JP3048268B2 - エポキシ樹脂およびその製造方法 - Google Patents

エポキシ樹脂およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なエポキシ樹脂、
およびその製造方法に関する。本発明のエポキシ樹脂
は、低い軟化点を有し、溶融流動性に優れ、しかも、耐
熱性、機械的特性、耐湿性にも優れ、注形用、積層用、
塗料用、半導体封止剤用等、幅広い分野においての利用
が可能な樹脂である。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は複合材用マトリックス樹
脂や接着剤等、幅広い分野において利用されている。従
来の典型的なエポキシ樹脂としては、 2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン、4,4'−ジヒドロキシジ
フェニルスルホン等のビスフェノール類や4,4'−ジアミ
ノジフェニルメタン、3,3'−ジアミノジフェニルスルホ
ン等の芳香族ジアミン類をエピハロヒドリンと反応させ
て得られるもの、フェノールノボラック樹脂やクレゾー
ルノボラック樹脂をエピハロヒドリンと反応させて得ら
れるものなど多種多様のものがあり、それぞれ適当な硬
化剤と組み合わせて、先に述べたような各種用途に利用
されている。しかし、これら典型的なエポキシ樹脂は、
先端技術分野における要求性能に充分応え得るものとは
言い難い。例えば、骨格中にスルホン構造を導入したも
の、あるいは、ジアミン構造により架橋密度を高めたも
のなどは高い耐熱性を示す反面、吸水率が高くなり、結
果として耐湿性を犠牲とした上で耐熱性を向上させてい
る。一方、フェノールノボラック樹脂を用いたエポキシ
樹脂は、耐湿性は良好であるが、耐熱性でまだ改良が求
められている。
【0003】この様に、従来のエポキシ樹脂は、全般的
な性能においてまだ満足されていない。近年、この問題
を解決するものとして、特公昭47-13782号公報にはフェ
ノール類を原料とするフェノールアラルキル樹脂から得
られるエポキシ樹脂が提案されている。このものは、ア
ラルキルハライドまたはアラルキルアルコール誘導体1
モルに対してフェノール類を 1.3〜3.0モル、実質的に
は、 1.5〜1.9 モル反応させて得られるフェノールアラ
ルキル樹脂に、エピハロヒドリンを反応させたものであ
る。これらのエポキシ樹脂を用いた硬化組成物では、耐
熱性、機械的強度、耐湿性、耐酸化性等において、前記
フェノールノボラック樹脂から得られるエポキシ樹脂を
用いたものより優れることが判明した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年の
複合材用マトリックス樹脂に対する要求性能は、特に耐
湿性の面で大幅な改善が望まれている。また、これら複
合材用マトリックス樹脂では、作業性の面で原料樹脂の
軟化点は低いことが望まれており、この軟化点として
は、好ましくは 100℃以下、更には、常温で液状であれ
ば理想的である。このことは、原料樹脂や各種配合剤等
の混練時における過度の加熱溶融や溶剤の使用など、本
来不要な作業を軽減あるいは省略することを可能にす
る。この様な性能面および作業面での改善要求に対し
て、耐湿性を向上させる方法としては、原料となるフェ
ノールアラルキル樹脂中のフェノール成分として分子量
の大きいものを使用することが考えられる。これは単位
分子当たりの官能基密度を小さくすることによって疎水
性を増す考え方であり、この様なフェノール化合物とし
てはフェニルフェノール類が挙げられる。
【0005】しかしながら、フェニルフェノールを原料
として、前記特公昭47-13782号公報の方法によって樹脂
を製造した場合、アラルキルハライドまたはアラルキル
アルコール誘導体1モルに対して、フェニルフェノール
が1.3〜3モルに限定されており、結果として得られる
フェニルフェノールアラルキル樹脂の組成は、一般式
(I)における繰り返し単位のnが0である成分が40
%(GPC Area%)以下となり、この組成範囲のフェ
ニルフェノールアラルキル樹脂から得られるエポキシ樹
