JP3049622B2 - 現像装置 - Google Patents

現像装置

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JP3049622B2
JP3049622B2 JP3108701A JP10870191A JP3049622B2 JP 3049622 B2 JP3049622 B2 JP 3049622B2 JP 3108701 A JP3108701 A JP 3108701A JP 10870191 A JP10870191 A JP 10870191A JP 3049622 B2 JP3049622 B2 JP 3049622B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真複写機、プリ
ンタあるいはファクシミリ等の画像形成装置に採用され
る現像装置に係り、詳しくは現像剤を現像剤担持体上に
担持し、静電潜像担持体と対向する現像部に搬送して現
像を行なう現像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の現像装置としては、表面に現像
剤の薄層を形成した現像剤担持体と静電潜像担持体と
を、現像部において対向させ、この現像部に現像剤担持
体上の現像剤を静電潜像担持体へ転移させ得るような電
界を形成して、静電潜像担持体上の静電潜像を現像する
ものが知られている。そして、この現像装置において
は、現像剤担持体から静電潜像担持体に現像剤が転移す
るための閾値があり、この閾値を超える表面電位を有す
る画像部には、現像剤付着が生じるが、逆に閾値以下の
表面電位を有する画像部にはほとんど現像剤付着が生じ
ないので、所謂γの立った階調性の悪い画像になるとい
う不具合がある。しかし、この不具合は、現像部に比較
的低周波の交互電界を形成することによって解決できる
ことが知られている(例えば、特公昭64−1013号
公報参照)。
【0003】ところが、単に現像部に低周波の交互電界
を印加するだけでは、交互電界の条件を階調性を向上さ
せ得るものにすると画像濃度が低下し、逆に交互電界の
条件を画像濃度を上げるものにすると画像の線部が太っ
てしまうという問題点があった。又、この種の現像装置
においては、特に現像剤として非磁性トナーを使用する
と、非磁性トナーの往復運動を生じさせた際、トナーが
パウダークラウド化して画像濃度の低下が著しいという
問題点もあった(例えば、特公昭2−14706号公報
参照)。そして、近年、画像形成装置で作成される画像
の出力情報が多様化するに伴い、従来よりも更に高画質
化が望まれている。そこで、本出願人は、先に「現像剤
担持体上に現像剤を担持し、該現像剤担持体と静電潜像
担持体が互いに対向する現像部において現像を行なう現
像装置において、該現像剤担持体として表面に多数の電
界配置を形成した現像剤担持体と、該現像部に電界を形
成するための電圧印加手段とを有し、該静電潜像担持体
上の電位と、該現像剤担持体上の電位と、該電圧印加手
段によって形成される電界との相互関係で決定される電
界により現像剤の移動を制御することを特徴とする現像
装置」を提案した。かかる現像装置は、現像剤担持体と
して表面に多数の電界配置を形成して、静電潜像担持体
上の電位と、現像剤担持体上の電位と、電圧印加手段に
よって形成される電界との相互関係で決定される電界に
より現像剤の移動を制御し、これにより、静電潜像担持
体上の静電潜像に適量の現像剤を付着させるので、画像
濃度が高く、しかも線図の再現性や階調性にも優れた現
像画像を得ることが出来るという利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ただ、上記の現像装置
においては、現像部に印加するバイアスによっては、非
画像部にトナーが付着する、地カブリ等が発生する恐れ
があることを確認した。そこで、本発明の目的とすると
ころは、階調性を維持しつつ画像濃度を向上させ且つ画
像の線部の太りや地カブリ等も防止することが出来、こ
れにより、高画質の画像を得ることを可能とする現像装
置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、静電潜像を担持する静電潜像担持体と
現像剤を担持した現像剤担持体とを現像部において対向
させ、該現像部において電圧印加手段でバイアスを印加
して現像をおこなう現像装置において、該現像担持体と
して、表面に多数の微小電界を形成する現像剤担持体を
用い、該電圧印加手段として、1周期が現像促進極性と
これとは逆極性のクリーニング促進極性とからなり、こ
のクリーニング促進極性が像域の既現像現像剤を該静電
潜像担持体より離脱させる強さをもちこの離脱現像剤を
該現像剤担持体に到達させない初期領域とこれに続き非
像域に付着した現像剤を該現像剤担持体に到達させるの
に充分な強さと時間を有する後期領域とで構成されるバ
イアスを印加する電圧印加手段を用い、該静電潜像担持
体上の電位と、該電圧印加手段によって形成される電界
と、該現像剤担持体上の電界との相互関係で決定される
電界により現像剤の移動を制御することを特徴とするも
のである。そして、該現像剤担持体としては、上記表面
に、導電体部と、導電性発泡体層の表面近傍の発泡セル
中に形成された誘電体部とが、微小面積で混在すると共
に、少なくとも、該誘電体部が現像剤の極性と逆極性ま
たは同極性に帯電されて上記表面に多数の微小電界を形
成する現像剤担持体を用いる。
【0006】
【作用】本発明は、現像剤を担持する現像剤担持体とし
て、表面に多数の微小電界を形成する現像剤担持体を用
い、電圧印加手段で現像剤担持体と静電潜像担持体が互
いに対向する現像部に1周期が現像促進極性とこれとは
逆極性のクリーニング促進極性とからなり、このクリー
ニング促進極性が像域の既現像現像剤を該静電潜像担持
体より離脱させる強さをもちこの離脱現像剤を該現像剤
担持体に到達させない初期領域とこれに続き非像域に付
着した現像剤を該現像剤担持体に到達させるのに充分な
強さと時間を有する後期領域とで構成されるバイアスを
印加して、該静電潜像担持体上の電位と該現像剤担持体
上の電位と該電圧印加手段によって形成される電界との
相互関係で決定される電界により現像剤の移動を制御
