JP3048051B1 - ベッドにおける昇降型分割式側柵 - Google Patents

Abstract

【要約】 【課題】 頭側側面と、足側側面を個々にカバーするよ
うに分割した昇降型側柵において、柵部の保持機構が不
可抗力で簡単に解除されないようにする。 【解決手段】 背に対応する背ボトム４ａ、下半身側ボ
トム４ｂ（膝ボトムから足ボトム）の側面を、それぞれ
頭側側柵５、足側側柵６によってカバーする構成とす
る。これら頭側側柵５および足側側柵６において、スト
ッパ機構９、１２を操作するための操作レバー１３、１
４が、操作する方向以外から、外力が加わらないように
カバー部材１５、１６により覆う構成としている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ベッド頭側側面
と、足側側面を個々にカバーするように分割した昇降型
側柵であって、柵部の保持機構が不可抗力で簡単に解除
されないようにした、ベッドにおける昇降型分割式側柵
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、医療用ベッド、特にＩ・Ｃ・Ｕベ
ッドでは、中床に固定された回転格納型の全面柵が用い
られてきており、この全面柵では、不要時には床部下方
に格納しておき、必要時に床部上方に持ち上げて保持
し、柵として使用するようにしている。かかる全面柵に
よれば、ベッド側面全体が柵によってカバーすることが
でき、安全上問題のないものとなる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、背上げ
によって、前記全面柵では、柵としての機能が不十分な
ものとなり、また、ドレーン等を使用する際に、全面柵
を構成する横パイプを乗り越えてドレーンを通したりす
ると、患者の位置より、側柵における前記ドレーンの通
過する箇所が高くなることがあり、治療上支障をきたす
おそれがあり得る。本発明は、かかる不都合を改善する
ために提案されたものであって、ベッド頭側側面と、足
側側面を個々にカバーするように分割した昇降型側柵で
あって、柵部の保持機構が不可抗力で簡単に解除されな
いようにした、ベッドにおける昇降型分割式側柵を提供
することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前記した課題を解決する
ために、本発明は、頭側側面と、足側側面を個々にカバ
ーするように分割すると共に、ボトム下方からボトム上
方に昇降可能に構成したベッドにおける昇降型分割式側
柵において、背に対応するボトム側面側をカバーする頭
側側柵と、下半身に対応するボトム側面側をカバーする
足側側柵とを有し、これら頭側側柵、足側側柵は、ボト
ム下方からボトム側面上方に突出格納可能に設けた支柱
部と、支柱部に回動可能に取り付けた柵部と、柵部と支
柱部とを拘束することで、柵部をボトム側面上方に保持
するようにしたストッパ機構とを有し、このストッパ機
構は、柵部と支柱部とを拘束／解除操作するための操作
レバーを設け、この操作レバーをカバー部材によって覆
うと共に、このカバー部材に、前記操作レバーをカバー
部材を介して握り可能とするための上下の窓部を有し
て、これら窓部のうちのいずれかの窓部の縁部から、前
記操作レバーの一部を露出させて操作レバーを握り操作
可能とした。

【０００５】

【発明の実施の形態】次に、本発明にかかるベッドにお
ける昇降型分割式側柵について、一つの実施の形態を示
し、添付の図面に基づいて以下説明する。図１に示すベ
ッド１は、いわゆるギャッチベッドであり、キャスタ付
のベースフレーム２に、例えば昇降機構を構成するリン
ク（図示省略）を介して、中床３（以下、メインフレー
ム３）を支持し、ギャッチ機構（図示省略）を搭載した
メインフレーム３に、分割形成したボトム４を載置し
て、ボトム４のうち、背に対応する背ボトム４ａ、下半
身側ボトム４ｂ（例えば膝ボトムから足ボトム）の側面
を、それぞれ頭側側柵５、足側側柵６によってカバーす
る構成としている。

