JP3052934B2 - バリ取り装置及びバリ除去方法 - Google Patents

バリ取り装置及びバリ除去方法

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JP3052934B2
JP3052934B2 JP10164953A JP16495398A JP3052934B2 JP 3052934 B2 JP3052934 B2 JP 3052934B2 JP 10164953 A JP10164953 A JP 10164953A JP 16495398 A JP16495398 A JP 16495398A JP 3052934 B2 JP3052934 B2 JP 3052934B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザを用いて樹
脂バリを除去する装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ICチップの裏面に設けられた電極ラン
ド面に半田ボールを備えるBGA(Ball Grid
Array)タイプのICチップでは、樹脂封入する
際に金型から樹脂があふれ出して電極ランド面に樹脂バ
リが付着する場合がある。そのため、半田ボールを電極
ランド面に固定することが困難であるという問題点があ
る。
【0003】このような問題点を解決するために、化学
薬品、ウォータージェット、YAGレーザ、第4高調波
YAGレーザ、エキシマレーザ、及び、COレーザ等
による樹脂バリの除去が試みられ、一部が実用化されて
いる。
【0004】しかし、化学薬品によって樹脂バリを除去
する場合は、モールド樹脂部分へ化学薬品が付着した際
に、モールド部分へ悪影響を及ぼすといった問題点があ
る。
【0005】ウォータージェットを用いる場合は、樹脂
バリをはがす取っかかりが必要なため、樹脂バリがラン
ド面の全面に付着している場合には、樹脂バリを除去す
ることが困難であるという問題点がある。
【0006】また、YAGレーザ、第4高調波YAGレ
ーザ、エキシマレーザ、及びCOレーザ等のレーザビ
ームを用いるレーザバリ取り装置には、以下のような問
題点がある。
【0007】YAGレーザは、樹脂バリに吸収されにく
いため、樹脂バリを除去することが困難である。第4高
調波YAGレーザのレーザビームは、出力が低いので樹
脂バリを除去するのに長時間を必要とする。また、公開
実用新案公報平1−87578には、YAGレーザの第
2高調はを走査して、回路パターンの欠陥部を形成する
導電性ペーストを除去する技術が開示されているが、こ
の技術は未焼成状態のセラミック基板上の不要な導電性
ペーストを除去する技術であり、電極上の樹脂バリを除
去する技術とは全く異なる。
【0008】エキシマレーザは、レーザビームを電極ラ
ンド面へ効率的に集光するのが困難であり、また、加工
コストが高くなる。
【0009】COレーザのレーザビームは、波長が長
いので熱による加工となり、加工後に樹脂バリの炭化物
が電極ランド面上に残ってしまう。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】これらの問題点を有す
るため、樹脂バリを除去する場合、電極ランド面へ炭化
物や樹脂バリが付着した状態(残存した状態)で半田ボ
ール付けが行われることがあった。このため、電極ラン
ド面への半田ボール付けを確実に行うことが困難であっ
た。
【0011】本発明は、上記実状に鑑みてなされたもの
であり、樹脂バリを除去することが可能なバリ取り装置
及びバリ除去方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の第1の観点に係るバリ取り装置は、樹脂バ
リの付着した加工対象物が載置される保持台と、第2高
調波YAGレーザのレーザビームを出力するレーザ源
と、前記レーザ源からのレーザビームを前記加工対象物
へ導くレーザ光学系と、前記レーザ光学系と前記レーザ
源とを制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、
前記樹脂バリへ第2高調波YAGレーザのレーザビーム
を照射した後、レーザビームを照射した前記加工対象物
に樹脂バリが付着しているか否かを観察し、付着してい
ない場合は、次の加工対象物に樹脂バリが付着している
か否かを観察し、樹脂バリが付着している場合は、前記
樹脂バリへ第2高調波YAGレーザのレーザビームを照
射するよう、前記レーザ光学系と前記レーザ源とを制御