し、これにより、静電潜像担持体上の静電潜像に応じて
適量の現像剤を付着させる。ここで、特に上記初期領域
において、現像剤担持体の、多数の微小電界を形成する
部分間で電位の立上り方に差を持ち、これにより、該部
分間での電圧印加手段による実行バイアスを異なるの
で、上記現像剤の移動を制御する効果を増幅させること
が出来る。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図1は、本発明によるの一実施例にかかる
現像装置の全体構成の概略を示す図である。現像装置2
のケーシングには感光体ドラム3に対向する部分に現像
用の開口が設けられており、現像ローラ1はこの開口を
介して感光体ドラム3に所定の間隙を保持してケーシン
グ内に回転可能に設けられている。この間隙は現像ロー
ラ1が感光体ドラム3と実質的に接触しない位置関係に
なるように、30〜500μm、好ましくは50〜25
0μmの間隙に設定される。これにより、現像ローラ1
を感光体ドラム3に接触させて静電潜像を現像するとき
のような過大な負荷を必要としなくなり、駆動モータを
小型のものにすることが可能となる。そして、この現像
ローラ1は後に詳述するような線速になるように矢印方
向に回転駆動される。ケーシング内に構成されたトナー
タンク5にはアジテータ6が設けられ、これが矢印で示
す時計方向に回転駆動されて、その先端部分の抵抗でト
ナー7を撹拌すると共に図において左方の現像ローラ1
側に移動する。現像ローラ1の右側にはトナー供給ロー
ラ8が当接するように設けられ、矢印方向に回転駆動さ
れている。該ローラ8は、ウレタンゴムを発泡させて作
られたスポンジ材料や、ポリエステル、4弗化エチレン
樹脂等を繊維にしてブラシ状にしたものにより構成され
る。このトナー供給ローラ8はアジテータ6により搬送
されてきたトナー7を現像ローラ1の表面に順方向ある
いは逆方向にこすり付けて供給すると共に、現像に使用
されずに現像ローラ1上に残って戻ってきたトナー7を
掻き落す作用をするものである。現像ローラ1の上部に
は、該ローラ1に担持搬送されるトナー層の層厚を規制
するブレード部材4が弾発的に圧接するように設けられ
ており、これによりトナー供給ローラ8の回転にともな
い現像ローラ1上に供給されたトナー7を層厚規制する
ようにされている。ブレード部材4は、弾性を有する板
ばねにウレタンゴム等のトナー帯電性能を有する材料を
貼り合わせて製作しても、あるいは弾性を有する部材を
そのまま用いても良い。ブレード部材4は、現像ローラ
1の回転方向に対して図に示すごとくトレーリング方向
に設けても良いし、逆方向のリーディング方向に設けて
も良い。このブレード部材4に代え、規制ローラや規制
ベルトを用いても良い。尚、現像ローラ1及びトナー供
給ローラ8には、現像バイアス印加手段9が接続されて
いる。又、ブレード部材4にバイアス印加手段9を接続
しても良い。現像ロー1に印加するバイアスについては
後に詳述する。かくして、トナータンク5のトナー7
は、アジテータ6でトナー供給ローラ8近傍に供給さ
れ、トナー供給ローラ8と現像ローラ1との相互摩擦に
より発生する摩擦帯電作用によりトナー7自体も帯電し
て現像ローラ1の表面に静電的に担持される。そして現
像ローラ1の回転により搬送されて現像ローラ1の上方
に弾発的に圧接するブレード部材4により層厚規制さ
れ、感光体ドラム3と現像ローラ1とが対向する現像部
に搬送される。そして、この現像部において、感光体ド
ラム3上に形成された静電潜像に、バイアス電圧印加の
下に静電潜像に応じて所要量のトナー7が現像ローラ1
から転移されて現像が行なわれる。
【0008】ところで、本実施例では、現像ローラ1を
表面に抵抗または誘電率の異なる2種類の部分が規則的
または不規則に混在露出するように構成している。図2
(a)はこのような現像ローラ1の一例の外観を示す斜
視図、図2(b)はその表面部の拡大断面図である。こ
の例の現像ローラ1は、導電性材料、例えばアルミニウ
ム等の金属素材あるいは導電性ゴムや導電性プラスチッ
ク21のローラの表面に格子状にローレット加工を施
し、その条痕にポリカーボネート、アクリル、ポリエス
テル、4弗化エチレン等の誘電体樹脂を摺り込んで充填
し、格子状の絶縁性領域面22を形成すると共に、この
格子の目の部分に基体ローラ表面が露呈して導電性領域
面21を形成している。図4の(a)、(b)、(c)
は夫々、表面にローレット加工により現像ローラ1表面
の移動方向(周方向)に対して45°の傾斜角度を持っ
た条痕を形成し、上記工程で格子状の絶縁性領域面22
及びこの格子の目状の導電性領域面21とを形成した例
を示すものであり、これらの例ではローレットのピッチ
Pを0.3mmとし、絶縁性領域面22の巾Wを夫々、W
1=0.075mm、W2=0.15mm、W3=0.22
5mmとし、現像ローラ1表面にパターンピッチ0.3mm
で絶縁性領域面22と導電性領域面21とが混在するよ
うに構成している。微細な導電性領域面21と絶縁性領
域面22を形成する方法は上記の例に限られるものでは
なく、各種の方法が採用可能である。又、絶縁性領域面
21を格子状に構成する場合の周方向に対する傾斜角度
は45°に限られるものではなく、好ましくは、周方向
に対して30乃至60°の範囲で設定することが出来
る。絶縁性領域面22の大きさは平均直径として30乃
至2000μm、好ましくは50乃至1000μmであ
る。絶縁性領域面22の形状が例えば円形であるとき
は、その径D1(図3参照)を30乃至2000μm、
好ましくは100乃至400μm程度に設定し、その中
心間距離P1を、適宜バランス良く設定する。又絶縁性
領域面22の形状が矩形であるときは、その一番短い辺
の長さを30乃至2000μm程度とする。同様に、絶
縁性領域面22の形状が長円形乃至は楕円形であるとき
は、その短軸側の幅を30乃至2000μm程度とす
る。絶縁性領域面22の形状が他の形状のときも、これ
らに準じて、その幅を30乃至2000μm程度とす
る。又、その占有面積比率としては、現像ローラ1表面
積の50乃至80%、好ましくは65乃至75%とすれ
ば良い。現像ローラ1の構造をこのようにすることによ
って、トナー供給ローラ8でトナー7を現像ローラ1に
こすりつける時に生ずる摩擦帯電作用によりトナー7を
