JP3052642U - 自転車ダイナモ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 発電能力を強化する。 【解決手段】 回転体６０の内周面に等間隔に多数の磁
石６３を磁極が交互相反するように配列し、環状ライニ
ング７０を固定主軸２０の周回りに外嵌固定して電機子
装置８０を周設すると共に、電機子装置８０がコイルユ
ニット８１及び両コア部材を有し、両コア部材がそれぞ
れコイルユニット８１の両側面に取付けられ、各コア部
材が共に二個以上のコア円盤８２ａ，８２ｂを組重ねて
形成され、各コア円盤８２ａ，８２ｂの外周縁に等間隔
に所定数の支脚８２１ａ，８２１ｂを凸設し、異なるコ
ア円盤の支脚８２１ａ，８２１ｂが互いに隣接配設して
所定セットの爪片ユニットを形成し、更に両コア部材８
２のそれぞれ爪片ユニットを交互にコイルユニット８１
と磁石６３との間に伸出させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、ダイナモに係り、特に発電電力が大きい自転車ダイナモに関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般の自転車に使われている円盤型ダイナモ１０は、図１１に示す如く、主と して自転車の車輪ハブ１近傍のフレーム適所と固定主軸にわたり固定子１１を設 け、固定子１１に多数の誘導コイル１２を装設し、多数の永久磁石１４を具えた 回転子１３を一体回転可能にスポークとハブ１に取付けて、回転子１３の磁石１ ４と固定子１１の誘導コイル１２を適当な間隔に保持して相対回転させ、磁石１ ４によって生じた回転磁が丁度静止した誘導コイル１２を切って、車軸方向に沿 って巻かれた誘導コイル１２に起電力を誘導し、これにより電流を生じて発電す るのである。

【０００３】 従来のダイナモは、確かに発電機能を発揮できるのであるが、その発電によっ て得られた電流，電圧はなおも十分でなく、すべての需要に応えることができな い。即ち、回転子１３が磁石１４を一体連動して回転した際、磁界の運動は誘導 コイル１２に対して同一方向であるため、誘導コイル１２から得られる電流，起 電力は一定の大きさだけに留まリ、一般の自転車に取付けられた自転車用ライト に対して、この種小電力は僅かにライトの明るさを示すことだけができて、光束 を遠方までへ投射照明させる電力に欠け、往々にして夜間使用時の安全性に影響 をもたらす場合が少なくなく、したがって、従来の自転車ダイナモの発電で得ら れる電流，電圧は小さく、照明器具である自転車用ライトがしばしば十分に機能 を発揮できない問題がある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、従来の自転車ダイナモにおける問題点に鑑み、発電電力がより大き い自転車ダイナモを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するため、本考案の自転車ダイナモは、固定主軸と、固定主軸 周りで回転可能なシェル体をなし内周面に等間隔に所定数の磁石を磁極が交互相 反する配列に設けた回転体と、絶縁材により形成され固定主軸周りに外嵌固定す るコアチューブと、導電性を有しコアチューブ外周面に嵌設される環状ライニン グと、コイルユニット及び両コア部材を有し環状ライニングの周回りに嵌着され 、両コア部材がそれぞれコイルユニットの両側面に設けられ、各コア部材がとも に二個以上のコア円盤を組重ねて形成され、且つ各コア円盤の外周縁に等間隔に 所定数の支脚を凸設し、異なるコア円盤の支脚を互いに隣接配設して所定セット の爪片ユニットを形成し、更に両コア部材のそれぞれ爪片ユニットを交互にコイ ルユニットと磁石との間に伸出させる少なくとも一個の電機子装置と有して構成 される。

