JP3050908B2 - 汚物収容容器 - Google Patents

汚物収容容器

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JP3050908B2 JP2309998A JP30999890A JP3050908B2 JP 3050908 B2 JP3050908 B2 JP 3050908B2 JP 2309998 A JP2309998 A JP 2309998A JP 30999890 A JP30999890 A JP 30999890A JP 3050908 B2 JP3050908 B2 JP 3050908B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、耐水性、保香性、柔軟性・無音性、好まし
い触感性、水洗投棄性を有し、かつ投棄後に崩壊して環
境汚染を最小限に抑えることのできる汚物収容容器、殊
に人工肛門から排泄される汚物を捕集するためのバッグ
に関するものである。
従来の技術 回腸、横行結腸、下行結腸、S字結腸、瘻孔など管腔
臓器の疾患の手術直後には、一般に人工肛門と呼ばれる
小孔(ストーマ)を体表に設け、そこから糞便、膿、体
液等の汚物を排出することがある。手術直後だけでな
く、回復期、社会復帰後にも人工肛門を設けたままにす
るケースも多い。
人工肛門から排泄される汚物を捕集するためのバッグ
は、小孔(ストーマ)をどの管腔臓器と連絡するかによ
り、オストミーバッグ、コロストミーバッグまたはイレ
オストミーバッグなどと称されている。
従来、この種のバッグの構成として、次に列挙するよ
うな提案がなされている。
特表昭57−501631号公報には、塩素化ポリオレフィン
とオレフィン系ポリマーとのブレンド物からなる2層の
間に塩化ビニリデン−塩化ビニルコポリマーなどの蒸気
防壁層を介在させた主として医療用の袋の構成が示され
ている。
特開昭60−1246号公報には、エチレン−酢酸ビニル共
重合体と弾性ポリオレフィンとのブレンド物、またはこ
のブレンド樹脂層2層の間に、塩化ビニリデン共重合
体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、弗化ビニリ
デン−弗化ビニル共重合体、ポリアミドなどの気体・臭
気障壁層を介在させたオストミー袋用の無音性フィルム
が示されている。
特開昭60−122527号公報には、3−ヒドロキシブチレ
ートポリマーの単層または複層フィルムからなる人体排
泄物用バッグが示されており、複層の場合の相手方フィ
ルムとしては、ポリビニルアルコールフィルムやポリエ
チレンオキサイドフィルムなどの水溶性ポリマーフィル
ムが用いられるとしてある。
実開昭60−175248号公報には、エチレン−酢酸ビニル
共重合体ケン化物とエチレン−酢酸ビニル共重合体部分
ケン化物とのブレンド物を中間層とし、(メタ)アクリ
ル酸エステルをコモノマーとするエチレン共重合体層を
その両側とする3層共押出によって得られる人工肛門バ
ッグ用フィルムが示されている。
特開昭61−31151号公報には、水に溶けやすい紙を用
いた袋体の底部、筒状部に脱臭凝固剤を配置した人工肛
門受便袋が示されている。
人工肛門から排泄される汚物を捕集するためのバッグ
として現在実行化されているものは、(内側層)エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体/ポリ塩化ビニリデン/エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体(外側層)の3層構成、あるい
はこの構成にさらに不織布またはネット状構造物を積層
した4層構成を有するものである。
なお、本出願人においても、オキシアルキレン基含有
ビニルアルコール系重合体フィルム層を含む単層または
複層の包装材より形成されてなる汚物収容容器につき、
特開平1−160550号公報として出願を行っている。
発明が解決しようとする課題 人工肛門から排泄される汚物を捕集するためのバッグ
は、使用者の使い勝手を考慮した機能、たとえば耐水
性、保香性(臭気の漏れ防止性)、無音性・柔軟性、水
洗投棄性、触感性を全て満足することが要求される。
加えて、最近においては、上記のような使用者を重点
とした機能に加えて、環境汚染防止の観点から投棄後に
おける崩壊性も要求されるようになってきている。
上述の特表昭57−501631号公報、特開昭60−1246号公