帯電して現像ローラ1の表面に充分な量のトナー7を担
持することが出来る。
【0009】この点について更に詳述する。現像ローラ
1の絶縁性領域面22は、トナー供給ローラ6との摩擦
によってトナー7の帯電極性と反対の正極性に帯電され
る。一方、トナー供給ローラ8の周面に接触しながら現
像ローラ1に運ばれるトナー7は、トナー供給ローラ8
との摩擦によって負極性に摩擦帯電され、現像ローラ1
に供給されるが、このときこの現像ローラ1、特にその
絶縁性領域面22との摩擦により更に負極性に強く摩擦
帯電され、現像ローラ1の周面に静電的に付着する。こ
のとき、現像ローラ1の各絶縁性領域面22は正極性に
摩擦帯電していて、各絶縁性領域面22に接して導電性
領域面21が存在するので、現像ローラ1の表面は、多
数の絶縁性領域面22のところだけに選択的に正極性の
電荷が付与された状態となっている。これにより図3に
示すように、正に帯電した各絶縁性領域面22とそれに
接した導電性領域面21との間に閉電界が形成され、現
像ローラ1の表面の近傍には無数の微小閉電界(マイク
ロフィールド)が形成される。即ち、電界の状態を表す
電気力線を考えた場合、現像ローラ1の表面近傍の空間
には、図3に円弧状の多数の線で表したように現像ロー
ラ1から出て同一の現像ローラ1に戻る電気力線が形成
され、各絶縁性領域面22と導電性領域面21との間に
閉電界が形成されるのである。各絶縁性領域面22の面
積は前述のように微小であるため、各閉電界はフリンジ
ング効果(周辺電場効果)によってその強度が大変強く
なる。かかる閉電界によって、負に帯電したトナー7は
絶縁性領域面22に強く引かれ、該ローラ1上に多量に
離れがたい状態で保持される。しかも、現像ローラ1に
保持されたトナー7がブレード部材4によって層厚を規
制されるとき、帯電の充分なトナー7は微小閉電界によ
って現像ローラ1の表面に強く保持されるが、帯電量の
小さなトナー7はブレード部材4との接触圧によって除
去され、結局、帯電量の大なるトナー7、例えば、5乃
至20(好ましくは10乃至15)μC/g程度に帯電
されたトナー7だけが現像部へ運ばれる。
【0010】そして、現像部においては、現像バイアス
印加手段9で印加する現像バイアスが、現像ローラ1表
面に存在する導電性領域面21と絶縁性領域面22との
間の微小電界と、帯電したトナー7とに作用して、静電
潜像の現像に好適な力学的エネルギーを与えるものと考
えられる。即ち、現像ローラ1の表面電位は、絶縁性領
域面22が上記のように電荷を保持している一方導電性
領域面21はこのような電荷を保持していないことか
ら、夫々の領域で異なったものになる。具体的には、絶
縁性領域面22の表面電位は、現像バイアス印加手段9
による印加電圧が保持した電荷で所定量だけ偏倚された
電位になる一方、導電性領域面21の表面電位は、現像
バイアス印加手段9による印加電圧そのものになる。よ
って、現像ローラ1表面と感光体ドラム3との間の電界
は、感光体ドラム3の画像部と非画像部との何れに対応
するかのみならず、現像ローラ1表面の絶縁性領域面2
2と導電性領域面21との何れに対応するかによっても
異なってくる。そして、絶縁性領域面22上に存在する
トナー7には、絶縁性領域面22に保持されている電荷
が作用しており、過剰なトナー付着が抑制され、一方、
導電性領域面21上に存在するトナーは、比較的感光体
ドラム3側に移転しやすくなる。又、この部分は導電性
であるためエッジ効果を抑えて画像濃度を均一化するよ
うに作用する。これにより、現像ローラ1は、画像濃度
は低いものの線図の再現性や階調性に優れているが、そ
のまま濃度を上げると線図の再現性や階調性は損なわれ
てしまう性質のある、表面が絶縁性の現像ローラの特長
と、その電極効果によってベタ部の均一性に優れた濃度
の高い画像を得ることが出来るものの線図の再現性や階
調性が劣る性質の、表面が導電性の現像ローラの特長と
を同時に合わせ持つことになる。そして、この現像バイ
アスとして、後述所定の現像バイアスを用いることによ
り、以上の効果を一層増幅することが出来る。尚、現像
ローラ1の表面に導電性領域面21と絶縁性領域面22
とを混在させたことにより、現像ローラ1とトナー供給
ローラ8のチャージアップが防止される。その理由とし
ては、絶縁性領域面22ではトナーを帯電し、導電性領
域面21ではトナー供給ローラの除電を行ない、全体と
してバランスのとれた帯電状態を維持する為と考えられ
る。
【0011】次に、現像部に印加する現像バイアスにつ
いて説明する。この現像バイアスは、例えば、図9に示
すような、1周期が現像促進極性域W1とこれとは逆極
性のクリーニング促進極性域とからなり、このクリーニ
ング促進極性が像域の既現像トナーを静電潜像面より離
脱させる強さをもちこの離脱トナーを現像ローラ1に到
達させない初期領域W2とこれに続き非像域に付着した
トナーを現像ローラ1に到達させるのに充分な強さと時
間を有する後期領域W3とで構成される。尚、図9に示
すバイアスは後述する具体例に使用したものであり、図
中に画像部の電位−100ボルトと非画像部の電位−9
00ボルトのレベルも示している。上記交互バイアスの
現像促進極性域W1の印加時には、現像ローラ1から感
光体ドラム3に向かってトナーを転移させ、画像部及び
非画像部にトナーを付着させる。その後バイアス極性を
反転させたクリーニング極性域では、まず初期領域W2
の印加時には画像部においてトナーを感光体ドラム3か
ら現像ローラ1に向けて離脱させるが、静電潜像の電界
作用範囲からは離隔せず、非画像部においては静電潜像
がないため強い力でトナーを感光体ドラム3から現像ロ
ーラ1に向けて離脱させる。次いで後期領域W3の印加
時には上記非画像部から離脱したトナーをバイアスの電
界引力によって現像ローラ1上に引き戻す。画像部にお
いては静電潜像による電界の方がバイアス電界より強い
ため、トナーは再び静電潜像の電界吸引力を受けて感光
体ドラムに転移付着する。上記のトナー転移制御を交互
バイアスの1周期ごとに繰り返しながら現像を行うもの
である。このようなバイアス電界の、特に初期領域W2
において、現像ローラ1の絶縁性領域面22と導電性領
域面21とで電位の立上り方が異なり、これにより、絶
縁性領域面22と導電性領域面21とで印加されたバイ