脂の軟化点は 100℃以上となるため、作業面での改善は
何ら達成されていないことが判明した。
【0006】本発明の課題は、複合材用マトリックス樹
脂として、耐熱性、耐酸化性、機械的性能を損なうこと
なく、耐湿性を向上させるとともに、作業性のよい、低
軟化点を有するエポキシ樹脂を開発することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するために鋭意検討を行い、その結果、本発明
を完成させたものである。すなわち、本発明は、一般式
(I)(化4)で表わされる低分子量フェニルフェノー
ルアラルキル樹脂
【0008】
【化4】 (式中、nは0〜10の整数を表わし、n=0を40%以
上含有する)とエピハロヒドリンとを、ハロゲン化水素
アクセプターの存在下に反応させて得られるエポキシ樹
脂および一般式(II)(化5)で表わされるアラルキル
ハライドまたはアラルキルアルコール誘導体
【0009】
【化5】 (式中、Rはハロゲン原子、水酸基、または炭素数4以
下の低級アルコキシ基を表わす)に酸触媒の存在下で、
3倍モル以上のフェニルフェノールを反応させた後、未
反応のフェニルフェノールを回収して、一般式(I)で
表わされる低分子量フェニルフェノールアラルキル樹脂
を得、これに、さらに、ハロゲン化水素アクセプターの
存在下に、エピハロヒドリンを反応させるエポキシ樹脂
の製造方法に関するものである。
【0010】本発明において使用される低分子量のフェ
ニルフェノールアラルキル樹脂は、一般式(I)で表さ
れ、繰り返し単位の数nは0〜10の範囲であり、nが0
である成分を40%(GPC Area%)以上含有し、平
均分子量は 400〜1500で、液状乃至は JIS K−2548の環
球法による軟化点が85℃以下の樹脂である。本発明にお
いて、n=0の含有量は、高速液体クロマトグラフィー
(GPC)により分析したArea%で表される。本発明
は、本発明者らが検討の結果、エポキシ樹脂の原料であ
る一般式(I)で表されるフェニルフェノールアラルキ
ル樹脂の繰り返し単位nが0である成分が、全組成中に
40%(GPC Area%)以上を占めるフェニルフェノ
ールアラルキル樹脂では、それから得られるエポキシ樹
脂の軟化点が 100℃以下になるという事実を見出したこ
とを基になされたものである。
【0011】本発明の方法によるフェニルフェノールア
ラルキル樹脂から得られるエポキシ樹脂は、一般的なエ
ポキシ樹脂用硬化剤と組み合わせることにより、耐熱
性、耐湿性、機械的強度等において優れた性能を示す硬
化物を与える。例えば、フェニルフェノールアラルキル
樹脂から得られるエポキシ樹脂とフェノールアラルキル
樹脂から得られるエポキシ樹脂を、それぞれ、フェノー
ルノボラック樹脂を硬化剤として使用した場合の硬化物
について比較すると、後者の硬化物に比べ、前者の硬化
物では、そのTg (ガラス転移温度) は30〜60℃上昇
し、吸水率(D-2/100 、100 ℃において2時間煮沸)
は1/2〜3/4まで減少する。それゆえ、フェニルフ
ェノールアラルキル樹脂から得られるエポキシ樹脂は、
高耐熱性、高耐湿性の両面を充分満足するものとなって
いる。更に、本発明のエポキシ樹脂は、常温で油状、乃
至は低軟化点を有するものであるため、配合、塗布、含
浸等における作業性は非常に良好であり、このことも本
発明のエポキシ樹脂の特徴である。
【0012】次に、一般式(I)で表わされる低分子量
フェニルフェノールアラルキル樹脂を得るための方法を
具体的に説明する。本発明において使用されるアラルキ
ルハライドまたはアラルキルアルコール誘導体は、一般
式(II)で示され、この式で、Rは塩素、臭素、ヨウ
素、フッ素、水酸基、または炭素数4以下の低級アルコ
キシ基が好ましく、炭素数が4以上のアルコキシ基では
反応が遅い。また、炭素数が4、すなわちブトキシ基に
おいても、tert−ブトキシ基では反応が遅い傾向があ
る。したがって、本発明において使用するのに好適なも
のは、α,α’−ジクロロ−p−キシレン、α,α’−
ジブロモ−p−キシレン、α,α’−ジヨード−p−キ