報、特開昭60−122527号公報、実開昭60−175248号公報
および特開昭61−31151号公報に開示されているバッグ
は、使い勝手を考慮した機能のうちのいくつかを満足す
るものの不足する機能もあり、また投棄後における崩壊
性については特に考慮されていない。現在すでに実用化
に至っているエチレン−酢酸ビニル共重合体/ポリ塩化
ビニリデン/エチレン−酢酸ビニル共重合体の3層構
成、あるいはこの構成にさらに不織布またはネット状構
造物を積層した4層構成のバッグも、同様の問題点を有
している。
耐水性、保香性、柔軟性・無音性、触感性、水洗投棄
性の機能を満足することができるものとして提案した本
出願人の出願にかかる特開平1−160550号公報の汚物収
容容器も崩壊性については検討されていない。
人工肛門装着者は年々増加しており、しかも社会復帰
者も多くなりつつある現在、上記使用者を重点とした機
能を全て満たすのみではなく、崩壊性、すなわち環境汚
染防止性をも考慮したバッグの開発が強く要望されてい
るところである。
本発明は、使用者の使い勝手を考慮した諸機能はもと
より、投棄後における崩壊性を備えた汚物処理容器を提
供することを目的になされたものである。
課題を解決するための手段 本発明の汚物処理容器は、天然高分子を配合したオキ
シアルキレン基含量が5〜50重量%のオキシアルキレン
基含有ビニルアルコール系重合体フィルム層(X)およ
び天然高分子を配合した熱可塑性樹脂層(Y)を含む複
層の包装材より形成されてなるものである。
以下本発明を詳細に説明する。
〈フィルム層(X)〉 オキシアルキレン基含有ビニルアルコール系重合体と
しては、式 −(CHR−CHR′−O−)nH (ただし、R、R′は水素原子またはアルキル基(殊に
メチル基またはエチル基)、nは正の整数)で示される
オキシアルキレン基を含有するエチレン性不飽和モノマ
ーと酢酸ビニルとの共重合体のケン化物が用いられる。
オキシアルキレン基を含有するエチレン性不飽和モノ
マーの具体例としては、ポリオキシエチレン(メタ)ア
クリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレー
ト、ポリオキシエチレン(メタ)アクリルアミド、ポリ
オキシプロピレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシ
エチレン(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチ
ルプロピル)エステル、ポリオキシエチレン(メタ)ア
リルエーテル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエ
ーテル、ポリオキシエチレンビニルエーテル、ポリオキ
シプロピレンビニルエーテルなどがあげられる。オキシ
アルキレン単位の付加モル数を示すnは、いずれの場合
も1〜300程度であり、特にnが5〜50程度が好まし
い。上記の中では、ポリオキシエチレンアリルエーテル
が実用性が大きい。
オキシアルキレン基含有ビニルアルコール系重合体
は、上述のようなオキシアルキレン基を含有するエチレ
ン性不飽和モノマーと酢酸ビニルとを共重合した後、メ
タノール、エタノール、ブタノールなどのアルコールの
中でアルカリ触媒の存在下にケン化することにより取得
される。
酢酸ビニル成分のケン化度は、少なくとも10モル%と
する、ビニルアルコール基の有する性質を利用するため
にはケン化度は高ければ高いほど有利であるので、通常
は50モル%以上、好ましくは70モル%以上、さらには90
モル%以上とすることが多い。
ケン化により得られたオキシアルキレン基含有ビニル
アルコール系重合体中のオキシアルキレン基の含有量
は、5〜50重量%に設定される。その含有量が余りに少
ないときはフィルムを熱処理すると柔軟性が損なわれ、
その含有量が余りに多いときはビニルアルコール系重合
体の持つ保香性が損なわれる。
なお上記重合に際しては、他のモノマーとして、酢酸
ビニル以外のビニルエステル、アルキルビニルエーテ
ル、アルキルアリルエーテル、エチレン性不飽和カルボ
ン酸またはそのエステル・塩・無水物、α−オレフィ
ン、塩化ビニルなどを30モル%以下程度であれば存在さ
せてもよい。
オキシアルキレン基含有ビニルアルコール系重合体
は、場合により、ポリビニルアルコールに対するアルキ
レンオキシドの反応、あるいはポリオキシアルキレング
リコールに対する酢酸ビニルの重合およびそれに引き続
くケン化によっても取得できる。
