JP3549093B2 - ベッド等における格納型側柵 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、格納型側柵を有するベッドにおいて、柵における要求事項を満たすと共に、ボトムの最低高さを抑えることが可能な、ベッド等における格納型側柵に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
ベッド等（病院用ベッド、在宅用ベッド、移送用ベッド、ＩＣＵベッド等）に設けられる側柵のうち、必要時にのみ、ボトム側面側をカバーするように持ち上げ固定できるようにした、格納型側柵１がある（図２参照）。
かかる格納型側柵１によれば、差し込み柵のように、いちいち取り外したり、装着したりする手間が省け、使い勝手がよい。
ところで、このような格納型側柵１を初めとする側柵に対しては、安全上、以下に掲げる事項を満たしていることが望ましい。すなわち、
（１）患者の落下防止機能を確保するために、柵２の高さａを所定の高さ以上に設定する。
（２）患者が挟まらないように、柵２、支柱部３（ステー）の間隔ｂをある寸法以下とする。
（３）ベッドサイドテーブル等を使用しやすくすると共に、看護（介護）をしやすくするために、格納時、床から柵下間の間隔ｄを所定寸法とする。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる構造とすると柵２、支柱部３（ステー）の間隔ｂが大きくなり（図２参照）、支柱部３（ステー）の間隔ｂを抑えるために柵２上下寸法ｃを大きくすると、今度は、柵２の格納時、床から柵下間の間隔ｄが狭まってしまうという問題が生じ（図３参照）、これらの事項を全て満足しようとすると、患者の乗り降りの観点から低い方が望ましい最低床高ｅが、ある程度高くしなくてはならない結果となる。
本発明は、以上のような背景から提案されたものであって、格納型側柵を有するベッドにおいて、柵における要求事項を満たすと共に、ボトムの最低高さを抑えることが可能な、ベッド等における格納型側柵を提供することを目的とする。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
前記した課題を解決するために、本発明は、ベッド等のボトムのベッド幅方向端面側に、ボトムの下方からボトム上方に突出可能に支柱部を装着し、この支柱部上端側に回動可能に柵部を取り付け、前記支柱部および柵部をボトム上方に突出状態で保持するようにしたロック手段を有し、前記支柱部と柵部とは、前記ボトムの下方において重なり状態で格納する構成とする一方、前記支柱部は、前記支柱部と柵部とを前記ロック手段によりボトム上方に突出状態で保持した際に、柵部とボトムとの間に生ずる空間に、使用者の身体を挟み込まないように柵部状に前記支柱部をもたらす構成としたベッド等における格納型側柵を提案する。
前述の構成において、支柱部は、平行リンク状に配置した一対のステーによって構成し、これらステーは、内側に、少なくとも使用者の頭部等が入り込まない閉空間を形成する閉ループ状のパイプ材によって構成すると共に、ボトム上に起立した際に生ずる一対のステー間の間隔を頭などをくぐらせることができない間隔以下とした。
【０００５】
【発明の実施の態様】
次に、本発明にかかるベッド等における格納型側柵について、一つの実施の形態を示し、添付の図面に基づいて以下説明する。
図１に示すベッド１０は、ベッド１０のヘッドボード１１寄りとフットボード１２寄りに配置した格納型側柵１３，１４を有するものである。
これら格納型側柵１３，１４は、ベッド１０のそれぞれヘッドボード１１寄り、フットボード１２寄りのボトム１５のベッド幅方向端面側に、ボトム１５の下方からボトム１５上方に突出可能に装着した支柱部１６，１７を有し、この支柱部１６，１７上端側に回動可能に柵部１８，１９を取り付ける構成としている。
また前記格納型側柵１３，１４は、支柱部１６，１７および柵部１８，１９をボトム１５上方に突出状態で保持するようにしたロック手段２０，２１を有している。