シレン、α,α’−ジヒドロキシ−p−キシレン、α,
α’−ジメトキシ−p−キシレン、α,α’−ジエトキ
シ−p−キシレン、α,α’−ジ−n−プロポキシ−p
−キシレン、α,α’−ジイソプロポキシ−p−キシレ
ン、α,α’−ジ−n−ブトキシ−p−キシレン、α,
α’−ジ− sec−ブトキシ−p−キシレン、α,α’−
ジイソブトキシ−p−キシレン等が挙げられる。
【0013】本発明の反応において使用されるフェニル
フェノールは、o-フェニルフェノール、m-フェニルフェ
ノールまたはp-フェニルフェノールである。本発明の反
応は、一般式(II)で表わされるアラルキルハライドま
たはアラルキルアルコール誘導体1 molに対して、フェ
ニルフェノールを 3.0〜20 mol、好ましくは3.0 〜10 m
olの範囲で加え、酸触媒の存在下で加熱して行う。本発
明の方法で用いる酸触媒としては、無機或いは有機の
酸、例えば塩酸、硫酸、燐酸などの鉱酸、メタンスルホ
ン酸、p−トルエンスルホン酸などの有機スルホン酸、
さらに塩化亜鉛、塩化アルミニウム、塩化第二錫、塩化
第二鉄などのフリーデルクラフツ型触媒、ジメチル硫
酸、ジエチル硫酸などの硫酸エステル、トリフロロメタ
ンスルホン酸、三ふっ化ほう素などの超強酸等を単独
で、或いは併用して使用することができる。触媒の使用
量は、フェニルフェノール、アラルキルハライドまたは
アラルキルアルコール誘導体の総重量の約0.0001〜10重
量%、好ましくは0.001 〜1重量%程度である。
【0014】反応の形態としては、原料を一括して装入
して反応する方法や、フェニルフェノールと触媒の混合
物の中にアラルキルハライドまたはアラルキルアルコー
ル誘導体を添加して、順次反応させる方法など、任意の
方法が選択される。反応が進行するにつれ、生成するハ
ロゲン化水素、水、またはアルコール等はトラップし
て、系外に除去する。反応温度は、 110℃以上が望まし
く、 110℃以下においては反応は極端に遅くなる。ま
た、反応時間をできるだけ短くするためには、反応温度
は 130〜250 ℃の範囲が望ましく、更には、 130から 1
80℃の範囲がより望ましい。反応時間は1〜30時間程で
ある。
【0015】反応終了後、未反応のフェニルフェノール
を真空蒸留などの任意の手段により除去することにより
フェニルフェノールアラルキル樹脂を得る。このように
して得られたフェニルフェノールアラルキル樹脂をエポ
キシ化する方法としては、公知の方法が適用できる。す
なわち、得られたフェニルフェノールアラルキル樹脂を
エピハロヒドリン、好ましくはエピクロルヒドリンと通
常、40〜120 ℃の温度範囲内でハロゲン化水素アクセプ
ターの存在下に反応させる。反応に使用されるエピハロ
ヒドリンの量はエポキシ樹脂の使用目的にもよるが、通
常、フェニルフェノールアラルキル樹脂中の水酸基に対
して 2.0〜30倍当量、好ましくは経済性を考慮すれば10
倍当量以下である。本発明のハロゲン化水素アクセプタ
ーとして特に適当なものは、アルカリ金属水酸化物、例
えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムである。ハロ
ゲン化水素アクセプターは、前記フェニルフェノールア
ラルキル樹脂とエピハロヒドリンとの加熱された混合物
中に、水溶液として徐々に滴下するのが望ましい。ハロ
ゲン化水素アクセプターの使用量は、樹脂中の水酸基に
対して、1.0 〜1.5 倍当量である。反応後、過剰のアク
セプター物質および副生する塩は真空蒸留や水洗等の手
段によって反応生成物から除去される。
【0016】また、本発明の方法によって製造されたエ
ポキシ樹脂は、慣用の硬化剤で硬化させることができ
る。硬化剤の典型的な例は、エポキシ樹脂のための慣用
の硬化剤であり、ビス(4−アミノフェニル)メタン、
アニリン/ホルムアルデヒド樹脂、ビス(4−アミノフ
ェニル)スルホン、プロパン− 1,3−ジアミン、ヘキサ
メチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレ
ンテトラミン、 2,2,4−トリメチルヘキサン− 1,6−ジ
