JP3048503B2 - 偏向ヨーク及びこの偏向ヨークを装着したカラー陰極線管 - Google Patents

偏向ヨーク及びこの偏向ヨークを装着したカラー陰極線管

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JP3048503B2
JP3048503B2 JP6203903A JP20390394A JP3048503B2 JP 3048503 B2 JP3048503 B2 JP 3048503B2 JP 6203903 A JP6203903 A JP 6203903A JP 20390394 A JP20390394 A JP 20390394A JP 3048503 B2 JP3048503 B2 JP 3048503B2
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saddle
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正信 本多
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、偏向ヨーク及びこの偏
向ヨークを装着したカラー陰極線管に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年のディスプレイモニターに使用され
るカラー陰極線管においては、ウインドゥズに代表され
るように、情報がスクリーン面の周辺部に表示される頻
度が非常に高い。このため、この部分における精細な画
像表示を可能にすることが要求されている。ラスター歪
みはスクリーン面の周辺部における画像品質を決定する
重要な要素の1つであり、偏向ヨーク自体の磁界分布が
その良否を左右するスクリーン面のラスター歪みに対す
る要求内容は非常に厳しいものとなっている。
【0003】一般に、ディスプレイモニター用のカラー
陰極線管に装着される偏向ヨークの垂直磁界分布は、セ
ルフコンバーゼンスの観点から、電子銃側からスクリー
ン側にかけて全体的にバレル歪みを有する。そして、こ
のようにバレル歪みを有すると、スクリーン面の左右の
ラスター歪みがピンクッション形状を呈することとなる
ため、ディスプレイモニターの回路側から水平偏向コイ
ルに補正電流を供給することにより、この歪みを除去し
ている。
【0004】しかし、通常、この補正電流は2次のピン
クッション歪みを補正する波形であるため、スクリーン
面の左右のラスター歪みに高次の歪みであるガルウィン
グが含まれていると、この補正電流によっては歪みを完
全に除去することができない。その一方、このガルウィ
ングは、視覚上の画像品質を極度に劣化させるため、回
避する必要がある。
【0005】特公平2−11973号公報においては、
水平偏向コイルのスクリーン側フランジ部の中央部分に
凹状形状を与えることにより、スクリーン面上下端のガ
ルウィングを低減する方法が提案されている。また、特
開昭62−180936号公報においては、水平偏向コ
イルのスクリーン側フランジ部の形状を多角形とするこ
とにより、スクリーン面上下端のガルウィングを低減す
る方法が提案されている。
【0006】また、これらの方法を垂直偏向コイルに適
用することにより、スクリーン面の左右のガルウィング
を低減することができることも容易に類推できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の特公平
2−11973号公報に開示されている方法では、垂直
偏向コイルのスクリーン側フランジ部の中央部分に凹状
形状を与えるプレス工程において、コイル線材が異常に
伸びて損傷を受ける可能性が高い。また、凹状形状をあ
まり深く形成すると、偏向ヨークを組み立てたときに凹
状形状が水平偏向コイルのコーン部に当接するため、ガ
ルウィングを除去するのに十分な凹状形状を形成しにく
いといった製造上及び設計上の問題点がある。また、特