アスの実効バイアスが異なって、上記の電荷配置の効果
を増幅させたトナーの制御を行うことが出来る。例え
ば、周波数は250乃至2000HZで、初期領域W2
時間幅は0.1乃至1mSec、後期領域W3は0.15乃
至10mSecである。
【0012】以下、本実施例のより具体的な例について
説明する。この具体例では、感光体ドラム3としてOP
Cを用い、地肌部の表面電位を−900V、露光部の電
位を−100Vとして、図4(b)に示す表面形状を備
えた現像ローラ1を感光体ドラム3の表面と100μm
の間隙をおいて対向配置し、感光体ドラム3及び現像ロ
ーラ1を夫々矢印で示す向きに駆動して反転現像を行な
ったものである。この現像ローラ1表面の絶縁性領域面
22は、トナー供給ローラ8でこすられて接地を基準と
した電位が+200Vになる量の電荷を保持し、これに
より、負極性に帯電したトナー7を約1.0〜1.2m
g/cm2担持した。そして、この現像ローラ1に現像
バイアス印加手段9で、図9に示すような、1周期が2
mSec、初期領域W2の時間幅が0.1mSec、後期領域
3が0.9mSecのバイアスを印加した。
【0013】このようにして得られた画像は、地カブリ
も発生すること無く、濃度が高く、階調性や線図の再現
性も優れていた。尚、上記の例は図4の(b)に示す表
面形状を備えた現像ローラ1を用いたものであるが、図
4(a),(c)に示す表面形状を備えた現像ローラ1
を用い、上記の例と同一の条件で現像を行なったとこ
ろ、地カブリがなく、高濃度の階調性や線図の再現性も
優れた画像を得ることが出来た。
【0014】次に、図5を用いて、表面に多数の微小電
界を形成する現像ローラ1の変形例を用いた現像装置に
ついて説明する。この現像装置は現像ローラの構成が上
記実施例と異なる点を除き基本的には上記の実施例に係
る現像装置と同一の構成である。図5(a)に摸式的に
拡大して示すように、本実施例の現像ローラ1は、その
表面に誘電体部と導電体部が微小面積で混在し、かつ誘
電体部は導電性発泡体層の表面近傍の発泡セル中に形成
されている。この微小面積の大きさは、形状が円形であ
るとした場合、径が10〜500μmの大きさであり、
このの微小面積がランダムに又はある規則にしたがって
分散している。面積比としては、導電体部の面積が20
〜60%の範囲が好ましい。発泡セル中に形成される誘
電体部に用いられる材料としては、絶縁性であれば、使
用可能であるが、体積固有抵抗が1010Ωcm以上、特に
1014Ωcm以上のものが好ましい。このような絶縁性材
料としては、例えばポリスチレン系樹脂、ポリエチレン
系樹脂、アクリル系樹脂、樹脂材料、ゴム材料などの有
機ポリマー類が挙げられる。本実施例においては、好ま
しくは、脂肪族含フッ素化合物やシリコーン樹脂を主体
とするものが使用される。また、本実施例における導電
体部は導電性発泡体層から構成されるが、発泡体を形成
する樹脂材料としては、種々の有機ポリマー類が使用可
能でる。また、導電性付与剤としては、金属粉、カーボ
ンブラック、導電性酸化物、無電解めっき物、グラファ
イト、金属繊維、炭素繊維などが挙げられる。また、発
泡剤としては従来公知の有機発泡剤あるいは無機発泡剤
のいずれもが使用できる。
【0015】本実施例の現像ローラ1を作製するには、
例えば(i)芯金の外周に、ゴム類、導電性付与剤、発
泡剤及びその他の添加剤からなる導電性発泡組成物を押
出成形して弾性発泡体層を設け、ついでその表面を研削
して発泡セルを露出させ、誘電体部埋設用の凹部を形成
し、次に、該凹部に前記誘電体材料をスプレー、ディッ
ピングなどの方法により埋め込み、所定の条件(温度、
時間)で硬化(焼成)し(塗布膜の厚みは凹部が完全に
埋まる状態にする)(参照;図5(b))、(ii)続
いてその表面を切削又は研磨加工により導電面と誘電面
が微小面積で混在するように削り、導電部面積が20〜
60%になるように削る(参照;図5(c))という方
法が採用される。
【0016】本実施例の現像ローラ1においては、現像
を終了した現像ローラ1の表面部分が、現像ローラ1の
矢印の方向の回転によりトナー供給ローラ8と接触し、
ここで現像しなかった非画像部の残トナーが、トナー供
給ローラ8により機械的、電気的にかきとられ、誘電体
部は摩擦によって帯電する。このとき前の現像による現
像ローラ1とトナーの電荷は、摩擦により一定化され、
初期化される。次にトナー供給ローラ8によって運ばれ
たトナーは、摩擦により帯電され、現像ローラ1の誘電
体部に静電的に付着する。また、このときの現像ローラ
1上の電界は、図5(a)に示されるようにマイクロフ
ィールド(閉電界)となり、電界傾度の大きい電界とな
って、トナーを多層に付着させることが可能となる。ま
た、付着したトナーは閉電界となっているので、現像ロ
ーラ1側に強く引かれ離れにくい状態となる。そして、
上記の実施例における現像ローラ1と同様に、電荷を保
持する誘電体部と殆ど電荷を保持しない導電体部とで、
互いに異なった現像電界を感光体ドラム3との間に形成
することが出来る。
【0017】以下、現像ローラ1の具体例について説明
する。なお、部は重量基準である。予めプライマー処理
した芯金周辺に下記の導電性発泡組成物を押出し成形
し、170℃で20分間金型内で一時加硫させた後、2
00℃で2時間二次加硫させて体積固有抵抗1011Ωc
m、比重0.57、発泡セルの大きさが30〜50μm
の導電性発泡体層を有する現像剤担持体を作製した。 導電性発泡組成物 ジオルガノホリシロキサン(平均重合度2000以上) 100部 〔商品名:KF901F−U(信越化学社製)〕 ファーネスブラック 10部 〔商品名:ケッチェンブラックEC(ライオンアクゾ社製)〕 ジクミルパーオキサイド 2部 アゾビスイソブチロニトリル 2部 ついで、得られた現像剤担持体の表面を研削して発泡セ
ルを露出させ、誘電体を埋設するための凹部を形成し
た。次に、該凹部に該誘電体であるフッ素樹脂組成物
(商品名ルミフロンLF601−C(旭硝子社)を主剤
としたもの)150部をコーティングし、発泡セル凹部
が完全に埋まる状態にした後、架橋硬化させた。続い
て、その表面を切削又は研磨加工により導電体部と誘電
体部が混在し、導電体部面積が50%となるようにし
