JP3048648U - 折板屋根用尾垂れ加工具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な操作で楽に尾垂れ加工を行える軽便な工
具を提供することを目的とする 【解決手段】中間部３が略稲妻型に曲折し且つ両端部が
扁平な長手の握持部１の両端に、該握持部の側方へせり
出した側の表面５ａ、５ｂに沿って折り返された扁平な
折返し部４ａ、４ｂを夫々設けると共に該折返し部と該
表面との間に折板屋根材８の傾斜下端縁９が嵌合する隙
間６ａ、６ｂを設け、該隙間を傾斜下端縁に嵌合させ、
握持部を引き上げることにより尾垂れ部を加工形成す
る。該握持部の両端の折返し部の夫々を幅の異なる扁平
板で形成し、握持部の一端に形成した幅の狭い折返し部
を該握持部を延長して形成し、その他端に形成した幅の
広い折返し部を該握持部とは別部材を一体に取り付けて
形成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、金属板を折り曲げて形成した折板屋根に尾垂れ部を形成加工するた めに使用される工具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の折板屋根に於いては、屋根材の谷部の下端の一部を屋根の勾配 よりも急傾斜に形成する尾垂れ加工を施し、該谷部を流れる雨水を該尾垂れによ り雨樋へ切れよく流すことが行われている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

この尾垂れ加工は、挟み式の工具例えばペンチを使用して行っているが、屋根 材を挟み付けながら下方へ捻る手と腕を使った作業を１つの谷部につき複数回繰 り返すので、加工に時間が掛かり作業者の疲労も大きいという欠点があった。

【０００４】 本考案は、簡単な操作で楽に尾垂れ加工を行える軽便な工具を提供することを 目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案では、中間部が略稲妻型に曲折し且つ両端部が扁平な長手の握持部の両 端に、該握持部の側方へせり出した側の表面に沿って折り返された扁平な折返し 部を設けると共に該折返し部と該表面との間に折板屋根材の傾斜下端縁が嵌合す る隙間を設けることにより、上記の目的を達成するようにした。該握持部の両端 部の幅を互いに異ならせ、各折返し部を幅が互いに異なる扁平板で形成してもよ く、また、該握持部の一端に形成される幅の狭い折返し部を該握持部を延長して 形成し、その他端の幅の広い折返し部を該握持部とは別部材を一体に取り付けて 形成してもよい。

【０００６】

【考案の実施の形態】

本考案の実施の形態を図面に基づき説明すると、図１、図２及び図３に於いて 符号１は両端部に扁平面２ａ、２ｂを有する金属製の長手板状の握持部を示し、 その中間部３を略稲妻型に屈曲させ、該両端部には折返し部４ａ、４ｂを夫々設 けた。各折返し部４ａ、４ｂは扁平板で扁平に形成され、該中間部３の曲折によ り側方へせり出した側の表面５ａ、５ｂに沿って折り返し、該表面５ａ、５ｂと 該折返し部４ａ、４ｂの間に隙間６ａ、６ｂを形成した。

【０００７】 本考案の加工具７は、図４に示したように、勾配を付けて設けられた折板屋根 材８の谷部１０の傾斜下端縁９にどちらか一方の隙間例えば隙間６ａを嵌合させ 、該握持部１が該屋根材８の上方で勾配の上流側に沿うように位置させる。そし て作業者が該握持部１の他方の端部を図示のように引き上げると、該傾斜下端縁 ９が該隙間６ａの深さ分Ａだけ該勾配よりも急傾斜に加工され、尾垂れ部１１が 形成される。通常は、該屋根材８の下端に沿って雨樋１３が設けられ、従来は、 該雨樋１３が邪魔になってペンチなどでは尾垂れ部１１を加工することが困難で 、雨樋１３の取り付け以前にその加工を行う必要があったが、本考案の加工具７ を使用することによりその加工作業が雨樋１３の存在に係わらず行え、作業の自 在性が向上し、上記のように握持部１を引き上げるだけで簡単に尾垂れ部１１を 形成できるから、作業が楽で迅速になる。

【０００８】 加工操作で形成される尾垂れ部１１の幅Ｂは、該扁平面２ａ、２ｂ及び該折返 し部４ａ、４ｂの幅Ｂ₁、Ｂ₂により決定され、該握持部１の一端の扁平面２ａ及 び折返し部４ａの幅Ｂ₁をその他端の扁平面２ｂ及び折返し部４ｂの幅Ｂ₂よりも 大きく形成し、使用する端部を変更することにより２種の幅の尾垂れ部１１が加 工できるようにした。該尾垂れ部１１の寸法は、該屋根材８の寸法によって大小 する谷部１０の寸法により、或いは、環境により変更されるが、両端部に所要寸 法の深さＡと幅Ｂを持つ加工具７を用意しておくことで簡単に尾垂れ加工を行え る。図示の例では、扁平面２ａ及び折返し部４ａを該握持部１とは別部材をＵ字 状に曲折して形成し、溶接により該握持部１に接着したが、該握持部１の端部を 加工して該扁平面２ａと折返し部４ａを形成してもよい。また、扁平面２ｂ及び 折返し部４ｂは該握持部１を延長しＵ字状に曲折して形成したが、この部分も別 部材にて形成することが可能である。該握持部１に形成した透孔１２は吊り紐の 挿通孔である。

【０００９】

【考案の効果】

以上のように本考案によるときは、中間部を略稲妻型に曲折した長手の握持部 の両端に、該握持部の側方へせり出した側の表面に沿ってた扁平な折返し部を夫 々設け、該折返し部と該表面との間に折板屋根の傾斜下端縁と嵌合する隙間を設 けたので、該握持部を引き上げるだけの簡単な操作で迅速に尾垂れ部の加工を行 え、雨樋の有無に係わらずその加工を行えるから作業手順に融通性ができ作業性 が向上し、工具の構造も簡単で安価に製作でき軽量で携帯も容易である等の効果 がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施の形態を示す正面図

【図２】図１の平面図

【図３】図２の３−３線断面図

【図４】使用状態の斜視図

【符号の説明】

１ 握持部、２ａ・２ｂ 扁平面、３ 中間部、４ａ・
４ｂ 折返し部、５ａ・５ｂ 表面、６ａ・６ｂ 隙
間、８ 折板屋根、９ 傾斜下端縁、１０ 谷部、１１
尾垂れ部、

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】中間部が略稲妻型に曲折し且つ両端部が扁
   平な長手の握持部の両端に、該握持部の側方へせり出し
   た側の表面に沿って折り返された扁平な折返し部を夫々
   設けると共に該折返し部と該表面との間に折板屋根材の
   傾斜下端縁が嵌合する隙間を設けたことを特徴とする折
   板屋根用尾垂れ加工具。
2. 【請求項２】上記握持部の両端の折返し部の夫々を幅の
   異なる扁平板で形成したことを特徴とする請求項１に記
   載の折板屋根用尾垂れ加工具。
3. 【請求項３】上記握持部の一端に形成した幅の狭い折返
   し部は該握持部を延長して形成され、その他端に形成し
   た幅の広い折返し部は該握持部とは別部材を一体に取り
   付けて形成したことを特徴とする請求項２に記載の折板
   屋根用尾垂れ加工具。