することにより、樹脂バリを除去すること、を特徴とす
る。
【0013】このような構成によれば、レーザ源の出力
した第2高調波YAGレーザのレーザビームは、レーザ
光学系によって、保持台に載置された加工対象物に付着
した樹脂バリへ導かれ、樹脂バリを照射する。レーザビ
ームによって照射された樹脂バリは、分解されて加工対
象物から除去される。従って、樹脂バリの除去後に炭化
物が残存することなく、また、短時間で樹脂バリを除去
することが可能である。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】このようなバリ取り装置によれば、制御装
置は、樹脂バリへのレーザビームの照射後に、予め記憶
された樹脂バリの付着していない状態の加工対象物の画
像と、観察によって得られた加工対象物の画像とを比較
して、加工対象物へ樹脂バリが付着しているか否か観察
する。制御装置は、この観察によって加工対象物へ樹脂
バリが付着していないと判断すると、他の加工対象物へ
樹脂バリが付着しているか否かを観察し、樹脂バリが付
着していると判断すると、レーザビームを再度照射して
樹脂バリを除去する。従って、レーザビームの照射によ
る樹脂バリの除去が十分でない場合でも、レーザビーム
を再度照射することによって、樹脂バリを除去すること
が可能である。
【0018】前記レーザ光学系は、所定の走査パターン
を記憶する走査パターン記憶手段と、前記走査パターン
記憶手段に記憶された走査パターンに従って、前記加工
対象物上で前記レーザビームを走査させる走査手段とを
備えてもよい。
【0019】前記レーザ光学系は、前記走査パターン記
憶手段に走査パターンを登録する手段をさらに備えても
よい。
【0020】また、前記走査手段は、前記走査パターン
記憶手段に記憶された複数の走査パターンの1つを選択
する選択手段と、該選択手段により選択された走査パタ
ーンに従ってレーザビームを走査する手段とを備えても
よい。
【0021】さらに、前記レーザ光学系は、前記レーザ
源からのレーザビームの径を前記加工対象物のサイズに
応じて調整する手段と、径が調整されたレーザビームを
前記加工対象物に照射する手段と、を備えてもよい。
【0022】このような構成によれば、使用者は、加工
対象物の形状に応じて走査パターンを走査パターン記憶
手段に登録する。走査手段は、走査パターン記憶手段に
記憶された操作パターンに従って、加工対象物上でレー
ザビームを走査する。従って、加工対象物の形状に応じ
てレーザビームを効率的に走査することが可能である。
【0023】前記加工対象物は金属から構成されること
が望ましい。このような、バリ取り装置によれば、加工
対象物に付着した樹脂バリを効率的に除去することがで
きる。また、下地が金属であるため、下地が傷むおそれ
もない。さらに、レーザの波長が短いため、レーザビー
ムを受けた樹脂バリは熱による加工ではなく、分解して
除去されるので、炭化物が加工対象物に付着することを
防止できる。
【0024】上記目的を達成するため、本発明の第2の
観点に係るバリ取り装置は、 半導体チップの電極のラン
ド面が載置される保持台と、 第2高調波YAGレーザの
レーザビームを出力するレーザ源と、 前記レーザ源から
のレーザビームを前記加工対象物へ導くレーザ光学系
と、 前記レーザ光学系と前記レーザ源とを制御する制御
装置と、 を備え、 前記制御装置は、前記ランド面へ第2
高調波YAGレーザのレーザビームを照射した後、レー
ザビームを照射した前記加工対象物に樹脂バリが付着し
ているか否かを観察し、付着していない場合は、次の加
工対象物に樹脂バリが付着しているか否かを観察し、樹
脂バリが付着している場合は、前記樹脂バリへ第2高調
波YAGレーザのレーザビームを照射するよう、前記レ
ーザ光学系と前記レーザ源とを制御することにより、樹
脂バリを除去すること、を特徴とする。 このような構成
によれば、レーザ源の出力した第2高調波YAGレーザ
のレーザビームは、レーザ光学系によって、保持台に載
置されたランド面に付着した樹脂バリへ導かれ、樹脂バ
リを照射する。レーザビームによって照射された樹脂バ
リは、分解されてランド面から除去される。 従って、樹
脂バリの除去後に炭化物が残存することなく、また、短
時間で樹脂バリを除去することが可能である。
【0025】また、制御装置は、樹脂バリへのレーザビ
ームの照射後に、予め記憶された樹脂バリの付着してい
ない状態のランド面の画像と、観察によって得られたラ
ンド面の画像とを比較して、ランド面へ樹脂バリが付着