【０００６】
前記ボトム１５は、例えば背に対応する背ボトム１５ａ、腰に対応する腰ボトム１５ｂ、膝に対応する膝ボトム１５ｃ、足に対応する足ボトム１５ｄに分割した構成としている。
【０００７】
次に前記格納型側柵１３，１４について説明する。ヘッドボード１１寄りの格納型側柵１３において、支柱部１６は、平行リンク状に配置した一対のステー１６ａ，１６ｂによって構成されている。これらステー１６ａ，１６ｂの基端側は、ボトム下の例えば背ボトム１５ａに回動可能に取り付けられている。
すなわち、前記ステー１６ａ，１６ｂは、内側に略平行四辺形状の閉空間Ｓを形成するように閉ループ状のパイプ材によって構成している。前記閉空間Ｓは、少なくとも使用者の頭部等が入り込まない寸法に設定されている。また、ステー１６ａとステー１６ｂとは、ボトム上に起立した際に生ずる間隔ｂを、頭などをくぐらせることができない間隔以下に設定してある。
【０００８】
前記柵部１８は、柵部１８の下部側とステー１６ａ，１６ｂの上部にそれぞれ一箇所ずつ、回動可能に軸止めすることで取り付けられている。また柵部１８の上部側には、掴んで柵部１８を持ち上げるために手を差し入れることができるようにスリット２２が形成されている。
以上のような柵部１８がボトム１５下に格納状態にあるとき、ステー１６ａ，１６ｂは、基端側の位置より下に倒れ込んだ状態で、柵部１８と重なり合った状態にある。
そして、前記ロック手段２０は、詳細は示さないが、柵部１８とステー１６ａ，１６ｂのうちの一方のステー１６ｂとの軸止め箇所の近傍に設けられており、柵部１８を最高位置に持ち上げた際に、自動的にロックして柵部１８を保持する構成としている。
なお、フットボード１２寄りに配置した格納型側柵１４も、上記ヘッドボード１１寄りの格納型側柵１３同様、支柱部１７は、平行リンク状に配置した一対のステー１７ａ，１７ｂによって構成され、柵部１９を、ステー１７ａ，１７ｂの上部にそれぞれ一箇所ずつ、回動可能に軸止めすることで取り付ける構造としており、以下、詳細は同様であるので、説明は省略する。
【０００９】
以上のようなベッド１０における格納型側柵１３，１４において、柵部１８がボトム１５下に格納状態にあるとき、柵部１８とステー１６ａ，１６ｂとは重なり合った状態にあり、ベッド最低床高時における柵部１８下面から床面までの間隔を大きくとることができる。よって、前記床高を低く設定することができる。この場合、床高に応じて柵部１８の縦方向の寸法を決めることができる。
そして、柵部１８を、柵部１８のスリット２２に手を差し入れて持ち上げて行くと、ステー１６ａ，１６ｂは等角度ずつ起立していき、柵部１８を最高位置にもたらすことでロック手段２０が作用して、柵部１８を保持することができる。
一方、フットボード１２寄りの格納型側柵１４も、同様に柵部１９を操作することで柵部１９を最高位置に保持することができる。
【００１０】
柵部１８，１９を最高位置にて保持した状態において、ステー１６ａ，１６ｂ、１７ａ，１７ｂは、それぞれ平行に起立した状態にあり、ボトム１５と柵部１８，１９間に生ずる空間に、閉ループ状の箇所をもたらしているので、これらステー１６ａ，１６ｂ、１７ａ，１７ｂがあたかも通常の柵部のように前記空間をカバーすることができる。
すなわち、ボトム上において、ステー１６ａ，１６ｂおよび柵部１８が占める範囲を側柵としてのカバー範囲となり、側柵としての機能を発揮することができる。
しかもその際、ステー１６ａ，１６ｂに閉ループ状の箇所に形成される閉空間Ｓは、少なくとも使用者の頭部が入り込まない寸法に設定されており、さらには、ステー１３ａとステー１３ｂとは、ボトム上に起立した際に生ずる間隔を、頭などをくぐらせることができない間隔以下に設定してあるので、安全上も申し分ない。
【００１１】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、柵に対する要求事項を満たしつつ、ベッドにおける最低床高を下げることができる。
【００１２】
