JP3046989B2 - 工作機械のテーブル構造 - Google Patents

工作機械のテーブル構造

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JP3046989B2 JP2209596A JP20959690A JP3046989B2 JP 3046989 B2 JP3046989 B2 JP 3046989B2 JP 2209596 A JP2209596 A JP 2209596A JP 20959690 A JP20959690 A JP 20959690A JP 3046989 B2 JP3046989 B2 JP 3046989B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明はワークを加工するための工作機械のテーブ
ル構造に関するものである。
[従来の技術] 従来、第5,6図に示すように工作機械のテーブル構造
において、テーブル25を支持するレール26a,26bは、一
方のレール26aが平面型、他方のレール26bが90゜となる
断面V字型になっている。そして、摩擦係数を少なくす
るため、レール26a,26bの上面には潤滑油27を供給しな
がらテーブル25を水平方向へ往復動させている。
[発明が解決しようとする課題] ところが、テーブル25を水平方向へ往復動させている
状態において、第6図に示すように平面型のレール26a
上面に厚みaとなる油膜が形成された場合、V字型のレ
ール26b上面に対する垂直方向の厚みもaとなるが、高
さ方向の油膜厚は となり、 だけ厚みが高くなる。この結果、テーブル25においてV
字型のレール26b側が平面型のレール26a側より浮き上が
ってワークWを精密に平面加工することができない。
そこで、第7図に示すようにレール26a,26bを互いに
V字状に形成することも考えられるが、高速でテーブル
25を水平方向へ往復動させると、潤滑油27による浮き上
がり量が大きくなるので、低速にてテーブル25を動かす
ことしかできないという問題がある。また、テーブル25
を長時間往復動させると摺動熱によりテーブル25が膨張
し、幅方向へ移動しようとするが、レール26a,26bが断
面V字状に形成されているため幅方向に移動することが
できないのでテーブル25が撓んでしまうという問題があ
る。
本発明の目的は、テーブルの浮き上がりを防止すると
ともに、ワークの平面加工精度を安定させる工作機械の
テーブル構造を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するために、本発明は、フレーム上
に複数のテーブルを若干の間隔をもって並設し、各テー
ブルを、それぞれに対応して設けられたガイドレールに
より、転がり軸受を介して同一方向へ往復動可能に支持
し、各テーブルを一体に往復動させる単一の駆動手段を
設けたことをその要旨とする。
[作用] 上記の構成により、テーブルは転がり軸受を介してガ
イドレールに支持されているため、テーブルを高速で往
復動させてもテーブルの浮き上がりや傾きが防止され
る。又、テーブルを複数に分割していることから個々の
テーブルの熱による歪みが小さくなり、たとえ歪みが僅
かに生じても各テーブル間に隙間があることで全体とし
て大きなひずみとはならない。そして、これら各テーブ
ルは単一の駆動手段によって一体に往復動される。
[実施例] 以下、本発明を具体化した一実施例を第1〜4図に基
づいて説明する。
第1図に示すように、フレーム1の長手方向には複数
本(本実施例においては4本)の直線ガイドレールとし
てのレール2a,2b、3a,3bが所定のピッチを保持して固着
されている。このレール2a,2b、3a,3bの先端部には水平
方向両側に突出された頭部7が形成され、断面略T字状
に形成されている。このレール2a,2b、3a,3bにはガイド
部材4a,4b、5a,5bが水平方向(第1図において紙面と直
交する方向)に往復動可能に装着されている。
すなわち、前記ガイド部材4a,4b、5a,5bの下部には断
面逆凸字状となる摺動溝6がそれぞれ形成されるととも
に、ガイド部材4a,4b、5a,5bの下部が開口されている。
そして、第3図に示すように、この摺動溝6に前記レー
ル2a,2b、3a,3bの頭部7がその周状に配設された転がり
軸受としての複数のベアリング8を介して挿入されてい
る。
前記一対のガイド部材4a,4bの上面には縦長状のテー
ブル9が固着されている。そして、このテーブル9の右
側下部側面には水平方向に延出する突出片10がテーブル
9の長手方向に形成され、その先端には突出片10に対し
直交状に上方に延びる立設片11が設けられている。
また、前記一対のガイド部材5a,5bの上面にも同様に
縦長状のテーブル12が固着されている。そして、前記テ
ーブル9とは逆にテーブル12の左側上部側面には前記立
設片11の上面に対し所定の間隔を持って水平方向に配設
される突出片13が設けられている。さらに、同突出片13
の選択には突出片13に対し直交状に、かつ、テーブル9
に対し所定の間隔を持って下方に延びる立設片14が設け
られている。また、この立設片14の先端は前記突出片10
と所定の間隙を持って離間配置されている。
したがって、前記テーブル9,12は互いの突出片10,13
および立設片11,14によって所定の間隙を有して配設固
定されている。
また、前記テーブル9,12の幅寸法は長時間連続的に使
用して熱膨張にするテーブル9,12が若干撓んでも加工精
度に影響のない寸法となっており、本実施例においては
テーブル9,12の幅寸法は300mmとして加工精度誤差を1