アミン、m−キシリレンジアミン、ビス(4−アミノシ
クロヘキシル)メタン、 2,2−ビス(4-アミノシクロヘ
キシル) プロパンおよび3−アミノメチル− 3,5,5−ト
リメチルシクロヘキシルアミン(イソホロンジアミン)
のような脂肪族、脂環式、芳香族および複素環式アミ
ン;脂肪族ポリアミンと二量化又は三量化脂肪酸から得
られるようなポリアミノアミド;レゾルシノール、ヒド
ロキノン、 2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ンおよびフェノール/アルデヒド樹脂のようなポリフェ
ノール;“チオコールズ”として市販されているような
ポリチオール;例えば無水フタル酸、無水テトラヒドロ
フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸無水物、ヘキサクロロ
エンドメチレンテトラヒドロフタル酸無水物、ピロメリ
ット酸無水物、 3,4,3',4'−ベンゾフェノンテトラカル
ボン酸2無水物、前記無水物の酸並びにイソフタル酸お
よびテレフタル酸のようなポリカルボン酸およびその無
水物等である。硬化剤がポリカルボン酸またはそれらの
無水物である場合には、通常、1当量のエポキシ基に対
して 0.4ないし 1.1当量のカルボキシル基または無水物
基が用いられる。硬化剤がポリフェノールである場合に
は、1当量のエポキシ基につき0.75ないし1.25のフェノ
ール性水酸基を使用する。
【0017】また、本発明の方法で製造されたエポキシ
樹脂は触媒的硬化剤で硬化させることもできる。触媒的
硬化剤としては、ジメチルベンジルアミンなどの3級ア
ミン類、2−ウンデシルイミダゾールなどのイミダゾー
ル類あるいは各種の金属化合物等の公知慣用物が挙げら
れる。触媒的硬化剤の使用量は、重量でエポキシ樹脂10
0部につき1ないし40部が一般に用いられる。
【0018】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。 実施例1 攪拌器、温度計、ディーンスターク共沸トラップ、およ
び冷却器を装着した反応装置に、α,α’−ジメトキシ
−p−キシレン 249g (1.5 mol)、o-フェニルフェノー
ル 1275g(7.5mol)およびメタンスルホン酸 7.6g( 0.5
%)を装入し、攪拌を行いながら、150 〜160 ℃で4時
間反応を行った。生成するメタノールは、順次トラップ
し、系外へ除去した。反応終了後、未反応のo-フェニル
フェノールを減圧蒸留により除去し、一般式(I)の構
造を持つ482gのo-フェニルフェノールアラルキル樹脂を
得た。高速液体クロマトグラフィーによる樹脂の組成
は、Area%で、n=0が61.8%、n=1が17.9%、n=
2が8.5 %、n≧3が11.8%であった。この樹脂のヒド
ロキシ当量は、253.2g/eqであり、JISK-2548記載の環
球法により測定した軟化点(以下同じ)は64℃であっ
た。このo-フェニルフェノールアラルキル樹脂450gとエ
ピクロルヒドリン 822g( 8.9mol) を混合し、攪拌器、
ディーンスターク共沸蒸留トラップおよび滴下ロートを
装着した反応器に装入した。この混合物を攪拌しなが
ら、 115〜119 ℃に昇温したのち、同温度で40%水酸化
ナトリウム水溶液196gを4時間で滴下し、留出した水は
連続的に分離除去し、エピクロルヒドリンは反応器に戻
した。滴下終了後、留出水を除去して反応を終了した。
この後、過剰のエピクロルヒドリンを減圧蒸留して除去
した。次に、反応生成物をトルエン1500gに溶解し、塩
化ナトリウムおよび少過剰の水酸化ナトリウムをろ過し
た後、 500gの水で水洗を2回行い、トルエンを減圧蒸
留により留去し、褐色固体のエポキシ樹脂を 503g得
た。このもののエポキシ当量は 342g/eq、軟化点は47
℃であった。
【0019】実施例2 攪拌器、温度計、ディーンスターク共沸トラップ、およ
び冷却器を装着した反応装置に、α,α’−ジヒドロキ
シ−p−キシレン 207.3g(1.5mol)、p-フェニルフェノ
ール 2550g (15mol)およびメタンスルホン酸1.38g (0.