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明にかかる格納型側柵を適用したベッドの一例を示す全体側面説明図である。
【図２】現行の格納型側柵を有するベッドの一例を示す全体側面説明図である。
【図３】現行の格納型側柵を有するベッドの別例を示す全体側面説明図である。
【符号の説明】
１０ ベッド
１１ ヘッドボード
１２ フットボード
１３，１４ 格納型側柵
１５ ボトム
１５ａ 背ボトム
１５ｂ 腰ボトム
１５ｃ 膝ボトム
１５ｄ 足ボトム
１６，１７ 支柱部
１６ａ，１６ｂ ステー
１７ａ，１７ｂ ステー
１８，１９ 柵部
２０，２１ ロック手段
２２ スリット
【発明の属する技術分野】
本発明は、格納型側柵を有するベッドにおいて、柵における要求事項を満たすと共に、ボトムの最低高さを抑えることが可能な、ベッド等における格納型側柵に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
ベッド等（病院用ベッド、在宅用ベッド、移送用ベッド、ＩＣＵベッド等）に設けられる側柵のうち、必要時にのみ、ボトム側面側をカバーするように持ち上げ固定できるようにした、格納型側柵１がある（図２参照）。
かかる格納型側柵１によれば、差し込み柵のように、いちいち取り外したり、装着したりする手間が省け、使い勝手がよい。
ところで、このような格納型側柵１を初めとする側柵に対しては、安全上、以下に掲げる事項を満たしていることが望ましい。すなわち、
（１）患者の落下防止機能を確保するために、柵２の高さａを所定の高さ以上に設定する。
（２）患者が挟まらないように、柵２、支柱部３（ステー）の間隔ｂをある寸法以下とする。
（３）ベッドサイドテーブル等を使用しやすくすると共に、看護（介護）をしやすくするために、格納時、床から柵下間の間隔ｄを所定寸法とする。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる構造とすると柵２、支柱部３（ステー）の間隔ｂが大きくなり（図２参照）、支柱部３（ステー）の間隔ｂを抑えるために柵２上下寸法ｃを大きくすると、今度は、柵２の格納時、床から柵下間の間隔ｄが狭まってしまうという問題が生じ（図３参照）、これらの事項を全て満足しようとすると、患者の乗り降りの観点から低い方が望ましい最低床高ｅが、ある程度高くしなくてはならない結果となる。
本発明は、以上のような背景から提案されたものであって、格納型側柵を有するベッドにおいて、柵における要求事項を満たすと共に、ボトムの最低高さを抑えることが可能な、ベッド等における格納型側柵を提供することを目的とする。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
前記した課題を解決するために、本発明は、ベッド等のボトムのベッド幅方向端面側に、ボトムの下方からボトム上方に突出可能に支柱部を装着し、この支柱部上端側に回動可能に柵部を取り付け、前記支柱部および柵部をボトム上方に突出状態で保持するようにしたロック手段を有し、前記支柱部と柵部とは、前記ボトムの下方において重なり状態で格納する構成とする一方、前記支柱部は、前記支柱部と柵部とを前記ロック手段によりボトム上方に突出状態で保持した際に、柵部とボトムとの間に生ずる空間に、使用者の身体を挟み込まないように柵部状に前記支柱部をもたらす構成としたベッド等における格納型側柵を提案する。
前述の構成において、支柱部は、平行リンク状に配置した一対のステーによって構成し、これらステーは、内側に、少なくとも使用者の頭部等が入り込まない閉空間を形成する閉ループ状のパイプ材によって構成すると共に、ボトム上に起立した際に生ずる一対のステー間の間隔を頭などをくぐらせることができない間隔以下とした。
【０００５】
【発明の実施の態様】
次に、本発明にかかるベッド等における格納型側柵について、一つの実施の形態を示し、添付の図面に基づいて以下説明する。
図１に示すベッド１０は、ベッド１０のヘッドボード１１寄りとフットボード１２寄りに配置した格納型側柵１３，１４を有するものである。