【０００６】 本考案の自転車ダイナモにおいては、固定主軸に回転体の外周面を所定間隔に 内包する円盤状外部シェル体を固定周設し、円盤状外部シェル体の中空内部を格 納部に形成し、回転体及び電機子装置を収容するようにしたり、回転体の外側面 に騒動端部を設け、駆動端部を所定間隔に配置された多数の円弧ブロック群で形 成し、且つ各円弧ブロックに振動防止ゴム帽を嵌着し、振動防止ゴム帽の幅を自 転車の車輪スポーク間に挟持される程度に形成し、回転体を車輪に同期して駆動 回転されるようにしたり、回転体を自転車の車輪ハブで形成し、固定主軸に雄ね じ部を周設し、固定主軸の外周面にコッタ溝を開設し、両コア部材の外側面に接 して両固定手段を雄ねじ部に螺定し、電機子装置を定位させるようにすることが できる。

【０００７】 本考案の自転車ダイナモは、固定主軸に固設されたコイルユニットに二セット のコア部材を配設し、各コア部材を共に二組以上のコア円盤で組重ねて形成し、 旦つそれぞれの伸出した支脚が隣接配列方式により爪片ユニットを構成している ので、爪片ユニットの各支脚か相対回動している磁石のＮ極或いはＳ極と相対す ると、それぞれが環状ライニングに磁気を浸透でき、それによって発生した交流 電と対応して二コース以上の起動力が生じ、且つその生成した交流電が相位差を 具えた正弦波であることから、二コース以上の正弦波が生ずる合成起動力が梯形 波に類似して、この種梯形波の総起動力が単一正弦波よりも強力であるゆえ、同 じ度合いの回動条件の下で、従来技術よりも遥かに強い電圧，電流を生ずること ができる。

【０００８】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明するが、本考案はこ の例のみに限定されない。 本考案の自転車ダイナモは、図１および図２に示す如く色々な場合に利用でき 、特に、自転車の車輪ハブに取付けられて車輪の回転から誘導発電し、車両ライ トに電源を供給する。本考案の比較的好ましい実施の形態においては、円盤型ダ イナモにより形成され、主として、固定主軸２０と、アース座３０と、固定本体 ４０と、コアチューブ５０と、回転体６０と、環状ライニング７０と少なくとも 一個の電機子装置８０を有する。

【０００９】 固定主軸２０は、自転車ハブ１に貫挿する固定軸体であって、自転車ハブ１は 固定主軸２０の周回りで回動する。

【００１０】 アース座３０は、中央部に軸孔３１を貫設し、固定主軸２０が枢挿定位し、ア ース座３０の外周面の径向きで対応する両所定部位にそれぞれ接触凸端３２を設 け、同時にその外周面に複数の止め条を凸設する。

【００１１】 固定本体４０は、固定状の絶縁円盤外部シェル体であって、本実施の形態では 固定本体４０をプラスチック材で形成し、その内部に凹み空間で形成された格納 部４１を設け、格納部４１の中心部位に中空状の軸チューブ４２を周設すると共 に、軸チューブ４２の内周面にコッタ孔４２１を形成し、固定本体４０をアース 座３０に外嵌し、固定本体４０をハブ１に固定することができる。軸チューブ４ ２は外周面にも複数の止め条を凸設し、軸チューブ４２の凸端端面に径向きで対 応する両開き溝４２２を設け、アース座３０の接触凸端３２をそれぞれ開き溝４ ２２に内挿させる。また、固定本体４０の外側面の所定位置にソケット座４３が 設けられ、ソケット座４３の上端面に挿込孔４３１を形成し、電器装置のプラグ 端を挿し込めるようにする。

【００１２】 コアチューブ５０は、主としてプラスチック材により造られて絶縁機能を具え ており、その軸沿い中心部に軸チューブ４２が嵌挿するコッタ孔５１を設け、そ の一端に植込み式（ここで言う植込み式とは、先に金属固体を成形して、次に金 属固体を模型の中に入れ、しかる後に直接プラスチック材で包み固めて一体成形 したことを意味する）により金属材質の軸座５２を固接し、軸座５２に回転体６ ０を嵌着枢接させ、更に軸座５２の外端縁に制止溝５３を凹設し、制止溝５３に 丁度Ｃ型止め金５４を組み込んで回転体６０を制御し、コアチューブ５０の外周 縁適所に貫挿孔５５を開設し、アース座３０の接触凸端３２を貫挿孔５５に貫挿 して環状ライニング７０に触接させる。

