JP3047423U - 電気機器試験装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気技術に関する専門的知識が無くても
電気機器の試験が実施でき、しかも、試験結果の確認・
把握が容易であり、技術者の居ない現場でも速やかに電
気機器を試験できる、電動機器試験装置を提供する。 【解決手段】 電気機器が接続される端子と、前記電気
機器の異常の有無を検出する検出手段とを具備する電気
機器試験装置において、電気機器との接続手段として、
単相コンセントを組み込んで構成したことを特徴とす
る、電気機器試験装置である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、工場、建築、土木作業現場などにおいて使用される電動機器を試験 する為の電気機械の試験装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

工場、建築、土木作業現場において使用される電動工具などの電気機器は、高 電圧・大電流で駆動されるものが多く、万一、電気機器に異常があった場合には 、大事故に繋がりかねない。 そこで、電気機器の異常（例えば捲線の破断や短絡）の有無や格定値（例えば 絶縁抵抗値）などが正常であるか否かの試験を使用前に必ず実施する必要がある 。 従来この種の試験は、テスターやメガー（絶縁抵抗計）といった測定器具を 用途に応じて適宜使い分けることにより行われていた。 また出願人は、前述した測定に代えて、実開平６−５８３８１号の電気機器試 験装置を用いた測定について提案した。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前述したようにテスターやメガーを用いて電気機器の異常の有無を見極めるに は、電気技術に関する高度な専門的知識が必要不可欠であるが、現場に電気技術 に熟達した作業者が必ずしも配置されているとは限らず、信頼性の高い試験の実 施は困難であることが多かった。 特に、近年は電気機器による事故防止の為に規制が更に厳しくなり、電気機器 には試験に合格した安全な機材である旨が記載された検査証の貼付が義務づけら れることがある。 しかしながら、技術者数が不足している現状では、速やかに検査証が受領でき ないといった問題がある。 また、実開平６−５８３８１号の電気機器試験装置の更なる改良も期待されて いる。

【０００４】 本考案は以上の問題点を解決するためになされたもので、その目的とするとこ ろは、電気技術に関する専門的知識が無くても電気機器の試験が実施でき、しか も、試験結果の確認・把握が容易であり、技術者の居ない現場でも速やかに電気 機器を試験できる、電動機器試験装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、電気機器が接続される端子と、前記電気機器の異常の有無を検出す る検出手段とを具備する電気機器試験装置において、電気機器との接続手段とし て、単相コンセントを組み込んで構成したことを特徴とする、電気機器試験装置 である。 また本考案は、前述した電気機器試験装置において、電気機器との接続手段と して、前記単相コンセントに代えて三相コンセントを組み込んで構成したことを 特徴とする、電気機器試験装置である。 また本考案は、前述した電気機器試験装置において、電気機器との接続手段と して、前記単相コンセントと共に三相コンセントを組み込んで構成したことを特 徴とする、電気機器試験装置である。 また本考案は、前述したいずれかの電気機器試験装置において、各種検出結果 を項目別に表示する点灯手段を具備させたことを特徴とする、電気機器試験装置 である。 また本考案は、前述したいずれかの電気機器試験装置において、前記電気機器 の絶縁抵抗の良否の判断基準を１００Ｖ用と２００Ｖ用とに区別したことを特徴 とする、電気機器試験装置である。 さらに本考案は、前述したいずれかの電気機器試験装置において、検出結果の 印字出力手段によって、日付を付した検出結果の合格シールを発給することを特 徴とする、電気機器試験装置である。

【０００６】

【考案の実施の形態１】 以下、図１を参照して本考案の電気機器試験装置の一例について説明する。

【０００７】 ＜イ＞全体の構成 電気機器試験装置は、各種の電気機器が接続される端子１ａ，１ｂ，１ｃ，１ ｄと、アース端子２ａ，２ｂと、メインスイッチ３と、試験対象の切替スイッチ ４と、前記切替スイッチ４により切り替えた試験対象の試験開始スイッチ５ａ， ５ｂと、試験結果の表示部６と、試験結果をプリントする発行器７と、音声出力 用のスピーカ８とより構成する。