て、現像ローラ1を作製した。
【0018】この例の現像ローラ1を感光体ドラム3に
接触配置し、且つ、上記の実施例に係る具体例と同様の
パルス電圧を印加して、接触現像を行なったところ、上
記具体例と同様に地カブリも発生すること無く、濃度が
高く、階調性や線図の再現性も優れた画像を得ることが
出来た。このような接触現像においても、感光体ドラム
3と現像ローラ1とが接触する現像部よりも上流側及び
下流側においては、両者が間隙をもって対向しているの
で、非接触現像の効果も発揮されている。尚、本実施例
の現像ローラ1においては、誘電体部が表面に不規則に
露出しているので、現像ローラ表面に誘電部が規則的に
露出する場合に比し、現像画像、特にそのベタ部に誘電
体の露出パターンに対応する濃度ムラが発生しにくく、
これにより、等速現像を行う場合にも、静電潜像に忠実
な画像を得ることが出来る。
【0019】次に、図6を用いて、表面に多数の微小電
界を形成する現像ローラ1の更に他の変形例を用いた現
像装置について説明する。この現像装置は現像ローラの
構成が上記実施例と異なる点を除き基本的には上記の実
施例に係る現像装置と同一の構成である。図6に摸式的
に拡大して示すように、本実施例の現像ローラ1は、少
なくともその表面に導電体部と誘電体部が混在してな
り、かつこれらの形成材料が弾性絶縁性粒子を含有した
弾性導電性材料で構成されている。誘電体部を構成する
弾性絶縁性粒子としては、体積固有抵抗が1013Ωcm以
上好ましくは1014Ωcm以上のもので、実効ゴム硬度
(現像剤担持体の形状をJISK6301で定めるスプリング式
硬さ試験機A型を用いて測定したときの値)が50度以
下好ましくは40度以下のものが使用される。このよう
な材料としては、例えばシリコーン変性エチレンプロピ
レンゴム等が挙げられる。その平均粒径は5μm以上好
ましくは10μm以上である。5μm未満ではマイクロ
フィールドが形成し難く、安定したトナーの付着、帯電
が得られない。また粒子形状は定形あるいは不定形の何
れでも良い。また、弾性導電性材料としては、体積固有
抵抗が1012Ωcm以下好ましくは108Ωcm以下のもの
が良く、また実効ゴム硬度(既出)が50度以下好まし
くは40度以下のゴム類に導電性フィラーを添加したも
のが使用される。ゴム類としては、シリコーン変性エチ
レン−プロピレンゴム等が挙げられ、導電性フィラーと
しては金属粉等が挙げられる。また、種々の目的で無機
充填剤や架橋剤、熱安定剤等を添加することが出来る。
【0020】この現像ローラ1を作製するには、例えば
(i)金属製芯金上に、導電性プライマを塗布した後、
導電性材料に適当量の絶縁性粒子を混入したコンパウン
ドを押出し成形法などにより、芯金上に成形し、(ii)
金型成形加硫、蒸気加硫法等により、温度と圧力を加え
ることにより、芯金上に弾性体ローラを成形し、(ii
i)ついで、弾性ローラの表面を研磨や切削などの方法
により平滑にして、導電部と絶縁部が表面に混在するよ
うにする方法などを採用すれば良い。
【0021】以下、具体例について説明する。なお、部
は重量基準である。 弾性絶縁性粒子の製法 シリコーン変性エチレン−プロピレンゴム: 商品名SEP1421−U(信越化学工業(株)製) 100.0重量部 加硫剤:商品名C−12(信越化学工業(株)製) 2.0重量部 を2本ローラを用いて充分均一になるように混練してか
らプレスキュア170℃/10分、50Kg/cm2の加硫条
件で加硫し、厚さ2mmのシート状に成形した。その後1
50℃/2時間キュアを行なった。成形したゴムシート
を2本ローラ(ローラ間の間隔を狭くする)に複数回通
して粉砕した。その後フルイに通して100〜200μ
mの弾性絶縁性粒子を得た。 弾性絶縁性粒子を含有した弾性導電性コンパウンドの製造 シリコーン変性エチレン−プロピレンゴム: 商品名SEP1421−U(信越化学工業(株)製) 100.0重量部 カーボンブラック: 商品名ブラックパールスL(キャボット社製) 8.0重量部 加硫剤: 商品名C−12(信越化学工業(株)製) 4.0重量部 炭化水素系合成油: 商品名ルーカント(三井石油化学(株)製) 10.0重量部 を2本ローラを用いて充分均一になるように混練した。
この混練したコンパウンドに先に製造した弾性絶縁性粒
子を30.0重量部加えた。そして再度2本ローラを用
いて充分均一になるように混練して、弾性導電性コンパ
ウンドを得た。次に予め導電性プライマを塗布した芯金
上に前記弾性絶縁性粒子を含有した導電性コンパウンド
を押し出し成形によって設け、ついで金型成形加硫法に
よってプレスキュア170/10分、50Kg/cm2の条件
で加硫し弾性層の厚さ7mm、ローラ外径20mmφ(芯
金:ステンレス製6mmφ)に成形した後、150℃/2
時間キュアを行なった。得られた弾性ローラの表面を研
磨や切削などの方法により、仕上りのローラ外径が18
mmφで、導電体部と絶縁体部とが表面に混在し、その表
面が平滑な現像剤担持体(実効ゴム硬度38度)を得
た。
【0022】この例の現像ローラ1を感光体ドラム3に
接触配置し、且つ、上記の実施例に係る具体例と同様の
パルス電圧を印加して、接触現像を行なったところ、同
様に地カブリも発生すること無く、濃度が高く、階調性
や線図の再現性も優れた画像を得ることが出来た。尚、
本実施例の現像ローラ1においても上記実施例と同様
に、誘電体部が表面に不規則に露出しているので、現像
ローラ表面に誘電部が規則的に露出する場合に比し、現
像画像、特にそのベタ部に誘電体の露出パターンに対応
する濃度ムラが発生しにくく、これにより、等速現像を
行う場合にも、静電潜像に忠実な画像を得ることが出来
る。
【0023】次に、図7を用いて、表面に多数の微小電
界を形成する現像ローラ1の更に他の変形例を用いた現
像装置について説明する。この現像装置は現像ローラの
構成が上記実施例と異なる点を除き基本的には上記の実
施例に係る現像装置と同一の構成であるが、ここでは、
トナーを正極性に帯電させる例を示す。図7(a)に摸
式的に拡大して示すように、本実施例の現像ローラ1
は、例えばAl、Fe、Cu等の金属性の導電性ローラ
10より成る基体と、その周囲表面に固着された中抵抗
体12及び高抵抗体11とからなる表面層とから構成さ
れている。図7(b)は各誘電体を摸式的に拡大して示
