JP3045993U - 作業用ゴンドラ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多少の風があってもゴンドラ上での各種の作
業を行うことができ、ゴンドラに急にかかる大きな荷重
に対してもその落下を確実に防止でき、ゴンドラの昇降
をその横揺れをなくして安定して行うことができるとと
もに、ゴンドラと壁面が擦れ合うこともなく壁面をきれ
いに維持することができる作業用ゴンドラ装置を提供す
ること。 【解決手段】 建物などの作業すべき壁面に沿って作業
用ゴンドラが吊りワイヤーにより昇降可能に設置された
装置において、壁面に沿って支持部材２を所定間隔をお
いて立設し、これら支持部材に係合して上下に走行する
ガイドローラ22を作業用ゴンドラ15の両側部に設け、ま
た作業用ゴンドラにロック部材を支持部材に対して出没
可能に設け、このロック部材が突出すると係止するロッ
ク部を支持部材に設けている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、ビルディング等の建物の壁面の改修工事、塗装工事などに使用さ れる作業用ゴンドラ装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の作業用ゴンドラ装置にあっては、作業用ゴンドラが建物などの作業すべ き壁面に沿って吊りワイヤーにより昇降可能に設置されているだけであり、壁面 の前後方向や左右方向に対してはある程度自由に動けるようになっていた。

【０００３】 そのため、建物、例えば高層ビルなどの作業で風の強い日などにはゴンドラに よる昇降が危険で作業が事実上できなかった。また風が強くなくとも作業に必要 な材料や器具等をゴンドラに積み込む際に急にかかる大きな荷重により吊りワイ ヤーが切断してゴンドラが落下する恐れもあり、作業者はその作業に必要以上に 神経を使わなければならなかった。さらにゴンドラが昇降に際して壁面を擦って 傷を付けたり、あるいは前後左右方向の横揺れが大きくなって、ゴンドラ上での 作業がしにくいといった問題点があった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

そこで、この考案は前記従来の問題点を解決し、多少の風があってもゴンドラ 上での各種の作業を行うことができ、ゴンドラに急にかかる大きな荷重に対して もその落下を確実に防止でき、ゴンドラの昇降をその横揺れをなくして安定して 行うことができるとともに、ゴンドラと壁面が擦れ合うこともなく壁面をきれい に維持することができる作業用ゴンドラ装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するため、請求項１の考案は、建物などの作業すべき壁面に沿 って作業用ゴンドラが吊りワイヤーにより昇降可能に設置された作業用ゴンドラ 装置において、壁面に沿って支持部材が所定間隔をおいて立設され、これら支持 部材に係合して上下に走行するガイドローラが作業用ゴンドラの両側部に設けら れ、また作業用ゴンドラにロック部材が支持部材に対して出没可能に設けられ、 このロック部材が突出すると係止するロック部が支持部材に設けられていること を特徴とする。

【０００６】 請求項２の考案は、請求項１において、ガイドローラが係合するガイドレール が支持部材の相対向する面に設けられている。請求項３の考案は、請求項２にお いて、ガイドレールが作業用ゴンドラの両側面とほぼ平行となる方向にそれぞれ 小間隔をおいて設けられた１対のものからなっており、該ガイドレール間に上下 方向に所定の間隔をおいてロック部が設けられ、かつ両ガイドレールを挾むよう にガイドローラが１対設けられている。

【０００７】 請求項４の考案は、請求項１ないし３のいずれかにおいて、ロック部材がロッ ク部に係止するとロック状態となり、このロック状態がロック部材を出没可能に 支持する支持筒に形成したロック溝と、該ロック溝に係止可能にロック部材に設 けたロックレバーとにより保持されるようになっている。

【０００８】 請求項５の考案は、請求項１ないし４のいずれかにおいて、作業用ゴンドラが ２階建て構造となっており、１階と２階を昇降する梯子が設けられ、かつこの梯 子の上端近く位置の２階の床にハッチが設けられている。請求項６の考案は、請 求項１ないし５のいずれかにおいて、支持部材が組立て足場であり、これら足場 には階段が設けられている。

【０００９】

【考案の実施の形態】

この考案の一実施の形態を図面を参照して説明する。図１，２において１はビ ルディングなどの建物で、該建物の壁面に沿って支持部材としての組立て足場２ が所定の間隔をおいて設置されている。足場２は多数の縦パイプ２ａ、横パイプ ２ｂ等で枠状に組み合わせて構築され、壁面とは壁繋ぎ３で連結されている。こ の実施形態では足場２の上端は建物１よりやや高くなっている。足場２には下か ら上まで階段枠４が取り付けられ階段５が設けられている。６は建物１の１階部 分より上方位置（通常は１階部分と２階部分の中間位置）において両足場２間に 設けられた養生架台（ステージ）、７はその上に設けられた手摺りである。また 両足場２間の上端部には上部梁８が前後に間隔をおいて設けられ、該梁間にはゴ ンドラ吊りピース９が左右に間隔をおいて設けられている。10は上部梁８を支え る補強片である。

