JP3045485U - 小型カメラのフィルター装着装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型カメラにおけるフィルターレンズの装着
が撮影レンズ鏡筒条件によってカメラ機種毎に別個のフ
ィルターレンズを用いることの繁雑さを解決し、コンパ
クトカメラに対するフィルターレンズの使用を可能にす
る。 【解決手段】 小型カメラ本体下面の三脚取付用ねじ孔
を利用して、これにねじ止めされる取付基板（Ａ）に嵌
着されたフィルター保持枠（Ｂ）とにより、大径のフィ
ルターレンズを撮影レンズ鏡筒の全面に調節位置し得る
ようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案はコンパクトカメラなどの写真撮影用の小型カメラに対するフィルター 装着装置に関し、詳しくはカメラ本体の下面に設けられた三脚取付用ねじ孔にね じ止めされる取付基板を介して撮影レンズ鏡筒の前面に、該鏡筒径より大径のフ ィルターレンズを調節位置せしめることができるフィルター装着装置を得ること を目的とするものである。

【０００２】 カメラの撮影効果を高めるために、目的、撮影条件等に応じて、性能が異なる 各種のフィルターレンズが提供され、通常の撮影レンズの鏡筒前端に螺着又は嵌 着されて使用されている。 したがって、鏡筒条件が異なるカメラ機種毎に、寸法条件等が異なる別個のフ ィルターレンズを用いなければならなかった。 一方、近時普及しているコンパクトカメラはカメラ本体の撮影レンズ鏡筒に近 接した周縁に、自動露出調節機構の受光窓や自動焦点調節機構の発光受光窓を配 設しているので、前記のように撮影レンズ鏡筒部にフィルターレンズを装着する 手段は採用できなく、通常フィルターレンズの使用はできないものであった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、小型カメラにおける機種毎に異なるフィルターレンズ装着条件に対 応して、それぞれ別個のフィルターレンズを用いる繁雑さを解決するとともに、 コンパクトカメラに対してもフィルターレンズの使用を可能にすることを課題と するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、従来のカメラの撮影レンズ鏡筒部に直接フィルターレンズを装着す る手段に代えて、カメラ本体下面に設けられた三脚取付用ねじ孔を利用して、こ れらねじ止め固定する取付基板によって、カメラの撮影レンズ鏡筒の前面に位置 して、大径のフィルターレンズを保持する手段を採用することにより前記従来の 課題を解決したものである。

【０００５】 すなわち、本考案はカメラ本体の下面形に略適合する長方形板上の長手方向に 長孔を設けたカメラ取付用の基片部と、該基片部の前縁中央から前方に直角延出 した長方形板状の突出片部が貫挿されて該突出片部の直角上方に位置して前後方 向に摺動可能に支持される大径のフィルターレンズを保持し得るフィルター保持 枠とよりなることを特徴とする小型カメラのフィルター装着装置を要旨とするも のである。

【０００６】 前記の取付基板の基片部は、小型カメラ本体下面の形状に略適合した寸法の長 方形状板であり、通常小型カメラの本体下面の寸法が前後方向で４ｃｍ、左右方 向で１３ｃｍを超えることがないことから、基片部は３〜５ｃｍ幅、１３〜１５ ｃｍ長の寸法を有したものであればよく、その長手方向に設ける長孔は、基片部 の両端から０．５〜１ｃｍの位置の間に直線状で、三脚取付用ねじ孔への取付ね じが適合貫挿できる孔幅を有したものであればよい。

【０００７】 基片部の前縁中央から前方に直角演出した突出片部は、フィルター保持枠を前 後方向に摺動可能に支持するもので、通常基片部前縁から１０〜１２ｃｍ突出し た幅２〜３ｃｍの長方形板状をなすものである。

【０００８】 前記の基片部と突出片部とよりなる取付基板は、プラスチック板、ＦＲＰ板、 金属板などの素材から切り出した両片部が一体であるもの或いは両片部を別体と して、ねじ止め等により分解可能に連結したものである。

【０００９】 フィルター保持枠は小型カメラの撮影レンズ鏡筒径の少なくとも１．４倍径の 大径のフィルターレンズを、着脱容易に且つ保持状態でフィルターレンズの円周 方向に手動回転できるように、フィルターレンズの周縁において保持するもので あればよく、該保持枠はその下部に、前記取付基板の突出片部が適合嵌挿できる 長孔の挿通孔が設けられ、これによりフィルター保持枠は突出片部の直角上方に あって、その前後方向に摺動可能に支持される。 通常、フィルター保持枠の下部の挿通孔の下壁には、ねじ孔を貫設してこれに 螺着した固定ねじにより、突出片部に対する前後調節位置の固定ができるように する。

