸を生産可能な微生物を開示している。
混合培養の適用は知られているが、混合培養の結果は
予想できないというのが当業界の常であった。混合培養
系は特に、炭素源に対する生物間の競合、所望の経路か
ら炭素がそれること、基質による異化生成物抑制、発酵
における代謝産物による阻害、およびそれぞれの生物
の、しばしば非常に異なる培養要求を調整する難しさか
ら、複雑になりやすい。
混合培養の使用におけるこれらの困難にもかかわら
ず、本発明者らは、未精製の炭水化物源から1,3−プロ
パンジオールを製造可能な混合培養系を開発することに
成功した。本発明者らは、また、適切な炭素源からの1,
3−プロパンジオールを製造する二元連結培養系を考案
した。本発明者らは、代謝産物抑制、フィードバック阻
害、および炭素源が経路からはずれるという困難を克服
して、1,3−プロパンジオール製造に最適の系を創造し
た。
発明の要旨 本発明は、1,3−プロパンジオールの生物学的製造方
法であって、 (a)少なくとも1個の炭素原子を有する少なくとも一
種の炭素原子を、グリセロール生産生物およびジオール
生産生物と接触させて、培地を生じせしめる工程と、 (b)前記培地をインキュベートしてプロパンジオール
を生産させる工程と、を具えることを特徴とする方法を
含む。
特に、本発明の方法は、混合培養物または連結培養物
によって実施できる。混合培養物については、本発明の
方法は、 (a)細胞密度が少なくとも1×106個/mlのグリセロー
ル生産生物と、ジオール生産生物とを、少なくとも0.04
〜100の細胞比で混合して混合培養基を生じせしめる工
程と、 (b)前記混合培養基を少なくとも1個の炭素原子を有
する炭素基質と接触させる工程と、 (c)前記混合培養基をインキュベートして1,3−プロ
パンジオールを生産させる工程と、 を具える。
連結培養物については、本発明の方法は、 (a)グリセロール生産生物を少なくとも1個の炭素原
子を有する炭素基質と接触させてグリセロールならし培
地を生じせしめる工程と、 (b)ジオール生産生物を前記ならし培地に接種する工
程と、 (c)前記ならし培地中のジオール生産生物をインキュ
ベートして1,3−プロパンジオールを生産させる工程
と、 を具える。
本発明は、更に、上記方法の生産物を含有する組成物
を含む。
生物学上の寄託の簡単な説明 本発明者らは、ブダペスト条約の規定のもとに、以下
の生物学上の寄託を行った: 形質転換大腸菌pKP1は、グリセロールデヒドラターゼ
酵素をコードする、クレブシエラのゲノムの一部を含
む。形質転換大腸菌pKP4は、ジオールデヒドラターゼ酵
素をコードする、クレブシエラのゲノムの一部を含む。
ここで用いる「ATCC」は、米国20852メリーランド州ロ
ックビル、パークローンドライブ12301所在の、アメリ
カ基準菌株保存機構(American Type Culture Collecti
on)国際寄託当局を指す。
発明の詳細な説明 ここに用いる以下の用語は、請求項および明細書の解
釈に用いてよい。
「1,3−プロパンジオール」なる用語は、繊維製造用
のポリマーの生産において、モノマーとして有用な式HO
CH2CH2CH2OHの化合物を指す。この化合物は、通常、1,3
−ジヒドロキシプロパン、1,3−プロピレングリコー
ル、1,3−プロパンジオールまたはトリメチレングリコ
ールともいう。
「グリセロール生産者」または「グリセロール生産生
物」なる用語は、グリセロールを生産可能なあらゆる細
胞種を指す。グリセロールを生産可能な細胞は、好気性
または嫌気性の、細菌、菌類、藻類、または酵母のいず
れでもよい。
「ジオール生産者」、「プロパンジオール生産者」、
「ジオール生産生物」、または「プロパンジオール生産
生物」なる用語は、グリセロールを利用して1,3−プロ
パンジオールを生産可能なあらゆる細胞種を意味する。
一般に、ジオール生産細胞は、ジオールデヒドラターゼ
酵素かまたはグリセロールデヒドラターゼ酵素のいずれ
かを含むであろう。
「連結培養」なる用語は、培養物を連続的に加える、
少なくとも2種の細胞培養物を採用した発酵系を意味す
る。一般に、連結系では、第一の培養物または第一の培
養物のセットを、培地中に生成する所望の中間体の生産
に最適の発酵条件下で増殖させる。第一の培養物での発
酵ののち、得られるならし培地を第二の培養物にさら
す。この第二の培養物は、ならし培地中の中間体を所望
の最終産物に変換する。本願において、第一の培養物
は、典型的にはグリセロール生産者であり、第二の培養
物は、1,3−プロパンジオール生産者である。
「混合培養」なる用語は、同じ反応器内で増殖したあ
らゆる微生物の組み合わせを指し、この混合培養では、
組み合わされた生物の個々の代謝の相互作用によって、
個々の生物が単独では生産できないものが生成する。混
合培養物は二元または三元でもよく、またいかなる数の
種を含んでいてもよい。更に、混合培養物は、分岐した
種の細胞を含んでいてもよい。
「ならし培地」なる用語は、微生物増殖の際の有機副
生成物で補足された、微生物の増殖に適したあらゆる発
酵培地を意味する。本発明においては、グリセロール生
産細胞がその後の1,3−プロパンジオールへの変換用の
発酵培地にグリセロールを分泌する、連結培養物の発酵
の間に、ならし培地は生成する。
「炭素基質」なる用語は、微生物によって代謝されう
るあらゆる炭素源を意味し、少なくとも一つの炭素原子
を含むものである。
「デヒドラターゼ酵素」なる用語は、グリセロール分
子を生成物の3−ヒドロキシプロピオンアルデヒドに変
換可能なあらゆる酵素を指す。本発明の目的において
は、デヒドラターゼ酵素は、好ましい基質がそれぞれグ
リセロールおよび1,2−プロパンジオールである、グリ
セロールデヒドラターゼまたはジオールデヒドラターゼ
のいずれかである。