開昭62−180936号公報に開示されている方法で
は、垂直偏向コイルのスクリーン側フランジ部の多角形
形状の頂角部分でコイル線材が異常に変形して損傷を受
ける可能性が高いといった製造上の問題点がある。
【0008】ところで、一般に、偏向ヨークにおいて
は、偏向磁界強度を増強するためにフェライトコアを装
着するが、このフェライトコアは同時に、偏向コイル自
体が形成する磁界の歪みを緩和する働き(以下「有芯磁
界効果」という)をも有している。従って、偏向収差を
最小化するために垂直磁界の歪みを偏向コイルの巻線分
布によって制御しても、フェライトコアの有芯磁界効果
によって磁界の歪みが緩和されるため、その分だけ偏向
収差の補正感度が低下してしまうといった問題点があ
る。
【0009】本発明は、従来技術における前記課題を解
決するため、垂直偏向コイルの巻線時にスクリーン側フ
ランジ部のコイル線材を損傷させることなく、左右ラス
ターにおけるガルウィングを十分に低減することのでき
る偏向ヨークを提供することを目的とする。また、左右
ラスターにおけるガルウィングを十分に低減して、画像
品質を向上させることのできるカラー陰極線管を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る偏向ヨークの構成は、サドル型水平偏
向コイルと、前記サドル型水平偏向コイルの外側に設け
られたサドル型垂直偏向コイルと、前記サドル型垂直偏
向コイルの外側に設けられたコアとを少なくとも備えた
偏向ヨークであって、前記サドル型垂直偏向コイルのス
クリーン側コーン部の管軸方向最大突き出し点が、前記
コアのスクリーン側先端部に位置する場合に比べて前記
コアの有芯磁界効果が10%以下になる範囲に位置する
ことを特徴とする。また、前記本発明の偏向ヨークの構
成においては、サドル型垂直偏向コイルのスクリーン側
コーン部の管軸方向最大突き出し点が、コアのスクリー
ン側先端部から10mm以上60mm以下の範囲に位置
しているのが好ましい。
【0011】また、前記本発明の偏向ヨークの構成にお
いては、サドル型垂直偏向コイルのスクリーン側コーン
部は、垂直軸を基準とした巻線角1゜から80゜の範囲
に巻回され、かつ、巻線角18゜から30゜の範囲に重
みを置いた巻線分布を有するのが好ましい。
【0012】また、本発明に係るカラー陰極線管の構成
は、ガラスパネルと、前記ガラスパネルの後部に接続さ
れたガラスファンネルとを有するカラー陰極線管本体
と、前記カラー陰極線管本体の後部に設けられた電子銃
と、前記カラー陰極線管本体の後部外周に配置されたサ
ドル型水平偏向コイルと、前記サドル型水平偏向コイル
の外側に設けられたサドル型垂直偏向コイルと、前記サ
ドル型垂直偏向コイルの外側に設けられたコアとを少な
くとも有する偏向ヨークとを備えたカラー陰極線管であ
って、前記サドル型垂直偏向コイルのスクリーン側コー
ン部の管軸方向最大突き出し点が、前記コアのスクリー
ン側先端部に位置する場合に比べて前記コアの有芯磁界
効果が10%以下になる範囲に位置することを特徴とす
る。
【0013】
【作用】前記本発明の偏向ヨークの構成によれば、サド
ル型垂直偏向コイルのスクリーン側コーン部の管軸方向
最大突き出し点を、前記コアのスクリーン側先端部に位
置する場合に比べて前記コアの有芯磁界効果が10%以
下になる範囲に位置させたことにより、スクリーン面の
左右の高次のラスター歪(ガルウィング)を最小化する
垂直磁界分布の歪みの状態を実現することができれば、
ガルウィングを効果的に低減することができる。また、
ガルウィングを効果的に低減することができるので、垂
直偏向コイルのスクリーン側フランジ部に凹状形状を与
えたり、垂直偏向コイルのスクリーン側フランジ部の形
状を多角形にすることなく、概ね円弧形状にすることが
できる。その結果、垂直偏向コイルの巻線時にスクリー
ン側フランジ部のコイル線材を損傷させるといった製造
上の問題も解消することができる。
【0014】また、前記本発明の偏向ヨークの構成にお