μmに設定している。なお、加工精度が低くてもよい場
合にはテーブル9,12の幅方向の長さを大きくすることが
でき、例えば、加工精度誤差を10μmに設定した場合に
はテーブル9,12の幅方向の長さを1mにすることができ
る。
15はテーブル9,12の上面に凹設された溝であって、ワ
ークW等を保持固定するためのボルトの頭を嵌め込むよ
うになっている。
また、第2図に示すように、前記各ガイド部材4a,4b,
5a,5bの長手方向中央部においてその上部幅方向には連
結部材16が連通されている。さらに、第1図に示すよう
に、前記フレーム1上面の幅方向中央には単一の駆動手
段としての駆動シリンダ17が固定されており、前記連結
部材16に接続されている。よって、駆動シリンダ17を駆
動して連結部材16を操作することにより、ガイド部材4
a,4b,5a,5bを介してテーブル9,12が一体に水平方向へ往
復動するようになっている。
さらに、各テーブル9,12上面における長手方向の中央
部には幅方向に延びる凹部20が穿設されている。
そして、第4図に示すように、ガイド部材4a,4b,5a,5
bに挿通されている連結部材16の幅方向両側には収納凹
部18がそれぞれ形成され、収納凹部18には潤滑油19が循
環するように供給されている。
上記のように構成された工作機械のテーブル構造の作
用および効果について説明する。
まず、テーブル9,12の上面にワークWを固定し、駆動
シリンダ17を駆動すると連結部材16、ガイド部材4a,4b,
5a,5bを介してテーブル9,12が水平方向に往復動する。
すると、テーブル9,12の上面に固定されたワークが図示
しない砥石により平面研磨加工される。
このとき、ガイド部材4a,4b,5a,5bはレール2a,2b,3a,
3bにベアリング8を介して支持されているため、従来と
は異なり高速状態でテーブル9,12を往復動させてもテー
ブル9,12が浮き上がることがないのでワークWの平面加
工精度を安定させることができる。
また、全て同一形状のレール2a,2b,3a,3bにしたこと
によりテーブル9,12の傾きを防止してワークWの平面加
工精度を安定させることができる。
さらに、分割したテーブル9,12を組み合わせてワーク
テーブルとなるようにしたので、大型のワークテーブル
を容易に構成することができる。また、このときテーブ
ル9,12を長時間往復動させても加工精度の許容範囲とな
るテーブル9,12の幅寸法となっているためワークWの平
面加工精度を安定させることができる。
さらに、仮にテーブル9が撓んでも、突出片10,13、
立設片11,14により形成された間隙によりその撓みが隣
りのテーブル12に伝達されることを防止してレール2b,3
aのピッチを一定に保つことができる。
また、ガイド部材4a,4b,5a,5bの内部を挿通する連結
部材16における収納凹部18には潤滑油19が供給されてい
るため、テーブル9,12が幅方向に延びようとしてもこの
連結部材16によって規制されることなくスムーズに延び
ることができる。
なお、この発明は前記実施例に限定されるものではな
く、この発明の趣旨から逸脱しない範囲内で以下のよう
に変更することも可能である。
(1)第2図2点鎖線にて示すように、テーブル9,12を
一体としたときの縦、横の長さと等しいテーブル板21の
下面にテーブル9,12の凹部20に嵌め込まれる嵌合部22を
突出形成し、このテーブル板21の嵌合部22を凹部20に嵌
め込んでテーブル9,12上に固定することも可能である。
この場合、テーブル9,12が若干撓んでもその影響がワー
クWに伝わりにくくなり、平面加工精度を前記実施例の
場合に比べて一層安定させることができる。
(2)本実施例においては一対のテーブル9,12によって
一体のワークテーブルを構成したが、ワークWの大きさ
に応じて幅方向にテーブルを増設することも可能であ
る。この場合、テーブルが分割設置されているため、テ
ーブルの撓みが少なく、大きなワークテーブルを容易に
構成することができる。
(3)また、テーブル9,12を所定の間隙を保持して突き
合わせた状態で配設固定することも可能である。
[発明の効果] 以上詳述したように、この発明によればテーブルの浮
き上がりを防止するとともに、ワークの平面加工精度を
安定させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る工作機械のテーブルを示す正面
図、第2図は工作機械のテーブルの側面図、第3図はレ
ールとガイド部材との支持構造を示す一部拡大断面図、
第4図はガイド部材と連結部材との間に潤滑油が供給さ
れる状態を示す一部拡大断面図、第5図は従来の研削盤
を示す説明図、第6図は油膜の厚みによりテーブルが傾
くことを説明する説明図、第7図は従来の研削盤を示す
説明図である。 1……フレーム、2a,2b,3a,3b……直線ガイドレールと
してのレール、9,12……テーブル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23Q 1/00 - 1/76

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フレーム上に複数のテーブルを若干の間隔
    をもって並設し、 各テーブルを、それぞれに対応して設けられたガイドレ
    ールにより、転がり軸受を介して同一方向へ往復動可能
    に支持し、 各テーブルを一体に往復動させる単一の駆動手段を設け
    た工作機械のテーブル構造。
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