本発明は、混合培養物を用いた炭素基質の発酵を包含
する、1,3−プロパンジオールの生産方法を含む。混合
培養物の細胞は、1,3−プロパンジオールの最大量の生
産を可能とするように調節された条件下で、炭素基質、
典型的には炭水化物上で利用される。混合培養物は、少
なくとも二つの異なる種の細胞を含む。少なくとも一種
の細胞は炭素基質をグリセロールに変換可能であり、ま
たその他の細胞はグリセロールを1,3−プロパンジオー
ルに変換可能である。この2元培養物は、まとめて用い
るか、あるいは連結発酵系で連続的に用い、炭水化物の
1,3−プロパンジオールへの変換を、一つの反応器内で
起こす。
細胞: グリセロールを生産することがわかっている細胞種は
多く、実質的にあらゆる細胞が本発明に適している。典
型的には、グリセロール生産者は、炭水化物とC1炭素基
質の双方を含む多様な炭素源を利用する。炭水化物炭素
基質を利用する典型的なグリセロール生産者は、細菌、
菌類、または酵母細胞のいずれかであり、限定はない
が、アスペルギラス(A.ウェンティ(A.wentii))、サ
ッカロミセス(S.セレビシエ)、チゴサッカロミセス
(Z.ルキシ(Z.rouxii))、ピヒア(P.ファリノサおよ
びP.ミソ(P.farinosa and P.miso))、バシラス(B.
リフェニフォルミス(B.licheniformis))、クライベ
ロミセス(K.マルキシアヌス(K.maruxianus))、カン
ジダ、ハンセヌラ、デバリオミセス、ムコール(M.ルキ
シ(M.rouxii))の属の構成員を含む。C1炭素基質を利
用する典型的なグリセロール生産者は、酵母、細菌、藻
類、または菌類であり、限定はないが、カンジダ、ドナ
リエラ、ハンセヌラ、ピヒア、トルロプシス、サッカロ
ミセス、メチロバクテリウム、およびエシェリヒアの属
の構成員を含む。グリセロール生産者は、また、必要な
遺伝子で形質転換した組換え生物を含んでもよい。本発
明で用いるのに好ましいのは、サッカロミセス属の酵母
細胞で、ATCC受託番号第64236番のS.セレビシエ種が最
も好ましい。
1,3−プロパンジオールを生産可能な細胞は、当業界
で知られている。すべてのジオール生産生物は、グリセ
ロールをヒドロキシプロピオンアルデヒド(3-HPA)を
経由して1,3−プロパンジオールに変換可能な活性デヒ
ドラターゼ酵素を含んでいなくてはならない。この経路
を含む細胞は、シトロバクター、エンテロバクター、ク
ロストリジウム、クレブシエラ、ラクトバシラス属の天
然の生物を含んでいてよく、また、必要な遺伝子で形質
転換した組換え生物を含んでいてよい。本発明で好まし
いのは、クレブシエラまたはシトロバクター属のもの
か、あるいは、異種のジオールデヒドラターゼ酵素また
はグリセロールデヒドラターゼ酵素を含有する組換え大
腸菌である。特に好ましいのは、組換え大腸菌DH5α株p
KP1またはpKP4である。
本発明の方法で採用する細胞密度は、約1×106〜約
1×108個/mlである。混合培養物を用いる場合は、グリ
セロール生産生物とジオール生産生物は、約0.04:1.0〜
約100:1、好ましくは約0.4:1.0〜約5:1の細胞比で存在
する。
組換えグリセロールおよびプロパンジオール生産者: グリセロールを1,3−プロパンジオールに変換する酵
素的経路をコードする必要な遺伝子を含む組換え生物
は、当業界でよく知られた技術を用いて構築してよい。
本発明においては、グリセロールデヒドラターゼまたは
ジオールデヒドラターゼ経路のいずれかをコードする遺
伝子を、クレブシエラのような天然の宿主から単離し、
大腸菌宿主株DH5αを形質転換するのに用いる。
細菌ゲノムから所望の遺伝子を得る方法は、分子生物
学の業界では一般的で、よく知られている。たとえば、
遺伝子の配列がわかっている場合は、制限酵素切断によ
り適切な遺伝子ライブラリーを作製し、所望の遺伝子配
列に相補的なプローブでスクリーニングしてよい。配列
を単離したら、そのDNAを、ポリメラーゼ・チェイン・
リアクション(PCR)(Mullisらに対し1987年に発行さ
れた米国特許第4,683,202号)のような標準的なプライ
マー支配の増幅法で増幅し、適当なベクターを用いて形
質転換するのに適した量のDNAを得る。
あるいはまた、ゲノムDNAの長い断片(35〜45kb)が
ベクターにパッケージングされているコスミドライブラ
リーを作製して、適当な宿主を形質転換するのに用いて
よい。コスミドベクターは、大量のDNAを収容可能な点
で特異である。一般に、コスミドベクターは、外来DNA
のパッケージング、そしてその後の環状化に必要なcosD
NA配列の、少なくとも一つのコピーを有する。cos配列
に加え、これらのベクターは、ColE1のような複製起点
や、アンピシリンまたはネオマイシンに耐性の遺伝子の
ような薬剤耐性マーカーも含むことがよくある。適切な
細菌性宿主を形質転換するためにコスミドベクターを用
いる方法は、ここに引用することにより組み込む、Samb
rook,J.ら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,
第二版(1989)Cold Spring Harbor Laboratory Press
に十分に記載されている。
コスミドをクローニングするために、典型的には、外
来DNAを適当な制限酵素を用いて単離し、コスミドベク
ターのcos領域の隣に連結する。線状化した外来DNAを含
有するコスミドベタターは、ついで、バタテリオファー
ジ1のようなDNAパッケージング媒体と反応させる。パ
ッケージングの間、cos部位は開裂し、外来DNAが細菌性
ウイルス粒子の頭部にパッケージングされる。次いでこ
れらの粒子は、大腸菌のような適切な宿主にトランスフ
ェクションするのに用いる。細胞に注入すると、外来DN