【０００６】前記頭側側柵５は、背に対応する背ボトム
４ａに、背ボトム４ａ下方から背ボトム４ａ側面上方に
突出格納可能に設けた支柱部７と、この支柱部７に回動
可能に取り付けた柵部８と、柵部８と支柱部７とを拘束
することで、柵部８を背ボトム４ａ側面上方に保持する
ようにしたストッパ機構９とを有している。一方、前記
足側側柵６においても、下半身に対応する下半身側ボト
ム４ｂに、下半身側ボトム４ｂ下方から下半身側ボトム
４ｂ側面上方に突出格納可能に設けた支柱部１０と、支
柱部１０に回動可能に取り付けた柵部１１と、柵部１１
と支柱部１０とを拘束することで、柵部１１を下半身側
ボトム４ｂ側面上方に保持するようにしたストッパ機構
１２とを有している。そしてこれら頭側側柵５および足
側側柵６において、ストッパ機構９、１２を操作するた
めの操作レバー１３、１４が、操作する方向以外から、
外力が加わらないようにカバー部材１５、１６により覆
う構成としている。

【０００７】次に、これら頭側側柵５および足側側柵６
について、さらに詳細に説明する。なお、頭側側柵５と
足側側柵６とは、同様の構成要素で構成されており、足
側側柵６について説明して頭側側柵５の説明は省略す
る。足側側柵６において、図２に示すように支柱部１０
は、平行リンク動作をなす、第１、第２のリンク１７、
１８を有し、前記柵部１１を、第１リンク１７および第
２リンク１８先端に回動可能に取り付けている。かかる
第１、第２リンク１７、１８は、柵部１１が下半身に対
応する下半身側ボトム４ｂ側面をガードするために、相
当する間隔でそれぞれ一対、基端部を、メインフレーム
３に回動可能に取り付けている。そして、一対の第１リ
ンク１７同士を、同時に回動できるように連結枠１９で
連結し、この連結枠１９に上部から、押し出し成形によ
り形成した合成樹脂製バンパー部材２０を嵌着するよう
にしている。

【０００８】また、前記柵部１１は、一対の第２リンク
１８間の間隔より長い寸法の直状の、適宜間隔を隔てて
互いに平行に配置したメインパイプ２１、２２と、この
メインパイプ２１、２２の両端側近傍において直交する
と共に、先端側を前記一対の第２リンク１８の外側から
当接して、第２リンク１８と軸止めするようにした縦枠
部材２３とを有している。また、前記メインパイプ２２
に平行に、メインパイプ２２の径に比較して小径のサブ
パイプ２４を有している。また、前記メインパイプ２
１、２２の端部側は開口端として長手方向に突出してお
り、これら開口端をカバー部材１６内に収容するように
している。

【０００９】そして、柵部１１における縦枠部材２３に
は、前述のように支柱部１０を構成する第１、第２リン
ク１７、１８の先端を、それぞれ支持ピン２５、２６に
より回動自在に連結している一方、ストッパ機構１２を
構成するストッパレバー２７が取り付けられている。こ
のストッパレバー２７は縦枠部材２３の、第１リンク１
７を取り付ける支持ピン２５の取り付け箇所に、反対側
から中間部を介してねじ２８によって揺動可能に取り付
けている。すなわち前記ストッパレバー２７は、ねじ２
８によって取り付けた中間部を中心として揺動可能とす
るべく約１５゜屈曲させたもので、一端側にストッパレ
バー２７を揺動変位させるための操作レバー１４を取り
付けている。また前記ストッパレバー２７の他端側に、
ストッパピン２９を取り付けて、このストッパピン２９
を、前記縦枠部材２３に貫通形成したガイドパイプ３０
に挿通し、コイルスプリング３１によって第１リンク１
７側に突出するように付勢している。一方、前記第１リ
ンク１７側には、前記ストッパピン２９をコイルスプリ
ング３１の付勢力によって嵌合させるようにしたストッ
パピン受け３２を設けている。すなわち、ストッパピン
２９をコイルスプリング３１の付勢力によって、第１リ
ンク１７側のストッパピン受け３２に嵌合させること
で、支柱部１０を構成する第１リンク１７および第２リ
ンク１８を拘束して、柵部１１を保持するようにしてい
る。また、前記ストッパピン２９を操作レバー１４によ
りストッパレバー２７を変位させることで、コイルスプ
リング３１の付勢力に抗して第１リンク１７側のストッ
パピン受け３２から離脱せしめて、柵部１１と第１リン
ク１７または第２リンク１８との拘束状態を解除するよ
うにしている。