【０００８】 ＜ロ＞端子 端子１ａ〜１ｄは、電気機器が接続される端子であり、１００Ｖ用電気機器を 接続する端子１ａと、２００Ｖ用電気機器を接続する端子１ｂがある。 またこの他に、各電気機器のコンセント形状が合わない場合を想定し、ワニグ チグリップにより１００Ｖ用電気機器を接続する端子１ｃと、同様に２００Ｖ用 電気機器を接続する端子１ｄとを有する。

【０００９】 ＜ハ＞アース端子 アース端子２ａ、２ｂは、電気機器の試験中にアースを取るための端子であり 、電気機器本体にアース線のある場合のアース端子２ａと、電気機器本体にアー ス線のない、二重絶縁工具などの場合のアース端子２ｂを用意してある。

【００１０】 ＜ニ＞メインスイッチ メインスイッチ３は、電気機器試験装置の電源スイッチである。

【００１１】 ＜ホ＞切替スイッチ 切替スイッチ４は、１００Ｖ用電気器具と２００Ｖ用電気器具との試験対象を 選択するためのスイッチである。 これにより、１００Ｖと２００Ｖとで電気機器の異常検出における判定基準が 異なる。

【００１２】 ＜ヘ＞試験開始スイッチ 試験開始スイッチ５ａ，５ｂは、前述した切替スイッチ４により選択された電 気機器の試験を開始させるためのスイッチであり、一方が１００Ｖ用、他方が２ ００Ｖ用の開始スイッチとなっている。

【００１３】 ＜ト＞表示部 表示部６は、試験により電気機器に異常が発見された場合に、その異常箇所を 特定するための項目別表示部である。 表示部６の項目としては、例えば図１にあるように、断線、短絡、アース、漏 電などが考えられる。 また表示部６には、例えば各項目毎に合格と不良との二つの表示を設け、試験 した電気機器の状態によりどちらかの表示が点灯するようにする。

【００１４】 ＜チ＞発行器 発行器７は、試験した電気機器に異常が検出されなかった場合に、試験結果が プリントされた日付入りの検査票７１（合格シール）を発行する機器である。

【００１５】 ＜リ＞スピーカ スピーカ８は、予め登録された数種類のメッセージが発せられる音声出力用ス ピーカである。 即ち、電気機器の試験結果により、適切なメッセージをこのスピーカ８より出 力する。

【００１６】 なお本考案の電気機器試験装置の測定回路としては、実開平６−５８３８１号 において出願人が開示した電気機器試験装置の測定回路を基本とする公知の回路 を採用することが考えられる。

【００１７】

【試験方法】

以下電気機器試験装置による試験方法について説明する。

【００１８】 ＜イ＞１００Ｖ用電気機器の試験 電気機器正常時 １００Ｖ用電気機器の試験は、電気機器を端子１ａもしくは１ｃに接続し、ア ース端子２ａもしくは２ｂより電気機器のアースを取り、切替スイッチ４を１０ ０Ｖに切り替え、試験開始スイッチ５ａをオンにして開始する。 この際、切替スイッチ４で１００Ｖを選択したことにより、電気機器試験装置 は試験の絶縁抵抗値は異常判定基準は１００Ｖ−１ＭΩ以上となる。 なお、電気機器試験装置と電気機器との具体的な接続例については、図２〜図 ４に示す通りである。 試験を開始すると、先ず抵抗計により抵抗値が測定され、結果がシーケンサ内 に記憶される。 続いて絶縁抵抗計により絶縁抵抗値の測定が行われ、その結果がシーケンサ内 に記憶される。 そして、測定が完了した時点で、先に記憶されていた測定結果の内容が判別さ れ、１００Ｖ用の判定基準により電気機器の合否判断がなされる。 続いて、測定結果が出力されるのであるが、試験が合格であれば音声合成装置 が作動して、スピーカ８から電気機器が使用可能である旨の放送、例えば『合格 です。外観を検査し、異常が無ければ検査票を電気機器に貼り、アースを必ず取 付けて使用して下さい。』といったメッセージが流れる。 続いて、状態記録計へ信号が送られて発行器７より試験結果がプリントアウト され、日付入りの検査票７１（合格シール）の発給が行われる。