Aはcos粘着末端の影響下で環状化する。この方法で、外
来DNAの長い断片を組換え宿主細胞内に導入し、発現さ
せることができる。
コスミドベタターおよびコスミドによる形質転換法
は、本発明の状況において、グリセロールを1,3−プロ
パンジオールに加工可能な遺伝子を所有することがわか
っている細菌属から、ゲノムDNAの長い断片をクローニ
ングするのに用いた。具体的には、K.ニウモニエおよび
K.アエロゲネスのゲノムDNAを、当業界でよく知られた
方法により単離し、コスミドベクターSupercoslへ挿入
するために制限酵素Sau3Aで切断して、Gigapack II(登
録商標)パッケージング抽出物を用いてパッケージング
した。ベクターの構築の後、このコスミドDNAで大腸菌X
Ll-Blue MR細胞を形質転換した。形質転換体は、細胞を
グリセロールの存在下で増殖させ、1,3−プロパンジオ
ール形成について培地を分析することにより、グリセロ
ールの1,3−プロパンジオールヘの変換能のあるものを
スタリーニングした。
コスミドによる形質転換から生成した、pKP4およびpK
P5と称するDNA配列を、GenbankデータベースのDNA配列
と比較した。S.ティフィムリウム(typhimurium)のcob
領域とホモロジーを示す独立したクローンがいくつか同
定されたが、このことは、これらの形質転換体が、1,2
−ジオールデヒドラターゼ遺伝子をコードするDNAを担
持していたことを示唆する。これに加えて、形質転換体
pKP1においては、オープンリーディングフレームがC.フ
リウンジ(freundii)由来のグリセロールデヒドラター
ゼ遺伝子に広範囲なホモロジーを示したが、このこと
は、これらの形質転換体が、グリセロールデヒドロラタ
ーゼ遺伝子をコードするDNAを含んでいたことを示唆す
る。
変異体: 本発明の方法は、例示した細胞に加えて、グリセロー
ルまたは1,3−プロパンジオール経路を促進するように
特別に設計された、単一または複数の変異を有する細胞
を利用することもできると考えられる。通常、炭素原料
を非生産的経路に回すか、またはかなりの代謝抑制を示
す細胞を変異させて、それらの表現型の欠点をなくすこ
とができた。たとえば、本発明の方法において、クレブ
シエラおよびシトロバクター属は、グリセロールの1,3
−プロパンジオールへの変換に特に有用であることがわ
かっている。しかしながら、これらの野生型の細胞は、
培地中のグルコースにより代謝抑制をうけやすい。した
がって、グルコース抑制に耐性のあるこれらの1,3−プ
ロパンジオール生産者の変異株は、本発明において特に
有用であろう。
変異体の作製方法は、当業界では一般的で、よく知ら
れている。たとえば、野生型細胞を、放射線や化学的突
然変異原などの多様な作用因にさらし、所望の表現型を
スクリーニングしてもよい。放射線によって変異体を作
製する場合は、紫外線(UV)または電離放射線のいずれ
かの放射線を用いてよい。遺伝子変異に適した短波の紫
外線の波長は、200nm〜300nmの範囲内で、254nmが好ま
しい。この波長のUV照射は、主として、核酸配列内のグ
アニジンとシトシンをアデニンとチミジンに変える。す
べての細胞は、ほとんどのUV誘導変異を修復するDNA修
復機構を有するので、カフェインやその他の阻害剤を加
えてその修復の進行を妨害し、効果的な突然変異の数を
最大にしてもよい。300nm〜400nmの範囲の光を用いる長
波のUV変異もまた可能であるが、一般に、DNAと相互作
用するソラレン染料のような多様な賦活剤と共に用いな
い限り、短波UV光ほど効果的ではない。
化学的作用因による変異も変異体を作製するのに効果
的であり、複製するDNAに作用する、フレームシフト変
異を起こすことで注目されるアクリジン染料のような作
用因のみならず、HNO2やNH2OHのような、複製しないDNA
に作用する化学物質を含む物質が通常用いられる。放射
線または化学的な作用因を用いて変異体を作製する特別
な方法は、当業界では十分に記録がある。たとえば、引
用によりここに組み込む、Thomas D.BrockのBiotechnol
ogy:A Textbook of Industrial Microbiology,第2版
(1989)、マサチューセッツ州サンダーランド所在のSi
nauer Associates,Inc.、またはDeshpande,Mukund V.,A
ppl.Biochem.Biotechnol.,36,227(1992)を参照。
変異が起こってから、所望の表現型を有する変異体を
様々な方法で選別してもよい。所望の産物または中間体
を生産する能力でもって変異細胞を選択するランダムス
クリーニングが最も一般的である。あるいはまた、耐性
コロニーだけが生育できる選択培地上で、変異した個体
群を増殖させることにより、変異体の選択的単離を実施
することができる。変異体選別の方法は非常に進んでお
り、工業的分子生物学の業界ではよく知られている。た
とえば、上記したBrook、およびDeMancilhaら、Food Ch
em.,14,313(1984)を参照。
発酵培地: 本発明における発酵培地は、限定はないが、グルコー
スなどの単糖類、ラクトースまたはスクロースなどのオ
リゴ糖類、でんぷんまたはセルロースなどの多糖類、な
らびにチーズホエー浸透物(cheese whey permeate)、
コーンスティープ(cornsteep)酒、テンサイ糖蜜、お
よび大麦麦芽などの更新可能な原料由来の未精製混合物
を含む、適切な炭素基質を含有していなくてはならな
い。また、炭素基質は、二酸化炭素や、重要な生化学的
中間体に代謝変換されることが証明されているメタノー
ルなどの、C1基質であってもよい。C1基質(たとえば、
メタノール、ホルムアルデヒド、またはギ酸エステル)
からのグリセロールの生成も、メチロトローフ酵母に関
