JP3049933B2 - 消臭性を有する布製採暖具 - Google Patents

消臭性を有する布製採暖具

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JP3049933B2
JP3049933B2 JP4090478A JP9047892A JP3049933B2 JP 3049933 B2 JP3049933 B2 JP 3049933B2 JP 4090478 A JP4090478 A JP 4090478A JP 9047892 A JP9047892 A JP 9047892A JP 3049933 B2 JP3049933 B2 JP 3049933B2
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隆子 荻野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、消臭性を有する布製採
暖具の表面材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来この種の布製の採暖具は、特開平1
−285212号公報に示すように、金属キレート含有
触媒形消臭繊維を布製電気採暖具の少なくとも表面材の
一部に混紡してなり、消臭繊維はレーヨン繊維に担持さ
れた金属フタロシアニン誘導体よりなるものであった。
この消臭繊維は触媒形のため、これを混紡した布製電気
採暖具の消臭効果は永続的に継続させることができた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のよ
うな従来の構成では、この触媒形消臭繊維は非常に強い
ガス活性をもっているので、製造現場や運送中、あるい
は店頭においても変色する恐れがあり、糸段階、生地段
階、完成品段階、店頭のそれぞれで、たとえばPP等袋
に入れ、決して外気に触れないようにしておるため、袋
の費用、袋詰めする工数等、全てコストアップに関連し
ていた。
【0004】本発明は、上記問題を解決し、消臭繊維の
混紡した表面材の変色を外観上目立たないようにして製
造しやすい消臭性のある布製採暖具を提供することを目
的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために断熱材にヒータ線を配線し、かつ表面材で覆
った布製採暖具において、表面材には、その主材に対し
てレーヨン繊維に化学結合した金属フタロシアニン誘導
体よりなる触媒形消臭繊維を混紡率20%以下で混紡
し、前記金属フタロシアニン誘導体よりなる消臭繊維の
色よりも明度の小さい色で染色したものである。
【0006】
【作用】本発明は上記構成によって、消臭繊維を混紡す
る表面材の主材を前記消臭繊維それ自身の色より明度の
小さい色で染色するので、表面材中で金属フタロシアニ
ン誘導体がたとえ変色しても、外観からはわかりにく
い。また染料は明度が小さい色程被染色物への結合が強
いので、明度が小さくなればなる程その効果はより大き
くなる。
【0007】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面に基づいて説明
する。
【0008】図1において、1は、フェルトよりなる断
熱材4の上に、ヒータ線3を配設し、不織布よりなる表
面材2で覆った電気カーペットである。表面材2は、ポ
リエステル・アクリル等の主材に、金属フタロシアニン
誘導体がレーヨン繊維に化学結合した触媒形消臭繊維5
を黒く染色したこの消臭繊維5を約20%前記主材に混
紡した不織布である。
【0009】金属フタロシアニン誘導体は、その強いガ
ス活性のために、そのままでは外気に触れるだけで反応
して変色する。一方一般には黒色の染料は他の染料に比
べて被染色物への結合が強い。したがって本発明では、
触媒形消臭繊維5を黒で染色すれば、表面材2中で金属
フタロシアニン誘導体よりなる触媒形消臭繊維5が変色
しても、外観からはわかりにくい。この効果は表面材2
の主材が触媒形消臭繊維5の色より明度の小さい色であ
れば、同様の効果を得ることができるが、黒色の染料が
最も明度の小さい色であるので、もっとも効果的であ
る。
【0010】また、触媒形消臭繊維5を染色することに
より、消臭能力はやや落ちる。しかし、仮に、一般家庭
における悪臭レベルを悪臭防止法(昭和47年制定)の
レベル3(何の臭いか容易に感知できる)の濃度が毎日
発生してると仮定しても、触媒形消臭繊維5の量はMA
X20%の混紡率で十分であることがシュミレーション
実験により確かめられている。
【0011】また、レーヨン繊維は摩擦堅牢度が弱く特
に濃い色になるほど弱くなるが、その混紡率を20%以
下にしているので、堅牢度は実用上問題にならない。
【0012】また他の実施例として図2に示すように、
表面材2が基布にパイル糸を刺繍したタフテッドカーペ
ットの場合は、パイル糸に、黒く染めた触媒形消臭繊維
5をポリエステルやアクリル等の主材に20%混紡した
糸を使用している。
【0013】また、触媒形消臭繊維5を混紡した糸は表
面材2全体に使用していなくとも部分使いのものでもよ
い。
【0014】さらに、電気カーペットの場合、ヒータ線
3を内蔵したヒータユニットに、カバーをかけて使用す
る構成のものがあるが、これにおいてはヒータユニット
はもちろんのことカバーの方だけに用いても同様の効果
が得られる。
【0015】次に、この実施例における作用について説
明する。電気カーペットの使用実態としては居間での使
用が最も多いが、一般家庭の居間には、人体からでる体
臭や、食べ物の滓等から発生する臭い、またペットがい
る場合はその体臭や尿の臭いといった色々な悪臭があ
る。本実施例における電気カーペット1を室内に設置
し、ヒータ線3に通電するとヒータ線3の熱が表面材2
を通して床面に近い空気を暖める。暖められた空気は、
上方にあがっていき上方の冷たい空気が下方に移動して
くる。その繰り返しにより、空気の移動がおこり、室内
の空気全てが電気カーペット1の表面材2に混紡された
触媒形消臭繊維5に接触する。そのため、室内の悪臭が
触媒形消臭繊維5によって消臭される。
【0016】本発明は電気カーペットだけでなく、本発
明の構成を採用することにより、電気毛布、電気床暖、
電気座布団等の採暖具でも同様の効果を得ることができ
る。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように本発明の布製採暖具
は、表面材が表面材の主材に対してレーヨン繊維に化学
結合した金属フタロシアニン誘導体よりなる触媒形消臭
繊維を混紡率20%以下で混紡し、かつ触媒形消臭繊維
よりなるの色よりも明度の小さい色で染色したものであ
るので触媒形消臭繊維が外気に触れて変色しても外観か
らはわかりにくい。したがって製造中でも表面材を裸で
放置することができ、各工程で袋に入れて空気と触れな
いようにする等の手間がかからず、工数・材料費の面で
有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における外観斜視図
【図2】本発明の他の実施例における部分断面図
【符号の説明】
1 電気カーペット 2 表面材 3 ヒータ線 4 断熱材 5 触媒形消臭繊維
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−302211(JP,A) 特開 平1−285212(JP,A) 実開 平3−80212(JP,U) 実開 昭63−99116(JP,U) 実開 昭55−26032(JP,U) 実開 昭59−187089(JP,U) 実開 平4−40788(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F24D 13/02 H05B 3/20 351

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】断熱材にヒータ線を配設し、かつ表面材で
    覆った布製採暖具において、前記表面材には、その主材
    に対してレーヨン繊維に化学結合した金属フタロシアニ
    ン誘導体よりなる触媒形消臭繊維を、混紡率20%以下
    で混紡し前記金属フタロシアニン誘導体よりなる触媒形
    消臭繊維の色よりも明度の小さい色で染色した布製採暖
    具。
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