JP3049755U - 靴用クッション部材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造が簡単で、変形可能に靴底の所定部位に
取付けられ、穿いた際に足部が良好な振動吸収および反
発効果を得ることができる。 【解決手段】 靴底の所定部位に設けられて、穿いた際
に足底に弾力を与える靴用クッション部材（１０）であ
って、弾性材料により形成された連結片（１１）の両面
にそれぞれ複数の凸柱（１２，１３）を凸設して、各凸
柱（１２，１３）は上記連結片（１１）と連結した付け
根から外向きへ延伸するにつれて漸次肉厚が縮減され、
互いに相隣れる両凸柱（１２，１３）間にそれぞれ変形
空間（１４）を形成して構成される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、靴用クッション部材に係り、特に、構造が簡単で、緩衝及び反発効 果を兼ね具えた靴用クッション部材に関する。

【０００２】

【従来の技術】

因に、靴は人の足部を保護できるのみならず、歩行或いは運動をしている際に 、その具えた緩衝弾性により快適な穿き心地を提供する。特に、運動時に穿く靴 類は、人が走り又は跳ぶ際に、全体重が足部にかかり且つ反動作用も加わること から、かなりの緩衝弾性を具えることが要求され、これにより運動傷害の発生を 防止して、体力の消耗を低減し、快適な穿き心地を提供する。

【０００３】 現在、市場で販売されている緩衝弾性を具えた靴類は、材質について改良を加 えたものが多く、即ち、靴敷き、中底或いは表底を比較的震動吸収性が良好な材 質で形成するようにしているが、単なる材質を換えた設計は、好ましい弾性効果 を提供できないため、足を上げて一歩前へ踏んだとき、足底への反動力から反っ てより多くの体力を消耗する。また、靴底の所定部位に気嚢を設けたものもある が、気嚢の中に所定圧力の気体を注入しなければならないので製造コストが高く なる。

【０００４】 更に、材質の振動吸収効果と反発効果は相反する作用効果に属することから、 振動吸収効果に富むと反発効果に欠け、逆に反発効果が良好だと振動吸収効果に 乏しい。しかしながら、靴成品としては両方の機能を兼ね具えたものが要求され て、これにより多機能性を発揮できて靴の種類を簡単化でき、消費者の負担を抵 減できると共に、運動傷害の発生を低めて、ズポーツのパフォーマンスを向上で き、体力の消耗を軽減することができる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】 本考案は、上記従来の靴における緩衝弾性態様の問題点に鑑み、構造が簡単で 、変形可能に靴底内部の所定部位に取付けられ、穿いた際の足部が良好な振動吸 収および反発効果を得られる靴用クッション部材を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、本考案は、靴底の所定部位に設けられて、穿いた際 に足裏を弾力的に接触支持する靴用クッション部材であって、弾性材料によりシ ート状に形成された連結片の両面にそれぞれ複数の凸柱を凸設して、各凸柱が上 記連結片との付け根側から外向きへ延伸するに従って漸次肉厚が縮減され、且つ 互いに相隣れる各両凸柱間にそれぞれ変形空間を形成して構成される。

【０００７】 そして、上記凸柱内部に軸向き空洞を装設して、上記凸柱を大小異なるサイズ に形成して、各凸柱の中心距離を等間隔に設け、上記連結片両側の凸柱を異なる 凸柱で組み合わせると一層好ましくなる。

【０００８】 上記のように本考案の靴用クッション部材は、その連結片の両側面に凸設され た複数の凸柱が、それぞれ連結片と連結した付け根から外向きへ延伸するにつれ て肉厚を漸次縮小し、且つ互いに隣れる両凸柱の中心距離を等間隔に形成して凸 柱と凸柱との間に変形空間を設けているので、靴底に組み合わせて足で踏まれる と、連結片両側面の凸柱が足の踏む力で変形して、上から下への作用力で高さが 縮み、径向きの幅が広くなって、変形空間で凸柱と凸柱との周縁が互いに当接し 、凸柱と凸柱との間の安定性を保持して、足部に比較的好ましい緩衝弾性を提供 することができる。