05%)を装入し、攪拌を行いながら、 150〜160 ℃で4
時間反応を行った。生成する水は、順次トラップし、系
外へ除去した。反応終了後、未反応p-フェニルフェノー
ルを減圧蒸留により除去し、一般式(I)の構造を持つ
453gのp-フェニルフェノールアラルキル樹脂を得た。高
速液体クロマトグラフィーによる樹脂の組成は、n=0
が83.6%、n=1が 9.4%、n=2が4.1 %、n≧3が
2.9%であった。この樹脂のヒドロキシ当量は、 248.6
g/eqであり、また、軟化点は42℃であった。このp-フ
ェニルフェノールアラルキル樹脂400gとエピクロルヒド
リン 744g(8.0mol) を混合し、攪拌器、ディーンスタ
ーク共沸蒸留トラップおよび滴下ロートを装着した反応
容器に装入した。この混合物を攪拌しながら 115〜119
℃に昇温したのち、同温度で40%水酸化ナトリウム水溶
液 197gを4時間で滴下し、留出した水は連続的に分離
除去し、エピクロルヒドリンは反応器に戻した。滴下終
了後、留出水を除去して反応を終了した。この後、過剰
のエピクロルヒドリンを減圧蒸留して除去した。反応生
成物をトルエン1300gに溶解し、塩化ナトリウムおよび
少過剰の水酸化ナトリウムをろ過した後、 500gの水で
水洗を2回行い、トルエンを減圧蒸留により留去し、黄
色油状のエポキシ樹脂を 451g得た。このエポキシ樹脂
のエポキシ当量は 338g/eqであり、東京計器製E型粘
度計により測定した粘度は、950 g/cm・sec(35℃) で
あった。
【0020】実施例3 攪拌器、温度計、ディーンスターク共沸トラップ、およ
び冷却器を装着した反応装置に、α,α’−ジメトキシ
−p−キシレン 249g(1.5mol) 、o-フェニルフェノー
ル 765g(4.5mol) およびトリフロロメタンスルホン酸
0.01g(0.001%)を装入し、攪拌を行いながら 150〜 160
℃で4時間反応を行った。生成する水は、順次トラップ
し、系外へ除去した。反応終了後、未反応のo-フェニル
フェノールを減圧蒸留により除去し、一般式(I) の構造
を持つ 452g のo-フェニルフェノールアラルキル樹脂を
得た。高速液体クロマトグラフィーによる樹脂の組成
は、n=0が 43.7%、n=1が 21.3%、n=2が 13.8
%、n≧3が 21.2%であった。この樹脂のヒドロキシ当
量は、 261.2g/eqであり、また、軟化点は88℃であっ
た。このo-フェニルフェノールアラルキル樹脂400g と
エピクロルヒドリン 712.3g(7.7mol)を混合し、攪拌
器、ディーンスターク共沸蒸留トラップおよび滴下ロー
トを装着した反応容器に装入した。この混合物を攪拌し
ながら、 115〜 119℃に昇温したのち、同温度で、40%
水酸化ナトリウム水溶液 168gを4時間で滴下した。留
出した水は連続的に分離除去し、エピクロルヒドリンは
反応器に戻した。滴下終了後、留出水を除去して反応を
終了した。この後、過剰のエピクロルヒドリンを減圧蒸
留して除去した。反応生成物をトルエン1300gに溶解
し、塩化ナトリウムおよび少過剰の水酸化ナトリウムを
濾過した後、 500gの水で水洗を2回行い、トルエンを
減圧蒸留により留去し、黄色油状のエポキシ樹脂を 437
g得た。このエポキシ樹脂のエポキシ当量は、 349g/eq
であり、軟化点は67℃であった。
【0021】比較例1 攪拌器、温度計、およびデインスターク共沸蒸留トラッ
プを装着した反応容器に、α,α’−ジメトキシ−p−
キシレン 166g(1.0mol)、フェノール179 g(1.9mol)お
よびパラトルエンスルホン酸1.5gを装入し、その混合溶