して報告されており(K.Yamadaら、Agric.Biol.Chem.,5
3(2),541-543,1989)、また細菌に関して報告されて
いる[Hunterら、Biochemistry,24,4148-4155,(198
5)]。これらの生物は、メタンからギ酸エステルへの
酸化状態にあるC1化合物を同化し、グリセロールを生産
することができる。炭素同化の経路は、リブロースモノ
リン酸を通ることもできるし、セリンを通ることもでき
る。リブロースモノリン酸経路は、リブロース5−リン
酸によるギ酸エステルの縮合による、フルクトース、そ
して最終的に三炭糖生成物であるグリセルアルデヒド3
−リン酸となる六炭糖の形成を含む。同様に、セリン経
路は、一炭糖化合物をメチレンテトラヒドロ葉酸エステ
ルを経由して解糖系へと同化する。メチロトローフ生物
は、C1およびC2基質に加え、メチルアミン、グルコサミ
ンおよび代謝活性に作用する多様なアミノ酸のような、
他の数多くの炭素含有化合物を利用することも知られて
いる。たとえば、メチロトローフ酵母は、メチルアミン
由来の炭素を利用して、トレハロースまたはグリセロー
ルを形成することが知られている(Bellionら、Micorb.
Growth C1 Compd.,[Int.Symp.],7th(1993),415-32.
著者:Murrell,J.Collin;Kelly,Don P.発行者:英国、In
tercept,Andover)。したがって、本発明で利用する炭
素の供給源は、多種多様な炭素含有基質を包含してよ
く、生物の選択によってのみ限定されるものであると考
えられる。
上記した炭素基質のすべては本発明において適してい
ると考えられるが、炭水化物のグルコース、フルクトー
ス、またはスクロースが好ましい。炭素基質の濃度は、
重量/容量基準で約0.2%〜約30%である。好ましく
は、濃度は、重量/容量基準で約1.8%〜約9.0%であ
る。
発酵培地は、適当な炭素源に加えて、培養物の増殖お
よび1,3−プロパンジオール生産に必要な酵素的経路の
促進に適したミネラル、塩類、ビタミン、共同因子、お
よび緩衝液を含まなくてはならない。
培養条件: 前培養物: 典型的には、グリセロール生産細胞とジオール生産細
胞の双方を前培養物として別々に増殖させ、発酵の開始
にあたって混合する。細胞培養物は、適当な培地で30℃
で増殖させる。本発明において好ましい増殖培地は、ル
リア−ベルタニ(LB)液体培地、サブロー−デキストロ
ース(SD)液体培地、または酵母培地(yeast medium)
(YM)液体培地のような、一般に商業的に調製された培
地である。その他の規定または合成増殖培地も用いても
よく、特定の微生物の増殖に適当な培地は、分子生物学
または発酵科学の当業者には分かるであろう。
混合培養および連結発酵: 本発明の方法は、混合培養または連結発酵法のいずれ
かを用いて実施する。混合培養は、グリセロール生産細
胞とジオール生産細胞の双方を同一反応器内で同時に培
養する必要があるが、一方、連結発酵は連続的に添加さ
れる培養物を用いる。
混合培養法は、グリセロール生産細胞および1,3−プ
ロパンジオール生産細胞を、双方に適した条件および発
酵培地で共に培養することを要する。グリセロール生産
生物は、発酵の際にどんな炭素基質が供給されようが発
酵可能なものでなくてはならない。プロパンジオール生
産生物は、供給培地に提供された炭素基質を発酵する必
要はないが、グリセロール生産生物による発酵で形成さ
れた代謝産物の少なくとも1種で自身を維持しなくては
ならない。発酵に適したpHの範囲は、pH5とpH8の間であ
り、当初の条件としてはpH7〜pH7.5が好ましい。発酵の
際は、グリセロール生産者およびジオール生産者を混合
して100:1〜0.04:1の比、好ましくは5:1の比とする。発
酵培地は脱気して、プロパンジオールの生成に最適とな
るような嫌気条件を提供するのが好ましいが、本発明は
厳密な嫌気雰囲気を維持することに制限されるものでは
ない。
本方法を混合培養物を用いるのではなく、代わりに連
結微生物系で実施するのも有用である。連結系は、一般
に、所望の化学的中間体が生成する前培養物の増殖、前
培養物の細胞の除去、次いで培地を二番目の培養物にさ
らして、中間体を所望の最終産物に変換することを含
む。混合培養物に対する連結系の利点は、それぞれの培
養物の発酵条件の調節が単純化されていることである。
たとえば、連結培養系では、それぞれの細胞を最も適当
な炭素源およびその生物体のための発酵条件で提供する
ことができ、複数の細胞が同一の炭素源で競合するとい
う難点がなくなる。したがって、一つの培地を第一培養
物および第二培養物の双方に合わせるように変更するこ
となく、第一培養物または第二培養物のいずれかの細胞
の働きを最大にするよう、培地組成を調整することがで
きる。連結系の欠点は、最終産物を生成するのに必要な
反応時間が通常は長くなることである。
本発明の方法では、糖を1,3−プロパンジオールに変
換するのに、連結培養物をうまく用いた。典型的には、
標準的な発酵培地で、第一培養物にグリセロールを生産
させた。混合培養物系と異なり、グリセロール生産者の
あるものは好気条件にさらすとグリセロール生産が最大
となった。インキュベートは36時間〜48時間にわたっ
た。グリセロールを生産する第一の培養物による発酵の
後、ならし培地を脱気して、ジオール生産細胞をならし
培地に加えた。第二の培養物は、20〜24時間インキュベ
ートした。
本方法が混合培養物を採用しようが連結培養物を採用
しようが、細胞を添加する順番はプロパンジオール収率
に影響するであろう。グリセロール生産生物をプロパン
ジオール生産生物の前かまたは同時に加える場合、炭素
基質のプロパンジオール前駆体への変換が最大となる。