オキシアルキレン基含有ビニルアルコール系重合体の
製膜法としては、該重合体の水溶液を流延する方法、無
水または含水条件下に加熱押出する方法、溶融押出する
方法などが採用される。
得られたフィルムは、そのままでは耐水性が若干不足
する傾向があるので、これを複層の内側層として用いる
ときは、120〜260℃程度、好ましくは130〜240℃程度の
温度条件下に熱処理に行い、その水中溶解温度が55℃以
上で、かつ20℃×50%RHにおける10%ヤング率が2×10
3kg/cm2以下となるようにすることが望ましい。
ここで水中溶解温度とは、2000mlの冷水を入れたビー
カーに、大きさ3cm×3cm、厚さ25±2μmのフィルムを
投入して直ちに2℃/minの速度で昇温したとき、フィル
ムの99重量%以上が溶解するときの温度を言うものとす
る。
さらに、上記オキシアルキレン基含有ビニルアルコー
ル系重合体は、温度210℃、荷重2160gにおけるメルトイ
ンデックスが5g/10min以上であることが望まれる。この
値が5g/min未満である場合には、ほかの条件を満足して
いても円滑な溶融成形を行いにくくなる。ここでメルト
インデックスは、株式会社東洋精機製造所製のメルトイ
ンデクサーを用い、ノズルが1mmφ×10mmで測定され
る。
上記のオキシアルキレン基含有ビニルアルコール系重
合体に配合する天然高分子としては、デンプン系高分
子、セルロース系高分子、その他の多糖類系高分子、タ
ンパク質系高分子などが用いられる。
このうちデンプン系高分子としては、トウモロコシデ
ンプン、馬鈴薯デンプン、甘藷デンプン、コムギデンプ
ン、キッサバデンプン、サゴデンプン、タピオカデンプ
ン、モロコシデンプン、コメデンプン、マメデンプン、
クズデンプン、ワラビデンプン、ハスデンプン、ヒシデ
ンプン等の生デンプン;物理的変性デンプン(α−デン
プン、分別アミロース、湿熱処理デンプン等)、酵素変
性デンプン(加水分解デキストリン、酵素分解デキスト
リン、アミロース等)、化学分解変性デンプン(酸処理
デンプン、次亜塩素酸酸化デンプン、ジアルデヒドデン
プン等)、化学変性デンプン誘導体(エステル化デンプ
ン、エーテル化デンプン、カチオン化デンプン、架橋デ
ンプン等)などがあげられる。なお化学変性デンプン誘
導体のうちエステル化デンプンとしては、酢酸エステル
化デンプン、コハク酸エステル化デンプン、硝酸エステ
ル化デンプン、リン酸エステル化デンプン、尿素リン酸
エステル化デンプン、キサントゲン酸エステル化デンプ
ン、アセト酢酸エステル化デンプン等、エーテル化デン
プンとしては、アリルエーテル化デンプン、メチルエー
テル化デンプン、カルボキシメチルエーテル化デンプ
ン、ヒドロキシエチルエーテル化デンプン、ヒドロキシ
プロピルエーテル化デンプン等、カチオン化デンプンと
しては、デンプンと2−ジエチルアミノエチルクロライ
ドの反応物、デンプンと2,3−エポキシプロピルトリメ
チルアンモニウムクロライドの反応物等、架橋デンプン
としては、ホルムアルデヒド架橋デンプン、エピクロル
ヒドリン架橋デンプン、リン酸架橋デンプン、アクロレ
イン架橋デンプン等があげられる。
セルロース系高分子としては、メチルセルロース、エ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロ
キシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセル
ロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロ
キシブチルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース、アセチルセルロースなどがあげられる。
その他の多糖類系高分子としては、ゾウゲヤシマンナ
ン、サレップマンナン、木材マンナン、海藻マンナン、
酵母マンナン等のマンナン類、イヌリン、レバンなどの
フルクタン類、グリコーゲン、カロニン、ラミナラン、
キシラン、キチン、キトサン、ペクチン酸、ヒアルロン
酸、アガロース、アルギン酸、ヘパリン、コンドロイチ
ン硫酸、カラギーナン、アラビアゴム、トラガントゴ
ム、カラヤゴム、グアーゴム、ローカストビーンゴム、
メスキットガム、ガッチガム、ふのり、寒天などがあげ
られる。
タンパク質系高分子としては、ゼラチン、ニカワなど
のコラーゲン類、カゼイン、ゼイン、グルテン、血液ア
ルブミン、大豆蛋白などがあげられる。
上記天然高分子は、単独またはこれらの混合物として
