JP3045791B2 - 形状記憶性生体材料 - Google Patents

形状記憶性生体材料

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JP3045791B2 JP3025309A JP2530991A JP3045791B2 JP 3045791 B2 JP3045791 B2 JP 3045791B2 JP 3025309 A JP3025309 A JP 3025309A JP 2530991 A JP2530991 A JP 2530991A JP 3045791 B2 JP3045791 B2 JP 3045791B2
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道子 川上
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旭光学工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、柔軟性のある形状記憶
性生体材料に関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】近年、様々な成形材料が開
発され、その生体材料への応用も検討されつつある。そ
の一例として、特開昭64−58260号公報には、形
状記憶合金からなる人工医用材料の表面にβ−リン酸三
カルシウムなどの骨置換性のある物質を被覆してなる人
工医用材料が開示されている。しかしながら、形状記憶
合金は、形状回復率が小さく、また、形状記憶樹脂にく
らべて高価であるという問題点を有する。
【0003】また、最近では、形状記憶樹脂の生体材料
への応用が検討され、人工臓器19(3)、1186〜
1189頁(1990年)には、形状記憶樹脂を用いた
人工栓が報告されている。形状記憶樹脂を用いると、常
温で縮小し、凹凸をなくす等の変形を加えておき、生体
内の所望の位置に設置した後、所望の形状に戻すことが
できるため、手術が容易であるなどの利点があり、生体
材料としての応用が注目されている。しかしながら、一
般に、形状記憶樹脂は、生体親和性に疑問がある。
【0004】一方、生体材料としては、従来、バイオセ
ラミックスが利用されてきたが、これは柔軟性に欠ける
ため、柔軟性の要求される箇所には使用できなかった。
【0005】
【発明の目的】本発明は、柔軟性及び生体親和性を有す
る生体材料を提供することを目的とする。
【0006】
【発明の構成】本発明は、柔軟性を有する形状記憶樹脂
に、生体親和性を有するリン酸カルシウム系セラミック
スを配合することによって上記の目的を達成したもので
ある。
【0007】すなわち、本発明による形状記憶性生体材
料は、形状記憶樹脂中にリン酸カルシウム系セラミック
を分散して含むことを特徴とする。
【0008】本発明に用いる形状記憶樹脂は、特に制限
はないが、生体材料として使用するため、30〜55℃
の形状記憶温度を有するものが好ましく、さらに35〜
55℃の形状記憶温度を有するものがより好ましい。さ
らに具体的には、ポリノルボルネン、ポリウレタンなど
が挙げられる。
【0009】また、リン酸カルシウム系セラミックスと
しては、ハイドロキシアパタイト、フッ素アパタイト等
の各種のアパタイト、リン酸三カルシウム、リン酸四カ
ルシウム及びこれらの混合物を使用することができる。
これらのセラミックスは、湿式合成したものを噴霧乾燥
等の方法で造粒したもの、又は焼成後に破砕して得られ
る顆粒状のものであってもよく、また、粒径についても
特に制限はないが、あまり大きいと変形時や形状回復時
に支障をきたすおそれがあるので、通常、1.0mm以下の
粒径、好ましくは0.6mm以下の粒径を有するものが好ま
しい。
【0010】本発明の生体材料において、形状記憶樹脂
とリン酸カルシウム系セラミックスの配合割合は、その
生体材料の所望の特性を考慮して適宜決定することがで
きるが、通常、リン酸カルシウム系セラミックスの量
が、形状記憶樹脂:リン酸カルシウム系セラミックスの
体積比で1:1.68以下であるのが好ましい。形状記憶
樹脂:リン酸カルシウム系セラミックスの体積比で1:
1.68を超えると、得られる生体材料が脆くなり、形状
記憶樹脂をゴム弾性を示す温度にまで加熱しても、力を
加えると折れてしまうので好ましくない。
【0011】本発明の生体材料を製造するには、形状記
憶樹脂を形成する重合組成物中に、重合反応前、重合中
あるいは重合後にリン酸カルシウム系セラミックスを所
望の割合で混合し、重合完了後に所望の形に成形する
か、あるいは上記の重合反応を型中で行ってもよい。
【0012】次に、図面に基づいて本発明をさらに詳し
く説明する。図1は、本発明の生体材料の一実施態様で
ある髄内釘の正面図である。図1において、髄内釘1
は、形状記憶樹脂中にリン酸カルシウム系セラミックス
を分散して含むものであり、髄内釘本体2の両端に二股
に分かれた突出部3a及び3bを有する。
【0013】図2は、図1に示した髄内釘を変形した状
態で示す正面図である。図1に示した髄内釘1は、保存
時及び使用時には棒状髄内釘4として保存及び使用する
ことができる。髄内釘1を変形するには、その形状記憶
温度以上に加熱し、図2に示すように二股に分かれた突
出部3a及び3bが合わさって髄内釘1全体が棒状体と
なるように変形させ、変形状態で冷却して硬化させれば
よい。こうして得られた棒状髄内釘4を形状記憶温度以
上に加熱すれば、記憶している元の形状、すなわち、図
1に示した形状の髄内釘1に復帰することができる。
【0014】髄内釘1を体温で形状を回復するように形
状を記憶させて成形し、図2に示したように棒状髄内釘
4に変形しておくと、手術時に周辺組織を損傷すること
なく骨髄内に埋入することができ、しかも体温により突