しているか否か観察する。 制御装置は、この観察によっ
てランド面へ樹脂バリが付着していないと判断すると、
他のランド面へ樹脂バリが付着しているか否かを観察
し、樹脂バリが付着していると判断すると、レーザビー
ムを再度照射して樹脂バリを除去する。 従って、レーザ
ビームの照射による樹脂バリの除去が十分でない場合で
も、レーザビームを再度照射することによって、樹脂バ
リを除去することが可能である。前記レーザ光学系は、
所定の走査パターンを記憶する走査パターン記憶手段
と、 前記走査パターン記憶手段に記憶された走査パター
ンに従って、前記ランド面上で前記レーザビームを走査
させる走査手段とを備えていてもよい。 前記走査パター
ン記憶手段に走査パターンを登録する手段をさらに備え
ていてもよい。 さらに、前記走査手段は、前記走査パタ
ーン記憶手段に記憶された複数の走査パターンの1つを
選択する選択手段と、該選択手段により選択された走査
パターンに従ってレーザビームを走査する手段と、を備
えていてもよい。 このような構成によれば、使用者は、
ランド面の形状に応じて走査パターンを走査パターン記
憶手段に登録する。 走査手段は、走査パターン記憶手段
に記憶された操作パターンに従って、ランド面上でレー
ザビームを走査する。 従って、ランド面の形状に応じて
レーザビームを効率的に走査することが可能である。
記ランド面は金属から構成されることが望ましい。 この
ような、バリ取り装置によれば、ランド面に付着した樹
脂バリを効率的に除去することができる。また、下地が
金属であるため、下地が傷むおそれもない。さらに、レ
ーザの波長が短いため、レーザビームを受けた樹脂バリ
は熱による加工ではなく、分解して除去されるので、炭
化物がランド面に付着することを防 止できる。
【0026】上記目的を達成するため、本発明の第
観点に係るバリ除去方法は、被加工物へ付着した樹脂バ
リを除去するバリ除去方法において、前記バリ除去方法
は、前記樹脂バリに対して第2高調波YAGレーザを照
射する照射工程を備えること、を特徴とする。
【0027】このようなバリ除去方法によれば、照射工
程は、第2高調波YAGレーザのレーザビームを、被加
工物に付着した樹脂バリへ照射する。レーザビームを照
射された樹脂バリは、分解されて加工対象物から除去さ
れる。従って、樹脂バリの除去後に炭化物が残存するこ
となく、また、短時間で樹脂バリを除去することが可能
である。
【0028】前記照射工程は、前記レーザを照射後、前
記樹脂バリが残存しているか否かを判別する判別工程
と、前記判別工程によって、前記樹脂バリが残存付着し
ていると判別されると、前記樹脂バリへ前記レーザを再
び照射する再照射工程と、を備えることが望ましい。
【0029】このようなバリ除去方法によれば、判別工
程は、樹脂バリへのレーザビームの照射後に、加工対象
物へ樹脂バリが付着しているか否か判別し、樹脂バリが
残存付着していると判断すると、樹脂バリへレーザビー
ムを再度照射して樹脂バリを除去する。従って、レーザ
ビームの照射による加工対象物に付着した樹脂バリの除
去が十分でない場合でも、レーザビームを再度照射する
ことによって、樹脂バリを除去することが可能である。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
レーザバリ取り装置100を図面を参照して説明する。
図1は第1の実施の形態に係るレーザバリ取り装置10
0の構成図、図2はレーザバリ取り装置100の加工対
象のICフレーム8とICフレーム8が備えるICチッ
プ81を示す平面図である。
【0031】第1の実施の形態に係るレーザバリ取り装
置100は、例えば、図2に示すICフレーム8に所定
の間隔をおいて配置されたBGA(Ball Grid
Array)タイプのICチップ81〜85のランド
面(電極端子)811に付着した樹脂バリを第2高調波
YAGレーザによって除去するためのものである。この
樹脂バリとは、ICチップをモールドする際に、エポキ
シ樹脂等のモールド樹脂がランド面811等に付着して
形成されるバリである。
【0032】このレーザバリ取り装置100は、図1に
示すように、第2高調波YAGレーザを発生させるレー
ザ発振器1と、第2高調波YAGレーザを目的位置に導
くレーザ光学系2と、ICフレーム8を保持するXYス
テージ3と、XYステージ3上のICフレーム8を観察
する観察光学系4と、ICフレーム8の位置とICチッ
プ81〜85のランド面811の樹脂バリの付着状態