これら格納型側柵１３，１４は、ベッド１０のそれぞれヘッドボード１１寄り、フットボード１２寄りのボトム１５のベッド幅方向端面側に、ボトム１５の下方からボトム１５上方に突出可能に装着した支柱部１６，１７を有し、この支柱部１６，１７上端側に回動可能に柵部１８，１９を取り付ける構成としている。
また前記格納型側柵１３，１４は、支柱部１６，１７および柵部１８，１９をボトム１５上方に突出状態で保持するようにしたロック手段２０，２１を有している。
【０００６】
前記ボトム１５は、例えば背に対応する背ボトム１５ａ、腰に対応する腰ボトム１５ｂ、膝に対応する膝ボトム１５ｃ、足に対応する足ボトム１５ｄに分割した構成としている。
【０００７】
次に前記格納型側柵１３，１４について説明する。ヘッドボード１１寄りの格納型側柵１３において、支柱部１６は、平行リンク状に配置した一対のステー１６ａ，１６ｂによって構成されている。これらステー１６ａ，１６ｂの基端側は、ボトム下の例えば背ボトム１５ａに回動可能に取り付けられている。
すなわち、前記ステー１６ａ，１６ｂは、内側に略平行四辺形状の閉空間Ｓを形成するように閉ループ状のパイプ材によって構成している。前記閉空間Ｓは、少なくとも使用者の頭部等が入り込まない寸法に設定されている。また、ステー１６ａとステー１６ｂとは、ボトム上に起立した際に生ずる間隔ｂを、頭などをくぐらせることができない間隔以下に設定してある。
【０００８】
前記柵部１８は、柵部１８の下部側とステー１６ａ，１６ｂの上部にそれぞれ一箇所ずつ、回動可能に軸止めすることで取り付けられている。また柵部１８の上部側には、掴んで柵部１８を持ち上げるために手を差し入れることができるようにスリット２２が形成されている。
以上のような柵部１８がボトム１５下に格納状態にあるとき、ステー１６ａ，１６ｂは、基端側の位置より下に倒れ込んだ状態で、柵部１８と重なり合った状態にある。
そして、前記ロック手段２０は、詳細は示さないが、柵部１８とステー１６ａ，１６ｂのうちの一方のステー１６ｂとの軸止め箇所の近傍に設けられており、柵部１８を最高位置に持ち上げた際に、自動的にロックして柵部１８を保持する構成としている。
なお、フットボード１２寄りに配置した格納型側柵１４も、上記ヘッドボード１１寄りの格納型側柵１３同様、支柱部１７は、平行リンク状に配置した一対のステー１７ａ，１７ｂによって構成され、柵部１９を、ステー１７ａ，１７ｂの上部にそれぞれ一箇所ずつ、回動可能に軸止めすることで取り付ける構造としており、以下、詳細は同様であるので、説明は省略する。
【０００９】
以上のようなベッド１０における格納型側柵１３，１４において、柵部１８がボトム１５下に格納状態にあるとき、柵部１８とステー１６ａ，１６ｂとは重なり合った状態にあり、ベッド最低床高時における柵部１８下面から床面までの間隔を大きくとることができる。よって、前記床高を低く設定することができる。この場合、床高に応じて柵部１８の縦方向の寸法を決めることができる。
そして、柵部１８を、柵部１８のスリット２２に手を差し入れて持ち上げて行くと、ステー１６ａ，１６ｂは等角度ずつ起立していき、柵部１８を最高位置にもたらすことでロック手段２０が作用して、柵部１８を保持することができる。
一方、フットボード１２寄りの格納型側柵１４も、同様に柵部１９を操作することで柵部１９を最高位置に保持することができる。
【００１０】
柵部１８，１９を最高位置にて保持した状態において、ステー１６ａ，１６ｂ、１７ａ，１７ｂは、それぞれ平行に起立した状態にあり、ボトム１５と柵部１８，１９間に生ずる空間に、閉ループ状の箇所をもたらしているので、これらステー１６ａ，１６ｂ、１７ａ，１７ｂがあたかも通常の柵部のように前記空間をカバーすることができる。
すなわち、ボトム上において、ステー１６ａ，１６ｂおよび柵部１８が占める範囲を側柵としてのカバー範囲となり、側柵としての機能を発揮することができる。