した現像ローラの平面図、(c)は(b)のIV−IV線断
面図、(d)は現像ローラ表面の近傍に形成される微小
閉電界の電気力線を示すした説明図である。中抵抗体1
2の抵抗率は、導電性の基体表面(本例では導電性ロー
ラ10)の抵抗率よりも高く、例えば103〜108Ωcm
程度に設定され、高抵抗体11の抵抗率は、中抵抗体1
2の抵抗率よりもさらに高く、例えば103〜1015Ωc
m程度に設定されている。両抵抗体11,12は、かか
る抵抗率を有する誘電体から構成されているのである。
図7(b)では両抵抗体11と12を識別しやすくする
ため、高抵抗体11に対して横線を付して示してあるが
(図11(a)乃至図11(d)も同じ)、この図並び
に図7(a)及び図7(c)から判るように、高抵抗体
11と中抵抗体12は規則的に(又は不規則状態であっ
てもよい)に配置され、これらが現像ローラ1の表面に
露出している。各中抵抗体12と高抵抗体11の形状は
適宜設定できるが、その表面形状を図7(b)に例示す
る如く矩形とした場合は、その一辺の長さD1、D2は
例えば10乃至500μm程度の適宜な値に設定するこ
とができる。このような抵抗体11,12のサイズに関
する値や、その抵抗率は、後述する閉電界の強度を高
め、現像ローラ1上に最適な量のトナーを担持させるこ
とができるように、適宜選択される。また本実施例で
は、高抵抗体11と中抵抗体12として、トナーの帯電
極性と反対の極性、すなわち負極性に摩擦帯電される材
質のものが選択されている。トナー担持体がベルトから
成るときは、このベルトの導電性の基体表面に中抵抗体
と高抵抗体が前述の状態で積層固定される。一方、現像
ローラ1に接するトナー供給ローラ8は、現像ローラ1
の高抵抗体11と中抵抗体12に接触して、これらをト
ナーの帯電極性と反対の極性(負極性)に摩擦帯電させ
る材料から構成されている。図7(a)に示した例で
は、トナー供給ローラ8が、導体の芯部材14とそのま
わりに積層された円筒状の発泡体(例えばポリウレタン
発泡体)15より成り、この発泡体15が弾性変形しな
がら現像ローラ1に圧接しており、かかるトナー供給ロ
ーラ8を用いた場合には、発泡体15を、上述のように
抵抗体11,12を負極性に摩擦帯電させる材料によっ
て構成すればよい。発泡体15の代りに、例えばファー
ブラシ等、それ自体公知のものを用いることもできる。
【0024】以上の構成において、現像ローラ1の高抵
抗体11と中抵抗体12が、トナー供給ローラ8と接触
し、その摩擦によってトナーの帯電極性と反対の負極性
に帯電される。その際、現像部を通過した現像ローラ周
面の抵抗体11,12に、感光体3の静電潜像の影響に
よる静電的な残像が残っていても、トナー供給ローラ8
との摩擦により、抵抗体11,12がほぼ飽和状態まで
帯電するので、残像はなくなり、現像ローラ1が初期化
される。一方、トナー供給ローラ8の周面に接触しなが
ら現像ローラ1に運ばれるトナー4は、図7(a)に摸
式的に示すようにトナー供給ローラ8との摩擦によって
正極性に摩擦帯電され、現像ローラ1に供給されるが、
このときこの現像ローラ1との摩擦によりさらに正極性
に強く摩擦帯電され、現像ローラ1の周面に静電的に付
着する。このとき、現像ローラ1の高抵抗体11と中抵
抗体12は負極性に摩擦帯電しているが、その抵抗率が
互いに相違するため、図7(d)に摸式的に示すように
高抵抗体11の電荷量の方が中抵抗体11の電荷量より
も多くなり、両者の表面電位に相違が生じる。このた
め、両抵抗体11と12の間には閉電界が形成される。
導電性ローラ10の表面には無数と言える程多数の高抵
抗体11と中抵抗体12が交互に位置しているので、現
像ローラ1の表面には無数の微小閉電界(マイクロフィ
ールド)が現像ローラ表面に一様に分布した状態で形成
される。すなわち、電界の状態を表す電気力線を考えた
場合、現像ローラ1の表面近傍の空間には、図7(d)
に円弧状の多数の線で表したように電気力線Eが形成さ
れ、その電気力線は現像ローラ1から出て同一の現像ロ
ーラ1に戻り、該ローラ5の表面の近傍に多数の閉電界
が形成されるのである。このように電界傾度の大なる電
界が現像ローラの表面近傍に形成される。高抵抗体11
と中抵抗体12の表面サイズは前述のように大変微小で
あるため、各閉電界も微小なものとなり、これにより各
閉電界は所謂エッジ効果ないしはフリンジング効果(周
辺電場効果)によってその強度が大変強くなる。かかる
高強度の閉電界によって、正に帯電したトナーは、図7
(a)に摸式的に示したように高抵抗体11の表面に強
く引かれ、現像ローラ1上に多量に離れ難い状態で保持
される。すなわち帯電したトナーは閉電界の内部に強い
束縛力を与えられ、その電気力線に沿って現像ローラ1
上に保持されるのである。例えばウレタンよりなるドク
ターブレード4によって層厚を規制される。なお、現像
ローラ1の表面近傍には、図7(d)に摸式的に示した
ようにその全体に亘って微小閉電界だけが形成される場
合と、閉電界でない電界が閉電界に混在する場合とが考
えられるが、いずれにしても閉電界が存在するので、そ
の強度が高められ、トナーを多量に担持することができ
る。
【0025】なお、本実施例では、高抵抗体11と中抵
抗体12をトナーと逆極性に帯電させたが、トナーの帯
電極性と同極性に両抵抗体11,12を帯電させ、特に
中抵抗体12の表面上に多量のトナーを付着させること
もできる。さらに、中抵抗体12を実質的に帯電させ
ず、高抵抗体11だけを所定の極性に帯電させ、これら
の間に閉電界を形成してトナーを担持させるように構成
することもでき、要は高抵抗体と中抵抗体のうち、少な
くとも高抵抗体を帯電させ、その表面電位の相違により
閉電界を形成してトナーを担持させればよいのである。
【0026】この例の現像ローラ1を感光体ドラム3に
対向配置し、且つ、上記の実施例に係る具体例と同様の
パルス電圧を印加して現像を行なったところ、地カブリ
も発生すること無く、濃度が高く、階調性や線図の再現
性も優れた画像を得ることが出来た。尚、現像ローラ1
の表面には中抵抗体12と高抵抗体11が配置され、導
電性ローラの導電面が現像ローラ1の表面に露出してい
ないので、現像部において、感光体3と現像ローラ1と
の間のバイアスのリークを確実に抑制でき、感光体3に