いて、サドル型垂直偏向コイルのスクリーン側コーン部
の管軸方向最大突き出し点が、コアのスクリーン側先端
部から10mm以上60mm以下の範囲に位置している
という好ましい例によれば、垂直偏向コイルのスクリー
ン側コーン部に対するコアの有芯磁界効果を小さくする
ことができる。また、前記本発明の偏向ヨークの構成に
おいて、サドル型垂直偏向コイルのスクリーン側コーン
部は、垂直軸を基準とした巻線角1゜から80゜の範囲
に巻回され、かつ、巻線角18゜から30゜の範囲に重
みを置いた巻線分布を有するという好ましい例によれ
ば、ガルウィングを最小化する最適な垂直磁界分布の歪
みの状態を容易に実現することができる。なぜなら、ガ
ルウィングを発生させる4次のピンクッション歪みは、
垂直軸を基準とした巻線角1゜から18゜の範囲に巻回
された垂直偏向コイルのスクリーン側コーン部の巻線に
よって発生するものであるため、相対的に、巻線角1゜
から18゜の範囲の巻線分布を減じることにより、4次
のピンクッション歪みを小さくしてガルウィングの発生
を抑えることができるからである。
【0015】また、前記本発明のカラー陰極線管の構成
によれば、前記本発明の構成に係る偏向ヨークを使用し
ていることにより、上記のようにガルウィングを効果的
に低減することができるので、画像品質を向上させるこ
とができる。
【0016】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的
に説明する。 <第1の実施例>図1は本発明に係る偏向ヨークの一実
施例を示す平面図、図2は図1のA−A方向から見た断
面図である。図1に示すように、偏向ヨークは、サドル
型に巻回された水平偏向コイル1と、水平偏向コイル1
の外側に設けられたサドル型垂直偏向コイル2と、垂直
偏向コイル2の外側に設けられたフェライトコア3とに
より構成されている。
【0017】垂直偏向コイル2のスクリーン側コーン部
2aは、垂直軸を基準とした巻線角1°から80°の範
囲に巻回され、特に、巻線角18°から30°の範囲に
重みを置いた巻線分布を有している、そして、その管軸
方向最大突き出し点4は、フェライトコア3のスクリー
ン側先端部3aから20mmの所に位置している。さら
に、垂直偏向コイル2のスクリーン側コーン部2aの管
軸方向最大突き出し点4を起点として連続的にスクリー
ン側フランジ部5が形成されている。図2に示すよう
に、垂直偏向コイル2のスクリーン側フランジ部5は概
ね円弧形状となるように巻回されている。
【0018】ところで、左右ラスターにおけるガルウィ
ングは、偏向ヨークのスクリーン側開口部付近における
垂直磁界分布の歪みに起因する。本偏向ヨークにおいて
は、ガルウィングを最小化するために垂直磁界分布の歪
みの状態を図3の実線6に示すように設定しているが、
ガルウィングが発生する垂直磁界分布の歪みは図3の破
線7で示すような状態になる。すなわち、破線7で示さ
れる垂直磁界分布には、4次のピンクッション歪みが含
有されている。この4次のピンクッション歪みは、垂直
軸を基準とした巻線角1°から18°の範囲に巻回され
た垂直偏向コイル2のスクリーン側コーン部2aの巻線
によって発生するものである。そこで、本実施例の垂直
偏向コイル2のスクリーン側コーン部2aにおいては、
相対的に、巻線角1°から18°の範囲の巻線分布を減
じ、巻線角18°から30°の範囲の巻線分布を増加さ
せるように、あらかじめ適切な調整がなされている。こ
れにより、4次のピンクッション歪みを低減することが
できるので、ガルウィングを最小化する垂直磁界分布の
歪みの状態(図3の実線6)を実現することができる。
【0019】しかし、このように垂直磁界分布の歪みの
状態を調整した垂直偏向コイル2のスクリーン側コーン
部2aにフェライトコア3を装着すると、このフェライ
トコア3の有芯磁界効果によって垂直磁界分布の歪みの
状態が緩和されてしまうため、ガルウィングを最小化す