【００１０】そして、かかる柵部１１端部側の縦枠部材
２３には、前述のようにメインパイプ２１、２２の開口
端、さらには、ストッパ機構１２における操作レバー１
４を、操作可能な状態で覆うようにしたカバー部材１６
は、例えばブロー成形によって形成された中空成形体で
あり、メインパイプ２１、２２の開口端を完全に収容す
る一方、操作レバー１４を握り操作可能なように窓部３
３、３４を有し、下側の窓部３４の縁部を切り欠いて、
下方斜め状に前記操作レバー１４を露出させている。ま
た、かかるカバー部材１６は、図中下側の形状を、柵部
１１をボトム上方に保持した状態から、ボトム下方に柵
部を下降させる際、マットレス上の布団などを挟み込ん
でも容易に開放できるようにした、Ｒの比較的大きな外
形としている。

【００１１】本発明にかかるベッドにおける昇降型分割
式側柵は、以上のように構成されるものであり、次に、
その昇降型側柵４の作用を説明する。頭側側柵５および
足側側柵６は、それぞれ必要に応じて柵部８、１１を持
ち上げ、支柱部７、１０を回動させてストッパ機構９、
１２により、柵部８、１１と支柱部７、１０とを拘束す
ることで、柵部８を背ボトム４ａ側面上方に、柵部１１
を下半身側ボトム４ｂ側面上方に保持することができ
る。この場合、前記柵部８、１１は、ベッド側面全体を
カバーすることはできないが、それぞれ背ボトム４ａ側
面、および下半身側ボトム４ｂ側面の要所をカバーする
ことができるので、機能上全く問題はない（図１参
照）。また、この際、昇降型側柵４は、頭側側柵５と足
側側柵６とに分割しているので、持ち上げる操作力も全
面柵に比較して軽くてすむ。また、ドレーンを使用する
場合にも、頭側側柵５と足側側柵６との間をドレーンを
通すことで、ドレーンが患者の位置よりも高くなるとい
う心配はない。また、治療の際、上半身側が加療箇所で
ある場合は、頭側側柵５のみを格納状態として背ボトム
４ａ側面を開放するようにし、一方下半身側が加療箇所
である場合には、足側側柵６のみを格納状態として下半
身側ボトム４ｂ側面を開放するようにするということが
できる。さらには、ベッドに対する乗り降りの際には、
足側側柵６のみを格納状態として下半身側ボトム４ｂ側
面を開放するというように、必要に応じてきめ細かな対
応が可能である。

【００１２】ここで足側側柵６の上げ下げ操作の詳細を
説明をする。柵部１１におけるメインパイプ２１、２２
を掴んで持ち上げるようにすると、支柱部１０を構成す
る第１、第２のリンク１７、１８は、平行リンク動作を
なし、第１、第２リンク１７、１８は、それぞれ起立し
ていき、柵部１１における縦枠部材２３側のストッパ機
構１２におけるストッパレバー２７に設けたストッパピ
ン２９に、第１リンク１７側のストッパピン受け３２が
近接して、柵部１１を最高位置までもたらした際に、前
記ストッパピン２９がコイルスプリング３１の付勢力に
よって、第１リンク１７側のストッパピン受け３２に嵌
合して、支柱部１０を構成する第１リンク１７および第
２リンク１８を拘束して、柵部１１を保持することがで
きるのである（図１、図２参照）。一方、頭側側柵５も
同様に操作することで、柵部８を保持することができ
る。

