JP3045991U - 室内はき物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁石による足の裏の血行促進効果が十分に得
られる上、履いた際の磁石による異物感が少なくて履き
心地の良い室内はき物を提供する。 【解決手段】 室内はき物1 は、中物芯2 上面における
足の裏のほぼ中心線上の足指付け根部、土踏まず部およ
び踵部に対応する箇所に第１〜第３収容孔3A,3B,3Cをあ
け、各収容孔3A,3B,3Cに半球状部4aとフランジ部4bとよ
りなる磁石4 を収容し、第１、第３収容孔3A,3C におけ
る磁石4 の下側にゴム製緩衝部材5 を収容し、中物芯2
全体を、上面を覆いかつ収容孔3A,3B,3Cに対応する箇所
に収容孔よりも小径の磁石半球状部突出孔6A,6B,6Cをあ
けた中底表皮7aと下面から周面を覆う下面・周面表皮7b
とよりなる表皮7 で包んでなり、履いたさい、中底表皮
7aの突出孔6A,6B,6Cから突出した各磁石4 の半球状部4a
が、足の裏の上記箇所に当たるようになされている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、室内はき物に関する。

【０００２】

【従来の技術および考案が解決しようとする課題】

近年、はき物の分野においては、履く人の健康面に注目して、主に足の裏の血 行を促進するための磁石を備えたいわゆる健康はき物が多く見受けられる。

【０００３】 このような磁石を備えた従来のはき物は、次の２つのタイプに分けることがで きる。即ち、第１のタイプは、磁石を中底上面に全く露出しないように中底等に 埋設したものであり、第２のタイプは、磁石を中底上面に上方突出状に固着した ものである。

【０００４】 第１のタイプは、磁石から出る磁力線の作用によって足の裏の血行を促進する ものであるが、履いたさいに足の裏と磁石とが全く接しないので、磁石から出る 磁力線の作用が低減され、必ずしも満足のいく効果が得られなかった。

【０００５】 第２のタイプの場合、履いたさいに足の裏に磁石が密着して、磁石から出る磁 力線が足の裏に直接的に作用するので、第１のタイプよりも大きな血行促進効果 が期待でき、また、履いた人の自重による押圧作用によって足の裏にあるつぼが 刺激され、それによって健康の増進が図れるという効果も得られるものである。 その反面、履いたさいに中底上面より上方に突出した磁石が足の裏に強く当たる ため、特に体重が重い人ほど磁石による異物感を強く感じ、履き心地が良くない という問題があった。

【０００６】 なお、第２のタイプとして、中底上面に圧縮バネを介して磁石を固着したはき 物も提案されているが（実開昭６０−４２０４号公報および実開昭６１−１５８ ２０２号公報参照）、これらのはき物は、圧縮バネによって磁石を足の裏により 強く密着させ、それによって押圧作用によるつぼ刺激効果を高めることを意図す るものであって、履いた人の自重によってバネが圧縮した状態においても、なお 磁石全体が中底上面より上方に突出している上、バネのある分だけ突出高さが高 くなるため、履いたさいの磁石による異物感はかえって強くなり、決して履き心 地の良いものとはいえなかった。

【０００７】 上記の問題は、はき物全般にいえることであるが、特に、室内はき物について は、室内でリラックスした状態で用いられ、裸足で履かれる場合も多いことから 、履き心地がきわめて重要であるところ、従来、磁石による足の裏の血行促進効 果等が十分に得られ、しかも、履いたさいの磁石による異物感が少なくて履き心 地の良い室内はき物というのは全くなかった。

【０００８】 この考案の目的は、上記の実情に鑑みて、磁石による足の裏の血行促進効果が 十分に得られる上、履いたさいの磁石による異物感が少なくて履き心地の良い室 内はき物を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

この考案の室内はき物は、上記の目的を達成するために、中物芯が、可撓性を 有する本底芯と、本底芯上面に合着せられかつ前方にいくにつれて薄肉となされ たヒール芯と、弾性を有しかつ本底芯上面の前部およびヒール芯上面に合着せら れた中底芯とよりなり、中物芯上面における足の裏のほぼ中心線上の足指付け根 部、土踏まず部および踵部に対応する箇所に第１、第２および第３収容孔があけ られ、各収容孔に、半球状部およびこれの周囲に形成されたフランジ部よりなる 磁石が収容されるとともに、３つの収容孔のうち少なくとも第１および第３収容 孔における磁石の下側に、中底芯の弾性率よりも高い弾性率を有するゴムまたは 合成樹脂よりなる緩衝部材が収容され、この中物芯全体が、上面を覆いかつ３つ の収容孔に対応する箇所に収容孔よりも小径の磁石半球状部突出孔があけられた 中底表皮と下面から周面を覆う下面・周面表皮とよりなる表皮で包まれており、 履いたさい、中底表皮の突出孔から突出した各磁石の半球状部が、足の裏のほぼ 中心線上の足指付け根部、土踏まず部および踵部にそれぞれ当たるようになされ ていることを特徴とするものである。