る最適な垂直磁界分布の歪みの状態(図4の実線8)が
図4の破線9で示すような状態に変化してしまう。その
結果、適正なガルウィング補正を行うことができなくな
る。このように、フェライトコア3の有芯磁界効果によ
って磁界分布の歪みによる偏向収差補正感度が低下する
ので、特に精密な磁界分布の歪みの制御が必要な場合に
は、フェライトコアのない状態でこれを行うことが必要
となる。
【0020】図5はフェライトコアによる有芯磁界効果
と垂直偏向コイルのスクリーン側コーン部の管軸方向最
大突き出し点−フェライトコアのスクリーン側先端部間
の距離との関係を示す図である。図5から明らかなよう
に、垂直偏向コイル2のスクリーン側コーン部2aの管
軸方向最大突き出し点4とフェライトコア3のスクリー
ン側先端部3aとの間の距離が10mm以上になると、
有芯磁界効果は10%以下に減衰してしまうことが分か
る。これに基き、本実施例においては、垂直偏向コイル
2のスクリーン側コーン部2aの管軸方向最大突き出し
点4とフェライトコア3のスクリーン側先端部3aとの
距離を20mmに設定している。これにより、垂直偏向
コイル2のスクリーン側コーン部2aに対するフェライ
トコア3の有芯磁界効果を小さくすることができるの
で、ガルウィングを最小化する最適な垂直磁界分布の歪
みの状態(図4の実線8)を実現することができる。
【0021】以上のように、垂直偏向コイル2のスクリ
ーン側コーン部2aを、垂直軸を基準とした巻線角1°
から80°の範囲に巻回し、特に、巻線角18°から3
0°の範囲に重みを置いた巻線分布とし、かつ、垂直偏
向コイル2のスクリーン側コーン部2aの管軸方向最大
突き出し点4を、フェライトコア3のスクリーン側先端
部3aから20mmの所に位置させれば、ガルウィング
を効果的に低減することができる。その結果、垂直偏向
コイル2のスクリーン側フランジ部5に凹状形状を与え
たり、垂直偏向コイル2のスクリーン側フランジ部5の
形状を多角形にすることなく、上記のように概ね円弧形
状にすることができるので、垂直偏向コイル2の巻線時
にスクリーン側フランジ部5のコイル線材を損傷させる
といった製造上の問題も解消することができる。
【0022】尚、本実施例においては、垂直偏向コイル
2のスクリーン側コーン部2aを、垂直軸を基準とした
巻線角1°から80°の範囲に巻回し、特に、巻線角1
8°から30°の範囲に重みを置いた巻線分布としてい
るが、必ずしもこの構成に限定されるものではなく、ガ
ルウィングを最小化する垂直磁界分布の歪みの状態を実
現することができれば、その巻線角の範囲になんら制限
はない。
【0023】また、本実施例においては、垂直偏向コイ
ル2のスクリーン側コーン部2aの管軸方向最大突き出
し点4を、フェライトコア3のスクリーン側先端部3a
から20mmの所に位置させているが、必ずしもこの位
置に限定されるものではなく、フェライトコア3のスク
リーン側先端部3aから10mm以上60mm以下の範
囲に位置させれば同様の効果を得ることができる。
【0024】<第2の実施例>図6は本発明に係るカラ
ー陰極線管の平面図である。図6に示すように、カラー
陰極線管本体10は、ガラスパネル11と、ガラスパネ
ル11の後部に接続されたガラスファンネル12とによ
り構成されており、ガラスファンネル12の後部には電
子銃(図示せず)が設けられている。また、ガラスファ
ンネル12の後部外周には、サドル型に巻回された水平
偏向コイル1と、水平偏向コイル1の外側に設けられた
サドル型垂直偏向コイル2と、垂直偏向コイル2の外側
に設けられたフェライトコア3とからなる偏向ヨークが
装着されている。垂直偏向コイル2のスクリーン側コー
ン部2aは、垂直軸を基準とした巻線角1°から80°
の範囲に巻回され、特に、巻線角18°から30°の範
囲に重みを置いた巻線分布を有している、そして、垂直
偏向コイル2のスクリーン側コーン部2aの管軸方向最
大突き出し点4は、フェライトコア3のスクリーン側先