【００１０】 両足場２間には作業用ゴンドラ15がゴンドラ吊りピース９を介して吊りワイヤ ー16で懸吊され建物１の壁面に沿って昇降可能に設置されている。ゴンドラ15に は駆動用のモータ17が設置され、該モータによりそれぞれのワイヤー16を巻き上 げることにより上昇し、巻き戻すことにより下降するようになっている。

【００１１】 図３，４にその一側部側を示すように両足場２の相対向する面にはその壁面側 に１対のパイプ状ガイドレール20がゴンドラ15の両側面とほぼ平行となる方向に 小間隔をおいて設けられ、これらガイドレール20間には上下方向に所定の間隔を おいて後記ロック部材と係止する板状ロック部21が設けられている。一方、ゴン ドラ15の両側部には両ガイドレール20を挾むように走行するガイドローラ22が１ 対、回転自在に設けられている。ガイドローラ22はガイドレール20に密接して摺 動できるように表面が凹んだ鼓形の形状となっている。図面では前側のガイドロ ーラ20のみ示され、後側のガイドローラは隠れて省略された形となっている。ガ イドローラ22がガイドレール20に係合した状態で、ゴンドラ15は図１のように建 物１の壁面から所定距離離れた状態に位置決められる。

【００１２】 ゴンドラ15の両側部上面には基板25が固定され、該基板にはロック部材26がガ イドレール20に対して出没可能に設けられている。すなわち、基板25には支持筒 27が設けられ、該支持筒にはパイプ状ロック部材26がロック部21に係止可能なよ うに出没可能に収納支持されている。28はロック部材26に設けたロックレバー、 30，31は支持筒27に形成したロック溝と非ロック溝であり、ロック部材26が突出 してロック部21に係止するとロック状態となり、このロック状態がロックレバー 28のロック溝30への係止により保持される。非ロック状態ではロック部材26が突 出せず、ロックレバー28は非ロック溝31に係止する。

【００１３】 前記のような構成からなるので、養生架台６上の両足場２間において建物１の 壁面に沿ってゴンドラ15を昇降させるには、該ゴンドラのモータ17を駆動してワ イヤー16を巻き上げる。これによりゴンドラ15はガイドローラ22がガイドレール 20上を走行して上昇する。所定の位置に達したらモータ17の駆動を停止し、ロッ ク部材26をガイドレール20側に突出させ、ロック部21と係止するようにする。そ してロックレバー28を倒してロック溝30に係止させればロック状態となる。以後 ゴンドラ15はその位置に保持され、作業に必要な材料や器具等をゴンドラ15に積 み込む際に急に大きな荷重がかかってもその落下が確実に防止される。ゴンドラ 15を下降させるには、ロックレバー28をロック溝30から外してロック部材26をガ イドレール20と反対側のゴンドラ15側に引き戻しロック状態を解除した後、モー タ17を逆転駆動してワイヤー16を巻き戻す。これによりゴンドラ15は同様にガイ ドローラ22がガイドレール20上を走行して下降する。このゴンドラ15の昇降に際 して、ゴンドラ15はその両側部に設けたガイドローラ22が足場２のガイドレール 20に係合して走行するため、多少の風があっても前後左右の横揺れがほとんどな く、円滑でかつ安定して走行される。

【００１４】 しかして、この昇降によって停止位置にもたらされるゴンドラ15上で作業者に よる各種の作業が行われることとなる。１つのゴンドラ15により１列すべての作 業が終わったら作業者は、複数列あるゴンドラ15のうち隣接する２列目のゴンド ラ15に乗り移り再び前記と同様な操作により作業をする。そしてこのような作業 を全列にわたり行う。この際にゴンドラ15間にある足場２上においても作業者に よる作業が行われる。またこのような足場２がゴンドラ15のすぐ隣接した位置に あるので、例えばゴンドラ15が故障により停止したような場合の修理にも迅速に 対応することができる。

【００１５】 図５，６は別の実施の形態である。この実施形態ではゴンドラを２階建て構造 とした以外は、前記の実施の形態と同様であるので、以後では相違するゴンドラ の構成を主に説明することとする。この２階建て構造のゴンドラ45はゴンドラ15 が２つ上下に所定の間隔をおいて連結されたような構造となっており、１階部分 46と２階部分47をもち、両階段部分の両側部にガイドローラ22が設けられている 。ゴンドラ45の１階部分46には１階と２階を昇降する梯子48が設けられている。 梯子48の上端近く位置の２階の床には作業者が出入りするためのハッチ49が設け られている。