【００１３】 回転体６０は、回動可能な盤状内部シェル体を呈し、プラスチック材により形 成され、その内部に凹み空間６１を設けて電機子装置８０を収納し、中央部に軸 ライナ６２を嵌設し、回転体６０を軸座５２に外嵌すると共に回転体６０の外周 壁内側面に等間隔に所定数の磁石６３を取付け、磁石６３の磁極を交互に相反さ せる配列方式（Ｎ，Ｓ，Ｎ，Ｓ，・・・）で配置し、更に回転体６０の外側面に 駆動端部６４を設け（駆動端部６４は多数の所定間隔を具えた円弧ブロック群） 、駆動端部６４に振動防止ゴム帽６４１を嵌設し、振動防止ゴム６４１の幅を丁 度自転車の車輪スポーク３間に挟持される程度に形成して、これにより、回転体 ６０を車輪の回転に同期して駆動回転できるようにする。

【００１４】 環状ライニング７０は、固定本体４０の中央部に嵌着固定するリング体であり 、本実施の形態では、導電性に優れた材質によって作られコアチューブ５０の外 周面に嵌設されている。

【００１５】 少なくとも一個の電機子装置８０は、同時に図３を参照すれば分かるように、 環状ライニング７０の周回りに嵌着し、固定本体４０の格納部４１内に格納され る組立部材であり、業者は実際の需要に応じ多数セットの電機子装置を設けても よく、本実施の形態では一セットを採用する。電機子装置８０は、主としてコイ ルユニット８１及び両コア部材８２を有し、コイルユニット８１は軸ヨーク８１ １内にコイルを巻いて形成され、コイルユニット８１の火線（例えば電車線等の ように大地を−とし、電線を＋としている導線を言う）の端部に導電片８１２を 連接し、導電片８１２を丁度ソケット座４３内に組込み固定させ、、これにより コイルユニット８１の火線回路を形成する。一方、コイルユニット８１のアース 端部は環状ライニング７０と連結し、環状ライニング７０とアース座３０の接触 凸端３２が触接し、且つアース座３０が固定主軸２０とコッタ継ぎに接触してい ることから、コイルユニット８１のアース回路を形成する。また、両コア部材８ ２はそれぞれコイルユニット８１の前後両側に設けられ、各コア部材８２は共に 二組以上のコア円盤８２ａ，８２ｂを組重ねて形成され、コア円盤８２ａ，８２ ｂの外周縁に等間隔に所定数の支脚８２１ａ，８２１ｂを凸設し、それら支脚８ ２１ａ，８２１ｂを互いに隣接配設し、これにより所定セットの爪片ユニットＡ を形成し、両コア部材８２の爪片ユニットＡをそれぞれ交互にコイルユニット８ １と磁石６３との間に伸出させるように取付ける。

【００１６】 本考案の自転車ダイナモの発電動作原理および機能を下記に述べる。 本考案の爪片ユニットＡは、図４および図５に示す如く、二組以上のコア円盤 ８２ａ，８２ｂの支脚８２１ａ，８２１ｂを左右隣接して形成され、各支脚８２ １ａ，８２１ｂか磁石６３のＮ極或いはＳ極と相対すると、それぞれ環状ライニ ング７０に磁気浸透することができて、それによって発生した交流電と対応して 二コース以上の起動力が生じ、且つその生成した交流電が相位差を具えた正弦波 であることから、二コース以上の正弦波が生ずる合成起動力は、図示のように梯 形波に類似した波形であって（出頭人がオシロメータで検出した結果）、支脚８ ２１が多くなれば多くなるほど梯形波に近似し、この種梯形波の総起動力が単一 正弦波よりも強いので、本考案の自転車ダイナモは、同じ度合いの回動条件の下 で生成した電圧，電流が何れも従来技術より強く、したがって、電器装置例えば 、自転車ライトをより明るく、照明範囲をより遠距離に発光させることができる 。