【００１０】 コンパクトカメラなどの小型カメラにおける撮影レンズ鏡筒径は通常５０ｍｍ 以下であり、又撮影レンズ鏡筒先端のカメラ本体からの突出長さは３倍ズームレ ンズの場合でも１００ｍｍを超えることがないので、本考案装置におけるフィル ター保持枠は、７２ｍｍ径以上の大径フィルターレンズを保持すればよく、また 取付基板の突出片部の長さは１２０ｍｍ以上にする必要はない。

【００１１】 このフィルター装着装置は、その取付基板の基片部面をカメラ本体下面に面接 せしめて、その長孔を通してカメラの三脚取付用ねじ孔に取付ねじを螺入して仮 止めし、その突出片部に嵌着したフィルター保持枠内に保持した大径のフィルタ ーレンズ面がカメラの撮影レンズ鏡筒の前面にあって、該鏡筒とともに、ファイ ンダー視野さらにはコンパクトカメラ等における露出計や距離計などの光路をも 含む範囲が収まるように取付基板をカメラの左右方向に調節した上前記の取付ね じを緊締固定することによりカメラに取付け使用される。

【００１２】 前記のようにして小型カメラに装着したフィルターレンズが偏光レンズである 場合には、ファインダーからの視野中でフィルターレンズを回動してその最適回 転位置を得ることができる。

【００１３】

【実施例】

本考案を図面に示す実施例により説明する。 図１は実施例のフィルター装着装置の斜視図、図２はフィルターレンズを保持 したフィルター装着装置を小型カメラに取付けた状態を示す一部を断面とした側 面図、図３はその正面図である。 図において、フィルター装着装置は取付基板Ａとフィルター保持枠Ｂとよりな り、取付基板Ａはポリプロピレン樹脂板から切り出された一体の基片部１と突出 片部２を有し、基片部１は幅３．５ｃｍ長さ１４ｃｍの長方形状をなし、その長 手方向に幅５ｍｍで長さ１２ｃｍの長孔７が穿設され又突出片部２は基片部１の 前縁中央から前方に延出した幅２ｃｍ長さ１３ｃｍの長方形状をなしている。

【００１４】 フィルター保持枠Ｂは７２ｍｍ径のフィルターレンズＦの下半周縁を緩嵌保持 し得る内周面に凹溝１３を有する半円環状の下枠１０と、該下枠１０の一方の端 縁に基部が固定されてフィルターレンズＦの上半円周側面に当接し得る可撓性の プラスチック条片よりなる弾性ストッパー１１を有し、該下枠１０の中央下端に は、前記の取付基板Ａの突出片部２が適合嵌挿される挿通孔１４が設けられ、該 挿通孔１４の下壁に貫設したねじ孔に螺入した固定ねじ１８を有している。

【００１５】 前記の弾性ストッパー１１は、下枠１０の凹溝１３内に下半周縁を緩嵌したフ ィルターレンズＦの上半周側面に接して、その先端を下枠１０の他端内に軽く挿 入することにより、フィルターレンズＦの脱落を防止しつつ円周方向の手動回転 ができ、又弾性ストッパー１１の先端を下枠１０他端内に強く挿入することによ ってフィルターレンズＦに圧力をかけて回転防止がなされ安定に保持される。

【００１６】 弾性ストッパーとしては、フィルターレンズＦの上半周縁の略頂部に弾接し得 る円弧状の条片よりなる金属製ばね片であってもよい。 この弾性ストッパー１１を上方に引き上げることによりフィルターレンズＦの フィルター保持枠Ｂに対する装脱を容易にすることができる。

【００１７】 前記の取付基板Ａとフィルター保持枠Ｂとを組合わせた本フィルター装着装置 は、小型カメラＣの本体下面に設けられた三脚取付用ねじ孔に、その取付基板Ａ の基片部１の長孔７を通して取付ねじ８をねじ込み仮止めし、フィルター保持枠 Ｂに保持したフィルターレンズＦの面が小型カメラＣの撮影レンズ鏡筒４１の前 面にあって、ファインダー４２，露出計４３、距離計４４の所要光路を含む範囲 が収まるように、三脚取付用ねじ孔部に対し、取付基板Ａを左右に調節して前記 取付ねじ８を緊締し、さらにフィルター保持枠Ｂを撮影レンズ鏡筒４１の先端に 近接せしめて固定ねじ１８により固定することにより撮影状態に装着される。

