JP3050804U - 自転車用ノーパンクタイヤおよびそのタイヤを装着した車輪 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】市販されている産業用チューブ（例えばエアホ
ース等）を自転車用のタイヤに利用することによってノ
ーパンクタイヤを構成する。 【解決手段】自転車用リムの全周囲に装着可能な長さに
切断された産業用ホースと、前記産業用ホースの端部を
接続する接続具とからなる自転車用ノーパンクタイヤ。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案が属する技術分野】

本考案は、自転車用ノーパンクタイヤおよびそのタイヤを装着した車輪に関す るものである。

【０００２】

【従来の技術】

阪神大震災のような災害時には、自転車は極めて有効な交通手段の一つである が、自転車タイヤは通常チューブ内に空気を充填して使用する形態であるため、 ガラスの破片や釘等によりパンクしてしまう恐れがあり、タイヤがパンクしてし まうと極めて使い勝手が悪くなるとともに、乗り心地も悪くなるという問題点が ある。 このため、ノーパンクタイヤとして、例えば子供用三輪車等にも使用されてい る非膨張式タイヤや内実タイヤ等が実用化されているが、これらのタイヤは、予 めゴム等の弾性材料により、装着すべき車輪のリムの全周にあった継ぎ目のない リング状タイヤとして成形されており、使用時にはリング状のタイヤの弾性を利 用してリムに嵌合する必要がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記のようなノーパンクタイヤは、装着すべき車輪のリムに合わせた 継ぎ目のないリング状として予め形成されているため、装着すべき車輪のリムと タイヤとのサイズが合致しない限り使うことができず、タイヤに汎用性がなく、 また、リング状に形成されているために、タイヤをリムに装着する作業が大変で ある。特に自転車の後輪では、後輪をフレームから外してからタイヤをリムに装 着する必要があり、タイヤ交換が非常に面倒である。このため、従来のノーパン クタイヤでは震災等の非常事態において、簡単にタイヤの交換ができないという 致命的な問題点を有している。

【０００４】 そこで、本考案は、市販されている産業用チューブ（例えばエアホース等）を 自転車用のタイヤに利用することにより、上記のような問題点を解消することを 目的とする。 本考案に係わるタイヤは、自転車用リムの全周囲に装着可能な長さに切断され た産業用ホースと、前記産業用ホースの端部を接続する接続具とからなり、タイ ヤとして利用する時には、装着すべきリムの全周の長さに合わせて鋏等の切断工 具で産業用ホースを切断してリムの全周に装着し、さらに、ホースの両端部の内 径に接続具の端部を嵌合接続し、ボルト等の固定手段によりホースと接続具を固 定し、タイヤを構成する。このとき接続具に形成した係止部をリムに形成されて いるバルブ挿入孔に係止することで、タイヤが移動したり外れたりすることを防 止し、また必要に応じてリムの周囲とホースとを接着剤を使用して固定すること で、タイヤがリムから外れるという事態を防止する。

【０００５】 産業用ホースからなるタイヤは、ホース自体に埋め込まれているコードによっ て、人の体重によっても殆ど変形することがなく、従来の空気膨張式のタイヤと 変わりのない乗り心地を得ることができる。また、産業用ホースは強靱であるた め、ガラスの破片や釘等によって破損することもなく、どのような状態でも、自 転車としての機能を充分に発揮することができる。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

このため、本考案が採用した技術解決手段は、 自転車用リムの全周囲に装着可能な長さに切断された産業用ホースと、前記産 業用ホースの端部を接続する接続具とからなる自転車用ノーパンクタイヤであり 、 自転車用リムの全周囲に装着可能な長さに切断された産業用ホースと、前記産 業用ホースの端部を接続する接続具とを備え、前記接続具は、ホースの端部を嵌 合できる嵌合部と、リムに形成されたバルブ挿入孔に係止できる係止部と、ホー スを接続具に嵌合した状態で前記ホースと前記接続具を固定する固定手段を備え てなることを特徴とする自転車用ノーパンクタイヤであり、 前述の自転車用ノーパンクタイヤを車輪のリムに接着剤により固定したことを 特徴とする自転車用車輪である。

【０００７】

【実施の形態】

以下、図面を参照しながら本考案に係わる自転車用ノーパンクタイヤおよびそ のタイヤを装着した車輪の説明をすると、図１は本実施の形態としての自転車用 ノーパンクタイヤの側面図、図２は接続具の斜視図、図３は自転車用ノーパンク タイヤを自転車用リムに装着した状態の側面図である。

【０００８】 図１において、１は産業用ホースからなるタイヤで、この産業用ホース１は市 販されているエアーホース等のなかから、装着するリムに適合する直径を持ち、 かつ、ホース内に埋め込まれたコードによってホースの上から所定の荷重が掛か った状態でもあまり変形することがないホースを選択する。またホースには、リ ムに装着する際に、接続端に隙間が生じないようにするために、予め締めつけワ イヤ２を取り付けておくこともできる。この締めつけワイヤ２は、ホース１の取 り付けが完了した後には、取り外すことができるようにしておく。