(バリの有無)とをシーケンサ6へ送信する画像処理装
置5と、XYステージ3と制御装置7とを制御及び駆動
するシーケンサ6と、レーザ発振器1とレーザ光学系2
とを制御及び駆動する制御装置7と、から構成される。
【0033】レーザ発振器1は、YAL12を結
晶母体とするYAGロッドと、例えば、LiNbO
BaNaNb15等の結晶から構成される高調波
用結晶とを備え、制御装置7の出力指示信号に従って、
基本波長1.06μmのYAGレーザの出力を開始し、
このYAGレーザを高調波用結晶により波長変換し、波
長532nmの第2高調波YAGレーザ(レーザビー
ム)11を生成し、出力する。
【0034】レーザ光学系2は、レーザ発振器1から照
射されたレーザビーム11を所定の方向へ反射する複数
の折り返しミラー21、レーザビーム11の径を拡大す
るビームエキスパンダ22、レーザビーム11の偏光方
向の方向性をなくすλ/4板23、レーザビーム11を
目的位置に反射させるガルバノミラー24、及びレーザ
ビーム11を集光する集光レンズ25を備える。ガルバ
ノミラー24は、制御装置7の制御により駆動され、レ
ーザビーム11を目的位置に照射する。
【0035】XYステージ3は、加工対象のICフレー
ム8を載置し、シーケンサ6から出力されるICフレー
ム8の目的位置への位置決めを指示する位置決め信号
と、所定距離水平移動するよう指示する移動信号とに従
って、ICフレーム8を水平方向に移動する。
【0036】観察光学系4は、XYステージ3上のIC
フレーム8を撮像し、画像信号を画像処理装置5と表示
装置とに出力するディジタルカメラと、ディジタルカメ
ラが取得した画像を表示する表示装置とを備える。
【0037】画像処理装置5は、内部メモリに予め記憶
されたICフレーム8の正常な位置(基準位置)とカメ
ラから供給された画像信号に基づき、ICフレーム8の
実際の位置と基準位置との間のX方向及びY方向のずれ
量を示す位置ずれ信号をシーケンサ6に出力する。ま
た、画像処理装置5は、シーケンサ6から供給される状
態判別信号に応答し、内部メモリに予め記憶された正常
なランド面(樹脂バリの付着していないランド面)の画
像と観察光学系4から供給された画像信号の示すランド
面の画像とを比較し、ランド面に樹脂バリが付着してい
るか否かを示すバリ状態信号をシーケンサ6へ出力す
る。
【0038】シーケンサ6は、画像処理装置5から供給
された位置ずれ信号に基づいて、XYステージ3のX方
向及びY方向の移動量を示す位置決め信号をXYステー
ジ3へ出力する。また、シーケンサ6は、画像処理装置
5に状態判別信号を送信し、この状態判別信号に応答し
て画像処理装置5から供給されたバリ状態信号が目的の
ランド面に樹脂バリが付着していることを指示している
際に、樹脂バリの除去を指示する除去信号を制御装置7
に出力し、付着してないと判断すると、処理対象を次の
ランド部に移動するために、XYステージに位置決め信
号を送信する。
【0039】制御装置7は、マーカソフトを搭載したコ
ンピュータ(以下、パソコン)71、マーカコントロー
ラ72、及びガルバノドライバ73を備え、ガルバノミ
ラー24とレーザ発振器1とを制御及び駆動する。
【0040】パソコン71は、通信部、入力部と記憶部
とを備え、レーザビーム11の走査順序を示す走査デー
タをマーカソフト(一般に、レーザ加工用のレーザビー
ムの走査順序等を設定し、走査するプログラム)を用い
て予め設定されている。走査データは、例えば、図3に
示すように、ランド面811を矢印の方向へレーザビー
ムを照射するラスタ状711、円弧状712、及び渦巻
き状713等の走査順序を示す。パソコン71は、シー
ケンサ6からの除去信号に応答し、走査データに基づい
て、ランド面上へのレーザビーム11の照射順序を指示
する走査制御信号をマーカコントローラ72へ出力す
る。
【0041】マーカコントローラ72は、パソコン71
から供給された走査制御信号に基づき、レーザビーム1
1を走査データにより定義されたルートで走査するよう
に、ガルバノミラー24を駆動するための駆動信号をガ
ルバノドライバ73へ出力し、また、レーザビームの出
力を指示する出力制御信号をレーザ発振器1へ出力す
る。
【0042】ガルバノドライバ73は、マーカコントロ
ーラ72から供給された駆動信号に従って、ガルバノミ
ラー24を動作させる。
【0043】次に、本実施の形態に係るレーザバリ取り
装置100の動作を説明する。
【0044】搬送ロボット等は、XYステージ3上に、
例えば、図2に示すICフレーム8を載置する。観察光