【００１９】 電動機器異常時 前述した試験により電気機器の抵抗値もしくは絶縁抵抗値が異常であった場合 には、表示部６の所定箇所に不良表示が点灯されると共に、シーケンサに記憶さ れていた内容に基づいて音声合成装置が作動し、スピーカ８から電気機器が使用 不可能である旨の放送、例えば『漏電しています。使用しないで下さい。』、『 断線しています。使用しないで下さい。』、『この機械は危険です。修理してか ら使用して下さい。』などといったメッセージが流れ、試験に供された電気機器 の使用中止が警告される。

【００２０】 ＜ロ＞２００Ｖ用電動機器の試験 ２００Ｖ用電動機器の試験についても１００Ｖ用電動機器と同様に行われる。 即ち、電動機器を端子１ｂもしくは１ｄに接続し、アース端子２ａもしくは２ ｂより電気機器のアースを取り、切替スイッチ４を２００Ｖに切り替え、試験開 始スイッチ５ｂをオンにして試験を開始する。 この際、切替スイッチ４で２００Ｖを選択したことにより、電気機器試験装置 は試験の絶縁抵抗値の異常判定基準は２００Ｖ−２ＭΩ以上となる。 なお、電気機器試験装置と電気機器との具体的な接続例については、図５およ び図６に示す通りである。 試験を開始すると、先ず抵抗値が測定されるが、この抵抗値の測定が１００Ｖ 用電気機器の場合とは異なり、三相端子のＲ端子，Ｓ端子，Ｔ端子間において、 Ｒ−Ｔ間、Ｒ−Ｓ間およびＳ−Ｔ間の三区間で順次行われる。 続いて、１００Ｖ用電気機器の場合と同様に絶縁抵抗値の測定が行われ、シー ケンサにより測定結果の内容が判別され、２００Ｖ用の判定基準により電気機器 の合否判断がなされる。 この結果により、正常であれば電気機器が使用可能である旨のメッセージが流 され、日付入りの検査票７１（合格シール）がプリントアウトされ、異常が発見 されれば表示部６の所定箇所に表示がされると共に、シーケンサに記憶されてい た内容に基づいて音声合成装置が作動し、電気機器の異常である旨のメッセージ が流される。 上記のように構成した電動機器試験装置によれば、建設作業現場において実施 される電気機器の試験を自動的に行うことができ、しかもその結果を複数の出力 手段、即ち表示部６の合格表示やスピーカ８からの音声による警報、更には結果 のプリントされた検査票７１（合格シール）により、視覚、聴覚などの様々な感 覚手段を通して使用者に告知でき、試験結果が確実、かつ効果的に確認・把握で きる。 しかも、電気機器に異常がない場合には、測定結果がプリントされると共に、 音声で通告され、また電気機器に異常があった場合には、スピーカ８からの音声 で警告されると共に、表示部６の不良表示が点灯するように構成したので、異常 時には測定結果のプリントされた検査票７１が発給されることがなく、資材の節 約になると共に、誤ってそれを機器に貼り付けて使用するといった事故が起きず 、安全性の点でも優れた効果を発揮する。 そのうえ、電気技術に関する専門的な知識が無くとも電気機器の試験が簡単に できるので、試験装置の使用を通して作業者の興味・関心が啓発されるといった 効果があり、電気機器を自主的に管理する態度が身に着き、一層の安全性の向上 が図れる。