端部3aから20mmの所に位置している。さらに、垂
直偏向コイル2のスクリーン側コーン部2aの管軸方向
最大突き出し点4を起点として連続的にスクリーン側フ
ランジ部5が形成されている。また、垂直偏向コイル2
のスクリーン側フランジ部5は概ね円弧形状となるよう
に巻回されている。すなわち、本実施例のカラー陰極線
管においては、偏向ヨークとして上記第1の実施例で示
した構造の偏向ヨークを使用している(図1、図2参
照)。このように上記第1の実施例で示した構造の偏向
ヨークを使用しているため、上記のようにスクリーン面
の左右の高次のラスター歪み(ガルウィング)を最小化
する最適な垂直磁界分布の歪みの状態を容易に実現する
ことができるので、画像品質を向上させることができ
る。
【0025】尚、本実施例においても、垂直偏向コイル
2のスクリーン側コーン部2aを、垂直軸を基準とした
巻線角1°から80°の範囲に巻回し、特に、巻線角1
8°から30°の範囲に重みを置いた巻線分布としてい
るが、必ずしもこの構成に限定されるものではなく、ガ
ルウィングを最小化する垂直磁界分布の歪みの状態を実
現することができれば、その巻線角の範囲になんら制限
はない。
【0026】また、本実施例においても、垂直偏向コイ
ル2のスクリーン側コーン部2aの管軸方向最大突き出
し点4を、フェライトコア3のスクリーン側先端部3a
から20mmの所に位置させているが、必ずしもこの位
置に限定されるものではなく、フェライトコア3のスク
リーン側先端部3aから10mm以上60mm以下の範
囲に位置させれば同様の効果を得ることができる。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る偏向
ヨークによれば、サドル型垂直偏向コイルのスクリーン
側コーン部の管軸方向最大突き出し点を、前記コアのス
クリーン側先端部に位置する場合に比べて前記コアの有
芯磁界効果が10%以下になる範囲に位置させたことに
より、スクリーン面の左右の高次のラスター歪(ガルウ
ィング)を最小化する垂直磁界分布の歪みの状態を実現
することができれば、ガルウィングを効果的に低減する
ことができる。また、ガルウィングを効果的に低減する
ことができるので、垂直偏向コイルのスクリーン側フラ
ンジ部に凹状形状を与えたり、垂直偏向コイルのスクリ
ーン側フランジ部の形状を多角形にすることなく、概ね
円弧形状にすることができる。その結果、垂直偏向コイ
ルの巻線時にスクリーン側フランジ部のコイル線材を損
傷させるといった製造上の問題も解消することができ
る。
【0028】また、前記本発明の偏向ヨークの構成にお
いて、サドル型垂直偏向コイルのスクリーン側コーン部
の管軸方向最大突き出し点が、コアのスクリーン側先端
部から10mm以上60mm以下の範囲に位置している
という好ましい例によれば、垂直偏向コイルのスクリー
ン側コーン部に対するコアの有芯磁界効果を小さくする
ことができる。また、前記本発明の偏向ヨークの構成に
おいて、サドル型垂直偏向コイルのスクリーン側コーン
部は、垂直軸を基準とした巻線角1゜から80゜の範囲
に巻回され、かつ、巻線角18゜から30゜の範囲に重
みを置いた巻線分布を有するという好ましい例によれ
ば、ガルウィングを最小化する最適な垂直磁界分布の歪
みの状態を容易に実現することができる。なぜなら、ガ
ルウィングを発生させる4次のピンクッション歪みは、
垂直軸を基準とした巻線角1゜から18゜の範囲に巻回
された垂直偏向コイルのスクリーン側コーン部の巻線に
よって発生するものであるため、相対的に、巻線角1゜
から18゜の範囲の巻線分布を減じることにより、4次
のピンクッション歪みを小さくしてガルウィングの発生
を抑えることができるからである。
【0029】また、前記本発明のカラー陰極線管によれ
ば、前記本発明の構成に係る偏向ヨークを使用している
ことにより、上記のようにガルウィングを効果的に低減