【００１６】 各実施の形態では建物１の壁面に沿って足場２及びゴンドラ15，45を２つしか 図示しなかったが、これは説明の便宜のためであり、それぞれ３〜５つ等、必要 とする個数列とすることができることは勿論である。またゴンドラ15，45を支え る支持部材としての足場２も好ましい一例を示したにすぎず、足場２に代えて単 なる支持ポールや支持枠体のようなものでもよい。さらに足場２に設けたガイド レール20にガイドローラ22を係合させて走行するようにしたが、必ずしもガイド レールを設ける必要はなく、例えばガイドローラを直接、足場２の縦パイプ２ａ （この場合、縦パイプ２ａをガイドローラ22が走行可能な構造にしなければなら ないことは当然である）に係合させて走行するようにしてもよく、構成部材の細 部は実施に際して請求項に記載した範囲内で適宜変更したりできることは言うま でもない。

【００１７】

【考案の効果】

請求項１ないし６の考案は前記のように壁面に沿って支持部材が所定間隔をお いて立設され、これら支持部材に係合して上下に走行するガイドローラが作業用 ゴンドラの両側部に設けられ、また作業用ゴンドラにロック部材が支持部材に対 して出没可能に設けられ、このロック部材が突出すると係止するロック部が支持 部材に設けられている構成からなるので、多少の風があってもゴンドラを安定し て昇降させてゴンドラ上での各種の作業を安全に行うことができる。また、作業 に必要な材料や器具等をゴンドラに積み込む際にゴンドラに急にかかる大きな荷 重に対してもロック部材とロック部からなるロック機構によりその落下を確実に 防止できる。さらに、ゴンドラの昇降をガイドレールとガイドローラとの係合に よりその横揺れをなくして安定して行うことができるのに加え、ゴンドラが建物 の壁面と擦れ合うこともなく壁面をきれいに維持することができるという優れた 効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施の形態を示す一部省略の平面
図である。

【図２】同上の一部省略の正面図である。

【図３】要部の一部省略の拡大斜視図である。

【図４】図３をさらに拡大した要部の一部省略の拡大斜
視図である。

【図５】別の実施の形態の図１対応の一部省略の平面図
である。

【図６】同上の図２対応の一部省略の正面図である。

【符号の説明】

１ 建物 ２ 足場（支持部材） ３ 壁繋ぎ ４ 階段枠 ５ 階段 ６ 養生架台 ７ 手摺り ８ 上部梁 ９ ゴンドラ吊りピース 10 補強片 15，45 作業用ゴンドラ 16 ワイヤー 17 モータ 20 ガイドレール 21 ロック部 22 ガイドローラ 26 ロック部材 27 支持筒 28 ロックレバー 30 ロック溝 48 梯子 49 ハッチ

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 建物などの作業すべき壁面に沿って作業
   用ゴンドラが吊りワイヤーにより昇降可能に設置された
   装置において、前記壁面に沿って支持部材が所定間隔を
   おいて立設され、これら支持部材に係合して上下に走行
   するガイドローラが作業用ゴンドラの両側部に設けら
   れ、また作業用ゴンドラにロック部材が前記支持部材に
   対して出没可能に設けられ、このロック部材が突出する
   と係止するロック部が前記支持部材に設けられているこ
   とを特徴とする作業用ゴンドラ装置。
2. 【請求項２】 ガイドローラが係合するガイドレールが
   支持部材の相対向する面に設けられている請求項１記載
   の作業用ゴンドラ装置。
3. 【請求項３】 ガイドレールが作業用ゴンドラの両側面
   とほぼ平行となる方向にそれぞれ小間隔をおいて設けら
   れた１対のものからなっており、該ガイドレール間に上
   下方向に所定の間隔をおいてロック部が設けられ、かつ
   両ガイドレールを挾むようにガイドローラが１対設けら
   れている請求項２記載の作業用ゴンドラ装置。
4. 【請求項４】 ロック部材がロック部に係止するとロッ
   ク状態となり、このロック状態がロック部材を出没可能
   に支持する支持筒に形成したロック溝と、該ロック溝に
   係止可能にロック部材に設けたロックレバーとにより保
   持されるようになっている請求項１ないし３のいずれか
   に記載の作業用ゴンドラ装置。
5. 【請求項５】 作業用ゴンドラが２階建て構造となって
   おり、１階と２階を昇降する梯子が設けられ、かつこの
   梯子の上端近く位置の２階の床にハッチが設けられてい
   る請求項１ないし４のいずれかに記載の作業用ゴンドラ
   装置。
6. 【請求項６】 支持部材が組立て足場であり、これら足
   場には階段が設けられている請求項１ないし５のいずれ
   かに記載の作業用ゴンドラ装置。