【００２１】 ＜ハ＞合否判定基準抵抗値 前述した電気機器試験装置により判定される各項目の合否判定基準値は、図７ に示すようになる。

【００２２】

【考案の効果】

本考案は以上説明したようになるから次のような効果を得ることができる。 ＜イ＞電気技術に関する専門知識が無くとも、電動機器の試験が実施でき、しか も試験結果の確認・把握が容易であり、専門技術者が居ないような現場でも、速 やかに電動機器を試験し、管理することが可能であり、電気災害の予防に極めて 効果的である。 ＜ロ＞単相コンセントおよび三相コンセントの採用により、電気機器との接続を 容易かつ確実に行える。 ＜ハ＞１００Ｖ用電気機器と２００Ｖ用電気機器との絶縁抵抗の判定基準を区別 したため、より安全性の高い測定結果を得ることができる。 ＜ニ＞測定結果を項目別に表示させるため、電気機器のどこに異常があるか一目 瞭然である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案に係る電気機器試験装置の説明図

【図２】 単相１００Ｖ接地極リード線式工具の接続説
明図

【図３】 単相１００Ｖ二重絶縁工具の接続説明図

【図４】 単相１００Ｖ接地極プラグ式工具の接続説明
図

【図５】 単相２００Ｖ工具の接続説明図

【図６】 三相工具の接続説明図

【図７】 電気機器試験装置による電気機器の合否判定
基準抵抗値の一覧表

─────────────────────────────────────────────────────

【手続補正書】

【提出日】平成９年２月２６日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】図面の簡単な説明

【補正方法】変更

【補正内容】

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案に係る電気機器試験装置の説明図

【図２】 単相１００Ｖ接地極リード線式工具の接続説
明図

【図３】 単相１００Ｖ二重絶縁工具の接続説明図

【図４】 単相１００Ｖ接地極プラグ式工具の接続説明
図

【図５】 単相２００Ｖ工具の接続説明図

【図６】 三相工具の接続説明図

【図７】 電気機器試験装置による電気機器の合否判定
基準抵抗値の一覧図表

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 西川 保彦 東京都新宿区西新宿一丁目25番１号 大成 建設株式会社内 (72)考案者 山田 一郎 東京都新宿区西新宿一丁目25番１号 大成 建設株式会社内 (72)考案者 星野 章 新潟県北魚沼郡湯之谷村大字吉田1035−７

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 電気機器が接続される端子と、前記電
   気機器の異常の有無を検出する検出手段とを具備する電
   気機器試験装置において、 電気機器との接続手段として、単相コンセントを組み込
   んで構成したことを特徴とする、 電気機器試験装置。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の電気機器試験装置に
   おいて、電気機器との接続手段として、前記単相コンセ
   ントに代えて三相コンセントを組み込んで構成したこと
   を特徴とする、電気機器試験装置。
3. 【請求項３】 請求項１に記載の電気機器試験装置に
   おいて、電気機器との接続手段として、前記単相コンセ
   ントと共に三相コンセントを組み込んで構成したことを
   特徴とする、電気機器試験装置。
4. 【請求項４】 請求項１乃至請求項３のいずれかに記
   載の電気機器試験装置において、各種検出結果を項目別
   に表示する点灯手段を具備させたことを特徴とする、電
   気機器試験装置。
5. 【請求項５】 請求項１乃至請求項４のいずれかに記
   載の電気機器試験装置において、前記電気機器の絶縁抵
   抗の良否の判断基準を１００Ｖ用と２００Ｖ用とに区別
   したことを特徴とする、電気機器試験装置。
6. 【請求項６】 請求項１乃至請求項５のいずれかに記
   載の電気機器試験装置において、検出結果の印字出力手
   段によって、日付を付した検出結果の合格シールを発給
   することを特徴とする、電気機器試験装置。