【００１０】 上記の室内はき物によれば、これを履いたさい、各磁石の半球状凸部が、足の 裏のほぼ中心線上の足指付け根部、土踏まず部および踵部に当たって、これらの 磁石から出る磁力線の直接的な作用によって足の裏のほぼ全体の血行が効果的に 促進される。しかも、足の裏のほぼ中心線上の足指付け根部および踵部に当たる 磁石は、足の構造上履く人の自重による押圧作用が強く働く箇所に位置するとこ ろ、３つの磁石のうち少なくともこれら両磁石については、その下側に配置され かつ中底芯の弾性率よりも高い弾性率を有するゴムまたは合成樹脂よりなる緩衝 部材の存在によって、履く人の体重に応じて適宜に沈み込むため、磁石による異 物感が少なく、履き心地が極めて良い。さらには、中物芯が、上記本底芯、ヒー ル芯および中底芯よりなるので、女性の脚線を美しく見せることができ、デザイ ンの多様化を可能にすることができる上、履いたさい足の裏に伝わる感触がソフ トで履き心地が良くなる。

【００１１】 また、この考案の室内はき物は、好ましくは、第１収容孔が、本底芯にあけら れた貫通孔または有底孔および中底芯にあけられた貫通孔よりなり、第２収容孔 が、ヒール芯にあけられた有底孔および中底芯にあけられた貫通孔よりなり、ヒ ール芯の有底孔の上端開口縁部に磁石のフランジ部上面に重ねられる環状内方突 出壁が形成されているとともに、同有底孔の底壁に磁石挿入用開口部が形成され ており、第３収容孔が、ヒール芯および中底芯にあけられた貫通孔よりなり、ヒ ール芯の貫通孔の上端開口縁部に磁石のフランジ部上面に重ねられる環状内方突 出壁が形成されている。

【００１２】 上記のような構成とすれば、組立にさいしては、例えば、本底芯の第１収容孔 形成用貫通孔または有底孔に磁石および緩衝部材を挿入しておくとともに、ヒー ル芯の第２収容孔形成用有底孔に、これの底壁の開口部から磁石を挿入し、ヒー ル芯の第３収容孔形成用貫通孔に、これの下側から磁石および緩衝部材を挿入し 、こうしておいて、本底芯上面にヒール芯を接着等により合着した後、さらに本 底芯上面の前部およびヒール芯上面に中底芯を接着等により合着することにより 一体化された中物芯が得られるので、その作業を効率良く行なうことができる。 その上、第２および第３収容孔に収容された磁石は、これらのフランジ部上面に 、ヒール芯の第２収容孔形成用有底孔および第３収容孔形成用貫通孔の上端開口 縁部に形成された環状内方突出壁が重ねられているので、製造時における収容孔 内での位置決めが容易である上、収容孔から上方に逃げないようになされている 。なお、この場合、ヒール芯は、ポリ塩化ビニル樹脂等の合成樹脂により全体が 一体に形成される。また、本底芯についても、ヒール芯と同様に合成樹脂で全体 が一体に形成されてもよく、その場合には、本底芯に第１収容孔形成用貫通孔を あけるとともに、この貫通孔の上端開口縁部に上記と同様の環状内方突出壁を形 成するようにしてもよい。

【００１３】

【考案の実施の形態】

次に、この考案の実施の形態を図面を参照して説明する。

【００１４】 図示の室内はき物(1) は、これの中物芯(2) が、可撓性を有するフェルト製本 底芯(2a)と、例えばポリ塩化ビニル樹脂等の合成樹脂で全体が一体に形成されて なり、本底芯(2a)上面の長さ中央部および後部に合着せられかつ前方にいくにつ れて薄肉となされたヒール芯(2b)と、弾力性を有しかつ本底芯(2a)上面の前部お よびヒール芯(2b)上面に合着せられたウレタンフォーム製中底芯(2c)とよりなる （図２および図３参照）。ヒール芯(2b)の下面には、複数の凹所(20)が設けられ ている（図２、図４および図５参照）。