学系4のカメラは、XYステージ3上に載置されたIC
フレーム8を撮影し、その画像信号を画像処理装置5へ
出力する。
【0045】画像処理装置5は、画像信号から、XYス
テージ上のICフレーム8の位置を求め、予め記憶され
ているICフレーム8の正常な位置と比較し、X、Y各
方向のずれを求め、求めたずれ(偏差)を示す位置ずれ
信号をシーケンサ6へ伝達する。位置ずれ量は、例え
ば、ICチップ上に形成された位置合わせ用のマークと
基準位置とのずれ量を判別すること等により、判別する
ことができる。
【0046】シーケンサ6は、位置ずれ信号に従って、
そのずれを調整するため移動信号をXYステージ3へ送
信する。XYステージ3は、移動信号に基づいてX方向
及びY方向に水平移動し、ICフレーム8を目的位置に
配置する。
【0047】画像処理装置5は、観察光学系4の出力画
像に基づいてICフレーム8が目的位置に配置されたか
否かを再度判断し、ICフレーム8が目的位置に配置さ
れていないと判断すると、位置ずれ信号をシーケンサ6
へ再度送信してXYステージを再度微調整をし、目的位
置に達するまで同様の動作を繰り返す。ICフレーム8
が目的位置に配置されたと判断すると、予め記憶されて
いる正常なランド面の画像と観察光学系4が出力するラ
ンド面の画像とを比較し、ランド面に樹脂バリが付着し
ているか否かを示すバリ状態信号をシーケンサ6へ送信
する。例えば、画像処理装置5は、予め記憶されている
正常なランド面の画像と間作光学系4が出力するランド
面の画像とのパターンマッチングを行い、例えば、一致
度が90%以上のときは、樹脂バリが存在しないことを
示すバリ状態信号を出力し、それ以外の場合に、樹脂バ
リが付着していることを示すバリ状態信号を出力する。
【0048】シーケンサ6は、受信したバリ状態信号に
基づいて、目的のランド面に樹脂バリが付着しているか
否かを判別し、樹脂バリが付着していると判別した場合
には、樹脂バリの除去を指示する除去信号をパソコン7
1へ送信する。
【0049】除去信号に応答して、パソコン71は、予
め入力されている走査データに基づき、レーザビーム1
1の照射パターンを示す走査制御信号をマーカコントロ
ーラ72へ送信する。マーカコントローラ72は、走査
制御信号に基づき、ガルバノミラー24の動作を制御す
るための駆動制御信号をガルバノドライバ73へ出力す
ると共にレーザビーム11の出力開始を指示する出力指
示信号をレーザ発振器1へ送信する。ガルバノドライバ
73は、駆動制御信号に従ってガルバノミラー24を駆
動する。
【0050】出力指示信号に応答し、レーザ発振器1
は、YAGレーザのレーザビーム11を高調波用結晶に
よって波長変換し、第2高調波YAGレーザのレーザビ
ーム11を発生させる。
【0051】レーザビーム11は、折り返しミラー21
によってビームエキスパンダ22へ導かれ、ビームエキ
スパンダ22によってビーム径を拡大されてλ/4板2
3へ至る。レーザビーム11は、λ/4板23によって
直線偏光から円偏光へ変換され、折り返しミラー21に
よってガルバノミラー24へ導かれる。
【0052】ガルバノミラー24は、ガルバノドライバ
73の駆動によって、レーザビーム11を走査する。ガ
ルバノミラー24に走査されたレーザビーム11は、集
光レンズ25によって集光され、目的のランド面に照射
され、図3に示すようなパターンで走査される。
【0053】ランド面に付着した樹脂バリは、レーザビ
ームの照射を受けると、分解されてランド面から除去さ
れる。
【0054】レーザビーム11の走査が終了すると、画
像処理装置5は、予め記憶されている正常なランド面の
画像と観察光学系4からの画像信号が示すランド面の画
像とを比較し、樹脂バリの有無を示すバリ状態信号をシ
ーケンサ6へ送信する。
【0055】バリ状態信号を受信したシーケンサ6は、
ランド面に樹脂バリが付着しているか否かを判断し、ラ
ンド面に樹脂バリが付着していると判断すると、樹脂バ
リの除去を指示する除去信号を制御装置7へ再度出力す
る。
【0056】除去信号を受信した制御装置7は、レーザ
発振器1とガルバノミラー24とを制御及び駆動して、
ランド面に付着した樹脂バリを再度除去する。
【0057】また、シーケンサ6は、ランド面に樹脂バ
リが付着していないと判断すると、ランド面切替信号を
制御装置7に出力する。
【0058】ランド面切替信号に応答して、制御装置7
は、予め記憶された順序に従い、次の順番のランド面に
ついて、上述の同様の処理を行い、樹脂バリを除去す
