JP3049596B2 - 湿式多板クラッチの引きずり防止装置 - Google Patents

湿式多板クラッチの引きずり防止装置

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JP3049596B2 JP8299743A JP29974396A JP3049596B2 JP 3049596 B2 JP3049596 B2 JP 3049596B2 JP 8299743 A JP8299743 A JP 8299743A JP 29974396 A JP29974396 A JP 29974396A JP 3049596 B2 JP3049596 B2 JP 3049596B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は湿式多板クラッチの引
きずり防止装置に関するもので、特に、自動車や移動農
機などの車両用として好適な小型多板クラッチの引きず
り防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に多板式の摩擦クラッチは、図6、
図7で示すように、受圧板Fと押圧板Gとの間に多数の
摩擦板Hを介装させてあり、前記受圧板Fに対して押圧
板Gを進退させてクラッチを係脱させる構造となってい
る。そこで、クラッチを解離させるとき、すなわち、押
圧板Gを後退させて摩擦板Hと前記押圧板G、受圧板F
あるいは他の摩擦板Hとの間を分離させようとすると
き、潤滑油によってそれらの間が粘着し、分離しなくな
って引きずり現象を生じることがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、このような不具
合を解消する手段として、図6で示すように、受圧板F
と押圧板Gとの間に支軸Sで位置決めしてコイルばねJ
を縮設し、常時、両板F、Gを分離する方向に作用させ
るものが知られている。しかしながら、この構成はコイ
ルばねJが作用している受圧板Fと押圧板Gの間では引
きずりが防止されるものゝ、それらの間に介装された摩
擦板の間では分離作用が働かず、依然として引きずりが
残った。他方、図7で示すように、受圧板Fと押圧板
G、およびそれらと一体的に回転する摩擦板の間にOリ
ングKを若干圧縮した状態で挟持、その弾力によって分
離させることも知られている。しかしながら、この構成
はクラッチの回転による遠心力のためOリングが変形
し、各摩擦板の間を分離する力が不安定になる他、長期
間の使用によってOリングKの弾力が劣化し、摩擦板の
間を分離する力が減じて引きずりを生じるようになっ
た。また、組み立て作業において摩擦板とOリングとを
交互に組み付ける必要があり、作業が容易でなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記した課題は、同軸に
配置した外筒と内軸とを有し、前記外筒に軸方向のみ可
動に係止された第1摩擦板と、前記内軸に軸方向のみ可
動に係止された第2摩擦板とを設け、前記第1摩擦板に
形成した突出部に設けられ隣接する第1摩擦板相互間を
離隔する方向へ作用するばね部材を有する湿式多板クラ
ッチにおいて、前記突出部に外周方向へ向けて開く四角
形の切欠きと、その切欠きのやゝ内周側に位置して小径
の透孔とを設け、前記ばね部材を切欠きに沿って形成さ
れた基板部と、その基板部の両端部から一側に伸びる2
枚の脚板部、および、脚板部から周方向へ伸びかつ面方
向に変形可能な弾性部片で構成するとゝもに、前記脚板
部に取付け方向への移動のみ許容する逆止爪を設け、前
記突出部とばね部材とを、前記切欠きと基板部、およ
び、脚板部から内側へ突出して設けた逆止爪と小径の透
孔との係合によって結合することによって解決される。
そこでは、前記ばね部材は板ばねからなり、前記2枚の
脚板部と弾性部片とは一枚の鋼板をプレス成形して一体
に形成するのが好ましい。
【0005】
【作用】ばね部材を第1摩擦板の突出部へ外周側から差
し込むと、基板部が突出部へ設けた切欠きに係止され周
方向へ不動に位置決めされる。そして、脚板部に設けた
逆止爪が突出部に設けた小径の透孔に係合し、逆方向へ
の移動が阻止される。ばね部材は板ばねを折り曲げるこ
とによって作られ、弾性部片の他、これを第1摩擦板の