液を 130℃〜150 ℃に保ちながら攪拌を行った。反応中
に生成するメタノールは蒸留除去した。3時間でメタノ
ールの発生が無くなり、縮合が完了した。一般式(A)
(化6)の構造を持つフェノールアラルキル樹脂組成物
を 280g得た。
【0022】
【化6】 得られた樹脂の平均分子量は2054であり、この平均分子
量から推測すると平均繰返し単位mは10であった。ま
た、軟化点は73.5℃であった。この樹脂 240gとエピク
ロルヒドリン 694g(7.5mol)を混合し、攪拌器、ディー
ンスターク共沸蒸留トラップおよび滴下ロートを装着し
た反応容器に装入した。この混合物を攪拌しなから 115
〜119 ℃に昇温したのち、同温度で、40%水酸化ナトリ
ウム水溶液165gを3時間で滴下し、留出した水は連続
的に分離除去し、エピクロルヒドリンは反応器に戻し
た。滴下終了後、留出水を除去して反応を終了した。こ
の後、過剰のエピクロルヒドリンを減圧蒸留して除去し
た。反応生成物をトルエン1500gに溶解し、塩化ナトリ
ウムおよび少過剰の水酸化ナトリウムをろ過した後、 5
00gの水で水洗を2回行い、トルエンを減圧蒸留により
留去し、黄色固体状のエポキシ樹脂を 275g得た。この
もののエポキシ当量は 274g/eq、軟化点は54℃であっ
た。
【0023】比較例2 攪拌器、温度計、およびディーンスターク共沸蒸留トラ
ップを装着した反応容器に、α,α’−ジメトキシ−p
−キシレン 166g(1.0mol)、o-フェニルフェノール 255
g(1.5mol) およびメタンスルホン酸 2.1g(0.5%)を装
入し、攪拌を行いながら 150〜160 ℃で4時間反応を行
った。生成するメタノールは順次トラップし、系外へ除
去した。反応終了後、未反応o-フェニルフェノールを減
圧蒸留により除去し、一般式(I)の構造を持つ、 326
gのo-フェニルフェノールアラルキル樹脂を得た。高速
液体クロマトグラフィーによる樹脂の組成は、n=0が
17.5%、n=1が16.3%、n=2が13.4%、n=3が1
0.7%、n≧4が42.1%であった。この樹脂のヒドロキ
シ当量は 283g/eqであり、また、軟化点は 110℃であ
った。このo-フェニルフェノールアラルキル樹脂250g
と、エピクロルヒドリン 409g(4.4mol)を混合し、攪拌
器、温度計、ディーンスターク共沸蒸留トラップおよび
滴下ロートを装着した反応容器に装入した。この混合物
を攪拌しながら 115〜119℃に昇温した後、同温度で、4
0%水酸化ナトリウム水溶液 97gを3時間で滴下した。
共沸する水は系外に分離除去し、エピクロルヒドリンは
反応器に戻した。滴下終了後、留出水を除去して反応を
終了した。この後、過剰のエピクロルヒドリンを減圧蒸
留して除去した。反応生成物をトルエン1500gに溶解さ
せ、塩化ナトリウムおよび少過剰の水酸化ナトリウムを
ろ過した後、 500gの水で水洗を2回行った。トルエン
を減圧蒸留により留去し、褐色固体のエポキシ樹脂を 2
82g得た。このもののエポキシ当量は 387g/eqであ
り、また、軟化点は 102℃であった。
【0024】使用例 実施例1、2、3および比較例1、2により得られたエ
ポキシ樹脂およびo−クレゾールノボラックから導かれ
るエポキシ樹脂(EOCN-102S、日本化薬製)の各々
に、硬化剤としてフェノールノボラック樹脂(BRG#5
58:昭和高分子製)を表−1(表1、2)に示す条件で
配合し、注形加工した。加工後の硬化樹脂について、下
記の方法でその物性を測定した。 煮沸吸水率:煮沸 100℃、2時間 曲げ試験 :JIS K-7203 引張り試験:JIS K-7113 測定結果を表−1に示した。尚、表中Tgはガラス転位