【００１５】 そして、中物芯(2) 上面における足の裏のほぼ中心線上の足指付け根部、土踏 まず部および踵部に対応する箇所に第１、第２および第３収容孔(3A)(3B)(3C)が あけられ、各収容孔(3A)(3B)(3C)に、半球状部(4a)およびこれの周囲に形成され たフランジ部(4b)よりなるフェライト磁石(4) が収容されるとともに、第１およ び第３収容孔(3A)(3C)における磁石(4) の下側に、中底芯の弾性率よりも高い弾 性率を有するネオプレンゴムよりなる短円柱状の緩衝部材(5) が収容され、この 中物芯(2) 全体が、上面を覆いかつ３つの収容孔(3A)(3B)(3C)に対応する箇所に 収容孔(3A)(3B)(3C)よりも小径の磁石半球状部突出孔(6A)(6B)(6C)があけられた 中底表皮(7a)と下面から周面を覆う下面・周面表皮(7b)とよりなる表皮(7) で包 まれており、履いたさい、中底表皮(7a)の突出孔(6A)(6B)(6C)から突出した各磁 石(4) の半球状部(4a)が、足の裏のほぼ中心線上の足指付け根部、土踏まず部お よび踵部に当たるようになされている。

【００１６】 第１収容孔(3A)は、本底芯(2a)にあけられた貫通孔(21)および中底芯(2c)にあ けられた貫通孔(22)よりなり、中底芯(2c)の貫通孔(22)は本底芯(2c)の貫通孔(2 1)よりも小径となされている（図２および図３参照）。

【００１７】 第２収容孔(3B)は、ヒール芯(2b)にあけられた有底孔(23)および中底芯(2c)に あけられた貫通孔(24)よりなり、ヒール芯(2b)の有底孔(23)の上端開口縁部に磁 石(4) のフランジ部(4b)上面に重ねられる環状内方突出壁(25)が形成され、同有 底孔(23)底壁の略前半部に磁石挿入用開口部(26)が形成されている（図２〜図４ 参照）。中底芯(2c)の貫通孔(23)は、ヒール芯(2b)の有底孔(23)上端部とほぼ同 一径となされている（図２および図４参照）。

【００１８】 第３収容孔(3C)は、ヒール芯(2b)および中底芯(2c)にそれぞれあけられた貫通 孔(27)(28)よりなり、ヒール芯(2b)の貫通孔(27)の上端開口縁部に磁石(4) のフ ランジ部(4b)上面に重ねられる環状内方突出壁(29)が形成されている（図２〜図 ５参照）。第３収容孔(3C)における緩衝部材(5) の下側には、緩衝部材(5) と本 底芯(2a)上面との間に介在されて磁石(4) の半球状部(4a)を中底表皮(7a)の突出 孔(6C)から突出し得る位置に保持するフェルト製の短円柱状部材(8) が収容され ている（図２、図４および図５参照）。

【００１９】 上記の中物芯(2) は、例えば、本底芯(2a)の第１収容孔形成用貫通孔(21)に磁 石(4) および緩衝部材(5) を挿入しておくとともに、ヒール芯(2b)の第２収容孔 形成用有底孔(23)に、これの底壁の開口部(26)から磁石(4) を挿入し、ヒール芯 (2b)の第３収容孔形成用貫通孔(27)に、これの下側から磁石(4) 、緩衝部材(5) および短円柱状部材(8) を挿入し、こうしておいて、本底芯(2a)上面の長さ中央 部および後部にヒール芯(2b)を接着等により合着した後、さらに本底芯(2a)上面 の前部およびヒール芯(2b)上面に中底芯(2c)を接着等により合着することにより 、効率良く組み立てることができる（図３および図５参照）。

【００２０】 表皮(7) を構成する中底表皮(7a)および下面・周面表皮(7b)は、いずれも合成 皮革よりなり、中底表皮(7a)における第１および第２収容孔(3A)(3B)に対応する 箇所にあけられた磁石半球状部突出孔(6A)(6B)の周囲には、複数の小さな通気孔 (9) があけられている（図１参照）。下面・周面表皮(7b)の接地面の前後両側部 には、ポリ塩化ビニル樹脂などによりバックスキン状に成形せられてなる滑り止 め部材(10)が接着されている（図２参照）。

【００２１】 中底表皮(7a)および下面・周面表皮(7b)の両周縁部は、合成皮革よりなるバン ド(11)または甲被の下縁部を挟み込んだ状態で互いに重ね合わせられ、これらの 重合部分が、バンド(11)または甲被の下縁部と共に、皮ひも(12)または糸で粗に 縫い着けられている（図１および図２参照）。なお、中物芯(2) は、例えば両表 皮(7a)(7b)の周縁部の重合部分を後方一部を残して縫い着けた状態で、バンド(1 1)等の後方に形成された開口部から両表皮(7a)(7b)間に挿入される。