することができるので、画像品質を向上させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る偏向ヨークの一実施例を示す平面
図である。
【図2】図1のA−A方向から見た断面図である。
【図3】ガルウィングを最小化する垂直磁界分布の歪み
の状態とガルウィングを発生させる垂直磁界分布の状態
を説明するための図である。
【図4】有芯磁界効果のない垂直磁界分布の状態と有芯
磁界効果を受けた垂直磁界分布の状態を説明するための
図である。
【図5】フェライトコアの有芯磁界効果と垂直偏向コイ
ルのスクリーン側コーン部の管軸方向最大突き出し点位
置−フェライトコアのスクリーン側先端部間距離との関
係を示す図である。
【図6】本発明に係るカラー陰極線管の一実施例を示す
平面図である。
【符号の説明】
1 サドル型水平偏向コイル 2 サドル型垂直偏向コイル 2a 垂直偏向コイルのスクリーン側コーン部 3 フェライトコア 3a フェライトコアのスクリーン側先端部 4 垂直偏向コイルのスクリーン側コーン部の管軸方向
最大突き出し点 5 垂直偏向コイルのスクリーン側フランジ部 6 ガルウィングを最小化する垂直磁界分布の歪みの状
態 7 ガルウィングが発生する垂直磁界分布の歪みの状態 8 ガルウィングを最小化する最適な垂直磁界分布の歪
みの状態 9 フェライトコアの有芯磁界効果によって変化した垂
直磁界分布の歪みの状態 10 カラー陰極線管本体 11 ガラスパネル 12 ガラスファンネル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 29/76

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サドル型水平偏向コイルと、前記サドル
    型水平偏向コイルの外側に設けられたサドル型垂直偏向
    コイルと、前記サドル型垂直偏向コイルの外側に設けら
    れたコアとを少なくとも備えた偏向ヨークであって、前
    サドル型垂直偏向コイルのスクリーン側コーン部の管
    軸方向最大突き出し点が、前記コアのスクリーン側先端
    に位置する場合に比べて前記コアの有芯磁界効果が1
    0%以下になる範囲に位置ることを特徴とする偏向ヨ
    ーク。
  2. 【請求項2】 サドル型垂直偏向コイルのスクリーン側
    コーン部の管軸方向最大突き出し点が、コアのスクリー
    ン側先端部から10mm以上60mm以下の範囲に位置
    している請求項1に記載の偏向ヨーク
  3. 【請求項3】 サドル型垂直偏向コイルのスクリーン側
    コーン部は、垂直軸を基準とした巻線角1゜から80゜
    の範囲に巻回され、かつ、巻線角18゜から30゜の範
    囲に重みを置いた巻線分布を有する請求項1に記載の偏
    向ヨーク。
  4. 【請求項4】 ガラスパネルと、前記ガラスパネルの後
    部に接続されたガラスファンネルとを有するカラー陰極
    線管本体と、前記カラー陰極線管本体の後部に設けられ
    た電子銃と、前記カラー陰極線管本体の後部外周に配置
    されたサドル型水平偏向コイルと、前記サドル型水平偏
    向コイルの外側に設けられたサドル型垂直偏向コイル
    と、前記サドル型垂直偏向コイルの外側に設けられたコ
    アとを少なくとも有する偏向ヨークとを備えたカラー陰
    極線管であって、前記サドル型垂直偏向コイルのスクリ
    ーン側コーン部の管軸方向最大突き出し点が、前記コア
    のスクリーン側先端部に位置する場合に比べて前記コア
    の有芯磁界効果が10%以下になる範囲に位置すること
    を特徴とするカラー陰極線管。
JP6203903A 1994-08-23 1994-08-29 偏向ヨーク及びこの偏向ヨークを装着したカラー陰極線管 Expired - Fee Related JP3048503B2 (ja)

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