突出部へ取り付けて固定するための基板部や脚板部、逆
止爪などが一体的に形成される。
【0006】
【実施例】以下、図示の実施例によってこの発明を説明
する。図中、10は本願の発明を利用した湿式の多板ク
ラッチであり、その摩擦板は潤滑油によって潤滑されて
いる。図示の多板クラッチ10は入力軸11の回転を出
力軸をなす左側の内軸12aと右側の内軸12bとに切
り換えて出力するべく使用される。多板クラッチ10は
前記内軸12aと内軸12bとの接続関係が略対称形と
なっており、その機能も大略同一であるので、以下の説
明は左側の内軸12aについて行い、右側の内軸12b
に関するものを省略する。
【0007】前記入力軸11はボス15に対してねじ結
合されており、入力軸11の回転はボス15に伝動され
る。ボス15は円板形のフランジ16を介して外筒17
と一体に形成されている。前記ボス15と外筒17との
間には油圧シリンダ21が形成され、そこにはピストン
22が摺動可能に嵌合されている。23は前記ピストン
22の戻しばねである。なお、前記油圧シリンダ21内
はボス15に形成した油路15aと入力軸11に設けら
れた油路(図示してない)を経て油圧ポンプ(図示して
ない)に接続されている。15bは油圧シリンダ21内
へ供給された圧油を解放するための放出路である。
【0008】前記外筒17の端部には軸方向に伸びるス
リット18が形成されており、スリット18には押圧板
31と受圧板32、および数枚の第1摩擦板33aが、
それらの外周に放射方向に向けて突設した突出部Aにお
いて軸方向にのみ移動可能に係止されている。また、前
記従動側をなす第2摩擦板33bは前記第1摩擦板33
aの間に配置され、その内周面にスプライン形の突出部
Bを有し、前記内軸12aにスプライン結合されてい
る。19は前記受圧板32を外筒17へ軸方向不動に支
持するスラストワッシャである。なお、この実施例では
押圧板31と第1摩擦板33aとは、名称は異なるもの
ゝ実質的に同一物が使用されている。
【0009】多板クラッチ10は以上のように構成され
ているので、クラッチを係合させるべくピストン22の
背面に圧油が供給されると、ピストン22が戻しばね2
3に抗して前進し、押圧板31の背面を押圧して受圧板
32へ向かって進出させる。その結果、両摩擦板33
a、33bが受圧板32と押圧板31との間で挟圧さ
れ、外筒17の回転が両摩擦板33a、33bを介して
内軸12aへ伝動される。係合しているクラッチを解離
すべくピストン22の背面に供給された圧油が排除され
ると、ピストン22は戻しばね23の弾力によって後退
し、押圧板31の押圧力が消失する。なお、以上の構成
および動作は従来公知の湿式多板クラッチと大差はな
い。
【0010】図2は本願の発明の要部をなすばね部材4
0の構成と、第1摩擦板33aとの連結構造を示す。す
なわち、第1摩擦板33aは略環状をなし、その外縁部
に前記スリット18に軸方向にのみ可動に係合させるべ
く放射方向に突出した略四角形の突出部Aを有する。突
出部Aには四角形の切欠き34と、やゝ内側に形成され
た係合凹部たる小径の透孔35とが形成されている。
【0011】ばね部材40は鋼板をプレス成形し焼き入
れして形成した板ばねをなし、第1摩擦板33aの外縁
部を挟んで取付けるための挟持部41と、その挟持部4
1に連なり隣接して配された弾性部片42とで構成され
ている。弾性部片42は第1摩擦板33aと押圧板3
1、受圧板32、あるいは他の第1摩擦板33aとの間
を引き離すばねをなすものである。なお、ばね部材40
は第1摩擦板33aの回転軸線に対して対称位置にある
突出部Aに取り付けられる。
【0012】よって、ばね部材40の挟持部41を第1
摩擦板33aの突出部Aに外方から挟み込むと、基板部
41aが突出部Aに設けた四角形の切欠き34に係合
し、逆止爪43が小径の透孔35に係合して固定され
る。すなわち、ばね部材40は第1摩擦板33aを外筒
17の内側へ組み付けるに先立って組み付けることがで
きる。また、小径の透孔35角孔にして逆止爪43を
角形とすれば、ばね部材40はより安定的に固定され
る。
【0013】前記挟持部41には前記第1摩擦板33a
の突出部Aの外面に対向する細長い基板部41aと、そ
の基板部41aの両端部を一側に屈曲して形成された2