用いることもできる。
上記天然高分子の中では、デンプン系高分子が特に重
要である。
上記天然高分子は、たとえば、グリセリン、エチレン
グリコールなどの多価アルコール類を分散剤として添加
させたものを配合することもでき、この場合における上
記分散剤の配合量は、天然高分子100重量部に対して1
〜20重量部程度とすることが好ましい。
オキシアルキレン基含有ポリビニルアルコール系重合
体と天然高分子との配合割合は、重量比で20:80〜80:2
0、殊に30:70〜70:30であることが好ましく、上記範囲
外であると耐水性、生分解性、物性などのバランスが悪
くなる。
上記天然高分子は、フィルム層(X)中において、そ
の平均凝集寸法が5μm以下であることが好ましい。5
μmより大きいと、得られるフィルムの耐水性、物性な
どが劣るようになることがある。
〈樹脂層(Y)〉 熱可塑性樹脂としては、たとえば、低密度ポリエチレ
ン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−
プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー
等のオレフィン系ポリマー、ポリスチレン、ブタジエン
−スチレン、アクリロニトリル−スチレン等のスチレン
系ポリマー、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデ
ン、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビ
ニル、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタンなどが
あげられ、中でも低密度ポリエチレン、高密度ポリエチ
レン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、ポリスチレンが重要である。
天然高分子としては、前述のものを用いることがで
き、同種または異種のものを使用することが可能であ
る。多価アルコール類を分散剤として添加させた天然高
分子を用いることができる点も上述と同様である。
熱可塑性樹脂と天然高分子との配合割合は、重量比で
20:80〜90:10、殊に30:70〜70:30であることが好まし
く、上記範囲外であると耐水性、生分解性、物性などの
バランスが悪くなる。
上記天然高分子は、樹脂層(Y)中においても、その
平均凝集寸法が5μm以下であることが好ましい。5μ
mより大きいと、得られる樹脂層の耐水性、物性などが
劣るようになることがある。
〈汚物収容容器〉 本発明の汚物収容容器は、上記のフィルム層(X)と
樹脂層(Y)との複層で構成するが、両層間に接着樹脂
層(ad)を設けることもできる。
接着樹脂層(ad)における接着樹脂としては、たとえ
ば、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ま
たはこれらのポリマーにアイオノマーや無水マレイン酸
などの不飽和などの不飽和カルボン酸をグラフト重合さ
れた変性ポリオレフィンがあげられ、中でも不飽和カル
ボン酸変性エチレン−酢酸ビニル共重合体が重要であ
る。
このほか、水洗投棄性、崩壊性を損なわない範囲で、
他の高分子フィルム層、繊維絡合体層(不織布、織布、
編布、紙、ネット状構造物等)を付加することもでき
る。
包装材の特に好ましい層構成は、容器の外側層または
中間層がフィルム層(X)、中間層または内側層が樹脂
層(Y)、外層が不織布の構成である。
フィルム層(X)に熱処理をして耐水性を付与したと
きは、内側層または中間層がフィルム層(X)で、中間
層または外側層が樹脂層(Y)であっても差し支えな
い。
複層化は、フィルム同士の貼り合わせのほか、1層へ
の他層のコーティング、1層への他層のエクストルージ
ョンコーティング、各層の共押出成形などにより行うこ
とができる。
本発明の汚物収容容器は、通常は袋状とするが、場合
によりボトル状、トレイ状、ボックス状、チューブ状な
どとすることもできる。
〈用途〉 上記構成を有する本発明の汚物収容容器は、人工肛門
から排泄される汚物を捕集するためのバッグとして特に
有用であり、そのほか、人や動物の排泄物をはじめ各種
の汚物を収容する容器として用いることができる。
作用および発明の効果 本発明の汚物収容容器においては、フィルム層(X)
構成樹脂としてオキシアルキレン基含有ビニルアルコー
ル系重合体を用いると共に、該フィルム層(X)に天然