形成された静電潜像が乱される不具合を効果的に抑制で
きる。
【0027】次に、図8を用いて、表面に多数の微小電
界を形成する現像ローラ1の更に他の変形例を用いた現
像装置について説明する。この現像装置は現像ローラの
構成が上記実施例と異なる点を除き基本的には上記の実
施例に係る現像装置と同一の構成である。図8に摸式的
に拡大して示すように、本実施例の現像ローラ1は、導
電性基体上に絶縁性粒子を分散した導電性材料からなる
表面層が形成されたものを用いる。この表面は導電性材
料からなる導電体部中に絶縁性粒子が露呈した絶縁体部
が混在したものになっている。トナー付着は次のように
なる。まず、現像を終了した現像ローラ1の表面部分
は、現像ローラ1の矢印の方向の回転によりトナー供給
ローラ8と接触する。ここで現像しなかった非画像部の
残トナーは、トナー供給ローラ8により機械的、電気的
にかきとられ、絶縁体部はトナーの極性と逆極性に摩擦
帯電する。このとき前の現像による現像ローラ1とトナ
ーの電荷は、摩擦により一定化され、初期化される。次
にトナー供給ローラ8によって運ばれたトナーは、摩擦
により帯電され、主に現像ローラ1の絶縁体部に静電的
に付着する。また、このときの現像ローラ1上の電界
は、図1(b)に示されるようにマイクロフィールド
(微小閉電界)となり、電界傾度の大きい電界となっ
て、トナーを多層に付着させることが可能となる。ま
た、付着したトナーは閉電界となっているので、現像ロ
ーラ1側に強く引かれ離れにくい状態となる。尚、本実
施例においては、絶縁体部をトナーの極性と逆極性に帯
電させているが、トナー供給ローラ40の表面材質を適
宜選択してトナーの帯電極性と同極性に摩擦帯電させる
ようにしても良い。この場合にも、絶縁体部と導電体部
との電位差によって、同様にマイクロフィールドを形成
することが出来、この場合には主に導電体部上にトナー
が付着する。そして、このトナー層は、更に、トナー層
厚規制部材30によりトナー層厚が制御され、現像部に
達する。現像部での現像ローラ1と感光体3の間の電界
(図1参照)は、電極効果が大きくなり、現像ローラ1
上のトナーは感光体3に付着し易い電界となり、現像が
行なわれる。
【0028】本実施例の現像ローラ1について更に詳述
する。本実施例の現像ローラ1は、前述したように、導
電性基体上に絶縁性粒子を分散した導電性材料からなる
表面層が形成され、この導電性材料としては、1012Ω
cm以下、好ましくは108Ωcm以下のものが使用でき
る。具体的にいうと、有機ポリマー類に導電性付与剤を
添加したものが挙げられる。この場合、有機ポリマー類
としては樹脂材料(プラストマー)とゴム材料(エラス
トマー)がある。また、導電性付与剤としては、金属
粉、カーボンブラック、導電性酸化物、無電解めっき
物、グラファイト、金属繊維、炭素繊維などが挙げられ
る。尚、導電性材料として前記有機ポリマー類中、エラ
ストマーを用いた場合には、現像ローラ表面層が弾性を
有するものとなり、剛性のドラム状感光体との当接が容
易になって、接触現像が非常に容易になるので、導電性
エラストマーの使用は特に好ましい。一方、絶縁性粒子
材料としては、1013Ωcm以上、好ましくは1014Ωcm
以上のものが使用される。又、その平均粒径としては、
5μm以上が良い。5μm未満では、微小電界が形成し
がたく、安定したトナーの付与や帯電が得られない。
尚、定形、不定形を問わない。具体的にいうと、アルミ
ナ等の無機粒子やエポキシ樹脂等の有機粒子が挙げられ
る。導電性材料として前記導電性エラストマーを使用し
た場合には、更にその低硬度を促進するために、絶縁性
粒子としてエラストマーを用いることが望ましい。絶縁
性エラストマー粒子を製造するには、エラストマーをド
ライアイスなどで凍結した後、粉砕し粉末化する方法、
界面活性剤などを用いて水性エマルジョンを形成した
後、硬化する方法など、公知の方法が採用される。導電
性材料に対する絶縁性粒子の添加量は、導電性材料10
0重量部に対して、10乃至200重量部の範囲で適宜
選択される。現像剤担持体の表面絶縁部の面積は、20
乃至60%の範囲が好ましく、該担持体作製後この範囲
内になるように、絶縁性粒子添加量を適宜調整する。
【0029】本実施例の現像ローラ20を作製するに
は、例えば前記の導電性材料に前記の絶縁性粒子を、ボ
ールミル、練り込みなど通常の分散方法に基づいて添加
した後、該混合材料を射出成型、押出し成型、スプレー
コーティング、ディッピングなどの工法により、SU
S、鉄、Alなどの金属ローラに代表される導電性基体
上に成型し、その後表面が平滑になるように研磨を施す
ことによって製作する。なお、導電性材料と導電性基体
との接着性を向上するために、プラストマーを使用する
ことも可能であり、この場合プラストマーは導電性であ
ることが望ましい。
【0030】以下、具体例について説明する。なお、部
は重量基準である。 導電性塗料 100部 〔商品名:Electrodag 440(日本アチソン社製)(固形分70%;Ni粒子含有 アクリル樹脂)〕 アクリル樹脂 50部 (平均粒径80μm) 希釈剤 200部 〔(商品名SB-1(日本アチソン社製)〕 上記処方の塗工液を、SUS製金属ローラにスプレーコーテ
ィングにより塗工し、80℃/1時間乾燥後、研磨し
て、膜厚100μmの表面層を備えた現像ローラを作製
した。
【0031】この例の現像ローラ1を感光体ドラム3に
対向配置し、且つ、上記の実施例に係る具体例と同様の
パルス電圧を印加して現像を行なったところ、地カブリ
も発生すること無く、濃度が高く、階調性や線図の再現
性も優れた画像を得ることが出来た。尚、本実施例の現
像ローラ1においても、絶縁体部が表面に不規則に露出
しているので、現像ローラ表面に誘電部が規則的に露出
する場合に比し、現像画像、特にそのベタ部に誘電体の
露出パターンに対応する濃度ムラが発生しにくく、これ
により、等速現像を行う場合にも、静電潜像に忠実な画
像を得ることが出来る。
【0032】
【発明の効果】本発明は、現像剤を担持する現像剤担持
体として、表面に多数の微小電界を形成する現像剤担持
体を用い、電圧印加手段で現像剤担持体と静電潜像担持
体が互いに対向する現像部に1周期が現像促進極性とこ