双方の生物を同時に加える混合系では、1,3−プロパン
ジオールは、連結系で生物を連続的に加える場合よりも
早く生成する。高グルコース濃度であっても、1,3−プ
ロパンジオール産物を発酵初期に形成することができ
る。好ましい実施態様において、発酵の過程で支配的な
ポリヒドロキシル産物は、1,3−プロパンジオールであ
る。
本発明の方法の実行可能性を本発明者らが証明した以
上、1,3−プロパンジオール生産を最大にするために、
発酵の進行に影響する多数の因子を最大限に活用し、調
整しなくてはならないかもしれないことが、発酵分子生
物学の当業者には認識されるであろう。pH、炭素源濃度
および溶解酸素濃度のような多くの因子が、1,3−プロ
パンジオール生産に用いる細胞種によって、酵素的方法
に影響しうる。
本発明の、成功した混合または連結発酵に用いる細胞
は、リサイクルしてその後の工程に用いることができ
る。これらの細胞団は、典型的には高密度で定常期にあ
るため、1,3−プロパンジオールを生産する酵素的方法
に関与するのに、活性な増殖が必須でないことは明らか
である。
回分および連続発酵: 本方法は、混合培養系および連結培養系の双方に回分
発酵法を採用する。古典的な回分発酵は、培地の組成が
発酵開始時に設定され、発酵中に人工的な変更を受けな
い、閉じた系である。したがって、発酵開始時に所望の
生物を培地に接種し、何も系に加えずに発酵を起こさせ
る。しかし典型的には、「回分」発酵は炭素源の添加に
関した回分であって、pHや酸素濃度などの因子の調整は
しばしば行われる。回分系では、系の代謝産物およびバ
イオマスの組成は、発行を停止する時間によって、一定
に変化する。回分培養物の中では、細胞は、誘導期を経
て対数増殖期に入り、最終的に増殖率が減少するか停止
する定常期へと弱まっていく。もし何もしなければ、定
常期の細胞は最終的に死んでしまう。対数期の細胞は、
一般に、最終産物または中間体の生成量を決定する。
標準的な回分系の変形が、流加回分系である。流加回
分発酵法もまた本発明に適しており、発酵が進行するに
従って追加の基質を加える以外は典型的な回分系を含
む。流加回分系は、代謝産物抑制により細胞の代謝が阻
害されそうな場合で、培地中に限られた量の基質がある
ことが望ましい場合に有用である。流加回分系における
実際の基質濃度の測定は難しく、したがって、pH、溶解
酸素、およびCO2のような排ガスの分圧といった、測定
可能な因子の変化に基づいて評価する。回分および流加
回分発酵は、当業界では一般的でよく知られており、そ
の例は、上記したBrockに見いだすことができる。
本発明は回分方式で実施するが、連続発酵法にも適合
しうるものであろう。連続発酵は、一定の発酵培地をバ
イオリアクターに連続的に添加して、反応を進めるため
に当量のならし培地を同時に取り除く、開かれた系であ
る。連続発酵は、一般に、細胞が主に対数増殖期にある
ような、一定の高密度に培養物を保持する。
連続発酵によって、細胞の増殖や最終産物濃度に影響
する一つの因子またはあらゆる因子の調節が可能とな
る。たとえば、ある方法では、炭素源や窒素の濃度とい
った制限栄養素を一定の速度で維持して、他のすべての
パラメーターを弱める。他の系では、増殖に影響する多
数の因子を連続的に変化させる一方で、培地の濁りで測
定される細胞濃度を、一定に保つことができる。連続系
では安定した増殖条件を維持しようとするものなので、
培地の抜き出しによる細胞の損失は、発酵における細胞
増殖速度と釣り合わなくてはならない。連続発酵法にお
ける栄養素と増殖因子の調節法は、生成物形成速度を最
大にする技術と共に、工業微生物学の業界ではよく知ら
れており、多様な方法が上記したBrockによって詳細に
記載されている。
本発明は、回分、流加回分、または連続方法のいずれ
によっても実施してよく、また、あらゆる公知の発酵方
式も適切であると考えられる。更に、細胞は、完全な細
胞触媒として基質上に固定し、1,3−プロパンジオール
を生産する発酵条件に供してよい。
1,3−プロパンジオールの同定と精製: 発酵培地から1,3−プロパンジオールを精製する方法
は、当業界で知られている。たとえば、プロパンジオー
ルは、反応混合物を有機溶媒による抽出、および蒸留、
カラムクロマトグラフィーにかけることによって、細胞
培地から得ることができる(米国特許第5,356,812
号)。この方法に特に適した有機溶媒は、シクロヘキサ
ンである(米国特許第5,008,473号)。
1,3−プロパンジオールは、培地を高圧液体クロマト
グラフィー(HPLC)分析にかけることによって、直接同
定してよい。本発明で好ましいのは、0.01Nの硫酸を移
動相として用い、分析用イオン交換カラム上で、イソク
ラティック方式で発酵培地を分析する方法である。
実施例 一般的方法 微生物培養物の維持と増殖に適した材料と方法は、Ma
nual of Methods for General Bacteriology(著者:Phi
llipp Gerhardt,R.G.E.Murray,Ralph N.Costilow,Eugen
e W.Nester,Willis A.Wood,Noel R.KriegおよびG.Brigg
s Phillips)、pp.210-213、ワシントンDC所在のAmeric
an Society for Microbiology、またはThomas D.Brock
のBiotechnology:A Textbook of Industrial Microbiol
ogy,第二版(1989)、マサチューセッツ州サンダーラン
ド所在のSinauer Associates,Inc.中に見いだされた。
増殖に用いたすべての試薬および材料、ならびに細菌細
胞は、特に特定されない限り、Diffco Laboratories
(ミシガン州デトロイト所在)、Aldrich Chemicals