出部のある髄内釘1となるので、髄内釘の骨固定作用は
高いものとなる。例えば、図3に示したように骨折部5
のある骨6a及び6bの接合手術を行う場合、棒状髄内
釘4を骨髄内に入れ、骨6a及び6bを接合させる。こ
のとき棒状髄内釘4は、体温により元の形状に復帰し、
図4に示したように突出部3a及び3bを有する髄内釘
1になる。
【0015】本発明に係る髄内釘1は、骨誘導性を有す
るリン酸カルシウムを含有することにより、骨髄内に埋
入された後、周囲の骨組織からの新生骨組織の侵入を促
し、その結果より強固に骨内に固定され、したがって、
骨折部を強固に固定することが可能となる。
【0016】なお、髄内釘としては、フック状髄内釘、
キュンチャー髄内釘などがある。また、本発明は、髄内
釘ばかりでなく、止血用人工栓、歯科用あるいは医科用
の各種インプラントなどの広範な生体材料として適用す
ることができる。
【0017】次に、実施例に基づいて本発明をさらに詳
述するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0018】実施例1 公知の湿式合成法で製造したハイドロキシアパタイトを
1200℃で焼成し、破砕して得られた粒径0.3〜0.6
mmのハイドロキシアパタイト顆粒とダイアリイ(三菱重
工株式会社製の2液性ポリウレタン樹脂製造原料の商品
名)とを、樹脂:アパタイトの体積比が10:0.8(ア
パタイト顆粒の比重を25g/cm3 として計算したも
の、重量比で10:2)となるような割合で混合した。
ダイアリィは、2液性、すなわち主剤と硬化剤とからな
るので、重合前のダイアリィの主剤にアパタイト顆粒を
混合し、その後、硬化剤を加える方法で混合を行った。
【0019】得られた混合物を寸法縦横各6cm、深さ1.
5cm、厚さ1〜3mmの四角形の皿形ポリプロピレン製型
に入れ、室温で放置すると、発熱しながら重合した。重
合に要する時間は、形状記憶温度によって異なり、形状
記憶温度が低い方が重合時間は長くなる。この実施例で
は、形状記憶温度を35℃に設定して注型重合を行っ
た。
【0020】なお、ダイアリィは、融点以上に加熱して
流動状態にした後で冷却すると、その形で内部応力がゼ
ロになるような新しい架橋点を作るので、重合の後でも
新しい形状を記憶させることができる。したがって、こ
の方法で形状を記憶させてもよい。
【0021】重合終了後、型から取り出し、皿形成形体
を形状記憶温度35℃以上の温度の湯に入れて変形さ
せ、変形したままの状態で冷水中で冷却すると、そのま
まの形状で硬化した。これを再び形状記憶温度35℃以
上の湯に入れて形状の回復を確認したところ、変形前の
形状を回復し、形状記憶性が確認された。
【0022】実施例2〜20 実施例1と同様にして製造した表1に示す粒径のハイド
ロキシアパタイト顆粒を、ダイアリィに表1に示す配合
比で混合し、形状記憶温度を表1に示す温度に設定して
実施例1と同様にして皿形成形体を製造した。なお、ダ
イアリィと混合する場合、顆粒を通常はダイアリィの主
剤と混合するが、混合しにくい場合には主剤と硬化剤の
両方に顆粒を加えて混合した後、両者を混合した。各成
形体をそれぞれの形状記憶温度以上の温度の湯に入れて
形状の回復を確認すると、全てのサンプルについて変形
前の元の形状を回復し、形状記憶性が確認された。
【0023】実施例10及び実施例11で得られた成形
体は、顆粒の添加量が多いため、緻密なものは得られ
ず、多孔質となった。
【0024】なお、表中、樹脂とアパタイト顆粒の体積
比は、アパタイト顆粒の比重を25g/cm3 として計算
したものを示し、顆粒の粒径は、下記の記号で示す。 S=0.3〜0.6mm M=0.6〜1.0mm
【0025】
【表1】
【0026】比較例 実施例1と同様にして製造した粒径1.0〜2.0mmのハイ
ドロキシアパタイト顆粒とダイアリィとを、樹脂:アパ
タイトの体積比が10:5(重量比=10:12.5)と
なるような割合で混合した以外は、実施例1と同様に操
作して、皿形成形体を作成した。得られた成形体は、形
状記憶性を示したが、混合した顆粒の粒径が大きいの
で、熱可塑性が損なわれ、形状記憶温度以上の湯に入れ
ても変形させにくく、室温で曲げると折れてしまった。
【0027】
【発明の効果】本発明による形状記憶性生体材料は、柔
軟性と生体親和性を併せ持つ優れた生体材料である。体
温で元の形状を回復するように形状記憶温度を設定すれ
ば、生体への埋入手術が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様を示す髄内釘の正面図であ
る。
【図2】図1に示した髄内釘を変形した棒状髄内釘の正
面図である。
【図3】図2に示した棒状髄内釘を骨折した骨に埋入し
た状態を示す説明図である。
【図4】図2に示した棒状髄内釘を骨折した骨に埋入し
た後、体温で形状を回復した状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 髄内釘 2 髄内釘本体 3a 突出部 3b 突出部 4 棒状髄内釘

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 形状記憶樹脂中に1.0mm以下の粒径
    を有するリン酸カルシウム系セラミックスを分散して含
    むことを特徴とする形状記憶性生体材料。
  2. 【請求項2】 形状記憶樹脂が30〜55℃の形状記憶
    温度を有するものである請求項1記載の形状記憶性生体
    材料。
JP3025309A 1991-01-25 1991-01-25 形状記憶性生体材料 Expired - Fee Related JP3045791B2 (ja)

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