高分子が分散するように配合しているため、天然高分子
を配合しないオキシアルキレン基含有ビニルアルコール
系重合体フィルム層の持つ特性、たとえば、柔軟性、水
洗投棄性を維持しながらも保香性をさらに改善すること
ができ、しかも投棄後の生分解性または崩壊性を兼備し
ている。また、同様に樹脂層(Y)にも天然高分子を配
合しているため、水洗投棄後の樹脂層(Y)の崩壊も図
られる。
従って、容器としての機能を充分に発揮しつつ、水洗
投棄後における分解ないしは崩壊を確実なものとするこ
とができる。
特に、容器の外側層または中間層をフィルム層
(X)、中間層または内側層を樹脂層(Y)、外層を不
織布とすると、捕集した汚物の漏れや臭気の漏れが防止
され、柔軟で音がしないので着用を他人に知られること
がなく、水洗トイレットに投棄することが可能であり、
また不織布側が皮膚に当たるので触感性も好ましくな
る。そのため、人工肛門から排泄される汚物を捕集する
バッグとして最適の性能が得られるので、人工肛門形成
者は不安感なく着用でき、しかも、投棄後に心配される
環境汚染の問題を解決することができる。
実 施 例 次に実施例をあげて本発明をさらに説明する。
実施例1 第1図は本発明の汚物収容容器の一例を示した平面
図、第2図はその断面図である。(1)はフィルム層
(X)および樹脂層(Y)を含む複層の包装材、(2)
はシール部、(3)は口部である。(X)はフィルム
層、(Y)は樹脂層、(nw)は不織布である。
オキシエチレンの付加モル数がほぼ25のポリオキシエ
チレンモノアリルエーテルと酢酸ビニルとをメタノール
中でアゾビスイソブチロニトリルの存在下に共重合し、
つにで常法によりケン化した。
これにより、酢酸ビニル成分のケン化度95モル%、オ
キシエチレンモノアリルエーテルの共重合割合1モル
%、ポリオキシエチレンの含有量19重量%のポリオキシ
エチレン基含有ビニルアルコール系重合体が得られた。
この共重合体の温度210℃、荷重2160gにおけるメルトイ
ンデックスは25g/10minであった。
このオキシアルキレン基含有ビニルアルコール系重合
体の粉体を含水率0.1重量%以下にまで乾燥し、ついで
押出機に供給して線状に押出すと共にペレット化した。
このペレット50重量部およびコーンスターチの粉体50重
量部をヘンシェルミシサーで混合した後、シリンダー温
度180℃、ダイ温度160℃の条件にて二軸押出機を用いて
線状に押出すと共にペレット化し、ペレットPを得た。
一方、温度190℃、荷重2160gにおけるメルトインデッ
クスが6g/10minの低密度ポリエチレンのペレット50重量
部とコーンスターチ50重量部とをヘンシェルミキサーで
混合した後、シリンダー温度150℃、ダイ温度140℃の条
件にて二軸押出機を用いて線状に押出すと共にペレット
化し、ペレットEを得た。
上記ペレットPおよびEを二層インフレーション押出
機に供給し、シリンダー温度をペレットPについては16
0〜180℃、ペレットEについては130〜170℃にてそれぞ
れ溶融混練し、ダイ温度160℃の条件で溶融した樹脂を
接合して、複層フィルムを得た。
外面側となるコーンスターチ配合オキシアルキレン基
含有ビニルアルコール系重合体フィルム層(X)の厚さ
は50μm、内面側となるコーンスターチ配合低密度ポリ
エチレン樹脂層(Y)の厚さは50μmであった。
この複層フィルムの外側に目付け20g/m2の不織布(n
w)を貼り合わせてから第1図に平面図、第2図に断面
図を示したバッグを作成し、その性能を評価した。
実施例2 第3図は本発明の汚物収容容器の他の一例を示した断
面図である。(ad)は接着樹脂層であり、他の符号の意
味は第1〜2図の場合と同じである。
実施例1で用いたペレットPをT−ダイを備えた押出
機に供給し、シリンダー温度180℃、ダイ温度160℃の条
件にて押出して、厚さ50μmのコーンスターチ配合オキ
シアルキレン基含有ビニルアルコール系重合体フィルム
層(X)を得た。
また、実施例1で用いたペレットEをT−ダイを備え
た押出機に供給し、シリンダー温度180℃、ダイ温度160
℃の条件にて押出して、厚さ50μmのコーンスターチ配
合低密度ポリエチレン樹脂層(Y)を得た。
上記で得たフィルム層(X)上に、接着樹脂層(ad)
としての無水マレイン酸グラフト変性エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体をエクストルージョンコーティングしなが
ら、その上から樹脂層(Y)を積層、圧着していき、3