(ウィスコンシン州ミルウォーキー所在)、またはSigm
a Chemical Company(ミズーリ州セントルイス所在)よ
り入手した。
前培養物または接種物用の増殖培地は、市販されてお
り、ルリア−ベルタニ(LB)液体培地、サブロー−デキ
ストロース(SD)液体培地、または酵素培地(YM)液体
培地のような調製物は、GIBCO/BRL(メリーランド州ゲ
イザーズバーグ所在)より入手可能である。LB-50amp
は、50mg/mlのアンピシリンを含有するルリア−ベルタ
二液体培地である。
発酵培地: 以下の実施例で使用するために二つの基本発酵培地を
調製し、培地AおよびBと命名した。これらの基本培地
は、炭素源を変えるかまたは亜硫酸塩のような他の試薬
を添加することによって変更した。
培地A: 培地Aは、100mMグルコース;50mMリン酸カリウム、pH
7.5;10mM硫酸アンモニウム;0.01%カザミノ酸;0.01%酵
母エキス;0.80mg/mlビタミンB12;50mg/mlアンピシリ
ン;および1%S10金属混合物、を含んでいた。
S10金属混合物は、以下の無機質を表示した濃度で含
んでいた: 200mM MgCl2;70mM CaCl2;5mM MnCl2;100mM FeCl3;100
mM ZnCl2;172mM CuSO4;253mM CoCl2;242mMモリブデン酸
ナトリウム;および200mMチアミン塩酸塩。
培地A/S: この培地は、濃度56.7mMの亜硫酸ナトリウム(また
は、10mlの反応液につき72mgの固体Na2SO3;10gのグルコ
ースにつき4gの固体Na2SO3)で修飾した培地Aからなっ
ていた。
培地B: 培地Bは、100mMグルコースの代わりに200mMグルコー
スを含んでいる点だけが培地Aと異なっていた。
1,3−プロパンジオールの生産について炭素源を変え
る効果を評価する実施例においては、培地Aまたは培地
A/Sを用い、それぞれの実施例に置換したものを示し
た。
細胞: 以下の実施例で用いるすべての市販の細胞は、ATCCか
ら得たものであり、本願明細書ではそのATCC番号で示
す。ジオール生産者として4種の組換え大腸菌DH5α細
胞を用い、それらはpKP1、pKP2、pKP4およびpKP5とし
た。配列の解析により、pKP1およびpKP2株がグリセロー
ルデヒドラターゼ酵素をコードする遺伝子を含み、一方
pKP4およびpKP5株がジオールデヒドラターゼ酵素をコー
ドする遺伝子を含むことがわかった。
1,3−プロパンジオール分析: すべての発酵混合物を、分析用イオン交換カラム(カ
リフォルニア州リッチモンド所在のBioRad Corp.製、Hi
-Pore Cation H予備カラムを備えたHPX-87H、4.6mm x 2
5cm)上で、二つの510型ポンプ、490E型多波長検出器
(multiwavelength detector)、717型自動試料採取器
(autosampler)、カラム加熱器、およびポンプ調節モ
ジュールを備えたMillennium 2010 クロマトグラフィー
マネージャーを含む、Waters Millennium 2010 HPLCシ
ステム(マサチューセッツ州マールボロ所在のWaters C
hromatography Division)を用いるHPLCによって分析し
た。発酵アルコールおよび酸は、50℃、流速1.0ml/分で
の0.010N硫酸の流動相による溶出を含むイソクラティッ
ク法で溶出させた。化合物は、外部標準品との比較によ
り確認した。
1,3−プロパンジオールは、ガスクロマトグラフィー
/質量分光計(GC/MS)分析を行うことによって確認し
た。試料(1ml)を、Hewlett-Packard 5971シリーズ質
量選択的検出器(mass selective detector)(デラウ
ェア州ウィルミントン所在のHewlett-Packard Analytic
al Div.製)を搭載したHewlett Packard 5890シリーズ
ガスクロマトグラフィー内の、DB17カラム(カリフォル
ニア州フォルソム所在のJ&W Scientific製、30m×内
径0.25mm、フィルム厚さ0.25mm)に、分離させずに注入
した。コントロールの保持時間およびマスフラグメント
パターンを測定し、試料と比較した。
実施例1 混合培養物の調製 それぞれの生物を前培養物として30℃で撹拌(250rp
m)しながら増殖させることによって、混合培養物を調
製した。New Brunswick Scientific社(ニュージャージ
ー州エジソン所在)のシリーズG25インキュベーター/
シェイカー内の、滅菌した1リットルのフラスコで、凍
結したS.セレビシエ細胞接種源をSD液体培地で一晩増殖
させた。細胞は、光学密度[Cary社(カリフォルニア州
サニーベイル所在)の219UV/Vis分光光度計またはKlett
-Sommerson社(ニューヨーク州ニューヨーク所在)の光
電比色計で測定]が時間とともに一定になるまで増殖さ
せた。K.ニウモニエまたはC.フリウンジの細胞凍結保存
品を、100mlのLB液体培地に接種して一晩増殖させた。
組換え大腸菌プロパンジオール生産者の細胞凍結保存品
を、100mlのLB-50ampに接種して一晩増殖させた。これ
らの前培養細胞懸濁液を、直接発酵に用いるか、あるい
は遠心分離して得られ、かつ、ペレットをずっと少ない
容量の発酵培地に再懸濁した。以下の実施例では、グリ
セロール生産生物であるS.セレビシエは、発酵開始時に
1×106〜5×108個/mlにわたる細胞濃度で存在してお
り;プロパンジオール生産生物(組換え大腸菌、K.ニウ
モニエ、またはC.フリウンジ)は、発酵開始時に1×10
6〜5×108個/mlにわたる細胞濃度で存在していた。混
合培養物は、二種の細胞を、実施例に特定した割合とな