枚の脚板部41b、41bとが設けられ、断面形状が略
コ字形とされる。さらに、脚板部41b、41bには図
5で示すように、内側に折り曲げられた逆止爪43が設
けられている。よって、ばね部材40を第1摩擦板33
aへ組み付けるには、前記コ字状の開いた部分を突出部
Aの外方から中心方向へ向け、基板部41aが突出部A
に形成した前記四角形の切欠き34の底に当接するまで
押し込む。基板部41aが切欠き34の底に当接すると
同時に前記逆止爪43が係合凹部たる小径の透孔35に
嵌まり、以後、ばね部材40は逆方向へ進行できなくな
り抜け止めされる。
【0014】前記弾性部片42は図3で示すように、挟
持部41の脚板部から周方向へ向けて伸びる細長い台形
をなし、この形状によってばね定数その他の特性を適宜
に設定する。また、弾性部片42は図4で示すように、
面方向すなわち、第1摩擦板33aから離れる方向へ伸
びて、その先端部で隣接する押圧板31、受圧板32、
あるいは第1摩擦板33aに当接し、ガタつかないよう
に、若干圧縮された状態で組み立てられている。
【0015】
【発明の効果】本願の発明によれば、ばね部材はリベッ
トその他の部材を用いることなく、第1摩擦板の突出部
へ取り付けられ、取り付け作業が容易である。弾性部片
とこれを第1摩擦板へ固定するための脚板部や基板部な
どの部材が、板材によって一体的に作られ、構造が簡単
で軽量である。などの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施例を示す多板クラッチの断面
図である。なお、本願発明の要部であるばね部材40に
ついては記載を省略し、図2〜図5に拡大して示してあ
る。
【図2】その要部の外観図である。
【図3】図2中の矢視III図である。
【図4】図3中の矢視IV図である。
【図5】そのV−V断面図である。
【図6】従来の多板クラッチを示す要部の断面図であ
る。
【図7】従来の他の多板クラッチを示す図6相当の要部
の断面図である。
【符号の説明】
10・・・・多板クラッチ 11・・・・入力軸 12a、12b・・・・内軸(出力軸) 15・・・・ボス 15a・・・・油路 15b・・・放出路 16・・・・フランジ 17・・・・外筒 18・・・・スリット 19・・・・スラストワッシャ 21・・・・油圧シリンダ 22・・・・ピストン 23・・・・戻しばね 31・・・・押圧板 32・・・・受圧板 33(33a、33b)・・・摩擦板 34・・・・切欠き 35・・・・透孔(係合凹部) 40・・・・ばね部材 41・・・・挟持部 41a・・・基板部 41b・・・脚板部 42・・・・弾性部片 43・・・・逆止爪 A、B・・・突出部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】同軸に配置した外筒と内軸とを有し、前記
    外筒に軸方向のみ可動に係止された第1摩擦板と、前記
    内軸に軸方向のみ可動に係止された第2摩擦板とを設
    け、前記第1摩擦板に形成した突出部に設けられ隣接す
    る第1摩擦板相互間を離隔する方向へ作用するばね部材
    を有する湿式多板クラッチにおいて、 前記突出部に外周方向へ向けて開く四角形の切欠きと、
    その切欠きのやゝ内周側に位置して小径の透孔とを設
    け、 前記ばね部材を切欠きに沿って形成された基板部と、そ
    の基板部の両端部から一側に伸びる2枚の脚板部、およ
    び、脚板部から周方向へ伸びかつ面方向に変形可能な弾
    性部片で構成するとゝもに、前記脚板部に取付け方向へ
    の移動のみ許容する逆止爪を設け、 前記突出部とばね部材とを、前記切欠きと基板部、およ
    び、脚板部から内側へ突出して設けた逆止爪と小径の透
    孔との係合によって結合してなる湿式多板クラッチの引
    きずり防止装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記ばね部材は板ばね
    からなり、前記2枚の脚板部と弾性部片とは一枚の鋼板
    をプレス成形して一体に形成されている湿式多板クラッ
    チの引きずり防止装置。
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