【０００９】 接続具３は、図２に示すようにホースの内径に合った直径を有する丸棒４をリ ムの径に合わせて曲げて成形されており、内周側にはリムに形成されているバル ブ孔に嵌合する係止部５が設けられている。また丸棒４にはホースを嵌合した状 態で、ホースと接続具とを固定するためのピン挿入孔６が形成されている。本例 では、前記係止部５は丸棒に溶接されたボルトであり、ボルトをリムに形成した 図示せぬバルブ孔内に装着した状態でナット７を締めつけることにより、リム９ に固定できる構成となっている。接続具３の材料は、鉄、プラスティック、ある いはゴム等の材料を利用することができ、接続具としての機能を果たすことがで きる材料であればどのような材料でもよい。図中、８はピン挿入孔６内に挿入す ることで接続具とタイヤとを固定するピンである。

【００１０】 上記の構成からなる自転車用ノーパンクタイヤは次のようにしてリムに装着さ れる。 図３において、リム９の全周の長さに合わせてホース１を切断し（作業現場に おいてリムの全周に合わせて一本づつ切断してもよいし、複数の規格化されたリ ムの全周の長さに合わせて、予め工場などで切断しておくこともできる）、接続 具３の両端をホース１内に嵌合し、さらに接続具３の係止部５をリム９に形成さ れている図示せぬバルブ孔内に挿入しナット７等により固定する。また接続具３ とホース１は、ホース１に取り付けた締めつけワイヤ２を利用してホース接続部 に隙間が生じないように引っ張っておき、この状態で接続具側に形成したピン挿 入孔６を利用して、ピン８により固定する。こうすることでホース１の接続部に 隙間がなくなり、接続部隙間による乗り心地の悪さを解消することができる。な お接続具３とホース１とはピン８に限らず他の固定手段により固定することも可 能である。また、必要に応じてホース１と接続具３との接続部やリム９とホース １との当接部に接着剤を塗布することでホース１がリム９から外れるという事態 をより確実に防止できる。

【００１１】 以上の如く、上記ノーパンクタイヤは、自転車用リムの全周囲に装着可能な長 さに切断された産業用ホースと、前記産業用ホースの端部を接続する接続具とか ら構成したため、簡単にリムに装着することができ、容易にノーパンクタイヤを 構成することができる。

【００１２】 なお、産業用ホースは、装着すべきリムに適合する直径と、所定の荷重でも変 形しないホースであればどのようなホースでも使用することができ、こうした条 件を満足するホースを用意しておくことにより、リムの全周の長さの合わせてホ ースを切断するだけで、タイヤとして利用することが可能となる。また接続具は 上記例において説明した形態に限らず、ホース端部を確実に接続できるもの、例 えばホッチキス状の接続手段等も利用することも可能である。また、締め付けワ イヤを使用せずに、接続具自体の操作によりホース接続端を突き合わせることが できる構成、例えばネジとナットからなる構成とし、ホース接続部の隙間を解消 することも可能である。また、ホースの切断面をホースの中心線に対して斜めに 切断することで、ホース接続部の段差による衝撃を緩和することもできる。 さらに、本考案はその精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形 で実施することができ、また、前述の実施例はあらゆる点で単なる例示に過ぎず 、限定的に解釈してはならない。

【００１３】

【考案の効果】

以上詳細に述べた如く本考案によれば、パンクしたタイヤを産業用ホースを利 用したノーパンクタイヤに簡単に付け替えることができ、震災等の事態において も、自転車を有効に活用することができる。ホースを接続具により接続する構成 を採用したため、車輪をフレームから取り外すことなく前輪、後輪いずれにも簡 単に装着できる。パンクの心配がないため、どのような悪路でも走行することが できる。さらにタイヤが破損している自転車のリサイクルにも有効である、等の 優れた効果を奏することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施の形態としてのノーパンクタイヤの側面
図である。

【図２】本実施の形態としてのノーパンクタイヤの接続
具の側面図である。

【図３】本実施の形態としてのノーパンクタイヤをリム
に装着した状態の側面図である。

【符号の説明】

１ ホース（タイヤ） ２ 締めつけワイヤ ３ 接続具 ４ 丸棒 ５ 係止部 ６ ピン挿入孔 ７ ナット ８ ピン ９ リム

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】自転車用リムの全周囲に装着可能な長さに
   切断された産業用ホースと、前記産業用ホースの端部を
   接続する接続具とからなる自転車用ノーパンクタイヤ。
2. 【請求項２】自転車用リムの全周囲に装着可能な長さに
   切断された産業用ホースと、前記産業用ホースの端部を
   接続する接続具とを備え、 前記接続具は、 ホースの端部を嵌合できる嵌合部と、リムに形成された
   バルブ挿入孔に係止できる係止部と、ホースを接続具に
   嵌合した状態で前記ホースと前記接続具を固定する固定
   手段を備えてなることを特徴とする自転車用ノーパンク
   タイヤ。
3. 【請求項３】前記ホースにはリムに装着時に接続部の隙
   間を無くすための締めつけワイヤを備えたことを特徴と
   する請求項１または請求項２に記載の自転車用ノーパン
   クタイヤ。
4. 【請求項４】前記請求項１ないし請求項３のいづれか１
   項に記載の自転車用ノーパンクタイヤを車輪のリムに固
   定したことを特徴とする自転車用車輪。
5. 【請求項５】前記１ないし請求項３のいづれか１項に記
   載の自転車用ノーパンクタイヤを車輪のリムに接着剤に
   より固定したことを特徴とする自転車用車輪。