るような濃度比で混合することによって調製した。
細胞は、発酵から回収した細胞ペーストをリン酸緩衝
液に懸濁し、4℃(短期)または−70℃(長期)のいず
れかで保存することにより再利用できた。再利用前に、
細胞は洗浄した。
実施例2〜34 グルコース上での回分発酵 以下の実施例は、混合培養物と、炭素源としてのグル
コースを用いる1,3−プロパンジオールの調製を説明す
るものである。
50mlのエーレンマイヤーフラスコに、実験に応じて培
地A、A/SまたはBのいずれかを10ml入れた。培地およ
び前培養物は、混合前にアルゴンまたは窒素で脱気し
た。新鮮な前培養物から生物を同時に添加した。反応培
地に細胞を加えた後、反応器にふたをする前に、反応成
分および反応器にアルゴンまたは窒素を吹きかけた。フ
ラスコをNew Brunswick社のG25シェイカー/インキュベ
ーター内で30℃でインキュベートし、250rpmで回転させ
た。反応器から定期的に試料を採取し、グリセロールお
よび1,3−プロパンジオール生成をHPLCで調べた。発酵
は、典型的には、24〜48時間行った。
発酵混合物をHPLCで分析し、上記の「一般的方法」に
記載したようなGC/MSで確認した。
混合培養物発酵におけるグルコースからの1,3−プロ
パンジオール生産を証明するデータを、以下の表1に示
す。
表1のデータからわかるように、グリセロール生産生
物と1,3−プロパンジオール生産生物の比および特定の
ブレンドは、プロパンジオール収率の決定要因であっ
た。
実施例35〜51 多様な炭水化物上での発酵 以下の実施例は、グリセロール生産細胞を常にS.セレ
ビシエとし、ジオール生産者を変えた混合培養物を用い
る1,3−プロパンジオールの調製を説明するものであ
る。この実施例では、これらの混合培養物において炭素
源を変えることの効果を分析した。
すべての細胞は、回分で培養および発酵させ、実験は
上記実施例3〜34に記載したようにして行った。培地
は、以下に示す炭水化物をグルコースの代わりに用いる
以外は、培地Aまたは培地A/Sについて記載したすべて
の成分を含んでいた:培地F、100mMフルクトース;培
地L、50mMラクトース;培地S、50mMスクロース;培地
M、100mMマルトース。
表2は、1,3−プロパンジオールの生成において炭素
源を変えることの効果を示すデータを含む。グリセロー
ル生産者であるS.セレビシエは、「SC6」と省略する。
ジオール生産者である大腸菌DH5αpKP1、クレブシエラ
・ニウモニエ、およびシトロバクター・フリウンジは、
それぞれ、「EC」「KP」および「CF」と省略する。
表2のデータからわかるように、フルクトースとスク
ロースは、培地中に亜硫酸塩がない場合に好ましい基質
である。培地へ亜硫酸塩を添加することによって、中間
体およびグリセロールの収率、そしてその後の1,3−プ
ロパンジオールの収率が有意に改善された。
実施例52〜59 炭水化物上での流加回分発酵 以下の実施例は、流加回分発酵法による、大量かつ高
濃度の1,3−プロパンジオールの調製を説明するもので
ある。この実施例では、炭水化物炭素源を一度に加える
か、または経時的に連続する回分で加えた。細胞は新し
く調製したものか、または前の発酵で回収した混合培養
細胞ペーストであった。S.セレビシエの最初の細胞濃度
は約1.5×108個/mlであり;K.ニウモニエの最初の細胞濃
度は約3×107個/mlであった。発酵は、1リットルの培
地を含む2リットルの反応器に細胞を移すことで開始し
た。反応器および液体成分は、30℃のインキュベーター
/シェイカーに移す前に脱気した。発酵は、固体炭水化
物を定期的に連続回分で加える前に24時間実施した。
実施例60〜65 連結発酵 第一段階またはグリセロール生産段階は、培地Cで実
施した。第二段階を始める前に、発酵培地を窒素または
アルゴンで脱気して、pHを7に再調整した。第二段階
は、プロパンジオール生産生物の前培養物を、最終濃度
が発酵培地中で1×106〜1×107個/mlとなるように添
加して始めた。チアミンやシアノコバラミン(ビタミン
B12)のような他の栄養剤の添加は必要なかった。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI (C12P 39/00 C12R 1:865 1:22) (72)発明者 ワグナー,ローライン,ウィノナ アメリカ合衆国 19713−2212 デラウ ェア州 ニューアーク ウエスト チェ スナット ヒル ロード 249 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12P 39/00 C12N 15/00 BIOSIS(DIALOG)

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1,3−プロパンジオールの生物学的製造方
    法であって、 (a)細胞密度が少なくとも1×106個/mlのグリセロー
    ル生産生物である酵母と、ジオール生産生物である細菌
    とを、少なくとも0.04〜100の前記グリセロール生産生
    物/前記ジオール生産生物細胞比で混合して混合培養基
    を生じせしめる工程と、 (b)前記混合培養基を、単糖類、オリゴ糖類、多糖
    類、二酸化炭素、メタノール、ホルムアルデヒド、ギ酸
    エステル、および炭素含有アミンからなる群より選ばれ
    る、少なくとも1個の炭素原子を有する炭素基質と接触
    させる工程と、 (c)前記混合培養基をインキュベートして1,3−プロ
    パンジオールを生産させる工程と、 を具えることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】(a)前記グリセロール生産生物を少なく