れとは逆極性のクリーニング促進極性とからなり、この
クリーニング促進極性が像域の既現像現像剤を該静電潜
像担持体より離脱させる強さをもちこの離脱現像剤を該
現像剤担持体に到達させない初期領域とこれに続き非像
域に付着した現像剤を該現像剤担持体に到達させるのに
充分な強さと時間を有する後期領域とで構成されるバイ
アスを印加して、該静電潜像担持体上の電位と該現像剤
担持体上の電位と該電圧印加手段によって形成される電
界との相互関係で決定される電界により現像剤の移動を
制御し、これにより、静電潜像担持体上の静電潜像に応
じて適量の現像剤を付着させるので、階調性を維持しつ
つ画像濃度を向上させ且つ画像の線部の太りや地カブリ
も防止することが出来、これにより、高画質の画像を得
ることが出来る。そして、特に上記初期領域において、
現像剤担持体の、多数の微小電界を形成する部分間で電
位の立上り方に差を持たせ、これにより、該部分間での
電圧印加手段による実効バイアスを異なさせ、これによ
り、上記現像剤の移動を制御する効果を増幅させて地汚
れ等を防止することが出来る。更に、該現像剤担持体と
して、上記表面に、導電体部と、導電性発泡体層の表面
近傍の発泡セル中に形成された誘電体部とが、微小面積
で混在すると共に、少なくとも、該誘電体部が現像剤の
極性と逆極性または同極性に帯電されて上記表面に多数
の微小電界を形成する現像剤担持体をい、誘電体部等
が上記表面に不規則に露出するので、現像剤担持体表面
に誘電部が規則的に露出する場合に比し、現像画像、特
にそのベタ部に誘電体の露出等パターンに対応する濃度
ムラが発生しにくく、これにより、等速現像を行う場合
にも、静電潜像に忠実な画像を得ることが出来る
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の現像装置の全体概略を示す側
断面図である。
【図2】(a)はその現像ローラの一例の外観を示す斜
視図であり、(b)はその外層部の拡大断面図である。
【図3】絶縁性領域面近傍に形成される微小閉電界の電
気力線を示す説明図である。
【図4】(a)乃至(c)は互いに異なる幅の絶縁性領
域面を備えた3つの現像ローラの表面を拡大した様子を
示す図である。
【図5】現像ローラの他の変形例を示すものであり、
(a)はその現像ローラの各誘電体とトナー粒子を摸式
的に拡大して示した説明図、(b)及び(c)はその製
造工程の説明図である。
【図6】更に他の変形例に係る現像ローラの各誘電体と
トナー粒子を摸式的に拡大して示した説明図である。
【図7】更に他の変形例に係る現像ローラの変形例を示
すものであり、(a)はその現像ローラの各誘電体とト
ナー粒子を摸式的に拡大して示した説明図、(b)は同
現像ローラの各誘電体を摸式的に拡大して示した平面
図、(c)は(b)のIV−IV線断面図、(d)は同現像
ローラ表面の近傍に形成される微小閉電界の電気力線を
示す説明図である。
【図8】更に他の変形例に係る現像ローラの表面の部分
断面図である。
【図9】現像バイアスの一例を示す波形図である。
【符号の説明】
1 現像ローラ , 2 現像
装置 3 感光体ドラム , 4 ブレ
ード部材 5 トナータンク , 6 アジ
テータ 7 トナー , 8 トナ
ー供給ローラ 9 現像バイアス印加手段 , 10 導電
性ローラ 11 高抵抗体 , 12 中抵
抗体 21 導電性領域面 , 22 絶縁
性領域面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 榎木 繁和 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 冨田 潤子 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 平2−214874(JP,A) 特開 昭56−144442(JP,A) 特開 昭55−62469(JP,A) 特開 平1−196085(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/08 - 15/095 G03G 9/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】静電潜像を担持する静電潜像担持体と現像
    剤を担持した現像剤担持体とを現像部において対向さ
    せ、該現像部において電圧印加手段でバイアスを印加し
    て現像をおこなう現像装置において、 該現像担持体として、表面に、導電体部と、導電性発泡
    体層の表面近傍の発泡セル中に形成された誘電体部と
    が、微小面積で混在すると共に、少なくとも、該誘電体
    部が現像剤の極性と逆極性または同極性に帯電されて上
    記表面に多数の微小電界を形成する現像剤担持体を用
    い、 該電圧印加手段として、1周期が現像促進極性とこれと
    は逆極性のクリーニング促進極性とからなり、このクリ
    ーニング促進極性が像域の既現像現像剤を該静電潜像担
    持体より離脱させる強さをもちこの離脱現像剤を該現像
    剤担持体に到達させない初期領域とこれに続き非像域に
    付着した現像剤を該現像剤担持体に到達させるのに充分
    な強さと時間を有する後期領域とで構成されるバイアス
    を印加する電圧印加手段を用い、 該静電潜像担持体上の電位と、該電圧印加手段によって
    形成される電界と、該現像剤担持体上の電界との相互関
    係で決定される電界により現像剤の移動を制御すること
    を特徴とする現像装置。
  2. 【請求項2】上記微小電界が閉電界であることを特徴と
    する請求項1の現像装置。
  3. 【請求項3】上記誘電体部を所定極性に摩擦帯電させる
    摩擦帯電手段を設けたことを特徴とする請求項1又は2
    の現像装置。
  4. 【請求項4】上記現像剤担持体に担持されて上記現像部
    に搬送される現像剤の層厚を規制する層厚規制手段を設
    け、 上記摩擦帯電手段を、該層厚規制手段よりも現像剤搬送
    方向上流側であって、上記現像部よりも現像剤搬送方向
    下流側に位置したこを特徴とする請求項3の現像装置。
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