る。
【0059】シーケンサ6は、1つのICチップについ
ての全てのランド面について、樹脂バリの除去を終了す
ると、XYステージ3に移動信号を出力し、XYステー
ジ3を所定距離水平移動して、次の処理対象のICチッ
プ82が、観察光学系4の観察範囲に位置し、続いて、
レーザバリ取り装置100によって樹脂バリを除去され
る。
【0060】以上説明したように、このレーザバリ取り
装置100は、ICチップ81のランド面に第2高調波
YAGレーザを走査して樹脂バリを除去する。第2高調
波YAGレーザは、樹脂の吸収率が高く、効率的に樹脂
バリを除去することができる。また、下地が金属である
ため、下地が傷むおそれもない。さらに、レーザの波長
が短いため、レーザビーム11を受けた樹脂バリは熱に
よる加工ではなく、分解して除去されるので、炭化物が
ランド面に付着することを防止できる。
【0061】さらに、一度目のレーザビーム11の走査
によって、樹脂バリを完全に除去することができなくと
も、ランド面に樹脂が残っている場合は、レーザビーム
11を再度走査するので、樹脂バリをほぼ完全に除去す
ることが可能となる。従って、ランド面上への半田ボー
ル付けを高めることができ、ICチップの歩留まりを高
めることができる。さらに、比較的小容量のレーザ発振
器(レーザ源)を使用できる。
【0062】本実施の形態に係るレーザバリ取り装置1
00は、ランド面上でレーザビーム11を走査して、ラ
ンド面に付着した樹脂バリを除去したがが、この発明
は、この構成に限定されず、ランド面に第2高調波YA
Gレーザを照射して、樹脂バリを除去することができる
任意の構成を採用することができる。
【0063】例えば、図4に示すレーザバリ取り装置2
00のように、処理対象のランド面全体にレーザが照射
される構成としてもよい。
【0064】このレーザバリ取り装置200は、図1に
示すレーザバリ取り装置100とほぼ同一の構成を有す
る。しかし、レーザバリ取り装置200では、λ/4板
の代わりに円状マスクを備える。円状マスク26は、ラ
ンド面の形状よりもやや大きな穴を備え、円状マスク2
6を通過したレーザビーム11の径は穴とほぼ同一とな
る。
【0065】以下、レーザバリ取り装置200の動作を
説明する。レーザ発振器1は、YAGレーザのレーザビ
ーム11を高調波用結晶によって波長変換し、第2高調
波YAGレーザのレーザビーム11を発生させる。
【0066】レーザビーム11は、折り返しミラー21
によってビームエキスパンダ22へ導かれ、ビームエキ
スパンダ22によってビーム径を拡大されて円状マスク
26へ至る。レーザビーム11は、円状マスク26によ
ってその径をランド面よりもやや大きい径に絞られ、折
り返しミラー21によってガルバノミラー24へ導かれ
る。
【0067】ガルバノミラー24は、ガルバノドライバ
73の駆動に従って、レーザビーム11を目的のランド
面へ導く。ガルバノミラー24に導かれたレーザビーム
11は、集光レンズ25によってランド面とほぼ同一の
径になるように集光され、目的のランド面に照射され
る。
【0068】ランド面に付着した樹脂バリは、レーザビ
ームの照射を受けると、分解されてランド面から除去さ
れる。
【0069】このような構成によれば、レーザビーム1
1を走査する必要がなく、樹脂バリのための制御が容易
である。
【0070】また、図1の構成では、予め定められた走
査パターンを特定する走査データがパソコン71に格納
されたが、例えば、複数の走査パターンを特定する走査
データをパソコン71に格納しておき、処理対象のラン
ド面の形状やサイズに応じて、任意の走査データを、例
えば、キーボード等から選択できるようにしてもよい。
このような構成によれば、処理対象のランド面に応じた
処理を迅速且つ容易に選択することができる。さらに、
処理対象は、BGAタイプのICチップの金属電極のラ
ンド面に限定されず、樹脂バリが付着した種々の対象の
バリの除去に利用できる。また、処理対象にレーザを導
くための構成も、図1又は図4に示した構成に限定され
ず、任意の構成を採用することができる。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、この発明のレーザ
バリ取り装置によれば、樹脂バリに第2高調波YAGレ
ーザを照射するので、樹脂バリを適切に除去することが
可能である。また、樹脂バリへ第2高調波YAGレーザ
のレーザビームを照射した後、レーザビームを照射した
加工対象物に樹脂バリが付着しているか否かを観察し、