【０００９】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明するが、本考案はこ の例のみに限定されない。 図１，２，３に示す如く、本考案の靴用クッション部材における第１の実施の 形態は、人の足裏の踵部と前端部に対応して、中底２０の前後両端部（ほぼ横足 弓、足振球、かかとに対応する部位）にそれぞれ所定深さの開口上向き凹孔２１ を開設し、各凹孔２１の内部にそれぞれ弾性部材１０を装設して、弾性部材１０ をＰＵ、ゴム、ＴＰＲ、シリコーンゴム或いはＰＶＣ等の弾性材料により、上下 両片一体に結合し或いは直接一体成型して形成する（本実施の形態は一体成型の 場合で説明を進める〉。 弾性部材１０の構造は、連結片１１の上下端にわたる側面にそれぞれ多数の凸 柱１２，１３を凸設する。凸柱１２，１３は実心の六角錐状を呈し、且つそれぞ れ凸柱１２，１３の連結片１１と連結する付け根部位を比較的肉厚に設けて、各 凸柱１２，１３の外向きに延伸する端部の肉厚を漸次縮小させ、更に相隣れる両 凸柱１２，１３の間に変形空間１４を形成する。

【００１０】 このような構造により、人の足部が靴内部に収まった時、足部と靴が接触する 力の作用点は両弾性部材１０を取付けた部位に位置付けられ、走る或いは跳ぶ動 作を行なって、足部の踵部および足裏前端部の力が両弾性部材１０の上にかかる と、連結片１１の上端側面の凸柱１２が足部の踏む力とそれ自体の材質特性から 変形し、且つ図４に示すように、該凸柱１２が上から下への作用力で高さが縮ん で、径向きの幅が広くなり、上記変形空間１４を利用して、凸柱１２に変形が生 じた時に、凸柱１２と凸柱１２との周縁が互いに当接して、凸柱１２と凸柱１２ との間の安定性を保持し、足部に比較的好ましい緩衝弾性を提供することができ る。同時に、連結片１１の下端側面にある凸柱１３は、靴が地面に接触すると変 形し、このように、連結片１１の上下端側面に装設した凸柱１２，１３及び互い の組み合わせ作用により、振動吸収および反跳機能に相乗効果があって、単一側 面構造に比べて顕著な効果の差異がある。

【００１１】 したがって、弾性部材１０の設置により、振動によって生じる運動傷害を避け ることができて、且つ良好な反跳効果を具えていることから、体力の消耗を減ら して靴成品の機能性を向上することができる。

【００１２】 また、言って置きたいことは、弾性部材１０は粘着方式で中底２０の凹孔２１ 内に固定しても良ければ、粘着方式でなく直接取付けて固定してもよい。或いは 中底のない靴成品の場合は、弾性部材１０を周壁を設けた表底内部に埋設しても よく、ともに正逆両向きの振動吸収および反跳機能を具えさせることができる。

【００１３】 他方、図５，６に示すように、弾性部材１０Ａの凸柱１２Ｂ，１３Ａ内部に軸 向きに片向き開口の空洞１５Ａを設けて、これにより凸柱１２Ａ，１３Ａの着地 緩衝弾性効果をより向上させて、上記実施の形態と同様な目的・効果を達成する ことができる。また、本実施の形態は、凸柱１２Ａ，１３Ａを中空六角錐筒状に 形成しているが、実際の実施の場合は、凸柱を中空円錐筒状、多辺錐筒状或いは その他造形の凸柱状に設けてもよい。