【００２２】 上記の室内はき物(1) は、これを履いていない状態では、図２に示すように、 各磁石(4) の半球状部(4a)が中底表皮(7a)上面とほぼ同一レベルかそれよりも僅 かに下方に位置しているが、これを履いたさいには、中底表皮(7a)および中底芯 (2c)が圧縮されることにより、図６に示すように、各磁石(4) の半球状部(4a)が 、中底表皮(7a)上面よりも上方に突出して、足の裏のほぼ中心線上の足指付け根 部、土踏まず部および踵部に当たる。そして、これらの磁石(4) から出る磁力線 の直接的な作用によって足の裏のほぼ全体の血行が効果的に促進される。また、 第１および第３収容孔(3A)(3C)に収容されて足の裏のほぼ中心線上の足指付け根 部および踵部に当たる磁石(4) は、足の構造上履く人の自重による押圧作用が強 く働く箇所に位置するところ、これら両磁石(4) については、その下側に配置さ れた緩衝部材(5) の存在によって、履く人の体重に応じて適宜に沈み込むため、 磁石(4) による異物感が少なく、履き心地が極めて良い。

【００２３】

【考案の効果】

この考案の室内はき物によれば、これを履いたさい、各磁石の半球状凸部が、 足の裏のほぼ中心線上の足指付け根部、土踏まず部および踵部に当たって、これ らの磁石から出る磁力線の直接的な作用によって足の裏のほぼ全体の血行が効果 的に促進される上、３つの磁石のうち少なくとも足の裏のほぼ中心線上の足指付 け根部および踵部に当たる磁石が、これらの下側に配置された緩衝部材の存在に よって、履く人の体重に応じて適宜に沈み込むため、磁石による異物感が少なく 、履き心地が極めて良い。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施の形態を示すものであって、バ
ンドの一部を省略した室内はき物の平面図である。

【図２】図１のII−II線に沿う縦断面図である。

【図３】室内はき物の中物芯の分解斜視図である。

【図４】中物芯のヒール芯の底面図である。

【図５】室内はき物の組立の１工程を示す一部拡大縦断
面図である。

【図６】室内はき物を履いた状態をバンドの一部を省略
して示す側面図である。

【符号の説明】

(1) …室内はき物 (2) …中物芯 (2a)…本底芯 (21)…貫通孔 (2b)…ヒール芯 (23)…有底孔 (25)…環状内方突出壁 (26)…磁石挿入用開口部 (27)…貫通孔 (29)…環状内方突出壁 (2c)…中底芯 (22)(24)(28)…貫通孔 (3A)…第１収容孔 (3B)…第２収容孔 (3C)…第３収容孔 (4) …磁石 (4a)…半球状部 (4b)…フランジ部 (5) …緩衝部材 (6A)(6B)(6C)…磁石半球状部突出孔 (7) …表皮 (7a)…中底表皮 (7b)…下面・周面表皮

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】中物芯が、可撓性を有する本底芯と、本底
   芯上面に合着せられかつ前方にいくにつれて薄肉となさ
   れたヒール芯と、弾性を有しかつ本底芯上面の前部およ
   びヒール芯上面に合着せられた中底芯とよりなり、中物
   芯上面における足の裏のほぼ中心線上の足指付け根部、
   土踏まず部および踵部に対応する箇所に第１、第２およ
   び第３収容孔があけられ、各収容孔に、半球状部および
   これの周囲に形成されたフランジ部よりなる磁石が収容
   されるとともに、３つの収容孔のうち少なくとも第１お
   よび第３収容孔における磁石の下側に、中底芯の弾性率
   よりも高い弾性率を有するゴムまたは合成樹脂よりなる
   緩衝部材が収容され、この中物芯全体が、上面を覆いか
   つ３つの収容孔に対応する箇所に収容孔よりも小径の磁
   石半球状部突出孔があけられた中底表皮と下面から周面
   を覆う下面・周面表皮とよりなる表皮で包まれており、
   履いたさい、中底表皮の突出孔から突出した各磁石の半
   球状部が、足の裏のほぼ中心線上の足指付け根部、土踏
   まず部および踵部にそれぞれ当たるようになされている
   ことを特徴とする、室内はき物。
2. 【請求項２】第１収容孔が、本底芯にあけられた貫通孔
   または有底孔および中底芯にあけられた貫通孔よりな
   り、第２収容孔が、ヒール芯にあけられた有底孔および
   中底芯にあけられた貫通孔よりなり、ヒール芯の有底孔
   の上端開口縁部に磁石のフランジ部上面に重ねられる環
   状内方突出壁が形成されているとともに、同有底孔の底
   壁に磁石挿入用開口部が形成されており、第３収容孔
   が、ヒール芯および中底芯にあけられた貫通孔よりな
   り、ヒール芯の貫通孔の上端開口縁部に磁石のフランジ
   部上面に重ねられる環状内方突出壁が形成されている、
   請求項１記載の室内はき物。