【００１７】 即ち、本考案の円盤型ダイナモは、コイルユニット８１に二セットのコア部材 ８２を含ませて、各コア部材８２を共に二組以上のコア円盤８２ａ，８２ｂで組 重ねて形成し、且つそれぞれの伸出した支脚８２１が隣接排列方式により爪片ユ ニットＡを構成しているので、これにより励磁発電すると、爪片ユニットＡの生 ずる総起動力が梯形波の波形に類似して、総起動力が増強する優点を具えるとな り、それ故、同じ回転数の条件の下で、生成した起動力が従来のダイナモに比べ てずっと強大なので、電器設備の生ずる作動効果がより優れて好ましい。

【００１８】 図６および図７に本考案における比較的好ましいもう一つの実施の形態を示す 。この実施の形態では、回転体を直接車輪ハブに取付けたている。本実施の形態 は、前記実施り形態と同様に自転車ダイナモではあるが、ハブ型ダイナモ９０に 属し、主として、固定主軸９１、車輪ハブ９２、コアチューブ９３、環状ライニ ング９４、コイルユニット９５、コア部材９６及び両固定手段９７を具え、固定 主軸９１の胴部に雄ねじ部９１１を形成し、固定主軸９１の外周面に軸沿いにコ ッタ溝９１２を開設し、且つ車輪ハブ９２の内周壁に複数の磁石９２１を等間隔 に極性が交互に相反するよう配列し、絶縁材によって形成されたコアチューブ９ ３は固定主軸９１の周回りに嵌込み周設され、環状ライニング９４がコアチュー ブ９３に外嵌固定し、環状ライニング９４の周囲にコイルユニット９５及びコア 部材９６を組立装設し、コア部材９６は同様に二個以上のコア円盤９６ａ，９６ ｂを組重ねて形成され、各コア円盤９６ａ，９６ｂの外周縁より延設した支脚９ ６１ａ，９６１ｂが互いに隣接配列して爪片ユニットＡを形成し、前記実施の形 態の円盤型ダイナモと同様に発電量が強大である優点を具えている。 図９および図１０に示すように、各コア円盤９６ａ，９６ｂの盤面にそれぞれ 二組の互いに直径線上で相対する挿着孔９６２ａ，９６２ｂを開設し、異なるコ ア円盤９６ａ，９６ｂに開設された挿着孔９６２ａ，９６２ｂを互いに同一向き の所定角度に傾斜きせ、且つ固定ピン９６３を挿着孔９６２ａ，９６２ｂを介し てコア円盤９６ａ，９６ｂに挿し通して固定させれば、自然と互いの支脚９６１ ａ，９６１ｂが隣接配列するので、かなり優れた組立迅速性及びパーツ共用性を 具えている。 また、図６および図８に示すように、固定主軸９１にアース鈎体９８を周設し 、アース鈎体９８の一端をリング状に湾曲した鈎部９８１に形成し、固定主軸９ １に鈎止め固定させ、旦つアース鈎体９８の他端を接線端部９８２に形成し、コ イルユニット９５のアース線を接ぎ出し、更に両コア部材９６の外側面に接して 両固定手段９７（即ち、ナット）を固定主軸９１の雄ねじ部９１１に螺定し、コ ア部材９６及びコイルユニット９５を所定位置に保持する。したがって、本考案 の円盤型ダイナモ或いはハブ型ダイナモの何れを使っても強大な発電量を電器設 備に供給することができる。