付着していない場合は、次の加工対象物に樹脂バリが付
着しているか否かを観察し、樹脂バリが付着している場
合は、樹脂バリへ第2高調波YAGレーザのレーザビー
ムを照射するので、レーザビームの照射による樹脂バリ
の除去が十分でない場合でも、レーザビームを再度照射
することによって、樹脂バリを除去することが可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るレーザバリ取り装置
を示す構成図である。
【図2】図1のレーザバリ取り装置の加工対象のICチ
ップとそのICチップを備えるICフレームを示す平面
図である。
【図3】図1のレーザバリ取り装置の走査データを示す
平面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係るレーザバリ取り装置
の変形例を示す構成図である。
【符号の説明】
1 レーザ発振器 11 YAGレーザ(レーザビーム) 2 レーザ光学系 21 折り返しミラー 22 ビームエキスパンダ 23 λ/4板 24 ガルバノミラー 25 集光レンズ 26 円状マスク 3 XYステージ 4 観察光学系 5 画像処理装置 6 シーケンサ 7 制御装置 71 パソコン 711 走査データ 712 走査データ 713 走査データ 72 マーカコントローラ 73 ガルバノドライバ 8 ICフレーム 81 ICチップ 82 ICチップ 83 ICチップ 84 ICチップ 85 ICチップ 811 ランド面 100 レーザバリ取り装置 200 レーザバリ取り装置

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂バリの付着した加工対象物が載置され
    る保持台と、 第2高調波YAGレーザのレーザビームを出力するレー
    ザ源と、 前記レーザ源からのレーザビームを前記加工対象物へ導
    くレーザ光学系と、前記レーザ光学系と前記レーザ源とを制御する制御装置
    と、 を備え、前記制御装置は、前記樹脂バリへ第2高調波YAGレー
    ザのレーザビームを照射した後、レーザビームを照射し
    た前記加工対象物に樹脂バリが付着しているか否かを観
    察し、付着していない場合は、次の加工対象物に樹脂バ
    リが付着しているか否かを観察し、樹脂バリが付着して
    いる場合は、前記樹脂バリへ第2高調波YAGレーザの
    レーザビームを照射するよう、前記レーザ光学系と前記
    レーザ源とを制御 することにより、樹脂バリを除去する
    こと、 を特徴とするバリ取り装置。
  2. 【請求項2】前記制御装置は、前記レーザビームを照射
    した後の観察によって、前記加工対象物へ樹脂バリが付
    着していると判断した場合は、前記樹脂バリへ再度レー
    ザビームを照射するよう、前記レーザ光学系と前記レー
    ザ源とを制御すること、 を特徴とする請求項に記載のバリ取り装置。
  3. 【請求項3】前記制御装置は、 樹脂バリの付着していない状態の前記加工対象物の画像
    を予め記憶する手段と、 前記観察によって得られた加工対象物の画像と前記記憶
    手段に記憶されている樹脂バリの付着していない状態の
    前記加工対象物の画像とを比較して、前記加工対象物に
    樹脂バリが付着しているか否かを判断する手段と、 を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のバリ
    取り装置。
  4. 【請求項4】前記レーザ光学系は、所定の走査パターン
    を記憶する走査パターン記憶手段と、 前記走査パターン記憶手段に記憶された走査パターンに
    従って、前記加工対象物上で前記レーザビームを走査さ
    せる走査手段とを備える、 ことを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の
    バリ取り装置。
  5. 【請求項5】前記走査パターン記憶手段に走査パターン
    を登録する手段をさらに備える、ことを特徴とする請求
    に記載のバリ取り装置。
  6. 【請求項6】前記走査手段は、前記走査パターン記憶手
    段に記憶された複数の走査パターンの1つを選択する選
    択手段と、該選択手段により選択された走査パターンに
    従ってレーザビームを走査する手段と、を備えることを
    特徴とする請求項4又は5に記載のバリ取り装置。
  7. 【請求項7】前記レーザ光学系は、前記レーザ源からの