層フィルムを得た。接着樹脂層(ad)の厚さは10μmで
あった。
この3層フィルムのフィルム層(X)側に目付け20g/
m2の不織布(nw)を貼り合わせてから第1図に平面図、
第3図に断面図を示したバッグを作成し、その性能を評
価した。
比較例1 (内側)厚さ50μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体
層/厚さ30μmのポリ塩化ビニリデン層/厚さ30μmの
エチレン−酢酸ビニル共重合体層/目付け20g/m2不織布
(外側)からなる市販のオストミーバッグにつき、その
性能を評価した。
比較例2 (内側)厚さ50μm、重合度500、ケン化度88モル%
のポリビニルアルコール層/厚さ30μmのポリ塩化ビニ
リデン層/厚さ30μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体
層/目付け20g/m2の不織布(外側)からなるオストミー
バッグにつき、その性能を評価した。
比較例3 フィルム層(X)に代えてコーンスターチを配合しな
い厚さ50μmのオキシアルキレン基含有ビニルアルコー
ル系重合体フィルム層を用い、樹脂層(Y)に代えてコ
ーンスターチ配合しない厚さ50μm低密度ポリエチレン
樹脂層を用いたほかは実施例1を繰り返し、得られたバ
ッグにつきその性能を評価した。
以上、実施例1〜2、比較例1〜3の結果を第1表に
示す。
なお、評価項目と評価基準は次の通りである。
保香性:(aはアンモニア、bはトリメチルアミ
ン、cはエチルメルカプタンに対する保香性) ○:全く臭気を感じない □:わずかに臭気を感じるが実用上問題はない。
△:臭気を感ずる ×:臭気が強く実用に耐えない 柔軟性および無音性: ○:非常に柔軟で無音性も良好 △:無音性であるが柔軟性にやや欠けるか、柔軟はあ
るが無音性いやや欠ける ×:柔軟性および無音性に欠ける 水洗投棄性: ◎:投棄しても全く問題がない ○:投棄可能 触感性: ○:良好 □:やや良好 △:やや不良 ×:不良 崩壊性: ◎:良好 ○:やや良好 △:やや不良 ×:不良
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の汚物収容容器の一例を示した平面図、
第2図はその断面図である。 第3図は本発明の汚物収容容器の他の一例を示した断面
図である。 (1)……包装材、 (X)……フィルム層、(Y)……樹脂層、 (nw)……不織布、(ad)……接着樹脂層、 (2)……シール部、(3)……口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−160550(JP,A) 特開 平2−151639(JP,A) 特開 昭63−181758(JP,A) 特開 昭61−31151(JP,A) 特開 昭60−122527(JP,A) 特開 昭63−267435(JP,A) 特開 平2−252744(JP,A) 特開 平2−227438(JP,A) 実開 昭60−175248(JP,U) 実開 昭50−82597(JP,U) 特公 昭62−14575(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61F 5/445

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】天然高分子を配合したオキシアルキレン基
    含量が5〜50重量%のオキシアルキレン基含量ビニルア
    ルコール系重合体フィルム層(X)および天然高分子を
    配合した熱可塑性樹脂層(Y)を含む複層の包装材より
    形成されてなる汚物収容容器。
  2. 【請求項2】フィルム層(X)におけるオキシアルキレ
    ン基含量ビニルアルコール系重合体と天然高分子との配
    合割合が、重量比で20:80〜80:20である請求項1記載の
    汚物収容容器。
  3. 【請求項3】樹脂層(Y)における熱可塑性樹脂と天然
    高分子との配合割合が、重量比で20:80〜90:10である請
    求項1記載の汚物収容容器。
  4. 【請求項4】天然高分子がデンプン系高分子である請求
    項1記載の汚物収容容器。
  5. 【請求項5】人工肛門から排泄される汚物を捕集するた
    めのバッグである請求項1記載の汚物収容容器。
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