【００１９】

【考案の効果】

前記のように構成された本考案は、固定主軸に固設したコイルユニットに二セ ットのコア部材を配設し、各コア部材を共に二組以上のコア円盤で組重ねて形成 し、且つそれぞれの伸出した支脚が隣接排列方式により爪片ユニットを構成して いるので、爪片ユニットの各支脚が相対回動している磁石のＮ極或いはＳ極と相 対すると、それぞれが環状ライニングに磁気を浸透でき、それによって発生した 交流電と対応して二コース以上の起動力が生じ、且つその生成した交流電が相位 差を具えた正弦波であることから、二コース以上の正弦波が生ずる合成起動力が 梯形波に類似し、この種梯形波の総起動力が単一正弦波よりも強力であるゆえ、 従来技術と同じ度合いの回動条件の下で生成した電圧，電流は何れも従来技術よ りも遥かに強く、したがって、電器装置、例えば、自転車ライトをより明るく、 照明範囲をより遠距離に発光することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案における自転車ダイナモの比較的好まし
い実施の形態の横断面図。

【図２】図１の自転車ダイナモの一部を断面で示す側面
図。

【図３】自転車ダイナモの電機子装置の組立平面図。

【図４】自転車ダイナモの爪片ユニットの隣接配列状態
を示す斜視図。

【図５】自転車ダイナモの総起動力を表示する図。

【図６】本考案における自転車ダイナモの他の実施の形
態の横断面図。

【図７】図６の自転車ダイナモの側面図。

【図８】自転車ダイナモのアース鈎体を示す図。

【図９】自転車ダイナモの一方のコア円盤の側面図。

【図１０】自転車ダイナモの他方のコア円盤の側面図。

【図１１】従来の円盤型ダイナモの横断面図。

【符号の説明】

３ 自転車の車輪スポーク ２０ 固定主軸 ４１ 格納部 ５０ コアチューブ ６０ 回転体 ６３ 磁石 ６４ 駆動端部 ６４１振動防止ゴム帽 ７０ 環状ライニング ８０ 電機子装置 ８１ コイルユニット ８２ コア部材 ８２ａ，８２ｂ コア円盤 ８２１ａ，８２１ｂ 支脚 Ａ 爪片ユニット

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】固定主軸と、 固定主軸周りで回転可能なシェル体をなし、内周面に等
   間隔に所定数の磁石を磁極が交互相反する配列に設けた
   回転体と、 絶縁材により形成され固定主軸周りに外嵌固定されたコ
   アチューブと、 導電性を有しコアチューブ外周面に嵌設された環状ライ
   ニングと、 コイルユニット及び両コア部材を有し、環状ライニング
   の周回りに嵌着され、両コア部材がそれぞれコイルユニ
   ットの両側面に設けられ、各コア部材がともに二個以上
   のコア円盤を組重ねて形成され、且つ各コア円盤の外周
   縁に等間隔に所定数の支脚を凸設し、異なるコア円盤の
   支脚を互いに隣接配設して所定セットの爪片ユニットを
   形成し、両コア部材のそれぞれ爪片ユニットを交互にコ
   イルユニットと磁石との間に伸出させる少なくとも一個
   の電機子装置とを有することを特徴とする自転車ダイナ
   モ。
2. 【請求項２】固定主軸に回転体の外周面を所定間隔に内
   包する円盤状外部シェル体を固定周設し、円盤状外部シ
   ェル体の中空内部を格納部に形成して回転体及び電機子
   装置を収容するようにしたことを特徴とする請求項１に
   記載の自転車ダイナモ。
3. 【請求項３】回転体の外側面に駆動端部を設け、駆動端
   部を所定間隔に配置された多数の円弧ブロック群で形成
   し、且つ各円弧ブロックに振動防止ゴム帽を嵌着し、振
   動防止ゴム帽の幅を自転車の車輪スポーク間に挟持され
   る程度に形成し、回転体を車輪に同期して駆動回転させ
   ることを特徴とする請求項１又は２に記載の自転車ダイ
   ナモ。
4. 【請求項４】回転体を自転車の車輪ハブで形成し、固定
   主軸に雄ねじ部を周設し、且つ固定主軸外周面にコッタ
   溝を開設し、両コア部材の外側面に接して両固定手段を
   雄ねじ部に螺定し、電機子装置を定位させることを特徴
   とする請求項１に記載の自転車ダイナモ。