【００１４】 更に、図７，８に示す如く、弾性部材１０Ｂの凸柱１２Ｂ，１２Ｂ’及び凸柱 １３Ｂ，１３Ｂ’はサイズが異なる六角柱体によって形成され、各凸柱１２Ｂ， １２Ｂ’と凸柱１３Ｂ，１３Ｂ’の中心点の距離は等しく、凸柱１２Ｂ，１２Ｂ ’及び凸柱１３Ｂ，１３Ｂ’の連結片１１Ｂと連結する一端を肉厚大きく設けて 、外向きへ延伸するにつれて肉厚を漸次薄くし、これにより上記実施の形態と同 様な目的・効果を達成することができる。 また、実施する時は、凸柱を円柱状、多辺錐筒状、或いはその他造形の凸柱状 に設けてもよい。凸柱１２Ｂ，１２Ｂ’及び凸柱１３Ｂ，１３Ｂ’をサイズの異 なる凸柱状に設けた原因は、比較的小径の凸柱１２Ｂ’，１３Ｂ’は中心距離が 相等しい下で、両小凸柱１２Ｂ’，１３Ｂ’間の変形空間１４Ｂが比較的大きい ため、緩衝効果が比較的優れる。そして、比較的大径の凸柱１２Ｂ，１３Ｂ間の 変形空間１４Ｂは比較的小さいため、反跳効果がよい。即ち、大径凸柱１２Ｂ， １３Ｂと小径凸柱１２Ｂ’，１３Ｂ’との組み合わせにより、反跳および振動吸 収の機能を兼ね具えて、走行時の湾曲度を大きくさせ、より快適感があって、靴 底を地形の起伏に応じて湾曲変化させることができる。

【００１５】 また、本考案の連結片両側の凸柱は異なる凸柱形状で組み合わせてもよい。

【００１６】

【考案の効果】

上記のように構成された本考案は、その内部の連結片両側面に立設される複数 の凸柱をもっとも適当な間隔、または異なるサイズ或いは異なる形状で形成して 、必要に応じて各凸柱内部に軸沿い空洞を設け、且つ各凸柱の連接片と連結した 一端から外向きへ延伸するにつれて肉厚を漸次縮小させているので、靴底に組み 合わせると、靴に振動吸収および反発機能の効果を具えさせて、振動による運動 傷害を避けることができ、さらに良好な反発効果を具えていることから、体力の 消耗を軽減して靴成品の機能性を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案における靴用クッション部材の好ましい
実施の形態の平面図。

【図２】本考案における靴用クッション部材の断面図。

【図３】本考案における靴用クッション部材を靴底に装
設した状態を示す図。

【図４】本考案における靴用クッション部材が上からの
作用力を受けた際の断面図。

【図５】本考案における靴用クッション部材の他の実施
の形態を示す平面図。

【図６】図５に示す靴用クッション部材の断面図。

【図７】本考案における靴用クッション部材の他の実施
の形態を示す平面図。

【図８】図７に示す靴用クッション部材の断面図。

【符号の説明】

１０，１０Ａ，１０Ｂ 弾性部材 １１，１１Ａ，１１Ｂ 連結片 １２，１２Ａ，１２Ｂ，１２Ｂ’ 凸柱 １３，１３Ａ，１３Ｂ，１３Ｂ’ 凸柱 １４，１４Ｂ 変形空間 １５Ａ 空洞 ２０ 中底 ２１ 凹孔

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】靴底の所定部位に設けられて、穿いた際に
   足裏を弾力的に接触支持する靴用クッション部材であっ
   て、 弾性材料によりシート状に形成された連結片の両面にそ
   れぞれ複数の凸柱を凸設して、各凸柱が上記連結片との
   付け根側から外向きへ延伸するに従って漸次肉厚が縮減
   され、且つ互いに相隣れる各両凸柱間にそれぞれ変形空
   間を形成してなる靴用クッション部材。
2. 【請求項２】上記凸柱内部に軸向き空洞を設けたことを
   特徴とする請求項１に記載の靴用クッション部材。
3. 【請求項３】上記凸柱を大小異なるサイズに形成して、
   各凸柱の中心距離を等間隔に設けたことを特徴とする請
   求項１に記載の靴用クッション部材。
4. 【請求項４】上記連結片両側の凸柱を異なる凸柱で組み
   合わせたことを特徴とする請求項１に記載の靴用クッシ
   ョン部材。