温度を示す。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】表−1で明らかな様に、本発明のフェニル
フェノールアラルキル樹脂のエポキシ化物を用いて得ら
れる使用例1〜3に示される硬化物は、o−クレゾール
ノボラック樹脂のエポキシ化物より得られる使用例6の
硬化物と比較して、その耐熱性(Tg)は高い水準を保
ちながら、その耐湿性(煮沸吸水率)ははるかに低い値
となっており、大幅な改善が認められる。さらに、フェ
ノールアラルキル樹脂のエポキシ化物より得られる使用
例4の硬化物と比較した場合、フェノールアラルキル樹
脂のエポキシ化物の特徴である低吸水率を更に上回る低
吸水率を示し、かつ、格段に高い耐熱性を有しているこ
とがわかる。また、フェニルフェノールアラルキル樹脂
のエポキシ化物(使用例5)は、その物性は高い水準に
あるものの、フェニルフェノールアラルキル樹脂自体の
分子量分布が本発明により用いられるフェニルフェノー
ルアラルキル樹脂と比較して高分子量化しているため、
得られるエポキシ化物の軟化点が100℃以上であり、
前述の如き理由により、その使用に際して作業性が著し
く低下するため好ましくない。すなわち、本発明により
得られるフェニルフェノールアラルキル樹脂のエポキシ
化物は、耐熱性、耐湿性ともに高い水準を示す硬化物を
与え、しかも、作業性も良好であり、性能のバランスの
優れたエポキシ樹脂である。
【0028】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明のエポキ
シ樹脂は、低軟化点を有する樹脂であることから、混
練、配合等の作業性に優れた樹脂である。
【0029】更に、その硬化組成物は、機械的強度、耐
熱性、耐湿性が極めて良好であり、本発明のエポキシ樹
脂は、従来、電子材料分野からの要望を満たし得なかっ
たエポキシ樹脂の諸性能を大幅に向上させることが出来
るため、その効果は極めて大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−275618(JP,A) 特開 昭64−79215(JP,A) 特公 昭47−13782(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 303/24 C08G 59/06 CA(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)(化1)で表わされる低分
    子量フェニルフェノールアラルキル樹脂 【化1】 (式中、nは0〜10の整数を表わし、n=0を40%以
    上含有する)とエピハロヒドリンとを、ハロゲン化水素
    アクセプターの存在下に反応させて得られるエポキシ樹
    脂。
  2. 【請求項2】 一般式(II)(化2)で表わされるアラ
    ルキルハライドまたはアラルキルアルコール誘導体 【化2】 (式中、Rはハロゲン原子、水酸基、または炭素数4以
    下の低級アルコキシ基を示す)に酸触媒の存在下で、3
    倍モル以上のフェニルフェノールを反応させた後、未反
    応のフェニルフェノールを回収して、一般式(I)(化
    3)で表わされる低分子量フェニルフェノールアラルキ
    ル樹脂 【化3】 (式中、nは0〜10の整数を表わし、n=0を40%以
    上含有する)を得、さらに、これにハロゲン化水素アク
    セプターの存在下に、エピハロヒドリンを反応させるこ
    とを特徴とするエポキシ樹脂の製造方法。
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