    レーザビームの径を前記加工対象物のサイズに応じて調
    整する手段と、径が調整されたレーザビームを前記加工
    対象物に照射する手段と、を備えることを特徴とする請
    求項1乃至の何れか1項に記載のバリ取り装置。
  8. 【請求項8】前記加工対象物は金属から構成される、こ
    とを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載のバ
    リ取り装置。
  9. 【請求項9】 半導体チップの電極のランド面が載置され
    る保持台と、 第2高調波YAGレーザのレーザビームを出力するレー
    ザ源と、 前記レーザ源からのレーザビームを前記加工対象物へ導
    くレーザ光学系と、 前記レーザ光学系と前記レーザ源とを制御する制御装置
    と、 を備え、 前記制御装置は、前記ランド面へ第2高調波YAGレー
    ザのレーザビームを照射した後、レーザビームを照射し
    た前記加工対象物に樹脂バリが付着しているか否かを観
    察し、付着していない場合は、次の加工対象物に樹脂バ
    リが付着してい るか否かを観察し、樹脂バリが付着して
    いる場合は、前記樹脂バリへ第2高調波YAGレーザの
    レーザビームを照射するよう、前記レーザ光学系と前記
    レーザ源とを制御することにより、樹脂バリを除去する
    こと、 を特徴とするバリ取り装置。
  10. 【請求項10】 前記制御装置は、前記レーザビームを照
    射した後の観察によって、前記ランド面に樹脂バリが付
    着していると判断した場合は、前記樹脂バリへ再度レー
    ザビームを照射するよう、前記レーザ光学系と前記レー
    ザ源とを制御すること、 を特徴とする請求項9に記載のバリ取り装置。
  11. 【請求項11】 前記制御装置は、 樹脂バリの付着していない状態の前記ランド面の画像を
    予め記憶する手段と、 前記観察によって得られたランド面の画像と前記記憶手
    段に記憶されている樹脂バリの付着していない状態の前
    記ランド面の画像とを比較して、前記ランド面に樹脂バ
    リが付着しているか否かを判断する手段と、 を備えることを特徴とする請求項9又は10に記載のバ
    リ取り装置。
  12. 【請求項12】 前記レーザ光学系は、所定の走査パター
    ンを記憶する走査パターン記憶手段と、 前記走査パターン記憶手段に記憶された走査パターンに
    従って、前記ランド面上で前記レーザビームを走査させ
    る走査手段とを備える、 ことを特徴とする請求項9乃至11の何れか1項に記載
    のバリ取り装置。
  13. 【請求項13】 前記走査パターン記憶手段に走査パター
    ンを登録する手段をさらに備える、ことを特徴とする請
    求項12に記載のバリ取り装置。
  14. 【請求項14】 前記走査手段は、前記走査パターン記憶
    手段に記憶された複数の走査パターンの1つを選択する
    選択手段と、該選択手段により選択された走査パターン
    に従ってレーザビームを走査する手段と、を備えること
    を特徴とする請求項12又は1 3に記載のバリ取り装
    置。
  15. 【請求項15】 前記レーザ光学系は、前記レーザ源から
    のレーザビームの径を前記ランド面のサイズに応じて調
    整する手段と、径が調整されたレーザビームを前記ラン
    ド面に照射する手段と、を備えることを特徴とする請求
    項9乃至11の何れか1項に記載のバリ取り装置。
  16. 【請求項16】 前記ランド面は金属から構成される、こ
    とを特徴とする請求項9乃至15の何れか1項に記載の
    バリ取り装置。
  17. 【請求項17】被加工物へ付着した樹脂バリを除去する
    バリ除去方法において、 前記バリ除去方法は、前記樹脂バリに対して第2高調波
    YAGレーザを照射する照射工程を備えること、 を特徴とするバリ除去方法。
  18. 【請求項18】前記照射工程は、前記レーザを照射後、
    前記樹脂バリが残存しているか否かを判別する判別工程
    と、 前記判別工程によって、前記樹脂バリが残存付着してい
    ると判別されると、前記樹脂バリへ前記レーザを再び照
    射する再照射工程と、 を備えることを特徴とする請求項1に記載のバリ除去
    方法。
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