    とも1個の炭素原子を有する炭素基質と接触させてグリ
    セロールならし培地を生じせしめる工程と、 (b)前記ジオール生産生物を前記ならし培地に接種す
    る工程と、 (c)前記ならし培地中のジオール生産生物をインキュ
    ベートして1,3−プロパンジオールを生産させる工程
    と、 を具えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】前記グリセロール生産生物と前記ジオール
    生産生物とが、約0.04:1.0〜約100:1の細胞比で存在す
    ることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】前記各生産生物の細胞密度が、約1×106
    〜約1×108個/mlであることを特徴とする請求項1に記
    載の方法。
  5. 【請求項5】前記グリセロール生産生物が、サッカロミ
    セス、チゴサッカロミセス、ピヒア、クライベロミセ
    ス、カンジダ、ハンセヌラ、デバリオミセス、トルロプ
    シスの属からなる群より選ばれることを特徴とする請求
    項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】前記グリセロール生産生物が、サッカロミ
    セス属からなる群より選ばれることを特徴とする請求項
    5に記載の方法。
  7. 【請求項7】前記グリセロール生産生物が、サッカロミ
    セス・セレビシエ種からなる群より選ばれることを特徴
    とする請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】前記グリセロール生産生物がATCC受託番号
    第64236番のS.セレビシエであることを特徴とする請求
    項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】前記ジオール生産生物が、ジオールデヒド
    ラターゼ酵素またはグリセロールデヒドラターゼ酵素を
    含有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】前記ジオール生産生物が、シトロバクタ
    ー、エンテロバクター、クロストリジウム、クレブシエ
    ラ、ラクトバシラスの属、およびジオールデヒドラター
    ゼ酵素またはグリセロールデヒドラターゼ酵素をコード
    する遺伝子で形質転換した組換え生物、および1,3−プ
    ロパンジオール生産を促進する表現型を有する変異株か
    らなる群から選ばれることを特徴とする請求項9に記載
    の方法。
  11. 【請求項11】前記ジオール生産生物が、クレブシエ
    ラ、シトロバクターの属、および組換え大腸菌DH5α株p
    KP1(ATCC受託番号第69789番)およびpKP4(ATCC受託番
    号第69790番)からなる群より選ばれることを特徴とす
    る請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】前記の少なくとも1個の炭素原子を有す
    る炭素基質が、スクロース、フルクトース、およびグル
    コースからなる群より選ばれることを特徴とする請求項
    1に記載の方法。
  13. 【請求項13】前記の少なくとも1個の炭素原子を有す
    る炭素基質の濃度が、重量/容量基準で約0.2%〜約30
    %であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  14. 【請求項14】前記の少なくとも1個の炭素原子を有す
    る炭素基質の濃度が、重量/容量基準で約1.8%〜約9.0
    %であることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】回分、流加回分、または連続的方法で実
    施されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  16. 【請求項16】1,3−プロパンジオールの生物学的製造
    方法であって、 (a)細胞密度が少なくとも1×106個/mlのグリセロー
    ル生産生物と、ジオール生産生物とを、少なくとも0.04
    〜100のグリセロール生産生物/ジオール生産生物細胞
    比で混合して混合培養基を生じせしめる工程であって、
    前記グリセロール生産生物が、サッカロミセス、チゴサ
    ッカロミセス、ピヒア、クライベロミセス、カンジダ、
    ハンセヌラ、デバリオミセス、トルロプシスの属からな
    る群より選ばれ、かつ、前記ジオール生産生物が、シト
    ロバクター、エンテロバクター、クロストリジウム、ク
    レブシエラ、ラクトバシラスの属、およびジオールデヒ
    ドラターゼ酵素またはグリセロールデヒドラターゼ酵素
    をコードする遺伝子で形質転換した組換え生物、および
    1,3−プロパンジオール生産を促進する表現型を有する
    変異株からなる群から選ばれる工程と、 (b)前記混合培養基を、単糖類、オリゴ糖類、多糖
    類、二酸化炭素、メタノール、ホルムアルデヒド、ギ酸
    エステル、および炭素含有アミンからなる群より選ばれ
    る、少なくとも1個の炭素原子を有する炭素基質と接触
    させる工程と、 (c)前記混合培養基を適切な条件下でインキュベート
    して1,3−プロパンジオールを生産させる工程と、そし
    て (d)前記1,3−プロパンジオールを回収する工程と、 を具えることを特徴とする方法。
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