【００１８】 図４は本フィルター装着装置の不使用時の携帯、収納に適するように、取付基 板Ａとフィルター保持枠Ｂに分解したさいに、取付基板Ａの平面寸法を縮小する ため、突出片部２の基部を横切って下面から切込み線２０を設けて、上部の薄肉 連結部２２において屈折折畳み可能とした状態の要部の拡大側面図であり、この 場合は切込み線２０の両側にわたる補強片２１を、該切込み線２０から基片部１ 側の裏面に接着するなどの補強手段を設けることが望ましい。 前記の切込み線２０に代えて該部において切断して１８０゜展開型の蝶番いを 設けて折畳み可能に連結してもよい。

【００１９】 図５は小型カメラＣの三脚取付用ねじ孔に取付基板Ａの基片部１の長孔７を通 して螺着する頭付き取付ねじ８として、その頭部面から内方に三脚取付用ねじ孔 ９を設けた場合の一部を断面とした側面図であり、この取付ねじ８によりフィル ター装着装置を取付けた小型カメラＣは、三脚取付けが可能となる。

【００２０】

【考案の効果】

本案のフィルター装着装置は小型カメラの本体下面に設けられる三脚取付用ね じ孔が小型カメラ機種によってその位置が異なり又カメラ本体前面の撮影レンズ 鏡筒位置及び鏡筒径の変動に対して取付基板の基片部の長孔並びに保持した大径 のフィルターレンズによって所望のフィルター装着状態が得られ、したがって小 型カメラ機種毎に寸法が異なるフィルターレンズを用いることなく、さらに、従 来フィルター装着が不能であったコンパクトカメラにも、フィルターレンズ装着 が容易にでき、したがって例えば複数の小型カメラを用いる山岳、海洋などの野 外撮影の場合に用いる各種のフィルターレンズの携行個数を著しく少なくするこ とができるなど、実用上の効果は著しい。

【図面の簡単な説明】

【図１】 実施例のフィルター装着装置の斜視図であ
る。

【図２】 フィルター装着装置を小型カメラに取付けた
状態の一部を断面として示した側面図である。

【図３】 フィルター装着装置を小型カメラに取付けた
状態の正面図である。

【図４】 取付基板の一部を省略した折畳み構造を示す
側面図である。

【図５】 カメラ本体の三脚取付用ねじ孔に螺入される
頭付き取付ねじの一部を断面とした側面図である。

【符号の説明】

１ 基片部 ２ 突出片部 ７ 長孔 ８ 頭付き取付ねじ ９ 三脚取付用ねじ孔 １０ 下枠 １１ 弾性ストッパー １３ 凹溝 １４ 挿通孔 Ａ 取付基板 Ｂ フィルター保持枠 Ｃ 小型カメラ Ｆ フィルターレンズ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 カメラ本体の下面形に略適合した長方形
   板状の長手方向に長孔（７）を設けたカメラ取付用の基
   片部（１）と、該基片部（１）の前縁中央から前方に直
   角演出した長方形板状の突出片部（２）とを有する取付
   基板（Ａ）と、前記取付基板（Ａ）の突出片部（２）が
   貫挿されて該突出片部（２）の直角上方に位置して前後
   方向に摺動可能に支持される大径のフィルターレンズを
   保持し得るフィルター保持枠（Ｂ）とよりなることを特
   徴とする小型カメラのフィルター装着装置。
2. 【請求項２】 フィルター保持枠（Ｂ）が大径のフィル
   ターレンズの下半周を緩嵌する内周面に凹溝（１３）を
   有する半円環状の下枠（１０）と、該下枠（１０）の一
   方の端縁に基端が固着されて、下枠（１０）に緩嵌支持
   された大径フィルターレンズの上半周側面に弾接し得る
   条片よりなる弾性ストッパー（１１）を有し、前記下枠
   （１０）の中央下方に、取付基板（Ａ）の突出片部
   （２）が適合嵌挿される挿通孔（１４）が設けられたも
   のである請求項１記載の小型カメラのフィルター装着装
   置。
3. 【請求項３】 取付基板（Ａ）の基片部（１）の長孔
   （７）に挿入されて、カメラ本体下面の三脚取付用ねじ
   孔に螺入される頭付き取付ねじ（８）が、その頭部から
   内部に向って設けられた三脚取付用ねじ孔（９）を有し
   たものである請求項１記載の小型カメラのフィルター装
   着装置。