しかもその際、ステー１６ａ，１６ｂに閉ループ状の箇所に形成される閉空間Ｓは、少なくとも使用者の頭部が入り込まない寸法に設定されており、さらには、ステー１３ａとステー１３ｂとは、ボトム上に起立した際に生ずる間隔を、頭などをくぐらせることができない間隔以下に設定してあるので、安全上も申し分ない。
【００１１】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、柵に対する要求事項を満たしつつ、ベッドにおける最低床高を下げることができる。
【００１２】
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明にかかる格納型側柵を適用したベッドの一例を示す全体側面説明図である。
【図２】現行の格納型側柵を有するベッドの一例を示す全体側面説明図である。
【図３】現行の格納型側柵を有するベッドの別例を示す全体側面説明図である。
【符号の説明】
１０ ベッド
１１ ヘッドボード
１２ フットボード
１３，１４ 格納型側柵
１５ ボトム
１５ａ 背ボトム
１５ｂ 腰ボトム
１５ｃ 膝ボトム
１５ｄ 足ボトム
１６，１７ 支柱部
１６ａ，１６ｂ ステー
１７ａ，１７ｂ ステー
１８，１９ 柵部
２０，２１ ロック手段
２２ スリット
Claims (2)
- ベッド等のボトムのベッド幅方向端面側に、ボトムの下方からボトム上方に突出可能に支柱部を装着し、この支柱部上端側に回動可能に柵部を取り付け、前記支柱部および柵部をボトム上方に突出状態で保持するようにしたロック手段を有し、前記支柱部と柵部とは、前記ボトムの下方において重なり状態で格納する構成とする一方、前記支柱部は、前記支柱部と柵部とを前記ロック手段によりボトム上方に突出状態で保持した際に、柵部とボトムとの間に生ずる空間に、使用者の身体を挟み込まないように柵部状に前記支柱部をもたらす構成としたことを特徴とするベッド等における格納型側柵。
- 前記支柱部は、平行リンク状に配置した一対のステーによって構成し、これらステーは、内側に、少なくとも使用者の頭部等が入り込まない閉空間を形成する閉ループ状のパイプ材によって構成すると共に、ボトム上に起立した際に生ずる一対のステー間の間隔を頭などをくぐらせることができない間隔以下としたことを特徴とする請求項１記載のベッド等における格納型側柵。
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| JP35318199A JP3549093B2 (ja) | 1999-12-13 | 1999-12-13 | ベッド等における格納型側柵 |
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| JP35318199A JP3549093B2 (ja) | 1999-12-13 | 1999-12-13 | ベッド等における格納型側柵 |
| US10/005,126 US6564404B1 (en) | 1999-12-13 | 2001-12-07 | Liftable side rail for a lying table such as a bed |
Publications (2)
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|---|---|
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Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP35318199A Expired - Fee Related JP3549093B2 (ja) | 1999-12-13 | 1999-12-13 | ベッド等における格納型側柵 |
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| EP (1) | EP1108410B1 (ja) |
| JP (1) | JP3549093B2 (ja) |
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