【００１３】前記足側側柵６の柵部１１をボトム４下方
に下降させるときは、カバー部材１６の窓部３３、３４
を介して、下方斜め状に露出した操作レバー１４を握り
操作し、ストッパピン２９を操作レバー１４によりスト
ッパレバー２７を変位させることで、コイルスプリング
３１の付勢力に抗して第１リンク１７側のストッパピン
受け３２から離脱せしめて、柵部１１と第１リンク１７
または第２リンク１８との拘束状態を解除するようにす
る。なお、柵部１１をボトム下方に下降させる際、柵部
１１の両端側に設けられたカバー部材１６は、Ｒの比較
的大きな外形としているので、マットレス上の布団など
を挟み込んでも容易に開放することができる。ところ
で、前記操作レバー１４は、カバー部材１６の下側の窓
部３４の縁部を切り欠いて、下方斜め状に露出させた構
造であるので、患者の手、足、また、ベッド周辺の機
器、備品等は、せいぜいカバー部材１６の外側周囲に接
触するだけで、不意に、操作レバー１４が動作して解除
するというような事態を回避することができる。

【００１４】次に、ベッドにおいて、背上げ動作を行わ
せると、頭側側柵５は、背ボトム４ａの動作に追従し、
柵部８が傾斜する。このため、ボトム上の患者と柵部８
との相対位置関係は変わらず、側柵としての機能は変わ
らない（図３参照）。一方、足側側柵６は、メインフレ
ーム３に取り付けられているので、ギャッチ動作を行わ
せると、下半身側ボトム４ｂと柵部１１との位置関係は
変化するが、下半身側ボトム４ｂは、背ボトム４ａ程、
上下方向に変位しないので、問題はない。

【００１５】以上、本発明について一つの実施の態様を
挙げ説明したが、足側側柵６を下半身側ボトム４ｂに取
り付けるようにしてもよい。

【００１６】

【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、側柵を頭
側、下半身側と分割したことにより、必要に応じて選択
的に柵を上げ下げ操作することができ、それぞれの操作
の際における労力を軽減化すると共にきめ細かな対応が
可能である。特に、頭側の側柵をボトムに取り付けるこ
とにより、背上げと共にボトムに追従させることがで
き、しかも、ドレーンを使用する際も、頭側と下半身側
柵間を通すことにより、全面柵のように患者の位置より
ドレーンの側柵における通過位置が高くなるということ
はない。

【００１７】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかる昇降型分割式側柵を適用したベ
ッドの一つの実施形態を示す側面説明図である。

【図２】図１に示す昇降型分割式側柵における柵部端部
側の拡大的断面説明図である。

【図３】図１に示す昇降型分割式側柵を適用したベッド
において、背上げ動作をした際の、ベッドの側面説明図
である。

【符号の説明】

１ ベッド ２ ベースフレーム ３ メインフレーム ４ ボトム ４ａ 背ボトム ４ｂ 下半身側ボトム ５ 頭側側柵 ６ 足側側柵 ７、１０ 支柱部 ８、１１ 柵部 ９、１２ ストッパ機構 １３、１４ 操作レバー １５、１６ カバー部材 １７ 第１リンク １８ 第２リンク １９ 連結枠 ２０ バンパー部材 ２１、２２ メインパイプ ２３ 縦枠部材 ２４ サブパイプ ２５、２６ 支持ピン ２７ ストッパレバー ２８ ねじ ２９ ストッパピン ３０ ガイドパイプ ３１ コイルスプリング ３２ ストッパピン受け ３３、３４ 窓部

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 頭側側面と、足側側面を個々にカバー
   するように分割すると共に、ボトム下方からボトム上方
   に昇降可能に構成したベッドにおける昇降型分割式側柵
   において、背に対応するボトム側面側をカバーする頭側
   側柵と、下半身に対応するボトム側面側をカバーする足
   側側柵とを有し、これら頭側側柵、足側側柵は、ボトム
   下方からボトム側面上方に突出格納可能に設けた支柱部
   と、支柱部に回動可能に取り付けた柵部と、柵部と支柱
   部とを拘束することで、柵部をボトム側面上方に保持す
   るようにしたストッパ機構とを有し、このストッパ機構
   は、柵部と支柱部とを拘束／解除操作するための操作レ
   バーを設け、この操作レバーをカバー部材によって覆う
   と共に、このカバー部材に、前記操作レバーをカバー部
   材を介して握り可能とするための上下の窓部を有して、
   これら窓部のうちのいずれかの窓部の縁部から、前記操
   作レバーの一部を露出させて操作レバーを握り操作可能
   としたことを特徴とするベッドにおける昇降型分割式側
   柵。